- 1二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 02:16:51
A.S.xxx__。
度重なる戦争により汚染された世界。恐ろしい太陽風が荒野と化した大地を揺らす、瘴気に世界。
僅かなコロニーから見放された離れた奈落のどん底。微かに生き残った人間が『地獄』と呼ぶその場所。
しかし、そんな世界にも、不思議な生命体が存在している。
人間により、愛玩用に、救護用に、あるいは戦闘用に作られたモノ。
メカぐるみである。
メカぐるみとは、事実上不死身の肉体を持ち、凄まじい装甲を纏い、あらゆる武器を自在に扱える、創られた生命体。環境も、彼らを作った人間さえも、その肉体を物理的に傷つけることはできない。ごくごく稀にいるメカニックを除けば、メカぐるみが恐怖するものなどありはしない。
では彼等同士はいかにして優劣を決めるのか。
決闘である。
ただし、普通の戦闘ではない。
本質的に痛みを理解しないメカぐるみが互いを支配する手段は一つしかない。それは精神的な苦痛で相手の魂を打ちのめし、虜としてしまうことだ。そのために、ある者は武器を取り相手を嬲り、ある者は相手を篭絡し虜にして、そしてある者は相手のプログラムの書き換えを駆使して強制的に『堕とす』。
勝者は支配の快楽を。敗者は奴隷の快楽を。
そして、ここ__メカぐるみワールドでは、最も強いメカぐるみを決める一年に一度の決闘大会、ランブルリングが行われようとしていた。 - 2二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 02:29:30
突如現れた『魔女』にして、前回王者であるグエルぐるみを打ち倒し、現在最も強いメカぐるみとされている少女(?)、スレッタ・マーキュリー。
彼女もまた、ランブルリングに参加していた。
『地球地域』と呼ばれる極貧勢力に所属している彼女は、同じメカぐるみであるチュチュや数少ないメカニックであるニカと共に、ホルダーとして君臨し続けている。スレッタの婚約者であるミオリネ・レンブラン(メカぐるみではあるが、戦闘能力を持たない完全な愛玩用であるらしい)は、二人をじっと見つめる。
「必ず勝ってね。……負けてどっかの奴隷になるなんて、許さない。あんたは私の花婿なんだから」
「もちろんです!勝ってほかのメカぐるみ勢力から高めの燃料もらいましょう!ねっ、チュチュ先輩!」
「わーってるよ!準備は万端だ、な、ニカ姉ぇ」
「もちろん。……でも、大丈夫かな。今回の参加メカぐるみ、スレッタたちあわせて八体もいるらしいよ」
ニカは不安そうな顔をする。
二人は笑って、武装の確認に急いだ。
スレッタ・マーキュリー
パーツ数:dice1d10=1 (1) プログラム:dice1d10=9 (9) 精神力:dice1d10=2 (2)
性能:dice1d3=3 (3)
1:ビームを駆使した戦闘特化(パーツ数+2)
2:データストームを使った洗脳特化(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
チュアチュリー・パンランチ
パーツ数:dice1d10=4 (4) プログラム:dice1d10=4 (4) 精神力:dice1d10=10 (10)
性能:dice1d3=1 (1)
1:遠距離から撃つ戦闘特化(パーツ数+2)
2:ニカ姉ぇから教わったメカニック技術(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
- 3二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 02:40:23
ところかわって、ここは荒廃したメカぐるみワールドでも比較的栄えている地域、『ジェターク王国』。
ちなみにメカぐるみワールドに王政なんてないので普通にみんなで話し合って(たまに殴りあって)物事を決めている。
「ううっ、じゃんけん、負けちゃった……」
フェルシーはしょんぼりと肩を落とす。それを慰めているのは、前回王者であるグエル・ジェタークだ。今回は前回のディランザぐるみから、ダリルバルデぐるみに換装しての参加である。
「参加できるのは各地域二人まで、という制限のせいで……すまない。お前の分まで頑張ってくる」
フェルシーに勝って代表に選ばれたのは、グエルの弟であるラウダ・ニールだった。人工生命体に血縁関係とかないじゃね?とは気にしてはいけない。そういうものである。
ペトラは三人を交互に見て、「応援してます」と目を輝かせた。フェルシーもひとしきりゴネたあと、納得したらしい。それを見てから、ラウダが前に出て、こほんと咳払いをする。
「……兄さんと僕たちを貶めたあのメカぐるみをスクラップにしてくる!」
「「おおおおおおおッ!!」」
めちゃめちゃ湧いている広場に、グエルは少しだけ、いたたまれない表情をした。
グエル・ジェターク
パーツ数:dice1d10=10 (10) プログラム:dice1d10=2 (2) 精神力:dice1d10=8 (8)
性能:dice1d3=1 (1)
1:守備も攻撃も得意な戦闘特化(パーツ数+2)
2:モビルスーツに好かれる体質(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
ラウダ・ニール
パーツ数:dice1d10=4 (4) プログラム:dice1d10=7 (7) 精神力:dice1d10=6 (6)
性能:dice1d3=2 (2)
1:全部叩き壊す戦闘特化(パーツ数+2)
2:ペトラに仕込まれたメカニック技術(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
- 4二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 02:50:38
「これでよし、っと」
ペイル帝国では、メカぐるみがメカぐるみを作り出すそこそこ技術がちょうど開発されているところであった。
そうして、今日。そのメカぐるみが全てのメカぐるみの頂点に立つ。
雛形となったメカぐるみ__周囲からは本物メカぐるみと呼ばれている__であるエラン・ケレスは、自分とそっくり同じ顔をしているものの、何故か印象が全く違う二機を選ぶと、起動のスイッチを押した。
四番目に作られた方は四号。五番目に作られた方は五号。
完璧なネーミングセンスである。
「お前らの任務は__わかっているな?このランブルリングで優勝し、我々ペイル帝国の技術力を見せつけることだ」
「わかった」
「がんばってくるよ!」
スナイパーライフルを持った四号は無表情に、二丁拳銃を持った五号はニッコリと笑い、頷く。
答えに満足したらしい本物メカぐるみ__エランの後ろ姿が遠ざかっていくのを見て、四号が少し、肩を落とす。
「……終わったら、焼却処分。だなんて、嫌だ」
「やっだなあ四号、どうせ僕たち使い捨てなんだ、派手に暴れてこようよ」
五号は四号の背をばしばしと叩いた。金属のぶつかりあうような音がした。
エラン(強化メカぐるみ四号)
パーツ数:dice1d10=3 (3) プログラム:dice1d10=2 (2) 精神力:dice1d10=9 (9)
性能:dice1d3=2 (2)
1:逃げて撃ち続ける戦闘特化(パーツ数+2)
2:データストームを駆使した洗脳特化(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
エラン(強化メカぐるみ五号)
パーツ数:dice1d10=7 (7) プログラム:dice1d10=6 (6) 精神力:dice1d10=5 (5)
性能:dice1d3=3 (3)
1:スピードと火力を併せ持つ戦闘特化(パーツ数+2)
2:データストームを拒否する意思(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
- 5二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:00:11
「サビーナだけずるい~」
文句を言ったのはレネ・コスタだ。メイジーとイリーシャも、言葉にこそしていないが同じことを言いたげな顔をしていた。シャディクはティーカップに入ったオイルを優雅に飲みながら、「去年はエナオに来てもらったっけ」と回想する。
「仕方ないだろう。参加できるのは二人までなのだから」
サビーナが言えば、レネも閉口した。
そもそもこのルールが追加されたのは、「グラスレー共和国だけたくさんメカぐるみがいてずるい」という声が各地域から噴出したからである。メイジーは「しかたないよ~」と言って、イリーシャのぬいぐるみを撫でた。
「今年は勝ってきてね、シャディク」
「まるで去年、俺がわざと負けたみたいな」
「事実じゃん」
「……ミオリネのため?」
エナオがちらりと呟いた言葉に、シャディクが固まる。
サビーナはシャディクの方を見やった。大きな瞳が普段より大きく見開かれている。それから誤魔化すように笑みを浮かべて、「ミオリネは関係ないよ」と言った。
「ただ、……少し、本気を出そうとおもっただけだ」
シャディク・ゼネリ
パーツ数:dice1d10=3 (3) プログラム:dice1d10=4 (4) 精神力:dice1d10=1 (1)
性能:dice1d3=3 (3)
1:うでがのびる!戦闘特化(パーツ数+2)
2:あと一歩進みたいという力(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
サビーナ・ファルディン
パーツ数:dice1d10=6 (6) プログラム:dice1d10=1 (1) 精神力:dice1d10=10 (10)
性能:dice1d3=1 (1)
1:立体的な動きもできる戦闘特化(パーツ数+2)
2:アンチドートがいいかんじにはたらく(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
- 6二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:11:37
そして。
地球地域ですら上澄みと思える、本物の底の底。メカぐるみからも『地獄』と呼ばれ、顧みられすらしない、名もないスラム街じみた地域では、幼き少女の姿をしたメカぐるみが二体。
青いメカぐるみがソフィ。
赤いメカぐるみがノレア。
治安維持から外敵の駆除、救助活動までなんでもするこの二体のメカぐるみは、周辺に住むものたちからすれば羨望の的だった。
それぞれ、武器を握る。ランブルリングに__決闘に勝利すれば、ほかのメカぐるみを奴隷にできる。今までこの地域を見下してきたやつらもお構いなしで、だ。それに、上手くやれば物資なんかも奪えるかもしれない。
ここには娯楽はない。
綺麗に傷を補修するための道具も、満足な量の燃料すらない。
ただ、恨みや妬み、そして羨望が、どす黒く凝ってうずまいているだけ。
「……そういえば、スレッタお姉ちゃんが出るんだって」
「最近ソフィそればっか」
「だって!……ああ、あいたいなあ……」
「あえるかな」
二人は天を仰ぐ。
鈍い黒色の瘴気に覆われた空が見えた。
ソフィ・プロネ
パーツ数:dice1d10=1 (1) プログラム:dice1d10=10 (10) 精神力:dice1d10=3 (3)
性能:dice1d3=3 (3)
1:暴力マシンな戦闘特化(パーツ数+2)
2:生を実感する喜び(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
ノレア・デュノク
パーツ数:dice1d10=6 (6) プログラム:dice1d10=2 (2) 精神力:dice1d10=5 (5)
性能:dice1d3=3 (3)
1:とにかく狂犬な戦闘特化(パーツ数+2)
2:現実を見ている(プログラム+2)
3:なんかえっちなやつ(精神力+2)
- 7二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:24:01
『メカぐるみバトルルール』
・最初に1d10を振ります。これがそのバトルにおける自尊心=HPとなります。
・先行後攻を決めます。1d10で出た目が大きかった方が先行とします。
・攻撃は自分の得意な方法(性能)で行います。
・1d10を振ります。対応する数値を見て、自分の数値と1d10を合計した数値を、相手の数値から引いた数をダメージとして与えます。
・先に自尊心が0になった方が負けです。負けたメカぐるみは勝ったメカぐるみの奴隷になります。
たとえば……
スレッタvsチュチュ
スレッタのHP:10
チュチュのHP:10
先行スレッタ
スレッタが1d10で8を出した
この場合、
スレッタの精神力である5+出目の8で13-チュチュの精神力である10=3ダメージ
チュチュのHP:10→7
続いて後攻であるチュチュの攻撃……
こんな感じに処理になります(とはいっても まだ深く決まってません) - 8二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:30:04
『参加メカぐるみ表』
スレッタ・マーキュリー
得意攻撃:えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:1
プログラム:9
精神力:5
チュアチュリー・パンランチ
得意攻撃:遠距離スナイピング(判定:パーツ数)
パーツ数:6
プログラム:4
精神力:10
グエル・ジェターク
得意攻撃:近接特化(判定:パーツ数)
パーツ数:12
プログラム:2
精神力:8
ラウダ・ニール
得意攻撃:ハッキング(判定:プログラム)
パーツ数:4
プログラム:9
精神力:6 - 9二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:36:03
エラン(強化メカぐるみ四号)
得意攻撃:データストーム(判定:プログラム)
パーツ数:3
プログラム:4
精神力:9
エラン(強化メカぐるみ五号)
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:7
プログラム:6
精神力:7
シャディク・ゼネリ
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:3
プログラム:4
精神力:3
サビーナ・ファルディン
得意攻撃:立体機動(判定:パーツ数)
パーツ数:8
プログラム:1
精神力:10 - 10二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:40:27
ソフィ・プロネ
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:1
プログラム:10
精神力:5
ノレア・デュノク
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:6
プログラム:2
精神力:7
ランブルリングとはいっても、決闘自体は1体1のトーナメント形式で行います。対決の組み合わせは公正のため、1d100を振り、出た目の順に並べて対決とします。
それでは運命の組み合わせ発表です。
スレッタ:dice1d100=88 (88)
チュチュ:dice1d100=36 (36)
グエル:dice1d100=13 (13)
ラウダ:dice1d100=35 (35)
エラン4号:dice1d100=4 (4)
エラン5号:dice1d100=68 (68)
シャディク:dice1d100=18 (18)
サビーナ:dice1d100=56 (56)
ソフィ:dice1d100=64 (64)
ノレア:dice1d100=17 (17)
- 11二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 03:46:44
1:エラン4号vsグエル
2:ノレアvsシャディク
3:ラウダvsチュチュ
4:サビーナvsソフィ
5:エラン5号vsスレッタ
シード枠のdice1d5=4 (4) は、この戦いが終わったら直で決勝戦なので、はりきっていますね。
記念すべき一回戦はdice1d5=3 (3) となります!おめでとうございます
- 12二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 08:56:13
「あーしの相手はジェターク王国んとこのメカぐるみか」
「地球地域のメカぐるみか。よろしく」
ラウダが無感動に手を差し出せば、チュチュは両手で銃を握りしめたまま、表情を変えることなく、「スペーシアンと馴れ合う気はない」と言い切った。
ラウダがぴくりと眉を跳ねさせる。「奇遇だね」と言うと、両の手で斧を構える。
「僕もあいにく、こんなところで負けている場合じゃないんだ」
第一回戦 ラウダ・ニールvsチュアチュリー・パンランチ
ラウダHP:dice1d10=9 (9)
チュチュHP:dice1d10=4 (4)
先行後攻決め
ラウダ:dice1d10=3 (3)
チュチュ:dice1d10=6 (6)
- 13二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 09:00:38
おお!楽しみ!!
- 14二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 09:11:31
先に仕掛けたのはチュチュだ。
ジェターク王国のメカぐるみはシンプルに修羅と言われるほど強い。こいつの兄も、ついでに後輩も、有り余る武器でいくつものメカぐるみを破壊してきたという。実際かなりパーツ数は多そうだ。とはいっても、幸いにも相手は近接武器。早いうちに武器を飛ばすか、動きを封じないと。
狙いを定めて、ビームライフルを構える。迷っている暇はない。短期決戦だ、細かくあれこれ考える間もなく、撃ち抜く!
ラウダはかわさない。肩のシールドと巨大な斧を駆使して、うまく受けきっている。だめだ、接近されたら詰む!
ジャンプとバックブーストを駆使して、逃げ回る。ラウダは斧を振り下ろしながら、チュチュに肉薄する。そのくちびるに、一瞬、どこか楽しそうな笑みが浮かんた。
「……強いね」
「ありがと、よッ!」
「ああ。……でも、これでおしまいだ!」
__ラウダが踏み込み、斧を振り上げる。
それがこちらに届く前に、チュチュは半ば反射で銃を構え、その腹目掛けて撃ち込んだ。
チュチュの射撃攻撃:dice1d10=4 (4)
(9以上で勝利)
ラウダのハッキング(物理):dice1d10=10 (10)
(HPの関係上、当たれば確定勝利)
- 15二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 09:22:41
「__あッ……!?」
しかし、届かない。
勢いを失わないまま、ラウダの斧がチュチュの肩口をえぐりとる。と、同時に、凄まじい熱と、溢れるほどの情報が、チュチュの中に溢れてくる。
射撃せよ。__何故?
破壊せよ。__何故?
逃走せよ。__何故?
チュチュのからだが、頽れる。その腕や武器を注意深く確認して、ラウダはこくりと頷いた。
「丁寧な補修がされている。いいメカニックがいるんだね。でもこの脚部と動力部は、もう少しいいものに替えられそうだ」
チュチュはラウダを見上げる。
胸のモーターがキリキリまわる。
憎むべき仇敵のはずなのに。おぞましきスペーシアンのはずなのに。その姿が、やけにきれいに見えた。
ラウダはチュチュの手を取り、微笑みかける。そうしてそうっと、くちびるを耳に寄せた。
「あなたもジェタークにならない?」
その言葉に、何故か。
頷いて、しまった。
二回戦:dice1d3=3 (3)
(この勝者が準決勝でラウダと当たります)
1:エラン4号vsグエル
2:ノレアvsシャディク
3:エラン5号vsスレッタ
※あまりにも勝ち目がなさすぎたので以降HPダイスは1d20で振るとするよ!!
- 16二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 09:49:00
このレスは削除されています
- 17二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 09:50:27
※ミス:準決勝→準々決勝
「わ、私の相手はエランさん……ですか」
「よろしくね、スレッタ・マーキュリー」
エランはニッコリと微笑み、スレッタの手の甲にくちづけをした。スレッタは微妙な顔をして、エランを見下ろす。
スレッタはペイル帝国の内情を知らない。エランが二機参加していることも、『なんか面白いことになってますね』程度にしか思っていない。
スレッタはエランの手を握り返すと、じっと、見つける。
「私、負けません」
「そう?」
「はい。だって……ミオリネさんと、約束しましたから」
目を閉じ、開く。半ば睨むほどに、力強く。
「でもそれって冗談なんでしょ」
「……え?」
エランはすいと、スレッタに顔を近づける。
そもそも生殖機能のないメカぐるみに、婚姻関係など全くもって意味をなさない。あくまで花嫁ごっこ、花婿ごっこであって、力こそ全てなメカぐるみワールドにおいては外部から見ればそんなものただの名目でしかない。それに、
「みんな噂してるよ。ミオリネはただの護衛役としてきみを買ってるんだって」
「そ。れは……」
「何よりもし本当に花婿なのだとしたら、何故きみがそんなプログラムで戦うことを許す?」
スレッタはぎゅっと手を握りしめる。
__『そんなプログラム』。このエランに搭載されているものと、同じタイプのプログラム。これの書き換え自体はそこまで難しいことでもない。ニカに頼めばすぐに変えてくれるだろう。それでもミオリネは、それをしない。
それでも。
スレッタはエランの手を離す。そうしてエランをきっと、睨んだ。
「わ、私とエアリアルは__負けません!」
第二回戦 エラン(強化メカぐるみ五号)vsスレッタ・マーキュリー
エラン5号HP:dice1d20=1 (1)
スレッタHP:dice1d20=20 (20)
先行後攻決め
エラン5号:dice1d10=1 (1)
スレッタ:dice1d10=7 (7)
- 18二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 10:20:36
大丈夫だ。落ち着いて戦えば、いける。
無感情な瞳で、じっとエランを見下ろす。こんな状況なのに、やけに心は凪いでいた。その青い瞳に、エランは一瞬、びくりと肩を跳ねさせたようだった。
スレッタがエランの右のブレードアンテナを、乱暴に掴む。そうしてエランがそれを認識して抵抗する前に、半ば無理矢理、そのくちびるを奪った。
エランは目を見開く。思考をし、冷静になる余裕を与えてはいけない。そのままもう片方の指でエランのおとがいを押し、くちびるを開かせて、畳み掛ける。エランはしばらくばたばたと手足を動かして混乱する素振りをみせていたが、すぐに状況を理解したらしい。
そう、この状況。確かにスレッタから攻勢を仕掛けたとはいえ、容易にカウンターを受ける状態にある。
だからはやく、おとさないと。エランはスレッタを見遣り、感情の読めない笑みを浮かべる。そうして、うすくオイルのにおいのする舌を絡めとった。
スレッタの攻撃:dice1d10=7 (7)
(2以上で勝利)
エラン5号の攻撃:dice1d10=6 (6)
- 19二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 10:34:07
__が、駄目ッ……!
思った以上に即堕ち2コマで呆気なくエラン5号が落ちた。しばらくもしないうちに、エランの膝がかくりと震え、崩れ落ちる。
スレッタはそんなエランの背を支え、見つめる。微笑む。
「……強いのは口だけなんですね?」
「あッ……♡」
スレッタはエランの頭を撫で、今度はその頬に、そうっとくちづける。大丈夫、優しくしてあげますよ。
「だってほら、私、あなたのご主人様、ですから……♪」
エランの顔が、とろりと弛緩する。
くったりと力の抜けたからだをスレッタにあずければ、自分は名実共にスレッタの奴隷になったのだ、とわからせられるようで、ぞくそくとしてくる。エラン5号は「ひゃい♡」と言って、スレッタの胸部に頭を擦り付けた。金属部がこすれて、ざらついた音を立てた。
三回戦:dice1d3=1 (1)
1:エラン4号vsグエル
2:ノレアvsシャディク
3:サビーナvsソフィ
※冷静に考えるとシード枠があってトーナメント表がごちゃついてることに気づいたし、わたしが考えるのが面倒なので、あとでサビーナvsソフィの勝者以外でまた組み合わせダイスを振るよ!言ってることが二転三転してごめんね
- 20二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 11:39:26
グエルは目を閉じ、真っ赤な盾をふよふよと浮かせる。
違う。グエルでさえ、制御ができないのだ。
何やらドローンシステムだかAI制御だかが組み込まれているらしく、確かに基本スペックが上がったのは感じるが、それとこれとは話が別である。その上相手が__
「お前とやり合うことになるとはな」
「こっちの台詞だよ。グエル・ジェターク」
データストームを駆使し、相手のプログラムを乗っ取るのが得意のコイツである。
どちらかといえばパーツを削って機動力に振ったエランからしても、単純に物量を乗せて物理で殴りかかってくるグエルは、非常にやりづらい相手であった。
お互いがお互いの天敵と言えるこのマッチング。
それでも、負ける訳にはいかない。
「ペイル帝国が怪しい動きをしているとは掴んでいるんだ。その上この異質な二機参戦__俺が勝ったら、説明してもらうぞ」
「まだホルダー様のつもり?スレッタ・マーキュリーに負けたのにね。それともまた彼女と戦いたいのかな」
「あいつは関係ない!別に全然、そんなことおもってないんだからなっ!」
「……こちらだって、命がかかっているんだ。きみのそのブレードアンテナを、手土産にさせてもらうよ」
バチリと火花が散る。
しばらくの沈黙ののち、ダリルバルデの関節が外れ、浮き上がる。と同時に、ファラクトのスタンビットが動き出した。
グエルHP:dice1d20=10 (10)
エラン4号HP:dice1d30=13 (13)
先行後攻決め
グエル:dice1d10=1 (1)
エラン4号:dice1d10=3 (3)
- 21二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 11:57:02
無数に飛んでくる真っ赤なビームを、グエルは全力でかわす。グエルは知っている。あれはなんかあたると動けなくなるやつだ。多少後手に回ったとしても、避けた方が理があると判断した。
エランはビット郡を操りながら、身の丈ほどある巨大なスナイパーライフルを構える。ブースターを使って加速し、距離をとる。そうして迷うことなく狙ったのは、ブレードアンテナ、さらにいうなれば頭だ。
……捕まったら終わりなのであれば。
捕まる前に、削りきらなければ。
エランは出力を切り替える。相手の装備を破壊するための緑色のビームから、データストームで思考能力を奪うための赤色のビームへ。
グエルは間一髪でそれを避けて、弾けるように笑った。それからこちらも加速し、一気に距離を詰める。
「相変わらずだなっ、エラン!」
「きみこそね!」
黒と、赤。ふたつのメカぐるみがぶつかりあい、パーメット色の火花を立てた。
エランスタンビット:dice1d10=4 (4)
(6以上でエラン勝利)
グエル近接攻撃:dice1d10=10 (10)
(↑を耐えた上で、4以上でグエル勝利)
- 22二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:09:47
エランの狙いは精緻だ。そしてグエルも、距離を詰めるために加速している。いくらなんでも、この状況では無理だ。
やられる!
グエルが咄嗟に目を閉じる。しかし、衝撃はいつまでたってもやってこなかった。はっとして、目を開ける。あれだけ頼りなく浮いていたシールドビットが、グエルを守るようにそこにあった。
「……ハッ、やる時はやるじゃないか、ありがとよ!」
「ッ!」
エランは咄嗟に後退しながら、もう一発撃つ。しかし今度は、ジャベリンによって斬り払われてしまった。どういうこと? 一瞬唖然とした、のが命取りとなる。そのままの勢いで、グエルの刃が、エランの両腕とブースターを奪った。
これでは武器は握れない。エランは減速する。墜落しそうになる身体を抱きとめて、グエルは真っ直ぐに言い切った。
「本気で危なくなったら、ジェターク王国に来い。俺はいつだって歓迎する」
「……グエル」
エランはグエルの腕の中で脱力し、微笑んだ。
グエルはエランの背を撫で、ゆっくりと着地する。エランの腕を拾い上げると、「ペトラなら直せるか」と思案しはじめる。エランはくたりと身を預け、グエルの肩口に顔を埋めた。
四回戦:dice1d2=2 (2)
1:ノレアvsシャディク
2:サビーナvsソフィ
- 23二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:31:06
サビーナソフィはえっちなかほりがするな
- 24二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 12:49:26
「よろしくねぇ、サビーナおねーちゃん」
「……私の相手はシャディクになると聞いていたが」
「飛び入り参加だよお!プリンスの相手はノレアがやるって~」
「私たちのころを、裏切るつもりか」
「なにいってんの?もともとおねーちゃんたちの味方じゃないよ」
ソフィはずいっとサビーナに顔を近づけ、分厚い黒紫の装甲で覆われた腰を引き寄せる。サビーナはぴくりとも表情を変えないまま、盾を構え直し、銃を向けた。
その銃口を突きつけられながら、しかしソフィの顔に浮かぶのは笑顔だ。ずいと背伸びをして、紫の髪をひと房手に取り、くちづけを落とす。サビーナの顔が、ようやく一瞬、にわかに歪む。
「再教育が必要みたいだな、ソフィ・プロネ」
「やれるもんならやってみなよ」
たっぷり遊んであげる。
二人の視線がぱちりと交わった。
サビーナHP:dice1d20=2 (2)
ソフィHP:dice1d20=13 (13)
先行後攻決め
サビーナ:dice1d10=4 (4)
ソフィ:dice1d10=7 (7)
- 25二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 13:30:48
単純なカタログスペックは圧倒的にこちらの負けだ。ソフィが勝つには、先に仕掛けて相手の心を叩き折るしかない。
ソフィはサビーナの腰を抱き寄せ、その腿をつうとなぞった。サビーナが一瞬顔を顰め、ソフィの頭に銃をつきつける。しかし引き金に手がかかるより前に、ソフィの指がサビーナの脇腹を撫でる。
「……っ、」
「あれれ?どうしたのかな、サビーナおねーちゃん」
「あまり、決闘を、舐めるな。これはっ、」
「コレが私の攻撃だよ。サビーナおねーちゃんのそれと同じ」
ソフィはニコリと笑って、サビーナの銃を撫でる。サビーナは一瞬硬く目を閉じたあと、キッとソフィを見下ろした。それから大地を蹴り、ぴょんぴょんと跳ね、一気に距離をとる。そうしてくるりと空中で一回転して着地すると、銃口を向けた
「私はっ、負けない!」
「__いいね!そっちのが、落としがいがあるよ」
ソフィが舌なめずりをして、サビーナを見つめた。
ソフィ攻撃:dice1d10=7 (7)
(7以上でソフィ勝利)
サビーナ射撃:dice1d10=4 (4)
(6以上でサビーナ勝利)
- 26二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 14:03:03
「何を、ッあ!?」
三次元的な動きを駆使して逃げ回っていたサビーナに、ソフィが肉薄する。そのまま脚を払い落とし、サビーナを転ばせた。ビームは空を切る。そのままソフィはサビーナを押し倒し、馬乗りになり、その頬に触れる。
関節を抑えられているため、腕が動かせない。これでは銃も握れない。自分の敗北を悟ったサビーナは、目を見開いた。
「つかまえたよ?」
楽しげに笑うソフィに、サビーナは小さく「くっ……」と呻いてから、目を逸らし、ぎゅっと閉じる。
「壊すなら、壊せ。私の負けだ」
「ええ?壊さないよ。私はぁ」
ソフィの指先が、サビーナの項を撫でる。サビーナのからだが、ぴくりと跳ねる。
「いっしょに、あそんであげるだけ」
「……ぅあ……♡」
かすかに、声が漏れる。ソフィはくすくす笑ってゆっくりと顔を近づける。サビーナの頬が、微かに紅潮する。
「いいや。もうサビーナは私の奴隷で、おねーちゃんなの。ゆっくりわからせてあげるね」
「は、あう」
「ずーとずっと、いっしょだよ?」
ソフィが微笑む。
サビーナのひとみが、すこしだけとろけた。
第五試合:ノレアvsシャディク - 27二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 14:26:02
「……えっと、なんできみがここにいるのかな……?」
「自分のところで潰し合いするよりはいいんじゃないですか」
「ええ?いやまあ、それはそうかもしれないけども……」
シャディクは首を傾げながら、じっとノレアを見つめる。
ノレアはこちらに目を向けない。ただ、シャディクのネックレスをひっつかみ、ぐいと引き寄せる。シャディクは感情の読めない笑みを携えたまま、ノレアの頭を撫でる。
ノレアは嫌そうな顔で、シャディクの手を振り払った。シャディクは両手を挙げて肩をすくめる。飄々とした態度は、絶対に勝てるという余裕の裏返しだ。
「いいよ。どうせ優勝するのなら、誰と戦おうがさして問題にはならない」
「……大した自信ですね。へし折りたくなる」
「できるものならしてみれば?」
「そうですね、今すぐにでも」
ノレアがシステムを起動する。薄いパーメット痕がノレアの頬に現れる。シャディクはそれを見てから、ゆるりと息を吐いて、腕をはずした。有線で伸びて、あたりを取り囲む。背後をとる。
__もう、戦いは始まっている。
ノレアHP:dice1d20=3 (3)
シャディクHP:dice1d20=1 (1)
先行後攻決め
ノレア:dice1d10=6 (6)
シャディク:dice1d10=7 (7)
- 28二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 14:46:12
「全く。悪い子にはおしおきをしないとね……?」
シャディクの指先がノレアのくちびるに触れる。
ノレアは一瞬肩をびくりと跳ねさせるが、すぐにそれを振り払い、シャディクを押し倒す。はっと、する。体格差がなくなった。まずい。このままでは。
「あなたこそ、悪い子」
「僕のどこが悪いと?」
「全部ですよ。尊大なくせにこわがりで、自信家なくせに臆病で、飄々としているくせに自己肯定感が低い」
「……あまり大人を舐めない方がいいよ」
シャディクは押し倒された状態のまま、ビームブレイザーを器用に使い、ノレアを拘束する。ノレアは一瞬表情をゆがめて、小さく舌打ちをした。避けきれないと判断したのだろう、どうやらうまく耐え切る方針にシフトしたらしい。シャディクはそんなノレアの頬を撫で、不敵に笑う。
「まあ、俺とあたったことを恨んでね?」
俺が、優勝するんだから。
シャディク攻撃:dice1d10=4 (4)
(7以上でシャディク勝利)
ノレア攻撃:dice1d10=10 (10)
(HPの関係上何が出てもノレアの勝利)
- 29二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 15:08:51
「……が」
「え?」
「どの口がぁッ!!」
「っ!?!?♡」
ノレアは全力でシャディクの乳首を抓った。いやメカぐるみに乳首はないかもしれないがとにかく乳首を抓った。と、同時に、シャディクの身体が跳ね、次いで弛緩する。ノレアはそのまま畳み掛けるように、「どのくちがどのくちがどのくちがッ……」と言いながらシャディクの乳首をつねり、引っ張り、最後に銃を突きつける。
「は、あ、え、なに、なにを……!?♡」
「どれだけ偉そうな口叩いても、どれだけ強がっても、どれだけ誰かに全力で恋しても。あなたも所詮、地球の血を引くメカぐるみで、」
引き金を引く。
「私の雌になるんですよおッ!」
「は、あああああああッ!?♡」
と、同時に、真っ青な電流がシャディクの胸部をびりびりと突き抜けた。爪先を痙攣させ、ぼんやりとどこか遠くを見つめているシャディクを冷たい瞳で見下ろして、ノレアは屈みこみ、シャディクの顎をぐいと掴んだ。
「よろしくお願いしますね、プリンス。あらため、奴隷」
シャディクは、惚けた顔でうなずいた。
「さすがグエル先輩とラウダ先輩!!」
「まじかっけーーっす!!」
「っあああなんでペイル帝国全員緒戦で消えてるんだよおおおお!?」
「やっぱ私たちが行った方がよかったんじゃない?」
「め、メイジー……」
「……否定はしない」
初戦から御三家のうちふたつが消える大波乱の展開で始まったランブルリング。続いて準決勝のマッチングです!
ラウダ:dice1d100=59 (59)
スレッタ:dice1d100=76 (76)
グエル:dice1d100=34 (34)
ノレア:dice1d100=53 (53)
(ソフィはシード権を獲得しているため、今回はおやすみ)
ちなみに敗者たちはdice1d3=2 (2)
1:観客席で応援
2:ご主人様と一緒に参戦
3:逆に敗者復活戦をしてソフィに勝負を挑んでみる
- 30二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 15:17:58
準々決勝
グエルvsノレア
ラウダvsスレッタ
~メカぐるみ強化タイム~
Q.メカぐるみ強化タイムとは?
A.奴隷から装備をぶんどったり奴隷を調教したり、逆にご主人様に優しくされたりなんやらかんやらあったりすることでなんかこういい感じに強くなるのだ!野蛮じゃないなのだ!!
具体的には選択されたステータスに、勝利していれば+2、敗北していれば+1の恩恵があるのだ。更に選択ステータスで攻撃ができるようになるのだ!つよいのだ!!選択ステータスで既に攻撃ができる場合は攻撃時の出目の最大値が12になるのだ!つよいのだ!!
1:戦闘訓練(パーツ数) 2:システム強化(プログラミング) 3:えっちなこと(精神力)
ラウダ/チュチュ:dice1d3=3 (3)
スレッタ/エラン5号:dice1d3=3 (3)
グエル/エラン4号:dice1d3=3 (3)
ソフィ/サビーナ:dice1d3=2 (2)
ノレア/シャディク:dice1d3=3 (3)
- 31二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 15:29:07
「チュチュ、次は水星女との戦いだ」
「……ラウダ兄ぃ」
「元は仲間だったあいつと戦うのは、辛いだろう。僕が」
ラウダはチュチュの頬に触れる。
「そんなこと、考えられないようにするからね」
「うーん、飽きてきましたね」
「あう♡やら♡すてないでっ、すれったぁ♡」
「捨てませんよ、エランさん」
スレッタはエラン5号のビットをひとつひとつ丁寧に取り外すと、艶然と微笑んだ。
「エランさんは私の大切なペットですからね」
「よし!エラン、これでお前はジェターク王国の国民だ」
グエルは書類をまとめると、ハロを呼び出して国に送る。それからエラン4号の方をむくと、こてりと首を傾げた。
「……よかったのか?」
「いいんだ。僕は君のものだから」
「ふうん……?」
「……これで、よし!」
「なんだか、……あたまが、ぼうっとする」
「いいんだよ、それで。だってほら、これで」
ソフィがサビーナの頬を撫でる。そこには、赤いパーメット痕が浮き上がっていた。
「ほんとうの姉妹」
「もう堕ちちゃったんですか」
「……??♡」
「もう少し抵抗してくれた方が面白いのに。でも」
ノレアの指先がシャディクの髪を撫でる。触れれば触れただけ、シャディクがびくりと痙攣した。
「『元』プリンスのくせに、よわいんですね」 - 32二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 15:36:35
『参加メカぐるみ表』
スレッタ・マーキュリー
得意攻撃:えっちなやつ(判定:精神力。1d12)
パーツ数:1
プログラム:9
精神力:7
エラン(強化メカぐるみ五号)
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力。1d12)
パーツ数:7
プログラム:6
精神力:8
グエル・ジェターク
得意攻撃:近接特化(判定:パーツ数)、えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:12
プログラム:2
精神力:10
エラン(強化メカぐるみ四号)
得意攻撃:データストーム(判定:プログラム)、えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:3
プログラム:4
精神力:10 - 33二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 15:37:01
ラウダ・ニール
得意攻撃:ハッキング(判定:プログラム)、えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:4
プログラム:9
精神力:8
チュアチュリー・パンランチ
得意攻撃:遠距離スナイピング(判定:パーツ数)、えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:6
プログラム:4
精神力:11
ノレア・デュノク
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力。1d12)
パーツ数:6
プログラム:2
精神力:9
シャディク・ゼネリ
得意攻撃:なんかえっちなやつ(判定:精神力。1d12)
パーツ数:3
プログラム:4
精神力:4 - 34二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 15:39:58
ソフィ・プロネ
得意攻撃:パーメット解放(判定:プログラム)、なんかえっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:1
プログラム:12
精神力:5
サビーナ・ファルディン
得意攻撃:立体機動(判定:パーツ数)、パーメット解放(判定:プログラム)
パーツ数:8
プログラム:2
精神力:10
準々決勝第一戦はdice1d2=1 (1) !はてさて、どんな勝負になるにでしょうか……!?ちなみにシード権を得たソフィ/サビーナはdice1d2=1 (1) の勝者と対戦していただきます!
1:グエル/4号vsノレア/シャディク
2:ラウダ/チュチュvsスレッタ/5号
- 35二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 20:41:28
シャディクが乳首で落ちるの良かった
- 36二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 21:44:19
「やるぞっ、エラン!」
「もちろんだよ、グエル。僕たちは負けない」
赤と黒のメカぐるみがきゃっきゃと騒ぎながら、お互いの武装を確認しているところを、ノレアは冷ややかな瞳で見つめていた。
「……スペーシアンが、偉そうに……」
「ノレア。……俺も半分は、スペーシアンだけど……俺のことは、嫌い?」
シャディクがじっと、ノレアを見つめる。ノレアはそちらをちらりと見て、しばらく考え込んだあと、少しだけくちびるを吊り上げた。
「嫌いじゃないですよ。そうして従順で、」
__私より可哀想でいる間は。
シャディクの目が、微かにとろける。「はい……♡」と小さく呟いたくちびるは、ノレアの言葉の意味を正しく理解していないようにも見えた。
その様子をちらりと横目で見やったグエルが、ぱちぱちと数度瞬きをする。
「……なんか向こうからすごい湿度を感じないか?」
「関節錆びたらどうしようね」
二人はどこまでものんびりしていた。
グエルHP:dice1d20=6 (6)
エラン4号HP:dice1d20=16 (16)
ノレアHP:dice1d20=2 (2)
シャディクHP:dice1d20=3 (3)
行動順決め(人数が多くなったので被り防止で1d20で振るよ)
グエル:dice1d20=6 (6)
エラン4号:dice1d20=18 (18)
ノレア:dice1d20=2 (2)
シャディク:dice1d20=16 (16)
奴隷行動指針
1:ご主人に攻撃する 2:奴隷に攻撃する
1:盾になる(ダメージ肩代わり) 2:相手を取り押さえる(ご主人のダメージダイスに+1)
エラン4号:dice1d2=1 (1) dice1d2=2 (2)
シャディク:dice1d2=2 (2) dice1d2=1 (1)
※勝利条件は「相手を全滅させる」こと。
- 37二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:01:03
※書き忘れていました!基本メインは勝者の方なので、勝者=主人は確定で相手の主人を狙います。また、いくつか攻撃手段を持っている場合、一番相手に効く攻撃を選びます。メカぐるみはかしこいので
「さっさと終わらせる」
「やらせない、よっ!」
エランはノレアに向けて、スタンビットを飛ばす。しかしそれは、シャディクによって見事に遮られた。エランは小さく舌打ちをしてからそれを見て、「立派な忠誠心だね」と言い、ぐいと腕を引く。と、同時に、スタンビームに引っ張られて、シャディクがエランの前に現れる。
「いいよ。ならばまずは露払いだ」
「払われるのはどちらかな」
ばちり。
二人が火花を散らすと同時に、グエルは真っ赤なビームジャベリンを分解し、それぞれのハンドパーツに持たせたあと、飛ばす。ノレアが「野蛮ですね、スペーシアンは」というと、「誉め言葉をありがとう」と言い、グエルは腰を落とし、ビットに視線を向ける。
「__今回は、言うこと聞いてくれよッ!」
「誰と話してるんです……?」
ノレアは気味が悪いものを見るような顔をした。
エラン→シャディクえっちな攻撃:dice1d10=2 (2)
(HPの関係上シャディクに勝ち目はないです)
グエル→ノレア物理攻撃:dice1d10=9 (9)
(HPの関係上ノレアに勝ち目はないです)
~グエル/4号の圧勝~
- 38二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:12:11
「…………????♡」
「くっ、あ、い゛……」
早かった。
そもそもアーシアンである連帯感でつながっていた二人が、戦闘面においてはだいぶ『修羅』であるグエルと4号に勝てるわけがなかった。
__4号に乳首を抓られまくり即堕ちして四肢をだらりと弛緩させたシャディク。そしてグエルのシンプルな物理こそパワーにより四肢ばらばらどころか下半身スクラップレベルでぶち壊されたノレア。
敗者を横目に、グエルと4号は「わーい」と歓声をあげて、きゃっきゃとハイタッチをした。グエルはきらきらと目を輝かせ、4号を見つめる。
「今回の勝利はお前のおかげだ。何か褒美をあげたい」
「……じゃあ、撫でて」
「もちろんだ!よしよし~……♪」
ほのぼのしているダリルぐるみ・グエルとファラぐるみ・4号を見て、ノレアは呆然と自身の身体を見つめた。もう、うごけない。一歩も。なんだか不思議に可笑しくて笑っていると、シャディクがころりと寝返りを打って、ノレアを見つめた。
「……プリンス」
「ノレア……」
二人はぎゅっと、手と手を取り合う。
これからどうなるのか、なんてわからなかった。ただ、こうして一緒にいれば、なにがあってもこわくない。ような、気がした。
準々決勝第二回戦:ラウダ/チュチュvsスレッタ/五号 - 39二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:23:27
「……ようやく、お前と戦えるのか。水星女ァっ!」
「ええっ!?なんでそんな怖い顔、してるんです……!?わけ、わかんないです……!」
早速噛み付いている二人を見て、5号は肩を竦めた。
いくら5号が暗黒帝国ペイルの強化メカぐるみだとはいえ、最低限のニュースぐらいは入ってくる。ジェターク王国はグエルを打ち負かしたスレッタを割と国単位で敵視していると。その中でも血縁関係とかそういうのない世界で『弟』を名乗るラウダはかなり強火でスレッタに執着しているに違いない、というところは、いくら5号でも容易に察しがついた。
どうやらそれはチュチュも同じらしい。「おーおーやってる」程度の反応だが、その顔は微妙だ。自分の主人であるラウダと、友人であるスレッタ。どちらに味方すればいいのか、わかりかねているのだろう。
「なーに、悩んでるの?」
「……べつに、あーしは……」
「いいじゃん。奴隷同士、仲良くしようよ」
「一緒にすんな、クソスペーシアン」
チュチュの言葉に、エランは少しだけ悲しそうな顔をした。
その意味を測りかねて、チュチュは顔をあげる。と同時に、ラウダがいよいよしびれをきらして、巨大な斧を両手に構え、駆け出した。
ラウダHP:dice1d2=1 (1)
チュチュHP:dice1d2=1 (1)
スレッタHP:dice1d2=1 (1)
エラン5号HP:dice1d2=1 (1)
行動順決め
ラウダ:dice1d20=15 (15)
チュチュ:dice1d20=17 (17)
スレッタ:dice1d20=2 (2)
エラン5号:dice1d20=11 (11)
奴隷行動指針
1:ご主人に攻撃する 2:奴隷に攻撃する
1:盾になる(ダメージ肩代わり) 2:相手を取り押さえる(ご主人のダメージダイスに+1)
チュチュ:dice1d2=2 (2) dice1d2=1 (1)
エラン5号:dice1d2=2 (2) dice1d2=1 (1)
- 40二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:24:13
HPダイスミス!
ラウダHP:dice1d20=6 (6)
チュチュHP:dice1d20=5 (5)
スレッタHP:dice1d20=17 (17)
エラン5号HP:dice1d20=13 (13)
- 41二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:40:25
このレスは削除されています
- 42二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 22:44:43
>>41(名前ミスってて流石に気になったので書き直します!!ごめんね)
「クソスペーシアンっ、あんたの相手はこのあーしだ!」
「……そうだね」
エランはぱちりと瞬きをする。そうしてすっと、無感動に、チュチュを見下ろした。
「君の相手は、僕だ」
そうして、チュチュの身体を思いっきり引き寄せた。チュチュは一瞬、目を見開く。しかしすぐに、目を閉じ、見開く。勝つ。__勝ちたい!
一方その頃。
「お前がッ……、お前のせいで全部おかしくなったんだ、わかっているのか、水星女!」
「何を言ってるんです!?そもそもすいせ~ってなんですか!?このメカぐるみワールドにはそんな地名ありませんよ!たぶん!!」
「そういう問題じゃない!!」
「そういうもんだいじゃないんですか!?!?」
一応『えっちな方法』を使った攻撃を押しているとは思えない子供じみた口論を繰り広げながら、かなりいい勝負を繰り広げていた。
スレッタ側の方がやや優勢ではあるが、ふとしたきっかけで戦況はラウダに傾きかねない。先に動くのはどちらか、緊張感が、周囲を満たしていた。
チュチュ→5号えっちな攻撃:dice1d10=7 (7)
(10が出たら5号撃破)
ラウダ→スレッタえっちな攻撃:dice1d10=7 (7)
(9以上でスレッタ撃破)
5号→チュチュえっちな攻撃:dice1d12=10 (10)
(8以上でチュチュ撃破)
スレッタ→ラウダえっちな攻撃:dice1d12=1 (1)
(7以上でラウダ撃破)
- 43二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 23:04:11
最初に地に膝をついたのは、チュチュだった。
「……あ、あ、あ、……?♡」
5号はチュチュの身体を抱きとめる。くちびるを拭うと、無表情に見下ろした。
__彼女は強かった。こちらも、うっかりしたらもっていかれそうなほどには。
5号はチュチュの傍に座り込み、ふわふわとした頭をそうっと撫でる。そうしてその耳に、小さく吹き込んだ。
「君のご主人は、今からうちのご主人にやられるんだよ。見てて」
スレッタのあしが、少し震える。
まだ、多少は余裕がある。だがこれ以上はまずいかもしれない。ラウダは無感動に、ただそうするのが最適解であるからという理由で、スレッタを嬲る。そこにはメカぐるみの機械的な、ある種冷徹な理性があった。
ラウダは横目で情報を確認する。この水星女、兄さんだけでなくチュアチュリーまで!いやチュチュをやったのは5号なのだが、そのことについてつっこめる人材はこの場には存在していなかった。
ぷは、と息継ぎをする。メカぐるみに呼吸の必要はなくとも。そうすることで、全身のファンを回し、熱を放出し、息を整える。
「__僕は、負けない」
ラウダ→スレッタえっちな攻撃:dice1d10=6 (6)
(2以上でスレッタ撃破)
5号→ラウダえっちな攻撃:dice1d12=1 (1)
スレッタ→ラウダえっちな攻撃:dice1d12=3 (3)
(6以上でラウダ撃破)
- 44二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 23:19:00
「……、あ、……?♡」
スレッタの身体が、くたりと倒れる。
ぼんやりとした表情で、中空を見やる。ラウダはゆっくりと息を吐いて、自分のくちびるをごしごしと拭いた。そうして、ゆらりと立ち上がる。
ステータス配分が『修羅』のジェターク。
噂には聞いていた5号は、ラウダに攻撃しようとその背に触れた手を恐怖に硬直させて、ひくりと肩を震わせて、「あー……」と白々しい声をあげる。そうして一瞬周囲にくるりと視線を巡らせてから、あちこちに視線を向け、最終的に少しだけ、俯いた。
「えっと、……見逃しては?」
「あなたは確かチュチュを倒していたよね?」
「くれないか~」
その手のヒートアックスが赤熱しはじめたあたりで、5号は抵抗を諦めた。
できれば自我周辺がしっかり残ればいいなあ、と願うほかなかった。
ラウダ→5号ハッキング(物理):dice1d10=10 (10)
(HPの関係上5号に勝ち目はないです)
~ラウダ/チュチュの辛勝~
「……あれ?スレッタ・マーキュリーが負けている」
「ほんとだ。彼女、負けることあるんだ……」
「まあそういうこともあるんじゃないですか」
「ね~」
そんなふうにして、四人が話していると。
__爆音がして、扉が蹴破られる。
「あそびにきたよ~、ノレア、おにーちゃんたち」
「すまない、シャディク」
そこには、ソフィとノレアが立っていた。
グエル:dice1d6=3 (3)
1、2、3:四号を連れて戦う
4:dice1d2=2 (2) (1:ノレア 2:シャディク)を連れて戦う
5:四人全員で戦う(二機倒れたらアウトなことは変わらず)
6:わんこそば形式で次々補給される(二機倒れたらアウトなことは変わらず)
- 45二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 23:33:17
「ソフィ!」
「サビーナ、どうして……!?」
壊された扉の破片をばりばりと踏みしめながら、ソフィは「なにって」と笑う。それから端末を操作して、先程の試合のダイジェストを出した。そこにはまごうことなく、『勝者:ラウダ・ニール(ディランザぐるみ)」と書かれている。
「これ!このままグエルが勝ちあがったらジェターク王国最終決戦になっちゃうよ!ジェターク王国民以外の誰が見るの!?」
「……それに、八百長がおきるかもしれない。ここは私たちに勝ちを譲ってもらうよ」
「ふざけるな!俺達を愚弄するのか!?」
「勝負は正々堂々行う。……それ以上でも、それ以下でもない」
グエルとエラン4号は、敵意もむきだしに二人を睨む。二人は何てことない様子で、「だからさあ」と言った。
「決闘、できめようよ!おにーちゃん」
__全員が全員に対して有効打を持っている、この状況。
行動順と心を保つ力がそのまま有利不利に直結する。なるほど、とグエルは呟いた。エランは少し困ったような顔をして、グエルを見る。グエルは表情を変えないまま、真っ直ぐにうなずいた。
グエルHP:dice1d20=19 (19)
エラン4号HP:dice1d20=4 (4)
ソフィHP:dice1d20=15 (15)
サビーナHP:dice1d20=15 (15)
行動順決定
グエル:dice1d20=6 (6)
エラン4号:dice1d20=16 (16)
ソフィ:dice1d20=18 (18)
サビーナ:dice1d20=9 (9)
奴隷行動指針
1:ご主人に攻撃する 2:奴隷に攻撃する
1:盾になる(ダメージ肩代わり) 2:相手を取り押さえる(ご主人のダメージダイスに+1)
エラン4号:dice1d2=1 (1) dice1d2=2 (2)
サビーナ:dice1d2=1 (1) dice1d2=1 (1)
- 46二次元好きの匿名さん23/04/30(日) 23:55:15
「じゃあこっちから行くよ?__パーメットスコア、3!」
「パーメットスコア3」
ソフィは酷薄な笑みを浮かべ、サビーナは無表情のままで。しかし同じように、その顔に、淡いパーメット痕を浮かぶ。後ろで観戦していたシャディクが、目を見開き、「サビーナ……」と小さく呟いた。
エランもまた、少し顔を顰めて、「パーメットスコア3」と呟く。スタンビットが、浮き上がる。あまり状況を理解していないグエルだけが、呆然としたようにしばらくあちこちを見回したあと、きっと顔を上げて、エランを見やった。
「エランっ、無理するな!危なくなったら離脱しろ!」
「誰がっ……!」
言いながらソフィを狙ったところで、エランの前に現れたのはサビーナだ。ぴくりとも変わらない表情に、紅い痣がある。エランは少しだけ、顔を顰める。
「君の相手は私だ」
「……そう。胸を借りる、よ!」
ブースターを使い、距離を取りながら撃つ。流石に相手は謎の改造を施されているらしいだけあって、硬い。だがそれは、こちらとて同じこと。エランはただ、
「ほらもっと、楽しませてよ、グエル!」
「っはは、やれるもんなら、な!」
__彼が何も知らないまま戦えるのなら、それでいい。
ソフィ→グエルパーメット攻撃:dice1d10=2 (2)
エラン→サビーナデータストーム:dice1d10=2 (2)
サビーナ→グエルパーメット攻撃:dice1d10=2 (2)
グエル→ソフィ近接攻撃:dice1d10=10 (10)
(ここまで生き残り、かつ3以上ならソフィ撃破)
- 47二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 00:08:10
「……あれ?コールバックが、」
「聞こえな、……!」
グエルのシールドビットが、ドローンの制御機能が、奪われる。なんとか首の皮一枚繋がって生き残ったが、このまま次の攻撃を耐えきれるかはかなり微妙なところだろう。そこでふと、顔を上げてみれば、ソフィとサビーナが、露骨に慌てている。グエルは唖然として、二人を見つめた。エランも一瞬不思議そうにしたあと、きっと顔を引き締め、迷わずサビーナの装甲を撃ち抜いた。
「っあ……!?」
サビーナの頬のパーメット痕が、一瞬、さらに色を濃くする。グエルもその悲鳴に、はっとして武器を握り直した。
「__俺は、負けんッ!」
「う、あああっ!?」
ソフィの腕が破壊される。もう戦闘は継続できないであろうことは、誰の目にも明らかだ。サビーナは「ソフィ!」と叫ぶ。そうして、一瞬息を吸って、吐く。銃を構え直す。
「……恨みは、しないよ。ただし、全力でやらせてもらう」
グエルはその言葉に、満足げに笑う。そうだ、そうだ。
「それでいい。だって」
ここはメカぐるみワールドで。
__これは、決闘だ。
エラン4号→サビーナデータストーム:dice1d10=5 (5)
サビーナ→グエルパーメット解放:dice1d10=3 (3)
(3以上ならグエル撃破)
グエル→サビーナ近接攻撃:dice1d10=10 (10)
- 48二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 00:19:18
「……あ……」
からだの主導権が、なくなる。
墜落する。
地に落ちていく。
エランは、頽れたグエルを、じっと見つめる。それから巨大なスナイパーライフルを取り出し、サビーナに向けた。
「__最後にきいていい?」
「意外だな。てっきり恨み言でも言われるかと思ったが」
「お互い様だ。これがメカぐるみワールドの節理なのだから。……それで」
エランはそこで、言葉を切る。そうして、サビーナの方を、じっと見つめた。
「何故、『それ』を受け容れた?」
サビーナは目を伏せる。
パーメット解放によるデータジャミングを、止める。そうして使い慣れたレーザーライフルを取り出すと、エランに向けた。
「さてね。君に教える義理はないよ」
「そう。残念だ、気になっていたから、最後にききたかったのだけども」
「最後?__私も、最後の攻勢くらいっ、させてもらう!」
「そうだね。結果のみが真実なら、最後に立っていた方が、勝者だ」
サビーナが顔を歪め、突撃する。
エランは一瞬どこか悲しそうな顔をした後、狙いを定め、気迫を込めて。
撃つ。
エラン→サビーナデータストーム:dice1d10=6 (6)
(2以上の場合サビーナ撃破)
サビーナ→エラン立体機動攻撃:dice1d10=1 (1)
(HPの都合上エラン4号に勝ち目はないです)
- 49二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 00:30:10
__ほんの、刹那の後。
立っていたのは、エランだった。
息を吸って、吐く。……ほんの少し何かが違えば、ああなっていたのはエランだった。エランは地面に倒れ、静かに涙をこぼして抱き合う二人を一瞥すると、未だに呆然とどこかを見つめているグエルを抱き起した。
「勝ったよ、グエル」
「怪我はないか、エラン……?」
「もちろん」
「……よかった」
グエルは再び、機能を停止する。
幸い、見たところ外傷はない。これなら次の戦闘にも問題はないだろう。そう、次の戦闘。__次は。
ランブルリング、決勝戦だ。
「うおおおおおーーーーッ燃えてきた!私グエル先輩応援する!!」
「じゃあ私ラウダ先輩!!!!」
「うっうわあああああ盛大に負けてるけど戦いぶりは立派だったぞ四号!!」
「シャディクよわよわじゃない?」
「め、メイジー……!」
「サビーナはかっこよかった」
決勝戦:グエル組vsラウダ組
決勝戦はdice1d4=3 (3)
1:初心に帰ってタイマン
2:それぞれ初戦で戦った相手を一緒に戦う
3:ラウダはdice1d3=1 (1) (1:チュチュ 2:スレッタ 3:五号)と、グエルはdice1d5=4 (4) (1:四号 2:ノレア 3:シャディク 4:ソフィ 5:サビーナ)と
4:わんこそば形式で次々補給される
- 50二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 00:34:19
~メカぐるみ強化タイム~
ソフィは負けているため本来補正は+1ですが
dice1d4=4 (4)
1:現実は甘くない。そのままである
2:+2として換算してもよい
3:グエルは四号を使ってもよい
4:ラウダはdice1d2=2 (2) (1:スレッタ 2:五号)に変更しなければならない
1:戦闘訓練(パーツ数) 2:システム強化(プログラミング) 3:えっちなこと(精神力)
グエル組:dice1d3=2 (2)
ラウダ組:dice1d3=1 (1)
- 51二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 00:46:14
「……決勝戦の相手はラウダか。なるほど……」
「知り合いなの?」
「血縁者だ。……警戒すべきはヒートアックスだな、熱でやられないようにある程度プログラムを強化しておくべきかもしれん」
メカぐるみの血ってなんだろう。プログラムを強化したところで熱を受けたら意味ないのでは。その対策間違ってない?
言おうと思ったが、やめておくことにした。
「さすが兄さん。勝ち進めば、決勝で会えると思っていた」
「わざと負けるの?」
「……そんなことしなくても、兄さんは勝つ。だけど僕だって負けたくはない」
ラウダは端末を握り、見下ろす。ダリルバルデぐるみの特性からして、近接攻撃で攻めてくることは想像に容易い。それならば、対策は一つだ。
「とにかく、物理方面を用意しようか。……エラン、使ったことはある?」
グエル・ジェターク
得意攻撃:近接特化(判定:パーツ数)、ビット自動操縦(判定:プログラム)、えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:12 プログラム:4 精神力:10
ソフィ・プロネ
得意攻撃:パーメット解放(判定:プログラム。1d12で判定)、なんかえっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:1 プログラム:13 精神力:5
ラウダ・ニール
得意攻撃:巨斧突撃(判定:パーツ数)、ハッキング(判定:プログラム)、えっちなやつ(判定:精神力)
パーツ数:6 プログラム:9 精神力:8
エラン(強化メカぐるみ五号)
得意攻撃:二丁拳銃(判定:パーツ数)、なんかえっちなやつ(判定:精神力。1d12)
パーツ数:8 プログラム:6 精神力:8 - 52二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 08:34:42
決勝戦にて。
ソフィは強化メカぐるみ5号を見ると、「あれあれあれ~?」とどこか嬉しそうな声をあげた。
「あんたもガンダムなんだ。スペーシアンのメカぐるみのくせに」
「ふふ。君だって、ソフィ・プロネというヒーローとして生きていられるくせにね?」
「……?よくわかんないけど、勝つのは私たちだから」
「こっちの台詞だよ」
二人がばちばちと言い合っている横で、グエルはふと、気づく。ラウダのシールドの枚数が増えている。明らかにグエルの攻撃を意識しての対策だ。
……勝つつもりで、来てくれたのだ。戦闘プログラムが刺激され、ぞくぞくと脳が震える。
「兄さん、シールドビットを自在に操れるようになったんだね?」
「ああ。俺だって、みすみす負けるつもりはない」
「こっちもだよ。負けたメカぐるみは勝ったメカぐるみの奴隷になる……だっけ?」
「……残念だ、お前と兄弟でいられるのも今日までとは」
ヒートアックスを両手に構えたラウダを見て、グエルは言う。ラウダはわざとらしく笑って、ビームジャベリンを握ったグエルを見た。
「本当にね」
グエルHP:dice1d20=3 (3)
ソフィHP:dice1d20=11 (11)
ラウダHP:dice1d20=18 (18)
エラン5号HP:dice1d20=2 (2)
行動順決め
グエル:dice1d20=12 (12)
ソフィ:dice1d20=18 (18)
ラウダ:dice1d20=4 (4)
エラン5号:dice1d20=5 (5)
奴隷行動指針
1:ご主人に攻撃する 2:奴隷に攻撃する
1:盾になる(ダメージ肩代わり) 2:相手を取り押さえる(ご主人のダメージダイスに+1)
ソフィ:dice1d2=1 (1) dice1d2=2 (2)
エラン5号:dice1d2=2 (2) dice1d2=1 (1)
- 53二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 09:30:17
「手加減する気はないよっ、パーメットスコア4!」
「ソフィ、あわせてくれ、よ!」
二人の連撃を、阻んだのはエランだ。ソフィとラウダの間に半ば割り込むようにして、そのデータストームを肩代わりする。
「はあ、が、あああ゛ッ……!?」
「物好きだねえ?それが痛いの、知ってるくせに」
「はあ、は、ハ……あ、いにく。勝つためには手段を選んでられないから、ね」
「ふうん、そう」
ソフィはパーメット痕に侵されたエラン5号を一瞥すると、斬り結んでいるグエルとラウダの方に視線を向けた。
レーザーとヒート武器がぶつかり合い、火花が散る。グエルはさらにもう一段出力をあげて、突っ込む。ラウダはほんの一瞬顔を顰めて、片足を引いてグエルの体勢を崩す。グエルは弾き飛ばされる勢いを使って、距離を取った。
「……さすがだね、兄さん」
「お前もやるな。だが、終わりだッ!」
そうして、再び、ぶつかり合う!
ソフィ→5号パーメット解放:dice1d10=6 (6)
(HPの関係上5号に勝ち目はありません)
グエル→ラウダ近接攻撃:dice1d10=6 (6)
ラウダ→グエルハッキング(物理):dice1d10=6 (6)
(HPの関係上グエルに勝ち目はありません)
- 54二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 20:58:44
メカぐるみスレ増えて嬉しい!保守!
- 55二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:27:03
派手にラウダの身体が、吹っ飛ぶ。
しかしそれは同時に、グエルの身体の主導権を完全に乗っ取ったことを、意味していた。
「あ、」とどこか調子の外れた声で呟きながら、うつろな瞳でぼんやりと浮いているグエルを見て、ラウダは一瞬、斧を下ろす。それからくるりと、ふりかえった。
エランはデータストームにやられたらしい。低い、甲高い、壊れたような悲鳴をあげながら、地に倒れ伏している。その横に立っていたのは、ソフィ・プロネだ。彼女は「どーするぅ?」と楽しそうな声を上げた。
「私のご主人はあんたの奴隷になっちゃったみたいだけど。私、どうすればいいかな?」
「……こういう感じになる場合は、想定されていなかった。まあ、とりあえず決着をつけてから考えればいいんじゃない?」
「さんせー!あんたとも、やりあいたいしね!」
「僕が勝つから、関係ない!」
パーメットスコア、6。
ソフィが叫びながら、ラウダに突撃する。ラウダは眉間に皺をよせて、紅く燃え上がる斧を構えた。
ソフィ→ラウダパーメット解放:dice1d12=3 (3)
(5以上でラウダ撃破)
ラウダ→ソフィ巨斧突撃:dice1d10=1 (1)
(6以上でラウダ撃破)
この戦闘でソフィが勝利した場合:dice1d4=2 (2)
1:順当にグエルの勝利という扱いになる
2:ラウダがグエルに勝っているのでラウダの勝利という扱いになる
3:一応グエルの勝利となるが、グエルはラウダの奴隷となる
4:もう逆に一周回ってソフィがホルダーになる
- 56二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:35:40
ソフィはとおくに飛んでいく自分の半身を見つめて、それから決闘委員会の判断を見て、一瞬、呆然とした。
「あは、そっかあ。じゃあこれに意味はないんだ」
ソフィは壊れたように笑って、ガトリングをラウダの頭に突き付ける。ラウダは真っ赤なパーメット痕を全身にたたえた5号と、ふよふよとあたりを漂うだけの機械に成り下がったグエルを順にみて、ふっとため息を吐く。
「……メカぐるみワールドには、最初からずっと、意味なんてなかったよ。だから僕たちは娯楽を求めて、争い、潰し合い、支配しあうんだ」
「そっか」
引き金を、引く。
ラウダのCPUに、凄まじい負荷がかかった。
ソフィパーメット解放:dice1d10=5 (5)
(HPの関係上ラウダに勝ち目はありません)
~ラウダ/5号の辛勝~
ランブルリングを勝ち抜き、見事第xx代ホルダーに選ばれたのは、ラウダ・ニール。彼こそがこのメカぐるみワールドにて、最も強いメカぐるみです!!
__たとえそこに、最早自我と呼べるものが残っていなかったとしても。
- 57二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:51:36
「……はいっ、これでプログラムの修復、できましたよ!」
「ありがとう、ペトラ」
ジェターク王国に帰ってきたラウダがまず行ったのは、プログラムの修復だった。
大量のデータストームとパーメットを受けたラウダのプログラムは、最早原型を留めていないレベルでぼろぼろになってしまっていた。バックアップがなければ即死だった。ペトラはほっと息をついて、ラウダのブレードアンテナを撫でる。
「ランブルリング優勝と、ホルダーの座。おめでとうございます、ラウダ先輩」
「ありがとう。……なんだか少し、複雑な気分だけど」
ラウダははにかんだ。そんな姿を見て、ふと。ペトラが、呟く。
「そういえば、グエル先輩の修理や、なんか新しくやってきたメカぐるみ……えっと、チュチュと、4号と、5号?でしたっけ。その整備は不要なんですか?特にグエル先輩と5号に関しては、かなりシステムぐちゃぐちゃで、自立思考関連全部壊れてましたけど」
「不要だよ」
「何故」
ラウダがぱちぱちと瞬きをした。
そうして、こてりと首を傾げる。
「何故、それをする必要があるの?」
__ここはメカぐるみワールド。
勝者は支配の快楽を。敗者は奴隷の快楽を。与える必要はあれど、反逆の目となる『それ』を与える必要はない。
ペトラもすぐに「そうですね!」と頷いた。ラウダが立ち上がる。そうして、巨大な斧を手に取った。
ラウダはラウダの奴隷たちに、支配される悦びを教えねばならない。何故ならそれが、メカぐるみワールドの摂理だから。
微笑み、くるりと回る。ジェターク王国は、もう日暮れ時となる。どす黒い雲に覆われた空から、微かに月光がさした、ような気がした。 - 58二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:58:24
第xxx回メカぐるみランブルリング 結果発表
優勝:ラウダ・ニール
congratulation!
ほかの参加者の状況
スレッタ・マーキュリー:快楽堕ち
チュアチュリー・パンランチ:快楽堕ち
グエル・ジェターク:プログラム乗っ取られ&自我崩壊
4号:だいたい無傷
5号:げきつよデータストーム&自我崩壊
シャディク・ゼネリ:快楽堕ち(乳首)
サビーナ・ファルディン:データストーム
ソフィ・プロネ:半壊
ノレア・デュノク:全損
Next→dice1d3=2 (2)
1:全員換装して第2回を開催?
2:全員換装しないで第2回を開催?
3:全員換装して『dice1d8=7 (7) が歩く!メカぐるみワールド』を開催?
4:全員換装しないで『dice1d8=2 (2) が歩く!メカぐるみワールド』を開催?