- 1二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:48:02
- 2二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:51:15
あ……… やだ………
あつい…あついよ
やめてよ…ギャリー…イヴ… - 3二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:51:34
とある美術館。ここでは定期的に「ワイズ・ゲルテナ展」が開催されている。しかし芸術家としてははっきり言ってマイナーな部類に入るためか人はまばらにしかいなかった。
その中でも1人、美術館には似合わない、コートを羽織った大柄な男が何やら楽しげに数々の美術品を鑑賞していた。 - 4二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:52:01
なにっ 接点がまるでない
- 5二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:52:08
その男、名は宮沢鬼龍。灘神影流活殺術の使い手であり、世界中の格闘家や裏社会、あのアメリカ政府すらからも恐れられ、「怪物を超えた怪物」と呼ばれている。
そんな彼は美術を好み、暇さえあれば美術館に行くのである。 - 6二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:52:31
おじさんピカソ認めてないし作品練り愚弄して回るんじゃないスか?
- 7二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:53:20
(…超一流の芸術家には流石に技術ではかなわないようだが、どの作品も作者の傲慢さが見て取れる。ひたすら自分の意思を貫いたようだな。)
一通り作品を鑑賞し、軽く食事でも取ろうと美術館を出ようとすると、いきなり照明が落ち、真っ暗闇になった - 8二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:53:47
「えっ」「…故障か?とりあえず出口に向かってみるか」
出口につき扉を開けようとしたが…開かない。それだけではない。いつまで経っても何も反応がない。それどころか人の気配すらない。よく考えてみたらおかしな話である。自分がいた時にはまばらとはいえ客はいたし、スタッフも複数名いたはずである。なのに声も聞こえない。 - 9二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:54:17
間違いない、この状況は「異常」だ。そう考えていると、どこからかガタッという音が聞こえてきた。誰かがいるのかもしれない、そう思い音のした方向へ向かって行くと、
「な…なんだあっ」 - 10二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:55:01
そこには一通り見たはずなのに初めて見る巨大なー「絵空事の世界」というタイトルが書いてあるー絵画があった。さらに床には赤い字で「おいでおいで」と書いてある。
「ふぅん そういうことか 何を企んでいるかは知らんが、これは俺に対する『挑戦』か
面白い…受けて立ってやろう」
そう言うと鬼龍は、絵画の中へと入っていった - 11二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 17:55:04
おじさんの文化人としての側面は結構好きなんだよね
- 12二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:32:11
絵に飛び込むとそこには、美術館と同じようにゲルテナの作品が飾ってある廊下にでた。しかし美術館と比べると全体的に薄暗く、空気の流れが悪い、不気味な空間になっていた。
- 13二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:32:23
ふと、コートに違和感があったため内ポケットを確認してみると、中には黒い薔薇があった。花びらは15枚くらいはあるだろうか。
- 14二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:33:03
今までの人生からの経験であろうか、または体に流れている「龍」の血が何かを感じ取ったのであろうか、鬼龍はこの薔薇は大事に持っておかなければならない。そう感じ取ったため、とりあえずそのままにしといて、この建物の中を練り歩く事にした。
- 15二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:39:06
某スレ内の異常メアリー愛者の正体見たり!
連投魔として知られるメアリー愛者の本性は夢枕獏のようなSS作者だったのかあっ!! - 16二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:40:05
その後しばらく探索して行った。結論から言うと、不可思議な事が立て続けに起こったとはいえ、それは鬼龍にとって大した障害ではなかった。というのも、所々に人が来た痕跡があり、本来なら発動したと考えられるギミックが機能せず、サクサク進めた為である。せいぜいアリから自分の絵を持ってきてほしいと依頼されたくらいであろうか。
- 17二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:40:26
途中、「無個性」をはじめとする様々な美術品が襲い掛かってきたが、長年世界中の格闘家達を一蹴し愚弄してきた鬼龍にとっては取るに足らない存在であった。次々とドラゴン・フットの餌食となり、砕け散るだけであった。最も、本人は襲い掛かってきたとはいえ美術品を壊していく事を快く思っていなかったのだが。
- 18二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:40:45
探索にも慣れてきて、退屈すら覚えてきたその時、
『わっ⁉︎』「えっ」
謎の金髪の少女に出会った。 - 19二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:41:16
「だ…大丈夫かっ」
『う…うん』
鬼龍は尻餅をついてしまった少女に手を差し伸べ、立ち上がるのを手伝った。
『…ありがとう。私は………メアリーって言うの。美術館にいたはずなのに、いつのまにかここに迷いこんで…誰かを探していたの。外に出たくて』 - 20二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 18:41:35
「メアリー…か。俺も丁度出口を探していた所だ。よく分からないがこの場所は危険だ。お前が良いなら、俺と一緒に来ないか?」
『……えっ 大丈夫なの?』
「安心しろ。俺はこう見えてもタフだ。多少何かがあっても対処できる。…無理強いはしないがな」
『…行く!よろしくね、おじさん』
「おじさん…まぁいい。俺の名前は鬼龍、宮沢鬼龍だ。俺からはなるべく離れるなよ。」
「はーい!」 - 21二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19:36:35
ククク 保守してやるのよ
- 22二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19:54:50
お気に入り登録してやるからハーメルンでも投稿しろ
- 23二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19:55:17
鬼龍とメアリーは引き続き探索を再開した。その道中、実に多くの会話をした。お互いの身の上話、鬼龍の文化に対する持論、メアリーにはイヴとギャリーという友達がいた事…側から見れば事案を超えた事案にしか見えないが、それはそれは実に楽しげであった。
- 24二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19:55:35
「なにっ お…お前お菓子を食べた事がないのか その年で」
『…色々あってね。絵ではいっぱい見た事あるんだけど…』
「…そうか。なぁ、ここから脱出したら一緒に食べに行かないか?好きなだけご馳走してやるぞ」
『え!いいの!?ケーキに、クッキーに、
チョコレートに…いっぱい食べたいものがあるんだ!!』
「もちろんだ。いい店を知っているんだ。いいかメアリー、食事というのはただ美味い物を食えばいいってものじゃない。優れた食事にはそれに適した優れた場所がある。煌びやかな装飾に囲まれて、華やかなレストランには一種の「美」の空間が生まれるんだ。その空間の中で食事をすると何倍も美味く感じるんだぜ」
『う〜ん…よく分からないけど、そこに行けば美味しいものがもっと美味しく感じるって事?』
「…まぁ、そう考えてくれ。あとさっき言っていた友達…イヴとギャリー?だったか?そいつらも連れてきていいぞ。特別にな。」
『ほんとう!!?ありがとう、おじさん!』
「ああ、約束だ」 - 25二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19:59:12
探索とは言っても、やはり人が来た痕跡があり、障害という障害は特に無く、案外余裕があったため、そのまま会話を続けたり、途中で拾ったクレヨンを使って互いの似顔絵を描いたりした。
メアリーはそれなりに上手く、鬼龍も感心していたが、逆に鬼龍はお世辞にも絵が上手いとは言えず、その絵を見たメアリーにからかわれたりした。 - 26二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19:59:30
“わるいこ わるいこ メアリー
おまえの こころは つくりもの
ここからは ぜったいに にがさない
にがさない” - 27二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:26:16
一通り探索し終えたが、なかなか出口は見つからない。メアリーの顔にも疲労が浮かんできたため、一度休憩する事にした。その時、この世のものとは思えない、悍ましい叫び声が聞こえた。そして廊下の奥から、巨大な青い化け物が姿を表した。
- 28二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:26:34
「な…なんだあっ あの怪物はっ」
『まさか…何で…?』
"メアリー メアリー…”
「メアリーッ すぐそこの小部屋へ隠れろ
俺が帰って来るまで部屋から動くなッ」
その言って鬼龍は怪物の前に立ちふさがった。 - 29二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:26:52
(大きさは…とりあえず4.5mは超えているか メアリーがいる以上時間はかけていられない…速攻で叩き潰す)
「よう…お前の仕業か。どちらにせよいい加減出させてもらうぜ。《悪魔》をナメるなよ」 - 30二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:27:17
鬼龍はまず怪物に強烈な左ロー・キックを怪物の足に繰り出し、バランスを崩させた所に灘神影流「霞打ち」を放った。その目にも止まらぬスピードで放たれた拳は、これまで何人もの人間を葬ってきた。しかし、この怪物はビクともせず、逆にガラ空きになった顔面に前蹴りを命中させ、鬼龍を吹っ飛ばした。
(この俺が一撃でここまでのダメージを…受けるとは…化け物め) - 31二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:27:37
"わるいこ メアリー また ひとをだましてでようとする”
そう言いながら化け物は一冊の本を鬼龍に投げた。 鬼龍はそれを手に取り、中を開いた。
「…なんだと?」
それはメアリーの日記であった。その中には自分が絵である事、広い外の世界へ行きたい事、「友達」を犠牲にして外に出ようとしたが失敗してしまった事…などが書かれていた。 - 32二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:28:56
その時、
『やめて!!!』
メアリーがライターを手に持ち化け物の前に立ちふさがった。ライターを持つ手はプルプル震えている。
『ごめんね…おじさん。その日記に書いてあるのは全部本当なの。どうしても私、諦めきれなくて…でももういい。私は誰かを犠牲にして外には出れない。できないんだ。』
メアリーは悲壮な声でそう言って、ライター火をつけ、化け物に向かって掲げた。すると化け物は取り乱し、メアリーを攻撃しようとする。
「メアリーッ」その瞬間鬼龍はメアリーを庇い、背中に攻撃を受けた。しかしその腕を掴み、そのまま一本背負いをした。 - 33二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:29:28
「話は後だ。まずはコイツが優先だ。一旦離れていろ」
鬼龍は今の一連のやり取りを通じて、もしかしたら火が弱点である事を見抜いた。ならば策はある。
「これで終わりだ。炎を打ち込んでやる」
ー灘神影流 秘技…幻魔拳その弐 飛炎地獄 - 34二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:29:41
その拳の圧力によって錯覚させ、火炎に焼かれる暗示を見せる技。それは見事命中し、化け物は錯乱。のたうち回って暴れた後、階段から転げ落ちて、動かなくなった。
- 35二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:53:59
化け物を倒した2人は、メアリーの案内によって出口である巨大な絵の前に来た。
『…あとはまたこの絵の中に入れば外に出られるよ。おじさん、短い間だったけどありがt』
「待て」
鬼龍はメアリーを一度黙らせると、着ていたコートを脱いで渡した。
「俺が残ればここから出られるんだろ?ならばお前が出てくれ。」
『えっ!?でも…私は…』
「メアリー、外にはまるで動き出すんじゃないかと錯覚するくらい精巧な絵があるんだ。…だからと言っては変かもしれんが、たまには生きている絵があってもいいと考えている。それに俺は大して未練はない。お前を外に出すためなら…ここに残るのもやぶさかではない。」
『そんな…嫌だよ!おじさんを置いているなんて…私…』
ーちょっとまってー
その時足元から声がした。 - 36二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:54:21
ーぼく ありー
ーたぶんだけど ふたりとも そとにでられるー
「なにっ どういう事だ」
ーのこらなきゃいけないひと いまなら ぼくがかわりになれるー
ーまえは あおいにんぎょうがじゃまして できなかったけど いまはいないからー
『それは本当なの?』
ーぼく うそつかないー
「…だそうだ。あとはお前の意思次第だ。どうする?」 - 37二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:54:46
『だったら…私は外に出たい!やりたい事…いっぱいやりたいんだ!!』
「決まりだな。じゃあ…よく分からんが、あとはよろしく頼むぞ」
ーうん バイバイー
そして2人は手を繋いで、絵の中へと入って行った。 - 38二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:55:08
その後 ホワイトハウスにて
「大統領! あの男から…怪物を超えた怪物からメールが来ましたッ」
「なにっ 今度は何だというんだ…」
そのメールには
「今訳アリの子供を保護している しばらくしたらまたそこへ行く それまでに子供を受け入れる準備をしろ」
という文章と、満面の笑みを浮かべながらケーキを頬張る金髪の少女の写真が添付されていた。
完 - 39二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 20:57:19
- 40二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 21:10:18
素晴らしいSSだった
メアリーも救われてよかった…
ありがとう - 41二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 21:22:44
おじさんの文化人なところと女子供には割と優しいの好き
- 42二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 21:23:40
お見事です>>1坊
このSSを描き切るあなたは強いマネモブだ
- 43二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 21:56:13
おじさんは自分の女を殴られたらマフィアの親分だろうと蹴りに行く男なんだ、しかも殺さず首を折って半身不随にする。
普段の所業を考えると信じがたいが幼女にも優しく接すると考えられる。 - 44二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 22:41:30
- 45二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 02:27:41
普通に面白かったし
完走してて驚いた - 46二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 08:27:38
- 47二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 17:43:19
- 48二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 18:47:01
イヴとギャリーを探してくれと鬼龍が鷹兄あたりに頼みそうなんだ
ふうん芸術と少女には甘い鬼龍の性格が良く働いたと言うことか - 49二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 21:53:20
異常メアリー愛者かと思ってたけど普通に良SSじゃねぇかよ えーーーっ
- 50二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 22:59:10
- 51二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 22:59:14
面白かったです。
良いSSをありがとう、乙! - 52二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 01:18:49
- 53二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 08:12:07
- 54二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 14:37:43
おまけを超えたおまけ
Devils×Devil外伝 Another side of Mary 〜ある絵画は思う 故に我あり〜 - 55二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 14:38:51
書き次第順次上げてくのん
- 56二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 16:52:25
- 57二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 16:59:01
そのような状況下においても、かつて絵画の身でありながら、その壁を乗り越えて一人の「人間」として存在をする事ができた金髪碧眼の女は、ロンドンの街にて一人で生き残っていた。
- 58二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 17:26:36
『…こんなもんかな』
その女、メアリーはロンドン・アイの絵を描き終えた。かつてゲルテナの世界の中にいた頃はクレヨンで落書きを描く程度であったが、今やそれはとても綺麗で、じんわりと心の奥底に広がるような絵を描くようになっていた。 - 59二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 17:31:32
その絵を見てくれる人はおそらくいないだろう、彼女はそう思いつつも、暇さえあれば絵を描いていた。それはメアリーの作者…すなわち父であるワイズ・ゲルテナの影響か、自分をこの世界へと導いてくれたあの男の影響なのか、少なくとも本人には分からなかった。
- 60二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 17:37:13
デビデビルートに入っちゃったか…
- 61二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 17:56:27
リバティ百貨店でイヴと一緒に服を買ったり、ギャリーはトレジャラー・ブラックを買って凄く上機嫌になったり、
大英博物館では鬼龍が3人に様々な作品を説明したり……
一回迷子になった時に変なマスクの男に助けられたり、さらにその男が鬼龍の兄である事を知って驚愕したり…数々の思い出に想いを馳せた。 - 62二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 18:06:17
なにっ自由なる鷹が出没しているっ!
- 63二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 18:06:51
その思い出の地はどれもかつての輝きは失われていた。廃墟と化し、劣化もしていて、中には崩れてしまった建物もあった。さらに建物内はNHMに荒らされていて、そこら中にガラスの破片が落ちている事も珍しくなかった。
- 64二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 18:07:28
荒廃した世界を歩くメアリー、これもこれで凄く絵になるな
- 65二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 18:52:40
一通り巡り終え、地下鉄駅の前にまで行くと、一人の少年がNHMに追いかけられていた。
『なにっ』
メアリーは素早くマグナム・リボルバーを構え、NHMの脳天をブチ抜いた。 - 66二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 18:57:12
その銃声を聞きつけたのか、NHMの悍ましい叫び声が複数聞こえてきた。おそらくすぐにここに辿り着くだろう。
『ねぇ!しばらく物陰に隠れて!今すぐ!』
それを聞いた少年が隠れたその後すぐに、NHMはメアリーを囲んだ。その数…5体 - 67二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 19:04:31
- 68二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 19:10:54
- 69二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 19:19:07
灘の技使っとる!
- 70二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 21:53:39
な…なんですかこれはァ メアリーだ メアリーが灘神影流を使いこなしているですゥ
- 71二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 23:02:41
あわわっ いっぱい倒しているですゥ
- 72二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 08:47:48
保守を超えた保守
- 73二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 10:34:42
しゃあっ保・守
- 74二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 15:16:16
メアリーはホッと一息つき、念には念を入れて倒れた5体の脳天に弾丸を打ち込み、少年をひとまず隠れ家へと案内した。
- 75二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 15:51:09
『君は…なんて名前なの?一体どこから…』
「……ハーフン」
その後、この名をハーフンという、おそらく9歳くらいの少年は様々な事を話した。
バッキンガム宮殿の地下で暮らしていた事、そこで両親は何かしらの研究をしていた事、しかしNHMに襲撃され、両親は自分を逃すために立ち向かっていき… - 76二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 16:04:29
『ああ…もう大丈夫よ。辛かったよね…』
「…でも泣かないもん、約束…したから」
『強いのね、でもどうしても泣きたくなったら私にぶつけていいのよ。私こう見えてもタフだから受け止めるくらいならできるわ』
「……ありがとう。あっ、お母さんが頼れる大人に会ったらこれを渡してくれって…」
そう言いながらハーフンが出したのは、2本の謎の液体が入った注射器と、まとめられた書類の束、それとUSBメモリであった。 - 77二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 16:18:20
USBをパソコンに繋ぎ中身を確認すると、それらの説明文が書いてあった。謎の注射器に入っているのは「H4Q1」のワクチンと治療薬らしい。書類の束はそれの研究データが書いてあり、それと同じものがUSB内にデータとして入っているようである。
- 78二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 16:19:48
『こ…これさえあれば世界は救える この子はまさに「最後の希望」を運んで来たのね。』
そう考えてからのメアリーの行動は早かった。
まず救難信号を限界まで出し、ありとあらゆるラジオの放送を調べた。空いた時間にはハーフンと一緒に絵を描いたり、思い出話を語り合ったりした。 - 79二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 16:26:06
タフ=メアリー説
- 80二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:30:36
鬼龍…
- 81二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:33:28
それから5日後…
《これを聞いてる生存者はいるかしら?こちらはノア。バチカン市国に拠点を構える…まぁ避難所みたいな場所よ。2日後にヘリで生存者の救出に向かうわ。来れる人はロンドン・ヘリポートまで来て頂戴、食料、住居、衣類…最低限の生活が送れるほどのインフラは整っているわ》
ついに通信が繋がった。さらにメアリーはある事に気づいた。
『この声、口調、もしかして…!!』 - 82二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:36:25
それから2人は脱出までの準備を始めた。とりあえず最低限の食料、衣類、武器、ハーフンが持ってきた「希望」、そして…
『これだけは…どうしても持っていきたいわね』
一枚の絵を持って行く事にした。 - 83二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:41:30
2日後、順調にロンドン・ヘリポートへ向かっていった。幸いにもNHMは数が少なく、ハーフンを守りながら余裕を持って戦えたため、弾の節約もできた。
- 84二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:46:49
しばらく歩いていくとロンドン・ヘリポートが見えてきた。その時、
「ホギァァァァァァァ!!!」
『なんだあっ』
巨大なNHMが2人を追いかけてきた。 - 85二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:47:07
巨大なタイプはヤベェぞ…
- 86二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 19:54:34
『ハーフン 先にヘリポートへ行ってッ 私はコイツを何とかしてから向かうわ 早くっ』
「えっ わ…分かった! …死なないでね!約束だよ!」
『安心しなさい…悪魔は死なないのよ』
メアリーは素早くリボルバーを抜いて2発打ちながらNHMの横へ回り込んだ。
『相手は私よ この手長野郎』 - 87二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:01:23
そのNHMはただ巨大なだけではなく、腕が足の倍ほど長いタイプであった。
(全長は…2.5mはあるわね。おまけにゴリラのような体格…関節技は論外、多少の打撃攻撃も通用しないでしょう。しかしあのリーチは脅威…懐に入って一瞬で片付けないとこっちが死ぬわね)
メアリーが前に詰めようとしたその時、NHMは近くの瓦礫を拾い、投げつけてきた。 - 88二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:09:52
『うわぁっ』
間一髪で避けるも、背中には嫌な冷や汗が流れてきた。
(危なかった…もし当たった事を考えるとゾッとするわね)
次々と瓦礫を投げつけるNHM。しかしメアリーは掻い潜っていく。そしてついに真下にまで辿りついた。
『ここだッ』
すかさず顎に強烈な蹴りを放つ。普通なら熟練の格闘家もK.Oできたであろう。しかしー - 89二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:13:50
『ギャァァァァァァァァ』
NHMに大したダメージは与えられず、逆に左フックのカウンターを貰ってしまい、吹っ飛ばされた。
『こ…ここまでの力を持っていたとは… 化け物め』メアリーは何とか立ち上がり、ある決意をした。
(一か八か あの技の封印を解かなきゃ) - 90二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:18:41
ー世界が滅ぶ前のある日
メアリーは鬼龍を始めとする灘一族の手解きを受けて灘神影流を学んでいた。
最初は全員が反対していた。特に鬼龍からの反対はやけに強かった。しかしメアリーはかつて大切な友達を犠牲にしようとした事、そしてその過去を乗り越えるために強くなりたい事を理由にひたすら説得し続けた。1人、また1人と折れていき、最後に全員の説得を受けて鬼龍も認める事になった。 - 91二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:21:02
強くなったメアリー良いなあ。心も体も…
- 92二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:27:49
最初は灘一族の常識外れの動きに翻弄されていたが、元々の好奇心旺盛な性格と、非常に高かった才能が影響したのか、メキメキと技術が上達していった。
- 93二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:37:40
そんな時、キー坊が一つの提案をしてきたのだ。それは「自分オリジナルの灘神影流の作成」であった。曰く、
「技術というもんは時代を経るたびにどんどん変わっていくんや。そして使い手によって技の微妙な違いってもんが出てくる。
それは灘神影流も例外やない。教わった技を自分なりにアレンジするのもまた一つの修行と言ってもいいくらいなんや。
かく言うワシもよく宮沢熹一オリジナル技を作っていたんやで」ワハハハ
との事であった。 - 94二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:40:34
なにっ
メアリーが本格的に灘に取り込まれている - 95二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:42:26
キー坊とまで会ったか…
- 96二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:48:08
そしてその旨を鬼龍に伝えて、何かヒントがないか尋ねると、
「いいかメアリー、前にも言ったと思うが、名画というのは作家が正気と狂気の狭間を行き来しながら心血注いで描き上げたもの つまり魂が入っているんだ。
そしてそれは今のお前も例外ではないだろう。…いや、絵に描かれた少女が今こうやって生きていけるのだから、並大抵の魂ではないだろう…それこそ怨念の域に入るだろうか。
それを利用した技を考えてみろ。まず内に秘められた狂気を自覚するんだ。そしてそれをコントロールできるようになれ。どんな技を考えるかは知らないが…それは確実に強力な武器になるだろう」
「もしかしたら、その技は呪怨すらも超えるかもしれないな」 - 97二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 20:50:47
そしてその後数々の修行を乗り越え、ようやく編み出した奥義、
ーあまりにも危険すぎて、たった一度しか使う事がなく、すぐに封印した奥義を…NHMにぶつける事にした。 - 98二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 21:04:18
「ホァァァァァァァァァァ」
NHMはまたもや瓦礫を投げつける。
メアリーは目を瞑ったまま避け、またも懐に入っていった。
(集中しろ…心を作者(お父さん)と繋げるんだ……根源へ………邪魔だなぁ…邪魔だなぁ…邪魔だなぁ…)
もう一度真下に辿り着いた。襲いかかるNHMの右の打ち下ろし。メアリーに当たりかけた次の瞬間、NHMの丹田にカウンターの掌打を放った。 - 99二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 21:17:33
ー灘神影流 メアリーオリジナル “死中踠苦”ー
- 100二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 21:39:06
- 101二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 21:44:09
灘のオカルト技と存在の相性が良すぎる
- 102二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 21:56:52
すごい数のうさちゃんに囲まれている(錯乱)
- 103二次元好きの匿名さん21/12/03(金) 22:00:34
ガルシアが嫉妬でキレそうなくらい灘とおじさんにズブズブで驚いているのは俺なんだよね
- 104二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 00:41:18
当然、それは幻覚なのだが、NHMは知る事もできず、ただひたすら人形を取り払うために暴れ、体を掻きむしり、絶叫を上げ、やがて地に伏してしまい、それから二度と起き上がる事はなかった。メアリーが顔を覗いてみると、NHMはものすごい苦悶の表情を浮かべていた。
- 105二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 00:48:02
その場所を後にし、ヘリポートへ向かうと、もうすでにヘリは到着していて、ハーフンはヘリに乗っていた。そして、乗務員と思われしワカメみたいな髪をした男が驚きながらメアリーの元へ駆けつけてきた。
- 106二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 00:57:37
「あなた…メアリー!?生きていたのね」
『久しぶりねギャリー… やっとの思いであの時外の世界へ来たのよ?何が何でも生き残ってやるわよ。…ところでイヴは?無事なの?』
「ええ、今はバチカンにいるわ。…あの子ずっと心配していたのよ?すぐに会ってあげて。」
『言われなくても会うわよ。……私だってずっと寂しかったんだから』
そうしてメアリーも乗せたヘリはバチカン市国へ向かって飛んでいった。 - 107二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 01:00:54
Ib組は全員集合か
- 108二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 01:06:45
1週間後
無事にバチカンへと着いたメアリーはまずイヴと再開し、お互いの無事を喜び合った。その時にはめちゃくちゃ泣いた。
ハーフンが持ってきていたデータや薬品は自治体に提供した。どうやら小規模ながらこちらでも研究を行っていたらしい。調べてみた結果両方ともに効果がしっかりとあり、さらに量産も容易であるとの事である。 - 109二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 01:16:45
- 110二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 01:18:08
芸術の都パリ…か
- 111二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 07:38:12
- 112二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 11:13:38
- 113二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 17:07:22
- 114二次元好きの匿名さん21/12/04(土) 20:29:49
- 115二次元好きの匿名さん21/12/05(日) 06:55:12