【誕生日SS】浮ついた気持ち【キングヘイロー】

  • 1二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:23:49

    『拝啓 
    ポカポカと暖かくなってきてついついお昼寝しちゃう今日この頃、キングさんはいかがお過ごしでしょうか!
    さて、キングさんには日頃から物をぶち壊したり朝起きれない私達を助けていただき、言葉で言い表せないくらい感謝しております!
    ですので、来る4月28日土曜日には日頃の感謝の気持ちを込めて盛大にお祝いしたいと思っています!
    しっかりと準備して待ち構えておりますので、期待していてくださいまし!
    それでは、当日に会えることを夜が眠れないくらいに楽しみにしながら、誕生日のご挨拶とさせていただきます!
                                             敬具
    P.S おっきなにんじんケーキをみんなで作って待ってるね!』

    「えーっと……ここで合ってる、わよね?」

    添付されていた簡単な地図を片手に学園内を歩いて数分、辿り着いたのは普段は使われていない空き教室。
    部屋からは明かりが漏れていて、上の窓から見える範囲には色とりどりの輪飾りがたくさん取り付けられている。
    明らかにお祝いするという感じの雰囲気だ。

    「まさかこんな物を書いて招待してくれるなんて、少しびっくりしちゃったわ」

    いつの間にか自分の机に入っていた手紙。誰かさんが力を込めて握っていたのか少しくしゃっとしてしまったそれには、
    少し雑に、それでも丁寧に書こうとした努力が見られる文章が書かれていた。

    「書いたのはきっとカワカミさんね。朝起きれないってことはウララさんも協力してるみたい……
    そういえば2,3日前から取り巻きの子達もどこかよそよそしかったし、多分一緒にいるでしょうね」

    そう呟きながらスマホで時間を確認する。あと数分で待ち合わせの時間になるというところだ。

  • 2二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:24:35

    (あとちょっとここで待っていましょうか)

    スマホをしまい、もう一度手紙に目を通す。

    (ケーキを用意して待ってる……もしかして手作りかしら。ということは結構前から誕生日の計画を考えていてくれたのかもしれないわ)

    きっとカワカミさんやウララさん達がうんうんと頭を悩ませながら考えて準備してくれたのだろう。
    少し粗が目立つが手紙まで用意していてくれたのだから、盛大に祝ってくれるのは間違いない。

    (……なんだか、変な感じがするわね)

    知人のパーティーへの招待には慣れているはずだが、自分が祝われる立場というものは少しこそばゆい気がする。
    地面に足が付いていない、風が吹いたらそのままふわふわと飛んで行ってしまいそうな感じ。

    まるでいつもの自分ではないような感覚を味わっていると、扉の向こうから誰かが話しているのが聞こえてきた。

  • 3二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:25:07

    「も、もうすぐですわね……」

    「キングの喜ぶ顔が楽しみだね~」

    「うん!キングちゃんの笑顔が楽しみ!」

    「……楽しみだけど、ちゃんと来てくれるかな?」

    「だだだ、大丈夫ですわ!お手紙だってしっかり机の中に入れましたし!」

    「そうだよ!キングちゃんが部屋でこっそり何度も読んでるの見てたから来てくれるよ!」

    「そうそう、心配しなくてもキングなら絶対来るよ。もしかしたら早く来すぎて扉の前で暇をつぶしてるかもよ~?」

    「……それもそうだね。でも楽しみだなぁ。色々頑張ったもんね」

    「えぇ!にんじんケーキはアケボノさんに教えられながらみんなで作りましたし、飾りつけもこーんなに綺麗に出来ましたもの!」

    「うんうん!手紙もカワカミちゃんがばっちり書いてくれたもんね!絶対喜んでくれるよ!キングちゃん、早く来ないかな~」

    「あと数分だからね~。それまではキングが喜ぶ顔を想像しながら待ってようか」

    聞こえてきたのはカワカミさんにウララさん、それにいつも自分を応援してくれる二人のウマ娘。
    みんな嬉しそうな声で、私が来るのを待っているようだった。

  • 4二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:25:31

    (……あぁ、そういうこと)

    もう一度手紙を見つめる。自室で何度も目を通したその文章を、心の中で読み上げていく。

    『盛大にお祝いしたいと思います!』
    『期待していてくださいまし!』

    (私、自分が思ってたよりもずっとずっと……今日を楽しみにしていたのね)

    この直前で気が付いた自分に呆れ笑いをしつつ、気持ちを切り替えていく。

    (それなら、今日という一日を全力で楽しまなくちゃ!)

    そう考えながらコンコンと扉をノックすると、中でみんなが息を呑むのが分かった。

    「ど、どうぞお入りくださいまし!!!」

    上擦った声でカワカミさんがそう言うのを聞いた後、扉を少し強めに開ける。
    すると少しタイミングがずれながらもみんながクラッカーを鳴らし、口々に「お誕生日おめでとう!」と笑顔で祝ってくれた。

    私は普段通りに、それでいていつもより浮ついた気持ちで笑みを浮かべる。
    もしかしたらいつもの私とは違い、にやけきった感じで笑っているかもしれない。
    でも気にしない。気にならない。だって今日は──


    「おーっほっほっほ!みんな待たせたわね!このキングの誕生日を盛大に祝う権利をあげるわ!」


    ──だって今日は、私の誕生日なんだから!

  • 5二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:26:20

  • 623/04/28(金) 22:31:37

    というわけで改めまして、お誕生日おめでとうキングヘイロー!

  • 723/04/28(金) 22:35:41

    衣装違いセリフ違いでもう1枚
    本当におめでとう…!

  • 8二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:35:45

    誕生日がメンテナンスに費やされたことも今は昔……。

  • 9二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:37:55

    おめでたい!SSも好き!

  • 10二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:45:24

    >>8

    くそ懐かしいな

    今年も誕生日無くなるんじゃないかと若干身構えていました(小声

  • 11二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:51:04

    キングをお祝いする権利をあげるわ!
    おめでとう!

  • 12二次元好きの匿名さん23/04/28(金) 22:52:51

    愛されキングはいいぞ

  • 13二次元好きの匿名さん23/04/29(土) 01:08:10

    取り巻きもいていいなぁこれ

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています