- 1二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 11:55:37
雨に濡れた芝を足先でいじりながらぼやいているとシャカールさんが肩を組んできた。
「オイオイ、やる気ねェンならオレがあっさりぶち抜いちまうぞ?」
「チーム戦なんだからセイちゃん的には誰が勝っても構わないんですけど~」
「そんなこと言わずにさ、一緒に爆逃げしていこうよ!」
シャカールさんとは逆の方向からパーマーさんが肩を組んできた。
二人とも私より大きいからかずいぶんと重たく感じた。
「無茶言わないでください……パーマーさんについていったらゴールまで持ちませんってば……」
「大丈夫!いけるいける!」
「……せんせー、チームメイトの先輩方が後輩をいじめてまーす」
「いいのかそンなこと言っちまって?カッコいいところ見せねェとマズいンじゃねェのか?」
シャカールさんが指さした観客席には。
「スカイさーん!がんばってくださーい!」
フラワーが私に声援を送ってくれていた。
先輩たちの生暖かい笑みと視線に挟まれる。
しかし、フラワーに続いてほかの声援も飛んできた。
「シャカール!応援してるからねー!」
「パーマー!バイブスアゲてこー!」
私たちは顔を見合わせた。
「……アイツらにカッコ悪ィところは見せらンねェな」
シャカールさんの言葉に私とパーマーさんがうなずく。
愛しい声に背中を押され、私たちは忌々しいゲートに向かった。 - 2二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 11:56:55