- 1二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:05:29
- 2二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:26:30
序盤はパマヘリ頼ってけ
けどパーマーの取り扱いは見誤るなよ
陰キャオタクトレーナーには難易度高いかもしれんが中央のトレーナーになれたんだから根気強く頑張れば大丈夫だって! - 3二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:26:59
どうやって契約にこぎ着けたんだよ
- 4二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:27:43
- 5二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:28:26
お前さん実は有能だな?
- 6二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:29:34
中央に来れてるってことはいざって時頑張れるトレーナーだろうから大丈夫大丈夫
- 7二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:30:41
- 8二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 08:59:37
- 9二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:09:17
- 10二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:10:14
- 11二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:10:38
多分バチクソにイケメンだぞこいつ
シチーさにオシャレしてもらうべ - 12二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:11:49
ジョートレが存在しない世界線だと、シチー担当したらジョーダンも見てあげてよってなりそう
- 13二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:12:28
- 14二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:12:39
初手から四人チームはキツくなーい?
- 15二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:22:40
オタクくんさぁ……専門学校の頃から言ってっけどさ、君はちょっと真面目すぎる所もあるけど人一倍努力家で夢に向かって諦めずにトレーナー試験合格して中央来てるんだからもっと自信持ちなって。つかそんなヤツでなきゃいきなし四人も担当持たせて貰えないっしょ。
あ、でも顔が良いんだからオシャレして美容院行けばガチモテだってのは分かっちゃった感じw?最近のオタクくん垢抜けた感じが……え?マジ?シチーちゃんがヘアとファッションやってくれてんの?メイクとかジョーダンちゃんから教わってんの?パマちんとヘリよすと街繰り出したりメジロ家行ったりしてんの?
オタクくんさぁ……責任はちゃんと取れよな?四人分。後結婚式には呼んでくれよ? - 16二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:27:17
声かけられたけどいくら何でもアレはないわー、とか思ってたら実は超有能が発覚して後悔するモブちゃんいそう
- 17二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:32:51
- 18二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:34:05
西部開拓時代のアメリカに生まれてたら超人扱いされてるよねのび太君
- 19二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:34:45
- 20二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:39:51
初登場時はダサい服装で髪も肌も荒れ放題だから陰キャオタクにしか見えないけど
シチーのクリスマスイベントみたいにオシャレさせたりケアしたりしたら大化けするやつだな……
あれ、少女漫画とかで見かけるやつじゃね?
- 21二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:41:41
アプリのシチトレとはまた別方向でシチーさんに刺さりそうだな、このトレーナー
- 22二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 09:43:03
同期が、しまった原石を見落とした! って地団駄踏んでるのを、ふふーん♪って顔で眺めてるギャルズは私性合
- 23二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:19:19
- 24二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:22:19
こう見えて気遣いの塊軍団ではある
- 25二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:26:01
ジョーダンがそんな器用なこと出来るとは思わん
- 26二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:29:48
オタクに優しいギャルはいないけどオタクにも他の皆と同じように接してくるギャルはいる
- 27二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:39:24
- 28二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:41:09
パーマーは優しそうだし話し方も普通だから頼ろう
- 29二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:44:06
どんな陰キャでも喋らせるヘリオスのパリピ力とパーマーの理解力が光る
- 30二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:49:04
「ユキっぺさぁ、最近のシチーちゃんオタクくんにマジ恋じゃね?どう思うよ?」
「ふふ……トレーナーさん、気付いたンですね?ほれ、見て下せぇ、この、頬ば染めて腕ば絡めて上目遣いさしてるシチーさんを……あたしにトレーナーさんの事話す時には『頼りにならない』とか『こっちが心配になる』とか言うのに、2人になるとずっとこれなンでがんす……そもそもトレーナーさんの事話す時は耳がぴこぴこ動いてて尻尾が嬉しそうに揺れてるんでがんす……隠しきれてないシチーさんの気持ち……いいべ……」
「オタシチ推すのは良いけどデートの後つけて盗撮とかユキっぺウケる。いやウケねーよ何やってんだよ」
「こっちのヘリオスさンとパーマーさンが両方から腕組みしてるトコさ出くわして露骨にムスっとしてるシチーさんも見ますか?」
「いや見ねーって。つか他所のトレーナー室で何やってんだよ」
- 31二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:49:48
チャラ男トレ実は田舎出身だったりする?
- 32二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:50:41
- 33二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:50:53
- 34二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:51:46
部屋めっちゃいい匂いしそう
- 35二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:53:32
オタクトレの幼馴染で首尾よく都会デビューに成功したものの根っこでは、知識と情熱はあるけど要領の悪いオタクトレを内心で案じているチャラ男トレ
- 36二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 10:59:15
- 37二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:05:19
- 38二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:08:35
ジョーダントレの要素も含んでるってことは桐生院トレーナーとも関わる機会が多いんだけどシチーさんとパーマーさん大丈夫なんですかね...
- 39二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:09:53
除湿器いるからへーきへーき
- 40二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:13:58
傾国の美女に崩壊させられるフラグじゃないか
- 41二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 11:17:58
昏君じゃないですか…
- 42二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 12:27:45
有望株複数任されるだけで普通は中央でも上澄みだよぉ!
- 43二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 12:31:45
教え子の顔を思い出しそうだからギャル物で抜けなくなってそう
- 44二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 12:33:42
- 45二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 12:37:12
どっちにしろcv山下なのが草
- 46二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 12:56:04
陰キャでナードで逃げ続けるウマ娘に追いつける
繋がったな - 47二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 12:59:31
- 48二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 13:02:00
- 49二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 13:48:35
闇のわだすに押されて根の常識人がはみ出るチャラ男トレーナー概念好き
- 50二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 14:00:48
多分担当にとって一番重要な判断を間違えない、地雷はしっかり密閉爆破するタイプ
- 51二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 14:02:38
- 52二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 14:15:20
パーマーとは根っこの部分が似てるから相性良さそう
- 53二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 17:19:55
最初の方こそオタクくんに絡むテンプレ的なチャラ男なのに物語が進むにつれてチャラ男が作中屈指の常識人になっていくやつ好き
- 54二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 17:29:46
のり伍郎の可能性もあるぞ!
- 55二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 18:58:39
「アンタ、ユキノのトレーナーと同期だよね」
「あ、う、うん。そうだよ…?」
「…その、あの人ってどんな人なの?」
「えっ、どうして…?」
「最近ユキノがユキノのトレーナーにゾッコンなの見てたらわかるっしょ?それで。」
「えっ…そうなの?全然知らなかった…」
「アンタマジか!どんだけニブチンなら気づかずにいられんの?!…まあいいや、それで…あの人、見た目で判断するのは良くないけど、ちょっと危なそうっていうか…その辺大丈夫なのか知っときたい…」
「…ああ…確かに、見た目はそんな感じだね…」
「見た目はって…中身は違うの?」
「…専門学校の頃、彼と、どっちが先に女の子と手を繋げるかで勝負したことがあって…」
「…まさか」
「…まだ、決着ついてない…」
「ええ…」 - 56二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 19:36:03
「うわっ、またいるよ」
「どうしたのー?おっ、ヘリオスさんと担当のトレーナーじゃん」
「うん。最近このトレーニング室使うんだけど、よくいるんだよねー」
「ヘリオスさんってよくあのオタクと一緒にいるよね。いくら自分のトレーナーでも気持ち悪くないのかな?なんかいつもブツブツ言ってくるし」
「わかるー!アタシ、この前カフェテリアで話し掛けられてさー。ボソボソって『君は豚肉より青魚を食べた方が良いと思うけど……』とか言ってきて!人の食う物一々見てんなよって話でしょ!キモかったー」
「私も私も!練習場で走ってたら『トモの艶が悪い』とか『胸を前に出して』とかさ!本当に気持ち悪いよねアイツ!」
「その点、ウチのトレーナーは最高だよ!何食っても文句なんて言わないし、なによりイケメンだし!」
「えー、私のトレーナーの方が格好いいって!いつも私の走りは完璧だって褒めてくれるしー」
「……なーんでヘリオス先輩、あんなのを担当トレーナーにしたんだろうねー」 - 57二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 19:51:55
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ……」
「ヘ、ヘリオスさん。テ、テンポは今のままで良いけど、し、姿勢が崩れてきてる、かなぁ?」
「ウェーイ!……ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」
「う、うん、その調子。そういえば……」
「ふっ、ふっ、ふっ……なにー?なんか気になる感じ?」
「えっと、その……う、うん。君……最近、胸、大きくなった?」
「ん?……言われてみれば、そうかも?」
「あ、あとで測ろうね?」
「ウェーイ…………大きくなったらヤバいん?」
「う、ううん!そうじゃないけど……胸囲が変わると、じ、重心も僅かにずれるから、下半身トレーニングのメニューも変更しないと、その……」
「うぁー!マジかー!そっかぁー!それがあったかー!」
「ま、まぁ……微調整するだけだから」
「りょ。その辺はトレーナーに任せるわー。アンタの指摘が間違ってた事とか無いし」
「う、うん、任せて。じ、じゃあ、トレーニングを続けようか……」
「ウェーイ!」
- 58二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 19:54:10
- 59二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 19:58:50
- 60二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:04:46
- 61二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:07:41
ラップバトルするチャラトレとユキノ概念…!?
- 62二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:19:17
「いつも私の走りは完璧だって褒めてくれる」ってのも相当ヤバいな
多分こいつら、トレーナーはトレセン学園トレーナーの名前でハクをつけることと若いウマ娘と関われることだけが目当てのスケコマシみたいな連中で
モブちゃんはトレセンに入る程度の能力はあるものの本気で上を目指す気のない、やっぱりトレセン卒業生の名前だけが目当てでそこそこのレースに出走したという実績さえあれば真面目に競って勝たなくてもいいや、みたいに考えてそう
たぶん会長や理事長、それにナリブやココンみたいな向上心の高い面子からは眼中に置かれて無いタイプだと思った
- 63二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:23:20
- 64二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:24:30
ブライアンちゃん。
- 65二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:25:20
- 66二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:25:20
ブーちゃん、姉貴が呼んでたぞ
- 67二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:26:07
>>63ブーちゃんはさぁ
- 68二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:27:10
改めて見てみても、サポカとかで担当じゃないウマ娘に片っ端からアドバイスしたり次々とイベントを担当のトレーニングに応用していく各アプリトレが化け物揃いなことがよくわかるな
- 69二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:29:28
カルシウムやらビタミンやらは取らないと駄目だぞ
- 70二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 20:52:47
うわー!?いつの間にか良SSが出来てるー!
パーマーとヲタクさんの絡みもお願いします(強欲な壺) - 71二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 21:09:08
- 72二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 21:30:46
>>71それな。担当に嫌われるくらいなら何も言わないでおこう、って考えるトレーナーはいると思う。
言わなきゃと思ってても言えないのは人としては分かるけどね…
そう考えると真っ正面から突貫噛ますアプリトレの蛮勇さよ
- 73二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 22:09:00
- 74二次元好きの匿名さん23/04/15(土) 23:10:54
すげぇ! めちゃくちゃ優秀なビジネスマンの台詞みたいになってる!
でも何だかんだでヘリオスさんは、しゃべるのが苦手ながらも必要なことを伝えなきゃと思って一生懸命に言葉にしようとしているオタトレの心意気を買ってたりもしそうな気もするんだよなぁ
- 75二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 00:27:09
「ウェーイ、オタクくんはっけーん!!」
「うげ」
「こ、こら、シチーさん……おはよう、って、そちらは?」
「え?ああ、コイツ、とまチョップくん。苫小牧のゆるキャラ。ほら、俺んトコのタルぴっぴロコドルやってんじゃん?ユキっぺの事もあるしさあ、俺ちゃんも一肌脱ごうと思ってんだよね」
「……それでなんで着ぐるみを連れてんの?」
「ウェーイ、とまチョップくんfeat.トレセン学園って俺企画で今学園内回ってんの。オタクくんのチームともコラボさせてよ。ハスカップあげるからさぁ、あ、シチーちゃんにはよいとまけあげる」
「いや、体重管理とかあるから、大丈夫」
「そ、それより、そんな大がかりな事、いきなりやって、大丈夫なの?」
「理事長に直電したら『了承!!』つってたから大丈夫っしょw」
「さ、流石理事長……で、タルマエさんには……」
「そりゃ勿論……」
「こらーっ!!トレーナーさーん!!勝手にとまチョップくんを連れて学園を練り歩かないで下さい!!」
「っべーもうバレた!!悪いオタクくん!!コラボはまたね!!はいコレあげる!!」
「あ、うん……」
「……いっつも思うんだけどさ、あの人、自由過ぎね?」
「う、うん……でも、ああ見えて、結構人の事よく見てるんだ、ボクも色々助けて貰ったし……今度の事も、もしかしたらタルマエさんの事で、何か彼なりに考えがあってやってるんじゃないかな……あ、ハスカップってこんな味なんだ。美味しい」
「……ふーん?」
的な導入からコメディ担当に見えて実はしっかりユキノやタルマエの事を見ている有能チャラ男トレーナーの事が分かる話があったりすると私性合。
- 76二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 01:30:47
「スペちゃん、さ。」
「はい…」
「オレは一応こんなナリでもキミのトレーナーなワケだから…いい加減口出させてもらうんだけど。」
「…はい。」
「流石に…食い過ぎだね。」
「………」
「いや、特に怒ってるワケじゃないんだけどね?やっぱこう、選手には選手として守るべきことがあるから……最低限は心掛けて欲しいかなって。今見てる感じだと特にスペちゃんの走りに陰りが見えるとかじゃないんだけどこのままいくと…」
後に、
「いつもあんな雰囲気なのにトレーニングのこととなると破茶滅茶に真面目に注意を促してくるのは言われる側にとってはたまったものではなかった。」
と、スペシャルウィークは語る。
ってな感じでチャラトレくんには一定の感情が一周するとマトモになる側面があっても私性合
チャラ男エミュをめんどくさがってるわけじゃ無い、断じてないぞ
- 77二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 07:46:04
いい!!
「いつものチャラチャラした言い方だと、自分が真面目に相手の身を案じていると通じない」と判断して真剣になるし、もちろんスペちゃんにもそれが通じるというね
そういえばゴルシもいつもはふざけまくってるけど、本当に大事なことに関してはすごい真面目だし思いやりもあるところがあるんだよな……そういうの大好きです
- 78二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 07:56:44
- 79二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 07:59:46
多分三年経ったぐらいになるとオタク君もめちゃくちゃ垢抜けたイケメンになってどもりも改善されてますます有能になってるんだろうな
そんなオタク君を「ウチらが育てた」って後方腕組みしてるギャル軍団と印象が明るくなった幼馴染みを嬉しさ半分寂しさ半分で腕組みするチャラトレ - 80二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 09:55:07
記者「新人トレーナーとしては異例とも言える四人のウマ娘を担当され、またそれぞれの路線にて担当されたウマ娘達を大活躍させるという偉業を成された訳ですが、デビューから3年経った今こそ言えるご自身の成果への想いを伺ってもよろしいでしょうか」
オタク君「そうですね……"私の成果"と言われると、それは否定したいと思います。私は、自分の言いたい事をハッキリ伝えるのにも時間がかかるような人間でしたが、ウマ娘のトレーナーという職業への憧れの一心だけで中央トレセン学園の門をくぐりました。当然ですが専門学校の頃、実習で訪れた時とはまるで違う空気感に圧倒される事も多々ありました。それでも、出会った四人のウマ娘達としっかり向き合って、こうして担当として三年間を過ごす事が出来ました。今の私があるのは、そんな私の事を、トゥインクル・シリーズという人生でたった一度の舞台で輝かせてくれると信じてくれた、そして時には未熟者の私の背中を叩いてくれた四人のウマ娘達と、様々な場面で支えてくれた友人がいてくれたおかげだと思っています。そして何より、ウマ娘達の活躍は、ウマ娘達自身の努力や想いが実を結んだものです。なので、今ここにいる自分について述べるならば"私の成果"ではありません。私と共に歩んでくれたそれぞれが、お互い支え合い助け合いながら、夢見た自分を手にしたのです。ですので、私を人として、トレーナーとして成長させ、ここまで連れてきてくれた皆さんに、心より感謝の気持ちを。そして、トゥインクル・シリーズで栄光を掴み取った私の自慢のウマ娘達に、心よりおめでとうと伝えたいと思います。本当にありがとうございました」
的なインタビューの後ろの方で途中からずっと↓こんな感じになってる四人とインタビューを見に来てたチャラ男は絶対いる。もうちょっと言うと、「いやあなたの事は何も言ってないでしょう」的なツッコミを入れるタルマエもいる。
- 81二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 10:23:10
担当契約した当初はオドオトしてまともにコミュニケーションが取れず「トレーナー選び間違えたかなー」と考えるギャル娘達。ある日レースが近いからと焦り、過剰なトレーニングを繰り返すパーマーにオドオドしながらも注意をするオタトレ。忠告を聞かず無理なトレーニングを続けようとした時―――
「駄目だって言ってるだろうっ!!」
と全身を震わせながらも猛獣のような眼で睨んで止めるオタトレ。
それを切っ掛けに『普段は情けないくせに自分達の事を誰よりも想ってくれているキモヲタ』としてウザ絡みされるようになったオタトレ。
自分達はキモいキモいと連呼するくせに、他の人にオタトレがバ鹿にされると静かにキレるギャル娘達。
みたいなSSはありますか!? - 82二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 10:25:07
このレスは削除されています
- 83二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 10:42:37
「オタクくんさぁ、最近シチーちゃんといい感じじゃ〜ん、手くらい繋いだ感じ?」
「えっ…!?そ、そんなわけないじゃないか…!第一、僕たちは指導者と学生なわけで…」
「へーいへーい、そういうかたっくるしいのは一旦なしにしようや!で、どうなのよ?正直なところさ」
「…シチーさんには、もっとふさわしい人がいると思うよ…?」
(あー、そうだ。こいつは相当のニブチンなんだった)
「そっちこそ…ユキノさんといい感じだって聞いたよ…?どうなの?」
「ユキっぺと俺!?いやいやナイナイ!俺はともかくとしてよ、ユキっぺはぜってーそんなふうには思ってねぇって!…そりゃ、可愛いなとは思うけどさ…」
(ああ…そうだった。君は昔からにぶいやつだったね…)
この2人、学生時代から密かにモテてたら面白いよな - 84二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 12:20:13
>>81拙者、普段情けない人の時々見せる真剣な眼差しが大好き侍。尊みに呑まれ自刃致す
彼女達がオタクくんに向けるのが、嫌悪感じゃなく物凄く親しみの籠った『キモ~い♪』なのが容易に想像出来て、拙者の心の中のデジたんが……ミ゚ッ
- 85二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 14:00:03
モブはオタク君とことキモいどころか嫌悪感抱いてるけどヘリオスの事はギャルとして尊敬してるしヘリオスから見てもモブは良い友達である
という前提でなんか曇ったり晴れたりするSSを誰か書いていただきたく - 86二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 16:37:31
- 87二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 22:30:56
何故だ?ヘリオス達じゃなくてオタクくんに萌えてる俺ガイル
- 88二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 22:38:22
「…………」
「ど、どうしたの、ヘリオス…。も、もうトレーニングの時間なんだけど…」
「…あっゴ、ゴメーン!ウチちょっとアタマがおソラにフラ〜イ☆して行ってたわ〜…ってもうこんな時間!?ヤバいよトレぴっぴ!激ヤバじゃん!!ソッコーレディーすっから早くゴーだよ、ゴー!!」
「あっうん。と、というかキミ以外全員集まって…アッ早い…ま、まってヘリオス!!」
「………」
〜〜〜〜〜
「ヘリオスさんトコのトレーナーってさ…」
ウチにはトモダチがいっぱいいる。付き合いが長い短いとかはあるけど、皆んなおんなじ。ウチの大事なトモダチだ。
…でも、やっぱりトレぴに対して良くないことを言われるのは。
「…ヤだなぁ」
もちろんトモダチも普段からヤな性格なワケじゃない。むしろ普段から気のいい友達だからこそ…少し困ってる。
いつもアタマ空っぽのまんまパリピってるウチだから、こーやってなんかにモヤってんのは初めてで余計にどうしていいのかわかんないんだ。
続く
- 89二次元好きの匿名さん23/04/16(日) 22:58:30
- 90二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 00:48:35
「…………」
「…ヘリオスッ!!」
「うぇっ?ど、どしたんトレぴ…」
「あ、足元ちゃんと見ないと…あ、危ないよ…」
言われてウチの足元に目を向ければ、誰が落としたか空いた飲み物の容器が一本転がっていた。
「う、うぇ〜いマジじゃんやっば…ありがとトレぴ…」
「さ、最近様子がおかしいよ、ヘリオス…話して楽になることだったらなんでも聞くから…な、なにか悩みがあったら言って欲しいな…」
「…………トレぴはさ」
「うん?」
「ウチらとタメの頃から…いや、トレーナーやっててなんか言われることってやっぱりあんの?」
「そ、そうだね。が、学生のころは人から聞こえてくる言葉に敏感だったり、トレーナーをしていても聞こえてくる声は良いものばかりとは言えないし…で、でもね、ヘリオス。」
「…?」
「今はそんな言葉、全然気にしてないんだ。キミたちが僕の自慢で、自信になってるから。
そ、そう、だから胸を張って言い返すことにしてるんだ、"ど、どうだ!僕はこんなんだけど、僕の担当はとっても凄いんだぞ!"、ってね。」
「…へへっ、トレぴそれなんの解決にもなってないよ……変なの」
「そ、そうかな?…と、とにかく、もしキミが僕に対しての言葉で何か悩んでるなら…それはヘリオスの気にするようなことじゃないよ。そ、それに…」
「それに?」
「ぼ、僕はキミに今でも充分過ぎるくらい元気や勇気を貰ってる。そう、ヘリオス…キ、キミは僕にとっての太陽なんだ。キミが自分らしく輝いてくれている限り、どんな言葉だって僕を折ることなんて出来やしない。こ、心には雲一つだって残りはしない。」
「トレぴの…太陽…」
- 91二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 00:48:55
「だ、だから大丈夫、いつだってキミの光に照らされて、僕はまた前を向いて進めるんだ。そう、たとえなにがあっても僕はキミと一緒に居るから、心配しないで。」
「言質…とったかんね。。」
「うん?」
「いーや?ぬぁ〜んでもナシ!」
「……じゃ、じゃあ行こうか…だ、だいぶ時間経っちゃったけど大丈夫かな…怒ってないかな…」
「ダ〜イジョブダイジョブ☆そもウチが一緒にいりゃノープレっつったのトレぴじゃ〜ん!!
まぁいつメンのよしみってやつでむこーも許してくれるって!ほら、謝る練習しよ!!まじめんご〜って!!ほらほら!」
「ふ、普通に謝るならまだしも…って急がないんだね…珍しい…」
「ん〜?今日のトコはとりまこんなカンジが良さげっしょ〜…的な!?ま、いっちょ付き合ってよ、トレーナー!!」
おしまい
- 92二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 00:53:00
クソ長SS失礼致した、ヘリオスを持たぬ分際でこんなモノを書き殴ってしまうとは…ヘリオス推しの方々に申し訳が立たぬ…
まぁヘリオスエミュが甘ぇ!!出直せ!!ってんなら躊躇なくこの人差し指が唸りを上げるんでよろしくお願い申し上げます
心理描写もギャル語使わなきゃならんのならもうお手上げなのよ(本音) - 93二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 07:23:12
この調子で全員の好感度を爆上げして四方から外堀を埋められるオタクくんはいる
- 94二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 10:23:14
- 95二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 10:36:15
イメチェンした後に街中で全然仲良くもない女の同級生と会う。
相手はトレーナーの肩書きと顔だけで狙ってきて誘おうとしてくるところを4人に見られるという展開欲しい - 96二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 11:00:22
このスレ見てたら昔あったギャル'sを手籠めにするトレーナーのスレ思い出したわ
- 97二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 11:37:41
- 98二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 11:44:30
「トレーナー!早く早く!レース始まっちゃいますよ!」
「うぃー。スペちゃんさー、焦んなくても出走まで時間あるっしょ?」
「なに言ってるんですか!今日はスズカさんのレースなんですよ!?パドック入りから見ないでどうするんですか!」
「つっても俺の担当じゃねーしなー。どっちかつうと…………お、いたいた」
「え?誰が……あ、ヘリオスさん!このレースに出るんだ」
「いやいや出走メンバーぐらい確認しとこうよ。どんだけスズちゃんにぞっこんなのさマジウケる」
「むぅ……すみません。そういえばヘリオスさんのトレーナーってあの人ですか?トレーナーがいつも話す人」
「んー?お、そうそう。あのキョドってる不審者ね。あっ、挙動不審すぎて警備員に声掛けられてるwww」
「……うーん。知らない人の事をあまり悪く言いたくないんですけど、見た感じその、頼りなさそうというか。なんか……本当に指導出来るんですか?」
「ぶはっ!めちゃくちゃズバッと言うじゃんスペちゃん!まーねー。頼りなさそうに見えるっしょ?学園でも『昼行灯』なんて呼ばれてるしねー」
「昼行灯……それって確か、役に立たないって意味じゃ」
「そそ。ことわざならそういう意味だねー。……あの言葉作った奴ってマジでセンスないよなー」
「え?」
「だってよく考えてみ?昼間に点けた行灯が目立たなくてもさー。火が付いてるのには変わりないっしょ?」
―――見た目で油断してると火傷じゃすまねぇぞ?スペ。
「―――!……はい!」
「ん、おけおけ。じゃ、レースも始まるしのんびり観戦といきますか。オタク君も今回はマジっぽいし、面白くなりそうじゃーん!アハハハハ!」
「………………トレーナーさん、目が笑ってないです。はぁ…………貴方も充分『昼行灯』ですよ」 - 99二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 11:45:58
- 100二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 14:57:42
- 101二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 16:48:04
>>98―――見た目で油断してると火傷じゃすまねぇぞ?スペ。
普段チャラチャラしてる人が不意に見せる真剣な顔ってイイよね
オタクくんとチャラ男は絶対に敵に回したくはないタイプですわ
言われてみれば、昼だろうがなんだろうが灯りの点いてる行灯に触れれば火傷するわな。目から鱗でした
- 102二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 20:44:44
チャラ男「オタク君をギャルウマ娘が取り合ってギスギスしてる…都会ウマ娘って怖…」
スぺ「なら北海道の牧場でスローライフ過ごしませんか!?」
タル「牧場なんて朝4時起きとかブラックです!苫小牧!苫小牧に住みましょう!!」
ユキノ「北海道より盛岡のほうが栄えてるしトレーナーさんが来てくれるなら歓迎しますよ!」
オグリ「笠松はいいぞ」
イナリ「旦那!大井は都会にすぐアクセスできるしいいところでい!!」
ウララ「こ!高知も良いところだきに!!」
チャラ男「母ちゃん…田舎ウマ娘もこええ…もうやだぁ…」 - 103二次元好きの匿名さん23/04/17(月) 23:55:40
根が真面目で凄く優秀なチャラ男とオタトレ概念はいいぞ~
絶っっ対に同じレースに担当ウマ娘を送り出したくねーw - 104二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:38:39
>>94書いた者だけど閃いちゃったから書いた。良かったら読んで。
「トレーナー。ちょっといい?」
「あっ! いた~! トレぴトレぴ~♪」
「やっほ、トレーナー。少しお話いいかな?」
「ね、ね、コレ見てよ! 新作のネイル、超よくね!?」
次から次へとやってくる担当ウマ娘達に、その中心にいた彼は優しげな表情を向ける。新人トレーナーとして中央トレセン学園にやってきた頃の、自信なさげでおどおどしていた彼は、もうどこにもいない。
初めて担当する事になった四人のウマ娘達をトゥインクル・シリーズの光り輝く舞台でセンターに立たせ続けた彼は、今や立派なトレーナーへと成長した。
強いて彼の欠点を挙げるなら、その担当四人がいつまでも彼を手放そうとしないので、彼が次に担当するウマ娘の話題が一向に聞こえて来ないのと、彼に来期からチームトレーナーの権限を与えるという話がいつまで経っても前に進まない事だろうか。
そんな彼と共に歩んできたのは、ウマ娘だけではない。彼とは専門学校の頃からの友人だという男は、四人の担当ウマ娘に囲まれ穏やかに笑みを浮かべる彼を物陰から眺め、満足気に頷いていた。
「フッ……オタクくん、すっかり立派な漢になりやがってよぉ……」
後方師匠面の如き雰囲気を醸し出していた男は、即座に前髪を掻き上げ、力強く拳を握った。
「こりゃあ俺もうかうかしてらんねーなぁ! つきましては? 俺ちゃんのマジな所を見せつけてオタクくんよりでかいハーレム作っちゃお的な!?」
「何を訳の分からない事を言ってるんですか」
自慢のハイテンションを繰り出した男に、冷めた目線と言葉が突き刺さる。突き刺した張本人であるホッコータルマエは、腕を組んで呆れたような表情をしていたが、この男が担当ウマ娘に冷めた態度を取られた程度でへこたれないのは既に周知の事実であった。
- 105二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:42:56
「ウェーイ、タルぴ乙カレー!」
「はい、お疲れ様です。端から見ていると行動が不審なので、やめて下さい」
「分かってるって、けど俺もさ、オタクくんのズッ友やってきてっからさ、成長したオタクくん見てっとこうグッと込み上げるモンがあんのよ。それよかタルぴっぴ、いつも言ってっけど、そんな冷めた顔してたらキュートなロコドルが台無しだぜ?」
「……はいはい。まったく、貴方という人は……」
ふい、と顔を背けたタルマエの頬が少し春の色に染まっていたのは、決して気のせいではない。
この男、底抜けな明るさと少し軽さを感じる態度が印象に残るが、彼と同じく新人として赴任してから早速三人のウマ娘を担当する程度には実力のある男だ。その三人の一人がタルマエであった。
共に歩み、触れ合い、言葉を交す毎に見えてくる内に秘めた誠実さとウマ娘に寄り添う姿勢に、トゥインクル・シリーズでの栄光と共に背負う物があったタルマエは何度も救われてきた。それが、いつしか心に春を待つ想いを芽生えさせていたのである。
そして、そうとは知らずにストレートな言葉を投げてくるのがこの男だ。
「つか、なんだったら俺ちゃんもタルぴっぴと一緒に苫小牧でロコドルのマネジ活動すんのもアリかなぁ?」
「!!」
驚きで目を見開いて男に振り向いたタルマエの表情には気付かず、男は今後の展望をいつものテンションで続ける。
「そーだよそういうのよくね!? んでさぁ、地方からタルぴみたいな次世代のスターウマ娘とかアイドルウマ娘的な金の卵を次々発掘しちゃったりしちゃう訳じゃん? やっべぇ、俺ちゃんってばスカウトマンの才能も開花しちゃうよ! 参ったなぁどうすっかなぁコレ!」
そこまで言ってようやくタルマエに向き合った時、彼女は頬の色を遅咲きの桜色に染め、意を決して彼の瞳を見つめていた。
「トレーナーさん……い、今の言葉、忘れませんよ? 今はまだトレセン学園の学生ですが……卒業したら、貴方と私、二人で苫小牧を、私の大好きな故郷を盛り上げるんですからね! 約束ですからね!」
「……ん? タルぴっぴ?」
普段なら、こういう時に返ってくるのは先程のような冷めた言葉なのだが、普段と違う様相に男は首を傾げる。
すると、男の後ろから二人目の担当ウマ娘の声が響いた。 - 106二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:44:56
- 107二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:46:37
「トレーナーさんっ!」
「おっ! ウェーイ、ユキっぺ乙~」
ユキノビジンはパタパタと駆けてくると、自身の制服を両の手できゅっと握り、潤ませた瞳で男を見上げた。
純朴な彼女は、精一杯に声を上げる。
「と、トレーナーさんっ、今タルマエさんが言ったのは本当のコトですか!? あたしと岩手さ行ってくれるって、約束したでねぇだべか~!」
「おーよ、そら岩手行くんはモチモチのモチっしょ。俺ってばうっかりユキっぺのご両親にまだ直接挨拶してねぇからなぁ。電話じゃ話したけど。ま、俺ちゃんこんな感じだけど、やっぱそういうトコはいっぺんしっかりしとかねぇとな!」
「で、ですから、それは……あ、あたしの事、お嫁さ貰ってくれるっていう、挨拶だべや……?」
「……はい?」
純粋で、真っ直ぐで、純朴で、妹みたいだと密かに思っていたユキノの衝撃の一言に、男の顔から表情が消えた。
回転の速さには自信のあった男の頭脳は、ユキノのたった一言でキャパシティを超過し、オーバーヒートしてしまった。
「あの……お母ちゃんにも、実は、トレーナーさんの事……す、す……って、打ち明けたンです、そしたら、ほにほに喜んでくれて、あたしにこんなに良くしてくれるンなら、是非ウチにって、頑張れって応援してくれて……」
「いやちょ待って。待ってユキっぺ何の話?」
「トレーナーさんっ!!」
男の頭脳が情報の処理に手間取っていると、三人目の担当ウマ娘までもが男の元にやってきた。両の腕を握り締め、男の方を彼女らしくまっすぐに見つめている。
「す、スペちゃん?」
「トレーナーさん、ひどいですっ! 私の事は俺に任せてくれって、実家と墓前のお母ちゃんに一緒に報告したじゃないですか!」
そのスペシャルウィークの一言で、男の頭脳はようやく今自分が置かれた状況を理解した。自身の言葉が、恐らくこの純粋で真っ直ぐなウマ娘達にはどうもハッピーエンドに向けてのクライマックス的な台詞として届いているらしい。
それを理解すると同時に、男の頭脳と心の臓からは凄まじい危機感が間欠泉のように吹き出したのであった。 - 108二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:48:50
「あのな、なんか誤解してるような気がするんだけど、アレはトレーナーとして任せてという意味であってな」
「……トレーナーさんっ!!」
声を張り上げたタルマエを見ると、肩を震わせ、男を睨み付けている。
「まってタルマエちゃん。これはもう100%誤解なのよ」
「いーえ! 誤解じゃないです! 許せンですっ!!」
「いやちょ、落ち着いてよユキっぺ。まずは俺の話をだな」
「こうなったら私達全員分責任取ってもらいますからね!」
スペの言葉を合図に、タルマエとユキノがじりじりと男に迫る。このまま捕まって連れ去られようものなら次の場面はどう考えても空気の美味しい北国の美しい風景だ。それも三回分という、男が先程言っていた通りのハーレムエンドである。
無論、男は普段のノリで軽い冗談を言っただけであり、そもそも自身の立場を考えたら教え子三人とのハーレムエンドなど荒唐無稽どころの話ではない。この場をどう収めるか、男の頭脳は未だかつて無い程に回転し最善の答えを導き出さんとしていた。
そして、その答えは────
「チクショウ! お前らどんな外堀の埋め方してやがる! だがそっちがそう来るなら俺にも考えがあるぜ! オラァ激マブ姐さん仕込みの先手必勝+危険回避+ポジションセンス+地固めぇぇぇぇ!!」
「あっ逃げた!」
「逃がさねえです!」
「ウマ娘に走りで勝負を挑むとは良い度胸ですね! 絶対に捕まえて実家に連れていきますよっ!」
脱兎の如く駆け出し、騒ぎを聞いて集まっていた野次ウマ娘達を瞬く間に躱していった男を追い、三人の担当ウマ娘……もとい花嫁候補達も勢い良くその場を飛び出すのであった。 - 109二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:51:26
「……すごい」
男が詰め寄られる一部始終を見ていた彼が辛うじて口から紡いだ言葉がこれである。そんな彼を他所に、ゴールドシチーは頷いた。
「ユキノ……逞しくなったね……!」
「そ、そこは褒めて良い所なのかな?」
「当然でしょ。自分に自信を持てるようになったんだから」
「そ、そっか」
どこか誇らしげなシチーの様子に、彼の心には一瞬疑問が過ぎったが、先程の一部始終を思い出し、その疑問は言葉にせずしまっておく事にした。
そんな彼の膝で丸まっていたダイタクヘリオスが思い出したように起き上がる。
「つかトレぴもさ、ヒトゴトじゃなくねー?」
「えっ?」
素っ頓狂な声を上げた彼の腕を、メジロパーマーが自身の腕で絡め取った。
「あたし達の事、大事に大事に、夢の先まで連れてってくれるんでしょ?」
「つか、ここまで来て今までありがとうでお別れとか、絶対ありえんし!」
トーセンジョーダンも、身体を乗り出して彼に寄せてくる。ここに来て、彼にもまた先程逃げ出した男と同じ感情が心から一気に吹き出し始めた。
冷や汗が額に溢れ出す。心苦しい場面で数多経験してきた事だが、未だにこの感覚には慣れない。いや、今回は今までで一番強烈な感覚を味わっている自信が彼にはあった。 - 110二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:52:30
そんな想いが過ぎった彼に、シチーがずい、と顔を寄せる。淡い桜色に頬を染めた彼女の表情は、100年に一度の美少女ウマ娘というキャッチコピーに違わぬ美しく、それでいて魅力的なものであった。
しかし、男と違って逃げる事の出来ない彼は、せめて次の瞬間シチーの口から出るであろう言葉がいつものからかい上手なシチーの笑い声である事を祈った。しかし、事ここに至るにおいて、その祈りは春の夜の夢の如く儚いものであった。
「……で、アンタはアタシ達の誰と最初に歩きたいの?」
「……何をでしょう?」
ここまで来て分かって無い様子の彼に、シチーはふう、と息をつくと、もう一歩彼に顔を寄せた。
「アタシ、言ったよね。浮かれて、はしゃいで、パッと見ダサくても、走ってるアタシのこと、いつだってアンタに見て欲しいって。で、ようはアタシ達みんなアンタにそういう風に思ってるワケ」
「う、うん」
「だからさ、ワガママ言わせてよ」
そこでシチーは一拍置いて、深呼吸。そして、もう一度、彼に向き合った。
「────次のランウェイは、ウェディングドレスがいい」 - 111二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:53:23
その年の新人トレーナーには、中央トレセン学園史上二度と現れないとまで言われた人物が二人居た。どちらもトップクラスの成績で試験を通り、初年度から複数人のウマ娘を担当し、その全員が優秀な成績を残す偉業を成し遂げたのである。二人は揃って、その代の最優秀トレーナーとして表彰され、それからも数多のウマ娘をトゥインクル・シリーズで輝かせたと言う。
二人の最初の担当ウマ娘達はと言うと、卒業後にサブトレーナーとして彼らの元へと再び舞い戻った。彼女達は、方や地方に居る金の卵を探しその才能を孵化させ、方や中央トレセン学園で多忙な彼のサポートに努めた。彼女達に見出され、輝きを放ったウマ娘達は、トゥインクル・シリーズをより一層煌めかせるのであった。
そして、何より最も異例で、天地がひっくり返っても絶対二度と現れないと言われた理由が、担当ウマ娘達が全員彼らと添い遂げる事を選んだ事である。学園を舞台に盛大に執り行われた結婚式の記念写真は最早伝説であり、この史上希に見るシンデレラ(?)ストーリーに憧れて学園の門を叩くウマ娘やトレーナー候補生も居るほどであった。
そんな伝説の結婚式の写真の真ん中で、かつての担当ウマ娘達は幸せそうな笑みを浮かべ、二人のトレーナーは悟りを開いた仏のように安らかな笑みを浮かべていたという。
おしまい - 112二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 02:55:24
以上、全員の好感度を上げまくっちゃったオタクくんとチャラ男のベストエンディング風SSでした。
夜遅くに長話を失礼しました。みんなもオタクくんとチャラ男のストーリー書いちゃおうぜ! - 113二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 08:39:39
- 114二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 09:31:42
起きたらまたSSが追加されてる……!
物理的に逃げ切れなかったチャラ男とそもそも退路が塞がれてたオタクくんの描かれ方がコメディ的ですごくすごい好き(語彙) - 115二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 11:45:15
>激マブ姐さん仕込みの先手必勝+危険回避+ポジションセンス+地固め
チャンミみたいな事してて草なんだけど、このチャラ男は激マブと仲良くなれそうだしなんならチームのトレーニングに来てもらってタルマエ達の地力の底上げを図るくらいはしてそうだとも思った。
- 116二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 17:15:14
- 117二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 21:19:06
- 118二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 22:19:15
少なくとも海外トレは注目してると思う
- 119二次元好きの匿名さん23/04/18(火) 23:55:11
- 120二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 02:50:40
- 12111923/04/19(水) 08:34:28
ですよねー( ;´・ω・`)
- 122二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 10:13:43
「おっ、アイツは……うーん、彼も、もう少し背筋を伸ばせばとりあえず様にはなりそうだけどねえ」
そう零した同僚の目線を追うと、トーセンジョーダンとその担当トレーナーの姿があった。新人トレーナーだと言う彼は、遠目に見ても緊張しているのが分かる。恐らく、担当のジョーダンに伝える言葉も、いつも以上にたどたどしいものになってしまっているに違いない。
だがそんな彼の言葉を、ジョーダンは一言一句決して聞き逃さないよう、真剣な表情で聞いていた。選抜レースの前後に周囲から聞こえてきた彼女の評判とは180度違うその姿に、全身が粟立つ感覚さえ覚えた。
「ふふ、あの人。今何考えてるんでしょうねぇ」
隣に居る担当ウマ娘の声に、ハッとして振り向いた。いつもの飄々と策を弄し、こちらを翻弄する時の彼女はそこにはいなかった。ただひたすらに1着を、勝利を、頂点だけを見据えるトリックスター・セイウンスカイの姿があった。
恐らく、彼女は私と同じ事を考えている。静かに頷き、彼女に応える。
「トーセンジョーダンが1着でゴール板を駆け抜ける所、かな」
私の言葉に、スカイはどこかわざとらしく、にゃは、と笑った。
「いやぁ、困っちゃいますねぇ。まだまだのんびり休んではいられないようで」
「うん、追って来るライバルが、これからどんどん増えてくる。きっと彼女も、いつかスカイに狙いを定めて追って来るだろうね。でも」
敢えて一度言葉を切り、スカイに向き直る。トリックスターの瞳は紺碧でありながら鋭い光を湛えていた。
「大物は捕えても、捕まるつもりはないでしょう?」
にゃは、それはどうでしょうなぁ。言葉と仕草とは裏腹、に彼女の纏った空気はターフで纏うそれのままだった。もう一度、ジョーダンと話していた彼に目を向ける。確かに彼は、新人トレーナーだ。だが、既に四人の担当ウマ娘を率い、その成績を上げる腕を持っている。自信なさげな立ち姿の中で、ただひたすらに勝利だけを渇望する怪物の目が光った。
私は、付箋で少し厚みを増した手帳を開くと、彼の名前と担当ウマ娘、その傍らに"注"と書き込んだ。
- 123二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 10:15:44
お二人のレスを見てたらオタクくんの才能を見抜く切れ者セイトレと強者セイちゃんの妄想が捗っちゃったのでお借りしました。
最初に発言したトレーナーはストーリーの最初によく出てくる中堅トレーナーBとかだと思って下さいませ……。 - 124二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 11:03:14
- 125二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 12:02:15
これは後々パーマーとオタクくんがセイちゃん達の幻惑逃げ作戦に一度してやられるというちょっとしたパワーアップイベントが発生するフラグと見た。
- 126二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 12:17:30
好みのSSと概念ばっかだったのでハートを押しといた……
ではさらばだ……。 - 127二次元好きの匿名さん23/04/19(水) 20:23:45
少し早めの保守
- 128二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 04:49:59
保守
おやすみ - 129二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 07:20:30
- 130二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 09:11:55
元ネタ通りに「おい待てェ 失礼すんじゃねぇ」と返したかったけど、確かにお嬢のエミュは難しい……
- 131二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 11:30:34
- 132二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 14:39:34
個人的にスペちゃんって主人公属性すごいけどラスボス適正もすごいような気がする。
- 133二次元好きの匿名さん23/04/20(木) 23:33:25
>>129書こうとしたけどお嬢のエミュが難しすぎて挫折した
- 134二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 01:25:13
お嬢はガチで書くのムズい
あの言葉使いを真似しようとしてもどうしても違和感しか出ない - 135二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 07:05:53
賢者タイムみたくなってて不覚にも笑ったわ
- 136二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 10:24:06
- 137二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 14:07:34
他にオタクくんが油断ならない存在だと気付きそうなのはって言われたらパーマー繋がりでマックイーンかな。
後はジョーダン繋がりでゴルシも感付きそうではあるけど。 - 138二次元好きの匿名さん23/04/21(金) 21:31:10
保守
- 139二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 05:23:44
- 140二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 10:43:01
- 141二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 17:31:03
「なあ、お前、ジョーダンの事、好きか?」
「はいぃ!!?」
「好きか? ジョーダンの事」
「っ……え、ええ。だ、大好きですよ」
「!お前……」
「み、みんなは、彼女を、色々言います。でも……か、彼女は、ジョーダンさんは、決して……!」
「……ああ」
「勝ちたい気持ちを、忘れない、つ、強いウマ娘ですから!」
「だよな。知ってる」
「で、ですから! ぼ、ぼくは誰がなんと言おうと! そんなジョーダンさんを好きになったトレーナーとして! 勝たせてみせます! もちろん、ゴールドシップさん、あなたにも!」
「(いい目してんなぁ、コイツ……ジョーダンのヤローが惚れるワケだ)」
「あ、ジョーダン。そういやこないだお前のトレーナーと話したぜ」
「は!?」
「お前の事、好きだってよ」
「ハァ~!?!?」
ここまで妄想したので失礼する。
- 142二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 19:08:30
このゴルシ、トレーナーの回答を聞いてちょっと嬉しそうだったのが「だよな」の辺りで落ち着いてそう
- 143二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 20:30:30
あぁ、ドンドン外堀が埋まっていく……もう逃げられないぞ♡
- 144二次元好きの匿名さん23/04/22(土) 20:51:43
実はこのオタク君わりと陽キャ的スキル持ってる説がワイの中で持ち上がってきた
実はブレイキンとかシャッフル系のダンスが得意とか - 145二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 05:23:00
- 146二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 11:28:28
- 147二次元好きの匿名さん23/04/23(日) 19:04:51
チャラ男が一番常識人の位置に見えるの笑う
- 148二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:24:07
「あれ? ルビーお嬢じゃん。珍しーね?」
ノックした扉の向こうから現れたのが想定していた人物では無かったとしても、ダイイチルビーは驚きを表情に出す事も無ければ、慌てる事も無い。姿勢を正し、静かに相手に向かって一礼する。
「ごきげんよう。貴方は確か……ホッコータルマエさんのトレーナーさんですね。失礼ですが、こちらのトレーナーさんは在室でいらっしゃいますか?」
「あぁ、オタクくんならいま留守だぜ。すぐ戻るって付箋があったから俺は勝手に待ってっけどよ」
「そうですか」
そして、本来用事のあった相手が不在であるこの状況においても、ルビーは冷静沈着だ。瞳を閉じ、静かに思案する。
自らを玉条たらんとする”華麗なる一族”。その枕詞に相応しい振る舞いを魅せる彼女に対し、尊敬を越えて畏怖の感情を抱く者も居る。しかし、彼女を前にしてもタルマエのトレーナーは変わらなかった。ニッと笑みを浮かべ、身体を屈める。
「用があるならお嬢も中で待ってれば? なんなら俺ちゃんがお紅茶入れちゃうぜ」
「他所のお部屋にお邪魔して備品を勝手に拝借するのは、如何かと存じますが」
「ダイジョブダイジョブ! 俺とオタクくんの仲だしね! で、どーするよ?」
そうは言ったが、彼の中で次にルビーの発する言葉は既に予想できていた。なので、彼は今まで読んでたスクラップの続きでも見ようかと考えて居た……が。
「……では、失礼致します。紅茶は結構です。私にはお構いなく」
「……おっ?」
彼の予想に反し、ルビーは優雅な足取りで主の居ない部屋へと入っていった。図らずも不意を打たれた彼は、軽く首を捻った。
忙しい合間に予定組んで来たとしたら、相手が居なけりゃ帰ると思ったけどな……ま、いっか。お嬢が居ればヘリよすも喜ぶっしょ。
ダイタクヘリオスは、ルビーに一目あったその日からお熱だ。担当トレーナーがこの部屋の主である以上、その内一緒にやってくれば一石二鳥。そう思い至り、彼もまた部屋へと戻っていった。
- 149二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:26:10
「んで、お嬢はどったの? つかさ、ヘリよす待ちじゃなくてオタクくん待ちってなんか意外だわ。実は仲良かった的な?」
「ヘリオスさんから幾度となくお話は伺っておりましたが、直接お話した事はまだございません」
「あーね! ちゃんヘリオタクくんともすぐ仲良くなったもんな。めっちゃ話しそう」
「こちらが態々お尋ねする必要も無く、様々な事を教えて下さいます。そのお話の節々から、私の事も常日頃よりトレーナーさんにお話されている事がよく分かりましたので、一度ご挨拶に伺った方が宜しいかと思い至った次第です」
「っはは、ちゃんヘリそういうのやりそうだわー」
彼の煎れた紅茶の香りが漂う部屋に、主の姿はまだ無い。共に部屋の主の帰りを待つことにした2人は、先程から読んでいたスクラップを、あるいは愛用の手帳を開き、他愛のない話をしつつ待ち人を待っていた。
その最中、矢継ぎ早にトレーナーにルビーの事を話す姿を想像して笑った彼に、ルビーは真っ直ぐに目線を向けた。
「そして、機会があれば貴方にも一度お話を伺いたいと思っておりました」
「俺に? ちょ、オイオイ参っちゃうなぁ! 俺ちゃんてばまた担当ウマ娘増やしちゃう感じ?」
普段と同じく軽い態度を崩さない彼に、ルビーの目線に一瞬冷たい感情が過ぎる。
「私には既に担当トレーナーが就いておりますので、その心配は無用です」
「冗談よ、ごめんごめん。で、話って? すぐ終わるなら今聞いちゃって良いぜ」
カラカラと応える彼にルビーは小さくため息をつくと、手にした手帳を閉じた。
「では……お尋ねしたいのは、ヘリオスさんのトレーナーさんとは、どういう御方なのか、という事です」
「なんだ、オタクくんの事かよ! 俺ちゃんまた早とちりしちまったじゃんね! ま、いいや。オタクくんの事なら何でも聞いてよ。専門学校入る前の事とかも色々知ってっから、オンナに振られた回数とかな!」
笑いながらルビーに応える彼に対しても、ルビーは冷静だった。彼の冗談か本気か分からない言葉はさておき、この部屋に来た理由を語る。 - 150二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:28:14
「ヘリオスさんは、私が視界に入る度に私の許へやってきてお誘い下さる方です。それは、今も変わりありません。ですが、トレーナーさんと契約を結ばれてからは、私を街への外出よりもトレーニングにお誘い頂く事が増えました」
「……ほーん……?」
ルビーの言葉を聞いた彼の表情から冗談が消える。身体を起こし、目線をルビーにしっかりと合わせ、次の彼女の言葉を待った。
「先日、予定していたトレーニングを終えた時の事です。次のレースを想定しての併走トレーニングを終えたヘリオスさんは、私が先着していたにも関わらず、笑顔を見せていらっしゃいました。ですが……先着した私を見つめるその瞳には、まるで、私の走りからその核たる物を看破ったかのような……得体の知れない気炎を纏っていたように思えたのです」
「……」
その時の事を想像しているのか、彼も瞳を閉じ、敢えて何も言わず思案した。
「その瞳の鋭さに驚きを禁じ得ず……失礼ながら、笑顔の理由をヘリオスさんにお尋ね致しました」
「……で、ヘリオスはなんて?」
ルビーの瞳に映った彼は、最早先程は別人のような空気を纏っていた。ルビーは、彼の煎れた紅茶を一口含むと、静かに彼に向き直る。
「要約致しますと……今までも、学園での日々は最高に楽しい物であった。けれど、トレーナーさんのおかげで”もっと上”を知ることができた、と」
「……」
「私は、その言葉と、あの日私を見ていたヘリオスさんの瞳の真意を確かめるべく、ここへ参上した次第です」
「そういう事か」
低く鋭い声で応えつつ、彼も自身のカップを手に取り、中身の紅茶を一気に飲み干した。蜂蜜の香りを舌で転がしつつルビーに向き直ると、彼は自身への問いかけに答えた。
「なら、オタクくんとヘリオスが来たら、流れでこう言ってみな」
表情を変えず彼の目を見ていたルビーに対し、彼は不敵な笑みを浮かべた。 - 151二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:32:47
「こんにちは、トレーナーさん。お疲れ様です」
「やあ、ミラクル。お疲れ様。そろそろ、ルビーも来る頃かな」
机の上に資料を並べ、ミーティングの準備をしていたトレーナーがそう声を零すと、ケイエスミラクルは思い出したかのようにそういえば、と続けた。
「ルビーがまだ来てないなんて、珍しいですね」
「先に寄る所があるから、とは言ってたからね。もしかしたら、ご実家の事かな?」
そうトレーナーがミラクルに笑顔を向けると、ノックの音と共に、失礼致します、という上品な声が響く。噂をすれば、そう言いたげにトレーナーはミラクルと顔を合わせると、ルビーを中へと促した。
「お疲れ様、ルビー。用事の方は滞りな、く……?」
「……申し訳ございません。予定より少々遅れてしまいました。すぐに準備を致しますので、ミーティングを始めましょう」
再びトレーナーはミラクルと顔を合わせ、今度は不思議そうに首を傾げた。普段この部屋にやって来るルビーの纏っている雰囲気と、今のルビーが纏うそれは全くの別物であったからだ。
テキパキと筆記具と手帳を取り出すルビーに、トレーナーはある種の確信を持って一歩前に出た。
「ねえ、ルビー。用があるって言ってたけど……どこへ行ってたの? 差し支えなければ、教えて貰っても良いかな」
少し遠慮がちに訪ねたトレーナーに、ルビーは一瞬逡巡するように瞳を揺らしたが、即座にトレーナーに向き合った。
「ヘリオスさんと、ヘリオスさんのトレーナーさんにお会いして参りました」
「……!」
その一言で、この部屋が纏った空気が再び変わる。ルビーのトレーナーは瞳を閉じ、大きく息を吸って頭の配線を酸素で満たすと、胸の中を一気に空っぽにした。そして、静かに目を開ける。 - 152二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:36:19
「ミラクル、ミーティング始めても良いかな」
「あ、はい。おれはいつでも」
「うん、ありがとう」
ミラクルが慌てて席に着くと同時、トレーナーは即座に切り出した。
「それで、ルビー。どうだった? 実際に話をしてみて」
「……」
トレーナーの言葉に、ルビーは先程のやり取りを思い返す。
彼がルビーに、その部屋の主とヘリオスに対して促したのは、所謂宣戦布告に当たるものであった。ヘリオスにトレーナーが就いてから、ヘリオスは順調にその実力を開花させている。ルビーとミラクルにとって、ヘリオスは良き友人であり、ターフの上で火花を散らす強大なライバルとなった。
そして、ヘリオスが次に挑むGⅠレースには、ルビーとミラクルも出走を表明していたのであった。
『常日頃より申し上げています通り、私は勝利と言う名の玉条を譲るつもりはございません。無論、ヘリオスさんも同様にお考えの事と存じます。惜しまず出されるその脚の力強さを、存分にターフにお魅せ下さいませ。その上で、私が玉条を掴み取ってご覧に入れます』
自身のトレーナーに会いに来たというルビーにテンションが爆上がりのヘリオスに対し、普段より少しだけ語気を強くそう言い終えると、ルビーはヘリオスの反応を待った。
そして、次の瞬間。ヘリオスは身体を震わせ、ぽかんと口を開けた表情を一気に満面の笑顔に変えた。
『や……やば、やば、ヤッバぁ! これ、これってやっぱお嬢からのライバル認定的な!? やっべキタァぁぁぁぁぁぁぁ!! どうしよトレぴよもうテンション爆アゲ鬼アゲ神アゲなんだけど!!』
感情を爆発させるヘリオスに対し、ヘリオスのトレーナーはと言うと、そのテンションに飲まれるまま思い切り身体を揺すられていた。落ち着いて、という言葉は、とてもヘリオスに届いてはいないだろう。
だが、ルビーは冷静だった。その場から立ち去ったりせず、ヘリオスの返答を待つ。そして、タルマエのトレーナーと2人でようやく落ち着いたヘリオスは、改めてルビーに向き合った。
『お嬢にそう言われたらマジのガチで行くっきゃ無いっしょ!! サイッコーで、さいっきょーでっ! 爆アゲ神アゲでお嬢もミラてんもみんなみんなバカ楽しいレースに絶対して見せる!! そんで────』
刹那、ルビーは目を見開いた。その一瞬で、最高に今を楽しむヘリオスの笑顔の中に、その瞳に、何かが宿った。 - 153二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:38:07
『ウチが、勝つ』
あの日、併走トレーニングを終えた後のターフで見た何か。こちらを見透かす、否、飲み込むかのような気炎。今、目の前に有るそれは、その時みたそれよりも、遙かに大きくなっていた。
ダイタクヘリオスというウマ娘から止めどなく溢れでる紅炎が、感情と共に吹き出した巨大なフレアが、勝利を渇望する火の塊となって迫る。そして、その火はルビーを捉え、冷静沈着なルビーの心の底にさえ炎を宿した。ただ只管に脚を動かし、腕を振り、目指すべきただ一点の玉条への渇望が否が応でも湧き上がってくる。自身がその感情を自覚した事に驚きつつも、ルビーはそれを冷静に受け止めていた。
そして、ルビーは一瞬だけ、ヘリオスのトレーナーへと目線を動かした。先程まで文字通りヘリオスに振り回されていた彼もまた、ヘリオスと同じ目をしていた。
「ルビー」
じっとルビーの話を聞いていたルビーのトレーナーが、その空気に鋭く切り込む。その手には、一冊のトレーニングメニューがあった。
「秋に向けて、トレーニングメニューに少し変更を加えたいと思うの。勿論、ミラクルのもね。まずは一度確認して、二人の意見を聞かせて欲しい」
トレーナーからその冊子を受け取ったルビーとミラクルがその中身に目を通す。そこに書かれていた内容は、明らかに次のレースと、そのレースに出てくるライバル達の事を意識していた。ルビーは、静かに想いを巡らせる。
選抜試験で、この方を選んで、本当に────
ルビーは、ミラクルへと目線を向ける。ミラクルは静かに笑みを浮かべ、頷いた。ルビーもまた、そっと頷き、トレーナーへと向き直る。
燃えるような紅葉と共に、スプリントとマイルの頂点を決める秋が、すぐそこまで迫っていた。 - 154二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 01:40:55
このレスは削除されています
- 15512923/04/24(月) 06:36:20
以上、お嬢がヘリオスとオタクくんの才能に気付くバージョンでした。
ぶっちゃけどんだけストーリー見返してもお嬢のエミュとか色々と自信なさ過ぎて笑うけど、昼行灯の炎にしっかり気付く強者側のお嬢概念を思い付いた以上はやっぱり書きたいが勝ってしまったのでスレが落ちる前に投げて失礼する。
(朝になって見返したら文章がおかしくなってたので154の方は消しました。すみません) - 156二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 11:56:45
お嬢側のSS来てる!?
ルビーミラクルは同じトレーナーか、なんかどんどんシナリオの節々が補強されていくな…… - 157二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:24:18
- 158二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:51:02
始めて彼女を見た時、純粋そうな子だなぁ、と思った。
トレセン学園に来て、初めて自分以外のウマ娘に出会ったという彼女は、大きな夢を叶える為にトゥインクル・シリーズの舞台に立った。自慢じゃないけど、人と話すのがあまり得意じゃない僕だけど、話しやすくて助かる事も多い。
「困った事があったら、一緒に頑張って乗り越えていきましょう!」
そう言って、彼女────スペシャルウィークはにっこり笑った。数少ない僕の友達であり、同期でもあるトレーナーが担当だった事で、彼女とはよく話すようになった。
素直で純粋な彼女は、僕の担当のシチーさん達ともすぐに仲良くなった。長く交流が続いているのが、とても嬉しい。強いて言うなら……。
「イェアァ!! ブルドーザー・マキシマム!! ぶちかませスペ!!」
「オーケー!! アイム、ストマック・ブルドーザー!!」
少し食べ過ぎる事が多いのが玉に瑕、と言った所だろうか。
そう、僕は、純粋で、優しくて、食べるのが好きな彼女もまた、勝利の一番星を目指す強いウマ娘だという事を、思わず忘れてしまっていた。
- 159二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:51:15
その日は朝から気温が低く冷え込んでいたけれど、中山レース場を包み込む熱気はそれを忘れさせるには十分すぎた。
セイウンスカイ、グラスワンダー、キングヘイロー、エルコンドルパサー。スペちゃんと同世代のライバル達が一同に集った有馬記念を一目見ようと、スタンドをファンが埋め尽くしていた。スペちゃん達の応援に来た僕達も、また然り。いつかは僕も、シチーさん達をその舞台に立たせる事を夢見ていたから。
そんな大歓声の中で、スペちゃんは────
『スペシャルウィークだ! ここでスペシャルウィークが前に出る! やはり強い、強かった日本総大将! しかし周りも黙って行かせない!! 寒風斬り裂いて前へグラスワンダー!! それに続くエルコンドルパサーの翼が唸る! キングヘイロー気迫の猛追! セイウンスカイも凄まじい形相で迫っていきます!! 4人の意地と誇りが目指すのは!! スペシャルウィークただ1人!!』
そこには、僕の夢見る未来が、確かにあった。そして、その未来に必ず立ちはだかる、スペちゃん達の姿も。
応援を届けようと思って赴いた中山レース場で、逆に僕は大事な物を貰ったみたいだ。
それは、シチーさん達も同じ。年明けのミーティングは、少しだけ熱く、大変なモノになりそうだ。けれど僕は、その事が、何故かとても楽しみなのであった。 - 160二次元好きの匿名さん23/04/24(月) 23:54:57
純朴愛され系主人公がラスボスとして立ちはだかるとかいう展開個人的にすごくすごい好きなので、短めだけどオタクくん目線から見たラスボススペがどんな姿なのかを妄想してみた。
ここからオタクくんチームが順繰りに黄金世代とレースで戦って最後に有馬で勝つみたいな少年漫画的ストーリーが展開出来るような気がするけど出力出来る気がしないのでこの辺で失礼する。 - 161二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 00:06:18
- 162二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 12:08:00
保守
- 163二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 21:07:44
この世界線の高松宮記念凄い事になりそう
主役2人とは別にお嬢とキングがぶつかる高松宮も見れるかもしれん - 164二次元好きの匿名さん23/04/25(火) 22:09:59
主役二人のトレーナーとウマ娘が絡まない所でそれぞれのライバル同士がぶつかるとかどんどん群像劇が深まるな。