- 1二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 21:43:36
(この映画を選んだのは失敗だったかも…)
先生と呼ばれる男はそう心の中で独りごちる
スクリーンに映るのはありがちなストーリーと微妙な演技の役者、明らかに予算が足りていないであろう恋愛映画が流れている
(いくら平日の昼間とはいえ自分とカヨコ以外誰も観客がいない時点で気づくべきだったかな)
そう反省していると手の甲をツンツンと刺激する柔らかい指の感触
「ねえ先生、あんまり面白くないね、この映画」
「ごめんね、せっかく一緒に来てくれたのにあんまり楽しくなかったよね」
「別に、私は楽しいけど…。その…先生と一緒だから…」
スクリーンから漏れ出る淡い光に照らされた彼女は確かに微笑んでいて、その美しい姿に思わず見惚れてしまった
「……どうしたの、先生?」
「いや、なんでもないよ…」
なんとか映画に集中しようとした瞬間…
『あなたのことを愛しています!!』
そんな声が2人きりのシアターに響き渡った
「先生と話してる間に随分と進展したみたいだね。ほんと…先生と話しているとあっという間に時間が過ぎていく…」
そう言ったカヨコは私の手に覆い被せるように細く柔らかな手を重ねた
(……?!)
思わず驚いてカヨコの方を見ると
「……映画のせい…そう、この映画のせいだから……」
子供のような分かりやすい言い訳を呟く彼女の頬は心なしか朱色に染まったように思える
スクリーンを見るとそこにはベンチに座って私とカヨコのように手を重ねる幸せそうなカップルの姿が映っていた
「そっか…うん…映画のせいなら仕方ないね…」
先生としては褒められたことではないかもしれないが、そんな彼女の魅力的な言い訳を受け入れてしまった
意を決してカヨコの方に振り向くと......
暗いシアターの中でもわかるほどに顔が真っ赤に染まっている
「うん……ねえ先生…これも、この映画のせいだから……」
真っ赤なカヨコの顔が近付いてきて2つの人影が一つに重なった
スクリーンには幸せそうに、ただ優しく触れるようなキスをするカップルの姿が映っていた - 2二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 21:45:52
かーっ見んねアル!卑しか女ばい〜
いいぞもっとやれ - 3二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 21:53:01
SSとして書くとなるとただ欲望を書き連ねるよりよっぽど難しいものなんだねぇ
正直カヨコの解釈があってる自信が全然ないんだわ - 4二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 22:34:17
その卑しさやヨシ!
最近カヨコの怪文書が増えて嬉しいぞ - 5二次元好きの匿名さん23/04/05(水) 23:35:25
こういうシチュエーションもいいね