- 1二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:33:47
- 2二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:35:01
- 3二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:35:45
たて乙
- 4二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:40:06
おつおつです
- 5二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:48:31
パート3おめです
- 6二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 07:53:54
この概念追うのめっちゃ好きだから続いて嬉しい
- 7二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:06:10
たて乙
- 8二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:26:07
噛めば噛むほど情動しか生まれないなこの概念
- 9二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:37:40
シズムくんが良い感じの立ち位置にいるのが個人的に好きなポイント
- 10二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 08:44:15
たておつ
衣斐恋々怪獣アンビバレンスもかわいくていい - 1111-1223/05/18(木) 09:00:20
「この世界に、恐らくもう怪獣は出現しない。我々の仕事はこれで終わりだ。じきにまた別の世界を渡ることになる」
「ゴルドバーンも連れていく。怪獣がこの世界にいるというだけで影響を及ぼす可能性があるからな」
「だから、南夢芽。お前にも選択してもらう」
「お前は極めて特殊なケースだ。この世界に何を招くか読めない、カオスの事象を引き寄せる恐れがある。だがこれまで人として問題なく生きてこられたのも事実だ。秩序か幸福か、どちらを選ぶにせよ必ず何かを失う結果になるだろう……む、なんですか2代目。女の子なんだからもっと言葉を選んで?ガウマさんとは違う?はい……」
「悔いなく選べ。この世界に留まるか、外に出るか。俺達はそれを尊重する」
「南さんは、どうしたいの?」
「んー……どうだろ。あんま考えられないや。自分のことなのに自分のことだと思えない感じ」
「あー分かる。現実感無いよね」
ナイトさんからの衝撃のタイムリミットの告知を受けて、かといって今することが変わるでもない。約束通り、蓬君と香乃の墓参りを終えて河川敷を歩く。割と人生の岐路ってやつの話を、学校帰りの駄弁りみたいに話題にして。
「世界とか、平和とか、そういうの考えるなら、ナイトさんの言う通り、私っていちゃいけないものだよね」
「……」
「少し前なら、大して迷ったりしないで2人について行ってたかもしんない。家族も学校もほっぽって、辛いことばかりの世界から」
「今は……迷ってる?」
「色々、増えちゃったんだよね。好きなものとか。ここでやりたいこととか」
「好きなもの?」
「うん。普通の学生っぽいの」
「そっか」
緊張感のない雰囲気のまま話を聞いてくれる。真剣な話だけど……真剣だからこそ、気軽に相手に吐き出せるのはありがたかった。
まあ、当の聞き手さんの頭の中はそれどころじゃないのだが。私がいなくなるかもしれないと知ってから、きっと今占めているのは二文字だけだろう。自分に向かった恋心を盗み見るなんてなんとも風情がないが、相手が悪いと諦めてもらうしかない。 - 1211-1223/05/18(木) 09:02:03
「でも……好きになったから、なおさらここにいちゃいけないって風にも、思っちゃう。街が壊れたり、人が死んだり、そういうのが私のせいで起きちゃうかもって……」
「南さん」
ああ。
来た。
「南さんが決めたことなら、それが一番だと思う。だからこれは単なる俺の身勝手なわがままなんだけど……」
「……うん」
「ダイナゼノンに乗らなくなっても、またなんか変なことが起きたとしても、俺は南さんと一緒にいたい」
「───好きです。付き合ってください」
燃え上がる炎の激しさはない、木々のように落ち着いた、誠意に満ち溢れた心。
予想の通りだ。彼の情動が膨れ、ひとつの先に送られる準備ができた時点でこうなることは分かっていた。
舌に乗る味はこれまでになく甘く、酔いしれたくなるぐらい芳醇で。これさえあれば暫くは食い扶持に困らないほど素晴らしく、時間をかけた甲斐のあった情動だと、そう締め括るに足る栄養価だった。
驚きはない。彼の好意はずっと見えて感じていた。告白の流れも言葉選びも、意外性はまったくなかった。
ならどうして───私の心臓はこんなにも早鐘を打ってるのか。
胸が苦しい。息が詰まる。鼓動で耳がおかしくなりそう。
告白をしたのは蓬君なのに、受けた私の方がドキドキしてる。蓬君は何ともないのに。心音がうるさくて何を考えてるのか読み取れない。
……ああ、いや違う。これ、蓬君の心臓の音だ。向こうも内心バクバクしてる。彼の鼓動が私に伝わって私の鼓動と重なってるから、こんなにも強く高鳴るんだ。
なにそれズルい。ひどい。ルール違反だ。私だけ好きが2倍になってるようなものじゃん。そんなの、そんなの───勝てるわけ、ないっていうのに。
- 1311-223/05/18(木) 09:03:15
「私、怪獣だよ?」
「そんなの関係ないよ」
知ってるよ。秘密がバレてからも気持ち全然変わってなかったから。
「人の気持ちを食べなくちゃ生きていけない体質なんだよ? 気持ち悪くない?」
「そんなの誰だって同じだよ」
誰かが隣にいなくちゃ人は生きてけないって、君は言うんだよね。
「いつか本当に怪獣になっちゃって、街を襲ったりするかもよ?」
「そんなこと、俺が絶対にさせない」
絶対て。それ言ってる意味、分かって言ってるのかな。
「お腹が空いてる時は……嫌じゃないなら、俺の気持ちを食べてもいいよ」
「………っ」
「その代わり、南さんの気持ちも少し分けてほしい。そうすれば俺はずっと、南さんへの気持ちを失くさないで一緒にいられるから」
殺し文句、という言葉の意味を身を以て知る。グサリと、ザックリと。鼓動の元目がけて放たれた矢に射抜かれた気分だ。
私が味わってきた恋人達も、自分が受けた時はこうだったのか。なるほどそれはつまみ食いでも幸せなはずだ。こんなのをもらったら怪獣じゃなくても満たされてしまう。
「なにそれ、餌付けみたい」
「まあ、それ。ひとりだけのご飯って、寂しいものじゃん?」
「……………うん」
こうして、他人の恋心を食べて生きていた怪獣は。
食べきれないぐらいに重くて甘い、恋に落ちた。 - 1411-223/05/18(木) 09:04:09
巻き込みぜってえ( たておつです。とりあえずかけつけ1杯。
次で本編分は最後になります。こっから前前スレの99 111 138とかに続くのかなぁなんて。 - 15二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 09:18:19
まだ終わるな(無茶振り)
情動が甘い!乙です! - 16二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 09:30:19
たて乙です
- 17二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 10:00:27
このレスは削除されています
- 18二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 10:05:36
とりあえず前スレ冒頭にもあったもののコピペをある程度追記しつつ載せます
今までの簡単なまとめ(現状主流になってる設定)
・人の恋愛感情から栄養を得る。それ以外は基本受け付けない(味を感じない)。
・↑の副産物で感情が読めるのでやや繊細。
・母親の妊娠過程でバロックパールが何らかの作用を起こした偶発的存在。怪獣形態のない完全人型怪獣。今後次第で成長の可能性あり?
・最近ユニバースによっては怪獣態を獲得。どぎついピンク色の体に四足歩行の大口を開ける怪獣?(イメージ的にはスキューラ?)
・暴走すると周囲の人間の情動を根こそぎ食い尽くしてしまう
・ユニバースによっては人間のまま腕だけが変化してしまうパターンも
・約束すっぽかしは自分への情動を高めさせる栄養補給の手段の一つ。
・蓬とは美味しい情動が得られる相手としか見てなかったが、やり取りを経て互いに思いを分かち合う異種恋愛ルートに。
・怪獣でありながら、人間として生きる道を選ぶ?
・怪獣優生思想から狙われながら、怪獣の側で彼らを否定するヒロイン(特にオニジャに狙われている?)
・「人間は皆殺しだァ!!」とするオニジャと因縁?
・インドミは天敵
・本編以上にシズムに執着されている
・最終回でのシズムとの「もう少しで無常の自由にたどり着けた云々」のやり取りに同席?
・食事の名目で本編以上に蓬とイチャイチャするが、感情がダイレクトに伝わる&インドミのコンボで本編以上にメロメロにされてる。そのせいでヨモさんがSに目覚めた。 - 19二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 10:06:59
- 20二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 13:55:59
怪獣でなくてもこんなの甘酸っぱくて御馳走様って感じだわ
- 21二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 16:38:15
- 22二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 16:56:16
- 23二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 17:01:43
- 24二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 17:22:48
ユニバースによっては告白前に暴走してしまって蓬くんの恋心を全て食いつくしてしまって『無』にしてしまった夢芽さんがいそう
- 25二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 17:44:32
誰か今まで出た怪獣形態の案まとめてくださる方いませんか…(他力本願)
発想がないのでとりあえず聞くだけ聞いて自分用に描きたいんですけどなにせレスが多いので… - 26二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 18:02:33
その他主要なキャラ紹介
・麻中蓬
夢芽のヒーロー。インドミがクリティカルのキー能力に。
異種恋愛要素が追加されて関係は原作より甘々になるが、その分バッドビターのバリエーションが増えた。頑張れ。
インドミプレイ(隠語)で言葉責めするSに目覚めたのがなぜか共通認識と化してる。
・シズム
夢芽が怪獣となったことで原作より積極的に絡んでくる。ライバル、ラスボス属性強め。さしずめ闇堕ち仕掛け人。
夢芽の末路、対比存在としての描写が多く、ある意味で人間味が増してる。ユニバースのカオス状態では夢芽と情動集めするハジけたシズム君もいるかもしれない。 - 27二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 18:13:36
とりあえず自分も遡れた範囲だから不備あるかもだけど、大雑把なものでは
・恋愛関係の怪獣だから体色はショッキンピンク。
・食べる怪獣なのでマッドオリジンみたいにガバッと開く口
・人と関わるのが苦手だから機敏に動かないペッタリとした四つ足
・ウルトラ怪獣のスキューラをピンク色にしたみたいな
前スレの169あたりで別の人がSSとして書いたものでは、
・基本フォルムはワニに近い
・目は細くて焦点が合っておらず物が見づらい。足は指が赤い糸のようなもので縛られて開けなくなっており歩きにくい
・体の前半分が割けたような大きな口
・頭にある角からカオスブリンガーを放出し、粒子を吸った人間の情動を魂のように体外へ排出させる → それを数百人単位で巻き上げて巨大なモヤのようにして集め、わたあめでも食べるようにいただく
みたいな感じかな。意外と怪獣形態自体に関しては話されてないね
- 28二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 18:25:34
ありがとうございます!
- 29二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 19:38:17
- 30二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 19:53:26
- 31二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 19:58:39
- 32二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 20:11:43
- 33二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 21:16:49
あれは怪獣アンチの対グリッドマン能力の応用的なもので夢芽が同じことするとしてもガギュラが優生思想取り込んで第二形態になったみたいなあくまで「怪獣」なのは変わらないままのパワーアップぐらいじゃないかな
形態変化案自体はいいと思うよ
- 34二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 21:19:22
このレスは削除されています
- 35二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 21:21:23
25の人じゃないけど、こんな感じの描きました
- 36二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 21:23:01
- 37二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 21:29:32
画像はしばらく置いたら反映されたりするぞ
- 38二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 22:26:43
うーんどうやら貼れてないみたい
また貼り直した方がいいんじゃないかな - 39二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 22:41:16
- 40二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 22:43:10
>>39 貼れた!_(:3 」∠)_
- 41二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 22:50:53
おー!異形感がすごいけどどこか神秘的で素晴らしい!
- 42二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 22:54:19
最初のスレで怪獣モードこうだといいなって書いたけどこんな素晴らしい形になるとは思わなかった
- 43二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 22:55:59
ガマクジラやグビラをSSSS.系列にリファインした感じあって大好き
- 44二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:07:30
- 45二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:13:13
- 46二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:17:04
クジラを連想させるような重い蓋を開けた時みたいなの鈍く太く周りに響くような鳴き声までは勝手に脳内で流したけど、加工前はなんて言ってるんだろう…最終回後ならよもぎー!、本編時間中ならかのー!とかおねえちゃーん!とかかな……
- 47二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:42:49
暴走するこの怪獣をなんとか止めようと背中に飛びかかって説得の言葉を投げ掛けるか、進撃を止めようと口のあたりを手で抑えて立ちはだかるダイナソルジャー……ありやね
- 48二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:44:36
おお素晴らしぃ……実際にテレビに出てきそうな怪獣デザインだ
- 49二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:46:22
頭にある輪は放出中のカオスブリンガーて認識でいいの?
それとも天使の輪っか的なヤツ? - 50二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:54:28
- 51二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:57:55
- 52二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 00:31:33
了解です。
すいませんあの、同じものを出すのはルールで禁止かとも思いましたが、こんな素晴らしいのを見せられると前スレのを一部書き直したくなりました。
一部書き直して再投稿です。
依々恋々怪獣アンビバレンス一瞬だった。今日まで蓬たちが守ってきた街が、一瞬にして崩壊していた。
三十分ほど前に出現した、たった一体の怪獣によって。
「……マジすか、これ」
隣にいる少女、ちせが呟く。目の前の出来事に、もはや笑うしかないというような表情だった。
……夢に決まってる、と笑いたくなっているのは蓬も同じだった。
……だって、予測できるだろうか?
今日までガウマ隊の仲間として共に戦い、共に姉の真相を追い、共に不自由な日常を過ごし、そしてついさっきまでも共に歩いていた少女───南夢芽が、突然『怪獣』になってしまうだなんて。
「一体……なにがどうなってやがんだ!?なんでこんな……!」
ガウマが崩壊した街を見渡して叫ぶ。
……いや、『崩壊した』という言い方は語弊があるかもしれない。
街は、家は、ビルは。それらは全く破壊されておらず、むしろ数分前と同じ形を保っていた。
ただ一つ、その周りにいた人々を除いて。
「……まるでミイラですよ、これ」
近くの道路にいた通行人をドアでもノックするように小突きながら暦が言う。仮にも知らないニートに突然肩を小突かれたというのに、その通行人は何の反応も示していなかった。
……いや、通行…telegra.ph - 53二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 04:59:38
>>18 途中からこのスレ追ってきたから助かる
- 54二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 06:34:03
- 55二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 07:07:14
暴走ルートだと致命的な被害出しちゃって怪獣としての自分を肯定できなくなってガギュラ相手に怪獣はこの世界には一匹もいらないって相討ちになって死のうとする夢芽とかもありそう
もちろん最終的にはみんなでバトルゴー - 56二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 07:20:00
フィクサービームないのが痛すぎる
- 57二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 11:49:20
成長してダイナソルジャーと合体できる怪獣形態にならんかな。劇場版限定とかで
- 58二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 12:50:54
- 59二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 12:54:56
>>13の話も最終局面に差し掛かってきてるし、まさかここに来て大フィーバーを起こすとは。
盛り上がってまいりました
- 60二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 12:56:45
よもゆめインドミ精神接続のあれこれはこっちにもちょっとしたSSがあるので良ければどうぞ
【閲覧注意】ここだけ蓬のインドミが夢芽にも効いた世界線|あにまん掲示板絶対やらなさそうだけどそれはそれとして擬似催眠プレイみたいなことやってるよもゆめがいたらエロいなって…bbs.animanch.com - 61二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:06:34
>>52、および前スレの夢芽視点の暴走怪獣の続き的なのを衝動的な情動で書いたので投げます。
暴走して怪獣になった夢芽さんをなんとか抑えて、夢芽さんが怪獣から人間に戻った直後の話です。今さらだけど新スレなったなら、テレグラフにする必要ないわね。
「……なみさんっ!南さんっ!!待ってっ……待ってっ!!」
フジヨキ台への通学路にもなっている河川敷。
そこを足早に去ろうとしていた『南夢芽』の背中に、少年の声がかかった。
ゆっくりと振り替えると……やはりそこにいたのは、青色の髪に琥珀色の瞳の少年……麻中蓬だった。必死に走ってきたのだろうか、額には汗を浮かべ肩で息をしている。
「南さん……どこに、行くつもりなの?」
「……どこだっていいじゃん」
事前に予測した通りの質問に、夢芽は素っ気なく答えた。
「……あっちの方でガウマ隊が……ちせちゃんや暦さん、ガウマさんも───まぁあの人は今ナイトさんとちょっと揉めてるけど……けど、皆南さんを待ってるから。早く……」
「あんなことして。あんなことにって。私が戻れると思うの?」
吐き捨てるような言葉に、蓬の息が詰まる。……まるで、まだ出会って間もない頃のような冷たさだった。
「空腹に負けて、暴走して。『南夢芽』じゃなくなって。ニンゲンの生活を脅かした、私が」
「それは……」
さっきまでのこと。
(シズム曰く)『依々恋々怪獣アンビバレンス』として覚醒した夢芽によって、この街は一度崩壊しかけた。
ビルが壊れるわけでも、人が死ぬわけでもなく、『人間全員が「感情」を食い尽くされてミイラのようになる』という形で。
混乱しながらも、ガウマ隊はなんとかこの怪獣に立ち向かった。
- 62二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:07:52
『ダイナゼノンでは手加減がしにくい』という理由でバラで挑むことになってしまったが(ウイングはちせが代打で搭乗)、幸いにもアンビバレンス自身の戦闘力は低く……というか戦闘そのものが不得手だったようで、オニジャらの野次を受けながらも、なんとか暴走を止めることはできた。
戦闘中に蓬が何度も呼び掛けたのも功を奏したのかもしれない。
ある程度戦ったところで、アンビバレンスは急に正気を取り戻したように目の焦点を合わせ、街を見下ろした。……すると、悲鳴のような声を上げながら急速に縮小していったのだ。
皆が呆気に取られる中、蓬だけが怪獣が縮小しきった後に現場から離れていく『南夢芽』を見つけ───こうして追いかけてきたということである。
「あのとき南さんが食べた情動は……怪獣から戻るときに、南さん自身がモヤとして吐き出してたよ。モヤはしばらく空を漂ってたけど……たぶん、元の人のとこに戻っていった」
周囲を見渡すと、一時停止してた映像を再生し直したように、人々の話し声が聞こえるのがわかった。
車や動物だって、先程までと同じように動いている。
「街は破壊しなかったし、盗ったものもちゃんと返したし……誰も死ななかった。だから……南さんが気にすることなんてない。次、同じことが起きないように気をつければ」
「だけど、私がやったことは変わらないよ」
続けかけた蓬の言葉を、夢芽が遮った。
……いつの間にか、彼女は再び蓬に背を向けていた。 - 63二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:10:19
……いつの間にか、彼女は再び蓬に背を向けていた。
「街の人たちの情動を残さず食い尽くそうとした。……そうなる前に蓬くたちが止めてくれたけど、もう少し遅かったら私は……あの粒子を、フジヨキ台全域に放とうとしていたんだよ。……ていうか、あの粒子もすごく綺麗に見えてたし。……一歩間違えれば、蓬くんたちまで『ミイラ』にするところだった」
粒子……あの人々から情動を巻き上げていた、カオスブリンガー。あれがフジヨキ台全域に放たれていたと考えると───
「私、自分のことをどこかで特別扱いしてたみたい。他の、今まで私たちが戦ってきたような、ただ暴れて、『人の営み』を壊すような怪獣たちとは違うって。私には理性があって、ちゃんとニンゲンに合わせて生きられるって、思ってた。でも実際は……あんなザマだった。私も、あの怪獣たちと何も変わらない」
「いやっ……変わるよ!」
蓬は珍しく叫ぶ。
……今、『南夢芽』と会話をやめてはいけない。そう、本能で理解していた。
「そもそも今までの怪獣だって、怪獣優勢思想に操られていただけだったんだからっ。上手くやれば、人間と怪獣が共に生きることだって」
「私は操られてもいないのに、ニンゲンの生活を脅かしたよ」
夢芽は、露悪的に肩をすくめてみせた。今までの彼女では、見られなかった動きだ。
「それは……」
「食欲に負けて、暴走して。皆の情動を食らった。……余計に悪い怪獣じゃん、それ」
「……お腹が空くのは、生き物として当然だよ。これから、やり方を考えれば……」
「こんな『怪獣』の私に、誰が協力してくれるっていうの。あの色を塗る怪獣だって、結局は倒されたのに」
息が詰まった。
断腸の思いだったとはいえ、あの怪獣を他ならぬ自らの手で焼き払った蓬には、辛い言葉だった。
「……もういいんだよ、蓬くん」
さすがに少し罪悪感が湧いたか、夢芽は声をほんの少し柔らかくした。 - 64二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:11:09
「今回のことでわかったよ。やっぱり私は、どうかしてたんだ。子供の頃からずっと。所詮、『怪獣』がニンゲンの中で過ごすなんて、無理だったんだ。種族が違うから」
言い終えると、夢芽は背を向けて再び歩いていく。
「待って……待ってっ!南さん!」
尚も蓬が食い下がろうとしたとき────夢芽はゆっくりと振り返った。
光の加減だったからかもしれない。
その時の夢芽の瞳は……どこか潤んでいるように見えた。
「蓬くんには、関係ないことだよ」
その言葉を言われた瞬間。
蓬の足は石像のように固まってしまった。
追いかけなきゃいけないのに。何故か足が動かない。動こうとしない。
まるで『追いかけようとする感情』を食べられてしまったように、蓬はその場に立ち尽くしていた。
「……さようなら」
夢芽が歩き去るのを、蓬は見ていることしかできなかった。 - 65二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:16:22
思った以上に長くなったし誤字がちらほらと……!
申し訳ない……!やっぱ大人しくテレグラフにしとくべきだったか…… - 66二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:26:21
文字数と行数で3レスより膨らみそうだったらtelegraphがいいかも?
なんにせよss書く人が複数人いて非常に楽しい - 67二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 16:29:41
下書き段階では3レスで収まるはずやったんや……本当に申し訳ないガギュラに食われてきます
- 68二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 19:52:58
- 69二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 21:50:49
本編以上に甘々だけどこのよもゆめは本編以上に綱渡りなとこあるな
- 70二次元好きの匿名さん23/05/19(金) 23:31:47
- 71二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 01:57:22
- 72二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 02:11:50
>>50 他作品からだけど、こんな場面が近いかな。
- 73二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 02:50:55
私の出自や体質について、改めて向き合ってから少し経った後。情動目当てで近づいた事を改めて謝った時、蓬君はこれからも食べてくれて構わないと言ってくれた。
「南さんの助けになれるなら、俺も嬉しいから」
そんな事を微笑みながら言われて、断る事なんてできなくて。諸々の事情を知った上で、改めて私の"食事"に付き合ってもらう事になった。
今日は、その最初の日。人が来ない空き教室で、向かい合いながら椅子に座る。
「えーと……俺は、一体どうしたら良いんでしょうか」
「近くにいてくれるだけで良い、けど……ちょっと、手、出してくれる?」
「あ、はい……」
何だかちょっぴり緊張した様な顔の蓬君が、おずおずと右手を差し出してくる。私は私で、事情を知った上で許可を出されて"食べる"なんて事は初めてで、蓬君の緊張が伝染したみたいになっている。
「え、と。それじゃあ……いただき、ます」
「ん……めしあがれ……で良いのかな……」
一言断ってから、蓬君の右手をきゅっと握って、目を閉じる。情動を得る時の私を言葉にするなら、陽だまりの様な優しい温度と感触に身体が包まれるというか、そんな表現になるだろうか。心の中がじんわりと温められるにつれて、空腹感がすーっと薄れて消えていく。
そして、口の中に広がる味。今まで味わって来たどんな人よりも、強く感じる味。幼い頃、両親や香乃から受け取っていた愛情とはまた違った形の、"幸せな味"。
私に向けられる、恋の味。
「…………………」
蓬君はもう知っている。私が好んで"食べる"情動が、恋愛感情だって事も。私が、他人が誰かに向ける好意を認識できるって事も。
蓬君が私の事をどう思ってるのかを、私が知っている事も。
蓬君の想いが筒抜けになってしまう私も、筒抜けなのがわかっている蓬君も。お互いにその事には触れない。自然とそうなっていた。多分、2人ともわかっていたからだと思う。
いつか"その時"が来る、って事を。今はまだ、わざと曖昧にしたままの関係性に、しっかりとした名前をつける時が。 - 74二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 02:51:49
ゆっくりと目を開けて、握っていた蓬君の手を離した。
「ん……なんと言うか……お腹いっぱいになった?で、いいのかな?」
「うん。満足した」
「そっか。……ただ座って手握られてただけで、何にもしてないや、俺」
「ううん、そんな事ないよ」
胸の中と、お腹の中と、口の中に感じる余韻に心が暖かくなる。これは間違いなく、蓬君がくれたもので。
本当に久しぶりな、幸福感と満腹感。思わず顔も綻んでしまうくらい、満足させてくれた。少し前までじゃ考えられないくらい、幸せな気分にしてくれた。心の底から、嬉しかった。
「────本当にありがとう、蓬君。ごちそうさま」
その事への、感謝を込めて。しっかりと、心からの、お礼を言った。
「──────っ」
「…………ぁ、れ……?」
突然、どんっと、大きな何かがぶつかって来た様な感覚になった。ついさっきまで感じていた情動を得る時のそれだけど、強さと言うか、勢いという、量と大きさが全然違った。
「……………??」
目を白黒させながら、いきなり出て来た情動をしっかりと受け止めて咀嚼する。
私が情動を"食べる"時は、胸焼けや食べ過ぎみたいな事は特に起こったりはしないから、いきなり大量に来ても問題はない。
けれど、いきなり来た感覚の理由がわからなくて、少し戸惑う。空き教室には私達だけだから、必然的に、これは蓬君のものだけど……
「………………その顔は、ズルじゃん……」
発生源?と思われる蓬君を見ると、何やらぼそぼそと呟きながら、顔を赤くしてそっぽを向いていた。
- 75二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 02:53:47
頭の中にハテナマークを浮かべながら、考えてみる。
人が生み出す情動はいつも一定とかじゃなく、むしろ変動し続ける。当然、私が感じる情動も、その時その時で、量だったり、質だったり、感じ方だったりが、常に違う。その人の感情が昂ったりすると、感じる情動がいきなりどんっ、と大きくなる事もよくある事で。口に感じる味から言って、これはさっきまでと同じ様な蓬君の感情なのは間違いない。
まとめると。さっきの感覚はどうやら、蓬君の恋心がもの凄く膨らんだって事で────
「……………」
…………え、待って。つまり蓬君が今めっちゃときめいたとかそういう事?顔真っ赤にして目閉じてそっぽ向いてるのってそういう事?もしかしてさっき私がお礼言った時の私の反応見て可愛いとか思ったって事?
「……ぅ、ゎ……」
待って、それ、気付いたら気付いたでめっちゃ恥ずかしいんだけど。蓬君私の事を好きすぎでしょ。ってかさっきの私蓬君から見てどんな風だったの。何これ。こんなん羞恥責めじゃん。
「う、ぅ、ぅぅぅ…………」
頭から湯気が出てる。気がする。なんだこれ。なんだこれ。恥ずかしくてたまらない。けど身体は馬鹿正直にごちそうさまと言わんばかりに満足みたいな反応返してくるし、そんな自分が余計に恥ずかしい。思わず両手で顔を覆う。手のひらが冷たく感じるくらい、顔面が熱くなっていた。
「なんか、ほんと……スイマセン……」
「謝んないでよぉ……!」
なんかもう凄い空気になった部屋の中で、恥ずかしそうに謝ってくる蓬君に、力なく八つ当たりするしか出来なくなった。
- 76二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 03:06:05
まだ告白する前の時期のよもゆめ食事回でした
余裕綽々なスパダリに進化する前の蓬君は相応に弱いけど、依々恋々怪獣さんはこの時点の蓬君相手でも引き分けにしかならないくらい弱そう(偏見) - 77二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 05:28:13
良いよね、人外との恋愛
- 78二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 07:02:12
怪獣としての特性を活かした甘酸っぱいイチャコラで素晴らしい
- 7912.23/05/20(土) 09:29:41
「人の気持ちを食べるってことはさ、その人がどんなことを思ってるのが分かるってのでもあるんだよね」
「うん……うん?」
「全部が全部言葉で分かるわけじゃないけど、誰が好きとか嫌いとか、そういうのは見ただけですぐ分かっちゃう」
「……」
「なので、まあ、知ってると思うけど。蓬君の気持ちはさ、知ってた。ずっと」
「…………この際聞いちゃうけど、どれくらいからそうだった?」
「ダイナゼノンで戦い始めるようになってからすぐ。何なら最初に約束した時から少しあったかも」
「……」
「プールで水着着た時とか」
「……あー」
「花火で浴衣着た時とか」
「……あーー」
「ゴルドバーンから助けようとしたのなんか、けっこう凄かったよ」
「すいませんそれ以上は勘弁してください」
「なんで謝んの。悪いのは勝手に見ちゃった私じゃん?」
「いや、なんか……随分と待たせてしまったみたいで……」
「ああ……ううん。むしろよかったよ、時間があって。もっと早く伝えられたら、蓬君の気持ちは嬉しくても、私は何も返せなかったと思う。最近になって、人を好きになるのがどんななのか……私なりに分かるようになったし」
「……」
「まあ、こんな面倒くさい私だけど……返事、聞きたい?」
「そりゃもちろん」
「答え、もう分かっちゃってんじゃないの?何度も私と繋がったんなら」
「もし合ってても、俺は南さんの口から答えが聞きたい」
「ん……じゃあ。─────────────」
- 8012.23/05/20(土) 09:31:40
世界を守る戦いが終わっても、変わり映えしない日常は続いていく。授業とか学祭の準備とか、決められたイベントは少しも待ったりしてくれずやってくる。
退屈で面倒で億劫になる、憂鬱な日々。私が選んだ不自由な人生。
けれど同じばかりが日常じゃない。多少、私や私の周りで変わったこともあった。
最近、家で食べるごはんに昔と同じ味が出てきた。
時期的に、墓参りに行ってからだと思う。元々蟠りの原因は香乃に関するパパとママの諍いだったので、私が間に割って入れば解決する程度の問題だったらしい。香乃の死以来止まっていた家族の時間が、また動き始めている。こんな簡単なことでいいんだと少し拍子抜けしたと共に、一歩進む難しさも実感した。
周りからは意外だと言われたが、学校で異性の告白や交際について話を聞く機会が増えた。いわゆる恋愛相談というやつだ。
クラスと馴染むよう打診されて一度だけ、クラスメイトの女子が気になる相手に悶々としてるのを見てそれとなく声をかけたのだ。相手の方を見るとなんと両思い、じれったいので適当にいけると背中を押してくっつけた。それが人づてに伝わり尾鰭がついて評判になってしまい、今や週に一度は何らかの案件が舞い込む始末だ。月一のペースでわが校には学生カップルが生まれている。このまま生徒全員カレカノ持ちにするのが密かな野望だ。
「おやつはいくらあってもいいからね」
「うーん完全に自分の都合」
失礼な。ウィンウィンと言って欲しい。みんなと合わせてほしいと頼んだのはそっちなのに。
……お互いにお互いを思ってるのに、伝えないせいで別れる関係なんて、私の周りで見たくないし。
そしてこれが一番大きな変化。
今並べた出来事が前座の些事に思えてくるぐらいの大事件。
怪獣少女こと南夢芽、このたび人間の彼氏をゲットしました。 - 8112.23/05/20(土) 09:33:17
「怪獣はどこまでも自由であるべきだよ。南さん、君もね」
「それ、シズム君が言うの?私の事を掴んで縛ろうとした」
「……」
「そもそも自由なんて、始めから私にはないよ。生まれてきて、生きてって、あの人達が願ってくれたから私はここにいる。生まれた時から色んなものに支えられて、私は生きてきたんだ」
「その縛りさえも君なら断ち切れる。それが怪獣だ。願うことの全てを君は叶えられるようになる」
「私を縛ってくれる思いが、掴んでくれる手が……私は好き。
無常の自由なんて、私には無くていいんだよ。あの手に掴まれて、逆に掴んで。私はそうやって、縛られていたい。大好きな人の隣に、縛られていたい」
「人間と怪獣は寄り添えない。また大切な人を失ってしまう未来がいつか来る……そうなっても君は、今の選択を後悔しないって言い切れるの?」
「シズム君さ、私のこと神様とか思ってる?そんな先のこと分かるわけないじゃん」
「……」
「分からないし、怖くても、これが私の願いだよ。私に寄り添ってくれる、かけがえのない不自由と一緒に────私は、人間として生きていくんだ」
- 8212.23/05/20(土) 09:34:53
「───め。夢芽?」
微睡みから目が醒める。別棟に続く通路の隅でしゃがんでいた私を探しに来てくれた、彼の声。
「ひょっとして……どっか具合悪い?」
「そういうんじゃないけど……やっぱ行きたくない」
「まあ分かるけど……そこはもうちょい頑張ろ。最近はけっこう周りと話せるようになってたじゃん」
それとこれとは話が別なのだ。恋バナができるからってそのままスムーズに雑談に花を咲かせられるほど私は社交的じゃない。体調はいいけど、いきなり向こうから関わってくる機会が増えて疲労があるのは本当だ。
「じゃあ、連れてって」
「ん───はい」
間を置かず差し出された手を掴む。消えない傷痕。私達の時間が確かにあった証がそこには見える。
「ほら。みんな待ってるから行くよ───夢芽」
最後の声だけ、若干上擦ってた。後ろから見える耳裏がほんのり赤い。付き合って少ししてから名前で呼ぶようになったのに、まだ恥ずかしいんだろうか。
……私は知っている。私を支えられる、少しでも頼られる自分でいたいからという理由で見栄を張っているのを。
全部バレてるのにおくびにも出さない風に装ってるのが実におかしい。男の子ってみんなこうなのかな。格好つける必要なんてないのに。もう十分……なんだし。
「よもぎっ」
知ってか知らずか意地を張ってるのが可愛くて、可愛さ余ってしまって、私の手を引く背中に飛びついてみた。 - 8312.23/05/20(土) 09:38:04
「ちょ、みな、夢芽……!」
「このまま連れてって」
一瞬呼び方がブレた。やっぱりまだ慣れてないらしい。あんなに私しか目に入ってなかったくせに奥手が過ぎる。ああ、ここはやっぱり恥ずかしいぐらい私から攻めてあげなきゃね。
「ウイングコンバイーン」
「ちょっと、流石にこれは恥ずいって……」
「がんばれーダイナソルジャー」
「ああもう……階段までだからね?」
やがてやれやれと観念して蓬は足を抱えて歩き出して、私は首筋に両手を回して頭を埋める。甘く安心させてくれる匂い、私を落とした恋の感情(あじ)。
私が欲しかったのは自由でもなんでもない、この温もりだったんだ。この先どんな事があったって、繋いだ心が離れることはないだろう。
傷ついても立ち上がったからこそ、星のように輝く魂(いのち)がある。怪獣だって人間に恋い焦がれる。
ありきたりで、ありふれて、退屈も憂鬱も無縁のかけがえのない不自由を、私達は笑いながら進んでいった。
「今度は私が、蓬のこと抱えてあげるから」
「いやそれは無理っしょ」
「できるよたぶん。怪獣だもん私」
「またそうやって都合よく使い分ける……」
誰かの夢は醒めてそのまま、またこれからが始まる。
私は今日も、恋(アナタ)に生かされている。
FIN. - 8412.23/05/20(土) 09:40:43
- 85二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 09:47:47
おつ
- 86二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 09:54:14
超ウルトラハッピーエンドのグランドフィナーレやんけ!!長い間乙です!!
- 87二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 09:55:26
- 88二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 16:01:22
完結保守
- 89二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 16:17:12
マジでお疲れ様です。良き情動でした
- 90二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 16:22:29
しかし種類の違うssが3個も来るなんて、夢芽さんの元々のポテンシャルの高さゆえか、みんなよっぽど情動を刺激されたのか
- 91二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 16:40:39
- 92二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 18:51:27
- 93二次元好きの匿名さん23/05/20(土) 20:50:37
いつもの情動も美味しいんだけど、久しく味わっていない懐かしのあの味なわけだな
- 94二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 00:57:27
この設定の夢芽さん、文化祭でダイナゼノンの作りこみのために密着してるついでに蓬から情動食べさせてもらってた説があるな
- 95二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 04:43:00
- 96二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 09:01:43
いい情動だ…
- 97二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 13:49:45
蓬と晴れて恋人同士になれて。蓬が名前呼びにもようやく慣れて来たくらいの頃。
「どう?美味しい?」
「う、うんっ。すっごく」
「本当?良かったわぁ」
ある日から、ママの作ってくれる料理が、とても美味しく感じる様になった。
情動を食べる私にとって、心を込めて作られた料理か、作ってくれた人の私に対する想いがないと、食卓でお腹を満たすことができなかった。
以前はお互い心の距離が離れていたのもあって、碌に味わう事ができなかった。香乃の事に向き合うことができてからは、家族でちゃんと話をしたりして、南家は元の穏やかな家庭に戻って。ママの料理もまた、昔と同じ様に味を感じながら食べられる様になって来ていたけれど。
そんな折、唐突に味わいとお腹の膨れ方が変わって、私としては目が白黒する思いだった。
一体何があったんだろう、前までは全然……なんて事を口に出したくはなかったから黙っていたけれど、どうやら顔に出ていたのか、ママはくすっと笑いながら教えてくれた。
「この前、蓬くんが来てくれた時にね────」
「ねえ蓬」
「うん?」
「ママになんか言ったでしょ」
「え?えーと……夢芽の母ちゃんとは色んな話をしたけど……どれの事でしょうか……?」 - 98二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 13:52:42
『共感覚、って現象があるらしいんです。文字とか言葉を見ると色がついてる様に感じたり、辛いものを食べるとトゲトゲしたものを持ってる感覚がするとか……他にも色々あるんですが、とにかくそういう特殊な感覚を持ってる人がいるとか』
『夢芽も多分、それと似た様なのを持ってて。人の笑顔とかを見ると味がする、って言うのか……想いがこもってると、美味しいって感じるらしいです』
『何を偉そうな事を、って思われてしまうかも知れないんですけど……』
『もし良かったら、夢芽に、心を込めて作った料理を、夢の事を想いながら食べさせてあげて下さい。あと、頭とか撫でたりするといいかも知れないです』
そんな事を、蓬は伝えていたらしい。
半分は、嘘だ。共感覚なんてものじゃなく、私は人の想いを得て生きる怪獣というだけ。多分、大真面目に怪獣の話をするより信じてもらいやすいと考えて、私の体質を実在する似た事例に置き換えて話した、そんな嘘。
けど、もう半分、きっと蓬が本当に伝えたかった部分は真実だった。ママが、心を、愛情を込めて作ってくれた料理。それと、私の事を心の底から思ってくれてる、そんな情動。それさえあれば、私は"美味しい"と感じられる。
どっちも泣きたくなるくらい嬉しくて、懐かしくて、優しい味がした。久しぶりに。本当に、久しぶりに。私は笑顔で、心の底から、"ごちそうさま"を言う事ができた。
「へー。しらばっくれてるな、このー」
「え、ちょ、マジでなんの事なの」
本当に思いつかないという顔の蓬の脇腹をツンツンとつつく。ほんと、貰ってばっかだ。普段私にくれる情動だけじゃなくて。香乃の事も、ママの事も。蓬は関わってくれて、前を向く勇気をくれて、寄り添って、救ってくれた。本当に、ヒーローみたいだ。
「んっ」
「……………っ!」
不意打ち気味に、蓬の唇を奪う。数秒だけ口を触れ合わせて、そっと離れる。少し赤くなった蓬の顔が可愛らしくて、クスッと笑いが漏れてしまう。
「ね、蓬。大好きだよ」
改めて、想いを告げて。その内心で、小さな決意を固める。
これからは、私からも。蓬に負けないくらい、沢山のものをあげよう。まずは、私の心の中で溢れてる想いから、いっぱいいっぱい注いでやって。私を、私達を幸せにしてくれた分、負けないくらい幸せにしてやるんだ。
「ほら、行こっ!」
蓬の手を取って、また歩き出した。 - 99二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 13:54:29
おまけ
「本当、娘の恋人に教えられちゃうなんて、ダメな母親ね」
「そんな事ないっ」
「…………そうね。ありがとう、夢芽。それにしても蓬君、本当にいい男の子ね。年齢以上にしっかりしてるし、気配りも上手、それに良くバイトもしてるんでしょう?」
「ふふん、でしょでしょ?」
「…………ちなみに蓬君とはどこまでいったの?」
「ぶふっ!?」
「あ、それにまだ馴れ初めや付き合う事になった経緯とか聞いてなかったわね。他にも色々教えて欲しい事もあるし……夢芽、親子で恋バナしましょうか」
「え」
「考えてみれば夢芽の初恋なのよね……何だか楽しくやって来ちゃった」
「あの、ママ、ちょっと落ち着いて」
「さあ、ママに洗いざらい話して貰うわよー?」
「え?え?え?」
「…………どうしたの、夢芽」
「あの浮かれポンチ絶対許さない……」
「本当にどうしたの夢芽」
「っていうか4割くらい蓬のせいだからね」
「何の話!?」 - 100二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 14:43:36
浮かれポンチは血筋だったか…
- 101二次元好きの匿名さん23/05/21(日) 21:20:51
完結お疲れ様でした。おまけもありがとうございます。
- 102二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 00:18:35
いやぁ、凄い発明だったね怪獣夢芽
- 103二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 02:06:28
怪獣少女夢芽、ユニバースだと消えずに残ったりするんだろうか
- 104二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 03:50:19
勢いで描いた怪獣が好評でめちゃくちゃ嬉しかったです。ありがとうございました!
- 105二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 07:54:12
いい…
- 106二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 10:43:21
ノワールドグマ襲来時になんやかやで夢芽が残留してた場合:怪獣形態になった夢芽を蓬がインドミで操縦(共振)して血路を開く。
原作通りの場合:「インドミしたんだ……私以外の怪獣(おんな)と……」 - 107二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 12:38:04
ああ……あの本編再構築夢を芽さんが終わってしまって……若干の生きる糧が……
- 108二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 15:58:41
ガギュラ戦で夢芽怪獣体に蓬が入ったよもゆめ怪獣になって最後の決戦……みたいなルートも欲しい
蓬が入って形態が変化して、ガギュラみたいな人型に近い龍みたいな体躯でダイナソルジャーウイングコンバインよろしく翼が生えてるみたいな - 109二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 16:29:50
亜麻色と青色のでかいウイングコンバインみたいな感じも良いと思う…
- 110二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 17:20:00
- 111二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 19:26:37
このレスは削除されています
- 112二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 21:07:19
いや、夢芽を蓬がインドミして怪獣形態になるときにウイングコンバイン状態を模した怪獣になってもエモいかなって
- 113二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 00:03:04
保守
- 114二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 01:43:22
このレスは削除されています
- 115二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 08:55:59
夜用に保守
- 116二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 11:52:12
part2でちょろっと出てた体の一部が人外化して泣きそうになりながら蓬に「見ないで」って言う夢芽がめっちゃ性癖
- 117二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 13:12:33
エモい…
- 118二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 17:17:59
だいぶ理解出来てますよね?
- 119二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 17:30:30
実際そういうことするってなったら怪獣少女夢芽はもうあっぷあっぷしてそう
深めのキスするだけでよわよわになるユニバースもあるくらいだし - 120二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 17:45:27
- 121二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 18:09:32
こんないかにとサキュバスな見た目と言動をしてるが実際はインドミプレイでヒイヒイ言わしてくる蓬君の方が淫魔っぽいのでは……?
- 122二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 21:04:55
「インドミしたんだ、私以外の怪獣(おんな)と……」
「いや性別あったかは知らないよ?」
「揚げ足取りしないで」
自室に招いた彼女に壁際に追いやられて詰め寄られる。傍から見れば羨まくも見えるシチュエーションだが当人、つまりは俺にとっては甚だ微笑ましくできる状況ではない。顔が近くていい匂いがするなあ、起こってる顔も可愛いなあなんて軽く現実逃避に走る他ない。あ、ちょっと顔赤くした。このまま褒めちぎれば静まってくれるだろうか。
「……しないから。今日という今日ははっきりさせるんだから」
魂胆も筒抜けだった。細かい思考までは読めない話だったのにあっさりバレてしまうとは。日頃の行いのせいと言われれば、まあ、思い当たる節もちらほらと。
「私以外にそれ使うのやめてって、ちゃんと言ったよね?」
「……悪いと思ってるよ。本当に、使いたくなかったんだ。でも仕方ないだろ。言い訳がましいって思われても、あれ以外みんなを助けられる方法なんてなかったんだ」
ここで食い下がっても余計にこじれてしまうだけだ。素直に非を認めるが弁明はさせてほしい。
インスタンス・ドミネーション、怪獣使いの力を使ったことに後悔はない。裕太達を守り、グリッドマンを救い出すのに他の選択肢はなかったと今でも思う。危険な怪獣と繋がり心と体を変えてしまう危険性、夢芽以外の怪獣に使ったりしない約束を破ることの負い目は当然あったが、あそこで全部を終わらせてしまうよりはマシな判断だ。夢芽からの怒りは覚悟してたし、自分に降りかかる負担につい後で考えればいいと腹を決めていた。
「それは知ってる。むしろ助ける手段があるのに使わないで裕太さん達を見殺しにしたら、それこそ見損なってた。蓬は悪いことなんてしてない。そんなの分かってる」
「夢芽……」
「でもそれとこれとは別の話。蓬の体も心配だし、あとやっぱり私以外の怪獣と繋がったってことがなんかムカッとする!」
「夢芽……?」
……おや?なんか、風向きが変わったっぽいぞ?
「ひょっとして夢芽……単に拗ねてるだけ?」
「拗ねてない。弄ばれた怪獣(おとめ)心を理解して慰めてほしいだけ」
「つまりもっと構って欲しいわけね……」 - 123二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 21:07:09
何だ、いつもの恋愛怪獣だったか。深刻な話だと腹を括ってた自分が馬鹿みたいじゃないか。
そういうことなら遠慮はいるまい。触れそうなほど近い夢芽の背中に手を回してぐいっと引き寄せる。
「んー……」
まだ足りないとばかりに収まった腕の中で蠢く怪獣さん。なんだかぐずる子供みたいだ。不満げで生憎だが、こちらにはまだ手が残ってる。文字通り。
「夢芽」
「えっ」
空いている右の指を開き、赤い光が部屋に灯る。瞬きの内に意識は繋がる。
「ふぁ、んっ────っっっ!?」
不意の接続で戸惑うところにすかさず抱きしめている腕に力を入れる。後ろから回した指で首を掴んで固定し、互いの唇を重ね合わせた。
【心配させてごめん。でも他の怪獣に靡くなんて少しでも思われるのは心外だから、『両方』で思いきり伝えるね】
【……! ………………っっっ!】
我ながら器用なことをやれてるものだ。不本意ながらも使い方に慣れてきてるのかもしれない。肉体と精神の同時責めで夢芽に入ってくる感覚は尋常ではないのか、精神内で口は塞がれてないのにさっきから一言も発してない。ある程度共有するこっちも日が出そうなぐらいだ。
しかし目移りする余地なんかないってことをここで思い知っていただかないと。どれだけ夢芽が好きかを、心と体でしっかりと理解させておきたい。どうせ隠していても聞こえるんだから聞かせしてしまえばいい。昔のアニメは良いことを言う。いつか共演できるといいですね。 - 124二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 21:13:25
「どう? 分かってもらえた?」
「………けだものぉ…………………」
うん、お許しをもらえたみたいだ。これで心スッキリだ。
「ふう……」
長い交合が終わり口を離すと共に、肩に鉛がのしかかるような疲労感。無理やりに従わせていたあの時と比べれば程度は浅いが、どうしたって負担はかかるらしい。
……そこでふと、胸元とテロテロに蕩け切ってる夢芽を見て、妙案が思いついた。
「そういやさ、ガウマさん前に言ってたよね。怪獣使いになるには訓練がいるって」
「ふぇ……?」
「ずっと使わないでいるつもりでいたけど、また宇宙のピンチが訪れないとは限らないし、夢芽やみんなを守るためにも練習するに越したことはないって思うのよ。その点夢芽相手なら安心安全だし」
「…………」
「とりあえずどこまで長く使ってられるか───練習、付き合ってくれる?」
「───────────────ひゃ、」
その後。
限界まで能力の使い過ぎで息も絶え絶えの俺と隣で腰砕けになってる夢芽を母ちゃんに見られ、あらぬ誤解を受けるオチが待ってるが、個人の名誉のためそこは割愛させて戴くのであった。 - 125二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 21:42:26
神SSに感謝!!!
Sに目覚めた蓬と怪獣なのによわよわな夢芽が素晴らしい
……もはやどちらが怪獣なのかわからないのでは? - 126二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 04:02:07
もう怪獣少女夢芽はなんぼでも弱くしていいみたいなところある様になって来たな
それが良い - 127二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 07:24:29
これセッの時も絶対インドミ使うよね
- 128二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 13:36:41
テロテロになっちゃう⁉︎
- 129二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 21:58:27
ここのインドミはほんとエロいのぉ・・・
- 130二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 22:01:49
✋はい!インドミ中の夢芽ちゃんの感度は倍増しますか?!
- 131二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 22:21:25
蓬君の匙加減次第で敏感にも一時的に感覚遮断も思いのままだと思います!
- 132二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 22:29:04
つまり夢芽が絶頂する瞬間に感覚遮断してもどかしさにイキたいと泣き出した瞬間にこれまでの快楽と蓬の愛がこれでもかと流れ込むのか
- 133二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 22:57:38
流れぶった斬るけど前スレの最後の方で「身体の一部が異形化して曇る夢芽さん」概念として貼ったこれ↓
私って、なに?「はっ、はっ、はぁっ、はぁっ、はっ!」水門の上。人から隠れられる場所に行きたくて、真っ先に思い浮かんだのがここだった。
ブレザーの中に隠す様に、左胸のところに突っ込んでいた右腕を、おそるおそる露わにする。自分の右手があるべき場所は、別の何かに変わっていた。
「は……ぁ、あ、あ………!」
見慣れた自分の腕じゃない。見飽きた自分の肌じゃない。
硬質で、無機質で、なのに生物的で、でも絶対に人間的じゃない。ヒトのそれとはかけ離れた、怪獣の腕。刺々しくて、禍々しくて、悍ましくて、何より恐ろしくて仕方なかった。
「違う、ちがう、私は、私は、わた、しは……!」
わかっていた事だった。いや、わかったつもりになっていただけだった。私は怪獣。ヒトの中にあって、ヒトではないもの。認めたくないのに、自分の体が嫌でも現実を叩きつけてくる。
「ゃ、ぁ、ぃやぁ……」
私はバケモノなんだと。街を壊す、あの怪獣達と、同じ存在なんだと。異形と化した私の腕が、これ以上無いくらい雄弁にそれを物語っていた。
「戻れ、戻れ、戻れ……!」
何度も何度も呟きながら、腕に力を込めたり、逆に思い切り脱力したりして、なんとか元に戻そうとする。…telegra.phの第二弾貼ってよろしい?
- 134二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:15:23
本当ですか!?それ滅茶苦茶好きだったんで是非お願いします!
- 135二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:19:10
硬い棘の様な、骨の様な、そんな禍々しい外殻に覆われた右腕。外骨格の隙間から覗く表皮には、爬虫類に近い鱗のみたいなものまで見える。穴が開くほど眺めたところで、どうやっても人のものとは思えない腕。
「…………なんでっ……またっ……!」
十数日前にも、同じ事があった。あの時は、右腕だけが異形のそれに変化した。だけど、今はそれだけじゃなかった。
右手とは対照的に、まだ見慣れた人間のままだった左手で、顔の右側に触れてみる。石の様に硬く、ざらついた手触り。右腕に触れた時と同じ、悍ましい感覚。
震える左手でスマホのインカメを起動して、おそるおそる、自分の顔を映してみる。
「はっ、あ、ぁ…………!」
肌を覆う鱗。伸びた牙。緑を基調とした極彩色の眼。私の顔の右半分が、怪獣のそれになっていた。
*****
頭から被せられたブレザーをギュッと握って、包まるように顔と身体を隠して座り込む。これは、蓬君が貸してくれた服だ。
学校の授業中の事だった。突然、腕を押さえて取り乱し始めた私に、蓬君は直ぐに気付いて、咄嗟に自分の着ていた服を被せ、急いで教室から連れ出してくれた。怪しまれはしただろうけれど、クラスメイトや教師に見られないようにしてくれた。
「南さん」
「お願い、蓬君……あんまり、見ないで……」
以前、私の体の一部が怪獣になった時、彼は怖くないと言ってくれて。心からそう思ってくれている事も、伝わってくる情動のおかげでわかってる。でも、やっぱり。
「こんな私、見られたくない。こんな気味の悪い姿、見て欲しくない」
声が震える。さっき確認した自分の顔。半分が人間で、もう半分がバケモノ。半端で、悍ましくて、気持ち悪い。自分でもそう思ってしまうものを蓬君に見せて、もし嫌悪感を持たれたら、きっと私は耐えられない。
前までは嫌われることも、疎まれることも、気味悪がられることも特に厭わなかったのに。今はそれが、想像するだけで、こんなにも怖くてたまらない。なぜかはわからないけれど、強くそう思ってしまう。
「────ごめん、南さん」
蹲る私の前に、蓬君が座り込んだ。 - 136二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:20:57
「………………ぁ」
「南さんの気持ち、想像するくらいしかできないけど。見られたくないって気持ちも、無理ないかな、って、頭で考えるくらいのことしか出来ないし、ちょっとでも理解できるなんて、言えないけど」
鱗に覆われた私の頬に、蓬君の掌が触れる。厚い表皮越しだからか、少し鈍いけれど、確かに体温を感じる。
怪獣になっているせいか、いつもより鮮明に伝わってくる情動。私の姿を真正面から見て、少しざわついたのがわかる。
けれどそれは、私の姿を気色悪く思ったわけじゃなくて。前の時と同じ様に、私の心が傷ついていることを悲しんでくれる、私を心配してくれる、どこまでも私を案じてくれる、蓬君の心の表れなんだとわかって。思わず、じわりと涙が滲んでしまう。
「よもぎ、くん」
「…………南さんにとって、その姿は嫌なもので、否定したいものだと思う。それを良い方に認めるような言い方は、して欲しくないかも知れない」
蓬君の顔は、穏やかだった。無理矢理作ってるわけでもなく、自然に、心のままの表情をしていた。私が、ある意味心を読むような力を持っている事を知っていて、それを気にしていないわけじゃないけれど、それを理由に取り繕ったりもしていない、そんな顔。そんな感情。
「それでも俺は……やっぱり、南さんがどんな姿になっても。それを見て、心がざわついてしまったとしても。南さんの事を、嫌いになったりは、しない」
だからこそ、これが本音なんだって、そう信じられた。
「…………ばか」
やっぱり、見て欲しくないと、そう思うけど。
少しだけ、心の中は軽くなった。
- 137二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:22:36
異形化する自分に苦悩するヒロイン良いよね…
- 138二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:50:55
続きありがとうございます!
醜い怪獣であるという特大のウィークポイントを持つ怪獣少女に恐れずに接してくれるスパダリがスーッと効いてこれは... - 139二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 06:48:22
愛というあまりにも尊い不自由
- 140二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 08:12:43
蓬に手料理を振る舞いたくなった夢芽さんがママや蓬の母ちゃんに師事して、味覚が役に立たないからレシピの徹底や食べた相手の反応から都度調整してめっちゃ頑張る概念。どうでしょうか
- 141二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 10:52:33
>>140 ああ!情動しか食べないから、味が分からないのか。良いね。夢芽の事情を知っているちせや暦に頼むってのもありかな
- 142二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 11:23:26
この世界線の蓬君、裕六よもゆめの4人で雑談する時にもちょっとSなスパダリの一面を見せて、裕六から「「わぁーお……」」みたいな目で見られてそう
「情動を…食べる?って、普段はどんな感じなの?」
「ある程度近くにいるだけで十分らしいけど、密着したりしてる事が多いかな。こんな風に」
って言って実際に夢芽の頭を抱き寄せて自分の頭と軽くくっつけて見せたりしてそう - 143二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 14:09:43
この概念スレ最近になって覗いてみたからもう言われてるか分からないけど、ユニバースでグリッドマンがシャットアウトした際に怪獣と強い結び付きのある蓬が残ったなら怪獣である夢芽も残ったりする?
- 144二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 18:02:32
実はまだその辺あんま話してないですね。そもそも投下されるssがTV本編内かその後がほとんどで。ユニバースや裕六の話自体が出てない。ssの時間軸に合わせてるといえなくもない。3スレも消費してまだ伸び代あるんすよ〜
まあなので話題に乗っとくと、怪獣だからで残ったり、人寄りになってるから消えたりと、理屈次第で自由に出来そうですね。
- 145二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 19:31:49
蓬の愛情たっぷりの情動でお腹いっぱいになり過ぎて怪獣から人間になりつつある概念ならユニバースて消えててもおかしくない。実際、元は怪獣だったナイト君と二代目はシャットダウンで消えてたし
- 146二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 20:42:18
- 147二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 20:45:21
- 148二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 21:26:31
人の心が分かるから六花と裕太の気持ちもだだ漏れってことか
- 149二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 21:29:26
元々はデートスポットでカップルの情動を食べるのが日課だったわけだけど、よく考えたら情動の味でなんとなく付き合いたてとかもうすぐ別れそうとか分かるんだろうか
- 150二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 22:38:38
>>149 嫌過ぎる。夢芽ちゃん可哀想
- 151二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 22:45:45
付き合いたては甘酸っぱくて美味しいけどギスギスカップルとか見た瞬間に激辛料理みたいな味して涙目でむせたりしてそう
- 152二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 22:48:10
でも敗北者となった金石の情動は美味しいんだよね
- 153二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 23:29:26
BSS、WSSはクセが強いけどたまに食べるなら悪くない
それが行き過ぎて怒り、憎しみレベルの感情になってるのは不味いを通り越して体調崩しそう - 154二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 03:08:49
深夜になんだけど、皆様が上げてくれた色々な概念を少しずつ摂取していった結果、ガギュラのごとくファミレスで食事してるよもゆめのSSが一本書けました。
ちょい独自解釈入ってるし、眠気のせいで後半ちょい駆け足だし、よもさんのエミュが足りないかもだけど、そんなんでもよろしければお納めくださると嬉しいです
とあるファミレスの一幕「蓬ってさ、意外と子供舌だよね」とある休日。
お昼時より微妙に早いことで席が空いているファミレスにて、南夢芽がそう言った。
対面に座る彼女からの唐突な指摘に、食べるために口を開けていた蓬は話すために口を開き直す。
「……なに? 急に」
「だって蓬、確か前にここに来たときもハンバーグセット食べてなかった?こないだ私がカレー作った時だって、『甘口がいい』って言ってたじゃん」
「……袋のまんま温めたのを、果たして『作った』と言っていいんですかね夢芽さん」
「あーあー。ハンバーグが美味しくて聞こえなーい」
揚げ足取りに似た蓬の言葉にハンバーグを頬張ってシレっと答える夢芽。
……味感じてないくせに、自分が子供舌なら夢芽は偏食家じゃないか、という言葉は付け合わせの野菜と一緒に飲み込んだ。
机の上には、二人分のハンバーグセットがある。そのセットの目玉であるジューシーなハンバーグを不格好に切りながら、美味しいとも不味いとも言わず淡々と口に運んでいく夢芽を見ていると、少し申し訳なくなってきた。
「夢芽……ほんとによかったの?別に俺、我慢しようと思えばできるし……外食って夢芽は苦手でしょ?」
「やだ。せっかく…telegra.ph - 155二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 03:09:34
ごめん書き損ねたけど時系列は最終回後の付き合った後
- 156二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 08:16:09
この甘えん坊怪獣、あまあますぎる……! しかしこれ、道歩いてたら催涙スプレーかけられる並の不意打ちも何度かあったんだろうな……蓬とのフラグ足りてなければほんとにナイト同盟についていってたかもしんない
- 157二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 08:26:18
この蓬ゆめを見た裕太と六花の感想はカップルと言うより飼い主とペットになりそう
- 158二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 09:55:09
- 159二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 15:55:22
両親が喧嘩してる時の味とか辛かったんだろうな…
- 160二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 17:44:09
スパダリヒーロー度が増してる蓬だけど、やっぱり家族関連とかをまだ割り切れなったりモヤモヤするものを抱えてるんだろうなあ…
それを情動から少しだけ察知して気付いた夢芽が甘やかして気を楽にさせたり支えたりしてるとおいしい - 161二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 18:01:47
夢芽を安心させよう、辛い気持ちにさせないようにしようと気張るあまり倒れしてしまう蓬君は、いる。……介護疲れか?
- 162二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 18:23:12
あーわかる。知ってるし食べもしたけど、味がしないから既知にならず未知の物体としか語れない人外感……
- 163二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 18:53:26
>>146 裕太と六花に初対面の時に珍しく蓬に匹敵する程の情動に脳を焼かれてしばらく2人に付き纏う恋愛大怪獣浮かれポンチ、夢芽
- 164二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 19:08:21
- 165二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 02:59:26
夢芽の為にも自分の周辺のギスギス問題を解決することに積極的になるかもしれない蓬くん
- 166二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 11:37:21
一応保守
- 167二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 16:57:18
- 168二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 17:08:55
むしろ蓬くん、上条さんらが自分に向けてる感情はちゃんとわかってて、その上で気持ちで納得できないみたいな感じだからなぁ
- 169二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 17:10:07
- 170二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 22:08:19
- 171二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 22:33:41
「お邪魔します、と。蓬ー、起きてるー?」
蓬は割と朝が弱い。バイトを詰めた日の翌日なんかは、割と遅刻しかけることもある。そんな話を聞いてから、私は麻中家まで蓬を迎えに行くようになった。起きているならそれで良し、起きてないなら私が部屋まで起こしに行く。蓬のママさんともすっかり見知った仲で、快く家に上がらせてくれる。
「やっぱまだ寝てた。蓬、朝だよー」
「んぅー……」
自宅から麻中家まで行くのは手間ではあるけれど、私はこの時間が好きだ。眠そうな、いつもよりも幼い感じのする蓬が、むにゃむにゃ言ってる姿はとっても可愛い。ついつい写真とか動画とか撮っちゃうくらい。なんて事を言うと顔を真っ赤にしながら怪獣使いの力を使ってでもスマホを強奪しようとしてくるから内緒だけど。
「ふふっ、かわいー」
しばらくの間、時計を見つつ蓬の寝顔を堪能する。ほっぺたに触れたりして遊んでいるとちょうどいい時間になって来た。支度する時間と学校まで歩く時間を考えると、そろそろ起こしたほうがいいかな。
「蓬、ほら、そろそろ起きて」
「ん……ゆめぇ……?」
「はい、夢芽のモーニングコールだよ。おはよう」
しぱしぱと目を瞬かせる蓬に眼鏡をかけさせる。ピントがあってようやく私の事を認識したのか、眠そうな目のままふにゃっと笑った。
「……おはよう、ゆめ」
それと同時に、口の中と、お腹の中に感じる柔らかくて暖かいもの。頑張って早起きして蓬の家に来る1番の報酬。
嬉しいなぁ、とか。幸せだなぁ、とか。可愛いな、とか。私の顔を見て、そんな風に考えている、蓬の気持ちが伝わってくる。寝起きでぽやぽやしている朝イチの蓬は、こっちに甘えてくるような、そんなとっても可愛らしくて美味しい情動をくれるのである。
「ふふっ……」
やっぱりちょっと恥ずかしくて、でもとっても嬉しくて、まだ半分くらい寝てる蓬にぎゅっと抱きつく。
怪獣少女こと南夢芽、朝からお腹いっぱいで幸せです。 - 172二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 04:59:11
「朝だよーよもぎー」
「うーん……」
今日も今日とて、朝早くから恋人の家にお邪魔する。日によって起きてたり寝てたりがまちまちな蓬は、本日は寝坊助さんらしい。本人的にはちょっと気にしてしまうらしい童顔は、寝ていると輪をかけて幼く見える。
寝ているなら今日もまた寝顔フォルダに追加してやろう、とスマホを取り出そうとしたところで、いつもと様子が違うことに気付いた。
「ぅー……んぅー……」
「蓬……?」
唸っているというか、呻いているというか。魘されている、と言うほどで深刻ではないけれど、何だか寝苦しそうにしている。
「蓬、蓬、起きて」
「う、ん」
眉根を寄せたままくぐもった声を漏らす蓬を見ていたって何も楽しくないし、もし夢見が悪いのなら早く覚まさせてあげたかった。そう思って、いつもよりも少し強めに肩を揺すって蓬を起こそうとする。一瞬顔を顰めた後、ゆっくりと瞼が開いた。
琥珀色の瞳が、真っ赤に染まっていた。
「えっ、ぁっ────」
【…………ゆめ?】
予備動作も無しにいきなり発動した怪獣使いの力に、怪獣(わたし)はあっさりと掴まれる。寝起きで頭が回っていないのか、私の様子に意識が向いていない蓬の思考が、直接流し込まれてくる。操ってる自覚がない。完全に意識しないうちに発動している。
寝ぼけてインドミって一体どういう、なんて考える暇もなく、いつもと同じように、ふにゃりとした笑顔になって────。
(えっ、ちょっと、待って蓬、あれ直接はちょっとやば────)
【夢芽だぁ……また起こしに来てくれてる……嬉しいなぁ……】
「…………………………………………………………………………きゅう」
とんでもなく甘い情動を直接注ぎ込まれて、あえなく私は撃沈して。結局その日は、2人揃って遅刻してしまったのだった。 - 173二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 05:35:30
蓬さんってば超常の力寝ぼけて暴発してる…
- 174二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 10:50:11
寝ぼけてドミネーションするなよ…
- 175二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 18:29:08
えっちだ
- 176二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 18:50:34
- 177二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 00:24:22
- 178二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 04:28:41
夢現.GreenDaysをバックに蓬のインドミ支援を受けつつノワールドグマと戦う怪獣モードの夢芽みたいなのもアツいと思うんですよ
- 179二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 08:15:49
- 180二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 15:37:15
メタ的な視点でアンビバレンスって名前が考案されてるけど、それとは別で自分の意思で怪獣体になって戦うユニバースなら夢芽や蓬が自分達でゴルドバーンみたいな名前を考えたりする事もありそう
覚醒恋竜・ダイナドラグーンとかそんな感じでダイナレックスをちょっとオマージュした名前とか - 181二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 22:35:43
夢芽レックスとか?()
- 182二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 22:56:20
必焼恋獄大火炎なんとかロアー!
- 183二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 23:33:46
…ドリームギラス二代目(一代目は本家ウルトラで既出なので)
- 184二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 04:08:42
- 185二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 05:01:36
>>176 これほど合う歌詞があるなんで音楽の世界は広いな。探せばもっと有りそう。
- 186二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 05:06:54
あー確かに。そう考えるとパート3を経てようやくスタート地点に立ったのか。なんか感慨深いな……
- 187二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 14:18:21
>>181 本編後、グリッドナイト同盟に夢芽がついて行き、ユニバースで蓬と再会した夢芽が自分の力を使いこなせる程強くなってたって展開もありに思えてきた。
そして戦いを終えた夢芽はこれからずっと蓬と一緒だよってラストもありだね
- 188二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 14:19:36
なんやでこのスレも終わりに近づいてきたな……
- 189二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 15:30:20
裕六の恋愛相談に乗る代わりにおやつとして情動いただきますする夢芽とか…
- 190二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 19:26:07
終わり際になってようやくの、ユニバース時空&六花さん登場。儚げ異種ヒロインだった夢芽さんはどこに行ったのかという勢い。
次スレが必要なだけの長さもないですが、最後でもいいようなノリで。
恋愛怪獣夢芽ちゃんの相談室(強制)「六花さんは、なんで告白しないんですか?」「んっぃえっ!?」
夜も更け、今宵も宇宙を隔てた女子会が始まろうとする時分。お風呂待ちの合間にベッドでごろんとしていた部屋の主は、私の質問に猫の如くびょいんと跳ね跳んだ。
「あっもちろん裕太さんにですよ。そして恋の告白のことです」
誤解や言い逃れのないよう念押しする。これは恋バナであり私の次にお風呂に入ってるちせちゃんが不在の今でしか踏み込めない議題であると。
六花さんは「あー」とか「うー」とか唸りながら身を屈ませて蹲り、やがて観念して目線をこちらに向けた。
「そういうの……やっぱわかっちゃう?」
「まあ、最初から。むしろ後でなんでまだ付き合ってないんだって驚いたくらいですね」
「ぇ最初って?」
「ファミレスで会った時からです」
「嘘でしょ私そんなわかりやすい……!?」
実際に見抜いたタネは、私がその手の感情が専門の怪獣だからなんだけど、さすがにそこまでは明かさない。怪獣について関わりがあるといっても、だからこそ距離の取り方は気をつけたい。
だがしかし恋愛事情とあらばそれとこれとは話は別だ。恩人の秘めたる恋バナ、これに乗らなければ恋愛怪獣の…telegra.ph - 191二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 21:05:07
日頃の行いもあるし、直前のセリフを聞いて話したいと思う女子はいない
- 192二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:10:55
- 193二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 06:43:11
>>190 ガールズトークかわいい
- 194二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 10:35:22
あ〜でもこれはグリッドマン組に打ち明けるイベント欲しいなあ〜。内海とか絶対良い反応するって
- 195二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 10:42:13
「怪獣でありながら人間として過ごしてる怪獣!?ウルトラシリーズの人情モノの話でたまにあるヤツじゃん!すげぇ!!いざとなったらダイナゼノンと合体したり、グリッドマンのピンチに駆けつけるヤツじゃん!!ん、待てよ?グリッドマンのピンチに駆けつけるミニサイズの怪獣って……それある意味カプセル怪獣じゃん!!ミクラスじゃん!!」
ぐらいは一人で盛り上がって絶対言うと思う
- 196二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 10:42:48
part4まで続いてほしくなる~~!!!
- 197二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 10:48:30
次スレ建てる?
- 198二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 10:56:48
是非
- 199二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 11:06:12
- 200二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 11:43:26
ありがとうございます