『SS』『ダンガンロンパV3』ケーキ消失事件

  • 1123/05/05(金) 22:06:05

    平和な才囚学園にそのアナウンスは唐突に鳴り響いた。

    モノクマ『ケーキが無くなりました! オマエラ、厨房に集合してください!!』

    最原「ケーキが……? ……え、一体どういうこと?」

    ーーー--

    注意事項
    ・このSSはダンガンロンパV3の二次創作です。ネタバレを含みます。
    ・台本形式です。
    ・コロ シアイなんて無かった平和な世界線です。

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/05(金) 22:07:33

    あにまんでのダンロンSSスレ初めて見た
    嬉しい

  • 3123/05/05(金) 22:07:59

    最原(アナウンスで呼ばれた厨房に向かったところで僕が目にしたのは)

    赤松「私のケーキ……どこに行っちゃったの?」

    最原(悲嘆に暮れている赤松さんの姿だった)

    ゴン太「何があったのかな?」
    真宮寺「モノクマのアナウンス、そして赤松さんの様子から察するに……」
    星「ケーキが無くなった……ってことだろうな」
    茶柱「そんなことは分かっています!! 問題はどうして転子たちが集められたのかです!!」

  • 4123/05/05(金) 22:11:57

    モノクマ「どうして、なんて酷いなあ」
    モノクマ「この中に赤松さんのケーキを盗んだ犯人がいるっていうのにさ」

    白銀「まあケーキに足が生えて逃げ出すなんてこと無いし、誰かの仕業だとは思うけど……」
    春川「モノチッチだっけ? 監視カメラに映ってるだろうし、その犯人だけ呼び出せば良いじゃん」

    モノスケ「マジレスやな」
    モノタロウ「マジレスって何なの?」
    モノファニー「マジカルプロレスの略よー」
    モノキッド「マジカルパイルドライバー!! yeah!!」
    モノダム「違ウ……ヨ」

  • 5123/05/05(金) 22:13:00

    モノクマ「そりゃ犯人だけを呼び出して怒っても良いけど」
    モノクマ「それじゃつまらないでしょ!!」

    百田「うわ……出た」
    天海「モノクマのワガママっすね」
    夢野「めんどいのぅ」

    モノクマ「ボクはみんなに疑いあって、推理し合って欲しいの!!」
    モノクマ「だから、これから一定の捜査時間の後に学級裁判を行います!!」

    モノクマ「裁判で赤松さんのケーキを盗んだクロを指摘できればクロだけがおしおき」
    モノクマ「指摘できなかったらクロ以外がおしおきだよ」

  • 6123/05/05(金) 22:14:02

    アンジー「にゃはは、おしおきって何なのー?」
    モノクマ「おしおきっていったら、もちろん処刑……」

    キーボ「本気ですか!?」
    モノクマ「っていうのはやりすぎだから、超激辛担々麺でも食べてもらおうかな」

    入間「マジかよ!?」
    王馬「あはは面白そうだね!」

    モノクマ「東条さんに準備は頼むね」
    東条「依頼ね、分かったわ。香辛料足りるかしら」

    モノクマ「うぷぷ、退屈な日常を吹き飛ばす刺激的なワックワクのドッキドキだね」
    モノクマーズ「「「「「ばーいくまー」」」」」

    最原(そうして言いたい放題の後、モノクマとモノクマーズはその場を去って行った)

  • 7123/05/05(金) 22:14:42

    最原(後に残された生徒16人)

    入間「けっ、何でオレ様がそんなことしねーといけねえんだ」
    春川「モノクマのワガママも困ったもんだね」

    真宮寺「この前も唐突にトライアスロン大会なんて開かれて苦労したネ」
    白銀「今回は犯人捜し……デスゲームものか推理小説でも読んだのかな?」

    星「あんなのでも学園長だ。生徒である以上従うしかねえか」
    天海「赤松さんのケーキを食べた犯人を当てる、っすか」

    アンジー「ど・れ・に・し・よ・う・か・な……」
    キーボ「まさかそれで決めるつもりは無いですよね?」

  • 8123/05/05(金) 22:15:14

    ゴン太「ゴン太たちに分かるかな?」
    夢野「そんなの分かるわけ無いじゃろ」
    東条「意外と難易度が高そうだわ」
    王馬「だからこそゲームとして面白いんじゃん!!」
    茶柱「全く、これだから男死は」

    百田「つうわけでだ、頼りにしてるぜ終一」
    最原「うん、頑張るよ」

    最原(この前のトライアスロン大会では途中でバテて活躍できなかったけど)
    最原(推理なら超高校級の探偵のステージだ)
    最原(それに)

    赤松「………………」

    最原(ケーキが無くなって落ち込んでいる赤松さんのためにも……絶対にクロを見つけてみせる!!)

  • 9123/05/05(金) 22:16:10

    捜査開始!!

    最原(各員が捜査のために散らばっていく)
    最原(僕はまず赤松さんに話を聞くことにした)

    最原「赤松さん、ちょっと良いかな。ケーキが無くなった経緯を聞きたいんだけど」
    赤松「あっ、本格的っぽいね……いやー、何か大事になっちゃったなあ」

    最原「え?」
    最原(今のどういう意味だろう)

    赤松「ごめんごめん経緯だったね。えっとどこから話そうかな……そうだ昨日の夜からかな」
    赤松「夜ご飯を食べた後ケーキを買いに行って厨房のサブ冷蔵庫にしまったの」

    赤松「時間は……夜8時くらいだったかな」
    赤松「あっ、ちゃんと『赤松の物、食べるな』ってメモは一緒に置いてたよ」

    赤松「その後は全然確認してないかな。それでさっき、3時のおやつに食べようとしたら無くなっていることに気付いて」
    赤松「そこにモノクマが現れて、アナウンスをしてみんなを集めた……って感じかな」

    最原(昨夜8時から今日の昼3時までの間に犯行があったってことか)

    コトダマ『赤松の証言』ゲット!!

  • 10123/05/05(金) 22:17:01

    最原(厨房の中にはメインとサブ二つの冷蔵庫がある。16人の大所帯だ、それだけ必要なのだろう)
    最原(赤松さんがケーキをしまっていたというサブ冷蔵庫の前には人がいた)

    ゴン太「この中にあったケーキを犯人は盗んでいったんだよね」
    百田「へえこっちに入れてたんだな。にしてもどうやって盗んでいったんだ?」
    真宮寺「鍵もかからないんだから普通に開けて持っていったんだと思うヨ」
    最原「うーんでも冷蔵庫の中は特に変わった様子は無いね」

    最原(ということで厨房の他の場所も調べていると、その一角で見つけた物があった)

    最原「ん、何か紙が落ちている……」
    最原「『赤松の物、食べるな』……これは赤松さんが言っていたメモかな」

    コトダマ『赤松のメモ』ゲット!!

  • 11123/05/05(金) 22:17:46

    最原(流し台前に移動する)

    星「この流し台にある濡れているフォーク……」
    星「乾ききってないってことは犯人がケーキを食べてから時間はそんなに経ってないのか?」
    最原「そうかもしれないね。うーん……でも」

    春川「何か気になることがあるの?」
    最原「フォークだけしかないってのも変じゃない?」
    最原「ケーキが乗っていた皿はどこに行ったんだろう?」

    春川「濡れている皿は見当たらないね」

    コトダマ『流し台のフォーク』ゲット!!

  • 12123/05/05(金) 22:19:09

    最原(厨房の入り口付近でアンジーさんたちが話している)

    アンジー「そういえば久しぶりに厨房に入ったのだー」
    茶柱「厨房は完全に超高校級のメイド、東条さんが仕切っていますからね」
    夢野「んあー、頼めばいつでも何でも作ってくれるし本当東条様々じゃ」

    茶柱「頼りすぎな気もしますけどね。食材の管理から、料理も朝から晩まで全部東条さんに作ってもらってますし」
    茶柱「モノクマまであんな依頼をする始末ですし酷使しすぎです」
    東条「良いのよ。メイド冥利に尽きるわ」

    コトダマ『厨房の状況』ゲット!!

  • 13123/05/05(金) 22:20:03

    <食堂>

    最原(食堂にやってきた僕はゴミ箱を漁る)


    最原「僕の予想だとこの辺りに……よし、あった」

    最原(ゴミ箱から出てきたのはケーキの入っていたプラ容器)

    最原(流し台に無いなら捨てられたのだろうと思っていたとおりだ)


    最原「うーん……でもプラ容器? それに……」

    最原(一緒に出てきたプラスチックのフォークに、それが入ってたと思われる開け口が左から右に破られた袋)

    最原(加えて紙皿まで捨てられている)


    最原「うーん……もしかして思ったよりこの事件は複雑なのか?」


    コトダマ『食堂のゴミ箱』ゲット!!

  • 14123/05/05(金) 22:20:44

    最原(食堂の一角でキーボくんとアンジーさんが話している)

    キーボ「しかし赤松さんのケーキはいつ盗まれたんでしょうね」
    アンジー「それならちょうど今朝10時くらいにケーキが冷蔵庫に入ってるのを見たのだー」
    最原「だったら盗まれたのはそれ以降ってことかな」

    キーボ「となると……赤松さんは今朝早くにケーキを買いに行ったんですね」
    アンジー「おーそうなのか?」
    最原「いや、違うと思うよ。話聞いたけど、昨夜に買いに行ったって言ってたし」

    キーボ「え? ですがボクが昨日の夜時間直前……9時50分くらいでしょうか、に見たときには冷蔵庫にケーキはありませんでしたよ」
    最原「……え?」

  • 15123/05/05(金) 22:21:33

    最原「ごめんちょっと詳しく聞かせてもらえる?」
    キーボ「ええ。といっても昨夜、サブ冷蔵庫で冷やしている電池を取りに来たときにケーキは無かったってだけの話ですが」

    最原(サブ冷蔵庫に赤松さんはケーキをしまったはず)

    アンジー「あれま、アンジーが今朝10時にケーキを見つけたのはメイン冷蔵庫だよー」
    キーボ「あっ、そうだったんですか。じゃあ赤松さんは最初からメイン冷蔵庫にしまっていたんですね」

    最原(キーボくんは納得しているが……赤松さんはちゃんとサブ冷蔵庫にしまったと言っていた)
    最原(このズレは一体……)

    コトダマ『キーボの証言』ゲット!!

    コトダマ『アンジーの証言』ゲット!!

  • 16123/05/05(金) 22:22:12

    白銀「どう? 超高校級の探偵の推理は進んでるかな?」
    最原「あはは、期待されると荷が重いけど頑張ってるよ。色々状況証拠は集まってるけど……」

    天海「動機が見えてこないっすね。どうして犯人はケーキを盗んだんすか?」
    最原「それは……」

    最原(赤松さんの物って分かってて盗むような人はこの中にいない……と信じたい)

    白銀「それで赤松さんはあんなに落ち込んじゃってるし」
    天海「そんなに大事なケーキだったんすかね?」

    入間「分かった! あのケーキはそこの童貞からのプレゼントだったんだろ!」
    入間「男から白い物もらって喜んでたんだあの処女は!」

    最原「………………」
    最原(入間さんの発言の酷さはいつものことなので放っておいて)
    最原(うーん……気になることもあるし、もう一回赤松さんに話を聞くかな)

  • 17123/05/05(金) 22:22:52

    最原「赤松さん、もう一回話良いかな?」
    赤松「うん、良いけど……何かみんなに迷惑かけてるみたいで悪いなあ」

    最原「悪いのは盗んだ犯人とみんなを巻き込んだモノクマだって。赤松さんは悪くないよ」
    赤松「そう言ってもらえるとありがたいけど。それで話って?」

    最原「赤松さんが昨夜買ったケーキって……もしかしてコンビニで買った?」
    赤松「うん。……そういえばさっき言ってなかったね」

    最原(やっぱり。夜に開いているケーキ屋は少ないし、プラ容器に入っていたケーキということで予想していた)
    最原(いや、そもそも赤松さんは誤解させるつもりは無かったのだろう。勝手に誤解したのは僕たち……その理由は)

    最原「コンビニで買ったケーキにしては、やけに落ち込んでたように思ったけど」
    最原(まるで有名店の限定ケーキを盗まれたのか、ってくらいに感じ取られた)

    赤松「今日は朝からピアノの練習をしてご褒美に食べようと思ってたから、それが無くなってたら落ち込むのはしょうがないでしょ」
    赤松「それに勝手に物事を大きくしたのはモノクマの方だし」

    最原「……そっか。それで僕たちに勝手な先入観が作られてたのかな」

  • 18123/05/05(金) 22:23:40

    王馬「それで実際どんなケーキだったの」

    最原(聞き耳を立ててたのか、王馬くんが話に割り込んでくる)


    赤松「どうも何も普通のショートケーキ1ピースだよ」

    赤松「生クリームに包まれてイチゴが乗った普通のやつ」


    王馬「へえ。ところでどんなケーキなのかオレ達以外の誰かに話したりした?」

    赤松「えっと……昨夜宿舎で会った春川さんにケーキを買ったって話はしたけど――」


    <回想・昨夜・宿舎>


    赤松『明日はケーキ、明日はケーキ♪』

    春川『何か浮かれてるけど、どうしたの赤松?』

    赤松『あ、ケーキ買ってきて冷蔵庫にしまってきたんだ。それが楽しみで楽しみで』

    春川『……太るよ?』

    赤松『酷くない!? ご褒美だからいいの!!』


    <回想終了>


    赤松「……うん、何のケーキだったかは言ってないかな。でもそれがどうしたの?」


    最原(誰にも話していない……だとしたら)

    最原(それに最初の赤松さんの事情聴取も、一斉に詰めかけるのも悪いかと思ったのか僕しか聞いていなかった)

    最原(だとしたらあの人とあの人の発言は……)


    コトダマ『ケーキの詳細』ゲット!!

  • 19123/05/05(金) 22:24:43

    キーン、コーン、カーン、コーン

    『うぷぷっ、それじゃ捜査時間はそろそろいいかな?』

    『オマエラ全員、裁きの祠まで集まってくださーい!』


    <裁きの祠前>

    最原(モノクマのアナウンスに従って生徒達はみんな集まっていた)

    最原「うーん難しいな……」


    最原(推理の材料は集まっているとは思う。だけど裁判でケーキを食べたクロを指摘できるか不安で――)


    茶柱「ん、夢野さん? 口元に何か付いてますけど……クリーム?」

    夢野「んあっ!?」


    夢野は慌てて口元を袖で拭う。


    茶柱「ああもう、ちゃんとハンカチで拭わないと服が汚れますよ」

    夢野「し、しし、心配ないわい。クリームなんて付いてなかったからな!」


    茶柱「え? ですが……」

    夢野「付いてないと言ったら付いてないんじゃ!!」


    茶柱「は、はぁ……」


    最原(裁判でケーキを食べたクロを指摘できるか不安で――)

    最原「…………ん?」


    コトダマ『夢野の様子』ゲット!!

  • 20123/05/05(金) 22:25:22

    最原(モノクマ像が沈み現れたエレベーターにみんな乗り込んで降っていく)


    <裁判場>


    赤松「な、何この場所?」

    百田「わざわざ今回のために作ったっていうのか!?」

    真宮寺「一体いくらくらいかかってるんだろうネ」


    モノクマ「いいからさっさと席に着いてってば!!」


    最原「……よしっ!」

    最原(気合いを入れる)

    最原(赤松さんのケーキを食べたクロを突き止めるための学級裁判が始まる……!!)

  • 21123/05/05(金) 22:26:09

    <コトダマリスト>


    『赤松の証言』

    昨夜の8時にサブ冷蔵庫にケーキをしまった。今日の昼3時に確認したところケーキが無くなっていた。


    『赤松のメモ』

    「赤松の物、食べるな」という注意書きのメモ。ケーキと一緒にしまったようだが、捜査時間には厨房の一角に落ちていた。


    『流し台のフォーク』

    流し台に置かれていたフォークが濡れており、使用してからそう時間が経っていないだろうとのこと。


    『厨房の状況』

    東条が食材の管理をしており、朝から晩まで料理を作り、頼めば何でも作ってくれる。


    『食堂のゴミ箱』

    プラ容器、プラスチックフォーク、フォークの入っていた袋、紙皿が捨てられている。


    『キーボの証言』

    昨夜9時50分にサブ冷蔵庫を見たときにケーキは無かったと証言。


    『アンジーの証言』

    今朝10時にメイン冷蔵庫を見たときにケーキはあったと証言。


    『ケーキの詳細』

    コンビニで買ったイチゴのショートケーキ1ピース。この情報は赤松、最原、王馬しか知らない。


    『夢野の様子』

    夢野の口元にクリームが付いていた。

  • 22123/05/05(金) 22:27:54

    と、導入・捜査パートまで投下したので今日はここまで。
    明日の夜に裁判パートから最後まで投下します。

    一応作者的には推理出来るように作ったつもりですが、客観的にはどれくらいの難易度、納得できるか分からないのであまり保証は出来ず。

    予想・推理レスの投下はOKです。他人の推理を見たくない方は申し訳ないですが自衛でお願いします。

    それでは。

  • 23二次元好きの匿名さん23/05/05(金) 22:30:09


    こういうのワクワクするから好き

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 08:37:30

    自分の中でクロ候補絞れた(と思う)けど、伏線の仕込み方が丁寧で良いネ
    スレ主の過去作とかあれぱ知りたいな

  • 25二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 09:54:47

    クロの犯行時刻はすぐ分かったけどその間の厨房の出入りを詰めんとダメだこりゃ…

  • 26二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 13:15:03


    v3メンバーは何だかんだ言いながら全員ちゃんと捜査してくれるところがいいよね…

  • 27123/05/06(土) 21:04:11

    応援レスありがとうございます
    裁判パートから最後まで投下していきます

  • 28123/05/06(土) 21:04:38

    学級裁判、開廷!!

    モノクマ「まずは学級裁判のルールを説明するよ」
    モノクマ「オマエラの中にはケーキを盗んだクロがいます。今から話し合いでそれが誰なのかを決めてもらいます」
    モノクマ「最後に投票をして、その結果正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき」
    モノクマ「指摘できなければクロ以外がおしおきされます」
    モノクマ「というわけでよろしく!」

    モノキッド「おしおきって何をするんだぜ!?」
    モノファニー「グロいのはイヤよー」
    モノダム「超激辛……担々麺……」
    モノタロウ「担々麺? 食べたい、食べたい!」
    モノスケ「超激辛言うとるやろ! 罰ゲームやで!!」

  • 29123/05/06(土) 21:04:56

    天海「学級裁判始まったっすね」
    茶柱「赤松さんのケーキを食べた人を探すんですよね!」

    ゴン太「でも何から話せば良いのかな?」
    真宮寺「こういうときは基本から考えていくべきだヨ」

    白銀「基本ってなると……いつ、どこで、誰が、何故、ケーキを食べたか……ってなるのかな?」
    星「その内分かるところから埋めていくか」

    百田「よっしゃ、じゃあ話し合っていくぞ!!」

  • 30123/05/06(土) 21:05:25

    <ノンストップ議論、開始!!>


    ゴン太「分かんないことって、誰がケーキを食べたんだろうね?」

    夢野「それが最初から分かるなら話合う必要無いじゃろう」


    東条「何故……動機はというとお腹が減ったから、食べたかったからってなるかしら?」

    キーボ「身も蓋も無いですね」


    アンジー「クロがいつ食べたのかは分かってるよー」

    茶柱「そうなんですか?」


    アンジー「ケーキはおやつだからねー。『おやつは3時』って決まってるよー」


    コトダマセット

    『赤松の証言』 → 『おやつは3時』


    最原「それは違うぞ!!」

  • 31123/05/06(土) 21:05:51

    アンジー「あれま、違うの?」
    最原「赤松さんがケーキを食べようと確認したのが昼の3時だった」
    最原「そのときには無くなっていたんだからクロはそれ以前にケーキを食べたんだと思うよ」
    アンジー「そうだったのかー」

    赤松「じゃあクロはいつケーキを食べたの?」

    最原(それはあの証拠から明らかだ)

    証拠を提示しろ
    『流し台のフォーク』

    最原「これだ!!」

  • 32123/05/06(土) 21:06:21

    最原「厨房の流し台にあった濡れたフォーク」
    最原「クロがおそらくケーキを食べるために使ったんだろうけど、乾いていないことから直近の出来事だと思う」

    東条「そうね、昼食の片付けをしたときには無かったからそれから赤松さんが3時に確認するまでにケーキは食べられたのだと思うわ」
    最原(東条さんによる裏付けも取れた)

    百田「おう、結構絞れたな」
    白銀「ってことはあれかな、ここからアリバイ調査とか出来るんじゃない?」
    星「どこでケーキを食べられたのかをはっきりさせるのもいいんじゃないか」

    最原(そうだ、こうやって地道に議論を積み重ねていけば犯人にも辿り付けるはず――――)

  • 33123/05/06(土) 21:07:16

    春川「ねえ。いつまでそんなチマチマしたことやってんの?」


    最原「春川さん……?」
    最原(議論に冷や水をかけたのは春川さんだった)

    王馬「チマチマって酷いなあ。犯人を見つけるためにみんな頑張ってるんだよ!!」
    百田「おめえは発言してねえだろ」

    春川「だからそんなの必要ないでしょ」
    入間「ああん、何言ってんだオメェは。クロを見つけられなかったらおしおきなんだぞ?」

    春川「そんなの分かってる。でも議論なんて必要ない」
    春川「だってもう――クロなんて分かりきってるでしょ」

    最原(春川さんの真意は一体……)

  • 34123/05/06(土) 21:07:47

    <ノンストップ議論、開始!!>


    キーボ「クロが分かっている……? では、一体それは誰なんですか?」


    春川「赤松のケーキを食べたクロは……夢野秘密子、あんたでしょ」


    夢野「んあっ!?」

    茶柱「夢野さんですか!?」


    春川「裁きの祠前での会話聞いてたよ。誤魔化したみたいだけど、あんたがクロなんでしょ」


    夢野「ウ、ウチはクロではないぞ!!」

    夢野「だ、大体『ケーキを食べたという証拠はどこにもない』じゃろ!!」

    夢野「い、言いがかりじゃ!!」


    コトダマセット

    『夢野の様子』 → 『ケーキを食べたという証拠はどこにもない』


    最原「それは違うぞ!!」

  • 35123/05/06(土) 21:08:21

    最原「じゃあ夢野さん。服の袖を見せてもらってもいいかな?」
    夢野「んあっ!?」

    最原「何も無いなら見せられるはずだけど」
    夢野「そ、それはじゃな……ウ、ウチの封印された魔力が……」

    最原「見せられないんだよね。クリームを拭って汚れた跡があるから」
    夢野「…………」

    モノクマ「え、え、まさかのもうクロ発覚!?」
    モノクマ「せっかく頑張って裁判開いたのに早すぎない!? しょぼーん」

    モノタロウ「あっ、お父ちゃんが落ち込んじゃった!」

  • 36123/05/06(土) 21:08:47

    天海「モノクマは何か落ち込んでるっすけど、こっちもおしおきがかかってるんでね」
    真宮寺「さっさと見つかってくれてありがたいヨ」

    茶柱「ゆ、夢野さん!? 嘘ですよね、夢野さんがクロだなんて!?」
    夢野「……いや、ウチがクロじゃ」

    春川「認めるんだ」
    夢野「そうじゃ……ウチは昼ご飯を食べた後、それでもお腹が満たなかったからケーキを食べたんじゃ」
    アンジー「食いしん坊だねー」

    最原「………………」
    最原(夢野さんが自供する。あっけなかったけどこれにて事件は一件落着――)
    最原(なのだろうか?)

  • 37123/05/06(土) 21:09:19

    赤松「正直に打ち明けてくれて嬉しいけど……でもどうして私の物ってメモに書いてあったのにケーキを食べたの?」

    夢野「………………?」
    夢野「メモ? 何のことを言っておるんじゃ?」

    最原「っ……!!」
    最原(まさか……)

    赤松「いや、だから私の物ってメモも一緒に置いてたんだけど」
    夢野「そんなもの無かったぞ。じゃから誰が食べてもいいと思ってケーキを食べたんじゃが」

    王馬「へぇ、つまんない嘘吐くんだね、夢野ちゃん」
    夢野「う、嘘じゃないわい!! 本当にメモなんて無かったんじゃ!!」

    最原(メモの行方……それは)
    証拠を提示しろ

    『赤松のメモ』

    最原「これだ!!」

  • 38123/05/06(土) 21:09:59

    最原「赤松さんが言ってるのって、厨房の片隅に落ちていたこのメモのことだよね?」
    最原(僕は証拠品を見せる)

    赤松「あ、うん。そうだよ。でも落ちていたって……」

    王馬「夢野ちゃんが捨てたってだけでしょ!!」
    夢野「じゃからウチはそんなメモのことなんて知らないんじゃ!! メイン冷蔵庫にケーキだけが入っておったんじゃ!!」

    最原(食い違う証言。それにメイン冷蔵庫だって?)

    キーボ「よく分かりませんが、夢野さんがクロだって認めたんですよね。ならさっさと投票に移ればいいんじゃないですか」
    星「メモのことは嘘か嘘じゃないか分からないが、些細なことだろう」
    茶柱「夢野さん……ううっ、分かりました。転子も一緒に超激辛担々麺食べます、半分こにしましょう!」

  • 39123/05/06(土) 21:10:40

    最原「ちょ、ちょっと待ってよ! まだ確認したいことがあるんだ!」
    入間「何言ってんだよ。オメエが夢野を追い詰めたんだろ」
    最原「それはそうだけど……夢野さんの話を聞いているとどうにも違和感があって」

    東条「何かしら違和感って」

    アンジー「えー、もう投票行こうよー。さっさと終わらせよー」
    東条「超高校級の探偵の違和感よ。聞いておいた方が良いんじゃない?」
    百田「ああ、そうだな! 終一、頼むぜ!」

    最原(東条さんに百田くん……ありがたい)
    最原(期待に応えるためにもこの違和感を解かなきゃ)
    最原(僕は何が引っかかってるんだ? それを明らかにするのに必要なのは――)

  • 40123/05/06(土) 21:11:13

    最原「夢野さん、やっぱり服の袖を見せてもらっても良いかな?」
    夢野「……んあ? 見せてと言っても、この通りクリームを拭いただけじゃが……」

    最原(そうして夢野さんが見せてくれた服の袖は――『黒く』汚れていた)

    最原「そういうことか……」
    ゴン太「何か分かったの?」

    最原「ねえ、夢野さんが食べたケーキの種類を教えてもらってもいい?」
    夢野「よく分からんが……チョコクリームケーキじゃぞ。濃厚なチョコがこれまたおいしくてな」

    赤松「え!? ちょっと待っておかしいよ!!」
    赤松「私が買ってきたケーキはイチゴのショートケーキだけだよ!!」

    星「……どういうことだ?」

    最原(この違いが起きた理由。それは――)

  • 41123/05/06(土) 21:13:21

    最原「ケーキは二つあったんだよ」
    最原「赤松さんが買ってきたケーキともう一つ出所不明のケーキ」
    最原「夢野さんが食べたのは後者の方なんだ」

    天海「これまたいきなりっすね」
    春川「本当に二つケーキがあったの? 夢野の嘘じゃなくて?」
    最原「赤松さんはショートケーキを買ったのに、夢野さんの袖が黒く、チョコクリームで汚れているのは事実だよ」
    最原「それに2個のケーキがあった他の証拠もある」

    証拠を提示しろ

    『食堂のゴミ箱』

    最原「これだ!!」

  • 42123/05/06(土) 21:13:50

    最原「夢野さんは紙皿に乗ったケーキをフォークで食べたんだよね?」
    夢野「そうじゃが……よく分かったな」

    最原「紙皿は食堂のゴミ箱にフォークは厨房の流し台にあったからね」
    最原「でもそれ以外に食堂のゴミ箱にケーキの容器とプラスチックフォークが捨てられていた」
    最原「赤松さんが買ったケーキの物だよね?」

    赤松「うん、紙皿なんて使わないで容器と一緒にプラスチックフォークも冷蔵庫に入れてたけど……」

    最原「つまりこれがケーキが二つあった証拠だよ」

  • 43123/05/06(土) 21:14:40

    王馬「モノクマー。一つ確認しておきたいんだけど」
    モノクマ「ん、何かな?」

    王馬「この学級裁判って『赤松ちゃんの』ケーキを食べたクロを見つけるんだよね?」
    モノクマ「うぷぷ、その通りだよ」

    春川「その不明のケーキってのが赤松の買ったケーキじゃないなら……夢野はクロじゃないってこと?」
    夢野「そうなのか?」

    最原「そしてその不明のケーキだけど、他にケーキの容器は見当たらなかったこと、そして紙皿に乗っていたことから」
    最原「厨房で作られたケーキだって推測できる」

    百田「ケーキを作っただと!?」
    白銀「普通に作る人もいると思うよ」

    最原「うん。でもこの才囚学園の厨房でケーキを作ることが出来る人は――1人しかいない」

  • 44123/05/06(土) 21:15:31

    <怪しい人物を指名せよ!!>


    最原「夢野さんが食べたケーキ、チョコクリームケーキを作ったのは東条さん、君だよね」

    東条「………………」


    赤松「お菓子作りって地味に大変だけど、東条さんなら楽勝か」

    キーボ「ですが確定出来るんですか? 他の人が作ったという可能性もあるんじゃないんですか?」


    真宮寺「いや、東条さんは厨房の食材を全部管理している。チョコクリームケーキなんて作ったらその材料分在庫が減って気付くはず」

    真宮寺「なのに何も言っていないのが東条さんがケーキを作った証拠だヨ」


    ゴン太「でもどうしてケーキを作ったの? そしてそれを黙っていたの?」


    星「もしかしてこういうことか?」

    星「東条は勝手に赤松のケーキを食べてしまった。だからその偽装工作に新しくケーキを作って置いておいた」

    星「でもそのケーキも夢野に食べられてしまった」


    アンジー「だとするとクロは斬美ってことー?」

  • 45123/05/06(土) 21:16:20

    最原「どうかな、東条さん」

    東条「申し訳ないけど……黙秘させてもらうわ」

    白銀「それって自分がクロだって認めてるようなものだけど……」
    天海「シロなら弁明してもらわないとみんなでおしおきっすよ」

    王馬「いや、東条ちゃんにとっておしおきは怖くないんだよ」
    百田「ん? どういうことだ?」

    王馬「だってモノクマは東条ちゃんに超激辛担々麺を作るように頼んだんだよ。つまり自分で作って自分で食べるなら調整することも可能」
    王馬「普通の辛さの担々麺にすればいいんだからね」

    入間「はぁ!? 何だよそれ、せっこいな!」
    東条「………………」

  • 46123/05/06(土) 21:16:41

    最原「………………」
    最原(東条さんの黙秘……クロだから何も反論できないだけ……だとは思えない)

    最原(さっき夢野さんがクロだってなりみんなが投票に移ろうとする中、異を唱えて僕の話を聞くように促したのは東条さんだ)
    最原(クロなら夢野さんに投票してもらった方が良かったはず)

    最原(でも……だからってシロなのか? 王馬くんの言うようにおしおきが怖くないから協力しない?)
    最原(いや、それも僕の話を聞くように言ったことと矛盾している)

    最原(だとしたら東条さんは……)

  • 47123/05/06(土) 21:18:22

    最原「東条さん、もしかして……誰かから依頼をされたの?」
    東条「………………」

    百田「依頼ってどういうことだ?」
    最原「東条さんにとって依頼は絶対。もし『ケーキを作って冷蔵庫に置いておけ。このことを他言するな』って言われたら東条さんはそれに従うんだよ」

    春川「誰がそんな依頼をするわけ?」
    最原「もちろん真のクロだよ。赤松さんのケーキを食べたクロが偽装工作のために東条さんに依頼したんだ」

    星「事の露見を恐れるクロが東条に他言無用を命じたのも……考えられるラインだな」

    茶柱「ですが本当に東条さんはクロじゃないんですか?」
    最原「そもそも東条さんがクロなら、赤松さんのケーキを盗む必要は無い。自分でケーキを作って食べればいいんだからね」
    最原「もちろんすぐにケーキを食べたかった、とか例外も考えられるけど……どうにも東条さんがクロって推理はしっくりこない」

  • 48123/05/06(土) 21:19:00

    東条「流石超高校級の探偵ね」
    百田「……っ! ってことは」

    東条「勘違いしないでただ褒めただけ。そしてここからは独り言よ」
    東条「依頼は朝、部屋にメモの形で送られた。送り主は誰か私にも分からないわ」

    最原「東条さん……!」
    最原(東条さんの信条を破らずに言えるのはそれだけだったのだろう。でも十分だ)

    赤松「朝には依頼があったってことは……私のケーキは昨夜の内には食べられてたってこと?」
    最原「そうだね」
    最原(それはあの証言からも明らかだ)

    証拠を提示しろ
    『キーボの証言』

    最原「これだ!!」

  • 49123/05/06(土) 21:20:24

    最原「キーボくん、言ってたよね。昨夜にサブ冷蔵庫に電池を取りに来たときにはケーキが無かったって」
    キーボ「ええ、そうですが……あれ、赤松さんはケーキをサブ冷蔵庫に入れてたんですか?」
    最原「うん。だから昨夜の内に無くなっているのは間違いない」

    モノタロウ「冷蔵庫に電池? 何で? 食べるの?」
    モノキッド「腹壊すぜ!!」
    モノスケ「関西人の冷蔵庫には電池が入ってるもんやでー」
    モノファニー「何か長持ちしそうねー」
    モノダム「実際……意味ハナイミタイ……ダケド」

    最原「アンジーさんとの証言でごちゃごちゃしてたけど、こういうことだと思う」

    最原「サブ冷蔵庫に昨夜、赤松さんはショートケーキをしまって、クロが食べて、キーボくんが無いのを確認した」
    最原「メイン冷蔵庫に今朝、東条さんはチョコケーキをしまって、アンジーさんが確認して、夢野さんが食べた」

    最原「ケーキは二つあったし、それぞれ独立した事象だったんだよ」

    アンジー「そういえばアンジーが確認したのはチョコケーキだったのだー」

  • 50123/05/06(土) 21:21:06

    キーボ「なるほどそういうことだったんですね」
    キーボ「ではボクが確認する前に誰かがケーキを食べたんですね」

    茶柱「ちょっと待ってください! その証言を信じて良いんですか!」
    茶柱「キーボさんが赤松さんのケーキを食べた可能性だってありますよね!?」

    キーボ「ボ、ボクですか!?」
    真宮寺「……そうだネ。キーボくんがサブ冷蔵庫に近づいたのだとしたら、そのときに食べてしまったのかもしれない」

    最原(キーボくんが食べたことを隠して無くなっているとだけ嘘を吐いた可能性……いや、それはない)

    選択肢を選べ

    1キーボはロボットだから
    2キーボはロボットだから
    3キーボはロボットだから

    →2キーボはロボットだから

    最原「これだ!!」

  • 51123/05/06(土) 21:21:43

    最原「その可能性は無いよ」
    最原「キーボくんはロボット、ケーキを食べることが出来ないからね」
    夢野「うむ、ロボットじゃからな」
    王馬「人間様の食べ物を食べることは出来ないよねー」

    キーボ「酷いですね! 然るべき機関に訴えますよ!!」

    星「……というかそうなるとそもそもキーボへのおしおき、超激辛担々麺ってどうするつもりなんだ?」
    モノクマ「え? 食べられないならそれはそれで無理矢理食べさせることがおしおきになるからいいんじゃない?」
    天海「同情するっす」

  • 52123/05/06(土) 21:22:28

    春川「それで結局クロは誰になるわけ?」
    夢野「昨日の夜の間に誰か食べたんじゃろ」

    百田「その誰かが誰なのかってことだろ」
    白銀「アリバイ……とかは無理だよね。夜遅いし個室にいた人も多いだろうし」

    最原(推理を積み重ねてここまで分かった。でも最後の一押しが足りない)
    最原(どうしてもクロを絞り込むための情報が無い)

    王馬「さーて、じゃあそろそろ出番かな」

    百田「王馬……何か知ってるのか?」
    王馬「当然だよ、何せオレは最初からクロを知ってたからね!!」
    百田「はぁ!?」

    最原(王馬くんは……一体何を言い出すつもりだ?)

  • 53123/05/06(土) 21:23:17

    <ノンストップ議論開始!!>


    百田「クロを知っていたってどういうことだよ!?」


    夢野「知っていたならウチが疑われたときに証言せい!」

    茶柱「そうですよ!」


    星「どうせ嘘じゃないのか?」

    天海「王馬君のことだからあり得るっすね」


    王馬「酷いなあ、本当だよ!!」

    王馬「クロが赤松ちゃんが買ってきたショートケーキ1ホール分を食べたせいであんなに悲しんで……」


    白銀「1ホールってそんな食べるつもりだったの?」

    春川「太るよ?」


    ゴン太「ん、そんなに『たくさん無かった』ような」

    入間「そこのバカ松が買ってきたのは、その貧相な胸と一緒な『1ピース』だっただろうが!」


    赤松「な、何かめちゃくちゃ言われてない?」


    コトダマセット


    『ケーキの詳細』 → 『たくさん無かった』『1ピース』


    最原「それは違うぞ!!」

  • 54123/05/06(土) 21:24:00

    王馬「にししっ、ボロを出しちゃったね。ゴン太、入間ちゃん」

    ゴン太「え?」
    入間「何言ってんだ、そこのツルショタは」

    最原「……赤松さんが1ホールのケーキを買ったっていうのは王馬くんの嘘だ」
    赤松「そうだよ、勝手に人のことを食いしん坊みたいにしないでよ!!」

    最原「でも1ピースしか買っていないってことはこの裁判中でも言っていない」
    最原「それなのに……二人はやけに確信を持って否定したよね?」

    ゴン太「そ、それは……」
    入間「え、え、え……」

    最原「二人とも赤松さんのケーキを見たけど黙っていたんじゃないの?」

    最原(王馬くんの嘘によって暴かれた真実)
    最原(だけどよく思い返してみれば、捜査中にゴン太くんはサブ冷蔵庫に赤松さんがケーキをしまったって知っていたし)
    最原(入間さんは『白いものをもらって喜んでいた』と赤松さんのケーキがショートケーキであることを知っていた)

  • 55123/05/06(土) 21:25:28

    星「なるほど、クロが分かっていたってのは揺さぶるための嘘か」

    王馬「そうだよー。でも釣れたのが二人とはねー」

    ゴン太「ゴ、ゴン太はクロじゃないよ! 本当だよ!」
    入間「オ、オレ様はクロじゃねーよ!!」

    王馬「どっちがクロか分かんないし……ここからは超高校級の探偵に任せよっかな」

    最原(王馬くんからのパス)
    最原(十分だ。二人の内のどちらがクロか)
    最原(それは二人の違いから判断できる)
    最原(現場に残されたあの証拠から判断すると――――)

  • 56123/05/06(土) 21:26:30

    <怪しい人物を指名せよ!!>


    最原「赤松さんのケーキを食べたクロは――入間さん、君だよね」

    入間「オ、オレ様じゃねーよ!」


    最原(認めないなら……あの証拠をぶつけるだけだ!!)


    <理論武装開始!!>


    入間「オレ様はクロじゃねーよ!!」

    入間「金か、身体か? 何がお望みなんだよぉ……?」

    入間「何、言ってやがるんだこのダサい原は!!」

    入間「ていうかクロはゴン太だろ!」

    入間「なんなの……もう許してよぉ……」


    入間『オレ様がクロだって証拠はねーだろ!!』

  • 57123/05/06(土) 21:27:16

    『フォークの袋の破れ方』

    最原「これでおしまいだ!!」
    COMPLETE!!

    最原「食堂のゴミ箱にあったプラスチックフォーク」
    最原「クロはこれを使って赤松さんのケーキを食べたはず」
    最原「これから入間さんかゴン太くんの2択から、入間さんに絞れるんだ」

    百田「フォークから分かるって……どういう意味だ?」

    最原「フォークが入っていた袋の破れ方だよ」
    最原「袋はこんな風に左から右に破られている」
    最原「この破り方は右手で行われたものだ」

    真宮寺「右手……そうか、二人の違い。それは利き手の違いってことだネ」

    最原「そう、ゴン太くんは左利き、入間さんは右利き」
    最原「つまりクロは入間さんってことになるんだ!!」

    入間「ひ、ひぐっ……!!」

  • 58123/05/06(土) 21:28:07

    モノクマ「うぷぷっ、議論も終わったみたいだね」
    モノクマ「それじゃ行きましょう、投票ターイム!!」
    モノクマ「みなさんお手元のパネルから、クロと思われる人物に投票してください!!」

    最原(入間さんのボタンを押す)

    モノクマ「……さーて投票の結果選ばれたのははたしてクロなのか、シロなのか!」
    モノクマ「ワックワク、ドッキドキの結果発表ー!!」

    ルーレットが回り始める。
    みんなが息を呑んで見守る中。
    それは次第にスピードを落として……。

    入間のところで止まったのだった。

  • 59123/05/06(土) 21:28:34

    モノクマ「大・正・解ー!! 赤松さんのケーキを盗んだのは超高校級の発明家、入間美兎さんでしたー!!」

    白銀「本当に入間さんだったんだね」
    百田「さすが終一だぜ」

    赤松「入間さん……何で私のケーキを食べたの?」

    入間「そ、それはだな……お腹が空いてて。それと赤松のケーキだと思わなくてだな」

    赤松「でもメモがあったのに――」

    ゴン太「ごめん、それはゴン太のせいかもしれない!!」

    赤松「え?」

  • 60123/05/06(土) 21:31:35

    王馬「そういえばさっきの話だとゴン太も昨夜の内に赤松ちゃんのケーキを見たんだよね」

    ゴン太「うん。たぶん入間さんよりも先だと思う」
    ゴン太「一旦冷蔵庫から取り出したところで赤松さんのメモに気付いたから、またしまったんだけどちょっと慌てちゃって」

    真宮寺「なるほどそのときメモが落ちちゃったんだネ」
    最原「だから厨房のあんなところに落ちていたのか」

    ゴン太「疑われるかもって言い出せなかったんだ……ごめん」

    春川「その後、厨房にやってきた入間はメモが無かったから、誰のものでもないと思ってケーキを食べてしまった」

    茶柱「ですが東条さんにケーキを作る依頼をしたのも入間さんですよね?」
    茶柱「あんな依頼、赤松さんのケーキを食べたと思わなければしないと思うんですが」

    入間「そ、それはだな……ケーキを食べた後に宿舎に戻ったら赤松と春川が会話しているのを聞いてだな」
    入間「冷蔵庫のケーキが赤松の物だったって知って、慌てて依頼を……」

    東条「なるほど、そういうことだったのね」

  • 61123/05/06(土) 21:32:07

    星「悪意があったわけでは無かったんだな」

    入間「そ、そうだぜ!! だからだな、そのぅ……おしおきは……」

    モノクマ「え、もちろんするよ?」

    入間「ひぐっ!」

    茶柱「超激辛担々麺ですか……」
    夢野「安心しろ、死にはせん」

    王馬「どんなリアクションが出るかな!! 楽しみだね!!」
    白銀「それは趣味が悪いけど……まあ今日も度々暴言があったし、たまにはお灸もすえた方がいいかな」

  • 62123/05/06(土) 21:32:46

    ゴン太「その……東条さん」
    東条「何かしら?」
    ゴン太「入間さんの超激辛担々麺作るんだよね。王馬君が言ってたみたいに辛さの調整出来ないかな」

    入間「頼む、東条、この通りだ!!」

    最原(なりふり構わず土下座する入間さん)

    東条「………………」
    東条「大丈夫よ、入間さん」

    入間「東条……」

    東条「私がせこくないってことを示すために、ちゃんとふんだんに香辛料を入れるわ」

    入間「東条ぉぉぉぉぉぉぉぅ……」

    最原「あーこれは……」
    天海「根に持ってたんすね」
    赤松「自業自得だね」

    モノクマ「それでは行きましょう、おしおきターイム!!」

  • 63123/05/06(土) 21:34:06

    入間美兎さんがクロに決まりました。おしおきを始めます。


    <超高校級の発明家のおしおき>

    <超激辛担々麺>


    入間「ちょ、ちょっと待て! 赤すぎないか!?」

    入間「人間の食う物じゃないだろ……頼むよぉ、勘弁してよぉ」


    躊躇する入間に機械の手が纏わりつき、強制的に身体を動かして食べさせにかかる。


    入間「え、あ、いやぁっ……!!」


    入間「ごほっ、ごほっ!!」

    入間「ひぁ、無理……らめっ、動かないで……!!」

    入間「えほっ! 死ぬ、死ぬ!! オレ様が死んだら世界の損失だぞ!!」


    尋常じゃない辛さに味わうどころか咳込む。

    額からは汗が、鼻からは鼻水が、目からは涙が、あらゆる液体が垂れ流される。


    入間「あっ、やばっ……何か気持ちよくなってきたかも……」



    赤松「うーん、ケーキおいしい! 作ってくれてありがとね、東条さん」

    東条「お安い御用よ」


    最原(こうしてケーキに始まった事件は幕を閉じたのだった)


    <ケーキ消失事件 完>

  • 64123/05/06(土) 21:38:17

    というわけでここまでダンガンロンパV3二次創作SS、ケーキ消失事件でした。

    掲示板でダンガンロンパが話題に上がることが多く、久しぶりに書きたくなって書きました。
    読者視点でちゃんと納得できる論理・展開になっていたか未だに不安。
    裁判も反論ショーダウンとか議論スクラム入れたかったけど上手く入らず。ケーキの行方が議題なのであんまり議論がバチバチならなかったですね。

    読んでくださりありがとうございました。

  • 65二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 21:45:28

    最後の2択も伏線を張ってたの見事
    どんなケーキがどこに入ってたか知ってないと言えない事言ってたのはV3らしい

  • 66二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 21:48:50


    楽しく読ませてもらいました
    ゴン太の発言には気づいてたけど入間の発言には気づいてなかったぜ…

  • 67二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 21:50:47

    ダンガンロンパSSスレは久々だったので本当に楽しかった

    自分は>>66とは逆に、入間の発言には気付いたけどゴン太の発言には気付けなかった⋯

    プラスチックフォークの袋の破かれた向きは伏線だろうなと思ったものの、それがクロ判断材料になるのは盲点だった

  • 68123/05/07(日) 00:28:53
  • 69二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 06:29:31


    楽しませてもらったぜ

  • 70二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 16:46:35

    >>68

    あの作品の方だったのか!

    1章の展開と伏線回収がえげつなくて背筋が凍ったの今でも忘れられないわ

  • 71二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 23:48:26

    もっとss書いて欲しいわ、
    とても面白かったわ

  • 72二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 00:00:26

    >>68

    完成度高いなと思ったらまさかあのSSの作者さんだったとは…

  • 7323/05/08(月) 08:46:12

    昔のssですが読んでるかたがいるようでありがたいです
    今回のssもpixivにまとめましたと報告
    まあss速報vipと違って荒れてないので必要ないんですが一応

オススメ

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