【SS】乾くことなく濡れそぼつ

  • 1◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:12:21

     最初に会ったのは、あの人が中等部の時。私が途中で編入ということで一人部屋だったところに入れてもらった。
     それが、私ことカレンチャンとアドマイヤベガの出会いだった。

     あの人の第一印象は、素っ気ない人だった。二人部屋を一人で使えていたんだから、伸び伸びと過ごせていたことだろう。
     そこに私がお邪魔することになったんだから、迷惑に思っていたかもしれない。

     ただ、あの人は表向きは何の素振りも見せなかった。厭う様子も怒った様子もなくて、静かに自己紹介してくれた。

    『アドマイヤベガ。よろしく』

     本当にそれだけで終わった。え? 学年は? 得意な距離は? 最初から仲良くとは言わないけれど、もう少し何かあってもいいと思う。
     だから、私はあの人の分までと意気込んでお話ししようとした。いつでもどこでも"カワイイ"を。それが私だから。

  • 2◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:12:54

    『カレンチャンです! 途中なんですけど中等部に編入して、得意なのは短距離で、あ、あとウマスタもやってて~……』

     数分程話しただろうか。相手から何も反応がないことに気付いたので、顔をよく見てみた。
     今となっては珍しいことに、あの人は目を大きくして瞬かせていた。ぱちくり、というような感じで。
     私はどうしたのかなと話すのをやめて。あっちも何も話さないで。そんな沈黙が少し流れた後に、あの人は小首を傾げてこう言った。

    『……宇宙人?』
    『カレンチャンです! カレンのカワイさは宇宙でも通用する自信はありますけど、えーと、アドマイヤさん? ベガさん? と同じウマ娘です!』

     こんな反応が返ってきたのは初めてだった。今まで会った人たちはカワイイって言ってくれたり、カワイイについてお話しして分かってくれたのに。
     思わず普段のカワイイが剥がれちゃった。これはカワイくないなぁと思っていたら、

    『アヤベで構わないわ。みんなそう呼ぶから』

     小さく微笑みながら愛称を教えてくれた。私も、カレンって呼んでください、ってお願いして。素っ気ない人は、話すとそれだけじゃない人だった。

  • 3◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:13:27

     それからは、いい関係を作れていたと思う。私がべたーってくっつこうとすると押しのけられるけれど、たまに許してくれて。
     ウマスタにあげようとする写真は駄目だって言われたけれど、プライベート用なら一緒に写ってくれて。
     歳はほんの少ししか離れていないのに、アヤベさんはお姉さんって感じだった。

    『カレンさん。これ、あげるわ』
    『わっ、アヤベさんからプレゼント。嬉しいっ! これ、タオルですか?』
    『ええ。ふわふわでしょう?』

     ある時、プレゼントをもらったことがある。柔らかいものが好きだということは一緒にいるとすぐに分かった。

    『ほんとですねぇ。いまば……? 有名なんですか?』
    『なかなかのものね。トレーニングの後の不快感も少なくなると思う』
    『カレン、今すぐにお返し出来るものが……』
    『……私も使いたいと思っていたから、ついでよ。気にすることないわ』

     アヤベさんはそっぽを向いていたけれど、下手な言い訳だった。ちゃんとお礼を言って、きちんとお返しもした。

  • 4◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:13:58

    『ええーっ!? お星さまっていつでも見れるんじゃないんですか?』
    『何を言っているの。地球は回っているのだから、見れる範囲には限りがあるわ。授業でも習ったでしょう?』
    『でもでもぉ、ちゃんとそこにいるじゃないですか。きらきらーって輝いていて』
    『そうね。私たちが見れないだけで煌きは変わらない。ほら、今の時期だとあそこ。こと座よ』
    『あ、知ってます。織姫様だ!』

     夜、眠れない時は二人で夜ふかしをした。寝不足は走ることに影響するし、カワイくいるためにも良くない。
     でも、そんないけないことはやめられなくて、アヤベさんは決まって星のことを教えてくれた。

    『星座だから複数の星で構成されていて、ベガと……』
    『ベガ? アヤベさんと同じ!』
    『……偶然よ。それで』
    『アヤベさんだったら織姫様似合うと思うなぁ。ね、ね! 絶対カワイイですって!』
    『……いやよ。恥ずかしい』

  • 5◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:14:33

     七夕のお話で語られる二人。織姫と彦星が一年に一度だけデートをするロマンチックな日。
     明かりがなくてもアヤベさんの頬が赤らんでいたことが分かった。アヤベさんも"カワイイ"。大人っぽさに羨ましくなっちゃうくらい。

     ううん、"キレイ"って言ってもいいかもしれない。星のことを話しているアヤベさんの顔はキレイで、本当に星が好きなんだなと思っていた。
     アヤベさんが織姫様なら、彦星様は誰なんだろう? あまり表情を変える人じゃないけれど、優しくて、こんなに"キレイ"なんだから。きっと分かってくれる人はいる筈。そんなことを考えていた。

     せっかく教えてくれているのに、私はいつも途中で睡魔に負けてしまっていた。ベッドに入りながら聞いていたのが良くないかもしれない。
     アヤベさんはそんな私に気を悪くすることなく、いいから寝なさい、と勧めてくれた。お言葉に甘えて意識を徐々に手放していくと、決まってある幻を見る。

     アヤベさんが近付いてきて、布団を直してくれて。私の髪をそっと梳いてくれる。か細いけれど、優しげな歌も聞こえてきて。
     何の歌だったっけ。子供の頃によく歌ったり聞いたりした歌。そうだ、きらきら星だ。

     何回かこの幻について尋ねたことがある。寝ぼけていたのよ、といつも素っ気なく返された。
     それでもこれは途切れることはなく、私を夢へと運んでくれた。私だけが知っているアヤベさん。何だか嬉しかった。

  • 6◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:15:04

     
     
     
     でも、いつしかアヤベさんは変わってしまっていった。私が気付かなかっただけなのかもしれない。
     今まで見せることがなかった、本当のアドマイヤベガというウマ娘が少しずつ見えてくる。見えてしまう。
     カワイくて、キレイで、優しいアヤベさんを塗りつぶして。
     
     
     

  • 7◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:15:36

     アヤベさんが高等部に上がる少し前から、あの人はトレーニングの質と量を高め、増やしていった。
     本格化の時期は個人差があるから、いつからそうすべきかは正解がない。結果的には近かったけれど、それでも負担がになっているのが分かった。

     私は何度も止めた。続けるにしても、せめて本格化前の子たちを教えてくれている教官の人たちに相談すべきだって。
     アヤベさんは、大丈夫、と安心させようとしてきた。でも、疲れている顔で辛さを隠しきれていないんじゃ私には通じなかった。

     どうしてアヤベさんがそこまで自分を追い詰めようとしているのか分からなかった。走りを見てもらって、トレーナーさんと契約して。それからでも遅くないと思うのに。
     ストレスとプレッシャーがかかっているせいか、疲れて私よりも先に眠るようになった。アヤベさんのお話や歌が聞けなくなるのは残念だったけれど、それだけならまだよかった。

     私もそろそろ寝ようとしていると、声が聞こえてきた。辛く、悲しい声は明らかに苦しんでいる。誰が発しているかなんて、分かりきったことだった。
     慌ててアヤベさんに駆け寄れば、うなされている様子が目に入った。そして、意味のある言葉が聞き取れた。

    『ごめんなさい……ごめんなさい……こんな、おねえ、ちゃんを……どう、か……』

     わたしを、ゆるさないで。

  • 8◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:16:07

    『アヤベさん! アヤベさん!!』

     すぐに私は叩き起こした。夜だとかカワイくない大きな声だとかは気にしなかった。うっすらと目を開けたアヤベさんは、少し混乱していた。

    『カレ、ン、さん……?』
    『よかったぁ……アヤベさん、ずっとうなされてて……』
    『……そう、迷惑かけたわ。でも、大丈夫だから』
    『で、でも……』
    『もう遅いから。カレンさんも、寝て……』

     アヤベさんのいつもの言葉。私は押し切られてしまった。どこかに、信じたい気持ちがあったのかもしれない。本当に大丈夫になって、またあの頃の声を聞かせてくれるって。

  • 9◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:16:38

     
     
     
     私が間違っていたことに気付くのに、時間がかかった。
     
     
     

  • 10◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:17:08

     高等部に上がると、アヤベさんはますますトレーニングにのめり込んでいった。本格化は迎えていたから、私もとりあえずは安心していた。やり過ぎだとは思っていたけれど。
     でも、その努力が実ってあるレースで1着を取った。一生に一度しか出られないレースで、私じゃ正直走り切れない距離で。少し羨ましくて、すごく嬉しかった。

     帰ってきたアヤベさんのために、ささやかだけどお祝いをしようと思った。ウマスタでも美味しいって評判のお店でケーキを買ってきた。
     減量とかあるからお互いに1個ずつ。喜んでくれるかなと待ち遠しかった。

     アヤベさんが帰ってきて、ケーキを見せれば。初めて会った時のように目をぱちくりとさせた。
     私は夕ご飯の後で、アヤベさんは忙しくて軽くしか食べていなくて。夜も遅いけど1個だけだからいいよねと小さく笑い合って。ああ、あの頃に戻れたんだなって。
     何てことはない雑談をしながらケーキをつついてお祝いをする。そんな時間が過ごせる筈だった。

     でも、アヤベさんは食べられなかった。最初は嬉しそうに食べていたのに、段々と表情は陰っていってしまった。そして、半分もフォークを進めないうちに口を押さえてしまう。
     私は戸惑った。アヤベさんの好みのケーキを買ってきたし、お腹が空いていることだって確認した。それなのに、どうして。

  • 11◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:17:40

     うずくまるアヤベさんの背中をさすっていると、うめくような声が聞こえてきた。

    『ちがう、ちがう、わたしだけ、そんな、ちがうの……!』

     お祝いのパーティーはそのままお流れになって、いつものようにベッドで眠る。またアヤベさんはうなされるのかな。心配していると、奇妙な音が聞こえた。
     くぐもった音は、濡れた響きが一緒だった。大丈夫と言われて様子を見ることがなくなったアヤベさんの顔には、目から一筋流れ落ちるものがあった。

     私は迷った。大丈夫だと言っていて、私も信じていた。さっきのことがなければ、私もベッドに戻っていたかもしれない。
     でも、アヤベさんの声は嗚咽に近かった。どうすればいいのか、しばらく迷っている間にも声は止まらなくて。あまりにも辛そうで、気付けば私の手は体を揺すっていた。

     体を起こしたアヤベさんは、私を見た。濡れた顔に髪が張り付いて、何とも言えない雰囲気があった。

    『……何故、起こしたの』
    『だって、アヤベさん、泣いて……』
    『放っておいて。私に、心配される価値なんてない』

  • 12◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:18:12

     私は言葉が出せなかった。さっきまでのアヤベさんと違う。でも、これもアヤベさんなんだっていうのも信じられる。ただ、私の前では見せていなかっただけ。私が気付かなかっただけ。
     どちらにしても、何でいきなりこうまで変わったのか。私は結構記憶力が良かった。"カワイイ"に繋がることは何だって覚えていたくて。

     だから、アヤベさんの言葉を覚えていた。うなされていた時、うめいていた時。それらが結びついて、ある確信を抱いてしまった。
     私はそれを口にしてしまった。吐き出してしまえば、楽になってくれると思って。

    『アヤベさん、弟さんがいましたよね』
    『……それが何』
    『仲、いいんですよね? 何度か話してくれましたし』

     アヤベさんの様子は変わらず、黙っている。仲良しの相手に、あんな言葉を言う筈がない。だから。

  • 13◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:18:43

     
     
     
    『妹さん、いるんですか?』
     
     
     

  • 14◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:19:15

     喧嘩をしているのかとは言わなかった。ある意味正解だったけれど、そもそも口にした時点で間違っていた。

     アヤベさんはすぐに私に掴みかかってきた。いきなりのことで、とっさに反応出来ない。抵抗することが一瞬頭に浮かんだけれど、傷つけたくなくて行動に移せなかった。
     荒い息を吐いて、こっちを睨み付けている。今までにない近い距離で、噛みつかれそうなくらいだった。

     こわかった。目の前のアヤベさんはおそろしくてたまらないのに、楽しかったアヤベさんとの思い出がぱーって出てきて。それがまた現実との差がくっきりとして。
     唇に当たる息が、アヤベさんなのか自分のなのか理解出来ない。そのまま目を離せないでいると、低い声が響いた。

    『やめて……』

     アヤベさんの目しか見れないから、口が動いているのかは分からない。でも生暖かい風がアヤベさんの声なんだって突きつけてくる。

    『誰も、あの子のことを口にしないで……! 誰も、見てあげないくせに……! 分かってくれないくせに……!』

     声は大きくないのに、アヤベさんが叫んでいるんだって分かった。そして、これくらいじゃ何も吐き出せていないっていうことも。
     涙が出てきた。こんな顔をしているアヤベさんはこわいし、掴まれている肩は痛いし、何より、私じゃ何もしてあげられないって気付いちゃって。

  • 15◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:19:47

     私の顔を見て、アヤベさんは目を見開いた。力が抜けたかと思うと、はっとしたように体も元に戻してくれた。思わず私はへたり込んだ。
     私を掴んでいた両手と、私を見比べながらアヤベさんは狼狽えていた。自分が何をしたのか信じられないようだった。

    『あ、ごめ、ごめんなさい……私……』
    『いいんですよ、アヤベさん。私が余計なことを言っちゃったんですから。私こそ、ごめんなさい』

     私の言葉にアヤベさんは泣き出してしまった。私はどうしたらいいのか動けずにいた。慰めも励ましも、拒むように自分を抱きしめているのを見ちゃったから。
     しばらく嗚咽が続いて、それが少し小さくなった時にアヤベさんがぽつりと呟いた。

    『もう、聞かないで……私から、取り上げないで……』

     何を、とは聞けなかった。何を指しているのだろう。妹さんのこと? それだけじゃないような気がする。走ること? レース? それとも、別の何か?
     兄さんなら、分かってあげられたのかな。カレンはお姉ちゃんじゃないから、分かってあげられないのかな。
     私には、分からなかった。

  • 16◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:20:19

     それから、アヤベさんは笑うことがなくなった。だから、私が笑うようになった。前よりも、もっと、もっと。
     お日さまが出ている間は、アヤベさんに声を掛ける。断られるのは分かっているのに、ご飯に行きませんか? お風呂に行きませんか? お買い物に行きませんか? って。

     アヤベさんは断ってくる。悪いけれど、と枕詞は付いても迷惑そうなのは表情からでも読み取れる。あの日の罪悪感も混ざっているのだろう。
     私はそれでも笑顔を絶やさない。返答を聞いて不満そうにしても、すぐにまた誘うことを告げる。それしか、繋ぎ止める方法を知らないから。

     お日さまが沈んで、お月さまが出てきたら。アヤベさんに声は掛けない。眠っているのを起こしちゃ悪いから。
     代わりに、涙を拭いてあげる。夜が来る度に零れ落ちるのを拭って、拭って。

     アヤベさんからもらったふわふわのタオル。それを目元にそっと当てる。起こさないように、気付かれないように。
     柔らかい毛はすぐに涙を吸い取って、乾いた布地はすぐに濡れてしまう。

  • 17◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:20:51

     それでも涙は止まってくれない。アヤベさんをからからにさせるかのように流れていくのを、何度もこすらないように取り去って。
     どれくらい時間が経ったのか分からないままにやっと拭き終えると、今度は私の涙を拭った。ぼろぼろと零れたままのそれは、きっと顔に跡を残しているだろう。

     朝になればアヤベさんは走りに行くから、私はひとりでメイクが出来る。誰にも見せない、見られたくない私を覆い隠して、"カワイイ"カレンチャンに。
     タオルは乾いていればいい感触なのだろう。でも、こうして涙を吸っている間はあんまり気持ちが良くない。

     二人分の水分で濡れて、そのままだといけないから洗って、乾かして。そしてまた、夜には濡れる。
     乾くことはない。濡れそぼったままだ。いつまで続くのかは、分からない。

     タオルを顔に押し当てたまま、私はアヤベさんに語りかける。本当の声じゃない。でも、私が本当に言いたいこと。

  • 18◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:21:22

     知っていますか、アヤベさん? アヤベさんは"カワイイ"んですよ? アヤベさんは否定するでしょうけれど。
     "カワイイ"はですね、誰もが心に秘めていて、誰かを幸せにできる煌きで、永遠に追い続ける夢なんです。

     カレンの"カワイイ"は私からみんなへ送る愛なんです。アヤベさんの"カワイイ"だって、アヤベさんから送る愛なんです。あなたの人生が"カワイイ"で満ちますように、って。
     でもそれは、自分を愛して、好きでいるからできることなんです。誰にも見せたくないものでも、自分だけは見えてしまうから。

     人に見せたら嫌われてしまうかもしれないことでも、自分だけは認めてあげなくちゃ。
     そうでないと……カワイく、いられないじゃないですか。生きて、いけないじゃないですか。

     めいっぱいなんて言いません。ほんの少しだけでいいんです。アヤベさん、好きになってあげてください。
     だって、私に、カレンに優しくしてくれたじゃないですか。素っ気ないけれどカレンのことを気にかけてくれて。色々なことを教えてくれて。安心させてくれて。
     カレンが"カワイイ"って、"キレイ"って、思えた人なんです。私が小さい頃に助けてくれた人と同じくらい、会えて良かった人なんです。

  • 19◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:22:05

     お願いですから、本当の自分を見てあげてください。
     星ばかりを見上げていちゃ、本当のアヤベさんを見る人がいなくなっちゃいますよ?

     アヤベさんの名前だって、お星さまの名前なんでしょう? ちゃんと、輝いているんでしょう?
     空の向こうのお星さまと違って、アヤベさんは遠くないんですよ? 近くに、こうして触れられるくらいの距離なんですよ?

     こんなの、カワイくない。カワイくないよ、アヤベさん……


     泣きじゃくる声が聞こえる。自分から出ている筈なのに、どこか遠くからに思えてしまう。



     それでも、どうしてもひとりでは難しいなら。

  • 20◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:22:37

     彦星様でも、流れ星でも、どんなお星さまでもいい。
     星に願いをかけるなんて、自分だけで頑張ってきたカレンがすることじゃない。そんなのは分かってる。



     でも、お願いだから。



     私じゃなくていい。誰でもいいから。
     誰か。照らしてあげて……
     ちゃんと輝いているものを持っているんだって、教えてあげて……

  • 21◆zrJQn9eU.SDR23/05/01(月) 21:24:21

    以上です。二人はどんな感じに出会って過ごしてきたんだろうと考えていたらこんなものが出来ました。

    あと、今の時点でもハートを押してくださってありがとうございます。

    【SS】見守る光は、いつだって|あにまん掲示板halo(ヘイロー)名詞1 a【美術】 (聖像などの頭部(時に全身)を囲む)後光,光輪,光背. b(人物・ものを取り巻く)光輝,栄光.2 【気象】 (太陽・月の)暈(かさ), 暈輪(うんりん)…bbs.animanch.com

    こちら前作なのですが、もし不快でなければ読んでいただけると嬉しいです。

  • 22二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 22:29:19

    RttT3話で破壊された脳が癒されるぅ^〜
    寝る前にいいもの見させていただきありがとうございます、おやすみなさいm(_ _)m

  • 23二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 22:39:00

    つらひ…
    ハッピーエンドはいずこ…

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 22:41:08

    つらい…つらいが良い物を読ませてもらった

  • 25二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 22:48:25

    どんよりと苦しくて素晴らしいことこの上ないカレアヤだぁ……こんなところに留めるのはもったいない ハート100回押したい


    >それから、アヤベさんは笑うことがなくなった。だから、私が笑うようになった。前よりも、もっと、もっと。


    ここ一番胸が詰まる すき すきじゃない すごくすき

  • 26二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 00:01:25

    泣いた 

  • 27二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 00:05:57

    才能の不法投棄やめろ
    やめないで 

  • 28二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 08:08:30

    ウワ----------------------ッッッッッッ!!!!!!!!!!

  • 29二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 12:38:46

    時にはこんな曇らせもいい、そう思った

  • 30◆zrJQn9eU.SDR23/05/02(火) 21:11:50
  • 31二次元好きの匿名さん23/05/03(水) 01:04:43

    >>30

    このTPRのお話大好きです 

    この様な形で続きが読めて嬉しい…

    嬉しい…? 

  • 32◆zrJQn9eU.SDR23/05/03(水) 11:31:36

    >>31

    読んでいただきありがとうございます。トップロードのお話はアヤベさん達が何かしらの事情で走れなくなった後でも走るとしたら、という考えで書きました。

    今回の二人の話はその過去にもしかして合うかもしれないなと気付きまして。今まで話の繋がりなどはあまり意識していなかったのですが、そう考えるのも創作意欲がわいてきますね。

    次は子どもの日にちなんだSSを明後日に立てたいと思います。よろしければ。

  • 33二次元好きの匿名さん23/05/03(水) 23:19:15

    はい

オススメ

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