「特賞!温泉旅行券!」セイウンスカイ「!」

  • 1二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:52:36

    セイウンスカイ「それ、2人1組の凄く良いやつですよ!やりましたねトレーナーさん!」
    「へぇ、そうなのか。良かったな!…よし、明日からまたトレーニング頑張れるな?」
    セイ「モチですよモチ!いや〜流石はセイちゃんのトレーナーですよ」

     そうだ。この温泉旅行券は、スカイのために当てた貴重な1枚だ。

    セイ「いや〜、今から楽しみすぎてドキドキが止まりませんよ〜」

     せっかくの温泉旅行。スカイにとって充実したものにさせたい。となると…

    「なら、ニシノフラワーと一緒に行ってきたらどうだ?」
    セイ「…へ?」

     セイウンスカイと仲のいい友だち。そう思ったら頭より先に口で提案していた。
     思い出すのは、クラシック級になったばかりの正月。スカイをトレーナー室まで連れてきてくれた可憐な少女、ニシノフラワー。最近フラワーと話せていない、とスカイが愚痴をこぼしていたので丁度いい機会だろう。
     黄金世代組の仲間たちも考えたが、5人というスタンスを崩すのは良くないと思った。

    セイ「えーっとトレーナーさん?もしかして温泉…お嫌いで?」
    「いやいや、俺も温泉旅行は好きだよ。でもこの旅行はスカイの旅行だろ?たまには仲のいい友だちと、羽目を外して楽しんできて欲しいんだ」
    セイ「…あー、なるほどなるほど。けど、いいのトレーナーさん?こんなチャンス捨てるなんて勿体なくない?」
    「確かに勿体ないかもな。でもここだけの話、スカイのおかげで給料上がってるんだ。その分を使えば全然行けるさ」

     これは本当だ。実際、スカイが見せてくれた菊花賞の大逃げは今も話題にもちきりだ。相対的に俺への評価も変わっていった。
     だからこそ…

    「そのお礼って意味も兼ねてるんだ、ゆっくり楽しんでこい!向こうのトレーナーの予定は聞いておくよ」
    セイ「…はーい」

  • 2二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:53:24

    クソボケなんてレベルではない人間の屑だ

  • 3二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:53:30

    このクソボケーェ!

  • 4二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:01

    スカイと行けやアホンダラ

  • 5二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:12
  • 6二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:22

    バッドコミュニケーション
    担当の意見を聞かないとはなんと身勝手なトレーナーか
    エル腹を切りなさい

  • 7二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:34

    正しさが必ずしも人を救うわけでは無いという残酷な事実

  • 8二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:40
  • 9二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:44

    >>6

    ケ!?!?

  • 10二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:54:46

    スレ画も心なしかスン……って表情に見える……

  • 11二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:55:33

    >>1

     願わくば、くらいの気持ちだった。でも。



       カランカラン!!



    ーー祝福は、予想だけを裏切った。


    「!」


     温泉に行ける…誘える!


    「それ、2人1組の凄く良いやつですよ!やりましたねトレーナーさん!」

    トレ「へぇ、そうなのか…良かったな。よし、明日からまたトレーニング頑張れるな?」

    「モチですよモチ!いや〜流石はセイちゃんのトレーナーですよ」


     ご機嫌をとる。今は心から嬉しい。その昂りさえも、追い風にして。


    「いや〜、今から楽しみすぎてドキドキが止まりませんよ〜」


     そう、トレーナーと。誰よりも、優しいトレーナーと、2人でーー。


    トレ「なら、ニシノフラワーと一緒に行ってきたらどうだ?」

    「…へ?」

  • 12二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:56:38

    >>11

     …へ?

     なんでそこでフラワーの名前が。なんでそんなに他人事のような。喜んでくれてるのに、喜んでいない。

     確かにフラワーのことは…ぶっちゃけ、好きですけど、それとこれとは別だ。そこじゃない。

     引っかかったのは、まるで"自分は関係がない"ような、口ぶり。


    「えーっとトレーナーさん?もしかして温泉…お嫌いで?」


     そうだ。熱いお湯が苦手なのかもしれない。それならーー。


    トレ「いやいや、俺も温泉旅行は好きだよ。でもこの旅行はスカイの旅行だろ?」

    (…違うじゃん、違うじゃん。)

    トレ「たまには仲のいい友だちと、羽目を外して楽しんできて欲しいんだ」

    (そうじゃ、ないんだって。)

  • 13二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:57:38

    >>12

    「…あー、なるほどなるほど。けど、いいのトレーナーさん?こんなチャンス捨てるなんて勿体なくない?」


     曲がれ。折れろ。こっちへ、倒れてくれ。


    トレ「ーー確かに、勿体ないかもな。」


    ーー!かかっ…


    トレ「ーーでもここだけの話、スカイのおかげで給料上がってるんだ。その分を使えば全然行けるさ」


     …いや、今なら言える!


           なら、一緒に行こ…


    トレ「そのお礼って意味も兼ねてるんだ、ゆっくり楽しんでこい!向こうのトレーナーの予定は聞いておくよ」


     ーー優しすぎるトレーナーさんは、無慈悲な程に、優しかった。そんな眩しさに私は、


    「…はーい」


     頷くしかなかった。

  • 14二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 18:59:32

    はぁー(クソデカため息

  • 15二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:00:25

    (ほんとは自分も行きたかったけど…いくらトレーナーと担当ウマ娘とはいえ未成年の学生と大人だ。倫理的にもマズイだろう、仕方がない)

  • 16二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:00:28

    このレスは削除されています

  • 17二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:01:02

    スカイ
    ウマ娘には時にウマ娘パワーを行使すべきときがくるんだ

  • 18二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:01:08

    あんまりクソボケだとデジたん呼びたくなる
    あんまり乱発するとあれだからやらんが

  • 19二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:02:04

    >>13

    言葉巧みに針には食いつかせた

    ここで差せてればな……

  • 20二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:02:10

    ニシノフラワーも殴るレベル

  • 21二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:02:51

    いやでもトレーナーは常識的な範囲で仕事しているだけだし…

  • 22二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:02:59

    くそっ!じれってーな、俺やらしい雰囲気にしてきます!!

  • 23二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:03:12

    でえじょうぶだスカイにはフラワーも黄金世代もついている

  • 24二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:04:18

    気ぶりフラワー「抱け!抱け!抱け!」

  • 25二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:04:46

    ニシノフラワー、巧みに立ち回りセイトレにチケットを譲渡する

  • 26二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:05:41

    フラワートレーナー「この…バカ野郎!!!」

  • 27二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:06:02

    カレンチャンのクリスマスイベを見習え

  • 28二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:06:48

    俺はニシノフラワーのトレーナー
    フラワーとよく話し合ってお断りさせていただくことにした
    温泉にはお前が行くんだよ 行け(豹変)

  • 29二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:07:40

    ニシノ「このクソボケーッ!」

  • 30二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:10:40

    スカイが同期とフラワーにこの事話してキレられるトレーナーが見てェ

  • 31二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:12:23

    >>19

    掛かった所で引かなかったら釣れないんだよな…

  • 32二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:13:52

    スカイのおかげで給料が上がってるから安心してくれ!
    俺はスカイのおかげで上がった給料で自分で行けるからスカイはスカイのおかげで上がった俺の給料の心配なんかせずに羽伸ばして満喫してこいよ!

  • 33二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:15:32

    実際中学生の教え子と2人で温泉旅行に行くのはアウトなのがまぁ…

  • 34二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:17:33

    流石のクソザコ呼ばわりされまくってるセイちゃんもこうなったら普通にトレーナー刺そうと思う

  • 35二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:24:05

    >>33

    温泉行く頃には高校生なのでセーフかもしれない

  • 36二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:29:49

    >>13


     …旅行券の期限は、来年の4月いっぱい。順当に行けばURAが終わったあたりで、まとまった休みをあげられるだろう。


    「…あ、もしもし先輩、お疲れ様です。今お時間大丈夫ですかね?」

    フラトレ「おぉ、お疲れ。いいけど、どうした?」

    「今先輩が担当してる、ニシノフラワーのスケジュールってどうなってますかね?かなり後になるんですけど、まとまった休みでスカイと旅行に行かせてあげたくて…」

    フラトレ「セイウンスカイか!ウチのフラワーがいつも世話になってるよ。んー、ちょっと待てよ…そこの時期は…うん、特にレースも入ってないし、いいんじゃないか?一度フラワーにも聞いてみるけど」

    「ありがとうございます、いやー、くじ引きで温泉の旅行券が当たったから誰かと行かせてあげたいなーって思ってたんですよ」


     よし。とりあえずOKはもらえた。あとはーー。


    フラトレ「でも、いいのか?」

  • 37二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:30:52

    >>36

    「え?」

    フラトレ「いやさ、お前の担当は、お前と一緒に旅行に行きたいんじゃねぇのかなって、ちょっと思ったんだけど…」

    「いやいや、それならスカイはちゃんと言ってくれますよ。サボったり怠けたりはしょっちゅうですけど…」


     困った存在ではある。それでもーー


    「嘘はつかない子ですよ。多分、大丈夫です。」

    フラトレ「そうか?ならいいんだが…もう一度本人と確認しとけよ。大人だけで舞い上がらないようにな」

    「!」

    フラトレ「それと…ん?あ、今行きます。スマン、切るわ。じゃ。」ツー、ツー


     …確かに、こちらの気持ちが先行しすぎていたかもしれない。本当は、違う人を誘いたかったのかもしれない。

     歳下の面倒見もよくて、いつでも頼れるあの先輩がそう言っているんだ。そうなのかも、しれない。

     明日、スカイにもう一度聞いてみよう。

  • 38二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:30:58

    ボケがぁ!

  • 39二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:33:30

    このレスは削除されています

  • 40二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:33:58
  • 41二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:33:59

    まだクソボケ

  • 42二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:34:45

    >>37

    >本当は、違う人を誘いたかったのかもしれない。

    お前じゃい!

  • 43二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:36:52

    >>32

    女性同僚との下見には自腹で同行するんですね。わかります

  • 44二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:37:01

    セイトレ君さぁ…

  • 45二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:37:21

    >>40

    尊敬してる先輩がこんな真性のロリコンだとはセイトレも思ってないだろうな…

  • 46二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:38:16

    でも担当してる中学生の娘が仲良いとはいえ担当トレーナーと一緒に旅行行きたいと思うとは普通思わないのでは?
    ボブは訝しんだ

  • 47二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:39:31
  • 48二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 19:42:28

    未成年に手を出さなないのは当たりm…

  • 49二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:12:57

    >>37


     次の日のトレーニング終わり。昨日のくじ引きで温泉旅行券を当てて喜んでたにしては、スカイの身体には力が入っていないように見える。やはり、先輩の言う通りだったのかもしれない…そこでーー。


    「スカイ、この後着替え終わったらトレーナー室に来てくれないか。昨日の券のことで話が…」

    セイ「!…はーい」


     スカイはいつもの軽口返事とともに、練習場から離れていった。


    (まずは謝ろう…そして、ちゃんと聞こう。スカイなら、ハッキリ言ってくれる。)



     後片付けを済ませ、急いでトレーナー室に戻ると、そこには既に制服姿に着替え終わったスカイがソファで座り込んでいた。


    「スカイ…」

    セイ「券のこと…でしたっけー?」

  • 50二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:14:35

    >>49

    「あぁ。まずはその…ゴメン。」

    セイ「…ごめんって、何がです?トレーナーさん、何か、悪いことでもしたんですかー?」


     スカイの声が少し固まっている。俺がしっかり伝えなければ。


    「昨日、スカイの意見も聞かないで勝手に色々進めちゃってさ…スカイの口から直接『誰と行きたい』って、聞いてなかったなって」

    セイ「あー、それはもう別に…」

    「だから教えてくれ。本当に一緒に旅行に行きたい相手を」

    セイ「ッ!」


     スカイの耳としっぽが、ほんの一瞬だけツン立った。やはり本人も少し諦めかけていたのかもしれない。


    「この旅行はスカイの旅行だ。俺に提案する権利なんてない。全て君が決めていいんだ…何時、誰と、何をしに行くのか、全て」

    セイ「…トレーナーさん、私…」


     スカイの肩が、小さく震える。顔をふせ、目を逸らす。トレーニング疲れからか、手には汗がひどく溜まっていた。…すると。


    セイ「いーんですよ、気にしなくて。セイちゃんのために色々考えてくれてたんでしょ?」


     こちらを向いて、いつもの明るい笑顔を見せた。


    セイ「いやいや、今までトレーナーさんに全身ゆだねたからここまで来れたわけで。で、これから先もトレーナーさんに頼りきっちゃおーって思ってたとこなんで。」


    セイ「だから、いーんですよ。…色々、おまかせしちゃいますね〜」


     そう言い残して、部屋を去ってしまった。

     スカイの座っていたソファの跡は、今も湿っていた。

  • 51二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:15:42

    この…ッ!クソボケがァーッ!!!

  • 52二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:16:22

    クソボケすぎてイライラしてきた

  • 53二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:16:49

    抱けーっ!!抱けーっ!!

  • 54二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:17:05

    男が主導しねぇかこンのクソボケがぁぁぁー!

  • 55二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:18:21

    この学園トレーナーガチャの差が激しすぎるよ…

  • 56二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:19:34

    クソボケvsクソボケ

  • 57二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:23:49

    黙って俺と一緒に来いっていやぁいいんだよ!

  • 58二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:24:16

    そこで攻めないスカイも悪い

  • 59二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:31:48

    これにはフラワーもイライラ

  • 60二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:32:19
  • 61二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 20:35:05

    多分このときスカイは温泉で仕留める計画立ててそうだな…

  • 62二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:08:02

    しかしフラウンス派にとっては特に気を回すフラワーは存在しないしウンスはフラワーと行けば良いよ。

  • 63二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:50:36

    >>50

     ーーばか。ばかだ。私も、トレーナーも。「一緒に行こう」、その一言で解決するのに。


    (…何がトリックスターだよ)


     体操服の上から直接来た制服は、汗がこもってゴワゴワする。暗くなった学園を、一人寮に向かって歩…

    ???「お゙疲゙れ゙様゙で゙じだ!゙!゙!゙バクシーーーーーーン!!!!!」

    「!?」


     闇の向こうからいきなり、大きな声がした。アレは言わずもがなバクシン先輩の声だ。その声に応えるウマ娘は…


    ニシノフラワー「はい、また明日よろしくお願いします!」


    (あ…フラワー。)


     よりによってこのタイミングで、一番会いにくい人物がいた。気付かれないようにそーっと振り向こうとすると、


    フラ「あ、スカイさん!こんばんは。」


    とこっちへ近づいてきた。


    「…やぁやぁフラワー。トレーニング終わり?」

    フラ「いえ、明日タイキ先輩がバーベキューをするとのことで、バクシンオーさんと一緒にその準備を手伝ってたらこんな時間に…」

    「そうだったんだ、フラワーは優しいねぇ。もう暗いし、気をつけてね〜。」


     なるべく手短にことを済ませてその場を立ち去ろうとすると。


    フラ「スカイさん!少し、いいですか…?」

    「…どしたの、フラワー?」

  • 64二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:51:37

    >>63

     …引き止められてしまい、思わず返事をしてしまった。


    フラ「あの、スカイさん…私のトレーナーさんから、お話を聞きました。温泉旅行について。」

    「…そっか。それで、フラワーは…一緒に来る?」

    フラ「そうじゃないんです。なんで、スカイさんはトレーナーさんを誘わないんですか?」

    「!!」


     フラワーに、言われてしまった。言わせてしまった。フラワーのトレーナー曰く『セイウンスカイは多分、今まで世話になったトレーナーを誘ってあげたいんじゃないかな』とのことだったらしい。フラワーの目から見ても、私がトレーナーに想いを抱いていることは一目瞭然のようだった。


    フラ「だから、スカイさんに会ったら言わなきゃって思ったんです。トレーナーさんを誘ってあげてくださいって。」

    「…いや〜、そうなんだけどさ。それより、フラワーはどうなの?温泉…」

    フラ「すりかえないでくださいっ!」

    「…っ」

    フラ「私、知ってるんです。スカイさんがとっても優しいこと。それを、自分からは素直に出さないことも。」

    「……」

    フラ「だから、トレーナーさんを誘うのが怖くなっちゃったんだと思います。ありがとうって伝えるのが。」


     …やっぱりフラワーは人のことをよく見てる。その通りだよ、フラワー。でも…

  • 65二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:52:18

    >>64

    「…うちのトレーナー、会ったことあるでしょ?凄く、優しい人なんだ。…凄く。」


    「こんな私にもずっと合わせてくれてさ、そうそういないよあんな人。だから、誘えないんだ。」


     フラワーは黙って話を聞いてくれている。


    「多分、私が誘えばあの人はなんでもイエスって言ってくれるよ。本当に、なんでも。」


    「でも、それってなんか『言わせてる』っぽくて嫌なんだ。」


     フラワーは、目を離さずにこちらを見続ける。そんなフラワーを、私は直視できそうにない。


    「本当に優しい人だし、本当に凄い人だからさ、私のワガママに付き合わせちゃうのも、良くないかなって…」

    フラ「それなら、尚更誘わなきゃダメですっ!!」

  • 66二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:52:51

    >>65

    「!!…フラワー。」

    フラ「そんなにいい人なら、温泉でも遊園地でも、連れて行ってあげないとダメです!」


     …確かにそれもそうだ。今までどこか、自分がトレーナーのお荷物になってると思い込んでいた。

     でもお荷物ならお荷物で、あの人を労わなければいけない。その為の温泉旅行だ。とはいえーー。


    フラ「まだ閉門まで時間はあります!行きますよスカイさん!」

    「え、ちょっ、フラワー!?待っ…」


     フラワーが私の腕を掴み、トレーナー室へと引っ張っていった。

     いつでも簡単に振り払える、小さく幼い手。でも、この手を振り払ってしまえるほど、私は強くはなれなかった。


     ーークラシック級になったばかりの1月。新たな挑戦へのやる気と恐怖に挟まれて逃げ出そうとした時も、こんな風にトレーナー室へ連れてかれてたっけ。

     あれから1年以上も経つのに、またフラワーに助けられてる。

     ちっとも成長出来てないんだな、私は。

  • 67二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:54:37

    サンキューフラワー

  • 68二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 21:59:40

    ふーん、ふーん…ふーん

  • 69二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:00:55

    ナイスフラワー

  • 70二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:06:27

    ニシノ神…

  • 71二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:09:45

    これは気ぶりフラワー

  • 72二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:48:01

    >>66

     あの後俺は、スカイの真意も分からないまま明日のトレーニングメニューを組み立て続けている。

    (明日の降水確率は30%…屋内のメニューも考えておかないとな)


     ーー少なくとも、あの時のスカイは本音じゃなかった。本当に言いたいことがあったから、スカイはあんなに早く着替えてトレーナー室にいたんだ。それならちゃんと聞き出さなきゃ…


    ………あ。


    ーー(まずは謝ろう…そして、ちゃんと聞こう。スカイなら、ハッキリ言ってくれる。)ーー


     さっきと、同じじゃないか。『ちゃんと』聞いたところで、それはこちらの押しつけでしかない…それをさっき痛感したんじゃなかったのか。

     誰かに寄り添うフリをして、自分の意思を他人に流しているだけじゃないか。

     …何が黄金世代のトレーナーだ。何も成長してないじゃないか。強いウマ娘に、ただあやかってただけじゃないか。

     急に胸が苦しくなった。自分がスカイのトレーナーであることが、不甲斐なく感じた。もういっそ…


    フラ「あの!失礼します!」

    セイ「ちょっと、フラワー…」

  • 73二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:48:45

    >>72

     すごい勢いでトレーナー室に入ってきたのはニシノフラワー。そして、彼女に引っ張られる担当ウマ娘、セイウンスカイ。


    セイ「フッ、フラワ〜…」

    フラ「手伝いませんよ、スカイさん。自分の言葉で言ってください!」

    セイ「うぅー…手厳しい…」


     ニシノフラワーに背中を押されたスカイが、そのままこっちへ来る。


    「…スカイ」

    セイ「あのー、トレーナーさん…その、ですね」

    「…うん」

    セイ「温泉旅行の…ことなんだけどさ、」

    「……あぁ」

    セイ「……………………」

    「……」


    いつもなら、『ゆっくりでいいぞ』と言う所をグッと堪える。心からのスカイの言葉を、待つ。


    セイ「〜〜〜っ、あの!!」

    「なんだ?」

    セイ「トレーナーさんに、今までのお礼がしたいのでそのっ!一緒に温泉旅行に行きませしゅか!!」



    セイトレ・フラ((噛んだ…!))

    セイ(噛んだ…っ)

  • 74二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:49:19

    >>73



    「…っ、あはははは。」

    フラ「ふふふふっ…スカイさん…っ!」

    セイ「ちょ、ちょっと、笑わないでもらえます〜!?セイちゃんめちゃくちゃ必死だったんですけどー!?トレーナーさんもさぁ!!ねぇ!!フラワアア!!」


     張り詰めていたトレーナー室に、突然笑いがこだまする。腹を抱える2人を、顔を真っ赤にしながら怒るスカイ。

     緊張の糸が切れたみたいに、俺とスカイの目には涙が浮かんでいた。


    「あっはは、ごめんごめん…そっか、そっか。ありがとな、スカイ。」

    セイ「…いいですよー、別にぃ。」


     笑われたことに怒ってるのか、少しツンとしたセイウンスカイ。だけど、さっきみたいな固さは、もうない。


    「俺の方こそ、スカイのこと…考えてるようで何も考えてなかった。スカイの為と思ってやってきたことも…スカイを縛り付けてたのかもしれない。」

    セイ「トレーナーさん…」

    「でも、良かった。」

    セイ「…え?」

  • 75二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:50:00

    >>74

    「だって言ってくれただろ?『今までのお礼がしたい』って。スカイにそう思ってもらえてるって分かって、ちょっと安心したよ」

    セイ「…それはさっきも言ったじゃないですか。トレーナーさんにゆだねたからここまで来れたって。」

    「これからも、トレーナーでいても、いいか?」

    セイ「勿論ですよ、トレーナーさん。ただし、今年度はセイちゃん税を倍額請求しますけど。」

    「なんだよ、それ」


     いつものスカイと、いつもの言い合いに戻った。本音をぶつけ合って、お互い心の荷が降りたようだった。

     さて、お礼を言わなくちゃいけない。


    「ニシノフラワーも、こんな時間にわざわざありがとうな。…ニシノフラワー?」

    フラ「〜〜っ!ごめんなさい、さっきのが、まだツボに入ってて…っ」

    セイ「フ〜ラ〜ワ〜ァ〜?」

  • 76二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:50:32

    >>75

     そして、笑いの止まらないニシノフラワーをなだめた後、2人でニシノフラワーを栗東寮まで送っていった。

     スカイを美浦寮に送っていく時、スカイの方から提案があった。


    セイ「トレーナー、明日タイキ先輩主催のバーベキューがあるんだって。せっかくだし、一緒に参加しない?」

    「天春前だけど…そうだな!明日はいっぱい肉を食おう!」

    セイ「いぇーい!トレーナーさん、太っ腹〜♪」

    「ただし、明後日は厳しくいくからな!」

    セイ「えぇー!?トレーナーさんの鬼ー!悪魔ー!重労働はんたーい!!」


    セイウンスカイとの間に、

    かけがえのない絆を感じたひとときだった……。fin.

  • 77二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:51:22

    ~HAPPY END~

  • 78二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:53:43

    素晴らしかったです

  • 79二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:54:33

    ちゃんと言えたじゃねぇか

  • 80二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:54:57

    良かった。ちゃんと言えた

  • 81二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:55:20

    やはり一時の曇らせの後の晴れ模様は素晴らしい…

  • 82二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:57:20

    >>76

    (あとがき)

    初めてまともに書いたSSですが、どうでしたでしょうか。

    『優しさのすれ違い』というシチュエーションは現実でもよくある話題のため、私の性癖にはよくあっていました。

    また、ウマ娘に入ったそもそものきっかけがフラウンスだったため、トレウンスと両立させながら書こうとするとフラワー贔屓しがちで調節が難しかったです。

    クソボケトレーナーとクソザコウンス、末永く幸せでいて欲しいものです。フラワーも。

  • 83二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 22:57:36

    これは正にセイテンスカイ

  • 84二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 23:00:20

    これが内助の功、ってコト!?

  • 85二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 23:03:20

    まさに今日の京都競馬場の上空と同じ青空!
    京都の競馬場、今日は青空だ!

  • 86二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 23:22:26

    >>33

    リアルで行ってる奴らもいるからへーきへーき🤗

  • 87二次元好きの匿名さん21/08/26(木) 23:23:48

    このスレはヒグチタイシンによって監視されています

  • 88二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 02:04:30

    これでフラトレがロリコンじゃなかったら満点だった
    でもファインプレーしたのでヨシ!

  • 89二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 09:25:20

    ハッピーエンドで良かった

  • 90二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:12:44

    >>76

    (おまけ)

     次の日。昨日の天気予報は外れて快晴。タイキシャトル主催のバーベキュー大会は無事に開かれた。

     そこではーー。



    「スペちゃん、そんなに沢山お肉を取ったら…」

    「スズカさんといえどあげませんよ!これは私の肉なので!」

    「欲しいとは一言も言ってないわ…寧ろ減らして…」


    「おいタキオン!!おめェ今オレの肉に何かけた!?」

    「何って…見ての通り、体内の分泌作用を3000倍にまで引き上げる、ただのふりかけだよシャカールくん?」

    「そんなふりかけは存在しねェよ!」

    「アフゥン…尊みだけで死ねる…ぐふっ」

    「なんでコイツは何もないとこで死んでンだ!!」


    「はいオグリちゃん、またまた沢山焼けましたよ〜」

    「クリーク、ホンマ作りすぎとちゃうか…?さっきまであんなに食うてたし、流石のオグリも…」

    「…む、ありがとうクリーク。ちょうどお腹もすき始めてきた頃だ」

    「なんで食ってから腹減んねん!どないなってんねやアンタん腹は!」


    「…ブライアン、ちゃんと野菜も食べろ。タイシンはもっと肉を摂れ、それにチケットも…」

    「今日くらい別に良いだろう姉貴…」

    「ちゃんと食べてるっての。ペースってのがあんの。」

    「ハヤヒデー、頭に火ぃ付いてるよ!デッカイ煙!」

    「なっ、私の頭はデカくなど…って!それなら、早く火を消してくれチケット!!」

  • 91二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:13:36

    >>90

    「…食前方丈、酒池肉林。生徒たちの喜ぶ顔が見れるのは、実に喜ばしいな。…ん?」

    「はい、カイチョー!お肉の焼き立てあーげる!」

    「テイオー…なら、有難く頂くとするよ。…うん、絶妙な火加減だ。とても美味いぞ。」

    「えへへー、カイチョーに褒められたー♪まだまだ、たーっくさん作るからね!」



     それぞれの者たちが、それぞれの楽しみ方をしている。その中に俺たちもいた。


    「はい、スカイさん。どうぞ♪」

    「おぉー、サンキューフラワー。お返しに、この焼き貝をあげよう〜」

    「いいんですか!ありがとうございます!」

    「いいのいいの。……昨日はありがとね。おかげさまでゆっくり話せたし。」

    「なら良かったです。今度はもう、一人で抱え込まないでくださいね。」

    「うん。ありがと。じゃ、いただきまーす…あちち。」

    「あぁっ、ふーってしてから食べないと熱いですよ!」


    「…先輩、先日はありがとうございました。スカイのこと。」

    「あぁ、気にすんな。お前は優しいが、優しすぎる所があるからな。それで?どうなったんだ、あの後。」

    「はい、スカイと一緒に行くことになりました。旅行の準備とか諸々、押し付ける気満々みたいですけど…」

    「あっはは。それくらいがいいんじゃないか?変に気を遣わないで、お互いありのままでいるのが一番だからな」

    「…ですね。あ、先輩肉!焦げてる焦げてる!」

    「あーあー、ヤバイヤバイヤバイヤバイ…」


     まだ少し肌寒い、晴天の青空。春に向けて少しづつ、風向きは変わり始めていた。


    (ほんとにおわり)

  • 92二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:22:46

    クソボケが~!

  • 93二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:47:48

    ※フラトレは毎月コミックLOを読んでフラワーで致しているロリコン

  • 94二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:48:39

    クソザコとクソボケが少しずつ歩み寄っていくから尊いんだ 絆が深まるんだ

  • 95二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:48:50

    >>93

    このSSの唯一にして最大の汚点すぎる…

  • 96二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 14:57:49

    >>76の時点で自分からバーベキューに誘えるようになってるのいいよね…

  • 97二次元好きの匿名さん21/08/27(金) 15:43:56

    やはりハピエン
    ハピエンは脳に優しい

オススメ

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