- 1二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:01:07
*注意!*
★稚拙な文章
★一部設定捏造有り
★とにかく靴下フェチ満載の内容です
「う、うーん・・・!こ、ここは?」
目を覚ますカヒリ。彼女は薄暗い洋館の一室のベッドの上にいることに気付いた。
「た、確かそういえば・・・!」
カヒリは思い出した。ゴルフの練習からの帰り道、突如豪雨に見舞われて
雨宿りできる場所を探して必死に走る中、たまたまこの洋館を見つけて入ったのだ。
いくら人のいない廃墟と化した洋館とはいえ勝手に立ち入るのはいけないと分かってはいたものの、
雨は土砂降り、雷もゴロゴロ鳴っていて危険だと判断し、扉が開いているのに気付いたや否や中に入ったのだ。
練習で疲れていたため、カヒリはベッドのある部屋を見つけると靴を脱いで
上に寝転び、そのまま眠りに落ちてしまったのだ。 - 2二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:10:08
「朝からの練習で疲れていて、そのままグッスリと眠っていたんですよね」
窓を見てみると、土砂降りだった雨は止み、お月様が顔を出していた。
早くここを出よう、そう考えた時、カヒリはある違和感に気付いた。
足が妙にスースー涼しく感じるのだ。目をこすり、足下をハッキリ見てみると
何と今まで履いていたオレンジのハイソックスがいつの間にか消えて裸足になっていたのだ。
「わ、私のハイソックスがない!い、一体どこに!?」
靴を脱いだのは覚えているが、ハイソックスを脱いだ覚えは一切なかった。
この洋館は既に人が誰一人いない廃墟となっている。
幽霊の仕業だろうか?それともここに住み着いている野生ポケモンの仕業だろうか?
人間の気配もポケモンの気配も一切感じない、この場所で起こりうることなのだろうか? - 3二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:15:37
いつも履いているお気に入りのハイソックスなため、カヒリは放っておくことができなかった。
「きっとこの洋館の中にあるはず!探さないといけませんね!」
洋館から出る前に、消えてしまったハイソックスを探すことを決意したカヒリ。
とりあえず靴を履き、部屋から出ると広い廊下の中を歩き始めた。
とにかく館内の灯りは全て消え、真っ暗で何も見えない。
「懐中電灯があれば良いのですが、そうそう都合の良いことなんて起きるはずがありませんよね」 - 4二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:21:42
すると何かに足を滑らせ、カヒリはドテッと尻餅をついて倒れてしまう。
「な、何なんですか一体?」
それは筒のような形をしており、気になり手を取ってみると、それは懐中電灯であった。
スイッチをオンにしてみると光が灯った。
「ま、まさか本当に懐中電灯が手に入るなんて。でも助かりました。これで前に進みやすいです」
とにかく懐中電灯がゲットできて安堵するカヒリ。
懐中電灯の明るい光で屋敷内を歩いていく。
さすがに廃墟だけあって、何かが扉から飛び出してきそうな空気にカヒリは少し冷や汗を垂らした。 - 5二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:23:50
すっかり立派なSS書きになって・・・
- 6二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:28:20
すると突然、近くの部屋の扉がギィイイと音を立てて開く。
その音にカヒリは一瞬ビクッとなり、扉の方に光を当ててみるが何もいない。
恐らく外からの隙間風のせいだろう。とりあえず安心する。
もう冬が近いため、身震いするほど風が冷たくなっていた。
ハイソックスを履いてないため、足が冷たく動きが若干鈍くなっているのもカヒリは分かっていた。
「は、早く片方だけでもいいから見つけなくては」
あのオレンジのハイソックスを履いてないと、カヒリは妙に落ち着かないのだ。 - 7二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 20:44:22
しかし昼の休憩以降、何も食べていなかったのでお腹がグゥッと鳴り出す。
「早くハイソックスを見つけたいですが、何か食べないといけませんね。腹が減っては戦はできぬ、ってことわざがありますし」
しばらく歩いていると、「大食堂」と看板が掲げられた広い部屋を発見した。
奥にある調理室に入ると、大きな冷蔵庫があった。
「あまり期待はできませんが・・・」
冷蔵庫を開けてみると、中にはリンゴやバナナなどのフルーツや缶詰がいくらか置いてあった。
とりあえずリンゴを手に取り、一応臭いを嗅いでみたりと確認するが、特に腐った様子はない。
カヒリはそのままムシャリ!とかじりついた。
「美味しい!」
冷蔵庫はずっと機能しているため、中の食品はちゃんと鮮度を保ったままだった。
とりあえずリンゴとバナナを2つずつ、豆の缶詰を1つ、カヒリは一気に平らげた。
「これでお腹は満たせました。さあ、ハイソックス探しの続きに専念しなくては」 - 8二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:00:23
腹ごしらえを済ませ、カヒリは再びハイソックス探しに戻る。
今歩いている一階には、どこにも見当たらなかった。
「次は2階ですね」
階段を上り2階に移動し、ふと懐中電灯で照らした瞬間、何かが落ちているのに気付いた。
「こ、これは」
それはオレンジ色の糸屑だった。自分の履いているハイソックスと同じオレンジ色だ。
「この近くにあるはず!」
探し物は近くにある、その言葉を信じ、カヒリは一番近くの部屋に足を踏み入れた。
懐中電灯で中を照らすと、ベッドの上にハイソックスが片方置いてあった。右足の方だ。
「あっ、ありました!」
片方だけでも見つけることに成功し、カヒリは嬉しそうに右足に履く。
「あとは左足の方ですね、待っていてください。私が今すぐ見つけますから」 - 9二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:08:49
ハイソックスを片方見つけてからのことだった。そこから異変の予兆が見え始めた。
カヒリが前へ進む度に、時々背後からドタッ!バタッ!と何かが倒れるような物音が発生したのだ。
その度に足を止め、後ろを振り返り照らしてみるものの何もいない。
さすがにただの隙間風が起こすような物音ではない、カヒリはそう感じていた。
「お、驚かさないでくださいよ・・・」
カヒリはだんだん怖くなり、いつの間にか内股になってガクガク震えながら歩いていた。
「も、もしかして勝手に入ったことを怒ってるのでしょうか?」 - 10二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:15:15
きっとこの洋館にいる幽霊?が勝手に侵入したことに怒っているのだろうか?
「ただ、雨宿りできる場所がありませんでしたのでつい・・・」
まるで独り言のように呟くカヒリ。その時だった。
一瞬何かにハイソックスを掴まれグイッと引っ張られるような違和感を感じたのだ。
背後には誰もいないが、明らかにハイソックスはさっきより垂れ下がっていた。
「は、早くハイソックスを片方を見つけて、ここを出ますから許してください」
カヒリはもう冷や汗タラタラだった。 - 11二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:26:56
しばらく歩いていると書庫に辿り着いた。
たくさんの書物が埃を被ったまま本棚に並べられた状態だ。
「もし、ここに無かったらもう3階にしかありませんね」
今のカヒリには最上階である3階を回る体力はあまりなく、とにかくここで左足の方のハイソックスが見つかることを祈っていた。
さっきよりも妙に空気が冷たく感じで、カヒリは意を決して中を調べ始めた。
「お願いですから、ここで見つかりますように・・・!」
すると、足下に空の瓶が落ちているのに気付かなかったカヒリはそれに足を取られ、
近くの本棚にぶつかってしまった。その本棚はバタンと倒れ、本が一気に床に散乱してしまった。
「い、イタタタタ・・・!あっ、あれ?」 - 12二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:35:29
その倒れた本棚から散乱した本の中に、オレンジ色をした何かが紛れ込んでいた。
オレンジ色、そう他でもない自分のハイソックスだった。
「ま、まさかこんな所にあったなんて!」
埃を払うと、カヒリは嬉しそうにハイソックスを左足に履いた。
これで左右両方のハイソックスが見つかり、カヒリはもう嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
離れ離れになった我が子が自分の所に帰ってきたような安心感だった。
「さあ、後はこの洋館を出るだけです!」
これで終わったわけではない。洋館を脱出するという最後の目的を果たさなければならない。 - 13二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:45:25
カヒリは洋館の入り口である扉の方へと向かって走った。
扉を開けると、そこはもう外の世界だった。
閉塞的な洋館から脱出したその開放感は今のカヒリにとって最高に気持ちが良かった。
「や、やっと出られました!」
でも、まだ終わったわけではない。
最後の洋館の門を出なければならない。カヒリは走った。とにかく走った。
自業自得なのは分かっているが、早くこんな場所とおさらばがしたかった。
「この門さえ抜ければ、もう自由に・・・!」
しかし、その時だった! - 14二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:46:22
とりあえず今日はここまで
続きは明日書きます - 15二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:47:05
すげぇとこで止めたな
- 16二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 21:49:06
乙です
政宗一成みたいなヒキだ - 17二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 23:01:19
続きが楽しみ~!
とりあえず保守 - 18二次元好きの匿名さん21/11/22(月) 23:40:53
うおお良いところで!!!
今回も楽しんで読ませてもらってるよ!
明日も頑張ってください! - 19二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 06:44:09
突然、何かにハイソックスを乱暴にグイッと引っ張られ、カヒリは倒れてしまう。
「な、何ですか!?」
なんとラッタ(アローラ)がカヒリのハイソックスに噛みついていた。通常よりもやや大きめの個体だった。
ラッタはそのままハイソックスをグイグイ引っ張り、倒れたカヒリをズルズルと引きずっていく。
「も、もしかして洋館の脱出を邪魔する気ですか!?」
カヒリは必死に足を振って抵抗するが、ラッタは頑なにハイソックスを放そうとせず、乱暴にグイーッと引っ張る一方だった。
ラッタの鋭い前歯がハイソックスの繊維に食い込んでいる。
「そ、そんな乱暴に引っ張ったらハイソックスが破けてしまいます!だから放してください!」 - 20二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 07:02:07
一瞬微かにではあるが、ハイソックスの縫い目がピリッと少し破けるような音が耳に入り、
繊維がズレてしまったのをカヒリは感じた。
「う、うわッ!やめてください!やめてくださいってば!」
このままだとハイソックスが破けてしまうだけでなく、洋館の中に戻されて閉じ込められてしまうだろう。
カヒリも体力の限界、もう最期を覚悟した時、ふとミニスカのポケットに何か入っているのに気付いた。
そっと取り出してみると、それはあの調理室の冷蔵庫で見つけた小さなマンゴーだった。
いざという時に体力回復できるよう、ずっとポケットの中に入れて持ち歩いていたのを思い出した。 - 21二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 07:17:17
「もう、これに賭けるしかありません!」
ラッタがさらに乱暴に引っ張ったため、ビリッ!とハイソックスがさっきより破ける音がした。
「可愛いラッタちゃん!これを見てください!」
ラッタにマンゴーを見せるカヒリ。それを見たラッタは目をハートにし、彼女のハイソックスを放して、よだれを垂らす。
「私のハイソックスなんかよりも、こっちの方が遥かに美味しいですよ!」
ラッタはマンゴーをムシャムシャと美味しそうに齧り始める。
マンゴーに夢中になっている隙に、カヒリは全速力で走り門を飛び出した。
ふと後ろを振り返ってみると、ラッタは自分の姿が視界に入っているだろうに
追いかけてこようとする気配を見る限り、やはりマンゴーで満足したのだろう。
「や、やっぱり私のハイソックスを何か美味しそうなフルーツと勘違いしたのでしょうか・・・?」
だが、とりあえずカヒリは洋館を脱出することができて安堵し、ホッと胸を撫で下ろした。
「これからは天気予報もちゃんと確認した方がいいですね」
町へ戻ろうと再び歩き始めたカヒリ。洋館を脱出できた安心感で、あることに気付いていなかった。
コラッタが自分のハイソックスに噛みついている、ということを。
おしまい - 22二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 11:38:09
完結お疲れ様!
いやぁ今回も最高だった! - 23二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 17:24:35
靴下ニキ、あんた最高だよ
- 24二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 19:54:01
また次も期待してるぜ
- 25二次元好きの匿名さん21/11/23(火) 23:47:22
靴下ニキあんた最高だよ
- 26二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 08:17:08
カヒリさんへの愛ホント凄いな
- 27二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 11:20:30
靴下ニキ🧦今回も楽しい時間をありがとう!
- 28二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 15:06:13
感想ありがとうございます
あのオレンジのハイソックスのことで色々と不憫な目に遭うカヒリさんを書くのがすごく楽しいんですよね
カヒリさんのハイソックスが素敵なのが悪いんですよ(コラ)
また近々、次のお話を書く予定ですので乞うご期待!