ここだけ夢芽が他人の恋愛感情で成長する怪獣 part2

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 00:41:50

    スレタイのまんまです。
    すいません、スレを建てたことはあれど次スレというものを建てたことはないのでこの建て方で合っているかはわかりません。
    私自身前スレはすごい楽しんでいたし書き込んでもいたのですが、目を離した隙に次スレを建てる間もなく200まで埋まってしまっていました。
    私はもっとこの概念を楽しみたいですし、せっかくSSを書いてくださった方もいてまだまだ楽しめそうでしたし、もっと皆様の呟く情動を摂取したいです。

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 00:43:52
  • 3二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 00:48:44

    合ってる&次スレ立て助かる!

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 00:54:09

    建っとるやんけ!

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 00:57:51

    このレスは削除されています

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 01:36:55

    やっぱだめか……あんま人集まらねぇな……

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 01:48:43

    建て乙、助かる

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 01:53:27

    授業中にふと空腹感を覚える。学生ならきっとみんな一度は経験があると思う。まあ、私の場合は少し事情が違うけど。

    ────お腹すいたなぁ。

    恋心を食べてエネルギー補給をする、私の怪獣としての生態は、いつも通り平常運転。つまり、恋愛感情を求めている。
    ちらり、と。窓際の席に座る私は、廊下側の端に座る恋人──蓬の方に目線を向ける。板書をノートに写し、教師が言う通り教科書に印をつけたり、時折くるりくるりと器用にペンを回したりしている。あ、今あくびした。また寝てないのかな。バイトし過ぎだよ。
    普段私は、昼休みに人気の無い場所で、蓬から情動を受け取ってお腹を満たしている。けれどそれ以外に、朝の授業開始前のちょっとした時間に少し貰ったりすることも多い。言うなれば朝ご飯だ。ただ、今日はその時間を取り損ねてしまった。朝ご飯を抜きである。

    「はぁ」

    周りに聞こえない様にほんの小さなため息をひとつ。今の授業は4時間目。昼休みまではまだそこそこ時間がかかる。待ち遠しい程時間が経つのは遅くなる。それまでお腹すいたままで待つのかぁ、とほんのちょっぴりとした憂鬱な気分になった。

    「────ぁ」

    ぱちり、と。不意にこちらを向いた蓬と目があった。授業中に目が合うとちょっと気まずい、というか恥ずかしい。けどほんのちょっぴり嬉しくもある。
    そんなことを思っていると、蓬は徐に、人差し指と中指、薬指と小指をくっつけたVサインの様な形にした右手をこっちに向けてきた
    え、と思う間もなく、怪獣使いはあっさり怪獣を掴んで来た。

    【────夢芽、大好きだよ】

    「────〜〜〜〜〜っっっ!!!」

    【後でたくさんあげるから、今はこれだけ。4限も残りあとちょっとだから、頑張って】

    それだけ言い残して、繋がりが外れた。ぼやけた目の焦点を合わせ直すと、蓬はもう黒板の方を向いていた。

    …………ほんと、ずるい。

    しれっとそう言うことをしてくる恋人とか、途端に嬉しくなって空腹が和らいじゃう単純すぎる私とか、もう色々と悔しやら何やらで、恨み節を内心で呟いて。
    舌と心の両方で感じる幸せのせいですっかり熱くなった顔を隠すみたいに、机に頭を伏せるのだった。

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 01:55:18

    ああよかった……一応人集まってきてくれた……マジで次スレとか建てたの初めてだったから不安やったのや……

  • 10二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 01:57:29

    マジで前スレで生まれた色々な概念が好きなので、もっと皆に情動を食わせてほしい

  • 11二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 01:57:42

    大丈夫大丈夫、朝になったらまた人集まるから

    インドミの有効活用で情動の遠隔供給もできる、そんな蓬くん

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 02:59:24

    前スレ面白かったから助かる

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 05:40:01

    情動を食べさせるのは吸血鬼×人間の異種恋愛に通ずるものがあるな
    あっちより与える方の生命の安全は保証されているけど

  • 14二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 06:06:39

    前スレ 90、111~114、125、141、167、168、181、182のシリアス目のを書いた人です。2スレありがとうございます。
    TV本編をざらっとなぞるぐらいまでは続けたいと思ってるので、つたないものですがもう暫くお目汚し失礼します。

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 06:48:45

    前スレの最後の方でちょっと書いたけどナイト君視点だとこの夢芽って怪獣じゃないだろうし、暴れてる怪獣たちと自分が何が違うのか夢芽が悩んだりしたら良い答え出してくれそう

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 08:41:27

    怪獣夢芽のパワーアップルートとして
    1普通に怪獣っぽくなる
    2ゴルドバーンみたいなカッコいい系になる
    3グリッドマンドグマみたいなカッコいいセクシー系になる
    4二代目みたいなセクシースーツ巨人になる

    他にも色々あっていいね

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 09:06:09

    今までの簡単なまとめ(現状主流になってる設定)
    .人の恋愛感情から栄養を得る。それ以外は基本受け付けない。
    .↑の副産物で感情が読めるのでやや繊細。
    .母親の妊娠過程でバロックパールが何らかの作用を起こした偶発的存在? 怪獣形態にのない完全人型怪獣。今後次第で成長の可能性あり?
    .約束すっぽかしは自分への情動を高めさせる栄養補給の手段の一つ。
    .蓬とは美味しい情動が得られる相手としか見てなかったが、やり取りを経て互いに思いを分かち合う異種恋愛ルートに。
    .怪獣優生思想から狙われながら、怪獣の側で彼らを否定するヒロイン。
    .食事の名目で本編以上に蓬とイチャイチャするが、感情がダイレクトに伝わる&インドミのコンボで本編以上にメロメロにされてる。そのせいでヨモさんがSに目覚めた。

  • 18二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 10:27:52

    >>17

    一応


    ・最終回でのシズムとの「もう少しで無常の自由にたどり着けた云々」のやり取りに同席

    ・「人間は皆殺しだァ!!」とするオニジャと因縁?


    とかも追加で

  • 19二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 10:43:55

    >>15

    「怪獣は悩んだりしない、俺はある人からそう教わった」

    みたいな事を伝えて

    悩むって行為が一つの答えだって教えてくれそう

  • 20二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 15:25:14

    ────蓬に仕返しがしたい。

    「お腹いっぱいになった?」
    「…………うん」

    昼休み。日課になった"食事"は終わったけど、何となく、蓬に抱きついたまま体重を預ける。嬉しそうに、優しそうに微笑む気配。付き合い始めの頃は下の名前で呼ぶのも躊躇っていたくらいなのに、今じゃすっかり余裕綽々になっちゃって。

    「むー」

    最近、何だか手玉に取られているというか、私ばっかり心を乱されたり、余裕がなくなったりしている気がする。
    普段何気なく隣に座って雑談している時とか、一緒に歩いている時とか、2人で遊びに出てかけている時とかは、お互い気安く接したり過ごしたりしているけれど。
    こうして想いを与えてくれる時とか、何というか甘い雰囲気になったりすると、途端に私が受けがちになったりとか、蓬が攻めっ気を見せたりする。さっき授業中に不意打ちで掴まれたのもそのひとつで。
    甘やかしてくれるのは大好きだけど、慌てふためいたり動揺している蓬も見たい。やられっぱなしは性に合わない。そんな事を前々から考えていたので、今日は、思いつきを実行してみる事にした。

    「あれ、どうしたのゆ、め────ッ!?」
    「あむっ」

    顔を上げて、首筋の辺りに狙いをつけて。かぷり、と甘く噛みついた。

  • 21二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 15:27:07

    >>20

    密着しているから、蓬の心臓の鼓動がはっきりと伝わってくる。さっきまで穏やかだった脈拍が、一瞬、ひときわ大きく跳ねて、一気に早くなっていく。


    「ちっ、ちょっ、ゆ、め……!」


    久しぶりに聞いた、動揺しきって震えた蓬の声に気を良くして、むぐむぐと唇を動かしてみる。くすぐったそうにしながら、あ、とか、う、とか。そんな風に弱々しい声が聞こえて来て、何だか楽しくなってくる。


    「ああっ、もうっ」

    「わっ」


    肩を掴まれて、がばっと力強く引き剥がされる。残念、もう少しイタズラしてやりたかったのに。

    とはいえ、不意打ちでやった反撃は予想以上に効果があったらしい。肩を上下させて荒々しく息をする蓬を見てくすくすと笑いながら顔を上げる。


    「ひ、ぇ…………?」


    うっすら上気した頬。据わっているというか、少し鋭くなった目。見たことのない表情で見下ろされて、息が詰まる。


    「……………夢芽さん」

    「よ、よもっ、ぎっ……!?」


    肩から手が離れて、代わりに頬を両手で包まれる。優しいけれど逃げられない、絶妙な力加減で顔を抑えられて、私は動けなくなった。


    「今のは、ちょっと。反則なんで。お仕置きが必要です」


    肌がざわつく感覚。前に一度、ちょっと強引に、深いキスをされた時の。荒々しくて、熱くてたまらない、こっちがおかしくなりそうな情動と、同じものを感じる。それもあって、蓬の言うお仕置きが何なのか察しがついてしまった。


    「え、あ、ちょ、もしかして、待ってあのキスはダメだってまってまってまってっ」

    「って言うかもう誘ってるでしょさっきのは。夢芽の自業自得だからね」

    「ほんと待ってだめあっ────」

  • 22二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 16:31:27

    >>13

    そう。ある意味こっちの方が生命の保証がされてるからより気楽に妄想することができる

  • 23二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 16:34:27

    マジでこの世界の夢芽さん弱すぎる……。まぁ蓬は言葉だけだから2倍弱点の中、夢芽さん言葉と想いがダイレクトに来るせいで4倍弱点になってるから仕方ないんだけど。

    恋愛怪獣なのに恋愛が弱点になってしまってるのイイ……非常にイイ……

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 16:35:26

    >>20

    >>21

    受け……!やはりどうあがいても、怪獣優芽さんは……超絶受け体質……!

  • 25二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 16:40:14

    これで「スキンシップ禁止!」とかすると普通に腹ペコで困っちゃう依々恋々怪獣の悲しき性(悲しくない)

  • 26二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 16:42:19

    原作優芽さんならここで、ぎゃおー恋愛怪獣だーたーべちゃーうぞー、ぐらいしそうものなのに、なんで本物の怪獣になるとこんなにかよわい生き物になってしまうん…?

  • 27二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 17:34:22

    >>26

    原作の夢芽さんは怪獣を超えた怪獣、超獣だった…?

  • 28二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 18:00:13

    >>26

    ハートと一緒に胃袋(?)も掴まれてるからしゃーない

  • 29二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 18:02:15

    >>27

    距離感の詰め方がおかしいのは痛みを(浮かれポンチすぎて)感じないからだった……?

  • 30二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 18:47:51

    >>26

    怪獣でありながら至上の自由ではなくかけがえのない不自由を選んだからね

    本能を捨てた獣が弱くなっちまうのは仕方ねえんだ

  • 31二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 18:52:30

    こんなの怪獣じゃないわ!チワワかポメラニアンよ!

  • 32二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 19:03:43

    >>30

    いいなその表現。

    んでどこかで『私も弱くなったな……』みたいになったら誰かが『大丈夫だよ。それはきっと良い弱さだから』みたいにフォローしてくれるヤツ

  • 33二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 20:00:20

    この怪獣多分ハグと深いキスに死ぬほど弱そうというイメージで書いてる
    ベッドの上の運動会する時はある程度までは対等にリードしたりされたりするんだろうけど深いキスされると途端によわよわになりそう

  • 34二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 20:46:42

    香乃関連の話はどうなんだろ?
    サトリ地味てるこのスレの夢芽さんだと香乃のことが分からないみたいな理由にはならなそう

  • 35二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 20:53:36

    >>34

    感情情動は解っても思考と動機まで解るわけじゃないだろうから

    香乃が自分に向ける感情は解っても何故そうなったのかは解らないままでいいんじゃないだろうか

  • 36二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 22:00:00

    >>34

    サトリ地味てるからこそ(彼氏のことがバレると弄られるから)香乃に避けられて触れ合う時間が少なくなってしまう

    その結果、香乃の心が分からなくなってしまい、久しぶりに香乃からの誘いで喜んでいたときに例の事故発生って流れはどうでしょう


    香乃が私を避けれてる…嫌われたのかなって疑念が燻り続け、久しぶりに一緒と思ったら事故で追い詰められ、畳み掛ける様に家族関係が悪化


    自分が発端で家族が壊れていく様を見せつけられる日々を送り、情動が足りず空腹の限界になった所で自分の怪獣としての異常性を自覚する


    自分のお腹を満たすため、そして怪獣としての能力で香乃の心を知るために呼び出した相手を放置、観察する日々を繰り返す…

  • 37二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 22:01:43

    >>33

    そら深いキスなんかされたら蓬くんの蓬くんが流し込まれるのにプラスして、キスに伴う蓬くんの想いも流れてくるのだからもう幸せホルモンとかドバドバでクタクタよ

  • 38二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 22:07:20

    >>34

    >>36

    もしくは単に『当時は気づかなかった』とかでもいいんじゃないかな。

    前スレ時点でも、そもそも夢芽さんが『自分が他人の感情(愛情)を食べていた』と自覚し出したのは香乃が距離を取ったことによって家族仲がギスギスし始めてお腹が空いたから~、て感じになってたし。

    当時はお腹が空いてそれどころじゃなかったりそもそも情緒も幼かったからそもそも香乃から向けられていた感情を何も覚えていない、てもしくは理解してなかった、ていうのでもいいかも。



    「……他人の感情はわかるのに、結局一番近い人の感情はわからなかったんだよね」みたいなこと言わせると儚さが出て良いかも

  • 39二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 22:14:47

    >>14 6〜7まで。デレ期に入ります。


     思えば、どうしてあんなことを言ってしまったのか。 


    「蓬君には、そんなに関係ないことだよ」


     香乃の死の原因を調べに付き合ってくれる蓬君を、拒絶した。 

     一緒の時間を過ごすうちに段々と大きくなっていた情動も、その時はぷつりと途絶えてしまった。

     その後もビデオの真相も分からずじまいで、みんなとの連携もうまく取れず怪獣に負けて、その後現れた巨人にまた倒されたりと踏んだり蹴ったりだ。

     

     香乃は学校でどんな風だったのか。

     香乃は本当に自殺だったのか。

     香乃は私をどう思っていたのか。

     こんな能力があるのに、家族について知らないことばかりだった。

     家の中じゃ段々私を避ける風にしてきたから、はっきりとした感情はよく覚えてない。

     辛うじて拾えたのは……好きだけど嫌、近づきたいのに遠ざけてしまう、そんな不揃いな感情。

     そんな人間の機微はあの頃の私じゃよく理解できていなかった。……いや、今でも理解しきれていない。

     

     私は怪獣なら、香乃も怪獣だったんだろうか。ママとパパもそう?

     事故にしろ自殺にしろそんな簡単に死んじゃえるものなの? 人間だったなら、ひとりだけ怪獣の私はなに?

     自分だけじゃ解決できず、打ち明けて全てを白日の元に晒すのは恐ろしい。

     気を紛らわすように隣に居続けた蓬君に香乃についてだけ吐き出すと……私の話を聞いた蓬君は、泣いていた。


     「南さんのお姉さんが、南さんの一部なら……もう他人なんかじゃない」


     どうして、そんなことを言うんだろう。

  • 40二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 22:17:43

    >>39

     私の過去で、私の問題なのに。蓬君は自分の事のように悲しんで涙する。まるで私の感情を食べたかのように、私に共振して、共有してくれる。


     私を思って悲しんでいるのは、露わになってる情動で分かる。それは確かだ。

     でもどうしてそうするのかの理由を見出だせない。蓬君は怪獣じゃないからそんな真似しなくていいのに。

     怪獣じゃないから───意味なんかなくたって、寄り添ってくれている。


    (ああ。同じだ、香乃と)


     最後の日。どんな思いで笑って私を講演に誘ったのか……その理由がずっと分からなかった。

     久しぶりに捉えた香乃の思いは、私の好きな味をしていた。だからまた昔みたいに仲良くなれると思っていたのに、結果は酷い裏切りだった。

     どんなに考えても答えは出ず、忘れてしまいたいとすら考えていた。でも栄養にならない気持ちを、苦しくても抱え続けた。捨てたくなかった。

     家族の思い出を"味"で処理せずに、いつかちゃんとした答えを見つけたかったんだ。


     香乃はもういないから、全てを理解できる日は来ないかもしれないけど。

     蓬君は生きている。ここにいる。だったら、伝えないと

     誰かのために泣く君の姿を見て、私の胸は暖かなものを感じてる。お腹に溜まらないのに、満たされた気になってしまう。他人の悲しみを引き受けてくれる君に、何かを返してあげたい。嬉しいんだって気づいてほしい。

     情動を読めない君に伝えるには、どう言えばこの気持ちを分かってくれるだろう。なるほど、人間というのは不自由だ。


    「ありがとう」

     

     簡単な一言しか返せない自分の口下手がもどかしい。 

     もっと君を知れば、もう少し気の利いたことが言えるのかな。

     

  • 41二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 22:38:43

    「家族の思い出を"味"で処理せずに、いつかちゃんとした答えを見つけたかったんだ」


    イイよ……人外特有のこの……儚さと言いますか、この……イイよ……(語彙力0)

  • 42二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 23:12:01

    前スレの怪獣夢芽とオニジャの因縁好きだなあと思って生やしてみた因縁芽生える流れ

    11話のガウマさんにソルジャーとウイング帰した帰り道、蓬とも別れた後想定

    ただ書いてみたら4レス分くらいになって長くなりそうだったんでテレグラフにしといた

    稚拙だけど楽しんでもらえると嬉しい

    オニジャとの因縁ガウマさんにダイナウイングを返した帰り道、蓬君とも帰り道が別れて一人歩いていた。

    ガウマさんの所にいた眼鏡の怪獣優生思想の人…ジュウガが言う通り、もう怪獣が出ないなら戦うことはないんだろうか。もしそうなら皆と、蓬君と関わることも減るのかな…


    「なんか…それはやだな…」


    そう呟いた時、その人が視界に入った。

    後ろ姿でも分かる、怪獣優生思想の人達が着ている白い服。こちらの気配に気づいたのか、振り返ったその顔に垂れ下がった赤い髪。怪獣優生思想の……オニジャとか呼ばれてた気がする。

    そのオニジャが私の顔を見るやいなや指差しながら叫んだ。


    「お前、ダイナゼノンの!」

    「えっ…違いますけど」

    「二度もその手を食らうか!」

    「はあ…じゃさよなら」


    鳴衣と一緒に絡まれた時の手はもう効かないらしい。そもそも話す理由もないのでそそくさと離れようとするが後ろから「オイ待て!」と叫ばれる。それも無視して歩いてくがオニジャは追いかけてきながら叫び続けてた。


    「お前らもう勝った気でいるんじゃねえぞ!すぐにぶちのめしてやるからな!お前らだけじゃねえ!例え怪獣がいなかろうと俺が人間全員ぶち殺…し、て……」


    急に黙ったからどうし…
    telegra.ph
  • 43二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 23:37:47

    >>42

    良い情動をありがとうございます!

    こうやって改めて見るとインスタンスドミネーションって怪獣からしたらマジで恐怖なんだな……。

    ただ最終回付近でやったらこれぐらいシリアスだろうけど、これ以前にも割とギャグ描写っぽい感じで操ろうとするオニジャと必死に逃げる夢芽のドタバタ劇はあってもおかしくはなさそう

  • 44二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 23:48:33

    >>43

    >>42はインドミは拒否できる設定あるけどとりあえず夢芽は情動を生きる方に消費してるから怪獣としては弱めで掴まれやすい脳内設定で書いてみた

    原作で拒否したのがナイトとかゴルドバーンみたいな上澄みでガルニクスまで掴まれてるからそこらへんの設定がどうなのかイマイチ分からねえ

  • 45二次元好きの匿名さん23/05/09(火) 23:58:15

    >>44

    大体の怪獣は掴まれてるし、やっぱゴルドバーンらがマジで上澄みなだけで、大体の怪獣は強制的に操れるんじゃないかなぁ。

    「掴むためには怪獣側の許可(信頼)も必要」的な条件があるとしたら、本編の怪獣優生思想みたいに「おっ、怪獣おるやんけ。おら、やれや」てぞんざいに操る的な流れにはならないと思う(まぁ最低限は怪獣の認証も必要だろうけど)。

  • 46二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 00:09:20

    >>43

    ギャグ調なら夢芽の必殺技「この人痴漢で~す」で難を逃れられるな

    掴まれるのはオニジャや

  • 47二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 00:15:11

    >>44,>>45

    或いは怪獣自体の意思の有無とかもあると思う


    拒否したのはコミュニケーションがとれるくらい意思を持つ怪獣で、逆に操れたのは生まれたて等で本能で行動する自我の薄い怪獣ばかり


    アカネとアレクシスみたいに意思があっても操られたり、そこから怪獣側の意思で切り離したりできる例もあるから、意思があれば掴ませるかは怪獣側が選択できるかもしれない

  • 48二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 00:56:15

    >>46

    中盤の無職とムジナみたいに、一回だけそういう小競り合いがありそう

  • 49二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 01:12:50

    本編と同じ流れだと、告白の返事前に最終決戦、ガウマさん離脱の流れになるから、ガウマさんを失った蓬を夢芽がどうやって立ち上がらせるかが気になりますねぇ

  • 50二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 08:11:02

    イチャラブとシリアス、ふたつの力を同時に接種することで肉体の構造を保てない〜〜〜(マッドオリジン感)

  • 51二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 08:34:10

    「優芽、授業中ずっと帽子被ってたよね。ケガでもしたの?」
    「ケガじゃないんだけど……見ても、笑ったり怖がったりしない?」
    「え、怖がるって……まさかどこか怪獣みたいに変わっちゃった!?2代目さん呼ばなきゃ……!」
    「あ、そこまで大袈裟にしなくていいよ。変わったは変わったんだけど痛いとか苦しいとか特にないし、その……」










    「朝起きたら……なんか耳、生えちゃってて……」
    「──────(何かが切れる音)」
    「……え、蓬?なんでここでそんな情動出すの?あっ待って駄目だって触らないでまだ馴れなくて敏感なんだからえむしろ逆効果ってどういうひゃっだからだめだよそんなふにふにしないでやんっ──────」

  • 52二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 13:40:48

    食べる側の筈が別の意味で食べられる側に回ってしまうのあまりに可愛い

  • 53二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 15:59:54

    保守

  • 54二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 16:06:24

    杖道を食べたり味を感じたりする分、普通より舌が弱くなってそう

  • 55二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 17:07:30

    ああ、だからベロチューで即落ち……

  • 56二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 18:32:17

    人外由来の特殊な性質を持った部分が性感帯なのは鉄板よ

  • 57二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 18:33:14

    このユニバースのよもさんはキスが上手くなってる(確信)

  • 58二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 19:01:17

    下手だったとしても多分それ以上に夢芽さんが深いキスに弱い

  • 59二次元好きの匿名さん23/05/10(水) 19:53:45

    下手じゃないと夢芽さんが耐えられない

  • 608話まで。今回は短め23/05/11(木) 00:21:22

    >>39

     外食は苦手だ。

     不得意だと言い換えてもいい。

     ご飯を食べるのに特異も不得意もないといわれるが、私の場合けっこうな死活問題だ。

     大量生産で、不特定多数の人に料理を振る舞う商売。その人を見ず注文を受けたから作るだけの、言ってみれば愛のない食事は、私の体質とすこぶる相性が悪い。

     一人ひとりに好みを合わせる専門店や、顔馴染みになるぐらい付き合いの長い個人店ならまた変わるのかもしれないけど、どちらも私には手の届かない世界だ。

     味もしないしお腹も膨れないものにお金を払うほど馬鹿らしいものはない。せいぜい鳴衣と付き合うぐらいで、買い食いの習慣なんてまったくなかった。

     

    「お腹、空かない?」

    「めっちゃ空いた」

    「どっか寄ってかない?」

    「どっかって?」

    「どこだっていいよ」


     だから、置き去り前提の口約束じゃない食事の誘いなんて、初めてかもしれない。

     怪獣を倒して気落ちしてる蓬君を見ていたら、知らず口に出ていた。体質とか情動とか、そんなのは頭になかった。

     ただ暗く沈んでる彼の表情を、なんとか元の明るい方に戻してあげたかった。少しでも気晴らしになるなら、馬鹿らしい浪費をするのも悪くないなんて思うぐらいに。

     私の家庭ためじゃなく、君のために、君には笑顔でいて欲しいよ。

     

     ねえ、蓬君。

     あの怪獣に向けて使ったんだってね。怪獣優生思想が怪獣を操る時にやるアレ、インスタンス・ドミネーションってやつ。 

     おかげで私やみんなは助かったけど、そこで何か見えたのを気にしてるの?

     もしやり残したことがあるなら……同じぐらい小さくて、力も弱くて、勝手に暴れたりしない、安心安全な怪獣がここにいるんですけどね?

     

     ………………。

     違うし。

     この胸のモヤモヤはそういうんじゃないから。あんなキモカワ……いやカワ要素のごく薄い、キモ寄りのキモな怪獣と比べたりなんかしてないから。

     蓬君はあの怪獣と繋がったのに私にはまだなんだとか、そんなこと思ったりしてないから。

     違うから。

  • 61二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 01:31:09

    このレスは削除されています

  • 62二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 01:32:27

    このレスは削除されています

  • 63二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 01:35:06

    なんか、突然自我を出すのもアレかとは思いましたが……前スレにて42、85、96、136あたりの概念を書き込んでいた者です。
    「たぶんこんな感じになるんだろうな。なったら面白いな」程度で書き込んでいた概念が、こうしてSSを書いてくださってる方によって形になっているのがすげぇ嬉しいです。

    マジでありがとうございます

  • 64二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 02:30:52

    前スレでちょろっと書いた、蓬と初めて深いキスした時の怪獣夢芽の様子

    センシティブなので閲覧注意という事で


    無題頬を捕まえて来る手が少し冷えて感じる。蓬の手も熱くなってるのに、私の顔がそれ以上に熱くなってるせいだ。そんな、現実逃避気味な思考が頭の中を走る。じっとこちらを見つめながら近づいてくる蓬の顔を直視できなくて、ぎゅっと目を瞑った。

    あんな顔知らない。こんな情動知らない。琥珀色の少し潤んだ瞳から、鋭い、熱い視線が向けられてて。普段の情動は優しく包み込むみたいなのに、今はなんだか肌がジリジリするみたいな感覚がして。口の中も、今まで食べた事のない様な強い味で満たされてて。


    もしかして、これが性欲とかなのかな。私の事を、いつもよりもずっと強く欲しがるような、荒々しい情動。

    という事は、今、蓬は。私の事を、ひとりの『女』として求めてるわけで────


    「んっ…………!」


    唇が、食べられた。

    触れるだけのキスとは違って、少し開いた蓬の口が、私の口を覆うみたいに、塞ぐみたいに、封じ込められる。

    口が焼けそう。いや、蕩けそう?熱と一緒に伝わってくる情動が、とにかく強くて激しかった。

    不意に、柔らかく濡れた様な感触。


    「ふぁっ……!?」


    蓬の舌が私の触れたんだと気づいて、小さく悲鳴をあげる。その拍子に、私は無防備に口を開けてしまって。…
    telegra.ph
  • 65二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 05:58:47

    >>60

    こうして嫉妬深い浮かれポンチ怪獣が誕生するんですね

  • 66オリチャー発動します23/05/11(木) 08:42:06

    >>60

     

    「あの怪獣はハズレだったでしよ」


     次の日、久しぶりに一人で下校していたのを見計らったみたいに、後ろから声をかけられた。

     

    「体も小さい。力も弱い。世界を捻じ曲げられるだけの理も持たない。未熟な情動から生まれた怪獣は、あんなにも弱くなってしまうんだ」

    「それ……私のこと言ってる?」

    「さあ。君の力をまだ僕は知らないし」

     

     冗談なのか本気なのか、シズム君の言うことはやはりよく分からない。

     

    「オニジャ達は来なかったでしょ」

    「え?」

    「君を掴もうとしていたから。彼らじゃ上手く操れないと思うけどね」


     そういえば、あそこに優生思想の人達はいなかった。いつもの時みたいに分かりやすく街を壊したりもしなかったし、誰にも操られたりはしなかったんだろう。

     特にあのオニジャとかいう一番ガラの悪い男は、私が怪獣と知るや否や即刻操ろうとしてきた。鳴衣も隣にいたのに。その時は女子必殺の「この人痴漢です」で撃退したものの、次出くわしたらどうしようか密かに悩んでいたのだが……どうやらシズム君が手を回していてくれたらしい。

     でも、どうして?

     

    「知ってほしいんだ。現実から解き放たれた怪獣がどれだけ自由で素晴らしいものか」

    「知るって……」

    「君は自分で自分を縛っている。人間の形に拘りすぎている。それじゃあの怪獣と同じだよ」


     それって、まさか。

     

    「……私に見せるために、わざと放置したの?」

    「ああはなりたくないよね?」

    「……!」

  • 67オリチャー発動します23/05/11(木) 08:56:31

    >>66

     燃える体。蒸発する目玉。断末魔の叫びがイメージになって飛び込む。

     考えて、なかったわけじゃない。

     力のない大人しい怪獣を見て、話ができるかもって。私と同じ心を持ってるなら、戦わずに済むんじゃないかって。

     ひとり抱いた勝手な同族意識はあっさり空振りして、なんの共有もできず怪獣は怪獣のまま退治された。

     怪獣に心はなく、分かり合う余地はない。シズム君は実例を持ち出して私に突きつけてきた。

       

    「怪獣の数も無限じゃない。君達が怪獣を倒していけば、いずれこの街からいなくなる。

     最後の怪獣になった時、君は今のままでいられるのかな」


     シズム君が去っても、その場に釘で打ち付けられたみたいに足は動かなかった。代わりに動いた指はスマホを起動しラインを開いたきりで、入ってる名前のアイコンに触れられない。

     返ってくるわけもない言葉を、私は立ち尽くしてずっと待ち続けていた。





     ポン、と音が鳴った。


    「!」


     内容を読み飛ばして着信ボタンを押す。向こうもすぐに出てくれた。

     

    『おっ早っ。南さん、今大丈夫?』

    「……うん、大丈夫だよ。なに?」

    『や、思ったよりバイト早く終わりそうだからさ、それでこの前───どうかした?』

    「ん───何でも、ないよ」


     傍にいて欲しい時にしてくれて、声を聞きたい時に聞かせてくれる。

     結局もらってばかりだなあとひとりにやける頬を矯正して、歩きを再開して彼との長電話に興じることにした。

  • 68二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 10:09:35

    シレっとシズムガが怪獣優生思想を近づけさせなかった理由を補足しつつ夢芽さんに詰め寄る……盛り上がって参りました

  • 69二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 10:12:23

    やっぱあのザイオーンの末路は曇るよなぁこの世界線の夢芽さんは

  • 70二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 11:33:40

    怪獣体になって蓬のインドミブーストを貰いつつ夢現.Green dayをバックに戦う怪獣夢芽とか見てみたいわ

  • 71二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 18:57:32

    蓬が夢芽の正体を知るタイミングっていつだろうな
    中盤に勘づくけど黙っていて、告白のタイミングで夢芽から伝えると予想
    情動を察知する以上、あらかじめ知っていた方が展開的に美味しい

  • 72二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 20:29:59

    夢芽に怪獣であることを告げられて戸惑う蓬に発破かけるガウマ隊長はいる
    蓬はあいつを一番傍でずっと見てきたんだろ?お前が信じてやれなくて誰が信じるんだ!

  • 73二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 20:34:23

    優生思想に狙われる形で知ってしまって、戸惑ったけど今はとにかく助ける方を優先して、みたいな流れもアリ
    その過程で蓬が悩みの種だったインドミを夢芽を助ける為に使う、みたいな

  • 74二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 20:39:16

    >>72

    ガウマさんの言葉の重みもまた変わってくるな……

  • 75二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 20:42:29

    ある意味ガルニクス編とかも夢芽さんの正体が判明する回としては絶好かもな。強制的に過去が暴かれちゃうし。
    んでなんやかんやでガウマや蓬は最終回前までに夢芽さんの正体を知りそう。無職先輩だけは蚊帳の外で(とりあえず「蓬たちが受け入れてるなら」と受け入れはする)、最終回で急にその辺明かされて「今これなんの話してんすか?」てなってそう

  • 76二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 20:44:23

    ザイオーン後にメンタルやられてる蓬に追い討ちかけたいな

    「ありがとう。蓬くんが怪獣からみんなを助けてくれたって」

    「今日みたいなことがまたあったら蓬くんはみんなを助けてくれる?」

    「実は私──怪獣なんだ」

  • 77二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 21:57:18

    「うん、確かに南さん時々怪獣みたいなとこあるよね」

  • 78二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 22:03:25

    >>76

    それはそれで面白そうだけど、今書いてくださってる方の夢芽さんはかなり繊細でザイオーンやられてダメージ受けてんのは夢芽さんも同じだから静かに曇ってそう

  • 79二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 22:06:15

    いろんなユニバースがあって非常に楽しい

  • 80二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 22:17:04

    3話のガウマの隠し事無し展開+よく分かってない自分の正体に心当たりありそうってのでガウマにだけ自分の状態相談してそうなイメージがある

    まあガウマからしても「怪獣使いとしての感覚なら怪獣だが…普通に親から生まれてる…?」でよく分からんだろうけど

    そもそも怪獣の生まれ方知らないって言ってたし

    ただ夢芽が不安そうなら絶対元気づけてくれるだろうし蓬が知って戸惑っても>>72みたいに発破かけるのは分かる

  • 81二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 22:17:44

    完全に怪獣化したときの能力は普段の「食事」が凶悪化して『周囲の情動を根こそぎ食い潰す』みたいな感じになりそう
    搭乗者のメンタルが強さに直結するダイナゼノンに対して特効だしそれでもなお夢芽への愛を叫ぶ蓬の精神がインドミで流れてきて逆転に繋がったり夢芽の成長で制御できるようになれば味方への精神的なバフをかけられるようになるとか

  • 82二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 22:49:44

    怪獣が側にいればインドミの反動への捉え方も変わるかなって

    怪獣使いとしての力、その代償で蓬が人の理から外れても
    100年でも500年でも5000年でもずっと側にいるよ。

    だって私、蓬の彼女だし

  • 83二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 23:03:57

    7話のガウマ隊と初めて会ったときのナイト君は夢芽さんを怪獣と判別出来てるんかな
    アンチ君の時は怪獣少女を見たときに「怪獣か」って言ってたし、判別できるとしたら
    「お前らか、怪獣と一緒に戦っていたのは」
    「怪獣…ダイナゼノンのことか?」
    「ダイナゼノン…それがあの赤いやつの名か」
    みたいなミスリード入りそう

  • 84二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 23:23:05

    >>83

    「怪獣『と一緒に』」

    あっふーん……。


    偶然とはいえミスリードとしてはよくできてるな

  • 85二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 07:27:27

    保守

  • 869─1. オリチャー継続中23/05/12(金) 08:12:49

    「南優芽。お前は怪獣か?」

     甲高い金属音が響く夕闇の空、いつか聞いた言葉が繰り返された。

     まあ、いつかこうなるとは思っていた。
     怪獣を倒して回ってるというナイトさん達といて、いつまでも隠し通せるものじゃないと。それをなあなあで流して、答えを探すのも他人に相談もしなかったこっちの落ち度だ。
     それにしたってタイミングが悪すぎる。空気読めてないよナイトさん。女の子がさんざ泣き腫らして余裕ない時に来るなんて。
     
    「え……ナイトさん、なにを」
    「麻中蓬。下がっていろ」

     腰の刀をフェンスにひっかけながら、ナイトさんが近づいてくる。表情は変わらず厳しく、前髪で隠れてない右眼はそれこそ刃みたいに鋭い。睨まれたらそれだけで普通は退散してしまう眼光を受けても、蓬君はその場を離れない。

    「下がっていろと言ったはずだ」
    「嫌です。ちゃんと説明してください」
    「説明は後だ」
    「なんすかそれ! 南さんが怪獣とか、意味わかんないこと言って……!」
     
     私の前に立ってナイトさんを制する格好。心を読むまでもなく、私を守ろうとする眩い感情。
     すごく嬉しいけど、ここでそれは使い道間違えてるよ。
     
    「いいよ、蓬君」
    「南……さん?」
    「ごめんね。私、怪獣なんだ」
    「え……」
    「角も生えてないし、大きくもないけど、自分でもわかるの、そういうの。私はあっち側なんだって」
     
     言った事実に呆けた蓬君の隣を通り抜けて、ナイトさんと向き合う。

  • 879─1. オリチャー継続中23/05/12(金) 08:17:48

     
    「……いつ、気づいてたんですか?」
    「初めは微かな違和感でしかなかった。確信が持てるようになったのはこの前の怪獣の時だ」
    「ナイトさん達も怪獣だから?」
    「お前こそ、他の連中に言ってなかったのか」
    「言えると思いますか?」
    「だろうな」

     気になってた追求は無視して腰の刀に手をかける。
     本当は、もっと怖がったり慌てたりするべきなんだろうか。でも今は、そんな風にして生きる気にはどうしてもなれない。これ以上頑張ってどうしろっていうの? って諦めが消えてくれない。私が戦っても、いいことなんて何もなかったのに。
     双葉さんにとって、香乃はもう過去の人だった。やりきれなさや後悔を抱えていたのは感じたけど、彼の中ではそれはもう終わった話になって、新しい幸せを掴んでいた。
     不幸を望むわけじゃない。それが普通の生き方だって分かってはいても、どうしてと声を上げずにはいられなかった。 
     過去を暴いても、持っていた傷がさらに深く抉れるだけだった。知りたくないことばかり増えていく。
     
    「待ってください……なに持ってんですかナイトさん。なにする気なんですか!」
    「いいんだよ、蓬君。たぶん、これが正しいんだ」
    「よくないよ! 南さんが怪獣だとかいきなりすぎて正直ついていてけないけど、こんなの絶対間違ってるって!」
     
     ヤケになって深く埋没していた私を、諦めないでと照らす叫び。間に割り込んだ蓬君は私の言い分を切り捨てて、再びナイトさんと睨み合う。
      
    「……ナイトさん、言いましたよね。心を持つ怪獣もいるって」
    「だが、錯覚もあるとも言った」
    「ナイトさんは知らなくても……俺は南さんと色んな話をした! ガウマさんも暦さんもちせちゃんも、ずっと一緒に戦ってきた! それが全部嘘なんてこと、あるわけない!」

  • 889─1. オリチャー継続中23/05/12(金) 08:19:29

     隣にいたのが人の姿をした怪獣だと聞かされても、蓬君の中に私への嫌悪や疑いは混じってなかった。
     信じていないんじゃなくて、私が怪獣であると受け入れた上で、一緒にしてきたことを否定しない。
     重ねた思い出は嘘じゃない、楽しかったという偽りのないいっぱいの情動が、ここにいる私を肯定していた。
     
    「ならばどうする。戦うか、俺と」
    「ナイトさんが言ったんですよ、戦うなら覚悟を決めろって。どうしても南さんを傷つけるっていうなら……俺はやる!」
     
     取り出したダイナソルジャーを掴んで構えを取る。どうあっても引かない、私を傷つかせないために戦うと奮い立たせている。
     
    「南さん、今のうちに逃げて」

     これまでにない、決然とした覚悟の声。どうしよう。こんなことになるなんて思ってもみなかった。
     こうなったのは言うまでもなく私が原因なんだけど、私はきちんと自分で始末をつけようとしていたのに。普段は出て来ないとびきり熱い情動。守るとか逃げてとか熱い台詞を言ってきて。
     ここまでこじれてるのって蓬君のせいじゃないか。蓬君が必死に助けようとするせいで仲間割れの危機に発展してしまってるんですけど。
     胸の中がぐるぐるしてる。本当に優しい気持ちなのに、私を思ってくれてすごく嬉しいのに、味がしない。色んな思いが混雑して喉元を通ってくれない。
     いちゃいけない、いたくないと思ってるところに、いてもいいんだってぶつけられて、どうしたらいいか分からなくなっちゃってる。
     でもさ、こればっかりはどうしようもないじゃん。本当に怪獣、なんだから。
     いたたまれなさで、もうとにかくこの場から逃げ出したいなんて考えちゃってるところに。ここ最近聞き慣れた声が、突如として頭上からした。
     
    「わああああああああ! 止まってゴルドバーン! その人たちはダメ、ダメだから───────っ!」

     先に気づいたナイトさんは思わず手を止めて。
     蓬君は私の手を取ろうと走り出して。
     そして最後に見上げた私は、空から降りてきた金色の怪獣に制服の襟を咥えられて、意識ごと全身を上空に持っていかれた。
     

  • 899─1. オリチャー継続中23/05/12(金) 08:24:30

    後半へ続く。
    自分が書いてる夢芽さんは本編の要素に加えて、怪獣であること、感情が読めることの疎外感と、ちょいちょいシズム君にその辺つつかれてるのでよりナーバスになってるイメージです。でも乗り越えて吹っ切れたら本編以上に浮かれて裕六に気ぶるだろうから頑張ってほしい。

  • 90二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 09:47:00

    気になってた女の子が実は自分が今まで戦ってきた怪獣と同類で、それを度々会う協力者が始末しようとして、そこから守ろうとしたら同僚の一人が新しい怪獣引き連れて助けにやってくる、てのが一瞬の間に起きるとか蓬くんの情緒ボロボロになってそう

  • 91二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 12:27:58

    まぁ実際ザイオーンもそうだったように、蓬くんは別にそこまで怪獣に対して憎しみを抱いてるわけではないし、害がないなら放置しといてもいいかってタイプだから、人間と変わらぬ情緒で共に過ごしてきた夢芽さんにも普通に温かい反応をしてくれそうではある。
    ましてや意識し始めてる相手なら尚更

  • 92二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 15:09:37

    怪獣夢芽さんはユニバースの蟹食べよう(結婚しよう)に、恥ずかしより感動でポロポロ泣いちゃいそう

  • 93二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 17:16:33

    >>92

    そりゃ子供の頃から根っこではずっと疎外感を感じてて『人間と怪獣は違う』ということをシズムにチクチクと攻められ続けて、そこを紆余曲折あって蓬に満たしてもらえるようになりようやく『恋愛怪獣』としての幸せをもらえたと思ったら、その後すぐに『人間』としての幸せももらえるんだもんな。

    そりゃ泣くわ

  • 94二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 18:08:24

    恋愛怪獣からすれば、彼氏と食べる蟹はさぞ美味しいだろうな
    元が恩人からの贈り物となれば猶更

  • 95二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 19:07:17

    不安な点をあげるとしたらカニを食べるのと一緒に快楽感じないかなって事なんですが

  • 96二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 19:15:02

    案外そこで情動ではない味を感じた事で怪獣としての能力を完全に喪失して人間になるのもエモいかもしれん

  • 97二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 20:47:31

    てか今さらだけど、この世界の夢芽さんって他人の情動を感じられるから、双葉先輩にもう香乃への想いがない(吹っ切ってる)ってことがハッキリわかるのか……キツいな……

  • 98二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 20:53:34

    >>97

    恋人が死んだら普通後追いするよね

  • 99二次元好きの匿名さん23/05/12(金) 22:21:52

    >>98

    SSSS.シリーズトップクラスで湿度高い貴女を基準にしないでください

  • 100二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 01:12:29

    >>98

    本編時点から「あれ?もしかしてこの人もまぁまぁ重くね?」て言われてて、ユニバースでの一見カラッとした振る舞いに隠された激重行動で一気に『SSSS.シリーズの女』認定されたキャラじゃん

  • 101二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 05:39:55

    >>98

    ガウマさんはコーヒーらしいが、貴女の愛はどんな味なんだろうな

  • 102二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 10:25:05

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 12:11:36

    >>101

    姫の重さ的にも「濃厚な味、美味しいけど長時間は味わいたくない」みたいな感じかな?パッと思いつく食べ物がなかった…

  • 1049─2.巻き込み絶対許さねえ23/05/13(土) 13:43:57

    >>88


    「ホンットにすんませんっしたぁ! 南さんケガとかしてないっすか!?」


     金色の怪獣の体の上。茜色を背景にして、年下の子に平身低頭の姿勢で渾身の平謝りをされた。


    「うん、なんともないけど……それよりどうしたの? この……」

    「あ〜その〜朝起きたらおめでとう元気な男の子ですよって感じでして……いや性別知らんけど」

    「つまり、ちせちゃんの生み出した怪獣?」

    「そゆこと……みたいっすね。あ、名前はゴルドバーンっす」


     空はちょうど夜に切り替わる逢魔が時で、燃える景色は遠くに行くほど深い群青に変わっていって、その境目で二色が混合した奇妙なコントラストを描いている。

     急に咥えられてどうなるかと思いきや、現状快適な空中飛行を満喫させてもらっている。座り込んだまま怪獣……ゴルドバーンの固い背中に触れてみる。

     

    「助けて、くれたのかな。同じ怪獣だから」

    「んぇ? 同じって、誰と?」

    「私と。実は怪獣なんだ私」

    「え、新手の冗談っすかソレ」

    「ううん、マジ」

    「マジでか」

    「マジだよ」

    「ぇえマジでか……」


     流石にちょっと引いていた。当たり前か。大声出して怖がられないだけマシかもだけど。

       

    「ああ、それで下でナイトさんと揉めてたんすね。……なんか悪いとこと、しちゃったんすか」

    「ううん。でも、その内やっちゃうかもしんない」

    「この前のちっちゃい怪獣みたいに? 考えすぎっすよ」

    「ちせちゃんには……分かんないよ。他人が何考えてるのか見えちゃったり、それを食べなきゃ生きてけない体のことなんて」

    「……」

  • 1059─2.巻き込み絶対許さねえ23/05/13(土) 13:46:27

     ずっと辛かったこと。寂しかったこと。隠すものがなくなって色々枷が外れてしまったせいで、溜め込んでた諸々を吐き出してしまう。ちせちゃんに当たっても何にもならない、ますます自分が嫌になるだけで。
     
    「……この子はいい子みたいだね」

     金属質の背に触れる。暖かくはないけどじんわりと染み入ってくるこれは、ゴルドバーンの情動。怪獣にも誰かを労る心が備わってる証。
     
    「ちせちゃんがいい子だから……生まれる怪獣もいい子なのかな」

     元になったからか、ゴルドバーンだけじゃなくちせちゃんの情動もそこには感じる。輪の中に入れない孤独と、独りよりも皆といたい寂しさがキレイに対の形をしてる。 
     人間の姿なのにチグハグな私と比べて、そこから産まれた怪獣にはちゃんとした心がある。そんな羨望を向けたりしたのだけれど。

     「……はぁ?」
     
     ちせちゃんから感じる熱が、一気に冷えた。
      
    「夢芽さんさ、ぜんぜん分かってないよ」

     代わりに出てきたのは、夕焼けと夜が混ざり合う空にも似た怒りの情動。
     
    「あたしは怪獣じゃないけど、ヨモさんが南さんのことどれだけ考えてんのかぐらい、見ればすぐ分かるんすよ。あんな必死に守ろうとしてたじゃないっすか。
     心読めるだかなんだか言ってるけどさ、そこから目を逸らして逃げてるだけじゃん」
     
     私目がけて一直線に、心臓に刺さるぐらいの勢いで。

    「あんたが一番ヨモさん信じなくて、どうすんだよ」
     
     ひとりぼっちな自分を繋ぎ止めてくれる人がすぐそこにいるのに何やってんだと、叱られてしまった。
     無関係なんてとんでもなかった。今食べたばかりじゃんか。何も知らないくせにと、見当違いな発言をした自分をはたいてやりたい。
     同じガウマ隊で、周囲との違いに悩み、ひとりぼっちでいるのは寂しく、誰かと一緒の輪の中に入って、繋がれて生きていたい。
     ちせちゃんにとって繋いでくれた相手はゴルドバーンで、私にとっては───

  • 1069─2.巻き込み絶対許さねえ23/05/13(土) 13:48:32

    「───ヨモさん?」
    「え?」
    「いや、その、後ろ、ゴルドバーンの尻尾のアレって……」

     震える指先の方角に振り向く。ゆらゆらと揺れるゴルドバーンの、シャチホコもかくやの金の尻尾。
     そこに、なんかとても見覚えのある、私の脳内を占拠していた青いパーカー姿そのものがひっついていて。
     
    「……嘘」
    「ぇちょヨモさん!? そんなとこでなにしてんすか───!?」
     
     ほんとにそうだった。どうしてそんなことになってんの。
     待って、まさか、私が咥えられた時から蓬君、ずっとそこでしがみついてたの? この高さを? あの速度で?
     
    「ゴルドバーン! ステイ、ステーイ! ヨモさん落ちちゃうー! 高度落としてゆっくりと……!」
    「その必要はない」
    「ぅおわナイトさんまでぇ!?」
     
     こっちはもう驚く間もなかった。上手く足元にでも隠れていたのか、音もなくしれっと後ろに立っていたナイトさんはすいすいと尻尾の上を渡り、あっさりと蓬君を回収して戻ってくる。
     
    「……っっっぶはぁ!」
     
     風に煽られてボサボサの髪の毛、ぜいぜいと口を開けて苦しそうに息をする蓬君。どっちが助けられた側だか分かんないな。
     
    「みなみさ……よかっ……無事……」
    「自分のこと心配しなよ……無茶しすぎだって」
    「仕方ないでしょ……あのままほっとけなかったんだから……」

     ダイナゼノンも使わず死ぬような目にあっても、蓬君の情動はさっきとちっとも変わらない。
     ……やっぱり、ずるい。これじゃもう、今度こそ逃げられないじゃん。

  • 1079─2.巻き込み絶対許さねえ23/05/13(土) 13:49:41

     
    「……ナイトさん! あのこの子、ゴルドバーンっていって私の友達で……! 悪い怪獣じゃないんですよ! さっきのも南さんを助けようとして……」

     必死にゴルドバーンを庇うちせちゃんの声が聞こえる。大事な人を守るために体を張る。他人がしてるのを見てると、あの時の蓬君の気持ちがより理解できる。
      
    「怪獣は人を助けたりしない」
    「ナイトさん……!」
    「怪獣は人の気持ちを読んだりしない。人に都合を合わせたりしない。いるだけで人の日常を奪う存在だ。ある人から俺は、そう教わった」

     今まで常に平静で情動を見せなかったナイトさんが、最後の言葉の一瞬、漣を打ったみたいに揺れたものを感じた……気がした。
     
    「だが自分が何者であるかを悩みながら、誰かを助けようと動く、心ある生き物がいるなら……南夢芽、お前はそんな存在をどう名付ける」

     急に話を振られて顔を上げた私を、ナイトさんは見る。その答えをこそ、私から聞きたいというように。
     答えはとっくに示されてる。蓬君が、ちせちゃんが、そして私自身から教えられた。
     
    「……それってもう、人間、ですよね」 
    「ならば、俺が狩る相手ではないな」

     答案用紙に正答が書かれていたのを見た教師の面持ちで、ナイトさんは背を向けた。
     
    「怪獣が出た。準備ができたらお前達もすぐに来い」
     
     そう告げて足を離し落下していく。途中赤い光が閃き、後にはもう影も残さずいなくなっていた。
     

  • 1089─2.巻き込み絶対許さねえ23/05/13(土) 13:53:24

    「……えっと……これは、認めてもらえたって流れで……いいのかな?」
    「うん。ていうかなんかナイトさん、はじめからこうする気だったぽいよ。私を倒す気なんてなかったし」
    「え、そうなの!? 俺もう本気であのまま戦うんじゃないかってヒヤヒヤしたのに……!」
    「あーごめん。そん時私も頭ぐちゃぐちゃで言う余裕なかった」

     実のところ、怖いと思わなかった理由の大部分はそれだ。動けなかったのは直前の記憶がまだ尾を引いていたからであって、ナイトさんはあんま関係ない。自分が怪獣なのか説明してくれなかったり、私が言えた口じゃないけど、けっこう口下手なところがあるよね、あの人。
     
    「うっわ……俺、ダサ過ぎんだろ……」

     がっくりと項垂れてへたり込んでしまった。あんなに体張っておいて真実がこれではまあ仕方ないか。
     
    「そんなことないよ」
     
      ……うん。頑張ったのは本当なんだし、個人的なご褒美があってもバチはあたらないよね。

    「助けに来てくれてありがとう。ちゃんとカッコよかったよ」

     クシャクシャになった髪に手を置いて、よくできました、と頭を撫でる。ついでに手ぐしで直してあげる。
     
    「いえ……こちらこそ……どういたしまして……」
    「なにその敬語」
     
     なんだろう。変な顔で固まってるけど。そんな照れた情動出すところかな。褒めたり撫でたり子ども扱いされてると思ったんだろうか。でも面白い顔だからしばらくこのままいじろう。ふわふわした感触が心地いい。
     
    「はーいもーいっすかー? 仲直り済んだなら早く行かないとー!」
    「別に喧嘩してたわけじゃないけどね……」
    「うん、喧嘩じゃない。かなりグダグダ」

     ちせちゃんに急かされたので、切り上げて戦いの準備をする。あとでガウマさん、あと暦さんにもこのこと伝えとかないと。今なら何でも言える気がする。隣にいる人を信じるだけで、どんな未来も怖くないと信じられる。
     みんなの心がひとつになったのを祝福するように、竜の嘶きが雄々しく響き渡った。

  • 1099─2.23/05/13(土) 13:55:31

    一日一話を心がけてるが、巻き込まれ規制が不規則なので今後も遅れたりもしそうです。ごめんなさいね。

  • 110二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 18:41:14

    >>109

    書いてくださるだけでありがたい

  • 111二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 18:50:11

    急いだりせずに気ままに書いて欲しい、非常に助かる

  • 112二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 21:23:22

    本編じゃ間に合わなかったけど、ザイオーンももしこんな風に自我を持つまでに至ったらナイトさんも見逃してくれたのかな

  • 113二次元好きの匿名さん23/05/13(土) 21:24:39

    あと、今さらだけどこの夢芽さんってジュウガからガウマへの情動とかを感じることもできるのかね?
    もし感じられたら……いややはりこの話はよそう

  • 114二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 00:30:51

    保守

  • 115二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 05:54:29

    >>101

    色々考えたけどガトーショコラがそれっぽいかな

  • 116二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 08:45:10

    >>94

    「カニミソ味の情動出して」

    「いや、難易度」

  • 117二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 08:54:02

    >>101

    あれでしょ


    蓬の家で食べた蟹

  • 118二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 11:57:48

    保守

  • 119二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 12:08:22

    前スレでは悲しくもないないって否定されちゃったんだけど、あの情動ウマウマだよね〜わかる〜トークが弾むシズムくんと怪獣南さんが見たい…です……
    少し仲良くなれたかなって思って「シズムくん、怪獣を使って暴れるのやめてくれない?」って聞くと「それは無理だよ、怪獣の自由の、未来のための行動なんだ」って返されて1回遠い景色を見て「でも怪獣達も操られるのなんて望んで…」ってシズムくんに振り返った辺りで彼の姿が消えている感じの…

  • 120二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 13:28:38

    本格的に対立するまでは、そういうやり取りもあったかもしれませんね。夢芽さんもひょっとしたらわかり合えるかもって希望を持ってたら結局……という。後々の蓬ザイオーンとの相似にもなるし

  • 121二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 15:00:59

    この世界のよもゆめ、何かあって喧嘩したとしても顔を合わせると夢芽は蓬が相変わらずぞっこんなのがどうしても伝わってしまうし、蓬は蓬でたとえ喧嘩しようが自分の夢芽への気持ちが全然変わらないのが伝わっているのを知ってるから、2人して怒ってる気持ちが萎んでそう
    電話越しとかで割としょっちゅう言い争いとかするけど長続きしなさそう

  • 122二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 16:28:06

    人の姿として生まれて怪獣形態は無いってのがこのスレでの通説だが・・・ガワはそれでも内部は怪獣と同じ配線構造というのはアリではなかろうか
    刃物で手を切っちゃった時とか血は出てこないで内部のカラフルな配線が見えるんだ

  • 123二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 16:33:13

    >>122

    いいなそれ。『内部構造が違うから血が流れない』とかは人外娘のお約束だし。

    思えばそれでも全然おかしくない。


    最終回でのダイナウイングの元へ向かうときに何度もこけたりしてボロボロになってるけど、その時は擦りむいた頬や太ももから配線が若干見えてそう

  • 124二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 16:43:01

    個人的には怪獣態があって欲しいとも思ってしまう
    めちゃくちゃごつい龍みたいな怪獣が可愛い少女の声でテレパシーして来るとかロマンがある

  • 125二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 16:53:49

    >>122

    何かの理由でもっと派手に怪我した時も見たい

    人間だったらかなりの傷のはずなのに平気そうにしてるし少し覗くと中の配線が見える

    でもそんな彼女にも理解ある彼氏がいます

  • 126二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 17:22:04

    その描写は好きだけどそれやっちゃったらお揃いの傷が出来ない恐れが……

  • 127二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 19:41:05

    個人的にはスワンプマンの方が好みだけどなぁ
    非人間要素の強い方が蓬の愛が尊くなるのも理解できる

  • 128二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 21:50:03

    食性以外は完全に人間の方が自分でも怪獣だと気付かなかった理由として自然じゃないか

  • 12910.23/05/14(日) 22:08:37

    『あ、いま動いた!』
    『あら、香乃がそこにいるのに気づいたのかしら』
    『ここに、ゆめがいるの?』
    『そうよ。もうすぐ香乃はおねえちゃんになるの』
    『おねえちゃん?』
    『香乃の大好きな人が増えるってこと』
    『わあ……!』

     誰かの夢を見ていた。
     明滅するストロボメモリー。一昔前のテレビ。怪獣に呑み込まれた中で、俺は誰かの記憶を見ている。

    「南さん……いや……お姉さんの、香乃さん……?」

     映像に出ている子供はよく知る人とよく似ている。写真や動画で成長した姿を見ていたから、死んだ姉である香乃さんだと気づいた。

    「じゃあこれ、南さんの記憶……いや違うか。南さんはまだ生まれてないんだから。じゃあ香乃さんと、家族の記憶……?」

     どうしてそんなものを見てるのか。疑問は、画面がノイズと砂嵐を吐き出したことでうやむやにされた。

     
    『異常数値を検出』『衰弱の兆候が』『母子ともに不安定』
    『出産の意志は固い』『母胎の安全を優先すべき』『■■の選択肢も考慮に』


     機械的に羅列して並び立てられる、誰彼の声。 
     混戦は一瞬で、すぐに映像は切り替わる。お腹を大きくしたお母さんの傍にいた香乃さんは、今度はスーツを着た大人の男性……きっと南さんのお父さんと一緒にいた。
     

  • 13010.23/05/14(日) 22:09:50

     
    『はい、パパ!』   
    『なんだいこれ……真珠? にしてはゴツゴツしてるな…』  
    『流れ星! わたしの前に落ちてきたの。たくさんあったから、さっきママにもあげたよ! 
     せんせいが言ってたよ。空からお星さまが落ちてきた時に願いごとを言えば、本当になるって!』
    『──────』
    『ママもゆめも、これで元気になるよね?』
    『そうだね。じゃあ3人でお祈りしよう。夢芽が元気に生まれてくれますようにって───』 

     家族が笑い合って、子供の健やかな生誕を願う。暖かい団欒と偽りない絆。
     そんな場面だというのに、俺が感じるのは脳を掴まれたみたいな嫌悪だけだ。
     だって、みんなが持ってるあの真珠、あれは怪獣の──────。

    「そうか、これが彼女の真実なんだね」

     第三者の声に心臓が飛び跳ねる。抑揚の薄い声に隣へ目をやると、
     
    「シズム君……!?」 
    「見ていなよ。まだ続きがある」

     シズム君はこちらを見ず、正面の画面を向いている。促されるままに視線を戻すと、異様な光景が映っていた。
     3人が持っていた真珠が、ひとりでに浮き上がり繭のような白い糸を吐き出してそれぞれと連結した。
     周囲に走る赤緑黃の三本線で出来た格子。あの怪獣に手を向けた瞬間に見たイメージと同じ、電子回路じみた景色。
     色彩の檻を形成した真珠は囲いの中心───南さんのお母さんのお腹へ吸い込まれるように引き寄せられ、本当に溶け込んで消えてしまった。
     香乃さんも南さんのお母さんもお父さんも、目の前で起きたことに誰も気づいていない。
     
    「本来あの子はここで死ぬ定めだった。それを覆したのが怪獣だ。赤子と繋がって、家族の感情を受け止め、怪獣としての力を全て使い死の運命を捻じ曲げたんだ」

     早回しで流れる時間で、南さんはごく自然に生まれ、成長していく。お姉さんとお菓子を作ったり、ヒーローショーの怪獣に飛びついたり、そして。
     

  • 13110.23/05/14(日) 22:11:54

     
    「家族から常に感情を受け取り、願い通りこのまま普通の人間として一生を終えるところだったけど、お姉さんが死んでバランスが崩れたんだね。家族から送られる感情が途切れて、体を保てなくなったことで少しだけ怪獣の力を取り戻したんだろう。自ら人の情動を集めるために」
     
     ドクン、と鼓動が鳴る。
     それは南さんがお姉さんを失った喪失を表す画面の演出であり、俺の心臓が動いた音だった。
     
    「彼女の力はまだ小さい。自分一人の命を保つだけで精一杯だ。でももっと多くの人から情動を集めて成長すれば、寿命という概念すら消し去ることもできるだろう。死にたくないなんて情動、世界中に溢れてるからね」
    「寿命を……?」 
    「彼女は人の命を司る怪獣だ。俺達のように怪獣と繋がる素質のある人だけじゃない、全ての人間を肉体の縛りから解放させられる才能を秘めている」
    「───────────」
     
     南さんが怪獣であるまでは受け止めてたけど、それが急に人の命を司る? 人類の夢? 最大級に突拍子もない話を聞かされた。
     ああけど、確かに。ガウマさん達が生き返った事実がある以上、怪獣が人を生き返らせる力を持ってるのは事実で、決して夢物語でもないのだろう。

    「時間と空間、そして運命。これで人間は、怪獣によってあらゆる理に縛られなくなる。
     人が辿り着く無上の自由、その夢の芽なんだよ彼女は」

     たぶん今、とても重要な話をされている気がする。
     世界とか運命とか、退屈で鬱陶しいしがらみを根こそぎ吹き飛ばしてくれるような、壮大なことを語られている。

    「それをしたら、南さんはどうなるの」
     
     でも、ごめんシズム君。俺が聞きたいのはそんなことだいそれた話じゃないんだ。
     
    「人の姿では怪獣の力は発揮しきれない。一度脆い器を壊して、新しい体を作る必要があるね。この世界はその為の孵化器でもある。過去の夢を通して、力の自覚を促すんだ」
    「わかった。ありがとう」
     
     その御大層な理想に使われる人の行く末を知って、やることは決まった。画面から目を離し暗闇に足を向ける。

  • 13210.23/05/14(日) 22:13:25

     
    「どこへ行くの?」
    「南さんを助けに行く」
    「どうして? 彼女だって、お姉さんにまた会いたいと思ったはずだ。だから今もああして夢に見ている」
    「過去を見てるってことは、この後香乃さんは死んじゃうんでしょ。それじゃまた南さん、悲しむじゃんか」

     そんなの、もう嫌なんだよ。彼女が泣くとこを見るのは。
     
    「殻を破って本物の怪獣になれば、お姉さんの死を無かったことにして、それを現実にすることだって可能だ。代わりに君にそれができるの?」
    「俺は、香乃さんの代わりになんかなれないよ。俺は俺のままで、誰かと関わっていくしかないんだ」

     自分ひとりで出来ることなんて限られてる。この世界から目覚めたのもダイナソルジャーがあったおかげだ。
     でもだからって恥じてる余裕なんかない。誰かの手を掴んで、力を借りて……俺がすべきこと、俺が一番やりたいことは、もうこの胸に。
     
    「シズム君……今の南さんは偽物なんかじゃないよ。笑って、泣いて、そうやって生きていける、普通の女の子なんだ」

     だからその南さんがいなくなるっていうなら……そんな夢、俺が壊してやる。

     
    「……ガウマと同じようなことを言うね」
    「そっか。ガウマさんもそうしたんだ」

     あの人が進んだ道を俺も行けるというのが少し、誇らい。おかげで勇気が出た。
     
    「それが君の、怪獣使いとして定めた使命かい」
    「怪獣使いだからじゃない。俺は人として、大切な人を守りたいだけだよ」

     その言葉を最後に走り出す。シズム君の気配はどんどん遠ざかって、闇の中に消えていく。
     手に握った赤い竜に力を込め、ただひとつのユメを取り戻す戦いを始めようと地を強く蹴った。
     

  • 13310.23/05/14(日) 22:16:20

    いわゆる解答編。怪獣だからかシズム君も心なしか夢芽さんに粘着質。
    あくまで自分の中での夢芽さん真実なので、他の解釈で話してくれて全然構いません。

  • 134二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 22:41:03

    >>133

    いややベェっスよ。情動が素敵すぎるっス。マジでありがたいありがとうございます

  • 135二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 22:44:41

    普通にこっちはこっちでアニメとして見てみたい

  • 136二次元好きの匿名さん23/05/14(日) 22:49:22

    シズムも夢芽さんの過去や価値自体はここで知ったっぽいし、これが最終回でのあの執着に繋がるのかな

  • 137二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 02:01:10

    更新助かる。最近の生きがいや

  • 138二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 05:52:39

    シズム、怪獣優勢思想の中でも人間より怪獣に近い価値観と言われているし、人間の姿をした怪獣とかそりゃ執着するよな

  • 139二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 07:40:32

    場の空気に合わないんですけど会話多めのギャグでもいいんですかね?

  • 140二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 07:42:23

    そりゃもちろん

  • 141二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 07:43:33

    この世界線だと夢芽さんが怪獣告白でいつものedに行くことになるのだろうか?それなら自殺即edやナイト登場edよりも阿鼻叫喚としそう

  • 14210.23/05/15(月) 08:10:39

    イチャラブほのぼのとか大歓迎ですむしろもっとちょうだいちょうだい

    ちなみに補足。夢芽さん真実は仮面ライダーカブトのひよりを参考にしてます。他の候補に龍騎の優衣、ウィザードのコヨミがいたけど、これだと夢芽パパがバロックパールをばら撒いて真の夢芽の復活を目論む黒幕の物理学者になってしまうのであえなく却下となりました。

  • 143二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 10:38:09

    保守

  • 144二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 10:51:59

    >>142

    ははんさてはお主特撮大好きだな?良い趣味だわ

  • 145二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 18:41:04

    よもゆめから発せられる恋愛関連の情動のほとんどを南さんに吸われるせいでガギュラが全然成長しなくてなんやかんや告白→文化祭以降も現代に居座ってるシズムくんと2人の話です

    「………ねえ、シズムくんあの二人見て」
    「…ん?…あぁ、告白しそうだね」
    「…あっ!した!手差し出してる!」
    「あっ」
    「うおおぉぉっ!!ッッハwwww手取ったよ!!成立!成立した!!」
    「これは吸わないとだね」
    「だね、見た以上それくらいの礼儀はないとだね………じゃあ、行ってくる?」
    渡り廊下に並ぶ2つの人影をオレンジに染まった空が覆っている。もうその影達が背を高くしている時間だ。2人が眺める先は恐らく、遠い窓越しの空き教室…物置などに使われている校内でも人の来にくい場所だ。
    「……蓬くんが仲間に加わりたそうにこちらを見ているよ」
    「……いや別にそんなんじゃないけど…それでなにしてんの?2人とも」
    「あー蓬トイレ長いよ」
    「なんでわざわざ言うの???」
    「私たちあそこの2人の告白→返事→成立見届けてたの。蓬も来る?」
    「2人って…どこ見てんのかは分かるけど人影なんて分かんないよ、それに来る?って、何?」
    「さっきから疑問形多い!とりあえずいるの!さっきまで友達だった恋人たちがいるの!!はやく行かないと情動無くなっちゃうよ!」
    「購買のパンじゃないんだから」
    「とにかく!告白直後の情動は凄いの!ですよね博士!!」
    「うん、南さんの言う通りだよ」
    「シズムくん情動博士なの?」
    「告白、広く言えば恋によって発せられる情動は様々…例えば緊張、恥じらい、期待、ときめきジュエル、喜怒哀楽えとせとら、数えきれないほどの想いが莫大なエネルギーとなるんだ。それは一つ一つが濃厚で貴重な……」
    「一旦待って一旦待って!!早口で言われるとなんか怖い!!!とりあえず簡潔に……」
    「(なんか変なの混ざってたな……)」
    「蓬くんもせっかちだな、とりあえず恋ってすごいってことだよ。蓬くんとの恋で南さんもかなり変わったでしょう?………その、それがたとえどんな方向へだとしても………」
    「待って今わたし貶された?」
    「確かにシズムくんの言う通りかもしれない」
    「蓬も納得しちゃうんだ…」

  • 146二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 18:42:58

    「あと……こうしてる間にも恐らくあの二人はすぐに撤退しちゃうと思うけど」
    「もう2人きりでいさせてあげなよ〜」
    「こんな美味しいチャンス逃せるわけないでしょ!今から走れば間に合うよ!」
    「……俺校門で待ってるからね?」
    「間に合わなかったら蓬が情動出すんだよ!!」
    「なんで俺が!?」
    「ドンキ行ってコスプレ衣装とか買ってくればそこそこの辱め情動は得られるはずだよ」
    「辱め情動!?」
    「いいねシズムくんどっちもやろう!」
    「とりあえずはやく行かないと本当に取り逃しちゃうよ」
    「ほら、蓬もついてきて!」
    渡り廊下の上、咄嗟に差し伸べられた手を握る。怪獣使いが人間でないのなら、その渡り廊下には人影なんてものはひとつも無かったのかもしれない。それでも、誰だって食力はあるはずだ。パタパタバタバタという足音がそれぞれ好き勝手にメロディを奏でる。例え2人の足音がビルを蹴散らす轟音に変わる日が来ても、きっと俺は守れるものを守ると思うよ。
    まだオレンジ色の空は人影を覆っている。

  • 147二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 19:42:39

    シズム君まで浮かれポンチに覚醒してる……これ蓬君ツッコミ間に合う?

  • 148二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 21:19:33

    蓬の方が嫉妬深くなりそうなユニバースだねぇ

  • 149二次元好きの匿名さん23/05/15(月) 21:31:30

    ゆめシズで情動回収行脚して、そんなゆめシズを見て蓬が嫉妬し夢芽に情動をぶつけて自分もウキウキ……すげえ夢芽さんが一番得してやがる

  • 150二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 01:09:05

    前スレにあった「怪獣化して操られそうになった夢芽を必死に引き戻す蓬」が王道に滅茶苦茶熱くて好き

  • 151二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 07:53:19

    このスレで出た概念が異種恋愛ものとして王道すぎるんだよな
    ・人から生まれ、人として死ぬはずだった人外
    ・非人間的能力と食性
    ・それに関する奇行や葛藤
    ・人間でありたいという願い
    ・ありふれて、それでいて特別な恋慕

  • 15210-2.23/05/16(火) 08:13:48

     
    「夢芽が他の子とちょっと違うってこと、昔から知ってたよ」
     
     固い屋上の地面の下で、私は香乃を隣に寝そべってる。
     二度と会えなくなかった姉と色々な話をした。過去の話。未来の話。そして、私の話。
     
    「周りの空気をすぐに感じてみんなと上手く合わせられるし、私のこと何でも分かってくれてるみたいで、最初は嬉しかった。
     でも言いたくないことや隠したいことが増えてくるうちに、自分の嫌なとこを夢芽に知られるのが嫌になって、だんだん遠ざけるようになっちゃったんだ」

     切なくて胸にしんとするほろ苦い味。けれど吐露する香乃の感情は私に起因するからか、すとんと腑に落ちてくれる。

    「言ってくれれば、よかったのに」
    「夢芽なんにも悪いことしてないじゃん。そしたらますます自分が嫌いになっちゃうよ」
    「そっか……」

     まだ怪獣の自覚がなかった頃。普通の家族でいられた頃。
     あの時気づいていれば、何か変わったのかな? 私の方から歩み寄って、打ち明ければ……。
     過去の仮定なんかしても仕方ない。時間は戻ってくれないのだから。……私の場合、頑張ればなんとかなる、らしいが。

    「私、どうすればいいかな」
    「ん?」
    「このまま元の世界に帰っていいのかな。香乃が死ぬのをこのまま見送るだけで……」
    「夢芽が決めなよ。あんたの人生でしょ」
    「人生……か……」
    「迷ってるってことは、やりたくない理由があるんでしょ」

     香乃に生きていて欲しかった。まだまだ一緒に色んな思い出を作りたかった。そんな未来にできるならしたいに決まってる。そしてどうにも私にはそんな力があるらしい。
     でもそれをしたら、この私は消えてしまうのだという。人の姿をした怪獣でなく、本当の怪獣に変わる。世界を自由という名の下にめちゃくちゃにしてしまう。家族のこと、香乃のこと、鳴衣のこと、ガウマ隊のこと、蓬君のこと……私の中にある思い出も消費して──────。

  • 15310-2.23/05/16(火) 08:20:01

    「……そっか」
     
     シャリンと、知恵の輪が外れる音がした。
     ずっと胸に渦巻き絡まった疑問の、答え。
     
     
    「私は、ずっと香乃の妹でいたかったんだ……」

     
     
     大好きな人の妹でいたい。大事な人を、ずっと思い続けたい。香乃が好きだから、その思いを捨てられるわけなんかなかった。
     なんでこんな簡単なことに、もっと早く気づかなかったんだろう。当たり前すぎて自分の馬鹿さ加減に涙が出る。
     あまりに長い寄り道をかけてしまったけど、時間がかかってよかったって思う。痛みと苦しみすら今は愛おしい情動だ。

    「なにいってんの。今までもこれからも、夢芽は私の妹だよ」
    「うん……っ」
    「あんまお姉ちゃんらしいこと、してあげられなかったけどね」
    「そんなこと……ないよ……っ」
      
     自分勝手でも、わがままでも、雁字搦めになっても。私は私でいたいと強く願う。
     香乃が大好きなら、その感情の味を食べて生きるのなら。家族3人が生んでくれたこの命のままで、生きていかなくちゃいけないんだ。

    「ま……私の分がなくなって今の夢芽のままでいられるかだけ不安だったけど……平気そうだね。うあー夢芽にもいよいよ彼氏かー今になって寂しくなってきたー」
    「まだそういうんじゃないし。でもまあ、紹介ぐらいはしたかったな。名前はね、蓬君って───」

     風が静止する。世界がひび割れる。停まっていた時間が動き出すのを見て腰を持ち上げる。過去を振り返るのはここまでだ。そろそろ走り始めなくちゃ。私が行きたいところ、私の帰りを待ってくれている人のところへと。
     
    「いってきます、お姉ちゃん」
     
     さあ、私達の未来を勝ち取る戦いを始めよう。

  • 15410-2.23/05/16(火) 08:21:43

    昨日は気圧差で頭ベコベコになったのでお休みでした。こっから再開しますねー

  • 155二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 12:57:53

    ガルニクス戦後にゴルドバーンとガギュラ以外で唯一現存してる怪獣って事でオニジャを中心に夢芽争奪戦みたいな感じになったら個人的に滅茶苦茶美味しい

  • 156二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 17:19:57

    >>155

    「もうこれ以上怪獣は現れない……なら俺達は……」

    「いいやまだだだっ!もう一匹いたろ!」

    「いたっ……て、どういう意味オニジャ」

    「あいつだよ!あのダイナゼノンの女!怪獣のくせに人間のフリして俺達の邪魔してやがる!」

    「ああ、そういやそんなこと言ってたっけ。ええっと……名前なんていったっけ」

    「南夢芽」

    「そいつだ、ツレがそんな感じで呼んでた、気がする!」

    「ガウマさん以外のダイナゼノンの操縦者と俺達、殆ど接点がありませんからね」

    「(私は暦君とお酒呑んだけど……)」

    「とにかくあいつを怪獣にして暴れさせてやる!人間は殺せるし、ダイナゼノンも使えなくなって一石二鳥じゃねえか!」

    「オニジャ…‥あなたそんな頭の切れる作戦練れたんですね」

    「どういう意味だこらあ!」

    「でもそう簡単にはいかないよ。彼女の周りにはガウマやあの巨人もいる。僕らが狙うことも想定してると思う」

    「あまり気は進みませんが……怪獣が残ってる以上、やるしかありませんか。ガウマさんは僕が引きつけましょう」

    「じゃあ巨人の方は僕が抑えるよ」

    「なんだよ今回妙にやる気だなあシズム!よっしゃ後は俺があの怪獣女を掴んで従わせてやればいいだけだな!」

    「うわ、絵面ヤバ」

    「婦女子に襲いかかる図が容易にイメージできてしまうのも拍車をかけてますね」

    「もしオニジャのこと聞かれても僕らは無関係を通すから」

    「お前らどっちの味方だよ!?」

  • 157二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 20:00:27

    >>122

    >>126

    怪獣側に引っ張られると肉体も変質していく、というのはどうだろう

    幼少期は満たされて怪獣の力も最低限だったから肉体も人間に近いもの

    家族同士の距離が開いて怪獣の力が目覚め、怪獣優生思想と接触して掴まれかけたりもして怪獣側に引っ張られ内部配線構造の怪獣に近い存在に

    このままいけば本当に怪獣になってたかもしれないがガウマ隊のみんなとの交流や香乃との確執の解消、蓬の存在で人間として生きることを選びそれに伴って肉体も人間に近いものに戻った

  • 158二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 20:20:58

    「蓬くん、見ないで…」

    身体の一部が異形化して曇る夢芽さん見てぇ

  • 159二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 20:22:43

    >>158

    色鮮やかな星空みたいに輝いてて綺麗だよ

  • 160二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 20:35:17

    パンドラの塔のヒロインのアレをマイルドにした感じだろうか…非常に良い

  • 161二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 20:42:02

    >>160

    確かに。ある意味近いかも

  • 162二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 21:26:34

    部分的異形化したヒロインはロマン
    曇らせることも晴らすことギャグもいろんなシチュが作れる
    ギャグだと目からなんとかビームを放てるようになってそれで一悶着あったりして

  • 163二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 21:30:18

    >>162

    ギャグ時空で些細な変化だったら蓬に「今日の私はいつもとどこが違うでしょう」とかめんどくさく聞いてそう

  • 164二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 21:55:16

    怪獣には共通して振動波器官という塔みたいな器官があるらしいが部分怪獣化夢芽だとそれが額から角みたいに生えてたりして

    >>51みたいに性感帯になってるのも良い

  • 165二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 23:28:19

    この設定だと今よりもバッドエンド二次創作が盛んになってそうだ
    操られて蓬を自分の手で殺したことで完全に壊れて身も心も怪獣と化した夢芽とか絶対ある

  • 166二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 23:32:16

    >>165

    うわそれ絶対ありそう

  • 167二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 23:47:25

    話の流れぶった切ってたら申し訳ないんだけど、さっきまで前スレとかにも出てた概念を集めて『依々恋々怪獣アンビバレンス』として夢芽さんが暴走した時の話をちょい書いてみたのやが、投下しても大丈夫かな?
    ちょい文才無いせいで長くなってるし、ぶっちゃけあんまこれといったことは書けてないけど……

  • 168二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 23:50:16

    ここはいろんなユニバースを集めてわちゃわちゃやるスレだからいろんな概念を投下してモーマンタイ

    ただ文量が多くてスレを埋めちゃうかも、みたいな心配がある時は>>42>>64みたいにテラグラフ使うと圧迫が少なくなって安心だ

  • 169二次元好きの匿名さん23/05/16(火) 23:58:07

    >>168

    テラグラフを完全に失念していた。正直書きたい部分だけ書いたからスレ圧迫したら申し訳が立たねぇと思ってたんだ。

    今主流となってる話ではもう暴走ルートには向かわないっぽいので、パラレルワールドという認識で。時系列は特に決めてないけど、蓬さんたちは南さんの正体を知らない頃って感じ

    依々恋々怪獣アンビバレンス一瞬だった。

    今日まで俺たちが守ってきた街が、一瞬にして崩壊していた。

    三十分ほど前に出現した、たった一体の怪獣によって。


    「……マジすか、これ」


    隣にいる少女、ちせが呟く。目の前の出来事に、もはや笑うしかないというような表情だった。

    ……夢に決まってる、と笑いそうになるのは蓬も同じだった。


    ……だって、予測できるだろうか?


    今日までガウマ隊の仲間として共に戦い、共に姉の真相を追い、共に不自由な日常を過ごし、そしてついさっきまでも共に歩いていた少女───南夢芽が、突然『怪獣』になってしまうだなんて。


    「一体……なにがどうなってやがんだ!?なんでこんな……!」


    ガウマが崩壊した街を見渡して叫ぶ。

    ……いや、『崩壊した』という言い方は語弊があるかもしれない。

    街は、家は、ビルは。それらは全く破壊されておらず、むしろ数分前と同じ形を保っていた。

    ただ一つ、その周りにいた人々を除いて。


    「……まるでミイラですよ、これ」


    近くの道路にいた通行人をドアでもノックするように小突きながら暦が言う。仮にも知らないニートに突然肩を小突かれたというのに、その通行人は何の反応も示していなかった。

    ……いや、通行人だ…
    telegra.ph
  • 170二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 00:24:14

    >>169

    すごくいい

    自分でも制御できてないってのが生態が切り替わってしまった感あって好き

  • 171二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 07:19:04

    怪獣形態から夢芽を引き摺り出すのとかいいよね
    前作のアンチ君がやったみたいな

  • 17211-1.23/05/17(水) 09:20:55

    >>169 うおおお負けるかあ!


     

    「───め。夢芽」


     暖かな日差し。柔らかい呼び声。

     それと瞼を落とした時にはまだ指にあった愛しい感触がないので目を覚ます。

     布団をどかしてのそりと起き上がれば、ドアから漏れる油の匂いと、それでは刺激されないお腹を揺らしてくれる彼の姿。

     

    「あ〜〜〜……」

    「お、起きた。朝ごはんできたよ」 

    「よもぎのえぷろんすがたかわいい……」

    「だめだこりゃまだ寝てる」


     逆再生してぽふんと枕へと落ちるところだった頭をキャッチされる。手の平で触れられただけで熱が入る自分の現金な体質が、ちょっと恨めしい。

     

    「はいはいそろそろ目覚まそうね」

    「ま〜だ〜ね〜る〜」

    「そうはいってもさ、俺けっこう腹空いてんすよ」

    「べつにわたしごはんとかいらないし……」

    「同じもの食べれなくても、ごはん食べる時は一緒にしたいって言ったの夢芽でしょ?ほらしゃっきりして」


     頬をむにむにしたり、頭を撫でたり。

     経験則でこれだけ構えば熱量が貯まるんだって分かってるんだろうけど……実際溜まってるけど……なんか癪だ。ルーティンじみてるっていうか。単調になってきてるっていうか。


    「足りないし」


     こちとら産地直送の新鮮な情動でなきゃ口が合わないのだ。すっかり舌が肥えちゃったのだ。

     毎日毎夜、美味しく頂いた責任は取ってもらいたい。

     

  • 17311-1.23/05/17(水) 09:22:10

     
    「もっと目がパチッてするの、ちょうだい」
    「起きぬけからわがままだなぁ……」

     やれやれ仕方ない、なんて面倒くさがってる風だけど、内心嬉しさいっぱいなのバレバレだからね。そんなとこも可愛い。
     顔を押さえていた指が耳へと伸びて耳たぶをつまむ。痺れるような甘さが脳に浸透する。
     しばらく堪能した後は首筋をつたって顎下へ。喉をさすられるくすぐったさと、弱所を人に委ねている安心感で身がほぐれる。
     存分に愛撫された頭は近づいてくる彼の微笑を拒む理由を一片も見出だせず、一秒後に襲来する多幸感を噛み締めて────










     跳び跳ねた勢いで、枕の横に置かれたダンクルオステウスが吹っ飛んだ。

    「……!」

     なにあれ。
     あれなに。
     ありえないぐらい恥ずかしいものを見ていた気がする。いや気のせいでは済まされない。はっきりと、憶えている。残らず焼きついてる。なんでこんな夢に限って忘れたりしないのか。

  • 17411-1.23/05/17(水) 09:24:34

    「浮かれすぎでしょ……」

     両手で掴んだアノマロカリスが指圧で縮小される。
     いくら夢でも、あそこまで茹だった光景を出すなんて何考えてんのかこの頭は。この前の怪獣の影響がまだ尾を引いてるんだろうか。
     だいたい、朝起きたら腹の虫が訴える時間帯なのに、今はあまり空いてない。まさか今見たのである程度補給できた?まさかの自給自足?今までの苦労はなんだったのか。

    「ぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

     オウムガイの顔面が陥没した。
     もうこのまま休んでしまいたい。睡眠と起床時の記憶を忘れてまっとうな夢で上書きしたい。
     けどもし万が一、あの夢の続きが公開されたなら今度こそ処刑ものだ。それに学校行かないと───会えないし……。

    「もうバレバレなんだから、さっさと決めればいいのに……」

     日に日に増していく彼の気持ち。
     誤魔化せなくなっていく、『その時』の意思。
     一人を残して怪獣が出なくなった日常で、ダイナゼノンを介した私達の関係も変わろうとしてる。
     ここ数日、彼と過ごす日を楽しみながらも、頭の隅でそのことについて引っかかるのが、もどかしくてたまらない。
     あんな脳味噌恋愛漬けの夢を見たのもそのせいだ。よしつまり彼のせいだ。私がそう決めた。


     いっそ現実にしちゃえば、こんな思い煩うこともなくなるのに……───


    「〜〜〜〜〜〜〜!」

     ベッドを囲む五匹の仲間が、一斉に宙を遊泳した。

     

  • 175二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 10:35:53

    あーーもうこれは完全に恋する乙女になりましたね。
    序盤に出てた恋愛弱々概念の夢芽さんまでの直線は短いですよ

  • 176二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 14:03:46

    蓬×怪獣夢芽めっちゃ気ぶれるじゃん・・・尊さがすごい

  • 177二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 14:04:30

    >>171

    わかる エヴァ破とかガメラ3とか大好き

  • 178二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 14:24:55

    このレスは削除されています

  • 179二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 14:25:28

    こりゃ3スレ目も行くかね。まだ楽しめそうな気がする

  • 180二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 16:00:46

    需要があるかはわかりませんが、 >>169 の続き的な話を書いてみました。今度は夢芽さん視点です。

    本編(?)の方はウルトラハッピーエンドとして終わりそうなので、こっちはちょいバッド風に。

    ちなみに個人的南さんの食事のイメージは、

    カオスブリンガーを放出 → その粒子に包まれたり吸い込んだ者は『情動』の全てが魂のように大概へ排出され『ミイラ』になる → 数十人、数百人単位で排出された情動が街の上で大きなモヤとして集まる → それをわたあめのように大口を開けて食べる

    てイメージです。

    満たしてくれるものって、なに?おなかがすいた。

    おなかがすいたおなかがすいたおなかがすいた。

    おなかがすいて仕方がない。耐えられない。


    好意がいる。親愛が欲しい。恋慕が食べたい。



    感情が赴くままに、私はいつの間にか生えていた頭の角から、カオスブリンガーを出力した。

    眼下に見えた街に向けて一斉に粒子を放つ。するとさながら……川に死んだ魚が浮かび上がってくるように、街から多数のモヤのようなものが沸き上がってきた。

    仮にも私なりの『破壊活動』だというのに、悲鳴は一つも上がらない。なんとなく締まらない気もするが、うるさくないことは悪くない。

    それに今はそんなこと気にしてる余裕はない。


    浮かび上がった大量のモヤを、私は大口を開けて全て吸い込んだ。

    吸いだす人間の年齢ごとに色や味に違いがあったような気もするが、今は些末なことだ。

    数十人、数百人単位で巻き上げた情動を贅沢に一口で喰らう。


    色とりどりのモヤが多種多様な味を舌に伝えてきた。


    甘い。辛い。苦い。旨い。酸っぱい。しょっぱい。



    ……全部美味しい。



    (美味しい、美味しい、美味しい!!)



    一心不乱に私はモヤを食べ続けた。

    今まで『南夢芽』として食べていた人間の食べ物が全て…
    telegra.ph
  • 181二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 16:13:53

    >>180

    ハッピーエンドも好きだけど人外の思考好き

    こういうのからしか接種できない栄養がある

  • 182二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 20:30:53

    愛があれば。/カンザキイオリ

    このスレ見てたらこの歌思い出した

  • 183二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 21:17:08

    ガウマさんに「夢芽が怪獣優生思想の手に渡る前にお前が掴め!」って言われてぇ
    ガウマさんの細腕に支えられながらインドミしてぇ
    インドミして精神世界的なとこで告白の返事催促してぇ
    怪獣夢芽をダイナレックスの装甲で覆って超合体強竜ダイナレックス・オーバーロード!とかやりてぇ

  • 184二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 21:33:35

    >>180

    人間(の姿)に戻れた後も時々この時のことがフラッシュバックしてガタガタ震えて、精神安定剤を服用するように蓬の情動を求めて欲しい

  • 185二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 22:58:15

    ザイオーンみたいに色気もクソもないぐるぐる巻きになってる夢芽が見たい
    まあたとえ暴走して街壊したとしてもそんなことするとは思えないが

  • 186二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 23:00:54

    >>185

    何かの理由で暴走しちゃったから自分で望んでぐるぐる巻きにされてるとかならありそうじゃない?

    夢芽の方から頼み込めば悪いと思いながらもやってくれる蓬

  • 187二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 23:01:49

    このレスは削除されています

  • 188二次元好きの匿名さん23/05/17(水) 23:23:15
  • 189二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 00:23:30

    145.146です。謎設定、深夜テンションで書いて言わせたいセリフを詰め込ませたものです
    「夢芽、今日帰りコンビニ寄ってかない?」
    「いいね、じゃあお泊まり行っていい?……あーそれとアイス食べたいアイス!奏の期間限定のやつが出てて〜」
    「……スーー…スーーー…スーーーー…スーーーーーーーー………ッッ…」バタッ
    「なんか天井から落ちてきた!!……え、シズムくん?……シズムくん!えっちょっ蓬どうしよシズムくんが恋愛情動摂取幸せ病で倒れちゃった!」
    「ぁ、あっ、これが南さんのいる浮かれポンチの世界なんだね…」
    「俺どこからツッコめばいい?」
    「私は普段から恋愛ハピハピ情動を過剰摂取してたから慣れてたけど、シズムくんには負担が大きかったみたい…」
    「南さんの恋愛クソボケユニバースが俺のブラックパールの中で広がってる…」
    「どうしよ、最初からなにまで情報の整理が追いつかない」
    「私と蓬から発せられる膨大なよもゆめ恋愛情動…いつもは私が独り占めして吸ってたんだけど今はすごくアイス食べたいなって思ってたから……気を抜いた隙にシズムくんに流れていっちゃっみたい…」
    「うう……南さんの恋愛脳から発せられる情報が俺の脳に流れ込んで……ウッッ、最低だ南さん…」
    「最低!?何考えたの!?」
    「え?蓬に看病されながらプレイしたi…」
    「じょ、情報がより鮮明に流れてきた……!!」
    「俺がしょうもないこと聞いたばかりにごめんねシズムくん」
    「私の不始末、私が責任取るよ…いまから私の世界…浮かれポンチクソボケワールドに繋がってくる」
    「なんて?」
    「インスタンス・ドミネーションみたいなものだよ、シズムくんの中にある私の情動に直接繋がって膨大な数情動とよ接続を切るの」
    「よく分かんないけど…そんなの出来るの?」
    「え、できないよ?だから蓬が手伝うの」
    「あーはいはい…夢芽の不始末は俺の不始末みたいなもんだしね…」
    「グッッッ」
    「ごめんシズムくんまた容態が!!」
    「あぁこれ多分蓬の発言に1人のよもゆめ優生思想として悶えてるだけだよ」
    「だからなんて??」
    「グッ…俺は怪獣優生思想です……」
    「蓬のシズムくんへのインドミと合わせて私が大宇宙根源呼吸法をかませばきっと2人で私の情動へ入っていけるはずだよ」
    「インスタンス・ドミネーションです…略さないでください……」
    「うっせww」

  • 190二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 00:26:19

    「でもシズムくんの敬語なんて留学初日と授業以外でほとんど聞いたことないよ…。…もしかしてそれほどに状態が悪いんじゃ…!?」
    「じゃあ尚更はやくやらないとだね、私の情動は今割れた風船の空気みたいにシズムくんに流れていってるの…だから責任持って止めないと…」
    「(夢芽の情動…思考や考えが流れ込んでるってことか…少し羨ましいかもな…)」
    「グゥッッ………もう…もう無理です……それ以上はやめて…もういっそ……殺してください………」
    「(前言撤回…)」
    「シズムくんにはアダルトへの耐性がないみたいだね」
    「夢芽はさっきから本当に何考えてるの?」
    「恥ずかしいくらいがちょうどいいんだよ!さあ蓬、やって!!」
    「あ、はい。でも本当に成功するのかな…大宇宙根源呼吸法なんかで……じゃあ、とりあえずインドミ…!」ピカッッ
    「…インスタンス・ドミネーションです………」


    「…成功した……これが夢芽の情動…夢芽の思考…浮かれポンチクソボケワールド…なるほど酷いな………。……夢芽は………」
    「やっほ蓬、元気してる〜?」
    「へー大宇宙根源呼吸法すげ〜」
    フヨフヨフヨフヨ…
    「なんか宇宙空間?みたいだね、それか夢を見てるような……」
    「夢芽だけに?……ごめん。…あ、あったよ、私の情動の『穴』」
    「結構小さいけど……あっ、でも段々広がっていってる!!どうやって防げば……」
    「ポッケにセロハンテープあったからこれ使うわ」
    「嘘でしょ?」
    「蓬も手伝って!!一緒に塞ぐよ!!」
    「あ、はい………」


    「2人のおかげでなんとか無事元に戻れたよ…本当にありがとう」
    「はは、元はと言えば私が原因作ったんだけどね」
    「(やっぱりセロハンテープってすげ〜…………)」

  • 191二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 00:49:47

    一応建て主だけど、この調子だとやっぱり3スレ目も建てた方が良い感じかねこれは

  • 192二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 02:32:59

    >>158

    書いてみた、時系列とかは各々好きなように補完してほしい

    受け取れーッ!


    私って、なに?「はっ、はっ、はぁっ、はぁっ、はっ!」

    水門の上。人から隠れられる場所に行きたくて、真っ先に思い浮かんだのがここだった。

    ブレザーの中に隠す様に、左胸のところに突っ込んでいた右腕を、おそるおそる露わにする。自分の右手があるべき場所は、別の何かに変わっていた。


    「は……ぁ、あ、あ………!」


    見慣れた自分の腕じゃない。見飽きた自分の肌じゃない。

    硬質で、無機質で、なのに生物的で、でも絶対に人間的じゃない。ヒトのそれとはかけ離れた、怪獣の腕。刺々しくて、禍々しくて、悍ましくて、何より恐ろしくて仕方なかった。


    「違う、ちがう、私は、私は、わた、しは……!」


    わかっていた事だった。いや、わかったつもりになっていただけだった。私は怪獣。ヒトの中にあって、ヒトではないもの。認めたくないのに、自分の体が嫌でも現実を叩きつけてくる。


    「ゃ、ぁ、ぃやぁ……」


    私はバケモノなんだと。街を壊す、あの怪獣達と、同じ存在なんだと。異形と化した私の腕が、これ以上無いくらい雄弁にそれを物語っていた。


    「戻れ、戻れ、戻れ……!」


    何度も何度も呟きながら、腕に力を込めたり、逆に思い切り脱力したりして、なんとか元に戻そうとする。…
    telegra.ph
  • 193二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 06:15:12

    >>192

    あ〜

    自分が人外だと思い知る絶望とそれを掬い上げてくれる愛でしか得られない栄養素〜

  • 194二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 06:18:06

    起きて覗いてみたらこんなに神SSが・・・ありがとうございます!

  • 195二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:36:41

    https://bbs.animanch.com/board/1933335/?res=2

    朝は時間がねぇ……!

    とりあえず色々と間に合いそうにないので次スレ建てるだけ建てときました。テンプレと化してきた概念その他諸々は皆様にお願いします。

  • 196二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:55:22

    >>192 おいおいなんだこの情動は?朝ごはんに丁度いいな。ありだとう

  • 197二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:55:22

    大宇宙根源調和呼吸法でした………すみません………腹を切ります…

  • 198二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:13:55

    よもゆめの純粋なイチャイチャも見たいけど、怪獣としての自分の在り方に曇っている夢芽も見たい
    心が二つある…!
    でも曇った後に蓬が救えば何の問題もないのでは?

  • 199二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:24:07

    ある意味救いが確定している曇らせほど楽しいものはないから仕方ねぇんだ

  • 200二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:36:00

    3スレ目へバトルゴー!

オススメ

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