【SS】「緋色の包囲網」

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 22:31:53

    俺は高校生マジシャン・黒羽快斗
    16歳の誕生日、自宅の隠し部屋に入り、10年前にステージ中の事故で亡くなった父・黒羽盗一の正体が世間を騒がせていた怪盗キッドだった事を知ってしまった!

    俺は親父を死に追いやった奴らを追い詰めるため、奴らが求めている「パンドラ」という宝石を探すことを決意、怪盗キッドの後継者としてあらゆるビッグジュエルを盗み出すことにした。

    そんなある時、獲物の一つだった「赤面の人魚」を盗むために「世良真純」って女子高生に変装したんだが……女の子だって知らずに下着姿にひん剥いちゃったんだよなぁ……

    胸なかったし、男物の服着てたし、何より男子トイレに入ってたから完全に男だと思ってたんだよ!
    まぁ当然、本人に怒られて思いっきり蹴りを喰らったんだけど、後で聞いた話によるとあの子の家族はそーとーヤベェ奴ららしい……

    万が一あの子にした事を知られたら、どんな目に遭わされるか分かんないよなぁ……

    姿は変えてもハートは同じ!
    盗めないお宝なしの名怪盗❤️
    その名も、怪盗KID!


    赤井ファミリー&京極さんvsキッド&コナンのSSです。コナン側にチートが増えてきたので、頼れる味方をあえて敵に回したらをコンセプトにアニメSP版をイメージした話です。視点はコナン君です。

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 22:33:21

    【緋色の包囲網】
    1:集結

    〜世良母子が拠点としているホテルの一室〜

    真純「吉兄、最近どうだ?由美タンとは上手く行ってるー?」デンワチュウ
    真純「えー、ボク?最近変わったこと?そうだなぁ、強いて言えばあの怪盗キッドに遭遇して、不意打ちのスタンガンで気絶させられちゃったんだけどさぁ」
    偶々聞いていたメアリー「ガタッ」
    真純「怪我とかはないよ!ただあいつ、ボクに変装するために見ぐるみ剥いでトイレに閉じ込めて行きやがってさ。目が覚めてから着るものもなかったんで下着姿で出てかなきゃ行けなかったし、危うく風邪引くところだったよー」
    メアリー「WTF!?」
    真純「大丈夫大丈夫!ちゃんと仕返しに一発蹴り入れてきたからさ!心配ないって」ケラケラ
    真純「あっごめん、なんかママが凄い顔で電話替われって言ってる」
    メアリー「緊急家族会議だ……嫁入り前の娘に舐め腐った真似をした怪盗とやら、目に物見せてやる……」ワナワナ

  • 3二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 22:48:20

    〜鈴木邸・次郎吉の部屋〜

    次郎吉「ほう、あかずの金庫から出てきた宝石とな」

    [花丘 英和(48) 旧華族・花丘家当主]

    英和「ええ、この「最愛の薔薇(ディアレスト・ローズ)」は曽祖父がフランスに留学していた際、親しくなった大富豪から格安で買い受けたネックレスで、、当時のことを記した手紙も一緒に保管されていました。」
    次郎吉「ほぉー、これは何とも見事な大きさのルビーじゃ。裏面に彫られた薔薇の絵も見事なものじゃのう。」
    次郎吉「しかも、両脇の小ぶりなものと合わせて7種類の宝石が散りばめられておる。」シゲシゲ
    次郎吉「して、両脇に3つずつ飾られた色の違う宝石は、それぞれ何という石なんじゃ?」
    英和「それが、まだ鑑定に出していないのではっきりとは分かっておらず……」
    次郎吉「なるほどなるほど、しかし貴殿の人となりはよく知ってある。儂にそのような嘘はつくまいて。」
    英和「あ、ありがとうございます」
    次郎吉「よかろう!貴殿の会社への資金援助の代わりに、この宝石を借り受けるぞ!これほど見事な首飾りならば、彼奴を釣る良い餌になるじゃろう!」

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 23:00:00

    宝石・「最愛の薔薇(ディアレスト・ローズ)」について

    19世紀、当時フランスに留学していた花丘茂氏が、現地の大富豪オーギュスト・ベルヌーイから買い受けたもの。
    手紙によると、ベルヌーイ氏は一目惚れした舞台女優にプレゼントするためにこれを作らせたがあっさり振られてしまい、半ば自棄になって異国の友人に格安で譲ったらしい。
    ネックレスには7種類の宝石がセッティングされている。
    向かって左からダイアモンドのような透明な石、緑色の石、緑色の宝石、紫色の宝石と小ぶりな石が3つ並び、中心の巨大なルビーを挟んでまたオレンジ、青、黄色と小ぶりな宝石が3つ連なっているデザインだ。
    中心のルビーは裏面に透かし彫りで薔薇の花が描かれており、正面から見ると石の中心に真紅のバラが咲いているように見える。

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 23:17:33

    〜工藤邸〜

    秀吉(電話)「そう言うわけで、僕らの可愛い妹に不埒な真似をした怪盗を捕らえることにしたよ」

    沖矢「なるほど。母さんは何と?」

    秀吉「それが、自分は直接行くことができないから僕に行ってこいって言うんだ。やっと連絡がついたと思ったら自分の要件しか言わないし、由美タンには会ってくれないし……」フマンタラタラ

    沖矢「悪いが俺もあまり派手に動くことはできない。近々また鈴木財閥の方でキッドと対決する予定があるようだから、キッドキラーのボウヤに頼んで捜査に協力させてもらう体で入り込むことにする。当然お前とも無関係で通すぞ」

    秀吉「了解。そしたら僕は、太閤名人の名声を使って鈴木相談役に自分を売り込ませてもらうよ。」

    沖矢「ああ。園子嬢の話によると、相談役は明日の朝刊でキッドに挑戦状を叩きつけるつもりらしい。それまでに目新しい警護プランを考えておくのが良さそうだな」

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 23:32:37

    秀吉「あ、警護プランといえば真純が何か言ってたな」

    真純(回想)「吉兄、キッド捕まえたいのか?それなら最強の助っ人がちょうどもうすぐ帰国するみたいだから頼んでおくよ!」

    沖矢「ホォー……最強の助っ人ねぇ……」ニヤリ

    秀吉「助っ人が僕の思った通りの人なら、兄さんには遠距離からの攻撃に専念して貰えそうだ。撃ち落とすのは得意だろ?」

    沖矢「ああ、任せておけ…… 闇夜に映える純白の羽根で飛ぶ鳥だ……的にするのは容易いさ……」ライフルカチャッ

    秀吉「じゃあ、準備ができたらまた連絡するから!頼んだよ!」ガチャツーツー

    沖矢「……さて。」

    沖矢「話は聞いていただろう?ボウヤ」

    コナン(げぇっ!?盗み聞きバレてたのかよ……)

    コナン「あ、あははぁ〜今度は赤井さんと太閤名人が協力してキッドを捕まえに行くんだねぇ〜」カワイイコエ

    沖矢「ああ。あの怪盗にきつく灸を据えなければならない理由ができたからな……」

    コナン(め、目がマジだ……これキッドマジでヤベェぞ)

    沖矢「まぁ、逃しはしないさ……弟の言う助っ人とやらは、恐らく400戦無敗の彼の事だろうしな。」

    コナン(キッド死んだわこれ)

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/06(土) 23:47:22

    >>4

    訂正

    ×「向かって左からダイアモンドのような透明な石、緑色の石、緑色の宝石、紫色の宝石と小ぶりな石が3つ並び、中心の巨大なルビーを挟んでまたオレンジ、青、黄色と小ぶりな宝石が3つ連なっている」


    緑が一個多いです。


    正しい配置は、透明・緑・紫・大きなルビー・オレンジ・青・黄色 で7石です。

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 00:08:58

    〜工藤邸からの帰り・夜道〜

    コナン(しっかし大変なことになったなぁ……まぁ、元はと言えばあいつが世良を男と間違えてひん剥いたのが原因だし、自業自得だな。)

    蘭「コナンくーん」

    コナン「え、蘭姉ちゃん?」

    蘭「コーナーンー君っ」

    蘭?「こんな時間に1人で出歩いちゃダメじゃない。ほら早く帰ろ?晩ご飯カレーだよ」

    コナン(麻酔銃構え)「……バーロー、二度も同じ手を食うかよ」

    コナン「何の用だ?怪盗キッド!」

    キッド(変装解除)「お久しぶりぃ、名探偵❤️」バサァ

    コナン「まさかオメー、ヤバい人たちを敵に回しちまったから助けてくれなんで言わねーよな?」

    キッド「……そのまさかだって言ったら、どうする?」

    コナン「はぁぁー!?バカじゃねぇの!?俺は探偵!お前は怪盗!盗みを働こうとする奴に協力なんてするわきゃねーだろ!」

    キッド「頼むっ!このとぉーりっ!!」

    コナン「ダメに決まってんだろ!」

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 00:09:21

    キッド「……ミステリートレイン」

    コナン「あぁ?」

    キッド「この前、名古屋に向かうミステリートレインで、危うく爆死しかけたなぁー、悪そうなやつに銃向けられてぇ、めっちゃ怖かったなぁー」

    キッド「名探偵も大概ヤバそうな奴らを敵に回してるよなぁぁー。そんな時ぃ、超一流の変装技術を持ったマジシャンの手助けがぁ、必要になったりするんじゃないかなぁー?」

    コナン(コ、コイツ……) ピキピキ

  • 10二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 00:25:58

    キッド「今回ばかりはマジでヤバそうだからな。悪ぃが俺もなりふり構ってられねーんだよ」

    〜回想・警視庁〜

    中森警部「まーたキッドを誘き寄せるための宝石を買ってきたのか。あんたも懲りないねぇ……」

    次郎吉「今回、キッドに手錠をかけるための秘策についてスペシャルゲストから協力の打診があった。今日のところはTV通話で失礼するぞ」

    中森「スペシャルゲストぉ?」

    秀吉(TV通話)「初めまして、羽田秀吉と申します。今回キッド逮捕に協力させて頂きたく、こちらの鈴木相談役にご連絡致しました。」

    中森「た、太閤名人!?将棋の有名人が何でこんなところに!」

    秀吉「実は私の妹がキッドに襲われましてね」

    中森「キッドが一般人を?失礼ですがそれは本当にキッドなんですかな」

    秀吉「間違い無いかと思います。キッドは妹に変装して会場に入り込むために、服を脱がせて下着姿で男子トイレに置き去りにしたようですから」

    中森「あ、もしかして……」

    次郎吉「赤面の人魚の時の……」

    警官に変装中のキッド(やっべぇ〜〜!!あん時のボクっ娘の兄貴かよ!)

  • 11二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 00:51:24

    秀吉「男兄弟の中で育ってきてかなり男勝りな子になってしまいましたが、それでも17歳の女の子ですからね。不埒な真似をされるのは、兄として許しがたく思います。」

    キッド(いやいやいや!男と間違えただけでそんなつもりじゃなかったんだって!だってあんたの妹最初っから男子トイレにいたんだから!)

    次郎吉「なるほど、名人殿がお怒りになるのも尤もじゃ。」

    中森警部「まぁあのボクっ娘はひん剥かれたのそんなに気にしてなさそうだったがな……」

    秀吉「ですので、何としてでもキッドを捕えて相応の裁きを与えたいのです。」

    秀吉「幸い、手元の駒に空を飛ぶ生き物を地面に叩き落とす天才がいますからね。」ニッコリ

    キッド(目が笑ってねぇ…………) ガクブル

    次郎吉「ご安心召されよ、名人殿。花丘邸に設置する防犯システムは既に準備を進めておるし、以前宝石を守ってくれた400戦無敗の強者も協力を承諾してくれたぞ」

    秀吉「400戦無敗というと、空手チャンピオンの京極真君ですね。」

    次郎吉「そうじゃ。最強の武力と知力で今度こそ彼奴をギッタンギッタンに叩きのめして、妹君に謝らせてから牢獄へぶち込んでやるわい」

    秀吉「ええ、その時を楽しみにしています。」

    キッド(マジで殺されるかもしれねぇ……) オワタ

    秀吉「あぁ、そうそう、あの子との兄妹関係については公にしていませんのでここだけの話にして頂けますと幸いです。では、また後ほど。」

    次郎吉「おお、頼んだぞ!」

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 05:57:29

    保守

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 07:41:40

    急募 FBIと元MI6、現代最強の棋士、400戦無敗の最強の男こと蹴撃の貴公子、警察、公安その他諸々に狙われて無事に宝石も奪い逃げ延びる方法

  • 14二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 07:47:02

    >>13

    黒の組織でも滅ぶレベルなのよ

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 08:05:10

    キッド「……ってなわけで、流石に俺1人じゃ戦力不足だろ?だからお願いっ!」

    コナン「えぇー……」

    キッド「このままだとマジで命が危ないんだって!それに、将棋名人の口ぶりだと他にも助っ人を連れてくるみてーだし……」

    コナン「ああ、FBI最強の狙撃手が来るだろうな。もしかしたらそれに加えてジークンドー使いがもう1人、いや2人来るか……?」

    キッド「勘弁してくれ」

    コナン「………………」

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 08:17:07

    コナン「…………チッ、しゃーねーな」

    コナン「条件が2つある」

    キッド「おおっ、なんだ?」

    コナン「俺は盗みには加担しねえ。協力するのはあくまで「無事に脱出すること」だ」

    コナン「それから2つ目の条件、「盗んだ獲物は必ず持ち主に返すこと」それがたとえ目当ての宝石であってもな」

    キッド「……んー、まぁ、いっか」

    キッド「花丘邸にあったのが本当に目当ての宝石だったら、返した後また改めて盗みに行くかもしれねーが」

    コナン「そん時ゃ俺も容赦しねーよ。絶対に捕まえてやるさ」

    キッド「了解。んじゃあ交渉成立ってことで!」バサバサッ

    キッド「明日の朝刊に鈴木相談役からの挑戦状が載ったらそれを受ける形で予告状を出すから、明日の夜花丘邸で会おうぜ!」アバヨーメイタンテイ

    コナン「ちょっキッド!」

    コナン「……ったく、言いたいことだけ言って行きやがった」

    コナン(にしても、現役将棋名人にFBIの狙撃手に、元MI6にジークンドー使い、おまけに400戦無敗の蹴撃の貴公子って……)

    コナン(敵、多すぎるだろ……)

    コナン「ハァ……今度の赤井さんたちは、敵かもしれない……っていうか敵だわ……」トホホ

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 08:54:07

    「緋色の包囲網」 FILE.2 撹乱

    〜翌日・帝丹高校〜

    園子「見て見て!キッド様から挑戦状の返事が来たみたいよ!」

    蘭「本当だ、『今夜零時、花丘邸にて最愛の薔薇を頂きに参上します』だって!」

    園子「コナン君は先にスタンバってるらしいわよ。蘭も今日来るでしょ?」

    蘭「あー……ごめん、今日お父さんが熱出しちゃったんで、学校終わったら看病しなきゃ」

    園子「蘭とおじさまはパスかぁ、残念……」

    真純「でも今回は、園子君の最強彼氏が協力してくれるんだろ?文字通り100人力じゃないか!」

    園子「ふふーん、真さんならついさっき空港に着いたってメールくれたから、そのまま花丘邸に向かってもらってるわよん」

    真純「それに、ボクの2番目の兄貴もキッド確保に参戦するらしいからね!吉兄の頭脳にかかればキッドなんてひとたまりもないさ!」

    園子「随分と自信満々ね……世良ちゃんのお兄さんって、そんなに頭良いの?」

    真純「ああ、日本一だよ!それに吉兄、昨日から何故かやたらと張り切ってるんだ。「何としてでもキッドを捕らえる」ってさ。今まで怪盗とか興味無さそうだったのに、急にどうしたんだろうね?」

    蘭「もしかして、この前世良ちゃんがキッドにセクハラされた件で怒ってたりして……」

    真純「いやー吉兄に限ってそれはないって!」アハハ

  • 18二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 09:55:38

    履歴残しとこ

  • 19二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 11:21:50

    いいぞ〜これ
    スレ主がんばって

  • 20二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 12:52:39

    そういやこんなエミュレーターあったな、スレ主見て思い出したわ

    sp.mco.cybird.ne.jp
  • 21二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 13:09:47

    頭脳明晰、身体能力抜群、ただし格闘術の心得はなく戦闘力0、がキッドの公式設定なのでキッドにとって一番相性が悪いのは恐らく京極

    頭が良いやつにマジックを見破られてもフィジカルで逃亡できるけど、京極はそのフィジカルが完全にキッドを上回ってるのでキッドのマジックを強行突破して追いかけてくるから

    安室や赤井は大っぴらに活躍できないからまだ大丈夫

  • 22二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 16:11:34
  • 23二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 19:29:57

    保守

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 19:37:18

    〜花丘邸〜

    次郎吉「最新防犯システム「鉄狸X」の準備が完了したぞ!あとは京極君と太閤名人の到着を待つのみじゃ」

    次郎吉「小童がいくつもアイディアをくれたおかげじゃわい。感謝しておるぞ」

    コナン「ど、どういたしましてー……」

    次郎吉「しかしお主、今回はいつにもなく張り切っておるのー。今日もこんな早くから準備を手伝いに来てくれるとは、ありがたい限りじゃ」

    コナン「早くキッドを捕まえたいからね、あはっ、あはははー」

    コナン(逃走ルートを確保しやすくするためとは言えねぇよな……)

    次郎吉「おや?お主をここまで送って来ていた沖矢とかいう眼鏡の男はどうした?さっきまで一緒におったろうに」

    コナン「昴さん、急用ができたみたいで帰っちゃったんだぁ。帰りは園子ねーちゃんたちと一緒に行けばいいし、ボクだけ残ったの。」

    コナン(多分、狙撃ポイントを探しに行ったな……)

    コナン「と、ところでさぁ、宝石は玄関ロビーに飾ることにしたの?」

    次郎吉「そうじゃ。入り口から入ってすぐに宝石とご対面できるぞ。」

    次郎吉「この部屋への出入り口は玄関を除けば奥の廊下に繋がる扉のみ。当然、そちらは厳重に施錠の上内側からバリケードで封じておく。窓が高い位置にあるとはいえハングライダーで飛べるほどの高さはない。」

    次郎吉「最新鋭の防犯システムについては、役者が揃ってからあらためて説明させて貰うぞ」

  • 25二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 19:59:22

    廊下側の扉から、この家の主である花丘夫妻が現れた。

    英和「警備システムの準備は一段落されましたか?家内がお茶をご用意しましたので宜しければどうぞ」

    [花丘 香澄(42) 英和の妻]

    香澄「鈴木相談役にキッドキラーのボウヤまで、曽当家の宝石のために態々ありがとうございます。」

    次郎吉「礼には及ばんよ。キッド逮捕のために協力して貰っているのはこっちじゃ」

    次郎吉「ところで、この家には確か執事がおらんかったか?ここに来てから一度も姿を見ておらんのじゃが……」

    英和「本吉なら、今お祖母様のお相手をして頂いております。普段は施設にいるのですが、曽祖父の宝石が見つかったと聞いたら一目見たいと言ってここまでいらして……」

    香澄「御高齢ですので1人してはおけませんので、執事がそばについておりますの」

    次郎吉「なるほど、そのような事情であったか。キッドの予告時間前後は廊下の扉を塞いでしまうから、お祖母様は執事と一緒に自室にいて頂いた方がよかろうな」

    英和「ええ。そうさせて頂きます。我々夫婦は玄関ロビーで立ち合わせて頂いても?」

    次郎吉「勿論じゃ。そうしてくれ」

  • 26二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 20:09:22

    花丘家について

    捜査関係者を除き、現在邸宅にいる人間は以下の4人。

    花丘 英和(48) 旧家族である花丘家の現当主。スポーツをやっていたようで体格が良く背も高い。

    花丘 香澄(42) 英和の妻。非常に小柄で痩せぎすな体格のため、キッドが変装するのは難しいかもしれない。

    花丘 麻里子(84) 英和の祖母。「最愛の薔薇」の持ち主だった茂氏の娘。車椅子に乗っている。

    本吉 治 (52) 花丘家に長く勤めている執事。家人の中で最もキッドに近い体格だが、麻里子の滞在中は彼女の側につくよう厳命されているため1人きりになれる時間がほとんどない。

    花丘家は家族仲は悪くないものの、財政状況は芳しくない。「最愛の薔薇」を可能な限り高額で売りたいと思っている。

  • 27二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 20:27:08

    京極「すみません、鈴木相談役はこちらにおられますか?園子さんから連絡を受けて、空港から直接こちらへ来たのですが……」

    次郎吉「おおーっ!待っておったぞ京極君!」

    京極「お久しぶりです。鈴木相談役、コナン君も。」

    コナン「京極の兄ちゃん!」

    コナン(やべぇ人が来ちまったなぁ……赤井さん一家だけでも戦力有り余ってるってのに)

    京極「園子さんは授業が終わり次第こちらに向かわれるとのことですが、毛利探偵はいらしてないんですか?」

    コナン「小五郎のおじさん、風邪ひいちゃったみたいでねー。蘭姉ちゃんが事務所に残って看病することになってるんだ」
     
    次郎吉「名探偵は不在じゃが、案ずることはないぞ。これから日本最強格の頭脳を持つ男が助っ人としてやってくるからの」

    京極「最強格?」

    コナン「頭脳ね、頭脳!世良の姉ちゃんのお兄さんで、将棋の名人なんだよ!」

    京極「それは楽しみです。ところで、空港からそのまま来たのでどこかに荷物を置かせて頂きたいのですが……」

    英和「でしたら、奥の客室が空いているのでお使いください。」

    次郎吉「長旅明けじゃろうし、キッドが予告した零時しばらく休ませてもらうとよかろう」

    京極「ありがとうございます。そうさせていただきます。」

    コナン「ボク荷物運ぶの手伝うよ!」

  • 28二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 20:37:22

    〜客間〜

    京極「時差ボケもあるし少し仮眠を取らせてもらう事にするよ」

    コナン「うん!ゆっくり休んでね!」

    コナン(京極さんには悪いが……出入り口が封鎖される時間まで麻酔銃で眠っててもらおう。)パシュッ

    京極「!?針……?」シュバッ

    コナン(えぇぇぇぇぇ)

    京極「今、背後から針が飛んできました……」パラッ

    コナン(ウッソだろ、この人今麻酔針をキャッチしたぞ)

    京極「まさか、キッドがもうこの屋敷に!」

    コナン「ハ、ハチじゃないかなぁ。さっきおっきいのが飛んでたんだぁ。黒くて大きい物を見ると熊と間違えて針を飛ばして来るハチがいるからさ、アハハ〜」アセアセ

    京極「そうでしたか。珍しいハチがいるのですね」

    コナン(いねーよそんなハチ)

    コナン「そ、園子姉ちゃんが着いたら起こしに来るから、お休みなさーい……」

  • 29二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 21:53:21

    映画でもそうだがコナンわりと容赦ないな

  • 30二次元好きの匿名さん23/05/07(日) 21:55:56

    >>29

    容赦なんてしてると(まだ)なんの悪事も働いてない快斗くんが死んじゃうからね

  • 31二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 06:07:07

    京極さんだったら麻酔針当たっても効かなそう

  • 32二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 10:09:17

    京極さん、たぶん毒盛っても効かないんだろうな…
    麻酔針って1日1本だっけ?これで使いきっちゃった?

  • 33二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 16:04:36

    銭形が数分で目を覚ましたからな

  • 34二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 19:28:26

    当然の如く麻酔が効かないの共通認識になってる上、背後から飛んできた針を針と認識してキャッチできるの動体視力も化け物すぎる

  • 35二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 21:33:33

    コナン(マジでヤベぇぞこれ)

    コナン(京極さんだけでも封じるつもりだったけど失敗した)

    コナン(麻酔銃はもう使えねぇ……)

    コナン「キッド、見捨てよっかなぁ……なーんて、ハハッ」

  • 36二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 22:16:59

    そういえば盗一と秀一は声も同じなんだっけ

  • 37二次元好きの匿名さん23/05/08(月) 23:44:10

    >>36

    そうだよ

  • 38123/05/09(火) 00:08:32

    >>36

    今回赤井さんは出さずに沖矢昴で統一する方針なので、申し訳ないけどそのネタを拾う余力はないです。

    あと公安も来ない。今のメンツに安室まで出されたらキッド・コナンサイドの勝ち筋が見出せないので


    まだ現場に集まってないけど一旦登場メンバーを纏めさせてもらいます


    キッドを逃がしたい側

    ・コナン君(麻酔銃以外の道具フル装備、逃亡のための作戦立案と立場を利用した捕縛サイドの妨害)

    ・キッド(まじ快で出てくる程度には説明なしの奇術が使用可能)

    ・寺井ちゃん(裏方)


    キッド捕縛側

    ・羽田秀吉(今回敵サイドのメインブレイン兼探偵役)

    ・メアリー(隠密しつつ奇襲と近接戦闘)

    ・世良真純(基本はメアリーと同行)

    ・沖矢昴(狙撃手としての運用メインで遠隔地からの攻撃要因)

    ・京極真(物理攻撃及び追尾)


    変装される側候補

    ・中森警部&捜査二課・機動隊員

    ・鈴木次郎吉

    ・鈴木園子

    >>26のオリキャラ


    メンバーが揃って鉄狸Xについての説明が入ったらオリジナル要素のtipsまとめます。

    行き当たりばったりで書いてはいるけど、一応推理できるようにはしたいので……

  • 39二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 06:10:59

    近接も遠隔も隙がなくて逃がす側大変だ…

  • 40二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 11:55:16

    チュウ吉と京極さんだけでも終わってる説あるのになんで最強スナイパーまでいるです???

  • 41二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 13:15:30

    世良がキッドに脱がされた件で赤井ファミリーブチギレスレが発端だから
    京極がいる理由は知らん

  • 42二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 20:47:45

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 21:18:35

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 23:16:30

    >>28

    誰も京極さんが死角からの麻酔針をキャッチしたことに驚いてないの笑うんだよなあ

  • 45二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 00:29:25

    秀吉「見捨てるって誰をだい?」ヒョコッ

    コナン「は、羽田名人!」ビクッ

    コナン「い、いやぁネットで将棋やってて、大駒を見捨てるタイミングが難しいなぁって思ってさ」

    コナン「それより、世良の姉ちゃんは一緒じゃないの?」

    秀吉「あぁ、僕は千駄ヶ谷で対局を終わらせた後そのまま来たからね。真純はまだ学校だし、園子お嬢様と一緒に来るんじゃないかな。」

    コナン「そっかぁ、京極さんはもう来てるから、あと園子姉ちゃんと世良の姉ちゃんが揃ったら鈴木相談役が防犯設備の説明するってさ」

    秀吉「じゃあ僕はそれまでの間、屋敷の敷地内とその周辺を調べてくるよ。泥棒を捕まえに行くなんて初めてだけど、キッドキラーのコナン君と400戦無敗の京極選手がいれば問題なさそうだね!」

    コナン「うん!」

    コナン(問題がなさすぎるのが問題なんだよな……)

  • 46二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 00:43:45

    コナン「それじゃあボクも一緒にお屋敷を見て回ろうかな!キッドが侵入出来そうな場所を探したいし」

    秀吉「そうだね。鈴木相談役は情報漏洩を恐れて防犯設備の詳細をギリギリまで公開しないつもりのようだから、僕達は今のうちに家や庭の構造を覚えて逃走ルートに先手を打たなければ……」

    コナン(一緒に行って、都合の悪いものを見つけられそうになったらカモフラージュしておこう)

  • 47二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 06:01:44

    皆どう動くんだろう
    楽しみ!

  • 48二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 10:49:40

    保守

  • 49二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 15:30:29

    〜花丘邸 庭園〜

    コナン「うわぁー!金木犀のいい匂い!」

    秀吉「緑が多い庭園だね。もう少ししたらあっちの紅葉や銀杏も綺麗に色づきそうだ」

    コナン(庭師を雇っていないようだから、手のかかりにくい植物を多めに植えてるみたいだな)キョロキョロ

    秀吉「あれ?どうしたんだいコナン君、上ばっかり見て。まるで狙撃を警戒してるみたいだ」

    コナン「や、やだなぁ、物騒なこと言わないでよぉ。ボク身長低いから、周りをよく見ようとすると見上げるしかないんだよ」

    秀吉「そっか、ごめんごめん!上を見渡した後であっちの鉄塔のあたりをじっと見ていたから、狙撃手のいそうな場所でも探してるんじゃないかなと思ってさ」

    コナン「そ、そんなことないよー……」

    コナン(麻酔銃はこの人に打ち込むべきだったかもしれない……)

    コナン(でも、赤井さんのいそうな場所はわかった。この辺りで屋敷から飛び立つキッドを狙撃できるとしたら、あの鉄塔っきゃねえ)

    コナン(1000ヤード以上距離があるけど……)

  • 50二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 15:43:32

    車椅子の老婆「おや、あなた方は……?」キコキコ

    執事「鈴木相談役が怪盗キッド捕縛のためにお呼びになられた助っ人の方々でございます、大奥様。」

    [花丘 麻里子(84) 英和の祖母]
    [本吉 治(52) 花丘家の執事]

    秀吉「どうも、お邪魔しております」

    コナン「お婆ちゃんこんにちは!」

    麻里子「まあ!貴方はもしかして史上最年少でプロ棋士になった将棋名人の太閤様?」

    秀吉「はい、羽田秀吉です」

    麻里子「あらあら、まさか本人とお会いできるなんて……実は大ファンなんですの。宜しければ握手して頂けませんか?」

    秀吉「そう言っていただけて光栄です!」アクシュ

    麻里子「今日は本当に素晴らしい日だわ……お父様が昔話してくださった宝石をこの目で見ることができて、憧れの太閤様ともお会いできるなんて、長生きするものね」

    コナン「キッドが狙ってる宝石は、お婆ちゃんのお父さんがフランスで買ったものなんだよね?」

    麻里子「ええそうよ、可愛いボウヤ。良かったら聞いてくれる?あの宝石にまつわる、友情と恋のお話を」

  • 51二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 19:09:19

    麻里子「あれは大正初期の頃、当時学生だった父はフランスで科学を学んでいてね。初めて見た異国は驚くほど美しく華やかな場所だったといつも言っていたわ。」

    麻里子「そこで知り合った年上の友人が、オーギュスト・ベルヌーイという方だった。理知的な男前でね、丁度太閤様のように綺麗な緑色の目をしていたそうよ」

    麻里子「ひょっとして、貴方には海の向こうの血が流れているのかしら?なんてね」フフッ

    秀吉「え、えぇ、まぁ……」

    秀吉(オーギュスト・ベルヌーイ……?その名前どこかで……)

    麻里子「それでね、父とベルヌーイ氏はある時、アメリカからやってきたローズという名前の美しい女性に恋をしたの」

    麻里子「彼女は駆け出しの女優で、半年もせずにアメリカに帰ってしまうから、その前に思いを伝えたかったと父は言っていたわ。」

    麻里子「でも父には母という許嫁がいたから、諦めて親友の恋を応援することにしたんですって。その証があの「最愛の薔薇」なのよ。」

    コナン「どういうこと?」

    麻里子「ルビーの真ん中に、薔薇の花が彫ってあるのだけどね、あれは手先の器用だった父が入れた透かし彫りなんですって。」

    麻里子「ベルヌーイ氏はそれをプレゼントしてローズさんに告白したのだけど、振られてしまってね。せめてネックレスだけでも受け取ってくれないかって言ったら、彼女は宝石を一つだけ外して持って行ったそうよ」

    麻里子「あなたを忘れないために、って彼の瞳と同じ色の宝石をね。」

  • 52二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 19:16:27

    麻里子「そしてベルヌーイ氏はそこに別の宝石を嵌め込んで、殆どタダみたいな価格で父に譲ってくれたそうよ。」

    コナン「素敵なお話だね。でもなんでそんな大事な宝石が、あかずの金庫にずっと仕舞われていたの?」

    麻里子「母に気を遣ったのよ。この話も、母のいない時にこっそり教えてもらったの。青春時代の秘密の思い出って言ってたわ」

    コナン「そっかぁ。」

    麻里子「沢山話して少し疲れたわ……泥棒さんのくる時間には私はもう寝ているでしょうけれど、太閤様が守ってくれるなら安心して眠れるわ」

    秀吉「ええ、必ずお守り致します。」

    麻里子「お願い致しますね。父の思い出の品、もし手放すことになるとしても孫たちの役に立ててほしいですもの」

  • 53二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 19:30:07

    麻里子「本吉さん、部屋に連れて行ってくださいませ」

    本吉「かしこまりました。あ、今夜のことで羽田様にご相談したいことがございますのでしばしお待ちを」

    秀吉「相談?何ですか?」

    本吉「私が言った事、旦那様には内緒にして頂きたいのですが……」ヒソヒソ

    本吉「実は今朝、怪盗キッドからの予告状と一緒に別のカードが2枚送られてきておりまして」

    本吉「旦那様はそれらを見て顔色を変えて、カードの存在について私にも他言無用と仰い……」

    コナン「なんて書いてあったの?」

    本吉「それぞれ英単語が一つずつ、『thread』と『thrum』だったかと……」

    秀吉「『糸』と『糸くず』か。なるほどね……」

    本吉「旦那様は随分お悩みのご様子でした。長年親しくされていた鈴木相談役にも言えないような事情があるのかと心配でして……」

    本吉「もしかすれば、キッドに脅されているのではないかと思うのです。ですので、羽田様にキッドを捕まえて頂きたくお願い申し上げます。」

    秀吉「ええ、大丈夫ですよ。元よりそのつもりです」

    本吉「ありがとうございます。では私はこれで失礼させて頂きますので、何卒……」

    コナン(キッドのやつ、何か他に目的があるのか?)

    コナン(……まてよ、糸と糸くずってことは、もしかしてあれは……)テケリン

  • 54二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 00:14:18

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 07:40:11

    >>51

    宝石にまつわる物語がコナンっぽくていいね!

  • 56二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 14:21:50

    コナン「へっくし」クシャミ

    コナン「ちょっと風が出てきてさみーな……」

    コナン(でも、この程度の風では赤井さんの狙撃に影響が出るとは思えない)

    コナン(あの鉄塔にいるとしたら、敷地内のどこから飛び立っても確実に的にされるだろうし)

    コナン(そう考えると、陸路で逃げた方が安全だろう。庭には高木も植えられていて遮蔽物が多い)

    コナン「……あれ?羽田名人どこ行ったの?」

    コナン(やっべ!考え事してて羽田名人がノーマークだった!)

    秀吉「ごめんごめん、ちょっと植え込みの方に何か隠されてた気がしてね」ヒョコッ

    コナン「何か見つかった?」

    秀吉「んー、僕の勘違いだったみたい。寒くなってきたし、風邪ひいちゃう前に戻ろっか」

    コナン「うん!」

  • 57二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 14:35:01

    〜客間 ドアの前〜

    コナン「京極さん、京極さーん」コンコン

    コナン「園子ねーちゃん来たよー」

    京極「ふぁ……起こしてくれてありがとうございます。すぐに行きます」ドアガチャ

    〜廊下〜

    ドア越しの園子「えぇっ!?世良ちゃんのお兄さんって、あの太閤名人だったんですか!?」

    秀吉「どうも、妹がいつもお世話に」

    園子「よくテレビで見てます!やだ、実物も超イケメーン❤️」キャッキャ

    京極「……」ピクッ

  • 58二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 18:03:03

    あっ……

  • 59二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 21:43:15

    おっっっと………

  • 60二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 23:21:34

    秀吉「ところで真純は?一緒じゃないんですか?」

    園子「ああ、世良ちゃんなら『準備があるから別行動で』って言ってたので私だけ先に来ることにしたんです。」

    園子「ところで、今回は何でキッド様を捕まえようと思ったんですか?普段はあまりそういう事件に興味なさそうだったって聞きましたけど」

    秀吉「真純が例の怪盗に襲われて、気絶してるとこに不埒な真似をされたと聞いたんでね。兄として、少しばかり仕返しをと思ったんだ」

    園子「あぁ、あれね……ホントにそれで怒ってたんだ……」

    園子「でもぉ、頭脳明晰でカッコよくて、その上妹想いなんて素敵〜〜!!世良ちゃんが羨ましいわぁ」

    園子「でも本当に良かった!頼れる人が来てくれるのは助かります!」

    園子「キッド様を酷い目には遭わせないでほしいけど…‥」

    ドア越しに全て聞いていた京極「………………」ドアノブミシミシ

  • 61二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 06:33:37

    ドアノブが…!!

  • 62二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 07:49:48

    この嫉妬心うまく使えば逃げ切れるかも?

  • 63二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 15:02:50

    京極さん、ストーカー一歩手前レベルで嫉妬深いからな…

  • 64二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 20:43:12

    園子「あれ、真さん?」ガチャ

    園子「ちょっとガキンチョー!起こすなって言ったでしょうが!」

    コナン「あーそうだった、ごめんなさぁい」

    秀吉「君が以前キッドに一泡吹かせたと言う京極君だね?僕は真純の兄の羽田秀吉です。今回はよろしく」ニコニコ

    京極「え、ええ、まぁ……」フクザツナカオ

    京極「ところで園子さん、さっきの件ですが」

    園子「ん、なぁに?」

    コナン「あ!そう言えばさぁ、蘭姉ちゃんから聞いたんだけど、園子姉ちゃん、今回京極さんを呼ばないつもりだったんでしょ?なんで?」

    京極「えぇっ!?」ガーン

    園子「な、何でってそりゃー……」テレッ

    京極「やはり、自分ではまだまだ力不足と言うことですね…………」

    コナン(よし、このまま上手いこと誘導して京極さんの集中力を削ぐぞ)

    京極「良い機会です。ここでキッドを仕留めきり、証明させて頂きましょう」

    コナン(…………ん?)

  • 65二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 20:44:54

    京極「自分が貴女の信頼に値する男であることをね……!!」ゴゴゴゴゴゴ

    園子「だからそういう意味じゃなくって……」

    次郎吉「おお、兵が揃ったか!では早速鉄狸Xのお披露目をさせて貰うぞ!」バーン

    京極「…………」コーホー

    コナン(やっべ、火に油だった) キッドゴメン

  • 66二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 06:29:03

    やる気出しちゃった…

  • 67二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 14:26:17

    キッド…いいやつだったよ…

  • 68二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 14:35:15

    殺る気ースイッチきみのはどこにあるんだろー(遠い目)

  • 69二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 22:25:13

    いつか原作でもキッドvs秀吉やってほしいな

  • 70二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 03:27:01

    保守

  • 71二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 12:40:39

    次郎吉「見よ!小童の意見を受けて改良を重ねた「鉄狸X」じゃ」

    次郎吉「底面以外は全て銃弾も通さない超硬質・耐熱ガラスで覆われておるので中の宝石を24時間監視することができる。底面にはオリジナルの「鉄狸」から応用した錠を設置しておる。まぁ残念ながら三水吉右衛門のようなトラップまでは用意できんかったがな……」

    次郎吉「もちろん底面とガラス面は厳重に溶接しておるし、正しい開け方をしなければセンサーが警告音を発するようになっておるぞ」

    次郎吉「そして、底面から錠を開ける場合、台座に開けた腕一本分の穴から手を入れなければならない。鍵はこの世で1本限りの特注品で、それはこの後封鎖される予定の客間にて保管することとなる」

  • 72二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 21:43:25

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 23:33:18

    コナン(鉄狸っつー名前の割にはほとんどガラスだよな)

    秀吉「なるほど……ガラス張りにしたのもコナン君の案で?」

    コナン「う、うん!そーだよ!中が見えてた方が見張りやすいでしょ?」

    秀吉「確かにそうかもね……ちょっと失礼」スマホポチポチ

    コナン「誰にメールしてるの?」

    秀吉「妹と、僕にここでの情報収集を命令した人かな。」

    次郎吉「太閤殿に命令するとは、一体何者なんじゃそ奴は」

    秀吉「うーん、強いて言うなら一生逆らえない人、って感じですかね。あはは……」

    秀吉「まぁ、信用のおける相手ですので、情報漏洩の心配はありませんよ」

  • 74二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 23:52:51

    警備システム「鉄狸X」について

    ・宝石をすっぽりと覆う立方体の箱。鉄製の錠が設置された底面以外は耐熱強化ガラスで覆われている。

    ・ガラスを割る、錠部分を破壊するなどを試みた場合センサーが警告音を発して警察官のもとに通知が行く

    ・錠部分はオリジナルの「鉄狸」から着想を得た堅牢 なもので、短時間で手元を見ずにピッキングするのは不可能に近い。

    ・高さ1m弱の木製の台座の上に設置されており、全体の高さは大人の身長程。

    ・台座の側面には直径25cm※ほどの穴があり、そこから腕を入れて手探りで鍵穴を探し、開錠することができる。ガラスケースの中の「最愛の薔薇」とネックレススタンドもそこから出し入れする。

    ・一定時間以上穴に腕を入れていると、捕縛用トラップが作動する。

    ・開錠できる唯一の鍵は宝石を中に設置した後、バリケードで封鎖された客間にて保管される。

    ※男性の腕の平均的な太さと同じかやや細めの直径。体格のいい人間だとギリギリ腕を入れられないくらい。

  • 75二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 23:58:58

    「緋色の包囲網」 tipsまとめ


    ・宝石「最愛の薔薇(ディアレスト・ローズ)」について

    >>4 >>7


    ・所有者である花丘家の人物(オリキャラ)について

    >>26


    ・今回登場する原作キャラとそれぞれの役割について

    >>38


    ・警備システム「鉄狸X」について

    >>74

  • 76二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 06:29:34

    >>69

    そういえばまだやってなかったね

  • 77二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 10:22:24

    >>65

    コナン「わりぃキッド年1回は墓参りするから許してくれ」

  • 78二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 15:20:52

    面白い!!

  • 79二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 16:58:34

    まぁ園子は京極さんがどれだけ強くても「大事な人にけがさせたくない」って思いであんまり呼びそうにないのはわかる
    蘭にもそういうスタンスだし

  • 80二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 21:27:09

    「緋色の包囲網」 FILE.3 玉石
    〜予告1時間前 玄関ロビー〜

    中森「バリケードの準備が完了したぞ。あとは向こう側にいる機動隊員に連絡して、そこの扉の鍵をかけるだけだ」

    次郎吉「では、そろそろ「鉄狸X」の鍵を向こう側に預けてくるとするわい」

    園子「ねぇ叔父様、今回はいつものやらないの?ほら、顔をムギューって!」

    英和「あぁ、それは私の方からやめて下さいとお願いしているのです。折角当家のために来て頂いたお客様に、無粋な真似をして欲しくないので……」

    園子「あぁ、なるほどね……」フフーン

    次郎吉「英和君を疑っておるのじゃろうが、彼本人は先程確かめたがキッドの変装ではなかったぞ」

    園子「あれ、えぇ!?じゃあさっきのは……?」

    秀吉「何か気になることでも?」

    園子「じ、実はさっき、あの人が変なことをしてたのを見たんです……」ヒソヒソ

    園子「遠目だったので良く見えなかったんですが、何か小さい懐中電灯?みたいなもので宝石を照らしてて」

    園子「その時、ネックレスの左端の石だけが青白く光ったような気がしました……」

    秀吉「光ってたのは左端の一つだけ?」

    園子「は、はい。それは間違いないと思います」

    秀吉「ホォー…………」ニヤリ

  • 81二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 06:23:42

    どうなるんだろう。

  • 82二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 13:17:43

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 22:20:29

    >>74

    「鉄狸X」のtipsに説明漏れがあったので補足

    (あってもなくても良い情報です)


    コナンが次郎吉に進言した内容とその意図について※1


    ・ガラス張りの展示ケースにし、多人数で監視すること(万が一にも赤井が狙撃でキッドを射殺することのないよう、人目が多い場所へ盗みに来るよう仕向けた)


    ・重量センサーで檻が落ちてくるシステムや、三水吉右衛門のような攻撃的なトラップ※2を使用しないこと(赤井家サイドがキッドへの攻撃に利用する懸念があったため)

     

    ※1 コナンはあくまで、キッドが宝石を盗むことに対しては加担せず、逃亡を完了するまで身の安全を守ることだけを目的としています


    ※2 例:開錠のダイヤルを間違えると斧が落ちてくる、落し穴の先に針山がある等

  • 84二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 22:29:57

    コナン「赤井さん電話出ねぇ……」ツーツー

    コナン(凄腕の狙撃手が来ることは伝えてあるから、奴も安全な陸路で遮蔽物のある逃走経路を使うはず)

    コナン(今回はあいつの目当ての宝石じゃない可能性が高い。それが分かってるからあんな事をしたんだろう)

    コナン(それなら俺は、宝石を返すとこまで見届けてやればいっか)

    園子「そういやガキンチョ、今日はやたらと大人しいわねぇ。普段ならここら辺で「あれれぇ〜」とか「おっかしいぞぉ〜」とか言い出すのに」

    コナン「えっ!そ、そうかなぁ、そんなことないと思うけど……」

    コナン(てか、俺そんなんかよ……)

    園子「うーん、でもあんたの身長じゃいくらキッド様とはいえ変装するのは無理があるわよね……」

  • 85二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 23:37:32

    コナン(園子だから何とか誤魔化せたけど、羽田名人の前であんまり普段の俺らしくない言動はできねーな……)

    コナン(赤井さん対策に安室さんを呼ぶことも考えたけど、余計にややこしい事になりそうだからやめた)

    コナン(キッドがこのまま諦めて盗みに来なければ、それが一番楽なんだけどな……)

    コナン「………………!」ザワッ

    コナン(今、確かにあいつの気配がした)

    コナン「まぁ、これでビビって退くような奴じゃねーか」ニヤッ

  • 86二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 06:03:00

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 12:39:30

    金庫から宝石やネックレススタンドを出し入れするのがかなり大変だろうな
    中森警部や赤井さんあたりは腕を入れられなそう

    ところで謎解き的に気になった点とかは解決編あたりまで書かないほうがいいのかな?

  • 88二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 14:41:30

    >>87

    むしろ書いちゃってください

    一応ミステリーとして推理できるように話を考えてるので、考えてくれるのは凄く嬉しいです。

  • 89二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 21:34:49

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 21:56:15

    保守
    本気出した京極さんに是非とも暴れ回ってほしい

  • 91二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 23:48:16

    〜花丘邸 封鎖された玄関ロビー 予告時間5分前〜

    コナン(廊下に繋がる扉は完全に封鎖された。)

    コナン(残る出入り口は、玄関ドアと庭に面した高窓だけ。)

    コナン(玄関ドアは施錠済みで、どちらも側で警官が張り込んでいる)

    コナン(今から侵入するのは不可能。となるとやっぱり、キッドは既にこの中にいる。今回は変装チェックもされなかったし、各々が自由に行動していた時間があるから誰に化けていてもおかしくはない……)

    中森「キッドがどいつに化けてるか確かめようがない以上、予告時間前は全員宝石から離れてもらうぞ。半径5メートル以上の距離でケースを囲え!」

    コナン「はぁーい!」

    コナン(待てよ、この距離なら……)

    コナン(…………!?)マックラ

    園子「何?停電!?」

    京極「園子さん!私から離れないでください!」



    ???「Ladies and gentleman ……」

    ???「さぁ、ショーの始まりだぜ」

  • 92二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 23:48:43

    【補足説明】
    この場にいる人物
    ・コナン
    ・羽田秀吉
    ・中森警部
    ・鈴木次郎吉
    ・鈴木園子
    ・京極真
    ・花丘英和
    ・花丘香澄

  • 93二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 04:22:23

    保守

  • 94二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 05:58:45

    この場にいない人物はどんな行動しているんだろう…

  • 95二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 13:04:22

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 18:39:30

    保守

  • 97二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 00:25:55

    最近頻繁にIP規制食らうので、保守ありがたいです

  • 98二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 07:49:28

    保守

  • 99二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 12:03:56

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 19:29:42

    暗闇の中、ショーケースの上に立つキッドの白装束だけが僅かに光を帯びていた。

    キッド「『最愛の薔薇』は頂いた!」

    次郎吉「何をしておる!早く灯りを点けんか!!」

    キッド「では、これにて失礼しますよ……最強の棋士様と防犯システム様?」

    一瞬の閃光と共にその姿は消え去り、同時に窓ガラスの割れる音がした。

    中森「窓だ!キッドは窓から飛び立つつもりだ!」

    互いの姿も見えない中、窓の方へ走ろうとする京極を引き止める腕があった。

    秀吉「明かりがつくまで動かないで。この状況で走り回るのはかえって危険です。」

    京極「しかし、このままでは逃げられてしまいます!」

    秀吉「心配いりませんよ…………」

    秀吉(僕の推理が正しければ、キッドはまだ……)

  • 101二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 21:50:52

    バタバタしてる時にまぎれるの得意だもんね…

  • 102二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 23:25:08

    園子「あ!あれ、キッド様じゃない?」

    暗闇にいた全員が、割れた窓から差し込む月明かりに照らされて飛び立つ白い影を目撃した。

    中森「こう暗くちゃ何もわからん!電気はまだか!」

    英和「本吉に電話でブレーカーを戻しに行くよう指示しました。壊されていなければすぐ復旧します」

    コナン「とりあえず宝石を確認しないと!」ウデドケイライトパチ

    秀吉「僕らの他にライトを持ってる人は?」カイチュウデントウ パチ

    各々がスマホの電灯を点けてショーケースを照らすと、台座の上には空っぽになったただのガラスの箱が置かれていた。

    園子「あぁっ!宝石が盗まれてる!」

    園子の叫びと共に明かりが復旧し、天井からひらひらと1枚のカードが舞い降りてくる。

    「美しすぎる薔薇は盗人の手に摘み取られた」

  • 103二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 06:40:35

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 13:44:07

    保守

  • 105二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 20:05:49

    保守

  • 106二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 00:36:31

    このレスは削除されています

  • 107二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 00:42:04

    中森「庭で張ってた奴らはどうしたんだ!」

    機動隊員「警部、大変です!外にいた隊員が全員眠らされていました!」

    中森「チクショウ、まーた奴にまんまと宝石を盗られちまったじゃねぇか」

    秀吉「まあまあ、そう焦らずに、まずはキッドがどうやってあの「鉄狸X」から宝石を取り出したのかを確認させて頂きましょう。」

    次郎吉「呑気なもんじゃのう……まあ良い、すでに向こう側にいた刑事に鍵を持って来るよう指示しておるからすぐに用意できるじゃろう。」

    警官「こちら「鉄狸X」の鍵です!停電騒ぎのあった間も、ずっと客間で複数名の警察官が守っておりました!」ゼエゼエ

    中森「おお、ご苦労さんだったな。じゃあ太閤名人様の言う通りに鍵を開けさせて貰うぜ、まぁ無駄だろうがな……」

    秀吉「えぇ、お願い致します、中森警部。」ニコニコ

    秀吉「しかし一つ気になる点があります。箱の中はどう見ても空っぽですよね?」

    中森「あぁ、それがどうした」ゴソゴソ

    秀吉「キッドは何故、ネックレスだけでなくスタンドも持っていったのでしょうか?」

  • 108二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 00:49:43

    秀吉「あ、中森警部」

    秀吉「鍵は開けられそうですか?」

    中森「あぁ、何とかな……」ガチャガチャ

    中森「しっかし、キッド対策とはいえ不便な構造だぜ。片腕しか入れられないし鍵穴が見えないからやりづらくってしょうがねぇや。結局その対策も無駄だったしな」

    秀吉「いいえ、無駄ではありませんよ」

    秀吉「解錠用の穴の直径は、男性の平均的な腕の太さよりやや細めに作られています……準備していた時に試させて頂きましたが、僕でもギリギリ無理でした。警察官として鍛えてらっしゃる中森警部が僕より細いとは考えにくいので、当然通らないものかと思っていましたが……見た目より華奢でいらっしゃるんですね?まるで、袖の中に詰め物をして腕の太さを誤魔化していたようだ」

  • 109二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 01:02:07

    園子「えっ、ウソッ、じゃあ中森警部がキッド様ってこと!?」

    京極「……………」カラテカマエ

    京極(停電中、あの人に囁かれた通りになった……確実にキッドを捉える為にも、作戦通り今は動かないように……)

    中森「いっ、いやぁ、最近ダイエットしてて……」

    秀吉「あと、伝え忘れていましたが、「鉄狸X」には僕の提案で一つ機能を追加させて頂いております。」

    鉄狸X「侵入者を確認。捕縛システムを起動します。」ガシャン!!

    秀吉「今の貴方の状態では、パーム※は使えないでしょう。取り出して見せて頂けますか?ケースの中にあった『最愛の薔薇』を」

    ※マジックの専門用語で、手品師が手の平や袖口に物を隠す基本技術のこと。

  • 110二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 01:18:23

    怪盗キッドは中森警部の顔で不敵に微笑み、ケースの中の左腕を引き抜いてハンズアップの姿勢をとった。

    その左手首には無骨な鎖のついた鉄の輪が嵌められており、鎖の先端には盗まれた筈の『最愛の薔薇』が繋がれていた。

    次郎吉「一体どういう事じゃ!?確かにケースの中からは消えていた筈……」

    キッド「フン……わざわざ宝石を私の手に繋いてくれるとは、一体何が目的なんです?」

    秀吉「貴方のような窃盗犯を確実に法で裁くには、逃げ去った時も盗品を持った状態で現行犯逮捕して頂くのが一番手っ取り早いので」

    キッド「随分な余裕ですなぁ、このまま私に逃げられるとはお思いになられないようだ」

    秀吉「ええ、貴方を詰ませる策を用意してありますから。」

    キッド「戦力過多で余裕ぶってると、大事な玉将を奪われてしまいます……よっと!!」バサバサバサッ

    キッドが変装を解除すると同時に、煙幕の中から大量の鳩が飛び立ち、その場にいるものの視界を埋め尽くした。

    羽ばたきの向こう側で、怪盗は純白のマントを翻し窓辺へ走り去った。

    秀吉「あぁ、言い忘れましたが、その手錠の鍵は京極くんが持ってますよ」

    キッド(ゲェッ!?マジかよ……)

    キッド「で、では今度こそ失礼!」ボワン!

  • 111二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 01:33:30

    コナン「待てー!キッドー!」ダッシュ

    京極「では、自分は指示された場所へ。」ダッシュ

    秀吉「ええ、頼みましたよ」

    園子「……な、何が起こってるのかさっぱりわかんない……」

    次郎吉「この状況は全て太閤殿の作戦通りという訳か?説明してくれんかのう」

    秀吉「かしこまりました。私の役割は9割9部完了していますから、ここにいない探偵たちに代わって推理ショーとさせて頂きましょうか。」

  • 112二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 06:04:42

    続き気になる!!

  • 113二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 12:13:49

    秀吉「まず、ケースの中から宝石が消えたトリックですが……これは単純です。皆さんもこちらへ来て、真上から覗いて見ればお分かりになるかと」

    一同「………!!」

    園子「ネックレススタンドがある!!これってもしかして、プールの事件※の時と同じ……」

    秀吉「キッドは暗闇の中、ケースに使われた硬質ガラスと屈折率の近い液体を注入したガラスのカバーを上から被せたのでしょう。ほら」ヒョイ

    秀吉がケースを掴んで持ち上げると、薄手のガラスカバーの下から本物のガラスケースが現れた。中には「最愛の薔薇」を展示していたネックレススタンドが置かれている。

    秀吉「ケースの中には空気が入っていますから、光の全反射で中の宝石は見えなくなる……」

    秀吉「もちろん近くでしっかり見られれば気づかれてしまうでしょうが、あの時キッド扮する中森警部の指示で我々はケースから5メートル程の距離を置いていました。」

    秀吉「その上、最初に宝石の所在についてコナン君が言及した時はまだ暗闇の中……」

    秀吉「明かりが復旧した後は、キッドカードと窓から飛び立った囮で我々の視線を引く。」

    秀吉「そして混乱の中、窓から逃げたキッドを追わせている隙に適当な理由をつけて自分が鍵を開けると言い出してケースに手を入れ、何食わぬ顔で宝石を袖口に隠して持ち去るつもりだったのでしょうね。あの鍵は1人しか手を入れられない構造になっていますから」

    ※85巻「真夏のプールに沈む謎」

  • 114二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 22:17:02

    保守

  • 115二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 06:14:06

    保守

  • 116二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 12:07:53

    保守

  • 117二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 18:37:50

    保守

  • 118二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:03:58

    保守

  • 119二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 00:34:09

    秀吉「キッドの仕込みはもう一つ……」

    秀吉「英和さん、あなたはキッドの指示を受けて、彼が動きやすいように行動しているのではありませんか?」

    英和「………!!」ビクッ

    香澄「あ、あなた……?」

    次郎吉「つまり今の彼はキッドの手下の変装ということか?」

    秀吉「いいえ、彼自身は本人でしょう。ただ、宝石のことで弱みを握られて言いなりになっていたのでしょう。変装を暴かせないようにさせたのはキッドの指示ですよね?」

    英和「あっ、ああっ……ごめんなさい…………」ブルブル

    香澄「宝石のことで、なぜ主人が泥棒の言いなりにならなければいけないのですか!言い掛かりも大概にして下さい!」

    秀吉「キッドはこう言ったのでしょう。」

    「あのルビーは合成宝石である可能性が高い。知らなかったとはいえそれを担保に融資を受けてしまった以上、それがバレたら信用問題だ。一度盗ませてしまえば、キッドにすり替えられたと言って有耶無耶にできる」

    秀吉「キッドが貴方に送ってきた2枚のカードは『thread』と『thrum』。直訳すると『糸』『糸くず』ですが、『thread and thrum』は英語の慣用句で『玉石混交』となる。」

    秀吉「恐らくあの『最愛の薔薇』に使われている7つの石は、本物の宝石と合成宝石が混ざった状態になっています。」

  • 120二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 00:47:41

    秀吉「昨日の朝、キッドは花丘邸に『玉石混交』のメッセージを送り、英和氏の反応を観察していた。」

    秀吉「彼が動揺したのを確認したところで接触を図り、宝石が合成石である根拠と、協力の指示を伝えた。」

    秀吉「ブラックライトを使って確かめろと言ったのもキッドですね?」

    英和「ええ、仰る通りです……あれだけの大きさのルビーがブラックライトを当てて一切反応しないのは、合成石だから……」

    英和「それだけじゃなく、ダイヤモンドかもしれないと思っていた左端の宝石が何故かブラックライトで光ったんだ……」

    英和「開かずの金庫から出てきたお宝だなんて浮かれていたけれど、全て偽物かもしれないと思ったら急に怖くなって……」ショボン

    英和「鈴木相談役の信用を裏切ることになるくらいなら、キッドに盗まれたまま帰ってこなければ良いとまで、思って……しまったんです……」グスグス

    香澄「あなた……」ナデナデ

    次郎吉「そう思い詰めんでも、悪気があってのことではないこと位わかっておる。大切なご親族の形見をやすやすと手離そうなどと考える前に、一言相談してくれれば良かったじゃろう」

    英和「も、申し訳ありません……うぅっ……」

  • 121二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 10:53:02

    保守

  • 122二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 16:51:06

    保守

  • 123二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 20:04:57

    ほし

  • 124二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 22:24:14

    保守

  • 125二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 00:23:18

    次郎吉「しかし、その様子だとキッドは初めから『最愛の薔薇』が合成宝石だと知っていたようじゃのう。長年開かずの金庫に仕舞われてきて、存在すら知られていなかった宝石のことを何故そこまで詳しく知ってあったんじゃ」

    秀吉「元の持ち主の名前が「オーギュスト・ベルヌーイ」だと聞いた時点で、少なくともルビーは確実に合成石だろうと思っていました」

    秀吉「彼は20世紀初期、世界初の人工宝石……合成ルビーを作り出した科学者です。宝石を買い受けた花丘氏の曾お祖父様も科学を修めていらしたそうですから、その繋がりで親しくなったのではないでしょうか」

  • 126二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 00:40:05

    秀吉「麻里子さんのお話によると2人が知り合ったのは大正初期の頃だそうですから、年代的にも矛盾はありません」

    秀吉「そして、当時はまだルビー以外の合成宝石の技術は確立されていませんでしたから、逆を言えばそれ以外の宝石……ダイヤ、エメラルド、アメジスト他諸々は本物である可能性が高いかと。」

    英和「しかし、左端の宝石はなぜかブラックライトに反応したんです。もしかしてと思い妻の指輪などでも試してみたのですが、そちらは無反応でした。あれが本当にダイヤモンドだと仰るのですか?」

    秀吉「天然ダイヤでも、結晶の構造の歪みや内包物が原因で蛍光性を持つものはたまにありますよ。蛍光ダイヤモンドを人工的に作成する技術は現代にもないので、ほぼ間違いなく本物かと」

    英和「そ、そうだったんですね……」ホッ

    英和「……ところで、あのネックレスはまだ鑑定に出せていないので、ダイヤ以外の石が何なのかもまだはっきりしていなかった筈です。それなのに、どれが何の石かもお分かりになられるんですか?」

    秀吉「ええ、『ディアレスト』の呼び名を冠している時点でおおよそは。」

    英和「どういう事です?」

  • 127二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 00:57:23

    秀吉「メッセージ・ジュエリーですよ。起源は1812年、ナポレオンが皇后マリー・ルイーズに送ったとされるブレスレット……宝石の頭文字を並べて単語にするんです。よくあるものだと、ルビー、エメラルド、ガーネット、アメジスト、ルビー、ダイヤモンドを横一列にセットして『REGARD(敬愛)』とかね」

    秀吉「『DEAREST』もメッセージ・ジュエリーによく使われる単語です。使われる宝石はダイヤモンド、エメラルド、アメシスト、ルビー、エメラルド、サファイア、トパーズ」

    秀吉「作ったのはフランス人のベルヌーイ氏ですが、贈る相手がアメリカ人女優のローズさんだったために英語のメッセージにしたのでしょう」

    秀吉「そのメッセージも、彼女が右から3番目のエメラルドを持っていってしまい、恐らくベルヌーイ氏が代わりにもう1つ合成ルビーを嵌め込んだので成立しなくなってしまっていますが……」

    秀吉「購入した花丘茂氏も2人の恋路を応援していたそうですから、その辺りの経緯を承知で買い取ったのではないかと思いますよ」

    英和「な、なるほど……そんな経緯が…‥」

    園子「っていうか、太閤名人ってやたら宝石に詳しいのね……」

    秀吉(由美タンが光り物好きだから、ついつい詳しくなっちゃんたんだよなぁ……)

  • 128二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 01:08:48

    補足情報


    オーギュスト・ヴィクトル・ルイ・ベルヌーイは実在の人物です。

    1902年に宝石を人工的に精製する化学的手法を発見し、世界で初めての人工ルビーを作成しました。

    その手法は「ベルヌーイ法」と名付けられ、進化を遂げて現代でも人工ルビー、サファイアを生み出しています。

    大正初期が1912〜なので、花丘氏(非実在)と邂逅したのは技術を確立させてからおよそ10年後、比較的美しい結晶を安定して精製できてきている時代です。


    大富豪だったとか理知的な容姿とかは捏造ですが、wikiもあるのでご興味あればご一読ください。


    ベルヌーイ法 - Wikipediaja.m.wikipedia.org

    あと、メッセージジュエリーとナポレオンの話も一応史実に基づく内容です。


    1が宝石屋なので、宝石周りのことだけは割としっかり事実ベースで書いています。

  • 129二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 01:47:43

    めっちゃ面白いです
    書いてくださりありがとうございます!
    ベルヌーイの定理の人かと思って検索にかけたら人工ルビーが出てきてびっくりした思い出

  • 130二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 06:08:52

    宝石の話とても細かく設定されてて面白いです!

  • 131二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 08:47:52

    ベルヌーイ謹製の人工ルビーって宝石的価値はともかく歴史的価値は結構高いんじゃね??

  • 132二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 09:14:55

    秀吉「金庫から出てきた手紙はベルヌーイ氏本人が作成した証拠になりますし、きちんと鑑定に出せば石のカッティングなどから年代もわかるでしょう。そうなればある程度の歴史的価値も期待できるのではないでしょうか」

    英和「は、本当ですか!」

    英和「あ、でもキッドに盗まれてしまったんだった……」シュン

    英和「なんて事だ……早とちりして大切な宝石をみすみす奪わせる手伝いをしてしまうなんて……」

    秀吉「大丈夫ですよ。」ニッコリ

    秀吉「キッドの現在地なら把握できていますし……丁度、僕をここに送り込んだ人物からキッドを発見したと連絡がありました」

    秀吉「実は僕、ある人物から命令を受けてキッドを指定のポイントまで誘導する役割を担ってたんです。彼は僕の読み通り動いてくれました」

    次郎吉「……まあ、本物の中森警部もキッドを追いかけておるし、宝石は取り戻せるじゃろう。して、太閤殿に命じた人物の目的とは?」ギロリ

    秀吉「僕と同じ、妹の受けた仕打ちへの報復です。宝石はきちんと取り戻しますし、キッドを捕えたら身柄は必ず警察へお渡ししますのでご安心ください」

    園子「……真さんに何か囁いて、キッド様を追いかけに行かせたのもそのため?」

    秀吉「ええ、そうですが……ご迷惑でしたか?」

    園子「別に……真さんならきっと無事に帰ってきてくれるから良いですけど」

    園子(真さんもキッド様も、大丈夫かしら……)

  • 133二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 14:44:58

    保守

  • 134二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 20:48:36

    「緋色の包囲網」 FILE.4 謝罪
    〜キッド・コナンが屋敷を出た直後 花丘邸の庭〜

    白装束を脱ぎ捨てて機動隊員の1人から奪った制服を身につけたキッドは、屋敷の窓から庭を抜けて敷地外へ脱出しようとしている。

    それを追いかける体で彼と合流したコナンは、一時的な協力関係を悟られないよう一定の距離を保ちながらワイヤレスイヤホンで会話している。

    コナン「そーいやおめー、庭にいた機動隊員たちをどうやって眠らせたんだ?全員ガスマスクしてただろ」ヒソヒソ

    キッド「ちょっとしたツテがあってな。お前と同じ超小型の麻酔針を発射する銃を用意して貰ったんだよ。」コソコソ

    キッド「中森警部はもうあと10分は眠ってるだろうし、予定通り庭を抜けてずらかるか。足は用意してあるし」

    コナン「手錠と宝石はどーすんだよ」

    キッド「今ピッキングしてるが……どうにもならなかったら、あの将棋名人にでも変装して、適当な理由をつけて空手野郎から鍵を騙し取るしかねーな」カチャカチャ

    キッド「どっちにせよ、一旦退かなきゃまずい。奴らがこれで手を引くとは思えねーし」

    コナン「狙撃手の存在を匂わせた以上、お前が陸路で逃げようとすることは読まれている。罠の類いを設置する時間はなかった筈だから、確実にお前を仕留めようとするならここに京極さんを配置すると思ったんだが……」

    キッド「どうやら空手野郎はいないようだな。鬼の居ぬ間に何とやらだ。さっさと行くぞ!」

    一方その頃、推理ショーを始めようとしていた秀吉のスマホに、短いメッセージが届いていた。

    「庭に出た。作戦通り、撃ち落とす。」

    秀吉は扇子の向こうに隠した口元に笑みを浮かべてひとりごちる。

    秀吉「……遠見の角に好手あり、ってね。」ニンマリ

  • 135二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 22:03:51

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 22:49:51

    コナン「なぁキッド」

    コナン「あれ、いつまで飛ばしてるんだ?」

    コナンは頭上の空を飛ぶ人形を指差した。

    キッドが『最愛の薔薇』を盗んで逃げたと思わせるために窓辺から飛ばした、自分そっくりの精巧なデコイだ。

    キッド「狙撃手がいるって聞いたから用意したんだが、流石にあの距離からじゃあ狙えなかったようだな。ラジコンの電池が切れたら勝手に落ちるだろうからそのまま囮として飛ばしとこーぜ」

  • 137二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:21:39

    突如消音器を介した微かな銃声が響き、怪盗の姿を模した白い人形は空中でぐらりと傾いだ。

    コナン「狙撃!?」

    キッド「今になってかよ……俺たちの動きが見えてるみたいだ」

    一撃目で基盤を撃ち抜かれたのだろう、人形は動力を失ってふらふらと墜落しようとしていた。

    パシュッ、パシュッ、パシュッ!

    なおも音は止まず、何発も何発も弾丸を撃ち込まれ続けた人形は踊るように宙を跳ねている。

    キッド「恨みがあるにしたって撃ちすぎだろ……蜂の巣じゃねぇか」

    コナン(赤井さん……何故だ!?あれがデコイである事くらいわかってる筈なのに、どうしてこんな事……)

    ただの布と金属の塊となったそれは、キッドの近くにばさりと落ちた。

    キッド「何だ?マントに何か書いてある……?」ヒョイ

    キッド「………!!」ハッ‼︎

    キッド「弾痕で、キッドマーク…‥だと!?」

    キッド「おちょくりやがってぇ〜〜!!」ゲキオコ

    コナン「完全に遊ばれてんな……」ハハハ

    コナン(……いや、待てよ?赤井さんがそんな無意味なことをするか?もしかして、これは……)ハッ!!

  • 138二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:22:34

    コナン「キッド隠れろ!これは罠だ!!」

    キッド「何イッ!?」バシャッ

    地に落ちた人形を確認するため、上に遮蔽物のない場所へ出たキッドの頭に、真上から落下してきた物体が直撃した。
    彼の髪や顔、手元まで鮮やかな緋色に染まる。

    キッド「ペ、ペイント弾!?」ベチョオ

    コナン(これが赤井さんの狙いだったのか)

    コナン(キッドが庭に出るのを待ち、人形が撃たれるところを目の前で見せる)

    コナン(過剰に撃ち続けることで気を引きつつ挑発し、わざと近くの遮蔽物がない場所へ落下させ、キッドが人形を確認しようと顔を出すのを待つ……)

    コナン(そして、丁度その頭上にペイント弾が落下するよう、空に撃ったんだ!風向きやキッドの位置、タイミング等も完璧に予測して!!」

  • 139二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:46:42

    キッド「やっべぇな、このインク……」

    キッド「暗闇の中でめちゃくちゃ目立つ上、そう簡単には落ちねーみてぇだ……」

    コナン(これで制服警官や機動隊員に化けて紛れ込むこともできなくなった、って訳だ……やられたぜ……)


    1000ヤードほど離れた場所にある鉄塔の上で、そんな彼らの姿をスコープ越しに見つめている影があった。

    沖矢「……ふむ。無事着弾を確認した。これにて俺の任務は終了……」

    沖矢「しかし、あのボウヤがキッドに協力的になるとは、やはり底知れんな」カチッシュボッ

    沖矢「まあ、あの怪盗に対してはボウヤに免じてこれで済ませてやろう」フゥータバコモクモク


    沖矢「“俺は”はな……」

  • 140二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 06:00:34

    屋外編かな
    どうなるんだろう…

  • 141二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 11:31:05

    保守

  • 142二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 19:55:41

    保守

  • 143二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 23:20:52

    保守

  • 144二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 05:56:41

    ほしゅ

  • 145二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 09:46:21

    保守

  • 146二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 18:10:15

    保守

  • 147二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 20:09:39

    ほしゅ

  • 148二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 21:58:55

    保守

  • 149二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 06:27:22

    保守

  • 150二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 13:14:40

    保守

  • 151二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 17:16:24

    中森「いたぞ!あの赤いやつがキッドだ!」

    捜査二課「うおぉぉーー!!」ガヤガヤ

    キッド「ゲゲっ!中森警部が目を覚ましちまった」ダッシュ

    コナン「足は用意してあるんだったな?」ダッシュ

    キッド「あぁ、コイツだよ」

    茂みの影には一台の黒いバイクが隠されていた

    キッド「全速力で飛ばすぞ……しっかり捕まってろよ!」

    コナン(花丘邸の敷地を出て下っていくと街に出る‥‥本来ならそこまで見届けたら解散するつもりだったが……)

    コナン(『最愛の薔薇』が繋がった手錠が外れるまで、キッドの側を離れるわけには行かねえ)

    コナン(それに、京極さんがどこかで張ってる筈……)

  • 152二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 17:34:43

    警官たちを振り切り、バイクは花丘邸を飛び出して行った。

    キッド「このまま道なりに下ってった先で寺井ちゃんと合流すれば、工具で手錠の鎖を切ることができる。悪いがそれまで付き合ってもらうぞ!」

    コナン「あぁ、そのつもりだけど……」

    コナン「それよりオメー、ガソリン大丈夫なのか?メーターみるとかなり減ってるみてーだが……」

    キッド「はぁ?ここに来る前にちゃんと満タンに……うぇぇ!?半分以下になってる!!」

    コナン「誰かに減らされたな……」

    キッド「これを隠してから俺が庭に出るまでの間は将棋野郎も空手野郎も屋敷の中にずっといたのにーっ!」

    コナン(やっぱり、世良もここに来てたのか……)

    コナン(しかし妙だな……逃走手段を奪うなら、バイクを壊すかガソリンを完全に抜き取っておけば済む話なのに……何の目的だ?)

  • 153二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 22:29:54

    保守

  • 154二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 22:43:52

    キッド「しゃーねぇ、寺井ちゃんにメールして中間地点で落ち合うか!ついでにペイントを落とす洗剤も持ってきてもらって……」カタテウンテン スマホポチポチ

    コナン「キッド!前!!前見ろ!!!」

    車の通りのない深夜の国道で、ヘッドライトの先に照らされる大きな黒い影があった。

    その男は、猛スピードで迫り来るバイクに怯むこともなく仁王立ちで待ち構えていた。

    コナン(きょ、京極さん!?)ヒェッ

    キッド(オイオイ、車道のど真ん中だぞ!?)

    キッドはやむなくバイクを急旋回させると、路面を外れて舗装されていない山道の方へ全速力で逃走した。

    キッド「ビ、ビビったぁ〜……」ハァハァ

    キッド「あんな所で何する気だったんだ、あの空手野郎……」

    コナン「あの人、走ってる車を素手で止めたことあるからな。多分オメーがバイクで逃げるつもりだって聞かされてて、すれ違いざまに捕まえて引きずり倒すか蹴り倒すかするつもりだったんじゃないかな……多分…………」

    キッド「早めにUターンできて良かったぜ、マジで……」ゾゾゾ

  • 155二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 23:59:02

    コナンとキッドを乗せたバイクは、人気のない山道を登って行った。

    コナン「……なぁ、何か変な音聞こえないか?ドドドドって、地響きみたいな……」

    キッド「……しかもその後、だんだんこっちに近づいてきてるみたいな……」

    キッドがサイドミラーを覗くと、そこには猛スピードで疾走するバイクを追ってきた京極の姿があった。

    京極「……」モウダッシュ

    コナン「キッド!!もっとスピード出せねーのかよ!!このままじゃ追いつかれちまうぞ!!!」

    キッド「出してるよ!!220キロ出してんのに生身で追っかけてくるアイツがおかしいんだろ!?」

    京極との距離は徐々に縮まっている上、ガス欠寸前のバイクがフルスロットルで走行できる時間はそう長くないことが分かり切っていた。

    キッド「ターミネーターかよぉっ!!!」ナミダメ

  • 156二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 09:08:44

    強い…!!

  • 157二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 14:51:09

    保守

  • 158二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 18:47:29

    保守
    急に世界観変わってて草
    でも京極さんならしょうがないね…

  • 159二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 19:41:24

    このレスは削除されています

  • 160二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 19:42:48

    キッド(やべぇ、バイクがそろそろ限界だ……)

    キッド(奴との距離もあと5メートルもねぇ)

    キッド「名探偵、先に降りて隠れてろ!共犯だとバレたらまずい!」

    コナン「キッド、お前大丈夫なのか?」

    キッド「手を借りたくなったら合図するから、とりあえずイアホンをつけててくれ。あとは巻き込まれねぇ範囲で妨害してくれたら助かる」

    コナン「あぁ、分かったよ。」ヒョイ

    コナンが降りると、キッドは敢えて急斜面の道を選び限界までアクセルを踏んだ。
    京極もそれを追って斜面を駆け上がる。

    キッド「……悪いけど、あんたならこれくらいじゃかすり傷も負わねぇだろ?」ヒラリ

    キッドは不意にバイクの向きを変え、軽やかに座席から飛び降りると、車体を京極に向けて蹴り落とした。

    重い鉄の塊がエンジンをかけたままの状態で滑り落ちてくるのを、京極は最低限の動きで躱した。

    京極「……恐るるに足らず」

    しかし京極は、僅かな隙すら与えずに追走してくる。お互い生身のままで競走した場合、勝敗は目に見えていた。

    京極「ついに捉えましたよ。怪盗キッド!!」ガシッ‼︎

    容赦なく伸ばされた剛腕は、怪盗の腕を離すまいと掴まえた。
    若き怪盗と、やむなくその協力者となった探偵は、逃れようのない状況を悟るほかなかった

  • 161二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 20:38:23

    怪盗が絶望的な状況を悟った次の瞬間、その場にいた全員のスマホが不安な音を発した。

    スマホ「緊急地震速報!緊急地震速報!」フォンフォン

    程なくして、彼らの足元がぐらりと傾いだ。
    整備されていない山道で、真っ先に地震の影響を受けたのは体重の軽いコナンだった。

    コナン「わっ、うわぁぁーっ!!」グラッ

    近くで様子を見ていたコナンが斜面を転がり落ちるのに気付き、京極は咄嗟にキッドの腕を離して受け止めた。小さな身体を抱え、地面に伏せて揺れが収まるまでやり過ごす。

    コナン(びっくりした……今の、震度3くらいはあったか……?)

    京極「コナン君、怪我はありませんか?」

    コナン「うん。京極の兄ちゃんありがとう!」

    京極「ところで、なぜ君がこんな所に……?」

    コナン「キッドを追いかけてるうちにここまで来ちゃったぁ、おかげで助かったよぉ」アセアセ

    京極「危ないので君は先に屋敷へ戻っていてください。自分はここで奴と決着をつけます。」

    京極は、体勢を整えて逃げ去ろうとするキッドを再び追うことにした。目立つ赤色のペイントのお陰で見失うことはない。2人の身体能力差からして、競走すれば確実に追いつけるだろう。
    ハンググライダーがあったとしても、木々に囲まれた中で翼を広げて飛び立つことは不可能に近い。

    コナン「あーっ!京極の兄ちゃん、携帯なってるよ!!園子姉ちゃんからだ!もしかしてさっきの地震で何かあったのかも!!」デカイコエ

    コナンの言葉に、京極の肩がびくりと跳ねた。
    園子の身に何かがあった可能性が僅かでもあるならば、何を置いても最優先で対処しなければならない。考える間もなく、彼は通話応答ボタンをタップした。

  • 162二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 22:42:08

    園子「真さーんっ!!地震大丈夫?怪我とかしてない?」

    京極「こちらは何の問題もありません。園子さんこそご無事ですか?」

    園子「こっちは全然何ともないよ……さっきまで羽田名人が推理ショーをやってたとこ。ちょっと揺れたけど物が落ちてきたりはしてないし、花丘さんの所のお婆様も気付かずぐっすり寝てるって」

    園子「それより、真さん今どこにいるの?キッド様は山の方へ逃げたって聞いたけど、そっちまで追いかけて行っちゃったの?」

    京極「え、えぇ……そうですが……」

    園子「早めに下山して!今は何ともなくたって、余震で土砂崩れとか落石とかあるかもしれないでしょ!」

    京極「分かりました。しかしキッドの現在地は誰から?」

    園子「羽田名人が言ってたのよ。そこで待ち伏せてる仲間から、キッド様がバイクで登っていくところを発見したってメールが来たんだって」

    園子「最初からそこに誘導して捕まえるつもりだったみたい。そのために真さんに後を追わせたの」

    京極「なるほど……しかし、近くにそれらしい人は居ませんね……」

    園子「きっとその仲間の人も、地震にびっくりして下山しちゃったのよ。」

    園子「キッド様のことは今回諦めましょう?花丘のおじ様には次郎吉叔父様が損害分の補填をするって言ってたし」

    京極「し、しかし……」

  • 163二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 23:04:54

    京極「……すみません、自分はここで諦める訳にはいきません」

    園子「えぇっ!?」

    京極「ずっと考えていました……今回キッドと対決するにあたり、丁度同日に帰国している私に、貴女が声をかけないつもりでいた理由を」

    京極「今の自分では、まだ頼りないのではないかと……ですから、ここで戦果を挙げることで貴女に安心して」

    園子「違うわ!!!」オッキイコエ

    京極「!?」ビックリ

    園子「頼りないだなんて思ったことない。真さんはいつだって強くて優しくてカッコ良い、私のスーパーヒーローだもの!!」

    京極「では、どうして……?」

    園子「だって……私がワガママ言ったせいで、真さんに無理させちゃったんだから……」

    園子「『会えなくて寂しい』って思わず言っちゃったせいで、予定を大幅に変更して、アメリカの大会が終わってすぐ日本に直行してきたでしょ?」

    園子「蘭は私よりずっと長い間、新一君を待ってるっていうのに……」シュン

    園子「ただ会いたいってだけでアメリカから日本まで呼び付けて、しかもその後休む間もなく宝石を守ってくれなんて、言えるわけないじゃない……」

    京極「園子さん……」

  • 164二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 23:45:07

    京極「私は嬉しいですよ」

    園子「え?」

    京極「会いたいと言ってくれるのも、貴女から我が儘を聞けるのも幸せです。だから全力で応えたいんです。」

    京極「無理をしているだなんて思う余地もないくらい、息を吐くように簡単に望みを叶えられる強い男になります。ですから、貴女にはいつでも気兼ねなく、素直でいてほしい。」

    京極「貴女に寂しい思いをさせないためなら、地球の裏側からでも飛んで行きますよ」

    園子「ま、真さぁん……」ポワワーン

    園子「じゃっ、じゃあー、とりあえずすぐ下山してこっち来てよね!」

    園子「あと、鍛えてるからって今みたいに道着一枚で寒い中出て行ったりしないで」

    園子「せっかく会えるんだから、風邪ひかないでよね。」

    園子「2人でゆっくりデートとかしたいし……」

    京極「は、はい……」テレテレ

    コナン(よし、キッド!今のうちに手錠の鍵を回収するぞ)コソコソ

    キッド(神様、仏様、園子お嬢様っ!!)カンシャ

  • 165二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 09:19:01

    保守

  • 166二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 17:58:43

    おっほっほほホオーウホッホシュー

  • 167二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 21:00:48

    保守

  • 168二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 23:17:33

    京極が園子との電話に気を取られている隙に、キッドとコナンは手錠の鍵を回収して山奥の方へと逃げた。そんな彼らを、樹上から見つめる小さな影があった。

    キッド「とりあえずここまでくれば……」

    コナン「キッド!上だ!!」

    メアリー「……」シュバッ

    メアリーが木の上から放った飛び蹴りを、キッドはすんでの所で回避した。

    メアリー「娘へ働いた無体の分、少々痛い目を見てもらうぞ、小僧……」ギロリ

    着地して直ぐに第二撃が来る。キッドは、低い位置から喉元を狙って放たれたジャブを転がるようにして避けた。

    キッド「うぁっ!何だこのガキ!!」

    更に容赦なく金的を狙ってきた蹴りを何とか避けたところ、体制を崩した膝元に関節蹴りがクリーンヒットした。苦悶の声をあげて数メートル後方へ吹っ飛んだキッドの体が、背後に立っていた何者かに受け止められる。

    真純「やあキッド、久しぶり……だねぇっ!!」スパァン!

    僅か3センチ程度の距離から胸元に衝撃波のようなパンチを受けとめ、勢いのまま背を思い切り木に打ち据えて一瞬呼吸が止まる。

    キッド「うっぐぁっ……!!」カヒュッ

    突如始まった乱闘、いやリンチと言っても過言ではない状況に、コナンは隠れ潜みながら打開策を探した。

    コナン(やべえ、このままだと本当にキッドが死んじまう。何か策を考えないと……)

    そうしている間にも、キッドが目元につけていた機動隊服のゴーグルが手刀により粉々になった。

  • 169二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 23:19:44

    キッドは持ち前の反射神経を駆使してなんとか致命的な攻撃を回避しているが、2対1という戦況の中でジワジワとダメージが蓄積している。

    キッド(トランプ銃の目眩しも全然効かねぇ……何とかこの2人に隙を作れないか……)

    メアリーの蹴りを避けつつ、ワイヤー銃を懐から取り出して頭上の木の枝に向けて撃った。
    放たれたフックショットでどうにか樹上へ逃げることは出来たが、身軽なメアリーは軽々とジャンプして追いかけてくる。
    はたき落とされた先には世良が待っており、逃げ場のない二段構えの様相を呈していた。

    そんな時、コナンのインカムにキッドから顰めた声で指示があった。

    キッド「名探偵!何とかあの2人の気を引いて隙を作ることはできないか?」

    キッド「一瞬でいいんだ。奴らの目を引くような、何かがあれば……」

  • 170二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 06:02:49

    保守

  • 171二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 12:10:18

    保守

  • 172二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 18:12:19

    保守

  • 173二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:26:01

    保守

  • 174二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 01:21:16

    保守

  • 175二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 06:00:52

    保守

  • 176二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 11:45:31

    保守

  • 177二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 19:50:48

    保守

  • 178二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:22:27

    保守のカービィ

  • 179二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 23:24:15

    コナン「一瞬だけ気を引けば良いんだな!?」シューズ カチカチ

    コナン(あの2人相手にどこまで時間を稼げるか分からなぇが、ひとまず目眩しにはなる筈……!!)

    コナン「念の為持ってきておいて良かったぜ……花火ボーール!!」ナントカナレーッ!!

    キック力増強シューズによって空高く打ち上げられたサッカーボールは、極彩色の花火となって辺りを照らした。
    その場にいた殆どの人間は、想定外の出来事に不意を突かれて唖然と天を仰ぐ。
    その隙に、キッドは変装していた機動隊員の制服から純白のコスチュームへと変身する。

    キッド「おっと、失礼!」シュルッ

    メアリー「…………真純!!」ハッ!!

    正装に戻った怪盗は、白いマントを翻しマジシャン然とした仕草で世良の首から下を覆った。

    キッド「勇敢なるレディ、こちらは先日の非礼に対する攻めてものお詫びです、よーっとぉ!!」3・2・1 PON!!

    真純「……!?」スレンダーカワイイドレス

    マントを取り去ると、つい先程まで男物のライダースジャケット姿だった世良の服が、一瞬にして可憐なパーティドレス姿に変わっていた。そしてその首元には『最愛の薔薇』が輝いている。
    キッドは彼女の手を取り、恭しく礼をした。

    キッド「貴女には緋色がよく似合う……そのドレスも首飾りも大変素敵ですよ♡」chu!

    手の甲にひとつキスを落とすと、キッドは軽やかな風と共に少し離れた木の枝の上まで舞い上がった。

    キッド「改めまして……先日はうら若き乙女への多大なるご無礼、大変申し訳ございませんでした!!」

    キッド「心よりお詫び申し上げます!」チョッカクオジギ

  • 180二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 23:30:51

    メアリー「逃すかっ!」ダッ

    真純「ボクも追うッ……この服動きにくいなあ!もうっ!」

    謝罪ののち逃亡を図ろうとするキッドを、メアリーと真純はそのまま追おうとした。

    中森警部「花火が上がったのはこの近くだ!あれはキッドの仕業に違いない!!総員で探せー!!」ガヤガヤ

    メアリー「……shit!」チッ

    人目につきたくないのだろう、警察官が近づいてくる気配を察知したメアリーは、追走を諦めて樹上に隠れた。

  • 181二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 23:42:50

    真純「…‥マジで動きづらいな、このカッコ」ムスッ

    コナン「あれぇ〜?世良の姉ちゃん、来てたんだぁ」ヒョコッ

    真純「コナン君!!君の方こそ、こんな所までキッドを追いかけてきたのか?」ニコニコ

    コナン「うん!でも逃げられちゃったみたーい。」

    コナン「でも宝石は世良の姉ちゃんが取り戻してくれたんだね。良かったぁ」

    真純「あぁ、これか……取り戻したというよりは向こうから返却されたって感じだけど……」

    コナン「あっ、そうそう!世良の姉ちゃん、そのドレスすっごい似合ってて良い感じだね!」

    真純「ほ、本当か!?嬉しいなぁ……」テレテレ

    コナン「うん!その格好なら男子トイレを使ってても男の人と間違われることは無いと思うよ!!」

    真純「ゲッ!!」

    真純(ヤバっ……木の上からママが凄い顔でこっち見てる……)

    メアリー(真純……これは一体どういう事なのか、後できっちり説明して貰うぞ…………)アイコンタクト

    真純(ご、ごめんなさぁーい!!)アイコンタクト

  • 182二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 23:47:00

    コナン(その後、俺と世良は下山して花丘氏に宝石を返しに行き……)

    コナン(キッドは夜が明けてからも中森警部たちと鬼ごっこを続けていたという……)

    中森警部「奴の顔や髪にはまだ赤い塗料が付いてるぞ!それを目印に探せー!!」ウォォーッ!

    キッド「これ、いつ落ちるんだよぉ……」トホホ

  • 183二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 00:09:10

    〜翌日 米花町〜

    蘭「昨夜はそんなことがあったんだぁ。通りでみんな眠そうにしてると思った」

    真純「あの後ママにみっちりお説教されたから、余計に寝不足だよ……」フワァー

    園子「私も、今日このあと真さんとのデートがなきゃ二度寝してたかも……」チョットネムイ

    真純「そうそう、君の彼氏のこと、巻き込んでごめんな。久しぶりのデートのために頑張って帰国してたって知らなくて……」ペコリ

    園子「いーのよぉ、真さんもノリノリで張り切ってたんだし」

    真純「これ、うちのママからのお詫び。よかったら2人で観に行ってきてくれ」

    園子「わぁっ!これ「冬の紅葉」ミュージカル版のチケットじゃなーい!しかも予約完売してたS席!」ヤッター

    蘭「すっごーい!中々手に入らないって言われてたのに、どうやったの?」

    真純「ママの友達のツテでちょっとね……」

    蘭「お母さんといいお兄さんといい、何か凄いんだね。世良ちゃんの為ならあの怪盗キッドも追い詰めちゃうんだから、愛されてるって感じ!」

    世良「あぁ、そうだな!僕の家族が全員で本気を出せば、怪盗キッドも敵じゃないさ!」アハハ

    山の中にいるキッド「……クシュン!」クシャミ

    コナン(……あんたら一家と戦うのはもう勘弁してくださぁい)

    おわり

  • 184二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 00:24:53

    完結おめでとう
    めっちゃ面白かったです
    どのキャラにも見せ場があってすごい(小並感)

  • 185二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 00:25:53

    〜次回予告〜
    テーレッテッテッテー テーレッテッテッテー テーレッテッテッテテテタマニユッケー

    優作「工藤優作……ただの小説家ですよ」

    キッド「へぇ、あいつの親父かよ」

    モブ「『闇の男爵』が完結するって本当なんですか!?」

    コナン「父さん……一体何のつもりなんだよ!!」

    優作「何者にもいずれ終わりは来る……ただそれだけのことさ」

    コテリンッ!
    コナン「ネクストコナン!『闇の男爵の系譜』」

    ヴゥーヴゥーヴゥー
    コナン「ネクストコナンズヒント!『琥珀』」

  • 186二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 00:28:02

    気が向いたら、次回は優作vsキッドで書きたいなぁと思ってます。時間的余裕がないのでいつになるか分かりませんが……

    お読みいただきありがとうございます。
    また、ここまで感想及び保守、本当にありがとうございました。

  • 187二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 00:55:58

    更なるイジメで草
    キッドが何したって言うんですか
    ※泥棒

  • 188二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 05:23:32

    完走乙!

  • 189二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 05:24:22

    お疲れ様です
    完結おめでとうございます!
    設定とか凝っていて良かったです!

  • 190二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 12:44:48

    乙でした!

  • 191二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 12:48:05

    完走おめでとう㊗️

  • 192二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 19:06:13

    次回作優作vsキッドかぁ
    寺井さん絶対優作のこと知ってるよなぁ

  • 193二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 19:34:02

    見事な神SSだとお前は語り継がれる

  • 194二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 19:37:33

    ある意味二番目の息子だもんな
    優作さんにしてやられるキッドが見える見える……

  • 195二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 20:08:52

    面白かったー!それに読みやすくてよかった、次回作楽しみにしてます

  • 196二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 20:10:30

    次回作も楽しみにしてます!

  • 197二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 21:28:04

    なんだかんだ逃げ切ったキッドはすげぇよ

  • 198二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 21:44:32

    宝石の名前がオシャンで最高でした

  • 199二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 21:48:32

    完結おめでとうございます!
    良作のSSでした👏

  • 200二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 21:58:06

    200なら次回キッドvs優作

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています