- 1二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 12:23:20
体を起こしていつものように態度のデカい座り方をするこの男を見て、最初に出てきたのはそんな言葉だった。
「せっかく拾った命なんだ、そう簡単には死 ねないさ。そういう君こそ元気がないようだけど」
「そうですか?」
「そうさ。いつもなら『あのまま死 ねばよかったのに』とでも言ってただろう?」
「そうですね。あのままガンダムに、ガンダムに・・・・・・」
殺されていればよかった。そう言いかけて、さっきあの男をコックピットから引きずりだした時の光景が脳裏に浮かんだ。乱れた呼吸、赤く光る肌、怯えきった目。
「・・・・・・なぜ私を助けたんですか? パーメットスコアを上げてまで。ああなるには目に見えていたことなのに」
「うーん、君が死ぬのを見たくなかったからかな。人が死ぬのを見るのは嫌いなんだ。特にガンダムに乗ってる奴が死ぬとさ、不愉快なんだよ。明日の自分を見ているようで」
「その為に今日死にかけてるんだから世話ないですね。どうせ遠からず死ぬんですから私なんて放っておけばよかったのに」
「なあ、キミはもしかして死にたいのか?」
不意に頭を殴られたような感覚がした。
「ソフィ・プロネや他にもたくさん仲間が死んでるのに自分だけ生きながらえてもしょうがないってところかな?」
「・・・・・・」
「図星かい?」
「・・・・・・特別死にたいわけじゃありませんよ。でも生きようと足掻いたところで生きられる身の上でもないでしょう、私達は」
「それをボクの前で言うかなぁ。人の努力を否定するのはよくないよ」
私は死にたがっているのだろうか? 確かに目の前の男のようになりふり構わず生き残ろうとはしてはいないのは確かだけど。
「まあキミの人生なんだ。全部終わったら生きるも死ぬも好きにするといいよ。でももうしばらくは生きてて欲しいかな、さもないとソーンのコックピットにニカ・ナナウラを押し込まなくちゃいけなくなる。せっかく助けてあげたんだからさ」
「頼んでもないのに随分と恩着せがましいですね」
「そこをなんとか頼むよーこっちも命削ったんだからさぁ」
「わかりましたよ」
恩も仇も受けたら返せとナジは言っていた。 - 2二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 12:24:40
「ただ、ひとつ教えてください」
ひとつ気になることがある。
「なに?」
意味のない夢想ではあるけど
「もし生き延びて、命の危険がなくなったら」
生き延びることが出来たとして、あの学園の生徒達のように何にも怯える事がなくなる日が来たら
「あなたはどうしたいんですか?」
「・・・・・・どうしたいか、か」
私の質問に珍しく虚を突かれた顔をする。
「長生きしたい・・・・・・とか」
「その長い命を何に使うんですか?」
「・・・・・・なんなんだろうね」
そして俯く。データストームで死にかけていた時とはまた違う、この男の素顔が見えた気がする。
「・・・・・・その時キミはどうしているのかな」
「え?」
はっと意識を目の前の男に戻すと、そこにはいつも通りの貼り付けた薄ら笑いがあった。
「もしかして今の、キュンと来ちゃった?」
「・・・・・・あなたそんなだからスレッタ・マーキュリーにフラれるんですよ。これなら放っておくんでした、そんなことを抜かす元気があるなら自力で帰って来られましたよね」
本当にこの男はムカつく。それ以上に自分は生き延びたらどうしようかなんて考えかけた自分がムカつく。 - 3二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 12:27:43
以上、死にたいわけではないけど生きる気がないノレアと、生き残りたいけど生き残って何をするかは考える余裕がない5号が2人で未来のことについて考えていて欲しいなあって感じの妄想でした。
あとは皆さん自由に5ノレを語ってください - 4二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 13:49:39
この二人なんだかんだ最後まで生きてケンカしてそうではある
- 5二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 13:54:03
分かり合ってしっとりしたら死にそうだから最後までケンカしててくれ…
- 6二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 13:56:15
ノレアがぼろぼろの時になぜか助ける5号を幻視した
理由は「死にたくない目をしていた」とかで - 7二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 14:00:16
- 8二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 14:02:05
ケンカップルに見せかけて本当に成立したら二人きりの時は素直に甘えあってほしい
愛情に飢えてそうだし - 9二次元好きの匿名さん23/05/11(木) 14:04:19
本編後に
「なんでついてくるんですか邪魔です」
「いいじゃないか、行くところないんだよ僕もね」
「“も”ってなんですか一緒にしないで下さい」
「つれないなあ」
みたいに延々と殺伐じゃれ合いしててほしい