- 1二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:06:36
(描くのめんどくさかったんで新規絵はないです)
「どうだい、アニ原くん」
「ふむ、改善はしたれど、未ださまと体重一致せず。時を超えしほどの副作用でおじゃるな。」
その言葉にフフと笑うのはこのジムのコーチ田辺。
今年の夏からこの町には奇人変人のみならず、生物学者が腰を抜かして、いや、腰が飛んでいって頭身が1つ下がるような怪物が多く出現していた。
当然連日大騒ぎとなっているが、この男はそれらを竹の子族の親戚かなにかだと思っているようだった。
「それで、出血の方は?まぁ見りゃわかるけど。」
「悪化せり。体を鍛えれば良くなると思ったのでおじゃるが...」
そしてこの血まみれの大男がアニ原マン丸(あにわらのまんまる)。大量頭身強奪事件の容疑者である。
現代のアダルトアニメに興味を持ち平安時代からタイムスリップしてきたのだが、その副作用のせいか体重が見た目と一致しない。それどころか
性的興奮を引き金に全身から出血するようになってしまったのだった。
体が貧弱なのだとこのジムに入会したはいいものの、筋肉量と比例して出血も悪化していた。 - 2二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:07:07
「シカーシアニ原サン、私歴史の教科書見マーシタケド「アニ原」なんて名前どこにもアリマセーンデーシタ。」
「言ったでおじゃろうバリー、ある男の陰謀に一族は皆殺しにされ、記録より抹消されしに違ひなきなり。」
コーチやオランダ人のバリーのようにタイムスリップを信じる者は少なかった。言葉を信用されず、待ち望んだアダルトアニメを見ることも許されず、
生活に支障をきたす出血。アニ原はもう限界だった。 - 3二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:07:29
「いま一度医師に行こうと思うでおじゃる。保険書とやらが未だ無しとはいへ、これには命危ふしでおじゃる。」
「まぁまぁまぁ、待ちなよ。俺の言うように鍛えていれば大丈夫だからさ。ほら、こことか一ヶ月感全然鍛えてない筋肉あるし。」
「なぜ止めるのじゃ?何が問題でおじゃる。」
「...この辺りは変な医者も多いからさ、俺が探しといてやるからそれまで待ってなよ、な?」
「......わかったでおじゃる。」
アニ原は血を洗い流しながら、一緒にコーチへの不信感がすっかり流れ落ちてはくれないものかと思った。元々ガタイの良いアニ原だったが、
コーチのおかげでより筋肉に磨きがかかったのは間違いなかった。そのために彼が尽くしてくれたことを良く理解している。
しかし話を信用しないコーチのことを、アニ原も信用しきることができなかった。 - 4二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:07:53
向かったのは、アニ原のような者でも診てくれるという医者の所だった。商店街を抜けたすぐの所らしい。
「アラ烏帽子のお兄さん、ミートパイができたてだよ。」
「美味そうでおじゃるが、これから病院でおじゃる、後にしよう。」
「おっ、アニ原!アンタが言ってたような筆が見つかったよ。後で取りに来いよ。」
「ふむ、そうするでおじゃる。」
この商店街はいつも温かい。商売のためじゃなく、本心から彼を受け入れてくれるような気がした。 - 5二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:08:29
「あーっ!マン丸さん!いい加減にお医者さんに行きなさいって言ったでしょ!」
「い、今より行く所なり、アカリ。」
「あ、なんだそうだったの。じゃ案内するから、こっちこっち」
彼女は花屋の娘アカリ。一ヶ月ほど前、令和に来たばかりで右も左も分からないアニ原を助けてくれたのだった。
「ひ、引っ張るでない!」
アカリがグイッと引っ張った時、アニ原は勢いよく飛んでいった。 - 6二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:09:39
「え、えぇーーーーっ!?アタシこんなに強かったのぉ!?」
アニ原はその巨体には似つかわしくない軽やかな動きで着地に成功した。
「貴様!やってくれたでおじゃるな!」
「え!あ!ご、ごめんなさい!?いや、今のアタシならマン丸さんでも倒せるかも!かかってこい!」
「アカリではない!そこの貴様でおじゃる!」
そこに居たのは職質を回避するのが困難であろうまさしく黒ずくめの男だった。彼がアニ原を蹴り飛ばしたのだ。
「......」
男は何も言わずアニ原に襲いかかる。アニ原は軽々と拳を掴むがその衝撃で大量の血が吹き出した。そのまま蹴りを入れるが、同じように血が吹き出す。
「ちょ、ちょっと!こんなの圧倒的に不利じゃない!早く逃げてよ!」
それほどのダメージではなかったが、ドンドン出血するアニ原。一方黒ずくめは呼吸も乱れていない。 - 7二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:10:37
「(アイヤー!あの人血まみれヨ!このままじゃ死んじゃうネ!)」
「ワン!(ふむ、とにかく警察を呼ばなければ)」
「も、もしもし!?しょ、商店街で知り合いのお兄さんが不審者に襲われてるのよ!早くして頂戴早く!」 - 8二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:11:02
激しい出血でめまいが起きる。そのすきを突いて的確にダメージを入れる黒ずくめ。
「どどど、ど!どどど!ど!...あ!!マン丸さん!これを!」
アカリが投げたのは模造刀。店先にあった物だが、今回ばっかりは店主も文句は言えない。
「かたじけなし!もう一本もらえるでおじゃるか!」
「二刀流!?」
しかしアニ原は受け取った刀を黒ずくめに投げ渡した。
「アホーーーーーーッ!これだから日本の古き良き男は!」
「心配無用でおじゃる。刀を持ちし麻呂は......誰にも負けず!」
それからは一瞬だった。その戦いはまさしく神作画だったので誰か描いてください。今井有文みたいな感じでお願いします。
切れるはずのない模造刀が切り裂いた覆面から現れたのは...
「やはりコーチでおじゃったか。」 - 9二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:11:24
「グウウウッ!まさかこの肉体を持ってして同条件で負けるとは...」
「当然経験が違うでおじゃる。そして、剣術において不要な筋肉は鍛えなかったのでおじゃる。」
「それで!なんでマン丸さんを襲ったの!この特殊性癖!」
「待て、そういうのじゃない!......病院に行かせたくなかったんだ...」
コーチはゆっくりと話し始めた。彼は有望なボディビルダーだったが挫折を味わったこと。アニ原の肉体的才能に嫉妬したこと。しかしどんどん成長する
彼を指導することに喜びを感じていたことを...
「つまり、わざと無茶なトレーニングをさせて出血をひどくさせてたってこと!?」
「そうだ...それが発覚するのが怖く...本当にすまない...」
コーチはうなだれ涙を流している。
「ふむ、許そう。原因がわかってスッキリしたでおじゃる。」
「すまない...すまない...」
「お主...良い腕を持っているな...」 - 10二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:11:43
話しかけたのは髪の長い老人。80歳は超えているだろうか。どんな素人でも、彼が何かの達人だという事を察するのはそう難しくないだろう。
「お主は...?」
「私は智内元満、お主...剣道に興味はないかな。」
つづかない - 11二次元好きの匿名さん21/11/24(水) 22:34:54
宇宙が終わるその時まで続けるのです・・・
- 12二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 00:17:04
続きは?
- 13二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 10:48:19
これはSSかな?