……しかし、まずいな、興が乗っちゃったぞ。よし。ついでに上着も脱いでしまおう

1二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 08:12:38

そう言葉を発したキリシュタリアの方に怒り半分呆れ半分に振り返って怒鳴ろうとしたカイニスは絶句した。
なぜなら彼の肉体にはまるで高名な彫刻家が彫った像を思わせるほどに鍛え上げられたものであったからです。
腕を見れば人は安心感を覚え、童子であればその上腕二頭筋にぶら下がりたくなる衝動を抑えられないであろう太さが見え、それを動かす肩の隆起性はあのバケットホイールエクスカベーターでも乗せているのかと錯覚させてくれます。
その胸の筋肉はいつもの白い衣装の下に潜んでいたとは思えないほど雄々しく張っており、その胸板に抱かれてしまえばどんな偏屈者でも心を開き、心情を吐露してしまうことだろう。
腹筋はもはや語るまでもないほどにくっきりと浮かんだシックスパック。それを見たカイニスが「この男にはもしかすると自分の拳は通じないのかもしれない」と思わず感じてしまったと後のインタビューで語ってくれたといえばその凄さも伝わるでしょうか？
脚はもはや樹齢数百を超えた大樹を想起させる逞しい太さをこれでもかと誇示。大地をしっかり踏み締め、如何なる悪路も踏み越えていきそうなその強靭な歩みは後に続く者や見守る者が畏敬の念を浮かべてもおかしくないほどに素晴らしいものだとかのスパルタクスも仰せられました。
そして背面。一説によれば極限まで鍛え上げられた背中には鬼神が宿ると言いますが彼の背を見ればそれが決して嘘ではないということを教えてくれるでしょう。それだけではなくまるで慈悲深き菩薩のような顔が見えてしまう気がするのは彼の人徳によるものでしょうか、興味が尽きることはありません。
キリシュタリア・ヴォーダイム。彼の肉体を賛辞する言葉は数多くあれど、それを一度に言い切るには己の語彙力では足りない。そう確信したカイニスはただ一言、こう告げたようです。

「風邪引くぞ」と。