【SS…？】こいつらめんどくせぇ……

1二次元好きの匿名さん23/05/18(木) 23:45:33

「なぜ私たちはちょくちょく入れ物を間違えるかねぇ…」
「さぁ……」
たびたび起こるコーヒーと紅茶の誤飲事故。
お互いの苦手なものがお互いの趣味ゆえに割と身近に苦手なものがあるのだから、仮に間違えて飲めばそれはもう心へのダメージが凄まじい。
「そもそもタキオンさんあんまり中身見ずに勝手に飲んで痛い目見てるじゃないですか」
「それはカフェもじゃないのかい…？いやまぁ確かによく見ずに飲んでしまった私に非があるのは勿論なんだが……」
「なんでも良いけどよぉ……」
この二人会議とも呼べない原因追求を横から見ていたポッケ君が口を開く。
「なんだいポッケ君、私たちはこれでも真面目な話を」
「お前ら飲み物云々より間接キスしまくってることには突っ込まねぇの…？」
固まった。多分カフェもだと思う。
最近あまりにも日常の事故すぎて忘れていたが確かに、私たちが互いのものを飲むという行為は紛れもなくそういう事なのだ。こんな交尾じみた真似をやっていたことに今更ながら気が付き一気に顔の温度が上がる。
「違う！違うぞポッケ君！！これは事故だから関係ない！！」
「いや口つけてんなら一緒だろ」
「違いますよ…！誰がタキオンさんなんかと……！！これは…その……ただの実験！実験です！」
「実験！？私の唾液で何かする気なのかカフェは！！？」
「うるさいですね適当に話合わせてくださいよ！」
全く動きに統率が取れてない顔を真っ赤にしたままの二人を見て呆れたようにため息をつくポッケ君。
「じゃあ一つ聞くけどよ」
「「え？」」
「簡単な話使うカップ変えりゃ良いだろ、何でオソロなんだよ」
また固まった。
衝撃の事実に脳が追い付かないというよりは、『何言ってんだお前』みたいな固まり方。
（こっちが何言ってんだお前って言いてぇよ！）
「カフェとの唯一の仲良いポイントだぞ！？そう簡単に手離せるか！！」
「買い換えるとこの人がうるさいしわざわざ買い換えるのも面倒です……」
「…めんどくせぇ………」

彼女の呟きは、誰にも拾われず虚空へと消えていった……。