- 1二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:32:58
- 2二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:37:06
蒲焼太郎さんカッコ良すぎるからしょうがない
- 3二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:40:19
- 4二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:41:41
- 5二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 00:47:16
- 6二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 01:08:03
他作品だけど暗殺教室にそんな話あったな、聖別は逆だけど
- 7二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 06:49:56
たきなが優良物件だと気付くミズキ概念時々見かける
- 8二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 08:03:07
これはいいな。誰か書いて
- 9二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 08:04:35
身長的な問題でガキンチョは好みではないのでは?
- 10二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 09:30:40
1話のボヤキからしてミズキは子供も欲しいんだろうし
- 11二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 12:44:28
太郎を男だと思って追っかけてたら、女だったどころかたきなでガックリというドタバタラブコメになるのでは
- 12二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 12:46:26
そしてその状況を助長させた千束にヘッドロックで締め括り
- 13二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:35:17
- 14二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:47:23
- 15二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 14:52:38
- 16二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 15:19:19
- 17二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 15:34:55
千束さんなにも考えてないと思うよ
- 18二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 15:59:32
ミズキと千束のやり合いはみたい
クルミは最初はニヤニヤそのうち飽きて「お前らいい加減にしろよーボクはもう寝る」
たきなも「千束、わたしもお先に失礼します」
2人で残されてギャラリーいないと張り合いなくてやめちゃうやつ - 19二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 16:24:27
- 20二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 16:33:13
サイゼでワイン安いわぁーってがぶ飲みして出来上がったミズキを千束が家まで送り届けるんやな
- 21二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 23:08:56
「ミズキがなんか変なんだよ」
「いつも変ですよね」
千束がおかしなことを言っている。ミズキさんがなんか変だななんて言ってるけど、なにかおかしいでしょうか?
いつも通りお客さんが少ない中でお酒を嗜んで……いえ、よく飲んでいるように見えますが。
「なんていうか、浮かれてる……っていうか?」
「はぁ……」
浮かれている。単に酔っているようにしか見えませんね。
わたしはグラスをキュッキュと乾いた布で拭きます。アイスコーヒーを頼むような時期ではもうないから曇ってしまう。それが落とされるのは少しばかり気持ちの良いものです。
千束と外に遊びに行ったときに、綺麗な食器がたくさん置いてあるお店を見つけたので、今度はリコリコ用の食器を調達してみましょうか。
「ミズキぃ~キモいぞ~」
なんて考えていたところ、千束はミズキさんの横に座ってチョンチョンと脇腹を肘で突いています。
まーた叩かれちゃいますよ、懲りないんですから。……あれ、ミズキさんがニコニコしたまま千束を見ている……?
どうしたんでしょう。確かに変です。
「もう、千束」
口では咎めるようなことを言いながらもミズキさんは何もしません。優雅にコップに口をつけています。
……お酒ですけどね。
「どうしたんだよミズキ……」
千束ですら若干引いていますね。異様な雰囲気が漂っています。
「恋、しちゃったの……。一目ぼれってやつ」
ミズキさんは照れるとか、躊躇うとかではなく、事実を事実のまま千束に伝えている。けれどもその頬は少し赤くて、声は少し弾んでいるようだった。 - 22二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 23:16:48
おっ続くのか?
- 23二次元好きの匿名さん23/04/13(木) 23:27:22
- 24二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 00:10:00
「さぁ、詳しく白状し給え」
千束はわたしから受け取ったコーヒーカップをミズキさんに差し出しながら刑事ドラマのようなことを言います。
でも、そんなにキツく問い詰める必要はどうやらなさそうですよね。だって話したくてうずうずしてそうですから。
「……相手のこと、実はよく知らないのよ」
「ほう……」
千束が更に面白そうな顔をしていますね。
「買い出しに行ったときにチラッとだけ見かけて……それっきりで」
「なにそれ、映画みたいじゃん……!」
しおらしいミズキさんと興奮気味の千束。わたしはそれらを視界に入れながらちょっとした賄を作ります。
今日はパフェのために仕入れた卵がたくさん残っているし……そうだ。
――
おいおい……あのミズキがこんなふうになっちゃうなんて気になりすぎるじゃん?
ここはきっちり問い詰めて……と思ったら手がかりが本当にない。どうしようか?
街で食器を見ているイケメンスーツマンって誰なんだろう?
- 25二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 01:09:01
ミズキお前眼鏡忘れて……
- 26二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 06:21:32
ミズキお前脳ミソ忘れて……
- 27二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 08:27:00
ミズキがコンタクトレンズに変える日がくるんや…
- 28二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 08:40:37
目に異物を入れるのが怖い似た者姉妹
- 29二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 10:16:23
これはw
- 30二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 12:55:28
わくわく
- 31二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 15:51:17
- 32二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 21:47:04
- 33二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 23:15:13
今日のまかないは、卵ばかりというのもアレですし……明日の買い出しも兼ねて今行ってしまいましょうかね。
不名誉ですけどお客さんも少ないうちに行ってしまいますか。ミズキさんも千束もいるし大丈夫でしょう。
「ちょっと千束、買い出しに行ってきますね、ミズキさんも飲み過ぎちゃだめですからね」
――
「そんなにカッコイイの?」
気になっちゃうなぁ……。よっしこれはミズキの為なんだから仕方ないよね。
「クルミーーーっ」
クルミも渋るかと思ってたけど、案外結構簡単にノってくるじゃん、いいよね!
カウンターでぼおっとしているミズキは放っておいて、クルミにミズキが出掛けた日の監視カメラをハッキングしてもらう。
「ミズキの奴がひとめぼれとかウケるな、早くその人に『逃げろ!』って言ってやらなきゃな!」
クルミは上機嫌でキーを叩く。
「あれ、お前とたきなじゃんか、デートか? ニシシ」
ああ、あの時ね。私服でうろついてたんだけど、まあ私の気分でたきなに蒲焼太郎の格好してもらってたんだよね。
- 34二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 23:32:20
犯人は千束……
- 35二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 23:43:53
- 36二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 01:33:48
- 37二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:26:06
bar forbidden潜入の時に、ミズキはまた他の人の身代わりになって防弾服着るという別の任務があって結局私しか見てないんだよね~。
で、こんなん何回見てもいいもんですからねってたまに着てもらったんだわ。
クルミにもそういえば見せてなかったっけ?
「まあね~うちのたきなは可愛いしカッコイイって最高じゃん?」
「まあな、あ、ミズキだ」
監視カメラの中の映像では私が少しお手洗いに駆けて行って、たきなだけが残されている。
で、そこにふらふらと現れたのがミズキだ。
「おい、ミズキが見たカッコイイスーツマンってさ」
「あー……なるほどね」
「どうするよ?」
どうする、と訊いてきているクルミの顔も指先のタイピングのリズムも弾んでいるなぁ~悪いやっちゃ。
「どうするかねぇ? あんなミズキ見たことないよね?」
「ないな。お前が見たことないってんならよっぽどだろ。恋する乙女って感じじゃないか」
「そうそう。でもあんまり近づけすぎるとたきなだってバレちゃうからね……」
「イwタwズwラする気かよwww」
クルミにはもう普通にバレてるな……。いやこんな面白い状況を手放すわけないでしょ。
「それにしても、ミズキが逆ナンしないのは意外だったな」
「あーあれでいて奥手だからね」
いつもイケメンを探している癖にそういうところは面白いと思う。
「好きな人の前ではズケズケしたところが出ないのか……ふぅん」
キィと座椅子を鳴らしながらクルミは背中を預けてリラックスして私の方を向いた。
「ん? 何?」
「いや、なんでもない。まあなんだ、これは普通に叶わない恋というか勘違いなんだから早めに知らせてやれよ~」
クルミはそのままインターネットの海に沈んでいった。
- 38二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:52:03
- 39二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 13:05:21
ミズキちゃん…
- 40二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 15:07:13
- 41二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 17:36:50
「Hey You! そのスーツマンにどうやって接触するつもりですかァ?」
ミズキの隣に座り直して、突っつく。その間もぼーっとしながらお酒を呷っているのだけど、大丈夫かな?
「……目と目が合って、そこから芽生えるのよ」
う、思ったより重症だなこいつ……。どうすっか。
なんて考えてたら、たきながエコバックを両手に持って帰ってきた。一円の節約だって見逃さないたきな、さすが痺れる憧れるゥ。
「お客さんは……まだいませんね」
ハァとため息をつきながら厨房に戻って料理をし始める。可愛い。マジで。
「ほら、ミズキさん。お腹空いた状態でお酒飲んじゃダメですからね」
いつの間にか料理が出来上がってミズキの前に置かれる。はぁーお前ほんとそういうとこ。
ジャガイモを細切りにしてひき肉と炒めた後、卵でとじるという、多分スペイン風オムレツみたいなのだ。
美味しそう。
「あ、ありがとうたきな。でも私は胸がいっぱいで……」
「胸がいっぱい?」
キョトンとしている。そりゃあ恋なんか知らないたきなには分からんよねぇ。ウッシシッシ。
「あのね、ミズキは恋心のせいで食欲がわかないというか、満たされすぎててもう分からないのよ」
「なる……ほど……」
千束大辞典の解説で納得はしてはくれなかった。うーんと首をかしげている。
「だからこれは私が頂きます」
ミズキのお皿に手を出そうとしたらたきなにぺし、と手を叩かれる。
「千束にはちゃんとありますから、他の人のを取らないでください。ミズキさんの胃腸のためなんですから」
- 42二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:24:53
「やっぱりたきなは……優しいわぁ……私の妹にしてやろう。千束は返品じゃ返品」
さっきまでしおらしくしていたのに噛みついてきやがったな? まったく情緒不安定かよ。
「私をDAに返品したら男漁りの場所がなくな……ああ、そうか」
そうだね、まだミズキは気づいてないんだからこういう反応になるか。
「さっきからミズキさんをからかい過ぎですよ千束」
たきなが私を叱る。でもその手には私に作ってくれたオムレツのお皿。
ハート描いてよー! っておねだりしても描いてはくれない。ちぇ。
「あのミズキさんのお眼鏡に適う人が出るなんて最高じゃないですか、応援しましょうよ」
珍しくにっこり顔のたきな、いや、お前だお前ぇ~。と言いたくて仕方なかったけどここは耐える。
- 43二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 23:24:13
- 44二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 23:33:03
- 45二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 00:14:03
「わたしは元々情緒ありますから、それに目標に対して適切な装備を用意するのは当然です」
あ、いつものたきなだ。安心した。
「そうよね! たきなの言う通りだわ。まずは相手を知らなければならないでしょ!」
なぜか吹っ切れたようでバン! とテーブルを叩いて立ち上がる。うぉぉ、どうした。
「今度会ったら必ず声を掛ける。それで……えっと……そうね。まずはリコリコに来てもらうようにする」
「それは楽しみです。是非」
たきなは笑顔だけどそれは経理的な笑顔なんだろうな~。なんて。
でもこのままたきなを蒲焼太郎さんにしなかったら永遠に会えないわけだよね。すると……このまま蒲焼の幻影を追って独身で干からびてしまうってことにならない? あちゃ、まずいな。どうにかして早めにバラさないと。
でもなんかすごい盛り上がってるんだけどどうしよう。
「ちなみにどんな人なんですか? わたしの方でも探してみますよ。近所なんでしょう?」
何気ないたきなの善意が私の心を苦しめるぅぅ。でもこの状況楽しすぎるでしょ? わかる?
「そうね、スリムな人ね。黒い髪で、スーツがよく似合ってたわ。背はそんなに高くはなかったけど、身体のバランスがいいから気にならないわね」
「なるほど。爽やかな人なんですね」
おま、自分の事を爽やか系だと纏めやがったな、ウケる。
- 46二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 00:28:40
……どうしよう。とクルミに相談する。
あの二人はカウンターで盛り上がっているから、そっと戻ってクルミのところに行く。
クルミも店内の防犯カメラ越しに見ていたようで、笑いをこらえるのに必死っぽい。
「これはやばいな、たきなが『それはカッコイイですね』とか『素敵な人ですね』って言ってるんだぜwww自分の頃だろwww」
殆ど呼吸困難に陥りながら狭い座椅子の中でじたばたとはしゃぐ。
「いや盛り上がりすぎて『ウソぴょ~ん』って言うタイミング失っちゃってさ、このままだったらたきなガチ恋ミズキさんが生まれてしまって一生独身だよ?! どうすんのさ!」
「知るかwwwそもそも最初にボクは忠告したろ?」
「そうだけどさぁ……」
「じゃあほら、千束は何も知らなかったってことしよう」
「どういうこと?」
「元々そうだったろ? お前とたきながあの格好で出歩いてて、勝手にミズキが勘違いしたってだけ。もう一回二人があの格好で遊んでるときにミズキにばったり出くわせば勘違いも解けるだろ」
「あーなるほどねぇ?」
「早めにしとけよ~」
ひとしきり笑うとクルミは襖を閉めた。
いや、これは私にとっても悪い話じゃない。だってたきなとデートできるから!
- 47二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 00:33:24
トゥンクポイントを無自覚に稼ぐたきなさん
- 48二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 03:14:27
「ミズキさんが幸せになれそうでよかったですね」
リコリコからの帰り道、暗くなった道を私たちは並んで歩く。
心なしかたきなの声が弾んでいるけど……反対に私の心は少しだけ重い。
いや、最初は面白そうだからやったの。
ミズキの浮かれている姿が面白かったから……。でもね、たきなまで騙している気持ちになったら話は別だ。
「ミズキさんのこと、実はずっと気になってたんです。いろんなことが出来て、面倒見も良いし、美人なのに良縁に恵まれないのはちょっと辛いですよねって」
「あ……うん」
たきなはとっても優しい。いいや、優しいんじゃないな、情が深い。
一旦身内だと認めた人間にはとても良くしてくれる。
「もう27でしたっけ? わたしたちの10年後ですね。そこまで生きていられるいいなって、ミズキさんを見てると思うんですよ」
- 49二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 06:38:25
これはあかん
- 50二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 08:56:04
千束が真似するミズキを真似るたきなになったら残念美人が増殖してしまう……でも、千束さん演技下手ですからねぇ
- 51二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 10:10:46
え、なんかシリアスな展開?
- 52二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 10:52:43
諜報ミズキ来るかな?
- 53二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 11:27:42
「だから出来る限り応援しましょうよ、ね?」
「う……うん」
やばい、罪悪感がパない。
ここはさっさとネタバラしに限る。なんだっけ前見たアニメで「冗談は即興に限る。禍根を残せば『嘘』になる」みたいなこと言ってた気がするしね。まだ私が何かを知ってるという証拠はない感じだし……。
To クルミ
Subject 占いサイト書き換えて!!
Contents ミズキがよく見てる占いサイトの、ミズキの星座の内容を書き換えて……水族館に行くと運命の出会いがありますとか書いて!
よし……。これでミズキを週末に水族館に呼び出して……。そこには私とたきな――蒲焼太郎がいると。
それでなんか偶然ばったり出会ってネタバラしというか、勘違いが解けるということで! ヨシ!
- 54二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 16:33:02
今日はたきなは遅番。日本語学校に午前中行ってもらってて、私とミズキが店番ということになってる。
相も変わらず閑古鳥ですなあ……。あのパフェ売ったらまた戻るかな?
「ミ、ミズキぃ……今日は占いどんな感じ?」
クルミに差し入れする千束スペシャルクリームマシマシ黒蜜カラメマシを右手に乗せながら訊く。
ミズキはやっと普段通りに戻って冷静な感じで居るけど、酒を飲んでいない……。これは凄い変化だ。
昼でも、人が居ない時なんかはチマチマ泥酔を飲んでぐだりとしているのだけど、今日は飲んでいるのは珈琲と水ばかりだ。どうしちゃったんだろう。
「占いか、うーん、週末は水族館に行きましょう、運命の出会いがあるかも! とは書いてあったけど、人生そんなものに頼ってはいけないような気もするのよね。なんか」
……あれ、ミズキがマトモになってる?
嘘でしょ? いや、ここでネタバラシしないと私一生罪悪感に苛まれるじゃん!
それに、この会話はたきなが居ないうちに終了させないと、「ばったり」出会うという計画が台無しになっちゃう。
「そういやさ、合理性の塊のたきなが願掛けをしたことがあるぐらいなんだから、そういう占いも頼ってもいいと思うよ?」
「へぇ、願掛けねえ……」
あれ、これたきなの情報を売ったことになっちゃう? 大丈夫だよね?
- 55二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 16:49:35
- 56二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 16:55:53
カラメル……かな?
- 57二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 16:58:42
追い黒蜜に追いカラメル……盛り過ぎ
- 58二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 20:14:16
- 59二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 01:22:59
ミズキがちゃんとそこに行くようにチケットも私の方でネットで買っておいた。
よし、これで私の作戦は成就する。
伊達にファーストやってないぜ、なんとなくフキの顔が思い浮かんだから、頭の中でパンチしておいた。
そういうわけで、たきなにもこっそりその日に水族館デートを申し込んでおいた。
いや、単に買い物のついでに行こうよ! と誘っただけなんだけどね?
私もドレスっぽいのでおしゃれするから、たきなもスーツできてね! って連絡するだけ。
「よし、私の出来ることは終わった……」
これでつつがなくバッタリ出会って、ミズキが勝手に勘違いしてて「バカダネー」って話で終わり。
あと一応当日クルミにもバックアップを頼んでおいたよ。来るタイミングとか場所とかを合わせないといけないし。
これで問題はなし。漸くぐっすり寝られるぜ~
- 60二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 03:50:35
完璧な作戦だな!流石ファースト!
- 61二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 07:04:34
- 62二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 07:38:28
これで安心だわ()
- 63二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 12:03:00
- 64二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 15:58:17
このレスは削除されています
- 65二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 17:59:36
せっかくのデートを修羅場にするとか…鬼だ
- 66二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 23:23:24
千束に呼び出されました。週末には任務も入ってませんし、その他の仕事もありません。
千束に会う前はそういう時には、勉強や訓練ばかりで過ごしていましたが、会って以降、いろんな所へ連れ出してくれます。最初は仕事は仕事、私生活は私生活とで分けたい気持ちが強かったのですが、なんだかずるずると境界線を溶かされはじめ、今ではなんだか不可分になってしまいました。
……嫌というわけではないです。寧ろずっと独りでいたら、知らなかったことがたくさんあって……。
ただ、それに付随するのですが、千束の指定や要求は時にわたしの理解を越えます。
これ着て~とかあれ着て来て~とか、結構な頻度で言われます。まあ、千束が選んでくれた服ですし、見たいのも分かります。ただ最近は潜入の時に来たスーツを指定されることが多いです。
この間の買い物の時もそうでしたし、そして来週も。まあ……動きやすくて個人的には気に入っているのですが、千束が好きな系統ではないと思うんですよね。
千束がよく選んでくれるのは、より女性らしいような服なので。どういった心境の変化なのかは気になります。
あ、スーツのいいところはですね、ポケットがよくついているところなんですよ。
リコリス制服じゃないスカートってポケットついてないか、ついてても浅くてマガジンが……いえ、あ、まあ必要なものが入らなかったりするんですよね。だから着てこいと言われても不便を強いられるどころか、便利なのであまり嫌な気はしません。ただ、不思議だなと思うだけです。
- 67二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 23:51:22
ダサジャージ最強伝説再誕しない? 一度ダメ出しされてるからしないかぁ
- 68二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 23:53:17
- 69二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 23:55:57
え?
- 70二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 08:16:42
そ、そうだね…
- 71二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 12:53:40
たきなにスーツだと千束みたいに銃を隠す場所無いから悩むよね
銃乳隠し千束… - 72二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 15:03:12
- 73二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 23:08:15
しょっちゅうスーツって言われるからクリーニング間に合わず予備を買おうとして、撥水機能にポケットも大きく家で洗えるスーツ風作業着(ワークマン)の購入を千束から止められるたきなさんが見たい
- 74二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 23:08:21
- 75二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 23:20:14
たきな達がリコリコに来てから一人飲みが寂しくなってるかもね
- 76二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 23:22:04
あ、千束が居ました。結構綺麗ですね。
いつもとは違って大人しい感じです。なるほど千束がああいうのを着たかったからわたしもそれに合わせるということですね。
「お待たせしました。お買い物と聞いているのですが」
「あ……う、うん! そうそう! じゃあ行こうか!」
千束はすたすたと行ってしまう。どうしたんでしょう、いつにも増して不思議な感じです。
それから、水族館にはすぐには行かないようで、少し離れたところを歩きます。あまり来たことがないところです。
川沿いにお店が立ち並んでいて、カフェがあったり洋服屋さんがあったりと楽しいです。
千束は気を抜くとすぐにわたしに服をプレゼントしてくるので断るのに必死です。
「色々見繕ってくれるのは嬉しいんですが、あまり買ってもらうのは申し訳ないというか」
「どうせ給料なんかたきな以外に使い道ないんだからさ~」
「生活費はどうしてるんですか……まったく」
家に行くたびにコンビニの袋とかマクドの紙袋とかが散乱しているので結構な散財家だとは思ってます。
あまり口うるさく言うのもどうかと思って言いませんが。それからDVDを何枚も同時に買っているのも知ってますよ。
「それは適当に引き落とされてるから見てない」
「見てください」
――
たきなを待ち合わせ場所で見た時のドキってヤバいよね。遠くからでもカッコよさがわかるっていうか。
思わずビクってしちゃったね。こりゃあミズキが気になるのもわかるわあ。
クルミの連絡曰く、ミズキはお昼過ぎに行く気になってるらしい。……どうやって突き止めたかは訊かない。
周辺のお店はもう見たことがあるから、もうちょっと遠い所に行ってみようかなって思って連れ出した。
それは川沿いで、公園もあるようなにぎやかな所。たきなは初めて連れて来たかも~
- 77二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 23:26:57
ミズキに託つけてデートを楽しむのか電波塔
- 78二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 07:05:31
だらしなさが増してる千束さん
ミズキの場合は酒代にだらしない - 79二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 12:18:00
- 80二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 13:43:05
- 81二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 20:31:22
- 82二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 20:44:08
- 83二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 06:30:58
- 84二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 07:21:40
破滅へのカウントダウン
- 85二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 10:23:09
- 86二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 10:56:26
- 87二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 12:57:51
千束が他のリコリスと違って甘やかされてというかだいじにされて育ってるのはそれはそうだな
- 88二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 19:21:48
- 89二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 22:09:53
ちょっと気を抜いてウロウロしすぎちゃったかな。クルミからの連絡によるともうミズキは水族館のゲートを通ったみたいだ。さっと通り抜けては行かないだろうけど、急ぐに越したことはない。
たきなの手を無意識に取って、道を急ぐ。スカートにしてしまった自分の判断ミスを後悔する。
でもそんなに急ぐと何か裏があるのではないかと思われてしまう。
いや、あるんだけど気づかれるわけにはいかない。
完璧に私の悪だくみの所為だし……。
――
「!」
千束に手を掴まれて先導されてしまいました。
全然急いでいる様子はないけれど、ふと自然に手を握られて。
千束は身体の接触が多い方だとは思いますが、ここまでしっかりと握られたことはありません。
歩くのが決してわたしは遅いわけではないのに。
でも、千束がそうしたいと思ったのならそれでいいでしょう。
……千束がそうしたいと思ってくれていたことが少し嬉しいのです。
ただ、わたしは後ろにいて手を引かれる人間では嫌なので、意外と早い千束の歩調に合わせて、そして並んだ。
――
あれ、なんかたきな歩くの早くない? バレた? バレてないといいんだけど……。
なんかニヤニヤしてる。なんなんだろ。
取り敢えず、水族館はもうすぐだ。人の出が多くて賑やかでいいね~
- 90二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 22:58:54
千束さんの顔ニヤついてない?
- 91二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 06:58:07
千束さんはいつでもニヤついてますよね
- 92二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 12:17:31
- 93二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 19:29:04
ミカとミズキはたきなとクルミに本当感謝してるだろうなあ
- 94二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:05:59
- 95二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:10:45
10年前というリコリス暗黒期の生え抜きの精鋭
- 96二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 23:12:15
水族館に入る。たきなも私も年パスを出して、長い行列をスキップ。
年パスは安いだけじゃなくてこういうのもいいよね。
海月がお出迎えしてくれるし、ほんとここはデートには最適って感じ?
こんなところにミズキを一人で呼び出して悪かったな……とは思う。
周りを見回すと、カップル、カップル、子供連れ。楽しそうにはしゃいでいる。
――千束聞こえるか?
クルミの声が左耳のワイヤレスイヤホンに届く。
多分、右上にある監視カメラで私を見てるんだろう、と思って小さくそちらに向かって手を振る。
――お、聞こえてるんだな。ミズキはあっちのチンアナゴの水槽にいる。たきなを連れてけよ
また私が手を振るとそこで通信が途絶える。
よし……たきなをチンアナゴの方に連れてくぞ……。
少し強引かもしれないけど手を繋いで、たきなの方を向く。
「なんです?」ときょとんとした我が相棒。さっき買ってあげた中折帽がひょこっと斜めになってて可愛い……。
「あ、いや、またチンアナゴ見に行こうよ」
「いいですね!」
――
「あれ、ミズキさんだ」
千束が水槽を熱心に見ている最中、わたしはちらっと視線をそこから外したところ、千束とまさしく同じような姿勢で、膝に手をつきながらジーーっと水槽を眺めているミズキさんを見つけてしまいました。
千束は気づいてない様子ですね。あ……そうだ。少しいいこと考えてしまいました。ふふっ、千束驚いてくれるかな?
「千束、わたしちょっとお手洗いに」
そう言って離れようとしたら、予想外。千束がまたわたしの手を握ってきて、「今じゃなきゃだめ?」と訊いてきます。いや……ふつうお手洗いは今じゃなきゃダメですよね……? でもわたしとしてはダメというものでもないから……。あ、いいえと言ってそこにいることになります。何だか今日の千束は変です。
- 97二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 23:28:27
- 98二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 23:33:07
千束に罪悪感…だと…
- 99二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 09:32:48
- 100二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 10:13:18
- 101二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 16:33:54
ちさたきクルミズで互いに何か企んでいるのか?
- 102二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 20:26:27
悪い子千束さんやで
- 103二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 21:46:43
「あれ、千束じゃない?」
メチャモテ看板娘の私、ミズキは星の導きに従って水族館に来てみたものの、周囲四方はつがいだらけで気が滅入ってきたところ、人も多いしガキンチョも走り回っているしでゆっくりする気分じゃないわね……。
さっさと一周して帰りましょうかね、と思っていたらところ、なんか千束が居るのを見つけてしまった。
ははぁん、あいつもここにたまに来てるって前に話してたっけ。
どうせあいつも一人だろうし声でも掛けて……あれ?
誰だあれ。……私が前に見た人に似てる。ってか多分本人か……。
帽子をかぶっててよく見えないけれど、千束と一緒にいるって感じ?
……ははぁ。なるほどねぇ。ついにあのガキも男をどこかで作ったかぁ。
あいつの男なら手を出しちゃまずいかな。
いい趣味してるんじゃない? 私と同じような人に目が留まるなんて。
でもどこで知り合ったんだろう? リコリコに来ていたわけじゃないから……。
持ち前の人懐っこさで仲良くなったのかな、そう……。そうね。千束だもの、それぐらいできるか。
邪魔しちゃ悪いし、ここはさっさと帰ることにしよう
- 104二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 21:56:40
- 105二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 22:16:58
たきなとの仲は、ずっと続いていけばいいと思うわよ?
でも、まだこの国ではそういうのは異端で……っまあリコリスの癖にそこを気にするのは変だけど、男を捕まえられるんならそれに越したことはないし。
ただ、千束はどれだけ行ってもリコリスで、DAの駒。私もまだそう。
もっと深い仲になることは恐らく望めないのでしょう。
今引きはがす方が傷は浅くて済むだろうか?
若い男女の仲を裂くとか、天罰が下るけど?
ううん、過保護すぎる。そういうのを含めて経験しないといけないわ、千束。
これはリコリスだからというわけではない。人生だからよ。
リコリスには別れなんかよくあること。慣れなさいとよく言い含められていたはず。
でも、あの子は――一緒に朝ごはんを食べて、夕方には死体袋に入る仲間を千束は見てきてはいない。
そういうのを嫌ってリコリコに来たんだものね。
リコリコに居れば別れなくていい、知り合わないから。そうやって回避してきたことにいよいよ君はぶつかる。
辛いでしょうね。辛いわよ。今の私より辛い? それは冗談ね。
私のひとめぼれをあいつは奪っていったんだから。
ともかく、千束がその人と別れてしまうときは酒でも一緒に飲んであげようかな。
- 106二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 22:30:00
ミズキさん…
- 107二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 22:36:52
一生千束と二人で酒を飲めなくなるかもしれない……色々な意味で
- 108二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 23:21:49
たきなが私の目をキラキラとした目で見返してくる。……うっ、トイレに行かせてあげられなくてごめん!
いや、ミズキにたきなを発見させないとこの計画が台無し……。
ああっ! ミズキがなんか向こうに行っちゃう! マズイ!
やっぱりモテないミズキをここに放り込んだのは精神衛生上まずかったか?!
はぁ……。と力を抜いたが最後、たきなが「ちょっといってきますよ」と離れて行ってしまった。
そしてたきなは目が良くてミズキを発見してしまう。
私が止められなくて……たきながそっちに向かっていく。
にゃんで……。たきなはそういえばbar forbiddenでも知り合いに会ったら挨拶しちゃう子だったわ。
忘れてたわ……。でもまあ、ミズキとたきなが会うってのは結果オーライだよね。うん。
- 109二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 23:59:14
アイツは大事なものを奪っていきました
- 110二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 00:54:28
犯人は🐿️…
- 111二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 01:43:48
ミズキさんに追いついて、肩を叩いたら……何故でしょう。どうしてそんなに驚かれるんです?
わたしを見てまるで化け物にでも会ったような顔をして……。
そして追いついてきた千束。千束もなにかよくない雰囲気を感じます。
でも……なんなんでしょう。単に偶然ここで会っただけ……ですよね?
「たきな……なんでアンタここに……」
なんでって言われても……ですね。千束が連れてきてくれたからというか。
「千束が連れてきてくれたんで」
としか言いようがない。
「あはは……偶然ね、ミズキ。ミズキもここ好きなんだ」
千束が言います。そうですね、折角だし三人で見ませんか? と提案します。そういえばミズキさんとプライベートで会うのは中々ないことですし、お話したら楽しいんじゃないかって思うんですけどどうでしょうか。
「あ……うーん……なんかカップルばっかりで疲れちゃった。先帰るわね」
ミズキさんは手を振ってわたしたちの前から去ってしまいました。ん……よくわかりませんね。
千束も千束でなぜかモジモジしていますし、相手はミズキさんですよ? 大分気心知れた仲ですよね……変な千束。
「千束、わたしたちは回りましょうか?」
「ソ、ソダネ……」
千束も周囲がカップルだらけで疲れたのでしょうか? でも大体それってこの周りだと同じですよね。
- 112二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 01:57:01
こんな時どういう顔をしていいか分からないの……
- 113二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 01:57:39
- 114二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 08:12:05
- 115二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 08:39:31
- 116二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 09:40:32
お姉ちゃんはおしまい
- 117二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 13:16:09
- 118二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 17:08:21
- 119二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 20:14:18
「で、どこから分かってたわけ?」
ミズキの腕組み姿。
私はたきなの後ろに隠れてお店に帰ってきた私をミズキがしらーっとした目で迎えた。
たきなは何も知らず、「どうしたんですかミズキさん、千束……?」とお土産袋を抱えながらキョロキョロとしている。
その顔も可愛いけどさぁ……。
「え、えっ……何の話?」
よく考えれば、これはまるっきりミズキの勘違いって図式なんだから私に怒ってくる謂れはないよね。
「ねえ、たきな」
「は、はい!」
たきなですら緊張させるミズキの声、目。流石十年前の生き残り、精鋭。
「私、ひとめぼれしたって言ったわよね」
「ええ……。言ってましたね」
「それ、千束がわかってて横取りしたの」
「! 千束?! なんで」
たきなが非難する目を私に向ける。ち、違うよたきな!
- 120二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 20:18:32
あーあたきなかならも怒られるの確定したな
- 121二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 20:26:43
ミズキの言い回しぃ~
- 122二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 21:24:50
たきな被害者じゃん
- 123二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 23:01:28
「横取りっていうか、千束がね、私には叶わないって知りながらそれを教えてくれなかったのよ」
「……千束? どうしてそんな惨いことをするんですか」
「千束は……私が無駄なことをしてるのを嗤ってたのよ……」
およよと表情を崩して酒の入ったカップを呷る。たきなはミズキの横に座りながら、ミズキの背中を撫でてこちらを不信の目で見てくる。
この言いまわし、ミズキは全て気づいている。そして気づいていながらたきなを混乱させている。
でも、こういう風に言われたら、「いやあれミズキの勘違いじゃんwww」と言って全部ネタバレにできる気はしない。
たきなに「勘違いだってわかってたなら、どうして教えてあげなかったんですか」って言われるに決まってる。
- 124二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 00:08:24
このたきなは千束のイタズラ心を学習しているのか否か
- 125二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 06:28:53
ミズキ千束のめんどいやり合いに巻き込まれるばぶたきなちゃんかわいそ
- 126二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 07:21:58
クルたきはどう出るかな?
- 127二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 12:03:11
千束さんは全ての真意を見抜く神の眼持ってる訳じゃ無いからなぁ
- 128二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 13:37:01
- 129二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 15:07:42
……普通は
- 130二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 15:12:16
これはやっちゃいけないイタズラの類だろ
- 131二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 19:44:56
千束・逃げる
- 132二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 21:43:56
アラサーの純情をもて遊び赤ちゃんに迷惑かけるとかダメでしょ
- 133二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 22:26:46
土井さんの件で懲りていない千束
家に帰るとご飯を作ってくれるたきながいるというのに… - 134二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 22:54:23
「それは! 私だって気づかなかったし……!」
ごめんこれは嘘、確実に嘘。でもこうするしかないじゃない?
「気づかなかったの?」
ミズキの恨みがましい視線がこちらに向く。
「そ、そうだよ……」
「たきな、今日の水族館デートは千束の企画でしょ?」
「あ、はい。そうです」
たきなは困惑しながらもコクリと頭を縦に振る。
「……で、そこで聞き耳を立てているリスなんだけど……」
ギロ! ミズキは目を剥いて、心なしか髪の毛が逆立っているようにも見え、カウンターまで通じる襖の隙間からチラチラこちらを窺っていたクルミが引きずり出される。
必死に抵抗しているみたいだけど、体格差で勝てないし、そもそも運動の習慣がないクルミなのだ……観念しよう。
「……たきな、今から恥ずかしいこと言うわね」
「どうしたんですか……」
ミズキは伏し目がちになりながら、ついに呟く。
「私がかっこいいなと思ったの、たきなの後ろ姿だったみたい」
「……なるほど……えっ?」
パチ、パチとたきなの瞼が音が鳴るように瞬かれる。
- 135二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:25:25
おお…
- 136二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:29:24
たきな素直だな
- 137二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 00:40:39
「それを千束が知りながら、からかってたのよ。私を水族館に呼び出してまで!」
だんっ! と空になったコップがカウンターに置かれる、いや、叩きつけられる。
「ミズキさん、よくわからないのですが、ミズキさんがひとめぼれをしたのがわたしってことになるのですか?……」
状況がまだよく呑み込めていないたきなは事実関係を整理しようとする。が、それがよくない。
「そうよ! そう! 元はと言えばたきながカッコよすぎるのがいけないんじゃない!」
「そんなこと言われても困ります」
うん、困ると思う。
「私、あの占いのサイト、更新日に見てるのね? で見た後にもう一度見たら内容が変わってたのよ。まあ酔ってたから記憶が違ってたのかなって思ってたけど、こいつが書き換えた……はずなのよ」
グリグリとクルミの頭をゲンコツで抉る。クルミは呻き声をあげて涙を眼に貯める。クルミはもう簡単にゲロった。
「ボクはただ千束にそういう風に内容を書き換えてくれって言われただけだー!!」
くそ、裏切り者ォ
「いい? 記録は簡単に書き換えられても記憶はムリなんだからね!」
うわぁーどこかのテロリストみたいなこと言ってらぁ。
ミズキは急激に酔いが回ったようで、内容建てがどんどんシッチャカメッチャカになってきてる。
たきなはキッチンに向かって水を汲んできたり、お茶を出したりしてミズキの介抱に切り替えている。
このまま……私は許されたってこと? チャンス?
- 138二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 00:51:36
このたきな惚れた腫れたが分かってやがるのか? 強い
- 139二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 01:25:44
たきなです。今、妙なことになっています。
なんでも千束がミズキさんを計略に掛けたとかなんとか……。
そ、そしてミズキさんがわたしにひとめぼれしたとかなんとか……。
状況の整理をしたいのですが、全てを知っているミズキさんは潰れかけですし……クルミはどうやら千束に利用されただけみたいですよね。
「千束、説明してください」
とまあこうなる訳です。
……千束はさんざん誤魔化したり渋ったり、言葉を濁したりしましたが、要点はこうです。
・ミズキさんがひとめぼれしたのはスーツ姿のわたしだった。
・千束はそれに直観で気づいたが、面白いので黙っておいた
・しかしそのままだとミズキさんが行き遅れるからネタバラしをしたかった
だそうです。なんなんですかね、勘違いに気づいたらそのまま言えば良いじゃないですか。
本人に気づかせるのも確かに重要だというのはわかりますよ? でもですよ、こんなんじゃ余計にショックを受けるだけじゃないですか、わかってます? 千束。
「……ということなんですよね? ミズキさん」
「そうなの! そう! この死にぞこないのクソガキめ~」
あまりに急ペースでお酒を飲まれているので、瓶を片付けます。お水と、ひとまずサラダを食べてもらいましょう。すきっ腹には毒ですから。
「だからぁごめんって! 黙ってたのは私が悪かったって!」
千束は責められて謝ってるし……これは元々勘違いから始まったことですし……まあわたしが何かを言うべきこともあるわけではないでしょう。さて、おうどんでも湯がいてきますか。
――
「……? 反省してる?」
「してるしてる、マジで」
「じゃあ……たきなくれる?」
「へっ?!」
- 140二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 08:10:23
ヨシ! ヨシじゃねぇな
- 141二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 08:15:59
酔った振り上手くね
- 142二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 09:26:00
- 143二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 09:36:54
面白くなって来た
- 144二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 12:17:42
ここの千束、三重に罪が重いな
ミズキをいじめた罪
たきなを利用した罪
クルミをそそのかした罪 - 145二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 14:28:03
カッコよくて飲み過ぎを心配してくれて水やサラダやうどんを持ってきてくれるなんて惚れてしまうよなあ
- 146二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 20:01:33
ちさたき付き合ってた? 何時の間に??
- 147二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 21:42:35
千束さん許されてなかった
- 148二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:06:46
「くれるって訊かれても私のじゃあ……ないし」
私とたきなはそういう関係性じゃない。だからこういう風に言うしかない。
「でしょ? じゃあ私が貰っていこうって言ってんの」
「ミズキがぁ? フン! こんな酒浸りに靡くわけないでしょ、残念でした!」
「そんなの分かんないじゃない、だらしない相手でもたきなは甲斐甲斐しく接するでしょ?」
「……それはそうだけど」
それは好意じゃないよね。あれ? 私も好かれてはいないってこと……なの?
「たきなも彼氏いないでしょ?」
たきなが出してくれたサラダをもっきゅもっきゅと食べながら私の方を見る。
「いないですぅ! つぅか、『も』ってなんだよ『も』って!」
「あんたにできる訳ないでしょ」
「サラッといいやがって……」
「たきなのどこがいいんだよ……」
言い方。悪いよね、でもミズキが気軽にたきなを誑かそうとしてるとしたら、捨て置けない。
「たきなの魅力、漏れ出てるわよ? 優しいし、強いし、賢いし、献身的だし、可愛いし」
「んなの分かってんだよ」
なんだっけこういうの、釈迦に説法?
「だから私がたきなに本当に惚れたって別にいいでしょ?」
理屈の上では……そうだ。たきなのことを好きになる人間が居たって仕方ないというか、いて当然だし、こうやってお世話されたら惚れちゃうなんてありえるよね。
たきなのサラダ。ちゃちゃっと手早く作った癖にレタスとトマト。オリーブオイルでまんべんなく混ぜられて、その上にパルメザンチーズが振りかけられてて、レモン載せられてる。塩を効かせる代わりに強めのレモンにしてるところ、ほんと……
「やだ。ミズキにはやらん」
「それはたきなが決めることでしょ?」
なんか余裕の笑み。ムカつく。
- 149二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:13:09
たきなさんは仲良し姉妹の御世話係じゃないですよぉ
- 150二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:13:58
ひでえ姉妹だw
- 151二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:15:29
姉妹で揉めてる間にクルミが横から…
- 152二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:16:34
千束がたきなのお父さんみたいになってる
- 153二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 23:31:47
父「千束……」
- 154二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 00:14:42
「ミズキの魅力ってなんだよ……酔っ払いさん」
「私の魅力分からない?」
キラーンみたいな顔してミズキがドヤ顔。
……ミズキの魅力ねえ。
まあ、あるっちゃあるわな。あるけどさ。頼りにはなるし、よく見ると綺麗だし。
でもそれとこれとは違わない?
――
「たきなーボクにも茹でてくれ~」
クルミが台所に来てねだるので、もう一玉茹でることにしました。
カウンターの方に行かないのかと訊くと、どうもミズキさんと千束が真剣そうな雰囲気で話しているからこっちに引っ込んできたそう。なるほど、わたしもあまり寄らない方が良いかもしれませんね。
「クルミも変なことに巻き込まれてしまいましたね」
「まあいつものことだろ」
……そうですね。いつものことです。しかし、ミズキさんを揶揄うのはあまり趣味が良くないとは思いませんか、本人が気にしている事柄について突っつきまわすようなことですし。
「でもこの分だとたきなはマジでミズキに狙われるぞ~?」
クルミはニヤニヤしながら踏み台に座ってこっちを見てきます。狙われる……ね、千束ならひょいと避けられるのでしょうが、生憎わたしならそのままお陀仏でしょう。
「わたしなんか、そんな価値ないと思いますけどね、千束の方がずっといいです」
「おうふ、これは重症だな……」
重症? 銃床? ではないですね。
「そうか、千束のどんなところがいいと思ってるんだ?」
そうですね……とおつゆを掻きまわしながら考える。改めて言われると考えちゃうな。
千束はまず、強いですし、優しいです。それから……うーん……ええっと……。あれ?
いや、もっとあるはずなんですけど……手間の方が掛かってる気がしてきましたね。
- 155二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 00:21:18
ほ、ほら! もっとあるじゃろ? 千束さんの良いところ……あるじゃろ……
- 156二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 07:26:46
たきなを束縛する様な千束さんはダメ彼氏認定されてしまうのでは?
- 157二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 08:03:03
束縛するのに世話させてばっかりってかなり最低な部類…
- 158二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 08:06:33
この千束とミズキなら甘いものさえ与えておけば優しくて経済力があって頼りになるクルミといるのがいちばん良いような??
- 159二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 08:39:27
ミズキも千束もちゃんと料理するよ……独り身の時は
たきなさんに依存したらダメ人間になりそうな姉妹
クルミにはきちんとご飯も作らないと一発で愛想付かされるな - 160二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 12:05:05
こりゃミズキにうどんを出したら奥でクルたき二人でうどん啜るコースになりそう
- 161二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 12:19:04
漁夫の利を狙うクルミ
さすがハッカーきたない - 162二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 19:02:20
「ボクはマメにお風呂に入っているからロボ太みたいに汚くないぞ。取れる利は取らせてもらうけどな」
- 163二次元好きの匿名さん23/04/26(水) 21:51:08
さすクル
- 164二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 00:23:57
これだけ待っても千束さんの良いところが出ない…だと…
- 165二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 00:30:53
千束さん割と本編でも割とこんな感じっぽそうだからなぁ、でも時々かっこいい
- 166二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 00:55:43
Don't shink feel so good.
つまり千束は気持ちがいい - 167二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 07:23:22
千束さんの本気はレッドアラート命の危機レベルじゃ無いと発動しないとか?
存在事態が格好いいから千束さんはそれで良いのだぁ……だ - 168二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 07:48:38
ま、待とう…
- 169二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 08:37:41
初期と9話の聖母千束さん戻って来て
- 170二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 09:44:42
- 171二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 10:57:33
メスガキになったりヘタレズになったり妖怪髪吸いになったり忙しいね千束さんは
- 172二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 12:23:16
たきながわるいんだよ…
- 173二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 18:45:50
なんかうどんが食べたくなった
おうどんゆがいてきます - 174二次元好きの匿名さん23/04/27(木) 21:53:08
「もしかして千束にはいいところがないのか?」
「いや、そんなはずは……」
わたしは今までの生活を振り返る。最初に会ったとき、随分と距離の近い人だなと思いました。
ああ、そうですね、他者を遠ざけないのは美点です。わたしはそうできませんから。
他にも……まあ、これは色々思うところがあるのですが、いのちだいじにというのは悪くないでしょう。
あとは……そうですね。力が強かったですね。
「たきなは人を評価する視点が足りないな」
「足りないですか?」
そろそろお湯が沸きますね、つぶつぶとした泡が鍋のそこから次々に生えてくるようで、もう少ししたら賑やかになるでしょう。
「たきなはきっとすべてを『優しい』で表現してる気がする」
「なるほど」
「まあ、お前らの関係はよくわからないが……例えば相棒を交代するとして、他にどんな人だったら交代に応じるよ」
「そりゃあ……」
もっと常識的な人を、と頭ではわかっているのに、そんな人欲しくない。
フキさんやその他のファーストの人だったらもっと効率的に業務がこなせるだろうことは期待できる。でも、そういう人は今のわたしは特に欲しくはない。どうしてだろう?
「たきなより銃が上手い人がいいのか? それともいのちを大事するという縛りプレイで危なっかしいことをしない奴がいいのか?」
クルミの問いにわたしの頭もまた、ぽこぽこと沸いてしまうようだ。
それは、確かに嬉しい点には違いない。遠くから狙ってさっさと片付けたほうが危なくない。任務も早く終わる。
でもそれじゃ――。
「まぁ、もっと考えろ。そこに千束の魅力はあるんだろうから」
下から、口と目を崩されるように笑われると少し、相手に余裕を持たせすぎたような気がして癪に障りますね。
「……まあ千束は、よくわからない所がいいんですよ多分」
- 175二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 00:51:47
クルミあざとくタキナポイントを稼ぐ
- 176二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 07:55:32
理解者ポイント
- 177二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 08:17:24
何で……何で好きなんだろうね……?
- 178二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 08:43:19
まあでもいっつも楽しそうだし、食べ物も美味しそうに食べるし一緒に痛いと思うには十分じゃない?
- 179二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 09:50:19
そもそも相性がいいんだろうな
千束は誰にでも合わせられるだろうけど、千束の命大事に付き合うには考えが柔軟で実力ないとダメだし、無垢な赤ちゃんだったから染め上げる楽しみ?もあったし成長率も高いから甘やかすだけじゃなくて甘えられる存在にもなったんだろうし - 180二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 11:37:57
- 181二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 12:22:21
- 182二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 12:49:59
- 183二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 15:58:35
ほほう
- 184二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 20:03:34
千束の魅力は強くて頼りになって可愛くて綺麗で儚げでご飯を美味しそうに全力で食べて……心根は分からないですね
- 185二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 21:40:34
一言で言い表せない
- 186二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:11:09
それはさておき続きは来るかな?
- 187二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:28:30
珍味扱いで草
- 188二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 08:52:46
好みの人はとことん嵌まる
- 189二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 12:14:56
- 190二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 16:27:58
あぁ……さらばミズキ
- 191二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 00:27:21
「そうよ、私と! こーんなガキんちょより私の方が余裕のある大人の方がいいんじゃない?」
ミズキの流し目、うぇ~吐き気がする。
「わたしの方が年下ですよ」
たきなは取り合わずに、ミズキの前にホカホカの丼を置く。透き通った汁、白い麺。たきなの味付けは優しい感じがしてとっても好き。
「あんたの方がお姉さんに見えるけどね」
ミズキはいただきますをしながらそう言う。
「わたしが……ですか?」
あれ、なんかたきな照れてない? モジ……ってしてない?
「そう。毎日やかましい妹に振り回されて大変な姉、私も気持ちわかるわ~」
ぐぬぬぬ……。いや、そんなつもりはないんだけど? あれはたきなが私をお世話したいからだよね?
「いや、たきなが私を世話したいって言う感じを出してるから~?」
「別にわたしは人の世話をする趣味はありませんね」
ピシ、と言われてしまう。あれ、怒ってる?
「嘘だっ! なんか私の家掃除したり、片付けたりしてくれるじゃん!」
月に何回かは来てくれて、片付けてくれて、そのあと一緒に映画見て、ご飯作って~まあそのまま帰っちゃうんだけどね。泊ってけって言ってるのに。
「はぁ、またたきなにやらせてるのね、私はそんなことやらせたりしないわ」
「それは嬉しいですね」
本当にうれしそうにする奴があるかぁ!
あれ、これ私の雲行き悪くない? 確かに思い当たる節は……あるけど。そんなことでたきなが私のこと嫌いになる訳ないし……。
「まあ、千束には勿体ないってことよ、たきなは私が持っていくからね~」
「だぁぁぁ!! ダメ! 絶対ダメ!」
「じゃあたきなに決めてもらいましょう、それならいいでしょ?」
さっきまで余裕かましてた私だけど、このままだと分が悪いから、もしかしてとか思っちゃうんだよな。
「だめ! たきなには選択権なんかないから!」
とまあ、そうやって口を滑らせるわけで。
「わたしに関することでわたしに選択権がないのですね……」
ってたきなは沈んじゃうし、クルミがキャッキャと囃し立てるし。「違うの、今のは無し! 違うの!」って言わなきゃいけなかったし、ミズキは下品に笑うし、どんどん私が不利になる。
- 192二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 00:32:29
お? 追い込みに来た!
- 193二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:29:29
さすがファースト
墓穴の掘り方も一流 - 194二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 11:48:47
逃げるのも逆ギレもタキナポイントはマイナスです
さあどう出る錦木千束正念場だ
最終コーナーを回ってラストの直線は短いぞ - 195二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:19:59
可哀想なたきなの人権はどこに…
- 196二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:31:10
「ミズキにいい所なんかないでしょ?」
とたきなに迫る。そうそう、魅力なんかないって自覚させれば、ほら、ね?
「千束結構最低なこと言ってません?」
「え……っ? え?」
「ミズキさんは確かに卓抜した戦闘能力はありませんけど、いいえ、それなのに着ぐるみに入って囮になるとか、覚悟が凄いですよね。それに脚の悪い店長に代って何年もリコリコをやってるのは良い所ですよ。あとヘリに乗れるのは純粋に驚きました」
滔々とミズキの良い所なるものを並べていく。
「たきな……」
あれ、ミズキが発情した顔をしやがる。瞳がキラキラウルウルしているというか。
「千束にだって……分かってるはずですよね?」
思いっきり叱られてしまっている状況だ。もうここは項垂れて反省の意思を見せる他ない。
「はい」
「へへーん、千束ォ! 残念だったな! たきなは私のだぜェ! お前はすっこんでろー!」
「だぁぁぁ! たきなが盗られたァァァ!!!」
たきなに縋ろうとしたけど、ミズキにひょいと羽交い絞めされて私はバタついて暴れる。なんかミズキ、力強くなってない?
「クルミー! 扇風機持って来いー!」
そうしてミズキは調子に乗ってクルミに扇風機を持ってこさせる。あのリス、「ボクはスプーンより重い物は持てないんだよ」と毎回言ってる癖にこういう時だけ俊敏でパワーを出してくる……この野郎。
「また今度酷いことしたら営業時間中にスカートめくりの刑じゃボケ!」
クルミの持ってきた扇風機が私のスカートをひらひらとはためかす。
「無様だな、千束」
キャイキャイと鳴いているリスと眼鏡。糞野郎。たきなまで笑ってるし、もういっそ殺して……。
- 197二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 13:05:55
「……もう、二人ともその辺にしておいてくださいね、明日も早いんですから」
「ボクも寝るぞ~」
たきなとクルミはこれに飽きたのか、さっさと帰ってしまう。まあクルミはお風呂に入って動画でも観てからだろうけど。
たきなは本当にさっさとリコリコから退散した。スーツのまま。いや、かっこいいんだけど。
「……」
私たちは取り敢えずくっついた体勢から離れた。こんな眼鏡おばさんとずっとくっつく趣味もないしね。
無言で取り敢えずカウンターと私は小上がりにへと分かれる。ミズキはたきなに隠された酒瓶をもう一度持って来ては、注いで飲む。トトトト……という音が嫌にハッキリ聞こえるぐらいの静けさだった。
その静けさの所為か、私のお腹がキュウと鳴ってしまったのがよく聞こえたようで、ミズキは少し笑って「そういえばあんた、たきなからうどん貰ってないもんね」と言う。
「……サイゼでも行く?」
厨房にはもう余りの食材はない。ミズキが酒のさかなーにして全部食っちゃったからだ。
「いいねぇ」
取り敢えず一時休戦する。
- 198二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 13:08:23
仲良さそう楽しそう
- 199二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 13:51:44
「千束昔からそれ好きよね」
「まあね、美味しいじゃん」
ミックスグリルは一番好き、私の好きなものが全部入っている。子供っぽい? うるさいなあ。
でもミズキが自分の魅力としてたきなに提示した「大人っぽさ」という言葉が歯に詰まる。それに対してたきなが嬉しそうにしていたから、今まで美味しく食べていたそれが数割ぐらい、味がしなく思えた。
「ミズキは本当にたきなのことが……欲しいの?」
「……まあね、でも私は男の方が好きよ。たきなが男だったらって思うわ」
フンと横を向いたままの私に構わないでミズキはチマチマとパンを千切りながらさらっと答える。
「……」
「そう言った意味では、千束、あんたの方がたきなと一緒に居たらいいかもしれないわね」
ミズキは私の気持ちを分かっている。だからそういう言い方をする。
「でも、たきなの方が求めてきたら、私はウェルカムよ」
この余裕そうな感じ、めっちゃムカツク。
「うっせえ、誰がおばさんなんか相手にするかよ!」
「あんたもおばさんになれるんだから余り馬鹿にしないことね」
――
翌朝、アホみたいなことをしてたのが嘘みたいに私たちはごく普通に接客をしたり、調理したりで忙しい。
客足が途絶えて休憩にでもしようかとなったときに、たきなが私に来て言った。
「あの、私、千束のいいところ考えて来たんですけど、そういえばありました」
なになに? え、私のいいところ考えちゃってくれたってわけ? そういえばってなんだよ。まあそれは置いといて。
「内緒です」
「え、なんで!」
「イタズラ癖が治ったら教えてあげます」
――
「まぁた千束とたきながいちゃついているぞミズキー?」
「いつものことでしょ、いい男の御来店を私はずっと待ち続けているのよ!」
「来てもお前には興味持たないだろ。それかまたお前の勘違いで終わる」
「一遍しめたろかクソリス」
おわり pixivなどにまとめるかもしれません
- 200二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 14:00:33
綺麗な締め乙
ミズキは永遠のお姉ちゃん