三本脚のウマ娘

  • 1□□□□□□の記憶(1)21/08/25(水) 21:00:03

    ウマ娘とトレーナーの出会いというものが、必ずしも劇的というわけではない。
    しかし、その二人にとってそれは、決して忘れられないものになる。
    その時私は、寮長達も寝静まった夜に寮を抜け出し、ストレス解消に辺りを走り回っていた。
    そしたら、たまたま通りかかった学園のトレーナーに声をかけられたのである。

    「君、名前は!?素晴らしい脚だった!!君の夢は!?デビューはもう済んだ!?専属トレーナーはいる!?」

    多少受け応えするや否や、トントン拍子に話を進めていくそのトレーナーに、私は少し腹を立てた。
    当時、放任主義の親の元から中央へ来た私は……少し。ほんの少しだけやさぐれていたのである。

    「契約?ふざけんじゃないわよ。目障り、どっか行って。」

    ……そこそこやさぐれていたかもしれない。

    「待ってくれ!君の走りは本当に綺麗だ!是非スカウトさせてくれ!」
    「お断りします。あんたみたいな、いかにも熱血って感じのトレーナー、ちょっと鬱陶しいわ。しかもまだ新人トレーナーだし。」
    「君の走りをもっと見たい!一番近くで見たいんだ!話だけでも聞いてくれ──」

    ──トキノミノル!」

  • 2二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:01:00

    続けてくれたまえ

  • 3或るトレーナーの日誌(1)21/08/25(水) 21:01:18

    「──幻のウマ娘って知ってるか?」

    先輩トレーナーからそんなことを聞かれて首を左右に振った。
    あちゃあこいつはダメだなとか先輩ながら失礼なことを言われたが、話を聞いてみると、まぁ、知らない方がおかしかったかもしれない。

    トキノミノル。またの名をパーフェクト。
    現役時代は10戦10勝。内レコードが7回。
    半世紀を優に越える歴史をもつ戦後の中央競バにおいて、唯一、10走以上を戦って生涯無敗。
    なんなら現役時代の銅像は、東京競バ場に飾られている。

    何故俺がそんなことを知らなかったというと、トキノミノルは引退してからの情報が何一つ出てこないからである。
    いくら有名な芸能人でも、現役を退きひっそりと隠居すると、案外人は忘れていくものだ。
    新人トレーナーである俺は、ぎりぎりトキノミノルを知っている世代からずれてしまっていたようだ。

    まぁそんなことは正直どうでもいい。いやちょっとだけ気になるから後で先輩から貰ったレースの資料映像は見ておくが。
    今夜は、この間ようやく仲良くなれた『駿川たづな』さんを誘い、一緒に食事に行くつもりなのだ。
    学園の理事長秘書で、いつも俺たちのサポートをしてくれる学園の太陽のような存在。
    あれだけウマ娘のことが好きで素敵な女性はそうそういないだろう。
    下心は断じて無いが、出来ることならお近づきになりたい。
    同じようにたづなさんに憧れを抱いている同期のみんなには申し訳ないが、抜け駆けさせてもらうとしよう。

  • 4二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:01:21

    こういう人の過去がやさぐれてるの好き

  • 5二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:01:34

    三本足...嫌な予感しかしねぇ

  • 6トキノミノルの記憶(2)21/08/25(水) 21:02:42

    私は生まれついて、足を悪くしていた。
    ウマ娘も、ウマ娘のレースも好きだった父が、私の足が健康なものではないと知ると、内心ガッカリしていたのは、子供の私にも嫌でも伝わってきた。

    「そういうわけで、私は自分が走りたい時だけ走るの。予定を組んでレースなんて足を悪くするような真似、まっぴらごめんだわ。」
    「……そうか。」

    そのトレーナーは、私の足が悪いことを知ると、あからさまに落ち込む様子を見せた。
    やっぱりそうだ。
    この男に声をかけられる前から、何人かのトレーナーに声はかけられていた。
    しかし全員、私の足が悪いことを聞くと、肩を落として去っていく。
    当たり前だ。将来性の無いウマ娘と契約するトレーナーがどこにいる。

    「じゃ、私は行くから。」
    「──走ることが好きなのに、足はあまり良くないのか。」
    「……は?」
    「……よし!じゃあ、出たいレースだけ出てくれればいい。俺は、君がのびのび走る姿が見たいんだ。」

    何を言っているのか、よく分からなかった。

    「ちょ、ちょっと待って!!私の話聞いてた!?」
    「聞いてたよ。君は走るのが嫌な訳ではないんだろ?だったら、君の足が許す範囲でいい。君の走りたい距離だけでいい。君が走る姿を、一番近くで見せてくれないか。」

    この時、私は大きく心揺さぶられた。
    そうして私は、後にこのトレーナーと契約を結ぶこととなる。
    そして私はこの男を──

    ──今でも許すことができない。

  • 7或るトレーナーの日誌(2)21/08/25(水) 21:04:04

    たづなさんとの食事を終え、帰路についた。
    いやまさか、ラーメン餃子セットを食べることになるとは思わなかったが。
    もっとこう……カタカナいっぱいのお洒落な食べ物が主食の人を想像していたので。パスタとか。
    だがこれで、思いの外たづなさんに親近感が湧いてきた。
    クレーンゲームと競バ観戦だけが趣味のつまらない俺にも、たづなさんは凄く優しい。
    周りから『期待の新人トレーナー』とは言われていたが、そんなもの座学の点数が良かっただけだ。
    下心は誓って無いが、これから頑張って、たづなさんに相応しい男にならなければ!
    たづなさんにもらった丸々一個のリンゴを齧り、それを牛乳で流し込みながら決意した。

    それはそれとして、担当しているウマ娘の為にも頑張らなくてはないない。
    たづなさんにうつつを抜かし、こちらを疎かにするようなことがあればトレーナー、いや人間失格である。
    もし担当ウマ娘が負けようものなら、睡眠薬をいっぱい飲んで首を吊りながら切腹してやる。
    俺を信じてくれるあの子のためにも、負けさせるわけにはいかないのだ。

    次の日、担当しているウマ娘にたづなさんと出かけたことを話した。
    たづなさんに取られるのは困るとか何とか言っていたのが聞こえたが、正直何の話かはよく分かっていない。
    だが私が走るところだけ見ていればいいと言ってトレーニングに精が出ているのはいいことだ。
    やる気を出してくれたみたいでよかったよかった。
    今後もたづなさんとお出掛けしたら話してやるか。

  • 8二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:05:42

    トキノミノルしっとり概念最高

  • 9トキノミノルの記憶(3)21/08/25(水) 21:05:48

    「…………トレーナーさん。あのさぁ……。」
    「ん?どうした?」
    「年頃の娘に奢るご飯がラーメンと餃子って!!」
    「ミノルはラーメン、嫌いだった?」

    ツルツルと麺をすすりながら、男は呑気に受け応える。
    デビュー戦を2着と8バ身差で圧勝した私は、祝勝会としてトレーナーに晩ご飯を奢ってもらっていた。
    素行態度のせいか2番人気だったが、それはそれで気持ちがいい。
    私が1着を取った時のあの周囲の顔!それはもう傑作だった。
    ……あの頃の私はちょっと性格がよろしくなかったかもしれない。
    それにしても、洒落っ気の無いトレーナーだ。
    花も恥じらう乙女相手に、ビフテキくらい奢れないのか。

    「……ふん、まぁいいわ。これからトレーナーさんには破産するほどたくさん奢ってもらうんだから。」
    「よし、いいぞ!レースで勝つたびに奢ってやる!」
    「……約束、だからね。」
    「でもあんまりトラブルは起こさないようにしてくれよ?怒られるの俺なんだから」
    「分かったわよ!!うるさいわね!!」
    「あと足にも負担がかからない範囲でな?」
    「分かってるってば!!」

    そうして私もラーメンをすする。
    ……誰かと一緒に食事をするのは久しぶりだ。
    学園でも、家でも、あまり周りに人はいなかったから。

    「……おいし。」

  • 10或るトレーナーの日誌(3)21/08/25(水) 21:07:16

    久しぶりに、たづなさんと食事を共にした。
    お互い忙しい身なので、予定がなかなか合わないのは仕方ないのである。
    帰り道、相変わらずたづなさんとウマ娘の話で盛り上がる。
    さりげないボディタッチと、心底楽しそうな笑顔。
    下心があるわけでは全く無いが、こりゃどう見ても俺に気があるよな。

    話は変わるが、昼間にトキノミノルのビデオを視聴した。
    画質は荒く、せいぜい目付きが少し悪いくらいしか分からなかったが、美人そうなウマ娘だった。
    そしてなにより、見ているだけで恐怖すら感じる程の、神懸かった走りが鮮烈だった。
    あの冗談のような脚のキレ、ひょっとして俺の担当しているウマ娘よりも──。

    「!? トレーナーさん!?突然自分の顔を殴ってどうしたんですか!?」
    「ああ、いえ……少し悪魔の感情が過ぎったので……」

    そういえば、たづなさんはウマ娘についてとても詳しい。
    しっぽの毛一本あれば、どのウマ娘か特定できるとかなんとか。
    トキノミノルについても、何かコアな情報を知っているだろうか?
    面白い情報が得られるかもしれない。そう思い、たづなさんに尋ねてみた。

    「たづなさんってトキノミノルって知ってますか?」
    「……ええ、勿論!私も好きですよ。常勝無敗、成績最良、且つ、容姿端麗のウマ娘。」

    へぇ、容姿も有名だったんだ。知らなかった。

    「走った十度のレースの内、7回がレコードタイム。
    そして──

    ──脚を折って走ったレースを最後に、そのまま引退した。」

  • 11トキノミノルの記憶(4)21/08/25(水) 21:08:53

    「脚の調子、あんまり良くないかも」
    「そうか。じゃあ次のレースはやめとくか」

    二つ返事でトレーナーは済ませた。
    だが私は知っている。
    レースというのは出走登録でさえ大変なのに、出走取り消しの手続きは更に輪を掛けて面倒であることを。
    レース関係者からは嫌な顔をされ、マスコミからも叩かれる。
    それでも彼は嫌な顔一つせず、ただ黙って予定表に二本の斜線を入れるのだ。

    「……トレーナーさん。」
    「ん?」
    「本当に私が担当でよかったの?」
    「どうしたんだ、ミノルらしくもない」

    少しムッとしたが、私らしくないのは事実だ。
    彼は予定表を見ながら続ける。

    「当たり前だ、君の走りは誰よりも綺麗だ。」

    そして私の方に振り向くと、こう言った。

    「ミノルの脚は俺が必ず守る!!」

    あの時の頼もしい笑顔は、ずっと忘れられない。
    無垢で、健気で、あたたかで。今でも脳裏に焼き付いている。

    ああ──

    ──この大嘘つきめ。

  • 12二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:10:08

    三本足っていうのは松葉杖のことだった…?

  • 13或るトレーナーの日誌(4)21/08/25(水) 21:10:43

    偶然にも映画の割引チケットが手に入ったので、たづなさんを誘って映画を観に行った。
    いやぁ……最高だった。
    下心があるわけではほとんど無いが、もうなんか途中からたづなさん見てるのか映画見てるのか分からなくなっていた。
    ……まぁ冗談はさておき、映画自体も最高だったので今度他に何か面白い映画がないか探しに行くことにしよう。
    そう思いながら帰路につき、ふと上を見上げると、駅前のビジョンにタイムリーな宣伝文句が映し出されていた。

    『鮮烈な印象を残し、ターフを去った。
    彼女の伝説は今もなお語り継がれている──』

    『"幻のウマ娘"、リバイバル上映決定。』

    どうやらトキノミノルがテーマの映画らしい。
    少し調べてみると、どうやら昔やっていた映画で、一時期いろいろ揉めて即刻公開中止になっていたが、最近になってようやくリバイバル上映が決まったとか。
    最近トキノミノルを知った俺にとっても、非常に都合が良かった。

    だがしばらくはスケジュールが空いていないので、観に行けるのはだいぶ先の話になりそうだ。
    担当しているウマ娘に振り回されっぱなしではあるが、それはトレーナー冥利尽きるというもの。
    ウマ娘が望むなら、俺は喜んで奴隷になるのだった。
    しかし彼女はいつも忙しそうだ。たまには息抜きをしてほしい。
    そうだ!この映画には彼女も一緒に連れて行こう。
    たづなさんと三人で見れば、きっと仲も深まるはずだ。

  • 14トキノミノルの記憶(5)21/08/25(水) 21:12:51

    「いやぁミノルは凄いな。ちょっと前まで無名だったのに今はもう一躍時のウマ娘だ。」
    「ふふん、当然でしょ?貴方の担当ウマ娘よ?」
    「おそれみました」

    私の載った新聞を眺めるトレーナーを見て、私は思わず口角が上がってしまった。
    ここまでの試合は全戦全勝。過去最強のウマ娘と呼ばれていた。
    父が掌を返したように連絡をよこすようになったのは少しシャクだったが、なんだかんだ愛してもらえるのは、父に認めてもらえたようで嫌ではなかった。

    「いいからさっさとトレーニングの準備をしなさい」
    「今日も足は大丈夫なのか?」
    「当然、絶好調よ。少しでも痛かったら帰って寝てやるわ。」
    「そりゃよかった」

    そう言うと彼は優しく笑い、新聞をしまって背伸びをする。

    「ミノルのトレーニングに付き合うのも大変だからな、絶好調だとこっちが持たないかも」
    「冗談、死ぬ気で付いてきてるくせに」
    「それはそうだけど。うーん、俺の脚がダメなのかな?俺も筋トレとかした方が良いかな、いや柔軟か?」
    「そうねぇ……」

    彼の体をマジマジと見つめ、思ったことを率直に述べた。

    「根性が足りてないんじゃない?」
    「……君、アドバイス下手くそだな…………」

  • 15或るトレーナーの日誌(5)21/08/25(水) 21:15:22

    たづなさんをお出かけに誘うため、学園内を練り歩いていると、いつになく語調の荒いたづなさんと、それをたしなめる理事長の姿を見つけた。
    しょんぼりしているたづなさんに話を聞いてみると、どうやらたづなさんは医療品の在庫に不備があったことが納得いかなかったらしい。
    今まで怪我で引退してきたウマ娘達をたくさん見てきたらしく、怪我や故障に対して非常に臆病だとか。
    うう……なんて優しい人だろう。

    その後、脚がもつれて転んだたづなさんの足首の怪我を、簡単に処置してあげた。
    本人はいいと言っていたが、ばい菌が入ると大変である。
    なにより、何故かたづなさんの足の怪我は、早く治した方が良い気がしたのだ。
    消毒し、最後にバンドエイドで保護すると、たづなさんはどこか嬉しそうに笑う。

    「担当さんのことが、ちょっぴり羨ましいかも?……なんて、冗談です♪」

    ……下心はあんまりないが、こりゃどう見ても俺に気があるよな!?
    いやぁ参っちゃうなぁ、参りすぎてマイル適正がSになりそうだ。

    ……それにしても、医療品の不足で動揺する今日のたづなさんは本当に珍しかった。
    昔何かあったのだろうか……例えばたづなさんは実はウマ娘で、現役時代に大きな怪我で引退を余儀なくされたとか。
    ううむ、我ながらなんと突拍子の無い考察だろうか。
    たづなさん人間だし(耳と尻尾が無いので)。
    そもそも怪我に臆病だという割には、自分の怪我の治療は遠慮していた。
    だから自分の怪我で引退だとか、そういうものではないだろう。きっと。

    ところで最近、担当ウマ娘がやたら自分と距離が近い気がする。
    まぁ割と変わっている子なのであまり気にはしていないが、年頃は年頃なのでほどほどにしていただきたい。
    ……いやまぁ、変な感情ではないだろうけど。

  • 16トキノミノルの記憶(6)21/08/25(水) 21:17:04

    「ミノルとトレーナーってデキてんの?」
    「ブバッ」

    飲んでいた瓶のニンジンジュースを吹き出してしまった。

    「イッセイ……あなたねぇ……」
    「あはは、ごめんごめん」

    皐月賞も快勝し、久しぶりの休み。
    私は中央でできた初めての友だちと共に、街へ繰り出していた。
    このデリカシーの欠片も無いウマ娘の名前は、『イッセイ』。
    ここ最近のレースで私にくっつき、毎回2着を取っている、まぁそこそこ凄いウマ娘である。

    「でもミノルっていっつもトレーナーの話してるしさ。」
    「そりゃ、私……トレーナーさんとイッセイ以外仲良い人いないし……。」
    「……ミノルってレース以外は全然パーフェクトじゃないよね。」

    なんて失礼な、もう一度ニンジン吹きかけてやろうか、などと思いつつも、ふとトレーナーのことが頭に過ぎる。
    確かに顔は悪くないし、年齢もそこまで離れているわけでもない。
    性格も……まぁ、うん。嫌いじゃないかな、なんて……。

    「……いや無いって!!全然無いから!!」
    「あはは、まぁミノルが誰かと付き合うとか考えにくいしね」

    一々失礼なウマ娘だ。

    「いやでも、ミノルとトレーナーさんってマジでめちゃくちゃ仲良いよね。
    一心同体って言うかさ、一蓮托生?比翼連理?
    ……あっ!──

  • 17或るトレーナーの日常(6)21/08/25(水) 21:18:57

    先日、ついに件の幻のウマ娘の映画を観に行った。
    一人で。
    担当ウマ娘にたづなさんと三人で行こうと行ったら、その日は忙しいと言って断られてしまった。残念だ。
    ちなみにその後、たづなさんも誘ったが、仕事で来れなかった。
    なのでカップルや子供連れに囲まれ1人で寂しくポップコーンを食べている成人男性一体が誕生されてしまったが、別に凹んでなどはいない。
    どうやらこの映画は、最近非常に勢いのある『蹄鉄の刃-無限ターフ編-』を凌いで、今の日本で一番興行収入が多い映画らしい。
    若干映画にハマりつつある俺は、少しワクワクしながら席についた。
    そして映画怪盗のパントマイムも終わり、上映が始まる。
    その内容はこうだ。

    パーフェクトと呼ばれるほど圧倒的実力を持ったウマ娘、トキノミノル。
    しかし彼女は脚に爆弾を抱えていた。
    それでも彼女は負けずに走り続る。
    そして炎症が悪化し、脚にも限界が来ていた日本ダービー。
    トキノミノルは最後の力を振り絞り、レコードを叩き出す。
    大勢の観客に囲まれ、涙を流して喜ぶトキノミノル。
    そして彼女は笑顔で引退したのだった。

    …………個人的な意見感想だが……クソ映画だった。
    最近見た『ウマ娘vsシャーク娘』の方がよっぽど退屈しなかった。
    役者よりビデオで見た本物のトキノミノルの方が綺麗だったのは置いておいて、内容が少しお粗末というか。
    周りからは感動ですすり泣く声が聞こえるが、トレーナーの目線で見るとやっぱり粗が目立つ気がする。
    トレーナーの描写が殆ど無いのも気になるが、全体的に言葉にできないおかしみを感じる。
    最後のトキノミノルが感涙するシーンも、どうにも嘘くさい。
    まるで作られた物のような……いや作り物か。映画だし。

    だが、何よりも気になったのは──

    「──引退した理由、炎症だっけ?」

  • 18トキノミノルの記憶(7)21/08/25(水) 21:20:48

    忘れもしない、あの夕方。
    日本優駿を控えた、前日。
    私は明日の準備も兼ねて、トレーナーと買い物に出ていた。
    二人して、ダービーに勝ったら今度こそラーメン以外のものを奢ってもらうとか、次のお出掛けは映画を見にキネマに連れて行ってほしいとか、他愛も無い会話をしていたことを覚えている。

    私はせっかちだから、点滅している信号はさっさと渡ってしまうのだった。
    横断歩道をさっさと歩き終えてしまう私。

    「トレーナーさん!信号点滅してるから早く!!」

    ウマ娘の私は、人間である彼を急かす。

    「待ってくれって!ほんとせっかちだなミノルは!!」
    「だってトレーナーさん、歩くの遅いんだもの。今日は特に!」
    「いや、最近どうにも足の調子が……」
    「もう、なにして──」

    ──瞬間、足に走った激痛。
    横断歩道の真ん中で、うずくまった。
    脚を抱えるようにして、その場に跪いた。
    ……血の気が引いた。

  • 19或るトレーナーの日誌(7)21/08/25(水) 21:22:21

    「たづなさん、少し聞きたいことがあるんですけど」
    「はい!なんで──。」

    俺が手に持った『幻のウマ娘』の映画パンフレットを見て、たづなさんは一瞬、硬直した。
    そしてすぐ何事もなかったかのように、いつもの笑顔で話を続ける。

    「あぁ、その映画ですか……すみません、それでしたら他の方を誘って……」
    「たづなさん言ってましたよね。トキノミノルは脚を折って引退したって。」
    「……言いましたっけ?そんなこと。」

    あからさまにすっとぼける彼女。
    もしかして、たづなさんは何か知っているのか?
    もしそうだとしたら……俺の"考察"に答えられるかもしれない。
    あの映画を見て感じた違和感、どうにも腑に落ちなかった部分。
    あれから俺は自分なりに、その違和感の正体を考え続けていた。
    もし、たづなさんが何かを知っているのなら──。

    「……たづなさん、トキノミノルが折った脚っていうのは右足ですか?左足ですか?それとも──

    ──三本目の脚ですか?」

  • 20二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:23:42

    ああ...

  • 21二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:23:59

    二人三脚かー

  • 22トキノミノルの記憶(8)21/08/25(水) 21:24:12

    足に走った激痛。
    横断歩道の真ん中で、うずくまった。
    脚を抱えるようにして、その場に跪いた。
    ──振り返ると、そんな様子のトレーナーがいて、私は血の気が引いた。

    彼など放っておけばよかったんだ。
    もしかしたら、車の方が勝手に止まってくれたかもしれないのに。
    思わず私は飛び出してしまった。

    「トレーナーさん!!」

    ──1車線隣の道で蹲るトレーナーを見て気を取られたのだろう。
    トラックは飛び出す私に一瞬反応が遅れた。

    「ミノル!!」

    私など放っておけばよかったんだ。
    ウマ娘の体は丈夫にできている。
    トラックにはねられても、きっと、せいぜい、走れない体になる程度で済むだろう。
    にも関わらず、彼は必死の形相で私を突き飛ばした。
    丸めていた体を一気に伸ばし、痛めた脚など気にも止めず、火事場のバ鹿力とやらで。

    そして、私の三本目の脚は、
    見るも無残にへし折れた。

  • 23二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:24:59

    キッツイ……

  • 24或るトレーナーの日誌(8)21/08/25(水) 21:25:58

    「……どこで知ったんですか?トキノミノルのトレーナーのこと」
    「想像というか、もはや妄想の域でしたが……どうやら本当に何かあったらしいですね」

    俺はすぐさまその場で跪き、神妙な顔をしているたづなさんを見上げる。

    「もし、なにか知っているなら、俺にどうか教えてもらえないでしょうか!!トキノミノルの……日本ダービーの真実を!!」

    頭を下げて頼み込む。
    たづなさんは少し困ったような顔をして、悩み──

    「──分かりました。貴方のことですから、ただの興味本位ではないんでしょう?」
    「はい!!なんていうか……こんなこと言うのもおかしな話なんですけど……放っておけないんです!!幻の中から、トキノミノルが、助けを求めている気がして!!!」
    「助け、ですか。」

    場所を移しましょうと言って、たづなさんは俺に手を差し出した。
    手を取る俺を見つめ、たづなさんは言葉を溢す。

    「ええ、トキノミノルはずっと助けてほしかった。ありがとう、トレーナーさん。」

  • 25トキノミノルの記憶(9)21/08/25(水) 21:28:52

    人生最後のレースは、最悪だった。

    トキノミノルの10連勝、二冠目の掛かった日本優駿。
    押し寄せた観客は、敷居の柵さえへし折らんとする勢いだった。
    仮に、私が出走しないとなれば、冗談抜きで日本がどうなっていたか分からない。
    投げ出したい気持ちもあった。しかし、あの人と最後に出走登録したレースを、無碍にすることなどできなかったのだ。
    理事長からは申し訳ないと何度も頭を下げられたが、自分の都合なので気にしなくていいと言っておいた。

    私は望まぬ歓声を浴びてターフに立つ。
    ──不快だった。
    ダービーに出たくても出られないウマ娘は星の数ほどいる。
    この感情がこの場にどれだけ不相応かは理解していた。
    しかしそれでも、私には騒音にしか聞こえなかったのだ。

    頬を撫でる風が、やたらと気持ち悪く感じた。
    青々と広がる空が、どうにも不気味に見えた。
    声援をあげる観客が、非常に不愉快に感じた。

    そして始まった最後の日本俊優、日本ダービー。

    脚の痛みは激痛と化していた。

  • 26或るトレーナーの日誌(9)21/08/25(水) 21:30:00

    たづなさんが話す、トキノミノルのダービーの話は、
    ネットで調べたどんな情報よりも
    鮮明で、鮮烈で、残酷なものだった。

    俺は黙って、
    彼女の話を聞き続ける。

    遠くを見つめるたづなさんの横顔に、
    何故か、トキノミノルを重ねながら。

  • 27トキノミノルの記憶(10)21/08/25(水) 21:31:32

    ──どうして私は走っているのだろう。何故こんなところを走っているのだろう。
    最高の舞台であるはずのターフを走りながら、そんなことを思う。
    体が重い。風を切る感覚が感じられない。自分の足で走っているとは思えない。
    本当に私は二本の足で走っているのか……?
    その時、ふと、友人の言葉が脳裏を過ぎった──。

    「ミノルとトレーナーさんってマジでめちゃくちゃ仲良いよね。
    一心同体って言うかさ、一蓮托生?比翼連理?

    あっ──"二人三脚"って感じ!ミノルとトレーナーさん、二人で一組の脚みたいな!」

    「……ふふっ、なにそれっ。」
    「ミノルは足がアレだけど、二人で走れば脚が増えて安心!ってことで。二人三脚だから……"三本脚"だ!」
    「まぁ……悪くないかもね、"三本脚のウマ娘"。」

    ──そうだ。『二本しかない』のだ。
    だって私の掛け替えの無い、あと一本の脚はもう──。

    「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

    嫌で、嫌で、無我夢中で駆けた。
    気が付いたらターフで私は横たわっており、劈くような歓声と目障りな紙吹雪が宙を舞っていた。
    いつも笑顔でおめでとうと言う、控え室で待つ彼はもういない。
    私は泣いた。みっともなく泣き喚いた。
    泣いて、泣いて、泣いて、泣いて。
    次の日の新聞には、大きくこう書かれていた。

    『トキノミノル、レコードで1着。感涙に咽び泣く。』

  • 28或るトレーナーの日誌(10)21/08/25(水) 21:33:57

    たづなさんの口から聞かされたトキノミノルの日本ダービーは、本当に壮絶なものだった。
    トレーナーを亡くした翌日に、病院にもろくに付き添えず、葬儀にも出られず、二本しかない脚でレコードを叩き出した。
    その時のトキノミノルの心情など、考えただけで──。

    「うっ……ぐすっ……!ふぐぅ……」
    「と、トレーナーさん!?なんで泣いてるんですか!?」
    「だっで……トキノミノルが……可哀想で……えっぐ……」
    「…………ええ、可哀想なウマ娘でした。」

    ベンチに座って二人で並び、情けなく泣く俺の背中を、たづなさんは優しく撫でてくれた。
    そしてしばらくして、ようやく落ち着いた俺の顔に手を添えると、たづなさんは俺の目を見てこう言った。

    「いいですか。担当ウマ娘を置いて消えてしまうトレーナーなど、許されません。
    たとえそれが担当のためだったとしても、担当ウマ娘は一人で悲しみます。
    だから、トレーナーさん。貴方は必ず、担当ウマ娘を大切にしてあげてください。」

    その言葉は、俺に語りかけているようで──どこか遠くへ向けた言葉なような気もした。
    俺は思わずたづなさんの両手を握り締めた。

    「ひゃっ!?トレーナーさん……!?」
    「はい!!俺は必ず大切にします!!絶対、目の前から消えたりしません!!!一生大事にします!!」
    「は、はいぃ!?」

    顔を真っ赤にして慌てふためくたづなさんを他所に、俺は担当ウマ娘への決意を新たにした。
    俺が必ず、一生、幸せにしてやるからな!!

  • 29トキノミノルの記憶(11)21/08/25(水) 21:35:29

    そして私は引退を決意した。

    最初は脚が壊れるまでレースに出続けてやろうかと思った。
    しかし、出走登録表に名前を書こうとしたその時、彼の言葉が脳裏をよぎった。

    『ミノルの脚は俺が必ず守る』

    ……嘘吐きめ。
    あの男は、いつの間にか私の脚になってしまっていた。
    そして、いつの間にか折れてしまっていた。
    勝手に救って、勝手に置いていくなんて、なんで悪い男なんだ。

    だけど──。

    私は引退を決意する。
    もうターフは走らない。
    これ以上、彼を嘘吐きにしないために。
    三本目の脚が命を懸けて守ってくれた、この二本の脚を壊さないために。

    そうだ、私もウマ娘を助けられる立場になろう。
    もう二度と、自分みたいなウマ娘が現れないために。
    ウマ娘の負担も、トレーナーの負担も減らせるような、みんなに頼られる存在になろう。
    あの人が最後までやれなかったことを、私がしてやるんだ。

    「……私にトレーナーは向いてないかもだけど。」

  • 30或るトレーナーの日誌(11)21/08/25(水) 21:37:17

    ある日のこと、俺は理事長に理事長室に来るように言われた。
    なんでもたづなさんが最近俺の話ばかりするので、ワーカホリック気味の彼女を、元気付けてあげてほしいとのことだ。
    残念ながら、本当に下心など無くなってしまったが、俺がたづなさんを元気付けてあげられるなら、俺はなんだってしてあげられる。
    理事長に言われた通り、そーっとドアをあけて理事長室に入った。

    「すー……すー……」

    すると中には、理事長のソファで昼寝をしているたづなさんを見つけた。
    とりあえず、体を冷やしてはいけないので、俺の着ていた上着を脱いでたづなさんに掛けてあげた。
    そんな彼女の顔は、どこか幸せそうだった。

  • 31駿川たづなの夢(1)21/08/25(水) 21:38:38

    気が付くと、私はターフの上を駈けていた。
    なんだか懐かしい景色のような気がする。体も少し、若返ったような……。

    「ミノル!!」
    「は、はい!!!」

    思わず返事をして振り返る。
    ああ、この声は、この顔は──。

    「と……トレーナーさん……?」

    「どうしたミノル、急に止まって……」
    「トレーナーさん!!!!」
    「わっ!?」

    私は思わず抱きつき、そのまま彼の胸で泣き喚いた。

    「ごめんなさい!!ごめんなさい!!
    私……あの後はもう走れなかった!!!
    怖かった!!一人だと走れなかった!!!」

    しばらく目を白黒させていた彼だったが、しばらくすると、私の頭を撫でてくれた。

    「……悪かったな、最後まで一緒にいてやれなくて。」
    「いいの、いいの、私、私……!!」

    それからしばらく子供のように泣き喚く私を、ただただ、この人は慰めてくれた。

  • 32駿川たづなの夢(2)21/08/25(水) 21:40:05

    「──そうか、ミノルは理事長の秘書になったのか。」
    「ええ、そうよ。それと、名前はもう『駿川たづな』なんだから」
    「そうかそうか……けど俺は、ミノルって呼びたいな」
    「……ええ、構わないわ」

    「ミノル。足はもう大丈夫なのか?」
    「大丈夫、たまに生徒を取り締まる為に走る時もあるけど、基本的には歩いてるし」
    「ミノルから逃げる生徒がいるのか、そりゃ凄いな」
    「いえ、全員捕まえてるわ」
    「そ、そうか……そりゃ凄いな……」

    「ミノル、理事長さんはどうなった?」
    「あれから現役を退いて、今は娘さんが引き継いでるわ」
    「そうかそうか……あれ?理事長さん娘いたっけ?」
    「あれからちょっとして生まれたのよ」
    「ええ……今の理事長何歳なんだ……」


    「……ミノル」

    「なに?トレーナーさん。」

    「君は今、幸せか?」

    「……ええ、すっごく!!」

    「そうか。なら、俺も幸せだ。」

  • 33駿川たづなの夢(3)21/08/25(水) 21:41:23

    「さて、そろそろ目も覚める頃か」
    「ああ、やっぱり夢だったのねこれ」
    「お、名残惜しんだりしないのか?」
    「夢でしょ?それならまた会えるじゃない。」
    「はは、それもそうだな。今度は化けて出てやるか」
    「いいわね、ゾンビスタイルでもいいわよ」
    「……俺に対して不謹慎じゃない?」
    「言い出したのはトレーナーさんでしょう?」
    「……ぷはっ!」

    そこから二人で大笑いした。
    そして、私は彼に告げる。
    言いたくても言えなかった、胸の内のありのままの言葉を。

    「トレーナーさん、私を選んでくれてありがとう。
    私、貴方の専属ウマ娘で幸せでした。」

    この言葉を聞いて彼は、目を丸くし、少し気恥ずかしそうにして、笑ってみせた。

    「……俺の方こそありがとう。」

    そうして彼は消えていく。
    泡沫の幻ように。
    三本脚のウマ娘の夢は、思い出の中へ溶けていく。

    そして私は──目を覚ますのだ。

  • 34或るトレーナーの日誌(12)21/08/25(水) 21:43:06

    今日はようやく夢にまで見た、担当ウマ娘とたづなさんと三人でお出掛けだ。
    いやぁこの三人でお出掛け出来たら楽しいと思ってたんだ、はっはっは。
    そんなことを言っていたら、後ろから担当ウマ娘に水をかけられた。
    たづなさんはそんな光景を見て笑っている。心なしか、普段より晴れやかな笑顔だ。

    結局のところ、あれだけ偉そうなことを言っていた俺はトキノミノルに何もしてやれなかった。
    今のトキノミノルがどこでなにをしているか調べようとしたが、たづなさんに止められてしまった。
    『その気持ちだけで彼女は救われました』、らしい。
    前から思っていたが、たづなさんからは、どことなくトキノミノルに似た雰囲気を感じる。
    たづなさんはもしかして……トキノミノルの血縁者なのだろうか?
    もしそうだとしたら伝えておいてほしい。
    俺は君の大ファンで、君の走りが大好きだったと。

    「トレーナー君!!物思いにふけってないで、早く来たまえ!!折角研究時間を返上して遊びに来たんだ、もっと色々奢ってくれないか!!」
    「はいはい、分かった分かった」

    怪しく光るふくらはぎを、厚手のズボンで隠しながら、俺は自分の愛バの後を追い掛けた。

  • 35或るトレーナーの日誌(13)21/08/25(水) 21:45:06

    アグネスタキオンは脚を騙し騙しレースに出続けてきた。
    今はもう完治済みだが、どこかトキノミノルに通じるところがあったかもしれない。
    そう思うと居ても立ってもいられず──

    「タキオン!!」
    「ん?どうしたんだい?」

    「タキオンの脚は俺が必ず守るからな!!」

    それを聞くと、タキオンは嬉しそうに笑った。

    「そうかそうか、なら丁度いい!新しい薬を持ってきたんだよ。この薬の成果が私の予想通りなら──」

    タキオンはそう言って薬の説明を続ける。
    俺の想いが伝わったのか伝わってないのかはイマイチ分からないが、俺が勝手に決意できたなら、それでいいだろう。
    そんな俺の肩をポンポンと叩き、たづなさんが話しかけてきた。

    「ふふっ♪なんだか私、タキオンさんに妬いちゃいます。」
    「えっ、なんでですか?」
    「だって貴方、本当にそっくりなんですから。」
    「え?誰に?何にです?」
    「それは勿論──



    ──私の三本目の脚ですよ!」

    -終-

  • 36二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:46:10

    888888888

  • 37二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:46:10

    長すぎて草(書き終えた感想)

  • 38二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:46:35

  • 39二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:46:37

    >>37

    お疲れさまでした

  • 40二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:46:48

    ええもんみせてもらったわ……

  • 41二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:46:59

    これは名怪文書、後世に残したい

  • 42二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:47:02

    良い

  • 43二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:47:58

    ありがとうありがとう

  • 44二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:48:07

    傑作ッ!
    保存を忘れずになッ!

    いやほんと良かったですありがとうございました

  • 45二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:48:32

    お疲れ様…!

  • 46二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:48:35

    pixivとかハーメルン投稿して頂けせんか?この名作はこんなとこで埋もれるべきじゃない

  • 47二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:48:43

    ありがとう、素晴らしい物語を、ありがとう…!

  • 48二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:49:27

    感゛動゛し゛た゛ぁ゛〜゛!

  • 49二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:49:36

    コンシューマ版タキオンルートの隠しエピソードかな?

  • 50二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:50:12

    これがコンシューマー版ウマ娘の隠しルートですか

  • 51二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:51:35

    おつ
    傑作だった

  • 52二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:51:50

    新人トレーナーの担当がタキオンなのは幻の三冠繋がりか……

  • 53二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:52:40

    めっちゃいい…

  • 54二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:54:58

    どこか投稿すべきだと思うぞこれは

  • 55二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:55:20

    >>41

    これは怪文書どころか名文だよ…素晴らしい

  • 56二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:57:43

    記念パピコ
    これは名作ですよ…

  • 57二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 21:57:45

    今すぐTwitterやpixiv、その他に投稿してくれお願いします

  • 58二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:01:55

    これは永久保存版ですわ
    こんなところで燻らせてないで渋にでも投稿してくれ

  • 59二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:04:36

    トキノミノルが題材で今関わってるトレーナーのウマ娘がタキオンなのすごく好き…
    文もしっかりしてるからほかにも何か書いてたんすかね?

  • 60二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:05:33

    あかん泣く
    現在と過去を合流させるのが上手すぎる

  • 61二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:09:00

    すまんたづなの夢で泣いた

  • 62二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:09:40

    めいさく
    pixivかなんかに出した方がいいと思うまじで

  • 63二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:18:38

    トキノミノル実装はよ

  • 64二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:30:00

    過去と現在で投稿名変えてるから、掲示板外だと難しい演出よね。
    友人に共有したいけど、掲示板外に出したくない...

  • 65二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:43:13

    >>64

    章毎にタイトル変えれば良い

    かぐや様みたく

  • 66二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 22:43:20

    >>64

    pixivならページ分け出来るから一応再現できないことは無い

  • 67二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 23:24:03

    トキノミノルを育成したいんだけどでもトレーナーはトキノトレじゃないんだ……

  • 68二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 23:37:28

    1周年辺りにレジェンドレースとしてトキノミノルが出てくるの期待してる。もちろんえげつないステしてる感じの

  • 69二次元好きの匿名さん21/08/25(水) 23:51:10

    そうか…この目から溢れるものが…

  • 70二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:03:39

    久しぶりにネットの文章で感動した
    ありがとう

  • 71二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:07:05

    このレスは削除されています

  • 72二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:13:25

    後世に伝えるべき逸品

  • 73二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:13:36

    >>71だけど

    やっぱり直接お礼言いたいから消した

    素晴らしい作品をありがとうございます

  • 74二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:16:40

    このレスは削除されています

  • 75二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:35:33

    いいもん見せてもらったわ……
    3本脚のトキノミノルを2本脚のウマ娘でこう例えるのはまさに発想の勝利、それでいて物語としても最高

  • 76二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 00:37:35

    興味本位で開いたスレにここまで引き込まれるとは思わなかった・・・
    大好きですわ

  • 77二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 05:45:13

    とても……良い

  • 78二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 10:19:01

    三本脚と聞いてピルサドスキーを連想した俺を誰か頃してくれ

  • 79二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 12:43:53

    か゛ん゛ど゛う゛し゛た゛あ゛あ゛あ゛あ゛

  • 80二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 16:11:35

    令和の最高傑作

  • 81二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:39:57

    このSSを埋もれさせたくないぞ俺

オススメ

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