【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑦【閲覧注意】

[1 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:39:17]

身長170cm　道力2441(8ヶ月後には171cm　3870になるし寿命が来る)で味覚障害持ちクローン体(自我沈んでるっぽい)に入り込んだ生徒会長異世界奇譚です

[2 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:39:43]

前回までのあらすじ

1スレ目
chapter.0　落下
・麦わら一行に倒され意識を失ったと思ったらW7編一年前地点に落下したヒョウ太
・前後の状況の突飛さ、体から消えた傷から夢だと思い込む

chapter.1　生徒会長は水の都の夢を見るか？
・W7散策、色々あって迷子
・懸賞金9833万の船長と7338万の副船長がいる海賊団(計15人)に占拠された店に人質として連れていかれる
・船長を不意打ちで倒しぼっちの店員は逃がしたものの手枷をされた上に足を重点的に狙われボロボロ、だが逆転して副船長含め半数を倒す
・助けとしてパウリー、タイルストン、ルッチが来る　海賊殲滅完了
・自分と同じ顔をしたやつの腹話術を初めとした色々に宇宙レオパルドと化したヒョウ太

[3 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:40:03]

2スレ目
chapter.2　最初の接触
・怪我の具合:足の神経逝った(治る)
・パウリー以外にルッチに似ていることが気付かれる
・タイルストンに担がれ病院へ　嘘泣きと捏造過去で同情を誘う
・完治まで37日、入院期間1週間

chapter.3　病院の窓
・1日目　店員さん相手に胸キュンムーヴする
・2日目　船大工モードルッチと腹芸、モデルオセロットと嘘を吐く
・ここでルート固定
・3日目　パウリーとお話　歴史書をお願いする
・4日目　雨　痛みを我慢してるのがバレるが頑な、弱音を吐かない
・5日目　タイルストンと懸賞金について会話　ガレーラ就職内定
・6日目　ルッチに人間かどうか疑われる

[4 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:40:20]

3スレ目
chapter.3　病院の窓
・7日目　家の話　社宅住まい決定
・退院してすぐ水路に落ちるクソボケ生徒会長
・眉毛がタイルストンに露呈する　秘密共有

chapter.4　宿借りの島
・アイスバーグさんとの顔合わせ(びしょ濡れ状態)
・情報共有がきっちりし過ぎているルッチ
・CP9集会　ドジが深読みされる
・アクアラグナ　ルルと一緒に避難
・ようやく弱音を吐けました

chapter.5　過ぎにし日々、ウォーターセブンで
・怪我完治、ブルーノの酒場で宴会
・ルッチとお話し合い　強さの元を話すが半信半疑
・ヒョウ太が自分の体の違和に気付く

[5 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:40:37]

4スレ目
chapter.5　過ぎにし日々、ウォーターセブンで
・体の違和感は味覚　辛さ(痛み)しか感じない
・ルッチとお話し合い(真)

chapter.6　豹は無慈悲な夜の兵器
・ルッチ相手に素を晒す
・逃げ切り成功
・クローン製造者の詳細がわかる(ルッチに執着した一般通過天才科学者)(ルッチの手で死亡済)
・不干渉の約束を結ぶ

chapter.7　出来損ないの順列都市
・クローン49号来襲からの始末
・生きてるヒョウ太に驚いて抱えて早退するルッチ
・自分がクローンだとようやく気付いたヒョウ太、発狂

[6 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:40:56]

5スレ目
chapter.7　出来損ないの順列都市
・気絶中にカクを呼び出すルッチ
・限界生徒会長、カクセラピーを受け回復
・話し合い中新規クローン来襲
・科学者及びクローンの目的発覚

chapter.8　あなたのための物語
・死の間際、科学者の内心
・アイスバーグさんは心配している
・サン・ファルドに上陸
・ルッチに味覚ないのがバレた

[7 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:41:18]

6スレ目
chapter.8　あなたのための物語
・研究所探索
・科学者の自室(散らかってる)を捜査、隠し撮り写真とかルッチが六王銃ぶっぱなすレベルのヤベー日記とか見つける
・培養室、舌っ足らずの盲目クローン023とお話　書斎の場所とか色々聞く
・地下の書斎GO　ヤベー薬とヤベー薬のオンパレード
・設計図入手　ヒョウ太の手では調整不可
・余命、W7編辺りに決定←ｲﾏｺｺ!

[8 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 00:41:36]

1スレ

【SS・🎲⚓️】服部ヒョウ太は水の都に居る｜あにまん掲示板

前スレ

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑥【閲覧注意】｜あにまん掲示板

参照概念スレ

服部ヒョウ太を原作ガレーラに投げ込みたい｜あにまん掲示板

[9 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 00:48:00]

たて乙！

[10 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 00:49:44]

たて乙！まじで楽しみだ、スレ主ありがとう！
前スレでヒョウ太の推定寿命が判明して辛ェ…

[11 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 01:50:23]

たて乙です
スレ主ヒョウ太ともにダイス神に負けるな
頑張れ

[12 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 09:31:18]

「……おれの寿命は、あと八ヶ月。一年も経たずに死ぬってわけだ」

数式の羅列を指で追いながら言ったおれに向けて、男は目を細めた。その瞳に湛えられた色は……意外、だろうか。

「その割には冷静だな。前のように取り乱したりはしないのか」

ヒョウ太の受け入れ度

dice1d100=77 (77)

[13 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 09:58:51]

「一年以内ってのは分かっていたこと、今更だ今更」
そう、今更な事なんだ。調整を受けずとも一番長い寿命を持っているのが050、一番長くとも一年以内にはこの体の命は尽きるのだと既に知っていた。
分かっていた。覚悟は、……出来ていないかもしれないけれど。

「この研究所のクローンが死に絶えるまで、少なくとも八ヶ月か……チッ、長いな。放置してりゃあその間常に命を付け狙われる可能性があるわけだ」
「長くは、ねェだろ……」
そして此奴は、変わらずクローンの敵だろう。目の前にその余命の相手がいるというのに言い捨てる男に苛立ちなど通り越して呆れてしまう。


「ああそうだ、ヒョウ太」

つい、と此方に顔を向けられる。
ともすればすぐに殺意が宿りそうな目が合った。


「お前はどちらの立場だ？奴らを生かすか、殺すか……クローン共も、お前も。害になるならおれは殺す」

[14 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 12:26:11]

どうなんだろうな…クローンとはいえ殺人だし冷徹でも自身の正義や価値観的には行為を許容できないだろうけど別世界の出来事に元の世界の価値観を持ち込まず境界線を付け弁えて静観するんだろうか

[15 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 12:41:06]

立場、決めなきゃアカン…………のか！？今すぐに…
返答次第では自分自身と敵対することにもなるかもしれへんし結構やばいな…

[16 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 13:11:04]

「なんだ、決めさせてくれるのか？」
命の期限が判明したからだろうか、一周まわって落ち着いたような気がする。肩を竦めて口の端を上げ、おどけるように言えば男の眉がぴくりと跳ねた。


笑ってはみたが愉快な訳でもなし、すぐに表情を戻して話し始める。
「……あの献身は異常だ。人間のようで人間ではない、人造物だからこそどこか欠けているんだろう」
限りなくヒトに近い、ヒトを象っただけの創造物。この原型から何がどうなってあれ程素直になるのかと思いはしたが、人間の都合で造られたんだからそりゃあ人間に従順だろうという考えへと至った。

「助け出して、もしクローンたちの寿命を延ばすことが出来たとしても、その目的はきっと変わることはない。そして目的が変わらないなら、どの道彼奴らを待ち受けるのはお前に殺される運命だ」
意志はあっても意思はない。オリジナルと創造主しか知らず、その二つを想って生きているだけの肉塊の幾つかを目の当たりにした。

そして、それらが自身と同一であることも、認識している。

[17 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 13:12:02]

「はァ……駄目だな。随分と同情しているらしい、このおれが。科学者の身勝手で生まれた命は酷く純粋で、哀れで。──それこそ、これ以上生き長らえさせることを躊躇うくらいには」

理論は破綻していないはずだ。

……理論は。おれの感情を置いての話。

「……なァ『オリジナル』」

「おれの行動は、『正義』に従って決めてきた。校則違反は当然のこと、殺人なんざ以ての外、だが」

これは、『正義』か、『悪徳』か。

それとも『責任』を取るための行為か？

おれが決断しなければならないことは。

1.『正義』

2.『悪徳』

3.『責任』

dice1d3=2 (2)

[18 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 13:14:19]

辛いな……

[19 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 13:15:45]

……ああ、クソ。頭が軋む。
形成してきた自我、アイデンティティなんてものがばらばらと崩れそうだ。これは『悪徳』、まかり間違っても正義ではない。
けれど。



『ロブ・ルッチ』に向き合う。

同じ色をした目と目を合わせ、堂々たれと声を張って。


「校則も、法律も、秩序すら。たとえおれの絶対の正義に反する悪徳を成してでも」



「あいつらの全て、ここで終わらせてやりたいというのは、おれのエゴか？」

[20 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 13:23:08]

『クローン050』としての《悪徳》はオリジナルを送らない事
『新セカ中生徒会長ロブ・ルッチ』としての《悪徳》はクローンといえど誰かを壊す(殺す)って事かな？

[21 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 13:24:25]

男は静かに聞き終わって、不意に口許を引き上げた。

「悪徳、エゴ、か。くく、はは、ははははは！」

破裂するような笑い声が地下室に反響する。……一体、何がおかしいというのか。



「くく、……なァヒョウ太」
「……なんだ」
意地が悪そうに口の端をぎゅうと歪め、同じ顔がおれへと語り掛ける。

「お前が『ロブ・ルッチ』なら、おれの名前はさぞ呼びにくいだろうな」

──随分と唐突な話。それは確かに事実であって、心の中であっても奴の名を呼ぶことは出来ていない。悟られているのも当然だろう。

[22 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 13:27:08]

心底楽しそうに、愉しそうに男が笑う。

「そうだな、おれのことは兄とでも呼べばいい。なァに、血の繋がりはある、クローンなんだ。似たようなものだろ？」

「突然、何の話を」


ぐい、と顔を近付けられる。

悪魔のような笑みで。
「今のお前は生徒会長とやらじゃねェ、『殺戮兵器』の弟だ。ならヒトゴロシになろうと構わんだろうよ」



悪魔のような、囁きを。
「このおれが、世界政府が、それを『正義』と認めてやる」

[23 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 14:02:58]

おい、地獄過ぎないか………！！？！？
頼む、カクか正職長達がこの場に居たらな………！！！おねがい…

[24 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 15:23:23]

台詞回し最高…本当に"良い/終わった"性格してるよなルッチ大好き 育った環境は異なれど正義に従う本質は同様だから大義名分を与えようとしている所最高に悪魔的で筆が乗りまくってるだろ
"悪徳"だと定義付けた生徒会長も良い

[25 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 15:40:31]

すげ〜〜〜〜最高、マジで最高
そうそうルッチはこういう奴や！！！！
このあとヒョウ太がどうするかが実に楽しみ

[26 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 19:22:44]

1.受け入れる

2.受け入れない

dice1d2=1 (1)

[27 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 19:26:57]

1.1人で

2.手分けして

3.

dice1d3=1 (1)

[28 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 19:32:20]

生死不明の内、生きてるのは何体？

dice1d41=30 (30)

[29 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 20:09:51]

ルッチ暇つぶしの素晴らしい弟（玩具）手に入れてこれもう気分最高潮だろ…夜中に電伝虫と酒片手に凄いご機嫌で仲間に「弟ができた」とかニッコニコなの浮かんでくる
受け入れたかそうか…学園軸でも眠っているだけで殺戮の才はあるだろうから引き出されて開花したらもう止められん まあ心配が杞憂になるだけかもしれないしな‼︎帰る時は記憶消去させないとヤバそう

[30 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 20:12:29]

お兄ちゃん出来てよかったね♡おめでとう♡
とうとうお兄ちゃんの手によって一線超えちゃったね♡
よかったね♡
よくねぇよ♡どうすんだよ♡学園時空に帰れたとしても心は依然として変わったままだよ♡見てるこっちは涙が止まらんよ♡

[31 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 20:41:49]

元の世界に帰ってはいハッピーエンドとはいかなそうで泣きそう

[32 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 20:44:54]

「お前の正義は、殺戮を容認するのか」
「殺しで世界が正されるならば、それは『正義』の行いだ。必要悪というものを知っているだろう？」

脳髄の蕩けるような、おれの正義をどろかすような。その言葉の意味は知っている、誰かがやらなければならないこと。
……それをしなければならないのが、今はおれであるというだけ。

「これだってそうだ、お前がやらねェんならおれがやる。誰がやったとて同じこと」
「……そうか。なら、おれは、おれの正義から外れていても……おれが片付けないと」
此奴に頼むことはしたくない。きっと、おれの手で終わらせないといけないことだから。

「手伝ってやろうか」
「いらねェ。おれの負うべき責任だ」
ニヤニヤと笑う男に背を向ける。書斎の出口へ足を向け、踏み出そうとして。

立ち止まった。


足が止まった。

「……でも、これだけは」
拠り所のない悪徳の寄る辺を求めるのは心が弱いから。分かっている、けれど。
早鐘を打つ心臓の上、服の胸元を握り締めて、『正義』を語る男を振り返る。


「おれの必要悪は、お前の正義に委ねてもいいか。……兄、さん」

「くく……ああ、いいだろう。お前の悪徳の一切は、おれが『正義』と定義するさ」
そうして見えた顔は、愉悦に歪んでいた。

[33 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 20:46:07]

ヒョウ太…味覚は無いし、もうすぐ死ぬクローンだし、一線超えちゃうかもだし、最悪な兄貴は出来るし、帰り方は未だに分からないし…あまりにも…その…唯一の希望は身長伸びるくらいだし…なにもかも…希望が無い…

[34 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 20:53:15]

うわぁぁぁぁぁあ！！！！！兄さんって呼んじゃった！！！兄さんって！！！！うわぁぁぁぁあ！！！、信じて送り出した2人が兄弟になって帰ってきてカクとかどう思うんだ

[35 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:03:16]

ルッチはね

秩序の人なのに悪辣で、生い立ちが生い立ちなのに悲惨さなんて感じられなくて、カッコいいけど最低最悪で共感なんて出来ないのが最高なの

それはそれとして愉悦部かな？最悪にしすぎたかもしれん

思考

1.頭が痛い

2.これで本当に正しいのか？

3.全部終わらせないといけない

4.使命感で息が詰まる

5.すぐにそっちに行くだろうから

6.他にやりようはなかったのか

7.許してくれ

8.許さないでくれ

9.たのしい

dice5d9=5 2 2 7 1 (17)

[36 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 21:05:00]

つ ら い

[37 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 21:05:37]

9.たのしい
こいつもやっぱりロブルッチだ！て感じでヤバすぎて笑える、ダイスに当たらなくてよかったね…(？)

[38 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 21:06:49]

めちゃくちゃ精神的ダメージ来てるじゃん！心が
こ
わ
れ
る

[39 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 21:25:07]

まァたのしいに当たってないだけまだなんとか耐えてない ルッチの話術が天才的過ぎないか？？
責を委ねてしまうところは若さゆえの甘えがあって好き 今日の夜酒は格別そうだなあの殺戮兵器…
1年後に飛躍的にCP9最高峰の道力に（4000）迫る良い背景ができたなおめでとう‼︎地獄かここは

[40 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:31:32]

せめて苦しむことのないように、頭を刺し貫いて。

[41 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:32:05]

「なんで？」
おれも、すぐにそっちに行くだろうから。八ヶ月だ、すぐだろう？

[42 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:32:43]

「なんで？」
これで本当に正しいのか？
分からない、何も。分かっても何も出来ない。
おれにはきっと、これしか出来ないから。

[43 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:33:01]

「なんで」
生きたいと言ってくれたなら。
これが正しい行いなんかじゃないって言ってくれたなら。

[44 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:33:19]

「なんで」
どうか、許してくれ。ゆるしてくれ、許さないで。

[45 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:33:55]

怯えもせず、悲鳴も上げず、ただ何故とだけ問いかけてくる同位体。
歪な体で自我もなく、動く事もなく、抵抗すらなく貫かれる同位体。
指を調色板にして、血と脳漿の混ざる色。おれと同じ皮膚の欠片が。

「なんで」
何故かなんておれが知りたい。
なんでおれがなんて思ってしまう。
背負わなければいけないのに、この命を、今奪った三十一つを抱えなければいけないのに。




……頭が痛い。

[46 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:34:42]

頭が軋む。足が軋む。
赤と黄色に染め上げられたまま、返り血の足跡を残しながら、最後のクローンがいる部屋へと。


培養室へと、辿り着いた。

[47 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:53:14]

「またきたんだね、ぜろごーぜろ」
「……」
平坦な声に何も返さず、歩みを進める。ぴちゃりと滴る血液の音が反響した。


023は先程と同じ場所に変わらず座り込んでいた。
見下ろして、慣れてしまった動作でこめかみに指を突きつけて。



「……どうしたの、ぜろごーぜろ」
舌っ足らずな落ち着いた声。おれと同じ声。先まで殺していた者たちの声。

「なにか、あったの？」

その声が、『なんで？』って定型文以外で問いかけてくるものだから。おれは、おれは。

[48 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:55:17]

「……ないてるの？」

[49 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:56:24]

意識が沈む。

切り替わる。

似た感覚を、前にもどこかで。

[50 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:56:50]

………………

[51 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:57:14]

「50人目も、ダメだったかあ」

落胆と失望、その他大勢の失敗作。
それが最初の自我だった。

[52 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 21:57:14]

すみませんまさかの展開に可哀想と思いながらも最高と思ってしまったので取り急ぎ雑ですが描いてしまいました…！納めるほどのものでは無いですがお納め下さい…！

[53 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:58:33]

おれが試験管から生まれ出てすぐにあの人は消えた。つまりはおれが最後のシリアルナンバー。

きっとここで過ごした時間とシャアナさんと関わった時間が短いから、他のおれよりも創造主に対する献身が薄かったのだろう。



ぼんやりとした自我と、植え付けられた使命感。
吹けば飛んでしまうようなそれらは、送り出されてふらふら揺蕩うおれ目掛けて落ちてきた意識に、簡単に奥へと押し込められた。

[54 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:59:02]

沈んだ意識の中で、くるくると変わる景色を見ていた。

陽気に話し掛けてくる街の人を。
敵意を向けてくる悪い海賊を。
気にかけてくる大人を。
胸を貸してくれる大人を。
おくらなければならない人を。


自分の体に入った、感情のある人を見ていた。

[55 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 21:59:33]

困惑も、動揺も、なぞっていって理解した。
傷付けられれば痛いこと。
知り合いがいないのは寂しいこと。
自分を出せないのは息が詰まること。

なぞる度に日毎日毎に苦しくなって、平然と生き続けている表側が分からなくなることもあった。

それが強がりだと知った。壁が崩れて表側が泣けば、おれも一緒に泣いていた。


撫でられることの穏やかさを知った。
抱き締められることの暖かさを知った。


そうやって模倣して模倣して模倣し続けていれば、

「ぜろごーぜろ。おまえは、かんじょうをもったんだね」
「……うん、023」

例え真似事であっても、確固たる自分が出来た。

[56 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 22:00:36]

「そっか。しゃあなさんのひがん、かなったんだ」
穏やかに流れる声が、閉じた目と揺れる。023に見えてはいないだろうけれど、こくりと頷いた。
「うん。だから、オリジナルの代わりに、おれがシャアナさんのところに行けばいいんだと思う」
命の危機を感じたときには、生きたいとさえ希うようになってしまった。
……けれど使命を果たすためなら、このつくりものの命は使わなければならないだろう。

[57 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 22:01:37]

「そうかも。だけど、……くるなら、ゆっくりでいいよ」
する、と髪を梳き上げる手はひやりとしていた。殺意も害意も、親愛もないはずの、無色透明な手。それなのにどうしてかあたたかくて、救われるようで。




「きっとじゅみょうはどうしようもない。なら、いまもいちねんごもそんなにかわらないから。きにやむひつようなんてどこにもないから」



「おれたちみんなでまってるから、ゆっくりおいで。じゃあ、またね」

[58 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 22:02:01]

「……うん、またね。おれの兄弟」

きっと、八ヶ月後に。

[59 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:02:17]

>>52

突然の神絵!!素晴らしい!!

悪魔が笑いながら囁いてる〜

[60 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 22:03:16]

>>52

最高で最悪だ〜〜！！！悪魔に囁かれた生徒会長　とてもかわいそう

だけど自分で決めた悪徳だからね……

[61 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:05:14]

023くんは優しいお兄ちゃんだなぁ

[62 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:10:09]

023は優しいなぁ…
それはそうとして後方兄貴面ロブルッチ今大爆笑してるでしょ…

[63 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:14:23]

>>52

神絵だ……崇めないと………

[64 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:14:39]

光のお兄ちゃん023と闇のお兄ちゃんロブルッチ…

[65 ◆BtOeeshqkE 23/05/17(水) 22:17:52]

023→お兄さんの語呂合わせになったからこの展開にしたっていう　ダイス神様様　許さないが

救いの言葉を掛けてくれる023と基本的に最悪ムーヴしかしない地獄みたいな兄・ルッチ　まァ前者は手の中で息絶えさせたんですが……

最終的なメンタル状況

dice1d100=39 (39)

[66 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:32:13]

ヒョウ太と023のやり取り好き過ぎてヤバいわ　
どうしようもない地獄の中で強く光り輝いてる希望って訳でもない、ぼんやりとした光かもしれないけど確かにこれは救い、という感じがしてさぁ…染みる…

[67 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 22:56:59]

>>65

書いたのはお前じゃけェ…最高で助かる

なんかこう50もヒョウ太が浮き沈み激しくて沈没しそうな異世界道中の裏で経験して得たものがあったのかと思うと心が暖かくなるな

一方兄貴分は素質のある一般人が仕上がっていく様を見てウキウキしていた なんか後方理解者面で（そうだ…最初は足が浮くような感覚なんだが段々と現実味が増すんだ分かるぞ…）してそう

[68 二次元好きの匿名さん 23/05/17(水) 23:45:09]

ぜろごーぜろは、50%クローンで50%ヒョウ太

[69 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 00:03:55]

展開が悲し過ぎて泣く。でも050がヒョウ太を通じて世界の色を知り始めた事実に暖かさを感じて泣いてしまうおれもいる。

[70 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 08:12:53]

帰ったらカクたちも驚くだろうな楽しみ

[71 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 14:29:27]

1.生きたい

2.殉じなければいけない

3.おれが全部背負うから

4.一緒に背負うから

dice1d4=4 (4)

[72 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 15:13:52]

050か？良い奴…創造された者ってなぜこんなにも綺麗なんだろうな、とはいえ生徒会長の感情の激しさに影響されてより人間味が育ちそうでもある

[73 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 16:10:26]

050が話している。
023と話している。
050が泣いている。
指が頭を貫いて。
おれも、泣いて。


ぱたりと雫が落ちたあと。
引き摺り込まれるように、沈み行くように。
羊水に揺蕩うように、意識の奥で揺られていた。
真っ暗なようで視界は鮮明。みどりのぼやけた光が見える。

ずっとここにいたのだろうか、050は。

[74 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 16:13:03]

「ルッチ、大丈夫だよ」

世界が暗くなる。050が瞼を下ろしたのだろう。……その名前で呼ばれるのは、随分と久しぶりのような。

「ちゃんといるかな、聞こえてるかな。……ね、自分のこと、そんなに責めないでよ」

自責するな、なんて、無理な話だろう？
許されない行為への安易な肯定など、受けるべきではなかった。おれの正義を揺るがすだけのものでしかないのだから。

「お前は自分を許してあげて。許してほしいならおれが許す。許してほしくないなら、おれが許さないから」

許されたとして。
この悪徳を、正義だと言われたくはなかった。おれの信じる、信じてきた正義は。

「この悪徳は悪徳。お前の正義じゃない、いけないこと。オリジナルが正義だなんて定義するんなら、おれがそれを否定しよう」


悪は悪だと断じて欲しかった。
そうじゃないと、おれが何なのか分からなくなるから。


「その悪は、本来お前に被さっていいわけがない責任、重荷だけど。せめて、おれも一緒に背負っていくから」



「大丈夫。お前は、生徒会長の『ロブ・ルッチ』だよ」



──意識が、浮上する。

[75 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 16:52:56]

ルッチはいる？

1.いる

2.いない

dice1d2=2 (2)

[76 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 17:35:58]

はっと、意識が覚醒する。
手の中には温度が失われつつある023がいて、ぬめる赤に二人して染め上げられていて。

今の出来事が都合のいい白昼夢などではないことは分かっていた。


「一緒に、背負ってくれるんだな、050……」
喉から溢れた縋るようなそれに、自分でも驚いてしまう。……でも、仕方ないだろう？
だって、数ヶ月振りに他の誰かがおれを『ロブ・ルッチ』と呼んでくれたのだから。それが例え己の声であっても。

白い箱の中。無音の叫喚地獄の中で、何よりもの光に思えたって、しょうがないことだろう。

[77 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 17:58:52]

入ってきたときより確かな足取りで培養室を出る。血痕を辿るように地下へ降りて、『安定剤』をできるだけ抱え、薄灰色の研究所から外へと足を踏み出した。


さく、と足元から土の音。既に日は落ち、月の光が影を落としている。

「終わったか」
未だぽた、と字面に赤を零すおれを、喉をくつりと鳴らす男が出迎えた。
この男は最初の悪行を見届けてから、笑ってどこかに消えていった。一度踏み外したのなら途中で辞める筈がないとでも確信していたのだろう、腹立たしいことにその通りだクソッタレ。
「ハハハ！そう怖い顔をするな。そら、新しい服だ。そんな血塗れでは居心地が悪いだろう？」
「……」
血液が染みて重くなった上着を地面へ放り、投げ渡された黒い服を無言で受け取って腕を通す。……罪が覆い隠されたようで、息が詰まる。

「宿屋はもう取ってある。……安心しろ、こんな時代だ。返り血なんざよくあることだからな」
「……世紀末だな」
「世紀末は嫌か？」
「大っ嫌いだ」

[78 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 17:59:31]

研究所はどうする？

1.燃やす

2.壊す

3.放置

dice1d3=2 (2)

[79 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 18:21:35]

「さて、研究所はどうしたい？お前に任せる」
壁に背をつけ寄りかかった男がこん、とくすんだ白を手の甲で叩く。任せるも何も、やるべきことは一つだろう。


悍ましい実験場に手をつける。力を掛ければ呆気なく、容易く、ばきりばきりと罅が入っていく。


「……壊す。壊さなきゃいけない、こんなもの」




虫の声さえ聞こえない闇夜に、倒壊の轟音が響いた。

[80 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 18:25:28]

ざんざばらばら、ばらばらと崩れる研究所。下敷きとなっているであろう死体はいつか分解されるだろう。……誰にも見られることなく、自然へと還ることを祈った。



土埃の舞う瓦礫に背を向けて、傍観していた男と並んで街へと歩き出す。


「どうだった？」
血の匂いは。肉の感触は。失われる温度は。
言外にそう訪ねてくる自称兄は、きっとそれらを好ましく思っている。

「どうもしない」
「くく、そうか」
何が楽しくてそんなに笑うのか。
……分かりたくもない情緒だ。

[81 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 18:27:33]

眠れた？

1.眠れた

2.眠れなかった

dice1d2=2 (2)

[82 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 20:14:14]

宿屋で一人、水を浴びる。

髪へと飛んだ飛沫とか、爪の間にこびり付いた血液とか脳漿とか肉片とか、それら全部を残らず洗い流す。洗っても洗っても洗っても落ちない血の匂いが、味覚が無いはずの口の奥に鉄錆のように残っている。

生温い血を浴びることには慣れているはず、なのに。命を奪うことなど、あの世界ではあるはずもなかったから。

前々から知っていた感覚なのに。
まるで人を傷付けるのが初めてのガキのように、人体を貫く感覚が指から離れない。


これが所謂強迫観念であるのだと聡い頭は告げている。鼻にまとわりついた匂いを幻覚として切り捨てて、赤く染まった服を洗って、落ちないからゴミ箱に放り込んで。そうやって、血の匂いをきっと完全に流した。

[83 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 20:26:29]

生来のうねる髪を乾かすのもそこそこに部屋の明かりを消してベッドに向かい、シーツを引っ被る。
狭くぬるい暗闇の中でぐるぐる、ぐるぐると、回る思考はたわいなく、止められず。脳髄が焼け落ちてしまいそうになりながら、答えなど出ない思考の渦に呑まれていた。
023は気に病むななんて言っていたけれど、それならおれは、行かなければいけない。
023の元に。
みんなの元に。

「……なあ、050。おれは、どうすればいい？帰れるんだろうか、帰っていいんだろうか、……もし、帰れて、それで、どう、すれば……」

もし帰れたとして。
ころしてしまったおれは、あの世界に受け入れられるのだろうか。

自分の内側に問い掛ける。……本当に情けない、傍から見れば人格分裂を起こして別人格に依存でもしている精神患者なのだろう、今のおれは。
その客観視は出来ても、050の存在を心の底から信じているおれは、きっとイカれている。

[84 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 20:30:38]

1.絶対に帰す

2.帰れなかったら一緒に行こう

3.地獄にだって連れ立つ

dice1d3=1 (1)

[85 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 20:31:18]

どうしようさっきから050が""光""すぎる

[87 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 20:39:54]

ぜ、050〜〜〜〜！！！！！優し過ぎる。現実に闇そのものみてぇなバケモンが居るからせめて、意識の中では050が支えようとしてくれてるの光や。2人でがんばえ〜！まけうな〜！

[88 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 20:43:36]

ヒョウ太の中の天使050くん頑張れ!!
後方兄貴面の悪魔に負けないで〜!

[89 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 22:03:07]

ロブ・ルッチとかいうキャラを推している人間がきらきらした光の性質持った子を描写できるわけがないだ狼牙いい加減にしろ(暴論)(偏見)(風評被害)



「ルッチの世界のことは分かんないけどさ」

勝手に口が動く。
乗っ取られたように、いや、本来に戻っていると言った方が正しいのだろうか。

「世界が受け入れるとか受け入れないとか関係ない。おれは絶対に、ルッチを元の世界に帰すよ」
決意の滲んだ言葉。050はがばりと起き上がって握り拳を作る。

「023の、みんなのとこ、シャアナさんのとこに行くのはおれの役目だから。ルッチは帰んないとダメ！だっておれがそうしたいんだもん。もし受け入れられなかったら……その時は、その時に考えればいいんだから」
随分と楽観的なことだ。おれの言動をなぞって本当にこれが形成されるのか？

でも……確かに、そうかもしれないな。その時考える、行き当たりばったりか。それもいいかもしれない。



「……それに。最初の頃はそんなこと気にする殊勝さなんてなかったでしょ？お前には」
「ふ、は。言ってくれるな」
感傷的になっちゃってるなあ、なんてふふんと笑う050。ここでのおれをずっと見てきた、おれよりも先に余裕を持った、産まれたばかりの幼い人格に苦笑した。

[90 ◆BtOeeshqkE 23/05/18(木) 22:12:02]

……ああ、目が冴えて眠れない。
でも、この夜は独りじゃない。

電気を付けて、シーツを剥いで、同じ口を使ってなんでもないことを話す。
おれの元の世界のことであったり、ガレーラの騒動だったりを、交互交互にぽつぽつと。共有しているおれたちにとっては既に知っている事ばかりだけれど、話すことそれ自体が大切だった。



──カーテン越しの空が白んで、朝が来たことを悟る。

久方ぶりの孤独でない夜は、眠れなくとも苦しくなかった。

[91 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 22:24:44]

ワ、ワァ(光が眩しくて声にならない声)
これまでの流れが陰鬱で仕方が無かったから050と中学生のルッチのコンビ尊さ感じるよ
鬱展開と希望の塩梅がマジで絶妙で好みのバランスなのでありがたい

[92 二次元好きの匿名さん 23/05/18(木) 23:04:54]

良かったねヒョウ太
050めっちゃいい子やん

[93 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 02:53:49]

050お前ってやつは…眩しくて焦がれてきた
スレ主あれだ、闇系の登場人物を愛するからこそそれを際立たせるため光の描写を丹念にするのは互いを高め合うために不可欠だと思っている つまり自分の中の正義を捨てなければ帰れるそういうことだ

[94 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 03:19:51]

なんか050ってルッチがしていたヒョウ太の立ち振る舞いから逆算して生まれた雰囲気の自我って感じがして良いな

[95 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 09:45:27]

>随分と楽観的なことだ。おれの言動をなぞって本当にこれが形成されるのか？

自分の外面（ヒョウ太）の立ち振る舞いを思い出せ 後内面の面の皮の厚さや生徒会長の総合的な思考と行動を先入観無しで疑問を持ちながら模倣した結果独特の人格が生まれたんだろうな…「光」で脳が焼かれる

[96 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 19:28:39]

保守

[97 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 20:48:25]

保守 ヒョウ太はもちろん050にも幸せになって欲しい

[98 ◆BtOeeshqkE 23/05/19(金) 22:12:55]

荷物を整え部屋を出れば、ちょうど隣の部屋から同行者が現れた。

「おはよう。よく眠れたか？」

にや、とわざとらしい笑みを浮かべる男。間違いなく昨夜の目の冴えを分かっているであろうに態々聞いてくるあたり、本当に性格が悪い。だがこの程度でイラついていればきっと八ヶ月など待たずにおれは頭の血管が切れて死ぬだろう。……今更ながら、ジャブラは毎度これに付き合っていたのか。あいつの頭が心配だ、煽りではなく純粋に。

「お前の考える通りだ、クソ兄貴」

「……早速口の悪いことだな、愚弟が」

だからこうしてフン、と鼻であしらってやる。ぴくりと眉を跳ね上げさせた自称兄は、どうやらおれより煽り耐性がないらしい。

1.海列車直行

2.街観光

3.トラブル

dice1d3=1 (1)

[99 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 22:31:19]

海列車直行なのは効率重視の二人に解釈一致だ

[100 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 22:46:29]

こんな雰囲気なのに両者何事もなかったように腹話術してヒョウ太の演技する生活に戻るのか…(？)

[101 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 22:48:01]

ジャブラを純粋に心配しているの天変地異の前触れ級で草なんだがお前の火の玉ストレート煽りのせいなんですよ「お、おお…どうしたんだよお前…」と驚愕しながら鳥肌立てられそう 結局ヒョウ太はキレた

[102 二次元好きの匿名さん 23/05/19(金) 23:35:44]

こんな性格悪くても兄貴呼びを変えないヒョウ太律儀で好きよ

[103 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 00:45:45]

朝食もそこそこに最低限の土産を買い、海列車の始発へ乗り込む。

「さて、口裏合わせといくか」
「りょーかい。……どこまで黙ってればいいかってのも、ね」
社長を始め、ガレーラの職人にはかなりの心配を置かれている自覚はある。できることならばそれを晴らしたいのだが、とはいえ全てを包み隠さずに話すことは出来ない。もし何かに勘づいた者がいれば、隣の男の手によってお陀仏だろうから。

それに近場とはいえ観光の名目で休みを取ったのだ、遊覧話の一つや二つは捏造しておかなければなるまい。
海列車に揺られながらパンフレットを両者の間に広げ、今しがた離れた島の名所を見比べる作業へと入った。

[104 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 00:47:55]

突然兄と呼び出した理由付けだけ決めときましょか

1.血縁があった

2.なんやかんやで養子になった

3.深く立ち入らないでくれるとありがたい

4.安価

dice1d4=3 (3)

[105 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 00:52:06]

ルッチは潜入組にどれだけ話す？

1.クローン問題が解決したこと

2.＋ヒョウ太の寿命があと8ヶ月なこと

3.＋味覚のこと

4.＋兄と呼ばせるようになった経緯

5.＋期があれば連れて帰るかの相談

6.何も

dice1d6=3 (3)

[106 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 01:16:44]

突然の兄呼びに関しても深く立ち入らないで欲しいって説明したらけっこーすんなりみんな受け入れてくれてくれそう　パウリー以外大体似てるって思ってるしね…タイルストンなんて全部見ちゃったし… 4.5言わないのお前お前お前〜！！って感じだわ

[107 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 02:01:07]

タイルストン（やっぱりお前隠し子…）
ルル（大丈夫かヒョウ太…）
カク代表潜入組（寿命…ん、兄？？え？）
ダイス神登場人物への理解深くないか…？そこ省くのルッチエミュ高過ぎやしませんかね…なおパウリーは何も知らない気の良い兄ちゃんだった
地味に連れて帰りたがっているの面白い

[108 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 05:57:18]

この自称兄連れて帰ろうとか考えてやがんだ！？ヒェ〜〜〜〜がんばれよヒョウ太、これから色々大変だぞ

[109 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 07:35:19]

いじり甲斐と育て甲斐のある弟が出来てさては内心ルンルンだな?

[110 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 09:08:42]

1.アイスバーグ

2.パウリー

3.ルル

4.タイルストン

dice1d4=1 (1)

[111 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 10:01:28]

車内アナウンスがウォーターセブン到着を知らせる。ここからは船大工とその見習いとなる、気分を切り替えねば。

地面に足を付ければこの四ヶ月で慣れた、島独特の海の香り。それと共にふい、と知っている人の匂いが混ざった。

「アイスバーグさん？偶然ですね、駅に何か用事でも？ポッポー」
車掌の老人と話すオレンジの立ち姿は見知ったものである。同じく姿を認め躊躇なく話し掛ける同行者は、気心が知れているにしても精神が太い。
「……ん？ああ、海列車の様子を見に来ただけだ。ルッチにヒョウ太、おかえり。サン・ファルドはどうだった？」
「ただいまです〜！いやァキレーな街でしたよ、でもやっぱりウォーターセブンが一番落ち着くわ！あ、これお土産です！……ガレーラにいる時に渡した方が良かったり？」
言いながら小さな箱を差し出したものの、今が仕事中であれば迷惑だろう。そう思って手を引っ込めようとしたところを取り上げられた。
「ンマー、いいや、ありがたく貰っとく……落ち着くって言ってもヒョウ太、せいぜい一泊二日だけだったろ」
「ン、まあそうなんですけどね。こっち来てからずっとガレーラにいたからさ〜！」
「そうか」
おれの言葉に口元を緩める社長。騙しているような気もしてくるが、ウォーターセブンへと無事に戻ってくることが出来て安心しているのは掛け値なしの事実である。

[112 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 10:25:18]

「……ん」
眉を顰めて近付いてきた顔に思わず肩が跳ねる。……避けているからというのもあるが、彼だけは未だ慣れない。
「……寝不足か？」
目の下に隈ができていることは確認していたが、一徹くらいでどうにかなるような軟弱な人間ではない。だというのに悟られたとは、やはり人をよく見ている。
「ぬははァ、バレちゃいました？だいじょーぶです、帰ったら寝るんで！」
「コイツ、今朝は眠れなかったらしいんですっポー。はしゃいだんでしょう」
ぐしゃ、と頭に手を置かれて髪を掻き乱される。……此奴に撫でられても不快なだけだ。頭を振って腕を跳ね除ける。
「ちょお、やめてよ兄さん〜〜！」
「兄さん？それは……」
突っ込まれることを想定しての言葉に案の定引っ掛かったようで、首を傾げてオウム返しをしてくる社長。
今のうちにトップへと釘を刺しておいた方がいいだろうというのは共通認識だ。



「アイスバーグさん」
「アイスバーグ社長」


声を揃えて。


「誰かに言うような事情ではありません」
「だから深く聞かないでください、ね？」



「……そうか、ンマー聞かれたくないなら聞かない。安心してくれ」

小さく両手を挙げた社長は、やはり、人がいい。

[113 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 10:40:01]

……………………

「クローンの騒動は片付いたぞ」
「おお」
「以上だ」
「ちょっと待たんか」

酒場での定例会。
古代兵器の問題は未だ膠着状態、そこに新しく湧いて降ってきたルッチのクローン問題は大層困ったことであった。潜入に直接は関係ないものの、どこから綻びが発生するか分からない以上不確定要素は無くさなければならないのだ。
その為ルッチ以外の潜入組は報告を待っていたわけなのだが。

「おんどれまァた言葉も情報も最低限にしおって！！報連相を知らんのか！？」
「終わらせられたのならそれでいいだろう」
「お前さんはそれでいいかもしれんが！わしらがすっきりせんと言うとるんじゃ！！」
ぎゃんぎゃんと噛み付く光景だけ見れば年少が反抗しているようだが、実際は不足を叱っているカクとそれを流す大人気ないルッチの構図である。溜め息を吐いて、傍から見ていた二人が話を再開させる。

「もう少し詳しく話しなさいよ、ルッチ。私たちも解決に手を貸したでしょう？」
「カクも落ち着け。いちいち噛み付くから面白がられているんだぞ」
「ぐぬ、遊ばれとるのは分かっとるが……！」

[114 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 10:56:26]

「──痴情の縺れっちゅうんは、本当だったんか……」
「だから縺れてねえって言ってんだろ」
当人はそう言い張るが、言い得て妙だろうと幼馴染の思考は一致する。挙げられた悍ましい内容の報告からは、聞き伝いだというのにどろどろとした恋情さえ越えた何かを感じ取れた。長く裏社会に身を置いていても聞いた事のない程のそれに、全員の背筋に震えが走る。

「お前が六王銃を使うほどの薄気味悪い執着、か……見たくないな……」
「おれだって見たくなかったあんなもの……」
はあ、と溜め息を吐く様子はルッチには珍しく、本当に珍しく気が滅入っているようだった。

[115 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 11:32:38]

科学者の異常性から話は切り替わり、最も身近なクローンである050──ヒョウ太のことへと移る。

「ヒョウ太の今の状態……あと八ヶ月で死ぬようには、見えんかったが」
「少し体調が悪そうだったのも、もしかしてそれ関連なのかしら……」
「味覚がねェってのもな。おれの酒場にヒョウ太が来たのは数回だが、そんな素振りは見えなかった」
それら全てを悟られないように取り繕っていたのならば、政府に育てられた諜報員の目すら欺く手練手管を持っているということである。味覚に気が付いたルッチでさえ、048の言葉がなければ思い当たりもしなかっただろう。

「まさかお前ら、同情でもしてるんじゃねェだろうな？クローン相手に」
「……少しくらいしょうがないじゃろ、お前と同じ顔の子どもなんじゃから」
ツンとしたオリジナルの声に、ふてたようにカクが言葉を返す。事実この中で最もヒョウ太に情を移しているのは彼だろう。殺せと言われたのならばなんの感情もなく殺せるだろうが、それとこれでは話が別である。……寿命はともかく、まさか味覚までないとは。どんな思いで食事をして、あまつさえ美味しいなどと言っていたのだろうか。


「おぬしは情が移っとらんわけか？兄などと呼ばせおって」
「そうよ、ガレーラで聞いたときはびっくりしたんだから……何があったらそうなるの？」
訝しげな二対の視線が刺さるが、何処吹く風のふてぶてしい男はくく、と笑う。


「はは、……知りたいか？」

心底愉快そうに顔を歪める性格の悪い幼馴染に、問い掛けた二人は呆れながら耳を塞いで首を振った。
「……やっぱり聞きたくないわ」
「わしも。ろくでもなさそうじゃしの……」

[116 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 11:39:17]

夜は深まっていく。

──もしヒョウ太の寿命以内にこの任務が完了したのならば、奴を政府の元へ連れて行っても構わんだろうという戯れ程度の思考は、自称兄の心の内に仕舞われたまま。

[117 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 11:43:54]

そういえば学園読み返した結果、ルフィとコビーの誕生日イベントがヒョウ太事変の後の話なのであの時の生徒会長は13歳ということに気が付きました

つまりは原作開始時14歳です　よろしくお願いします　肉体というか050は現在1歳、原作開始時生後20ヶ月になります　おかしいこんな　数字に起こすとこんなにつらい

どうしようかな次の展開　ダイス神に聞きましょう

1.ガレーラのドタバタ日常回

2.CP9の短期任務同行回

3.特筆するイベントはなし、そろそろ原作軸まで展開飛ばせ

dice1d3=1 (1)

[118 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 11:47:26]

13歳と1歳…辛くない？？ドタバタ日常回待ってた

アイスバーグさん大好き…嘘の中に掛け値なしの真実（W7に帰れて良かった）含めるの良いよね 日記六王銃騒動でガチ精神疲弊しているの好き
半年以上の先の話になるが裏切り時に何かの拍子で兄呼称の真相を知ったらガレーラ勢とても自分たちを責めそうだよな…真相は闇の中になれ…

[119 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 11:48:45]

13…………！！！？じゅ、13…………！！！？！
わっっっか………子供過ぎる…050もヒョウ太も…マジで…子供！！
一方原作の13歳は500人やってた。コワ〜

ドタバタ日常回嬉し過ぎる

[120 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 12:24:19]

原作dice1d8=7 (7)　ヶ月前

[121 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 12:50:05]

ドタバタ日常回があった方がこれから来る鬱展開(確定すな)が引き立って飯が美味くなるからほんと…お下品なんですが ドタバタ日常回いくらでも盛ってくれ

[122 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 13:48:45]

というかW7来てから14歳になるっちゅーことは…あるんかな…誕生日イベントとか… 祝ってあげたいよ
でも原作ルッチと誕生日一緒だから祝うとしたら2人揃って祝われるのか　ウワ〜

[123 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 13:56:57]

全く年月が進んでいない…ﾎﾟﾛｯ
読者やダイス神は楽しめるから嬉しいがスレ主ゆっくりで良いからな‼︎描写が積み重なる事で後の原作展開が味わい深くなりそうなの今から楽しみで仕方ない 不穏そうだが一方のCP9短期任務同行回という世界の闇に触れそうなのも面白そう…一応は一般通過中学生を巻き込んでやるな

[124 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 14:11:19]

ガレーラ日常とか凄い楽しみすぎる

[125 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 15:57:47]

chapter.9　豹は街から世界を夢見る

[126 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 15:58:09]

1.市井うろうろ

2.酒場にて

3.ガレーラのお仕事

4.050と模索中

dice1d4=1 (1)

[127 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 17:47:44]

1.1人で

2.同行者あり

dice1d2=2 (2)

[128 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 17:48:26]

同行者安価

>>130

[129 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 17:51:19]

ルッチ

[130 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 17:51:31]

パウリー

[131 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 18:22:22]

パウリーと散策するの楽しそうで癒しだが一緒にトラブルも持ってきて生徒会長も（…は？？）となりそうで期待
自分の世界のパウリーに（まさかアイツも下手したらこんな大人になるのか？）と危機感抱く平和な一幕がありそう

[132 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 18:33:13]

やっとルッチ兄貴以外と行動できるね

[133 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 20:01:48]

絵に書いたような快晴と陽気な日射しが煉瓦造りの建物の隙間から降り注ぐ。洗濯日和のこの日には、水路上に色とりどりの布たちがはためくのである。

二つ並びのヤガラブルに揺られながら、金髪が空を見上げている。日光が反射してゴーグルがきらきらと光った。
「造船日和、買い出しにもいい日だなァ今日は」
「そ〜だねえ……パウリーさんは仕事してても良かったのに。別にぼく一人でもできることだし」
「ばっかお前、また水路に堕ちたら誰が助けるんだよ？」
「そろそろ忘れてくれないかなァ！？あれ以降落ちてないんだし！！」

──ガレーラでのおれの立ち位置は所謂『雑用係』である。造船に直接関わる仕事がない訳では無いが、基本的には仕事内容は簡素なものとなっているのだ。子どもである以上任せられる仕事が少ないのは仕方のないことであり、その分きっちりと責務を果たしているつもり、なのだが。

「お使いすら一人で行かせてもらえないのは情けないにも程があるって……」
侮られているのではないからこそ扱いに不満を言い難いというもの。ヤガラの上で肩を落とせば、からからと笑い声が隣から飛んでくる。
「はっはは、冗談だっつの。いくらお前がドジだっつっても仕事はちゃんとやる奴だってのは分かってるからな！」
「そーお？ならいいけどさ」
「そーそー！今日はあれだ、荷物持ちに着いてきただけだぜ」
力こぶを作る動作をするパウリーを傍目に、社長からの流れで渡されたお使いリストを眺める。確かに、一人でやるには少しばかり多いような気もする……これも気遣いの結果だろうか、おれに誰か着いてやれ、という。あの人はそういうことをする人だ。

[134 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 20:35:17]

「……ン」

ぴくり、とパウリーが肩を挙げ、岸の方へと視線をもたげる。何かあったのだろうかと目で追えば、そこには。

1.借金取り

2.海賊

3.フランキー一家

dice1d3=2 (2)

[135 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 20:40:40]

好感度マイナス海賊来たな！まァ、敵対しない無害な観光勢かもしれないし…

[136 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 20:56:16]

街の方のがやがやとした喧騒の中に、こちらの世界で随分と見慣れてしまった荒くれ者の姿を認める。ここはウォーターセブン、海賊も政府も関係なしに仕事を引き受けるガレーラがある為に堂々と闊歩していてもおかしくはないのだが、……どうやら何か騒ぎになっているらしい。

「……あー、海賊？何かあったのかな」

「危ねェからお前はそこにいろよ、見てくる」

「いやァぼくも一緒に行くよ。戦力は多い方がいいでしょ？」

そう言いながらヤガラを降りたパウリーに着いて歩き、身構えながら観察する。

海賊は──

1.略奪行為を働こうとしている

2.フランキー一家の名前を叫んでいる

3.大道芸をしている

4.安価

dice1d4=3 (3)

[137 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 21:01:03]

平　和　！

[138 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 21:02:31]

芸の上手さ

dice1d100=71 (71)

[139 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 21:05:00]

割と上手いじゃないか海賊貴様ァ！！！！

[140 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 21:11:08]

海賊(？)は何人？

dice1d10=6 (6)

[141 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 21:19:40]

平和ァ！！！？

[142 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 21:28:33]

中心で器用に手足を回すトップらしき海賊が一人。その脇で紙吹雪にレフ板に風にの演出を屈んで振りまく三人の黒子、ちゃらりちゃらりと楽器を鳴らしているのが二人。見た目こそ海賊で武器も装備しているようなのだが、やっていることはサーカス団である。
「……大道芸？」
「なんだ大道芸人か……紛らわしいな」
芸は十分に上手いようなのに何故わざわざ海賊の格好を、と首を傾げる。確かに目を引くかもしれないが、好印象を抱かれるものでは無いだろうに。

「どうせだし、ちょっと見ていくか」
「……お使いはいいの？サボり魔は報告上げないとかなァ」
「いいんだよ今日はそんなに忙しくないんだし！」

[143 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 21:47:16]

無事に終わる？

1.無事に終わる

2.海軍が出てくる

3.地主みたいな人に怒られる

dice1d3=1 (1)

[144 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 21:50:37]

へ　い　わ

[145 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 21:55:09]

船長の男女だけ決めよう

1.男

2.女

dice1d2=1 (1)

じゃん、と音楽が鳴り止みショーが終われば観客からぱらぱらと拍手が上がる。舞台の前に置かれたシルクハットの中にいくらかのベリーが投げ入れられている。

人混みがある程度散った後もパウリーは動かない。仕方がないと何となく団を眺めていると、六人が集まって投げ銭の中身を見、揃って肩を落としていた。

「これじゃ足りないよな、船長……」

「流石に、か……」

……船長。微かに聞こえたその単語から、この一座は即興サーカス団ではなく一応は海賊であるらしいと分かった。

[146 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:04:51]

平和…ルンバー海賊団（音楽を愛する一団）もいるぐらいだしなクオリティの高い大道芸見たいぞ

[147 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:16:05]

なんて平和な世界素晴らしい

[148 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 22:17:56]

ノリで書いててなんも決まってない　この海賊団の事情決めるか

1.サーカスを広めたい

2.危篤の船員を助けたい

3.グランドラインから逃げたい

4.安価

dice1d4=2 (2)

[149 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:19:43]

ただただ良い奴等なんだが…？

[150 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:20:04]

アニワン日常回のようなノリっぽくて良い　スレ主ありがとう

[151 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:38:49]

セントポプラでルッチを助けようと治療費稼ぐCP9メンバーみたいな事してるじゃんこの海賊
好きになっちゃう

[152 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 22:40:09]

そわ、と隣の気配が動く。
「……なァヒョウ太」
前へと姿勢の向いたまま、此方へと今にも了承を取りに来そうな連れに、はあ、と息を吐く。
「話聞きに行きたいって？お金の困り事っぽいよ、パウリーさん、金欠な癖に」
「よく分かったな！？」
驚く背中を押しながら一座へと近づいていく。一体彼らの何がそんなに関心を引いたのだろうか。



「おにーさん方、ちょっとお話いいかな？」

[153 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 22:42:13]

船長の名前安価

>>154

[154 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:44:07]

サー･カッスン

[155 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 22:44:34]

このスレのダイス神最高過ぎる

[156 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 22:48:26]

サー・カッスンめっちゃ好きな名付け　ずっとわろてる　ありがとう
そして中々に長くなりそうだなっていう…閑話休題のつもりなんだけどな…
でも050達クローン話も最初は閑話休題のつもりでああなったからな…

[157 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 23:05:52]

スレ主の気の向くままゆっくり気負わず書いてくれ！
こちらとしてはスレ主の書く世界を味わいまくれるから　最高　本当にありがとう、それしか言えねえ
050話が…閑話休題！？…あれが、閑話、休題！？あの話を読んだ瞬間衝撃を受けて丸一日放心状態でした
お、恐ろしい子…！！スレ主

サー・カッスン最高　絶対にワンピ世界に"存在する"神ネーム　ありがとう

[158 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 23:06:12]

サー・カッスンの懸賞金

dice1d9999=3142 (3142)　万

[159 二次元好きの匿名さん 23/05/20(土) 23:23:05]

初期ルフィくらいってなかなか強者笑

[160 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 23:38:03]

危篤の理由

1.病気

2.怪我

3.後遺症

dice1d3=1 (1)

[161 ◆BtOeeshqkE 23/05/20(土) 23:52:11]

歩み寄るおれ達に気が付いたのか、シルクハットを持った男が首を傾げる。
「……？なんだ、はっ！投げ銭か！？」
「お話次第ならそれもやぶさかじゃないかなーって！……ほらパウリーさん」
目を見張って帽子を掲げた男に言いながら、隣の背中をぐぐいと押し出す。話しかけた理由はパウリーにある、おれが話すことではないだろう。
「お、おう？あー、アンタらなんか困ってるんだろ？こんな時代だ、困り事なんざ溢れてるはずなんだが……どうにも気になっちまってな」
……そんなぼんやりとした理由だったのか。海賊相手とはいえいっそ不審だぞと思っていた、いたのだが。そのふわふわな言葉にきらんと船長らしき男の目が輝いた。


「それはつまり……おれ達に魅了されたということだな！！？」


きらきらと、満天の笑顔が此方へ向く。
……おかしな人に話し掛けてしまったかもしれない。

[162 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 00:08:51]

「ふふん、ファンになってしまったというのなら無理もない！おれ達カッスン海賊団のショーはそれはもう魅力的だからな！」
「あー、サーの言うことはあんまり気にしなくっていいヨー……」
堂々と胸を張って笑う船長を横目に、紙吹雪の入った籠を持った目の死んだ男が此方へと声を掛けてくる。

「で、困り事がなにかって？」
「そそ！見たところ、キミらは海賊でしょ〜？なんでサーカスの真似事なんてしてるのかなって気になっちゃって」
顎に指を当て、こてんと傾げてみる。
「真似事ではない！おれ達の本業はサーカスだ！」
「はいはい〜、真面目な話だから船長は下がっててね〜」
横から飛んできた声を諌めるようにしてトランペットを持った女性が船長の首元を引っ張る。……ノリが濃い。大道芸人というのは皆こんなものなのだろうか。
浮かんでくるのは一年の道化の顔。大体あんなのだったような気もすると納得した。


「……病気になっちまったのヨ、仲間の一人が」
籠を抱えた手とは反対の手でがし、と髪を掻き、気落ちした声で男は話し出す。

[163 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 00:22:15]

「伝染るような病気じゃないんだけど、内臓がどうとかで結構危険で治療も複雑みたいなんだヨ……んで今、危篤状態なワケ」
「この海賊団にいるのは七人だけ、普通に航海する分にはサーカスで得られる収益でやりくり出来ていたんだが……大きい病院に長くかかるとなるとなあ」
ううん、と呻く団扇を持った地味目の男。この集団は海賊にしては随分と真っ当なことばかりを言う。

「お前ら海賊……なんだよな？海賊行為してねェのか。いやしないのが一番いいし勧めもしねえが！」
今まで静観していたパウリーが訝しげな顔で訪ねれば、彼らは一様に嫌そうな表情を浮かべる。

「いや、略奪は、なあ？」
「略奪はなあ……」
「なんでキミら海賊やってんの？」
顔を見合わせて苦い顔をする彼らに思わず突っ込む。略奪を行わない海賊、所謂ピースメインというやつだろうか。

[164 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 00:27:11]

「あはは〜、私ら天竜人に目を付けられちゃったんだよね〜」
「そうなんだよなァトラット、これもおれのサーカスが素晴らしいばっかりに！」
トランペットをケースに入れながら緩く話す女性、船長が呼ぶにはトラット。

「……天竜人」
ごく、と息を飲む。この世界の治安が終わりきっている因果の一端である天竜人についての情報は、ある程度知っている。伝聞であってもその事情は凄惨であるだろうに、にこにこと笑顔を絶やさないのは呑気であるからか、それとも気丈であろうとしているのか。

[165 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 00:28:52]

「それを無視して逃げたら懸賞金掛けられたわけだ、この船長は。所々で芸をしている私たちが逃げ切れているのは奇跡だぞ奇跡」
「リフターすまんなあ、おれがあんまりにも輝かしいせいで！」
レフ板を抱え溜め息を吐いた男、リフターからはどうにも苦労性の気配を感じる。船長のポジティブ極まりない返答で既に刻みついていた眉間の皺がさらに深まっていった。

「それなら名実ともに海賊になってやろうって旗揚げしたんだヨー、ホント思い切り良すぎ……」
「そうだコンフィ、それがおれ達カッスン海賊団！」
紙吹雪の入った籠を抱えた死んだ目の男……コンフィが呆れたような声で呟く。それに呼応してばあん、と決めポーズを取る船長にわあ、と無感情な拍手を飛ばしている彼もまた振り回されているのだろう。



取り敢えずわかったこと。この船長、めちゃくちゃにうるさい。

[166 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 00:44:19]

カッスン海賊団の響き笑える　良い奴だね

[167 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 00:56:31]

経緯が経緯であるというのに、そこに関してはどこまでも悲愴感のない連中だ。
「なるほどねェ〜、それでお金足りないって言ってたんだ」
「ははっ、情けない話だけどな……でもおれ達に出来る金稼ぎなんてこれくらい。時間は掛かるかもしれないけど、略奪してアイツを助けるよりずっといいはずだから」
地味目の男が困り眉で笑う。……気のいい連中ではある、が。医者でもないおれ達にはどうすることも出来まい。出来てお捻りを投げるくらいだろう。
パウリーとしてもそれは同じこと。くい、と服を引けば此方を見て、苦々しくも分かっていると頷いた。
口を開き、労りの言葉でも投げようと────



「ね、サーカスっておれにもできる！？」



────は？

[168 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 01:05:36]

内側から発された完全な不意打ちに面食らう。どうした050……？
「なんだ興味があるのかサーカスに！将来有望じゃないか！！」
船長の満面の笑みがこちらへと向かう。これは、きっちりと否定しなければ面倒なことになりそうだ。



「いやちがっ、うん！見ててすっごくキラキラしてた！凄かった！！」
050！？



「そうかそうかァ！おれ達の魅力をよーく分かってるなお前！！」
「ひ、ヒョウ太……？」
おいこらおい050！！一歳児！！！！喋っているおれの口乗っ取ってまで言うことかパウリーが怪しんでるだろうが！！光るものに惹かれるなお前はカラスか！？そのよく分からない派手男に憧れるんじゃない！！！

[169 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 01:43:58]

生徒会長　どっちかっていうと天然ボケの部類の人間なのにこの世界の人達が強烈過ぎてツッコミに回らざる負えないの好き　
050かわいい　とてつもなく果てしなくかわいい　この世界に素敵なものが沢山溢れていることをもっと知って楽しんで欲しい

[170 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 02:21:21]

やばいカッスン海賊団推しになってしまうノリ良くて仲間思いで略奪忌避して天竜人から逃げ延びた大道芸上手な一団…好き 050に振り回されて自分が芸やりそうになり焦る生徒会長面白過ぎる 050が世界を満喫してくれて自分も嬉しい

クローン回が閉話休題予定だった？嘘だろスレ主？？ルッチの掌握手腕振りと050の感情の芽生えの経緯描写が本当に素晴らしかった感謝している

[171 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 02:42:05]

050〜可愛すぎてしんどい
そして振り回されるヒョウ太も可愛い

[172 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 10:34:25]

「ふーむ！いいぞ、少年少女の好奇心には応えるのが魅力的なおれ達！満足するまで存分に教えてやろう！」
「ホント！？」
050の憧れの視線に気を良くしたらしい船長が大仰な身振り手振りで持ち掛けてくる。本当に050お前どこからその感情を獲得した？未だかつておれがそんな風になった覚えはないんだが？

「サー、ストップだ。普段なら構わないだろうが、今はその時間が惜しい。少しでも多く公演すべきだろう」
「む、リフター……ううむ、それもそうなんだが……」
苦労性が滲み出た男が船長を諌め、その提言を唸りながらも素直に聞き入れている。そうだそのまま流してくれ、050には悪いが諦めてもらわなければ。



「じゃあ……授業料払うよ、時間分！」

──ルッチが！



──粘るな！！でもって結局おれが払うのか！！！？


脳内で響いた一心同体の声に向け、口には出せない全力のツッコミを叫んだ。

[173 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 10:52:51]

かわいい…かわいい…

[174 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 10:59:15]

「授業料？」
「だいじょーぶ、ちゃんとお金はあるんだから！使い切れなくって困るくらいには！」
意表を突かれたようなオウム返しに力強く頷いて念を押す050。……確かに最初に手に入れてしまった一億以上の賞金は殆ど残っている上にガレーラでの給与もある、入院代として少しばかり過剰に出したとしても全く問題は無いのだが。それはそれとして色々と待ってほしい、戻ってきてくれ050。
「そんなに言うなら……な！いいだろリフター！？」
「いいでしょー！？」
「ぐ、キラキラさせるな顔と目を！眩しいな！」
どんな顔をしていると言うんだ。いや表情筋の動きで何となくは分かるが見たくない。

「ヒョウ太、おれが思うよりずっとサーカス好きだったのか……？」
ああほらパウリーがあまりの態度の違いに考え込んでいる。どう言い訳したものかと意識の奥で思考を回転させていたところで。


「さっきから騒がしいんだけど……何？」
裏で楽器を仕舞っていた、サーカスの一員にしては暗い空気を纏っている女性が近付いてくる。


「あ、遅かったねディオン〜！今小さいパトロンさん候補と話してるところ〜」
「……は？パトロン？……この子どもが？何言ってるのトラット」
まじまじと此方を見つめてくる、先程アコーディオンを奏でていた目付きの悪い女性。バッサリ切ってきそうな常識人寄りの雰囲気を感じ、一縷の望みを掛ける。

[175 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 11:00:02]

>>173

筆が早い！！キラキラお目目050かわいいね……何故生徒会長はこんな苦労性になってしまったのか

[176 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 11:18:33]

カッスン海賊団の設定はこんな感じ
名前は全てにおいて安直

サー・カッスン(男)　自己主張の激しい船長　口癖:魅力・魅了
リフター(男)　レフ板(リフレクター)　苦労性っぽい　サー呼び
コンフィ(男)　紙吹雪(コンフィティ)　目が死んでるヨ　サー呼び
ウィンド(男)　風(ウィンド)　地味男　普通の喋り　船長呼び
トラット(女)　楽器(トランペット)　ゆるふわお姉さん　船長呼び
ディオン(女)　楽器(アコーディオン)　目付きの悪いダウナー系　船長呼び

[177 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 11:46:01]

ディオンと呼ばれた女性は腰に手を当て、呆れたような様子でかぶりを振る。
「……楽しく見えるかもしれないけど。ガキの遊びじゃないよ、これは」
怒りすら込められたような声に一切臆することなく、050はにこにこと笑みを絶やさない。
「ぬっは〜〜そりゃ分かってるよ！だから、ええとパウリーさんペン持ってない？」
「あ？お、おお」
隣に手を差し出せば乗せられる、船大工故か賭博師故か、常備しているらしい鉛筆。お使いの紙の裏面にさらさらと金額を書いていく。

……おい？050？桁おかしくねェか？
「ありがと〜〜えっとね、このくらいで……どう？」
ぴら、と前に突き付けた字面を追って、ディオンは更に顔を顰めた。
「……正気？」
「正気も正気、んでもって本気！」
胸を張る050に最早慄いてさえいる彼女の肩に、やかましい船長の腕が組まれた。横から紙を覗き込んで一瞬面食らったものの、満面の喜色を浮かべている。
「なあディオン、これだけあれば治せるよな！」
「……そりゃ、そうだけど……」
「あー、怪しすぎるって？」
それまで蚊帳の外だったパウリーが話に割り込んでくる。

「大丈夫だ、こいつのことはおれが保証する。ガレーラカンパニー一番ドック職長、パウリーがな！」
「パウリーさん……！」
見慣れた顔を見上げればびし、と親指が立てられた。050は目をキラキラさせるな本格的におれの味方がいなくなったんだが。

[178 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 12:14:37]

「おれ達としてもありがたい話だ、よしリフター、ディオン！これで文句はないな？」
「……まあ、代わりの収入源になるならいいだろう」
「ん。助けられるんなら、いい」
常識人の砦は崩れ、この場の全員の意見が統一された。おれ以外の。


「カッスン海賊団船長、サー・カッスン！このおれが、お前を見習いと認めよう。よろしく頼む！」
「ガレーラカンパニー雑用係、ヒョウ太です！よろしく、師匠！」
「師匠、師匠か！いい響きだ！」


からりと笑うカッスンと050。意識の中で揺蕩うことしか出来ないおれはその眩さに頭を痛めながらも、後でしなければいけない叱り文句を考えていた。

[179 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 12:49:45]

内なるヒョウ太（ルッチ）が兄貴分してるの良い…普段は年上に自分が主導権握って生意気言って振り回し年下は揶揄って反応を愉しむ性格の悪さを発揮するが製造年齢1歳の好奇心に（ち、ちが…おれはそんなこと考えてねェ、止め）翻弄されて逃げ場ないの面白いな
050図々しさ増してきたな？その調子でいけ

[180 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 12:50:15]

………………

電伝虫の番号を交換して約束を取り決め、海賊達と別れ。想定より長くなってしまったお使いをつつがなく済ませ終わり帰宅する。
一人きり、いいや二人きりになったところでベッドの上に胡座をかいて座る。


「050。おれが怒っている理由、分かるな？」
「はい……」
ドスの効いた声で話せば、同じ口からしょげた敬語が返ってきた。

「一つ、事情があろうと海賊は海賊、あまり心を許すんじゃない。二つ、おれの制止を完全に無視するのをやめてくれ。二重人格と知られてもおかしくなかったぞ、昼間の挙動は」
「うん……」
パウリーにあの変わりようを見られたが、まァ奴は鈍感だから大丈夫だろう。他にバレたときにどうなるかが分からない為、050の存在は隠し通したいことなのだ。
「後、表に出るときは一人称は『ぼく』にしとけ」
「あれ……おれって言っちゃってた？」
「思いっきりな」


「はァ……だが決めちまったもんは仕方ねェ。おれは表に出ないからな、お前一人でやれ」
「……！いいの！？」
ぱ、と暗くなりかけていた心の端が華やぐ。……そんなに大道芸が楽しかったのか。
それもそうか、050は閉じた世界に身を置いていたクローン。娯楽なんぞに触れる機会など皆無だっただろうし、初めて見るサーカスに心を動かされてもおかしくはないだろう。

「こうなった以上はな。それに元々お前の体なんだ、おれがあれこれ口出しするのも駄目だろ。……途中で飽きても辞めるんじゃねェぞ」
「うん！ありがとう、ルッチ！」

[181 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 13:28:34]

サーカス団との話を進めましょう　誰と絡むか

1.サー・カッスン

2.リフター

3.コンフィ

4.ウィンド

5.トラット

6.ディオン

dice1d6=6 (6)

[182 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 13:49:48]

約束の日時。正規の港とは別の場所、裏手に止まった船に向かう。

ボロが出ないようにだけ気を付けろ、とだけ言い残してルッチは意識の奥に引っ込んだ。だから、会話とか全部おれがやらなくちゃいけないんだ。
ルッチと話すときは気負わなくたっていいし、この前は勢いで全部口に出せちゃってたけど、今日はそうはいかないかもしれないと気を引き締めた。

帆船の元へと歩いていけば、一人の人影が見えてくる。あちらもおれに気付いたようで、此方を認めて隈の出来た目を僅かに開いた。

「あ、ほんとに来た……」
「来ました、ディオンさん！」

[183 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 14:31:05]

踵を返して船へと乗り込むディオンさんの背中に着いていく。
「……一人で海賊船に乗り込もうなんて、ガキの癖して度胸あるなアンタ」
「ぼくは強いからね〜〜！海賊相手なんてへっちゃらなんです！」
そう言って笑えば、じとりと変な目で見られた。本当のことなのに。
船の上へ降り立つと、そこは赤に黄色にの派手な系統色で溢れかえっていた。……脳裏にこびり付いたあの色と同じなのに、とても華やかで楽しげな色。

「船長たちは今ちょっと用事。すぐ帰ってくるから座って待ってて」
そわそわとしていれば簡素な椅子へと座るよう促される。そのままに腰掛ければ、ディオンさんは向かい側へとどっかり座り込んだ。

「聞きたかったんだけど、なんでわざわざアタシたちのとこに習いに来たの。普通海賊なんて忌避するものだろ」
そんだけお金あるんならちゃんとした楽団に依頼も出来ただろうに、と。低いトーンでの当然な疑問に、顎に手を当てて考え込む。
なんでわざわざ海賊に、ね。……それは確かにそうなのだ。ルッチは海賊自体嫌いだし、おれも好ましいと思っているわけではないし。

「ン、うーん……なんでだろ？」
「は？」
首を傾げながら疑問符を返せば睨まれた。別にガン付けなくなっていいじゃないか。

「なんでなのかはわかんないけど、……凄く、きらきらしてたから」

船長の言葉を借りれば、魅了された、と言うやつなのだろう。初めて見たショーは輝いていて、眺めているだけでどきどきと鼓動が高鳴って。自分でもやりたいと思ってしまったら、ルッチに怒られるなんて考えもせずに前のめりになってしまっていた。


「ぼくはやれることはなんでも……沢山やってみたいんです」

[184 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 14:36:22]

ルッチは元の場所に帰す、これは確定事項。

おれはみんなのところに行く、これも確定事項。

おれの寿命まではあと七ヶ月、これだって揺らぐことはないだろう。

「ここで何を習いたいのかも……正直決まってないけど。それこそ皆に色々と教えてもらいたくって」

……でも、あと七ヶ月もある。だったらその間に興味のあること色々やってみたって、バチは当たらないんじゃない？

このきらきら輝く場所で、輝く人たちに、教えてもらいたいことが沢山ある。

「だから、ディオンさん。ぼくにアコーディオン教えてください！」

「……わかってるよ。でもアタシは演奏出来るだけ、教えるのは専門外だからね」

アコーディオン習得度

dice1d100=20 (20)

[185 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 14:57:44]

「今帰った！悪い、ヒョウ太もう来てる、か……って」

船長を先頭にした集団がバタバタと船へ上がってくる気配を感じ取る。彼らの心配は、刺々しい態度に困らされていないかといったところだろう。

だがそれは無用というもの。

「音鳴った！鳴ったよディオンさん！」

「ふ、あはは、そりゃ鳴るよ楽器なんだから！」

「……もう打ち解けてるネ、はっやいなあ」

……最初はピリついていたようだが、随分と平和そうだ。覗く視界から見える穏やかな光景と変な音に、おれは意識の奥で緩く口角を上げた。

ちなみにルッチのアコーディオン習得度

dice1d100=42 (42)

[186 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 15:29:53]

全員が揃ったところで話し合いの時間、だ。
貸してもらったディオンさんの予備のアコーディオンを返し、七人がけのテーブルについた。


「ま、前払いィ！？全額！？」
「しかも今持ってきちまってるのか！？」
「うん！お仲間さんが危篤っていうから、どうせだし早めにって……ダメだった？」
食ってかかられるような勢いにこて、と首を傾げる。授業料として持ってきた金額に不足はないはずだけれど。

がたりとしかめっ面が立ち上がり、足音を鳴らしながらこちらへと歩いてくる。
「ヒョウ太」
「？わっ」
両肩を掴まれた。何事。

「お前な……海賊相手に、いや海賊じゃなくても！人を信頼し過ぎていないか！？襲われる可能性とか、持ち逃げされる可能性とか考えなかったのか……？外野の私が心配になってきたぞ！？」
「あわ、わわわ、リフターさん！？」
（突き飛ばすか？）
（ルッチは物騒なのやめてね！？）
がくがく揺さぶられ言葉がブレる。振動に呼応するようにルッチが意識から浮かび上がろうとするのを止めた。


（だから言っただろう、そんな大金持ち歩くのは常識がないと）
（うう、そうかもだけど……）


「……なあ、ヒョウ太。なんでアンタはアタシらの仲間を助けようとしてくれるんだ？」
脳内で問答をしていれば、ふと真面目くさった顔のディオンさんに尋ねられる。

[187 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 15:40:32]

>ルッチに怒られるなんて考えもせずに前のめりになってしまっていた

自立への第一歩…命の輝きは尊いな、内で眺めている生徒会長の方が習得度高いの流石天才で草

ルッチと話すときは気負わないとか幼馴染とハットリと例外ぐらいだぞ050強くて好き

[188 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 16:12:12]

「なんでって……」
「この団に教えてもらいたい理由は聞いた、ならその次だ。別に金を払うのは後でもいいだろアンタ」
先程よりは険の取れた声色だが、まだ警戒の見える語調での問いかけ。
「ちょっとディオン〜……？」
「まあ、聞いてみようぜトラット」
たしなめようとしたトラットさんをウィンドさんが片手で制する。



「……なんというか、これ言ったら失礼になっちゃうかなって思ってたんだけど……ショーはすっごくよくって、でも完璧じゃないなって」
「完璧じゃない？」
ひくりと自信に満ち溢れていた船長の眉が跳ねた。機嫌を損ねてしまっただろうか。



「完璧じゃない、か。そうだ、その通りだ！」

[189 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 16:34:45]

「確かにアイツが、クラウがいなければせいぜいが70%の芸しかやれない！しかしサーカスの観客にそう言われてしまえば型なし、だな」
演説のように立ち上がっての劇がかった手振りの中で、一粒の憂いが見えた。

そのままくるりと靱やかな動作でおれの前へと跪いたカッスンさんに、両手で手をぎゅうと包まれる。
「金は有難く受け取る、一刻も早くクラウを治してもらう！」


きらきらとした、この前と同じ輝かしい笑顔が目の前に迫る。


「でもって、完璧なショーをお前の目に焼き付けてみせる！約束だ！！」

[190 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 16:52:59]

次スレ立てました

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑧【閲覧注意】｜あにまん掲示板

[191 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 16:54:21]

オリキャラ三昧パートはなるべく早めに終わらせたいところ
前回までのあらすじでざっと見返してたけど温度差がエグい　風邪引くわ

[192 ◆BtOeeshqkE 23/05/21(日) 17:04:49]

050の自我は完全に即興　目覚めさせるつもりはなかった

連載は生物って言うけどあれマジだね

これはchapter.8のイメソン　元概念スレからずっと引き摺ってるんだ…

野狗子/心華

[193 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 18:08:13]

>>192

死人の脳を吸い「正しさ」を持ち出して傲慢に嗤うのが比喩的に思い浮かべられて好き

即興で心に響くものを書いてくれてありがとう

[194 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 20:57:38]

埋め

[195 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 20:58:16]

うめめ

[196 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 20:58:57]

050もヒョウ太も可愛い

[197 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 20:59:18]

うめ

[198 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 20:59:53]

う

[199 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 21:00:09]

め

[200 二次元好きの匿名さん 23/05/21(日) 21:00:44]

うめ