SS「タロット占いなのだ?」

  • 1二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:19:41

    「これはこれはシンコウウインディさんとそのトレーナーさん!奇遇ですね!」

    カフェテリアで一緒に昼食を取り、さてこれから何をするかとウインディと話していると、ダルマの耳飾りをしているウマ娘に声をかけられた。
    マチカネフクキタル。占い好きで、スピリチュアルなものに造詣が深いウマ娘だ。

    「どうしたのだ?フクキタル」
    「むっふふ〜!もしよろしければタロット占いをしていきませんか?」
    「タロット占い?」
    「はい!実は新しいタロットカードを仕入れまして。シャッフルして一枚引いてもらう、という簡単なものです。暇つぶしみたいなものですが、これが中々面白いと評判でして!案外当たるとも言われます!」

    人差し指をピンと立て、胸を張るようにマチカネフクキタルが続ける。面白そうではあるが...とりあえずウインディに聞いてみよう。

    「どうする?ウインディ。やってみるか?」
    「面白そうなのだ!どんな運命だろうとウインディちゃんは噛みついてやるのだ!」
    「じゃあ、よろしく頼むよ」
    「はいっ!任されました!ではでは...」

    裏返しになったタロットカードが机に伏せられ、それが更に神経衰弱のシャッフルのように乱雑にかき混ぜられる。なるほど、正位置も逆位置も分からなくするということか。

    「では、ウインディさんとそのトレーナーさん、一枚ずつ引いてください!」
    「俺も引いていいのか?」
    「勿論です!トレーナーさんとその担当ウマ娘は一心同体ですから!それに色々な解釈ができますので!」
    「じゃあウインディちゃんから引くのだ!...これにするのだ!」
    「ではそのまま捲らずにご自分の手元にまで持っていってください。あ、どちらから捲るかはお任せします。正位置と逆位置どっちになるか、ですね」
    「じゃあこっちから捲るのだ...これ何のカードなのだ?」

    ウインディが捲ったカードを見ると、羽を生やした天使のような人物がラッパを吹いている。その上に人々...いや、絵柄が逆か?

  • 2二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:20:15

    >>1

    「審判の...逆位置ですね。意味は警告、罰、消滅、暗闇、罪の償いなどです」

    「うぐぅ...あまり良さそうじゃないのだ...」


    警告、罰、罪の償い...まさか。


    「ウインディ、まさかまたイタズラを...」

    「ウインディ!アンタまたにんじん畑に落とし穴を仕掛けたね!!」


    言い終わるか終わらないかの内にカフェテリアに怒号が響く。入り口を見ると美浦寮の寮長で女傑と呼ばれるウマ娘、ヒシアマゾンが仁王立ちをしていた。どうやら悪い予想は当たってしまったらしい。


    「げっ!なんでバレたのだ!?」

    「落ちた子がいたんだよ!こんな巧妙な落とし穴を掘れるのはアンタしかいないってね!」

    「こ、ここは逃げるのだ!後でまた会うのだトレーナー!」

    「待ちな!今度という今度は許さないよ!タイマンはってもらうからね!」


    言うが早いか、ウインディは入り口に立つヒシアマゾンの横をすり抜けるように走り去っていく。一瞬虚をつかれたようだったが、ヒシアマゾンもすぐさま彼女を追って走っていった。


    「えっと...なんだかそれどころじゃなくなっちゃいましたけど...どうします?引きます?」

    「あぁ、せっかくだし引かせてもらうよ」


    dice1d22=2 (2)

    dice1d2=2 (2)

  • 3二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:22:28

    女教皇の逆位置
    不安定、ヒステリック、うぬぼれ、思慮不足

  • 4二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:38:10

    >>2

    引いたのは...白いローブを着ている女性だろうか?


    「女教皇のカードですね。逆位置なので...批判、悲観、冷徹、無視、無神経などです」

    「あまりいい結果とは言えないな...」

    「だ、大丈夫です!今が低ければこれから上がるだけ!気をつけていれば特に悪いことは...」

    「シンコウウインディの専属トレーナーはいるか?」


    ...嫌な予感がする。凛と通る声。そろりとカフェテリアの入り口を見ると生徒会の一人、“女帝”エアグルーヴが立っていた。席を立ち、彼女に近づく。


    「俺がそうですが...」

    「貴様か。少し話があってな。担当ウマ娘のことだ」

    「シンコウウインディのことですか...まさかまだ何か!?」

    「ヒシアマゾンが先程捕まえてな。事情聴取をした結果、どうやら予想以上に落とし穴を掘っていたようだ。にんじん畑が穴だらけになっておちおち整備もできん」

    「面目次第もありません...」

    「そこでだ。今シンコウウインディには穴を埋めてもらっているんだが...担当トレーナーの思慮不足、監督不行き届きではないか、という批判が上がっている。そこで貴様には穴埋めをしてもらう。いいな?」

    「勿論です!すぐに!」


    言葉は荒くないが、有無を言わせない風格。思わず敬語になってしまった。急いでにんじん畑へと走り出す。

    ...とりあえず、埋めてから考えるとして。あとでウインディには少しハードな練習をさせようと思うのであった。

  • 5二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:39:05
  • 6二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:51:11

    それからSSを書くとは感服いたしました。うーんまぁ仕方ないね!二人で穴埋め頑張ろう!

  • 7二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 00:54:10

    >>6

    ありがとうございます。

    トレーナーの方はいい結果出てくれと思いながらダイス振りましたが逆位置だったのでこんな結果になりました。まさかどちらも逆位置とは...

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