【SS】アメ【オグタマ】

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:52:30

    こちらのスレ1と29から概念をお借りしました

    雨でびしょ濡れになって不快なので|あにまん掲示板雨でびしょ濡れウマ娘ちゃんたちの妄想やSSを所望するねスレ画はびしょ濡れ(になってほしい)三姉妹CB推しは公式からの供給があるの羨ましいねbbs.animanch.com

    話が長くなりそうだったので個別にスレ建てさせて貰いました

    スレ画のCPと言うより、コンビに近いお話ですが良ければご覧ください

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:53:12

    「何しとんねんホンマ…」

    「すまない」

    「ま、アンタに何もないなら何よりや」

    ホンマに心配しとったんやぞ?っちゅう言葉を飲み込む。
    何より先に、この全身水浸しっちゅう言葉じゃ足りんオグリを乾かさなアカン。
    …もう布団乾燥機にでも放り込んだろかな。

    部屋着に着替えさせたり、濡れた服を洗濯機に入れたり、冷えたオグリを風呂に入れたり、あいにく今日は全部ウチの仕事や。
    …ウチはコイツのオカンか。いや誰がオカンや。

    「で…何しに行ってたんや、こんなデッカい雨の中。…いや待ちいや、まだ髪乾いてないで」

    「…む。大体乾いたから良いだろう?それに…ドライヤーの暖かい風はどうも慣れなくてな」

    「…は〜、ホンマこう言うとこやでアンタ。自分がどう見られてるか自覚せなアカンで」

    「私は…人にどう見られているのかは正直分からない。だけど、応援してくれる人達の声に応えたい、そう思っている」

    「……そうじゃないねん。良いからそこに座り直しや」

    ペンペン、とベッドの縁を叩いてそこに座らせる。
    ドライヤーで乾かした後、オグリの髪を櫛で梳くと、人の気も知らんで気持ちよさそうな顔しよる。
    ホンマ、見た目と走りと食いっぷりだけは一人前やな。

  • 3二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:53:32

    「大体なあ、ウチに何も言わんとどっか行くな言うてんねん。ほら、向き直りや。前髪も乾かしたるから」

    「すまない。夕飯前の軽い自主トレーニングの筈が…こんなに大事になるとは思ってもいなかったんだ。…タマにあげる筈だったプレゼントも…無くなってしまった」

    まるでデッカイ犬がご主人様に怒られた、みたいな顔しよる。
    …別に、怒ってはない。 
    そんだけは伝えとこか。

    「ウチは心配しとるだけや。アンタに何かあったらかなわんからな」

    「タマ…」

    「お、ええ顔になったやないか」

    「ああ、私もタマが側に居てくれないと困る!」

    「……急にぶち込んでくるのやめえや」

    こう言うヤツや、言うのは知っとったけどな。
    それでも慣れへんねん…。

    「タマ?」

    「アンタはホンマに…」

    蹲るようにベッドに伏せると、コロンとウチの部屋着のポケットから何かが落ちる。

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:53:54

    「あ、ああそうやオグリ、アンタの制服のポケットから飴ちゃん落ちてきよったで。スマンスマン、渡そうとしてそのまま入れてもうとったわ。まあ外袋は濡れとるけど中身は問題あらへんやろ。雨に濡れても、飴だけにな!なーっはっは!」

    「……それだ!タマへのプレゼントは」

    「は?この飴ちゃんが?」

    「ああ、濡れてしまっているが…受け取ってくれ。試食はしたから味は間違いない筈だ」

    状況を飲み込めへんまま、手渡した飴をすぐさま返されるのもけったいな絵面やな…とは思ったけども、ツッコんだらキリがない。

    「(…試食と言いながら全部食っとらんやろな?)ほな、受け取っとくわ。ありがとうな。…しかし…こないな飴ちゃんの為に必死になっとったんか?」

    「いや?ふと寄った駄菓子屋さんで雨と飴を交互に見ていたら…アメダマ…アメタマ…タマの顔が思い浮かんでな。思いつきで買っただけだ。…正直、渡せなかったらその時はその時だと思っていた」

    「まっわりくどいギャグやな!後、そこは嘘でもウチの為に用意したとか言えや!!」

    「いや…本当にその場の思いつきなのだから嘘は良くない、タマ。後、雨と飴のギャグならタマも言っているだろう」

    「事実を詳細に語られると余計なんか複雑やわ!!くだらんギャグに関してはお互い様やなホンマ!!」

    「良いコンビと言うことだな」

    「もうそれでええわ…」

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:55:00

    散々ドツキあった後、何事も無かったかのようにそれぞれベッドに入る。
    ……何年こうして過ごしてきたんやろな。

    「…どっか行ったらアカンで、もう」

    「ああ、タマにはちゃんと行き先を伝えることにする」

    「……アホ」

    そう思ってもウチが愛想を尽かすことはない。
    こんなアホでも…ウチの…。

    「なあオグリ」

    「何だ?」

    「アンタにとって、ウチは何や」

    「タマはタマだが」

    「何やそれ」

    「…私にとって、タマモクロスは世界で1人しかいない」

    「唯一無二って言いたいんか」

    「……そうだな。タマは私の大切な…」

    「どうした?」

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:55:20

    「……いざ言葉にしようとすると、どう言えば良いのか迷ってしまうんだ。友達と言えば良いのか、ライバルと言えば良いのか、仲間と言えば良いのか…一言では、例えられなくて。だから…タマはタマとしか言えなかったのかもしれない」

    「…ま、何となく分かったわ」

    「…タマにとって、私は何なのだろうか」

    「…そうやな…」

    「アンタはアンタや。他の誰でもないし、言い換えも出来へん」

    「私と同じじゃないか」

    「せやな。ホンマにアンタとは…色々ありすぎたわ。…これからも、色々あるんやろな」

    「…私も、出来ればずっとタマと一緒が良い。…私の隣には…タマが居てほしい」

    その声は、少し震えたように聞こえた。

    「……心配せんでええよ」

    ずーっと待っとったるわ。
    ウチやアンタが走れなくなっても、この部屋が無くなっても。

    ……アンタはウチの、生涯の相棒やからな。

    明かりが消され、暗闇に包まれる部屋の中で、そう呟いた。

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:55:35

    概念とリクエストから勢いで書き上げました
    この二人は本当に、唯一無二の最高のコンビだと思います
    読んで頂きありがとうございました 
    関西弁書くのは中々に難しい…  

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:57:14

    本当に餓えてた ありがとう

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:57:36

    過去作の一部です

    良ければ御覧ください(トレウマ、ウマウマ混在しています) 

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  • 10二次元好きの匿名さん23/05/01(月) 23:59:15

    JRAも公認の宿敵だからね仕方ないね

  • 11123/05/02(火) 00:16:57

    >>8

    ありがとうございます

    少しでもその心の乾きを癒せましたら幸いです

    >>10

    ありがとうございます 

    本当に奇跡のめぐり合わせとしか言いようがない二人(二頭)だと思います

    すごく…すごいです 

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 00:53:55

    このレスは削除されています

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 01:02:28

    このレスは削除されています

  • 14123/05/02(火) 01:03:03

    >>12

    ありがとうございます

    私自身ビコペの話は書いたことがないので、それは別の方かと思われます

    お力になれず申し訳ありません 

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 01:05:22

    >>14

    こちらこそ勘違いしてすみません。

    ともあれステキなもの読ませていただきました!

    ありがとうございます。

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 06:19:13

    朝からよき

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 06:47:40

    しっとり重馬場ss

  • 18二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 08:31:15

    オグタマ助かる

  • 19123/05/02(火) 12:16:24

    >>16

    ありがとうございます

    少しでも良い朝を迎える手助けになれば幸いです

    >>17

    ありがとうございます

    これが…愛が重馬場…?

    >>18

    ありがとうございます

    助かる命があるのであれば書いた甲斐があります

  • 20123/05/02(火) 20:36:34

    >>6

    (飴ちゃんどうなったんや?と気になったのでおまけです)


    夜中にふと、目が覚める。


    「…そういや貰った飴、そのままにしとったな」 


    白い粉がまぶされた、ソーダ色の大玉。

    何処の駄菓子屋で見つけてきたんか知らんけども、美味かったらチビ達にも送ったろうかな。

    そんなことを思いながら、封を切って口に入れる。


    口に入れた途端、刺激的な酸っぱさとたるこい甘さが同時にやってくる。

    これ、地味にクるねんな…とボヤきながら舌で飴を転がす。 

    そうしているうちに、粉もろとも酸っぱさが消えて、飴の甘さだけが残る。 

    美味いか不味いか、と聞かれればまあこんなモンやろ、と言う何とも言えん感想になる。


    妙に口に残る甘さを舌で味わっていると、ふと、アイツの言葉が思い起こされる。


    ─ タマの顔が、思い浮かんでな。


    「……誰が甘ちゃんやねん」 


    ……ウチはバリバリの白い稲妻やぞ。

    そもそも制服で自主トレ行くなや。

    勢いのまま飴を噛み砕いて、虚空に向けてツッコんだ。

  • 21二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 23:03:18

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん23/05/02(火) 23:19:35

    タマはオグリに甘かったり厳しかったり甘かったりしろ

  • 23123/05/03(水) 08:39:40

    >>22

    ありがとうございます 

    お互いがお互いのカンフル剤になって欲しいし止まり木であって欲しいな…と思います

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/03(水) 15:42:59

    無意識にタマを思い浮かべてしまうオグリもそう受け取ってしまうタマも可愛い…重い…

  • 25123/05/03(水) 22:21:32

    >>24

    ありがとうございます

    皆さんから感想を頂いて改めて噛み締めていますが、交友関係の広い二人がこうした特別な感情を抱く相手、と言う事実自体がこの二人の関係性を示しているのだと思いました 

    上手くは言えず申し訳ありませんが、こう言う関係を築ける相手がいることが正直羨ましくも思います

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