(SS注意)ヒシミラクルに耳掃除をしてもらう話

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:27:16

    「ヒシミラクル、これが来週のトレーニングプランなんだけど」
    「はいはい~、なかなかハードですね、ってプール多くないですか!?」
    「今週が走り込みメインだったから、足下への負担を少なくしたくて」
    「うぅ、真っ当な理屈……苦手なの知ってるのに~、鬼トレーナー……」
    「苦手は克服できるに越したことないよ、君なら大丈夫、やれば出来る子だから」
    「……その手には乗せられませんからね~、まあ、頑張りますけど」

     唇を尖らせながら、担当ウマ娘のヒシミラクルはトレーニングプランを嫌そうに見つめる。
     なんやかんやでどんなトレーニングもしっかりやり遂げられる資質と根性を持ち合わせているウマ娘だ、きっと大丈夫だろう。
     ……まあ、ただプールだけは相性最悪なので、また空き缶の準備は必要そうだけど。
     俺がプール対策を思案していると、ヒシミラクルは心配そうな表情を浮かべた。
     
    「あの~トレーナーさん、耳の調子悪いんですか?」
    「えっ?」
    「なんか、近頃しきりに気にしているみたいですし、少なくともふつーではないですよね?」

     そう言われて、自分の手が耳に触れていたことに気づく。
     ヒシミラクルの言ってることは正しく、今孔明だなと思わざるを得ない。
     最近、耳の中がごろごろするというか、かさかさするというか、違和感が凄かった、
     あまり人前ではと思っていたが、効果はなかったようである。
     俺は心配してくれている彼女に、苦笑しながら答えた。

    「あはは、大したことないよ。ちょっと違和感があるだけで」
    「……むぅ、トレーナーさん、ちょっと失礼しますね~」

     返事に不満を感じたのか、ヒシミラクルは眉をひそめると俺の真横に動いた。
     ズブい普段とは打って変わった素早い動きに、何かを言う隙もない。
     そして彼女は俺の耳の中を覗き込んで――――顔を青くした。

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:27:31

    「ト、トレーナーさん、凄いことになってますよ! 長期休み中のわたしの部屋みたいです!」
    「そんな情報いらないから……というかそんなに?」
    「こんなの初めて見ましたよ~、ちゃんと耳掃除しているんですか~?」
    「……うん、まあ、それなりには」
    「うわあ、絶対してませんよこの人。わたしも同じ言い方するからわかります」

     実感のこもった鋭い指摘に、思わず言葉が詰まる。
     事実、小さい頃に親からやってもらったくらいしか、耳掃除の記憶はない。
     ヒシミラクルは不思議そうな表情で、俺の正面に戻り、言った。

    「気持ちい~じゃないですか耳掃除、わたし、やるのもしてあげるのも好きなんですよ~」
    「まあ、その……ちょっと苦手でね」

     原因は、その小さい頃に母親からしてもらった時の記憶。
     良い母ではあるのだが、手先が絶望的に不器用で、耳掃除も下手の一言。
     痛いわ、ちょっと血が出るわで大泣きしてしまったことが、今でもトラウマになっている。
     とはいえ、担当ウマを心配かけるのも良くはない。
     今度処理するから大丈夫だよ、そうヒシミラクルに伝えようとして。

     ――――にんまりと、笑顔を浮かべる彼女を見た。

     まるで天敵の弱みを知ってしまった時のような、格好の獲物を見つけた時のような。
     とっても楽しそうな、それでいて嫌な予感しかしない笑みを、彼女は浮かべていた。

    「トレーナーさ~ん? ちょっと前、わたしに何て言ったか覚えてますか?」
    「今孔明?」
    「待ってください、それは初めて聞きました……そうじゃなくて」
    「えっと」

  • 3二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:27:53

     そう言われても、色々話をしたので何のことを言ってるかが分からない。
     答えに辿りつかない俺に業を煮やしたのか、ヒシミラクルは自分から解答を導く。

    「苦手は克服するに越したことはない――――ですよ~?」

     その言葉に、俺は思わず眉間に皺を寄せてしまった。
     確かに言った、言ってしまった。
     プールが苦手だと公言するヒシミラクルに、プールを強制させるような言葉を、確かに言った。
     言ってしまった言葉というのは、当然自分にも返ってくるリスクがあるもので。
     彼女にとっては絶好の仕返しの機会、なのかもしれない。

    「さあさあ~、今日はわたしがトレーナーさんにトレーニングしてあげる番です」
    「ええ、どういうこと?」

     そう言いながらヒシミラクルは俺の手を取って、ぐいぐい引っ張る。
     この行動の意図が掴めず、疑問の声が漏れだしてしまう。
     すると彼女は何を言ってるんだ、という表情で言葉を紡いだ。

    「えっ、わたしが耳掃除をしてあげます、ってことですよ?」

     一瞬、言葉が理解できなかった。いや理解を拒んだのかもしれない。
     トレーナーが、担当ウマ娘に、耳掃除をしてもらう。
     あまりにも背徳的というか、不道徳というべき文面に、思わず否定の言葉が漏れる。

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:28:08

    「いやいやいや……」
    「いやいやいや……」
    「いやいやいやいや……」
    「いやいやいやいや……」

     しばらくの間、いやいやの繰り返しが続き。
     やがて、はっとヒシミラクルが手を叩いて、突然自慢するように胸を張った。

    「大丈夫ですよ~、わたしの耳掃除の腕前はお父さんのお墨付きです」
    「いや、そこの心配じゃないんだけど」
    「『クーちゃんの耳掃除は人間国宝! 無形文化財!』って」

     まるで参考にならない評価を聞いてしまったが、ふと不思議に思う。
     妙に、今日は食い下がるな、と。
     色んな思惑があるとはいえ、他人への耳掃除なんて、ヒシミラクルのやりたいこととは外れる気がする。
     それに、ここまで押しが強いのも、今まであまり見たことのない彼女の姿だった。
     そんな彼女が珍しくて、もっと見てみたくなって。

    「……じゃあ、今回だけ」

     気づいたら、了承の言葉を口にしていた。
     ヒシミラクルはその言葉に、耳と尻尾をピンと立てて、ぱぁっと表情を輝かせた。

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:28:26

    「それじゃあ、どうぞ~」

     ヒシミラクルは、少しばかりの準備の後、ソファーの端っこに陣取る。
     そして、なんてことはないと言わんばかりの声色で、自身の太腿をポンと叩いた。
     …………いやいやいや、そこに頭を乗せろと?
     出鼻から躊躇してしまう俺に、彼女は首を傾げる。

    「耳掃除ならこれがふつーですよ、ふつー」

     普通かな? と思ったが、そもそも耳掃除自体が普通ではない。
     やってもらうと決めた以上は、ヒシミラクルのやりやすい方法に合わせるのが筋だろう。
     俺は恐る恐るソファーに横たわり、彼女の太腿に頭を乗せた。
     むちっ、と音が出そうなふくよかな感触。
     ふわりと漂う甘い香りに、少しだけ混じる汗の匂い、ついでにちょっとだけソースの匂い。
     温かさを感じる体温も相まって、心地良さを感じるが、一つだけ疑問があった。
     ……ちょっとふくよかすぎるというか、太ったか?

    「…………なんか失礼なこと考えてません?」

     ジトっとした目でヒシミラクルは俺の顔を覗き込み、ぎゅっと耳を引っ張った。
     確かに今この状況で考えるべきことではない、俺は素直にごめんと謝る。
     彼女は唇を尖らせながら、身体を起こして、テーブルに手を伸ばした。
     
    「まったくもう、じゃあまずは耳の外側を拭いていきますからね~?」

     シュッとウェットティッシュを取り出す音が聞こえて、ひんやりとした感触が触れる。
     一瞬びっくりとしたが、慣れると爽やかで気持ち良い。
     ヒシミラクルは時折耳を揉みながら、耳の裏、耳たぶ、耳の溝を拭っていく。

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:28:44

    「ほわぁ、大分お手入れご無沙汰だったんじゃないですかこれ」

     そう言って、ヒシミラクルがウェットティッシュを俺の眼前に出す。
     ティッシュには明らかな汚れがついており、自身の身嗜みが不十分であったことを突きつけられたよう。
     思わず顔が赤くなってしまいそうだった……うん、今後はシャワーの時、気を付けよう。

    「トレーナーさんも~、案外自分のことはズボラなんですね~、えへへ」

     何故か、ヒシミラクルは嬉しそうにそう言った。
     その後一通り耳の外側を拭いていき、マッサージをされて、力も抜けて来た頃。
     彼女はついに、竹で作られた一般的な耳かき棒を手に取った。
     それを視界に収めた瞬間、身体がぴしりと固まり、抜けたはずの力が全身に入ってしまう。

    「あらま、本当に苦手なんですね~……耳元で囁いてあげるとリラックスできるって何かの本で見たような」

     なんの本を読んでるんだこの子は。
     そんなツッコミを入れる間もなく、ヒシミラクルは耳元に顔を近づける。
     吐息を感じるような近い距離で、小さく、それでいてしっかりと、彼女は囁いた。

    「カン、カン、カン、カン」

     …………えっ、囁きの選択肢それ?
     耳に飛び込んできた声は予想外で、今度は反射的に言葉が漏れてしまう。
     思わず視線をヒシミラクルに向けると、彼女は不思議そうに首を傾げていた。

    「最初の頃はびっくりしましたけど、最近これがないと物足りないというか……あっ」

     自分が何を言ってるのか気づいたのか、ヒシミラクルは顔を真っ赤に染め上げた。
     やがて手と尻尾をブンブン左右に振りながら、弁明を始める。

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:29:02

    「ちゃっ、ちゃうちゃう! これは、その! そういうんじゃなくて~!」

     海で意外と効果があったので、学園のプールトレーニングでもたまに使っている。
     しかし、まさかこんな副作用があるだなんて、想像をつかなかった。
     今後は使用を控えた方が良いだろうか……でも本人気に入ってるっぽいからな……。

    「うぅ~、忘れてください……と、とにかく始めていきますよ~!」

     俺の思案を打ち消すように、ポンポンと頭を叩いて、ヒシミラクルは切り替える。
     囁きの効果はわからないが、ちょっとだけ、力は抜けた気がした。
     やがて、そっと竹の固い感触が、耳の入り口に触れた。
     過去のトラウマが蘇り、思わず目を閉じてしまう。
     真っ暗な視界の中、耳にはすりすりと、優しく撫でるような感触が、伝わってきた。

    「……最初は優しく、ゆっくりと、かいていきますから」

     弱い力で、くすぐるように、何度も、何度もかいていく。
     時折、とんとんと垢を落とすような音が聞こえて、それでも汚れが取れてるのがわかった。
     なんとも言えない感触が、耳の神経から脳に伝わって、気持ち良さに変換されていく。
     
    「どうです? 気持ちいーですよね? これがふつーの耳掃除なんですよ……♪」

     楽しそうに笑みを零すヒシミラクル。
     彼女の言う通り、これは俺が知っていた耳掃除とはまるで違うものであった。
     すりすり、さりさり、すりすり、さりさり。
     神経を刺激される心地良さと、鼓膜を優しく揺らす耳かきの音色が、緊張を解していく。

    「我慢出来て偉いですよ~、そろそろ奥を攻めていきますけど、大丈夫ですよね~?」

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:29:17

     ヒシミラクルは悪戯っぽい声色で、発破をかける。
     俺は苦笑しながら、いつもと反対みたいだな、と頷いた。
     
    「ちょっと強くかきますけど、痛かったらすぐに言ってくださいね~」

     そして、耳かき棒がゆっくり奥へと侵入していく。
     がさごそと、まるで物が乱雑に入った鞄に手を突っ込んだような音が聞こえる。
     続いて聞こえる、かりかりと、耳の壁を擦る音色。
     皮膚が優しくかかれる感触、垢が優しく剥がされる感触。
     耳の中で縦横無尽に耳かきが駆け巡り、溜まり続けていた汚れを排除していく。
     
    「ポロポロ取れて、楽しい……!」

     ヒシミラクルの声のトーンも上がり、絶好調。
     過去のトラウマもどこへやら、気づけばぼぅっと気分になり、眠気すら感じる。
     このままじゃ寝落ちしてしまう、そう思った刹那――――ガリ、と大きな音が鳴り響く。
     思わず身体が反応してしまい、彼女も慌てて、耳かきを取り出した。

    「わわっ、大丈夫でしたか?」

     不安気な彼女の声に、大丈夫だよ、と声をかける。
     どうやら、今のが耳の中の違和感の大元のようだった。
     未だぼやけた思考の続く俺は、出来れば取って欲しいと、正直に告げる。
     
    「で、できるかな……?」

     不安そうに呟くヒシミラクル。
     俺はそんな彼女にいつもの調子で、君なら出来るよ、期待してるから、と伝える。
     その言葉に、彼女は困ったような、困ってないような、微妙な笑みを浮かべる。

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:29:32

    「お、おぉ、言うなあ……よし、やってみましょう」

     両頬をパチンと叩く音とともに、耳掃除が再開された。
     ガリガリと、大物を四方から攻め立てる音が、耳の奥から聞こえてくる。
     鼓膜に近い位置のせいか、どうしても身体に力が入るけれど、不思議と不安はなかった。
     やってくれているのが、ヒシミラクルだから、なのだろうか。
     じっと堪えていると、やがて、バリッ! と一際大きな音が鳴る。
     耳からの感触だけでも大物とわかるそれを、彼女は慎重に運び出し、耳の外へとかきだした。

    「大物だぁ~……ふふっ、頑張りましたね~、よしよし~」

     ヒシミラクルは俺の頭を優しく撫でながら、そう言った。
     集中し過ぎてテンションがおかしくなったのかもしれない、正直かなり恥ずかしい。
     だけど、まあ、悪い気はあまりしなかった。
     耳の中の大物はあれだけだったのか、その後は順調に耳掃除が進んでいく。
     すっかり全身の力が抜け落ちた頃、耳かきを話して、彼女は小さく告げた。

    「はい、綺麗になりましたので、今度は梵天を入れていきますよ~、ふわふわ~ふわふわ~」

     耳の中に入り込む、ヒシミラクルのオノマトペと綿毛の柔らかな感触。
     それは今までの人生で味わったことのない、全くの新感覚。
     背筋にぞわぞわとした寒気が走るが、不愉快さはなく、むしろ気持ち良い。
     彼女の声も合わさって、思考が蕩けてしまいそうな錯覚を覚えてしまう。

    「口が開いてますよ~……トレーナーさんは梵天がお好みですか? それとも~……?」

     ――――わたしの声が、好きなんですか?
     俺の思考を見透かしたような、鋭い一言が、耳元で囁かれる。
     答えを返すことはないが、それでも全てを理解したように、ヒシミラクルは愉しげに笑う。

  • 10二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:29:45

    「あはは、それなら……ふわふわ~、こしょこしょ~、すりすり~♪」

     嬉しそうに、擬音を囁いていくヒシミラクル。
     奥の方までしっかりと届いてくる梵天の感触と、彼女の声色。
     それはまるで脳に快感が直接響いてくるような、そんな悪魔的な感覚。
     意識は梵天のようにふわふわと浮ついていき、空の向こうへと旅立っていきそう。

    「……ふー」

     耳の中に突如流れ込む、熱く、細く、優しい吐息。
     びくんと身体が大きく反応して、俺は思わず真上へと頭を向けてしまう。
     正面には、少し恥ずかしそうにはにかんだ、ヒシミラクルの顔があった。

    「えへへ、まだ眠っちゃダメですよ~、反対側もありますから」

     耳掃除のおかげで通りが良くなかったのか、ヒシミラクルの声が鮮明に聞こえるような気がする。
     そのせいだろうか、彼女の声から、どこか歓喜の色が聞き取れた。
     なんか嬉しそうだね、俺はあまり考えずに、思ったことをそのまま伝える。
     すると、彼女は一瞬視線を揺れ動かして、やがて観念したように、微笑んだ。

    「……本当はですね、トレーナーさんが耳のケアをできてなくて、嬉しかったんですよ」

     すりすりと、ヒシミラクルは両手で、俺の両耳を優しく触る。
     こしょこしょと優しく指先でくすぐるように、すりすりと指先で撫でるように。
     彼女のすべすべとした手の感触が伝わってきて、何とも言えない感覚が走っていく。

    「わたしにも、あなたにしてあげられることがあるって、そう思えたから」

     そしてぴたりと、俺の耳をいじくる手が止まる。

  • 11二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:29:59

    「いつも褒めてくれて、支えてくれて、助けてくれて、わたしを幸せにしてくれて」

     そしてヒシミラクルの手のひらが、俺の両耳を優しく包み込む。
     彼女の雰囲気を象徴するような、温かい体温が、耳からじんわりと伝わっていく。
     自身の本心を聞いて欲しいのか、聞いてほしくないのか。
     多分、彼女の本人にもわかっていないのだろう。
     意図が行方不明なまま、彼女の言葉は、俺にしっかりと届いた。

    「そんなトレーナーさんに、わたしもゴホウビをあげたいなって、そう思ってたんです」

     ゴホウビ。
     ふつーな女の子でもあるヒシミラクルの、走る目的の一つ。
     その言葉を聞けば、彼女の好物であるお好み焼きが思い浮かぶ。
     そして彼女はパッと手を外して、参ったと言わんばかりに、両手をあげた。

    「でもダメですね……わたしも幸せになっちゃって、これじゃどっちのゴホウビかわからないや」

     たはは、と困ったような笑顔を浮かべるヒシミラクル。
     どうやら、俺は大きな勘違いしていたようだ。
     彼女がしたかったのは仕返しではなく、恩返し。
     ひどいこと考えてしまったなと反省しつつ、彼女の勘違いにも、俺は気づいた。

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:30:15

     ――――俺も、お好み焼きを食べる君を見て、幸せになっているよ。

     気づけば、そんな言葉が出ていた。
     あれやこれやとメニューを眺めて、思い悩む彼女の姿。
     綺麗にお好み焼きを裏返して、ドヤ顔を浮かべる彼女の姿。
     完成したお好み焼を口いっぱいに頬張って、幸せそうな笑みを浮かべる彼女の姿
     そんな姿を見て、俺はいつも、彼女のトレーナーで良かったと、思っている。
     彼女のトレーナーで幸せだなって、感じている。
     俺の言葉に、彼女は目を見開いて――――へにゃと表情を緩ませた。

    「えへへ、それじゃあコレも二人で食べるお好み焼きの、一部ってことで」

     耳掃除の裏返し、いきましょうか。
     ヒシミラクルは大好物を目の前にしたような笑顔でそう言った。
     俺も釣られて笑みを浮かべながら、反対側の耳を差し出すのであった。

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:31:13

    お わ り
    ミラ子かわいいこんな好きになっちまうよ
    どうでもいいですけど耳掃除のSSを書いたキャラは全員天井してるというジンクスがあります

  • 14二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:33:02

    ディ・モールト良し(非常に素晴らしい)
    寝る前にいいものを読ませてもらった

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:39:09

    メチャクチャドキドキさせられたぜ

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:49:02

    ねぇこのお好み焼き甘くない?
    ソースは甘口がいい?
    そうだね

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/22(月) 23:55:46

    >>5

    むちっ、と音が出そうなふくよかな感触。


    ヒシトレお前ェェェ!!!

    至極羨ましい!!!!!!!!!!!!!!

  • 18二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 05:43:51

    色んな子で耳かきシチュ書いてるけど、キャラだけ変えただけの下手なコピペじゃなくてちゃんと一人一人の個性が立ててるからすごく好感持てて好き

  • 19123/05/23(火) 07:48:25

    感想ありがとうございます

    >>14

    そう言っていただけると幸いです

    ちなみにこのSSは某睡眠導入ASMRを聞きながら書かれています

    >>15

    ヒシミラクル特有の距離感みたいなのが出せてればと思います

    ストレートに言っていただけると嬉しいです

    >>16

    ヒシミラクルのシナリオは丁度良い感じの甘さが出て好みでした

    お好み焼が思いのほか根幹にあったので上手く絡ませられていれば幸いです

    >>17

    育成していてここだけは絶対にやりたかったシーンです

    もうちょっとむっちり感を表現したかった

    >>18

    耳掃除SSの時点でシチュが固定されてるので何度も書いてると展開に困るのが難点なんですよね……

    出来るだけ個性を出して違う印象を持たせることを意識してるので、そう言っていただけると幸いです

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