- 1二次元好きの匿名さん23/04/14(金) 16:14:24
「ねえねえ、そこのボク」
声をかけられて振り向いたら、後ろには背の高くすらっとした、ウマ娘が立っていた。
スタイルは女優かモデルのようで、引き締まっている。
「突然話しかけてごめんなさい。あの……ちょっとだけ、いいかな?」
ウマ娘は一瞬だけ逡巡するように顔を伏せたが、すぐさま切り出す。
「わたしのこと、見えてるかな?」
急に何を言い出すのかと思えば、そんな言葉を口にしたのだから、思わず呆気に取られてしまった。
すぐに「見えている」と答えると、ホッとした様子で息を吐いた。
「急にごめんね、変なウマ娘で。他の人には見えてないみたいだからさ」
不思議なことを言い出すウマ娘だと、当初はそんな認識があった。
「……ウイニングライブって知ってる?」
ウイニングライブといえば、ウマ娘がレース後に行うという観客への感謝の表現。「一応は」と答える。
「そっか、この世界でも流行ってるんだね」
ウマ娘は表情に喜びを浮かべる。
「うーん、なるほど。……あ、人が来たみたい。これ以上は不審がられるからずらかるね!」
「あ、そうそう」とウマ娘は続ける。
「わたしのことは、気軽に『アイドル』さんとでも呼んでねー!」
……あのウマ娘はなんだったのか。