- 1二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:04:38
「何か用事かしら」
「い、いえ!なんでもありません!お気になさらず!」
(ど、どうしましょう……)
それは、先日のこと。
トレーニングの休憩中に、クラスの娘たちが話していたのをたまたま聞いてしまったのが原因だった。
『スペちゃんってサイレンススズカさんと仲がいいよねー』
『スズカさんもスペのことよく見てるし、相思相殺ってやつ?』
『それなー、ワンチャン付き合ってたりしてー』
『自然と手ぇつないでそうだしねぇ』
(お、お、お付き合い!? 私とスズカさんが!?)
どこをどう見たらそんな風に見えたんだろう……。
その日以来、ことあるごとにスズカさんを意識してしまうようになってしまった。
今もお風呂上がりにドライヤーをかけていたスズカさんが気になってしまって……。
温風にたなびく、しなやかで長く綺麗な髪……風に乗って香る石鹸の匂い……髪の隙間から除く白い肌……。
(わ、私……どうしちゃったのぉ……!?) - 2二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:04:58
(うぅ~……また夜更かししちゃった……)
最近、隣のベッドで眠るスズカさんの寝顔を見ないと眠りにつけない。
気づかれないよう、確実にスズカさんが寝ている時間までじっと息を潜めて待ってから、その顔を見るようにしているのだけど……。
(まるでストーカーだよぉ~!)
「って時間! スズカさん起こしてくれればいいのにー!」
時計を見るとすでに遅刻ギリギリ。
スズカさんはもう出たらしく、部屋には私一人。
素早くパジャマを脱いで着替え、にんじんを咥えて部屋を飛び出す。
(もしも毎日、スズカさんに起こされたら……)
『スペちゃん、朝よ。早く着替えて一緒にいきましょう?』
『ほら、歯を磨いてお着替えして……』
『おトイレは? ハンカチ持った?』
(なんか違う……)
途中から方向性を間違えたかな……。 - 3二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:05:43
────
「……スペちゃん、何をしてるの?」
「…………反省中です……」
手に持った『反省中』の看板を見せる。
寝不足のせいで授業中に居眠りをしてしまい、叱られること5日連続。
先生の堪忍袋の尾がとうとう切れたらしい。
「それでこの時間まで廊下に立たされてたのね」
「今の時代にこんな体罰許されませんよ!まあ、居眠りした私も悪いんですけど……」
スズカさんはくすくすと上品な笑い方をする。
(様になるなぁ……あっ、唇とかすっごくキレイ……)
また変なところに意識がいってしまい、ぶんぶんと頭を振って邪念を追い出す。
(きっと寝不足で頭回ってないから、変なこと考えちゃうんだよね……)
「食堂、先にいっててください! 先生に看板を返して謝ってからいきます」
「ええ、待ってるわね」 - 4二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:06:00
アホみたいなスレタイから素晴らしい内容
- 5二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:06:06
────
「スペちゃん、また溢してますよ」
「え? あっ、うわぁ!」
お昼ご飯を食べている時にも、ついついスズカさんの動きを目で追ってしまう。
お箸を動かす指がキレイとか、もぐもぐ動く小さい口がかわいいとか。
(スズカさんとお付き合いする人は、この手を握ったり……この口とち……ちゅーとか!)
『ワンチャン付き合ってたりしてー』
(わ、私とスズカさんって……周りからそんな風に見られてるの……?)
スズカさんのキス。
その相手を自分の姿で想像する。
(あっ)
「スペちゃん、お箸落としましたよ……スペちゃん? スペちゃん!?」
「ど、どうしたのスペちゃん!? すごい鼻血よ!」
しばらく顔をあげられなかった。 - 6二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:06:25
相思相殺…?
- 7二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:06:32
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(あっ、スズカさんだ)
午後の授業中、窓の外を見るとスズカさんの姿を見つけた。
(あれは…写生の時間かな?)
スズカさん以外にも何人かのウマ娘が、スケッチブックを持って中庭をウロウロとしている。
(スズカさん、何を描くのかな……もし私が同じクラスだったらスズカさんとお互いをモデルに……)
「ん……ンフフ……」
「……ペ!……スペ!スペシャルウィーク!!」
「は、はいぃ!?」
突然の怒鳴り声に、思わず席を立ちあがる。
「午前だけじゃ反省が足りなかったらしいな……?」
「ご、ごめんなさいぃ……」 - 8二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:06:53
前もどっかで見たぞ相思相殺
- 9二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:06:58
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「トレーナーさーん!遅くなってすみません!」
放課後のトレーニング。
再びの説教を終えて、数分遅刻してグラウンドに到着する。
「また居眠りでもしたのか?」
「ご、午前の授業だけです……」
最近の睡眠不足は見抜かれている。
それでもトレーナーさんは怒らずに、困った風に苦笑いして許してくれる。
(しっかり寝ないと、トレーナーさんにも迷惑かけちゃうなぁ……)
最近の自分を自分で叱るように、パンパンと頬を叩いて気合いを入れる。
「ほどほどにな、まずは準備運動!」
「はいっ!」
柔軟で体をほぐして、ゆっくり走り始める。
(今はトレーニングに集中しなきゃ!) - 10二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:07:30
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「お疲れスペちゃん、まだ練習中?」
「あっ、スズカさん!今おわったところです!」
最後の走り込みを終えて、トレーナーさんとベンチで話していたら、後ろからスズカさんが話しかけてきた。
「こんにちは、スズカ」
「お疲れ様です、トレーナーさん」
スズカさんとトレーナーさんは、お互いに軽く会釈をする。
「スペならもう帰るところだから、ちょっと待っててくれるか?」
「ゆっくりで大丈夫ですよ。あっちで待ってるわね、スペちゃん」
スズカさんはそう言うと少し離れたベンチに腰を掛けて、スマホを眺め始めた。
「ほら、あんまり彼女を待たせるなよスペ」
「あ、はい……え?いや、かのっ……彼女じゃないですから……!」
トレーナーさんまでそんなことを……!
(やっぱり、私たちってそんな風に見えるのかな……) - 11二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:08:12
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「温泉旅行?」
寮に戻る途中、スズカさんに温泉の招待券を見せられた。
「元々、私のトレーナーさんと一緒に行く予定だったのだけど……」
∠(0ヮ0´)¬
◎ 三 三
『ごめんスズカ!今度の土曜、新人研修が入っちゃってぇ……』
『そうですか……それじゃあこのチケットは、誰かにあげちゃいましょう』
『私のことは気にしないで!仲のいい娘とでも行っておいで!』
『でも……』
『いいからいいから!予約は入れちゃってるんだしね!』
『そうですか……?それじゃあ……』
∠(0ヮ0´)¬
◎ 三 三
ということらしい。
「それで、スペちゃんさえよかったら、一緒にどうかなって」
(え?それじゃあスズカさんと二人っきりで温泉に!?)
「もっ、もも……もちろんオッケーです!予定とか無かったんで!あっても無くすんで!」
「元の予定があるなら大切にしてほしいわ……」
スズカさんのトレーナーさんには申し訳ないが、突然の天恵に感謝することになった。 - 12二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:08:48
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「はえ~、すっごい大きい……」
「広いわね……」
旅館に着くと仲居さんが入り口で出迎えてくれ、お部屋まで案内してくれた。
とても豪華な和風旅館で、スズカさんも先ほどから落ち着かない様子でソワソワしている。
(スズカさん、走ること以外はあんまり興味ないと思ってたから、こういう場所も平気だと思ってたけど……)
なんだか安心して、一気に親近感が湧く。
「それでは、ごゆっくり」
「あっ、ありがとうございます!」
(ごゆっくりって言われても、何をすればいいんだろう……)
実際に旅館にきてみると、何をしていいのか分からない。
手持ち無沙汰で部屋の中をウロウロしていると。
「スペちゃん、せっかく遠くまできたのだし、外を歩いてみましょう」
確かにそうだ。
観光地の温泉街なのだから、外に出て色んなお店を見て回るのがいい。
(スズカさんと一緒に……!) - 13二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:09:49
────
「はぁ~、美味しいものがいっぱいあって凄かったですね~」
「ふふっ、スペちゃんったら食べてばっかり」
「わわっ……ご、ごめんなさい!」
いいのよ、とスズカさんが優しく笑う。
(綺麗な笑顔だなぁ……)
夕方の日に照らされたその笑顔に、思わず見惚れてしまう。旅館に戻る道の途中、ふとスズカさんのそれが目についた。
「スズカさん!私まだ余裕あるんで、お土産少し持ちますね!」
「ありがとうスペちゃん」
招待券の分、丸々浮いた宿泊費用でトレーナーさんや友人へのお土産をたくさん買ってきた。私は食べ歩きしていた分、スズカさんの荷物が多くなってしまっていたから、両手に下げたお土産袋を少し分けてもらう。
(わっ……手、当たっちゃった……スベスベ……)
手渡す時に、微かに触れた手にドキドキしてしまう。
(もし……手を繋げたら……)
今はお互いに荷物でいっぱいの手に視線を落とす。
(スズカさんと手……繋ぎたいな……)
そんなことを考えながら旅館へと帰るのだった。 - 14二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:10:22
────
「見てくださいスズカさん!露天風呂、すっごく広いですよ!」
「もう、スペちゃんったら……はしゃいじゃって」
「だってこんなの中々体験できませんよ!」
夜の露天風呂は他に人がいないらしく、私とスズカさんの貸し切り状態になっていた。
部屋に戻ったあと、とても豪華な晩御飯を頂いて、雑談しながらお土産の仕分けをしていたらすっかり遅くなってしまった。
「寮の大浴場も広いわよ?」
「それはほら……やっぱり雰囲気とかが違うじゃないですか」
確かに初めて寮の大浴場を見た時も感動したけど、旅館の露天風呂は何だか特別な格式を感じる。
「確かに……それもそうね」
「ですよね!」
シャワーで汚れを落とし、他に人もいないのをいいことに、わざわざお風呂の真ん中を陣取って思いっきり体を伸ばす。
「んん~……温まりますぅ~……」
「はぁ……気持ちいい……」
スズカさんと揃ってとろんとした声を並べる。
これだけ広いと、泳ぐとまではいかなくても、温泉に体を浮かべて漂ってみたいと考えてしまう。
(さすがに、はしたないよね……) - 15二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:10:48
今の自分の姿を考えると、体を広げて浮かべるには、少し乙女を捨てる覚悟が必要になると思う。
チラリと横のスズカさんに視線を移す。
(わぁ……お肌綺麗……)
白く透き通った肌がお湯に濡れて、ツヤツヤと明かりを反射して輝いている。
丸く小さな肩、繊細で白魚のような手指、微かな膨らみを持った胸、小ぶりなお尻からふとももへの曲線、細くとも確かに鍛えられた脚……
スズカさんの全身を舐めるように目が追いかけてしまう。
(は、鼻血とか出てない、よね……よかった……)
「スペちゃん」
「あひん!?」
もしかして……み、見られてた!?
スズカさんは、私が見てるのを見てた!?
「背中と尻尾、洗ってあげるわね」
スズカさんは、まったく邪気の無い笑顔で微笑む。
それなのに私は、まるで変態みたいなことを……でもやっぱり……。
(ごめんなさいスズカさん……)
「わ、私も……体、洗ってあげます……ね」
目の前で立ち上がったスズカさんの裸体を前に、自分の欲望に逆らうことができなかった。 - 16二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:11:12
────
「ふぅ……気持ちよかった……」
「…………ですね」
スズカさんに体を洗われ、自分もスズカさんの体を洗い、頭はすっかりのぼせてしまった。
(すっごいスベスベで……柔らかくて……)
今夜も……今夜はいつにも増して、眠れそうにない。 - 17二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:11:38
────
部屋に戻るとシワ1つ無い綺麗な布団が並べて敷いてあった。
「おわぁ……ふかふかぁ……」
(まるでベッドの上みたい……)
柔らかなマットレスの感触が、全身を深く包み込む。
こんな何から何まで豪華な旅館のチケットを貰ってしまって、やはりスズカさんのトレーナーさんには、申し訳ないと思ってしまう。
(私からも、お土産わたしておこう)
感謝の意味も込めて、奮発して高価なお菓子にしよう。
「おやすみなさい、スペちゃん」
「はい……おやすみなさい、スズカさん……」 - 18二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:12:01
「スペちゃん……起きてる?」
「そう……私もなんだか眠れなくて……」
「ふふっ、お揃いね」
「今日はとても楽しかったわ……スペちゃんと来られてよかった」
「お土産話を聞かせたら、トレーナーさん羨ましがるでしょうね」
「大丈夫、トレーナーさんとはまた別の機会があるわ」
「そうね……スペちゃんとも来たいけど……」
「今度は別の場所に行きたいわね……」
「一緒にいろんな所へ行けたら……」
「…………ねえスペちゃん」
「…………そっちにいっても、いいかしら」
「……うん、スペちゃんのお布団に……入れて?」 - 19二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:12:51
- 20二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:13:53
いきなり始まっていきなり終わる良SSスレほんと好き
- 21二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:14:06
- 22二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:16:18
スレタイから入った俺を殺してくれ
ssすっごくよかったです - 23二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:18:18
よかったぜぇ…そして毎回ドトウで締めるの笑う
- 24二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:21:45
俺の温泉チケットも誰かに渡せないかな…
- 25二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:25:57
- 26二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:26:47
相思相殺!?
- 27二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:29:02
- 28二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:33:06
こいつらうまぴょ…いや、どっちだ?
まぁ尊いからどっちでもいいかぁ! - 29二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 15:38:15
ちょいちょい差し込まれるホモ語録に目を瞑ればいいSSだったのではないかと思います
今後に期待して星4つで - 30二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 16:16:58
スペスズは純愛
- 31二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 16:39:36
尻尾繋いでるウマ娘はトレセン学園で「この二人…」って察されるんやろなあ
- 32二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 17:14:47
- 33二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 17:38:03
確かに知ってなきゃ分からない場面で使われている
ということはやはりトレーナーはホモ - 34二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 18:57:23
スペスズはいくらあっても困らない健康栄養食
- 35二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 22:24:48
はっきり和姦だね
- 36二次元好きの匿名さん21/11/25(木) 22:26:04
スペスズはいいもの