- 1二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:55:30
- 2二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:55:54
「純喫茶ルブラン……ですか?」
とある雑誌に載っていた店の名前を
トレーニングの休憩中のカフェに聞いてみた。
「あぁ、カフェなら知ってるんじゃないかと思ってな」
「いつか行ってみたいと思っていたんです……
落ち着いた雰囲気に、珈琲のこだわりがなんとなく
気に入っていて……」
この後のトレーニングを少し切り上げて行ってみないか?
と提案するとカフェの目が少し輝いた。
「いいんですか……?」
「あぁ、最近は少し根を詰め過ぎかな?と思ってな」
「ありがとう……ございます。トレーナーさん」
もとはと言えば、息抜きのために見つけたとこなのだが
カフェも気になっていたのは驚きだった。
その後のトレーニングを早々と済ませ、二人で向かうことにした。 - 3二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:56:32
その店は四軒茶屋にあり、トレセンからは少し離れている。
住宅街の奥まった場所に構えているらしく
少々迷いながらもなんとか辿り着くことが出来た。
「ここが、純喫茶ルブラン……
早速入ってみましょう……」
そう言ってドアを開けるカフェ、気になっていただけあって
行動が少し積極的になっているような気がする。
店内は空いており、自分たち以外の客はいなかった。
「……いらっしゃい。どこでもどうぞ…」
カウンターの向こうから男性が声をかけてきた。
おそらくここの店主、マスターだろう。
とりあえずカウンター席に二人で座ることにした。
「ウマ娘のお客さんとはこれまた珍しいね、ご注文は?」
「ブレンドでお願いします……トレーナーさんは?」
「俺もブレンドで、あと特製カレーを」
「あいよ、ブレンド二つにカレーね」
そう言うとマスターは慣れた手際で珈琲を淹れ始めた。
自分もよくカフェの淹れる姿を見てはいるが
マスターのそれは洗練されており、積み重ねた年月を感じさせた。 - 4二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:56:38
このクロスオーバーは超見たかったやつだ
支援 - 5二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:57:06
これを待っていた。
- 6二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:57:18
店内はテレビが流れており、決して静かとは言えないが
それでも雰囲気は落ち着いている。
「あいよ、ブレンドお待ち」
マスターのその一言と同時にすっと珈琲が置かれた。
カップからあがる湯気と香り。
「「いただきます」……」
ほとんど同時にカップを口に運んだ。
「美味しいです……」
「美味しいな…」
ふと口から漏れた感想まで同じだった。
普段からカフェの珈琲を飲んではいるけどまた違った味わい。
深く芳醇なブレンドがしっかりと香りを形作っている。
「へへっ、そう二人同時に褒められちゃ照れるね。
カレー、お待ちどうさん」 - 7二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:57:50
自分とカフェの前にカレーが置かれる。
「あの……」
「ウチのカレーは珈琲と合うように作られててね。
なぁにマズかったら残しちまってもいいからよ」
ニヤッと微笑んで「お代はとらねぇからよ」と付け加えた。
「ありがとうございます……」
「俺からもありがとうございます」
「冷めないうちにおあがりよ」
早速カレーを一口食べる。
「……っ!」「か、辛っ!」
普段辛いものとは疎遠な二人には少々刺激が強かった…
だがそれとは別に手は止まらなかった。
辛みの中にあるうまみ、複雑なコクがたまらない。
どうやら隣のカフェも同じようで、カレー
そして珈琲に夢中になっている。
相乗効果というやつだろうか、互いが互いを
引き立てあい絶妙なバランスを生んでいる。
気付いたらカレーと珈琲はなくなっていた。 - 8二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:58:15
「いい食いっぷりだったな、ほれ。サービスよ」
空いたカップに珈琲が注がれる。
こうも至れり尽くせりで申し訳なくある。
「……ブルボン、それもブラジル産の……」
カフェが呟く。おそらくはこの珈琲の豆だろう。
自分には先程のブレンドとは違うものということしか
分からなかった…
「良い舌してるじゃないの、ウマ娘の嬢ちゃん」
どこか嬉しそうな口調のマスター。
「いいんでしょうか……
こんな高価な珈琲までいただいてしまって……」
「ウチの娘がよくレースを見ててね。
アンタ、マンハッタンカフェだろ?新聞にも載ってたよ
珈琲のお代代わりにサイン書いてやってくれないか?」
そう言ってマスターは色紙を取り出す。
「トレーナーさん……」
チラッとカフェが確認を取るような視線を向ける。
特に問題は無いのでカフェに判断を委ねることにした。 - 9二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 21:58:45
その後はお代を払って退店した。
結局ブレンド二杯、カレー一杯分のお代分しか
要求されずまた申し訳ない気持ちがあった。
「とても美味しかったですね……
カレーと珈琲……」
「あぁ、また行ってみたいな」
「その時は……また誘ってくれますか?」
「もちろん。一緒に行こう」
「カレーも忘れずに……ですね」 - 10スレ主21/11/28(日) 22:18:11
というわけでP5×ウマ娘(カフェ)SSでした…
スレ主はペルソナは全般やってるんですが
ガチャに恵まれずカフェ未所持です…
カフェ、トレーナーの口調が変だったら申し訳ない。
またP5×ウマ娘SSを書こうと思ってるので
よろしければその時また見てやってください。
(武見さんとタキオンとか、双葉とデジタルとか面白そうですね) - 11二次元好きの匿名さん21/11/28(日) 22:33:27
おつ、とても良かったです……
ブラジル産のブルボンは本編でも出てきたコーヒー豆ですね
そうじろうの「説明しよう!」が聞こえた(幻聴) - 12二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 07:43:24
よいssを見つけた、次作にも期待