キスの日という名の言い訳【CP&閲覧注意】

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 20:40:33

    「はぁ…」

    ため息をつきながら廊下を進む。誰がどう見てもわたしが悩みを抱えているのは明白だ。簡単に言ってしまえばマスターに関する事なのだけど…内容が内容なので簡単に誰かに話すことはできる気がしない。そんなことを考えつつ自室を目指していると前から派手な色をしたサーヴァントが歩いt…走り寄ってきた。

    「ウエーイ!クロ美じゃん!」
    「…あなた、いつ見てもテンション高いわね」
    「おいおいなんだよ暗い顔しちゃってさー…もしかして悩みか!悩みなのか!?そういうことならこのあたしちゃんに任せんしゃい!なぎ子お姉さんがバッチリ解決してやるぜ☆」

    こちらが返答する前にマシンガンのように言葉を投げつけてくる。普段だったら警戒して相談などしないだろうけど…今日は少し元気がなかったので逃げる気も湧かず、話してみることにした。

    「…じゃあ相談するわよ。けどこのことは誰にも言わないでよ?特にマスターには」
    「オーケーオーケェ…こう見えてあたしちゃんは約束を守ることに関しては一流だからな!……いや、一流を志してるのか?」
    「なんか逆に信用できそうな気がしてきたわね…それで相談の内容なんだけど…」
    「おう!…それはそうと場所変えね?」

    とまぁ、結局こんな感じで包み隠さず話した。こういうのって人に話すと案外あっさり解決したりするしね。とはいえ、わたしがあの人のことが好きなのを誰かに話すのは少し恥ずかしい…

    「そうかぁ。クロ美はちゃんマスがすきぴか…良いね良いね!そういう青春、あたしちゃんが応援するぜい!」
    「ありがと。それでね最近彼とあまり一緒にいられてない気がして…」
    「つまり、寂しいのか。まぁ人間誰だって寂しがり屋だからな!クロ美がそうなってもしょうがないしょうがない」
    「…大体そんなところ」
    「それでちゃんマスとイチャイチャするための秘策か。んー、そうだなぁ……お、閃いちゃったぜ!流石名探偵なぎ子さん!」
    「前置きはいいからその閃きとやらを早く教えて」
    「うえーん、クロ美がちゅめたい…ま、そんなことは気にせずすぐ復活するなぎ子さんなのであった…それでさ、こんな事を思い出したんだ」
    「ふんふん…」

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 20:40:59

    〜〜〜〜〜

    「やっほー、遊びに来たわよ」

    いつもと同じ調子で彼のマイルームを訪ねる。この時間の彼はいつもベッドでゴロゴロしているのはきちんとリサーチ済みだ。

    「わたしもそこ、座って良いかしら」

    答えが返ってくる前にベッドに腰掛ける。すると、わたしの横で寝転がってるのは気まずいと思ったのか、起き上がったマスターもわたしの隣に座り直していた。

    「あなたって結構律儀なところあるわよね…文句を言ってるわけじゃないのよ?むしろあなたの良いとこだと思ってるの」

    ひとまず思った事を口に出してから本題に入る。普段だったら適当な話をしてのんびりするのだが…今日のわたしはそれをする余裕もなかった。

    「単刀直入に言うわね。今日はキスの日らしいわ」

    告げた途端、今までリラックスして話を聞いていたマスターが急に姿勢を変えた。こういう分かりやすい反応は彼の可愛いところの一つだとわたしは思っている。からかいがいがあるし、わたしの言動でこうなってると思うと少しゾクゾクする。…話が逸れてきたのでとりあえず追撃して向こうの反応を見てみよう。

    「だからぁ…わたしとキス……しない?」

    マスターの顔を見つめながらわたしなりにとびっきりの可愛い声を出してお願いしてみる。実を言うとなぎ子には『今日はキスの日だ』、ということしか言われていない。あくまでどうするか決めるのはわたしがするべきだと言われたからだ。それは最もだし、イチャつくのに都合の良い言い訳も教えてもらえたから彼女には割と感謝してる。そういうわけなので、わたしはわたしらしく彼にアタックをかけてみた。

  • 3二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 20:41:30

    『俺で良いのか?別に魅力的な人なら他にも…』
    「………はぁ?」

    斜め上の答えが返ってきた。1発引っ叩いてあげようかと思ったが流石に自重した。だってこれはマスターの自己肯定感の低さと……恐らくわたしに少しでも魅力を感じているからこその返答だと思うから。そう考えると呆れるのと同時にわたしの中の何かがヒートアップしてきた。逆境だからこそスイッチが入ってしまったのかもしれない。

    「わたしはあなたが良いの。そりゃ、恋とかなんてまだ完全に理解しきれてないけど…今はあなたが相手じゃないとやだ」

    このままではダメだと思ったので本心からの言葉をそのまま伝える。ここまで言えばいくら鈍感な人でもわたしの想いをわかってくれるはず。

    「それで?今度はあなたの本心を教えて。YESでもNOでも良いから」

    こんなことを言っているがNOと言われたら立ち直れる気がしない。好きな人から拒絶されてしまうことの恐怖をわたしはまだ知らないからだ。だからこそ心の底では嬉しい返事が返ってくることしか考えていない。

    「………え?……ほんとに?」

    聞き間違いかと思って思わず聞き直す。さっきはマスターのことを色々言っていたが、わたしも結構後ろ向きなところがある。なので、本当に聞き間違いじゃないかと思って泣きそうになったが……頷く彼の姿を見てさっきの答えが本当だった事を確信する。

    「……ありがと、マスター」

    一言だけ告げてから目を瞑り、その時を待つ……けれどいくら待ってもそこから何か起こることはなく、ただ時間だけが過ぎていった。不安になって目を開けると、そこには真っ赤になって固まっているマスターの姿があった。

    「ヘタレ……まぁ良いわ。今回はわたしからしてあげる」

    かっこつけてはみたが心臓はさっきからずっと高鳴っているし、顔だけでなく全身がものすごく熱い。恋の病、なんて言われることがあるがそれはあながち間違いじゃないらしい…気を紛らわすためにそんなことを考えながら軽く深呼吸をしてマスターの方へと向き直る。そして彼の首に腕を回してそのまま…

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 20:42:12

    「んっ……」

    夢にまで見た大好きな人とのキス。その甘さはわたしの全身を覆い尽くして溶かしてしまいそうなぐらい情熱的なものだった。よく衝撃的な出来事のことを世界が変わる、と表現するがこの状況はまさにそれだ。なんていうかこれだけで大人の階段、という奴を一気に上がっていった気がする。

    「……ぷはっ……しちゃったわね♡」

    終わってみるとあっさりしていたようなすごく長かったような…不思議な感じだ。けれど彼とのキスがわたしをすごく幸せな気分にしてくれたのは確かだ。

    「初めてがあなたで良かったわ…」

    少し息を切らしながら言葉を綴る。正直なところ頭の中はいっぱいいっぱいでボーッとしているが、そうなっているところを彼に見せたくはない。わたしの乙女としてのプライド…というやつだ。

    「あなたはどうだったかしら。でもあなたはすごくモテるだろうから今さら…」
    『…こっちこそクロが初めてで嬉しかったよ』
    「!……っ〜〜〜///」

    そんな言葉にテンションが上がり思わず押し倒してしまった。でもあんな事を言う彼も悪いと思う。そんな風に言われてしまったら、こっちは好意を隠すことなど全くできない。もうこうなったらヤケだ。今日はとことん甘えてイチャつき倒してやろう。明日になったらこれを思い出して悶えるのは目に見えてるけど、そんなことはどうだって良い。だってそうなっても気にしないぐらい、彼のことが好きで好きでたまらなくなってしまったから───

    「ねぇ……もう一回…しよ?今だけはあなたをわたしのものにしたいの。だから…お願い♡」

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 20:57:46

    いつもありがとうございます

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 21:01:46

    出たな


    助かる

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 21:33:21

    最後キス魔(真)になってる…

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 22:45:06

    >>7

    甘さも割と大変なことになってるぞ

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 22:48:59

    いいっすわ〜

  • 10二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 22:51:38

    ねぇ、これもう堕ちて……

  • 11二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 22:55:08

    >>6

    一応明日の夜まで残ってたら短めの続きも書こうかと…

    落ちてたらそれはそれでって感じです

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 10:27:32

    保守

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 20:21:50

    「っ〜〜〜///」

    もはや言語にすらなってない叫び声を自分の枕に叩きつける。こうなるのは昨日の時点でわかっていたことだが、いざ直面すると耐えきれないものだ。

    「もーっ!何が『もう一回…しよ?』よ!あんな小っ恥ずかしいこと言ったのがわたしだなんて信じられない!」

    沸騰しそうなぐらい茹だった頭を抱えながら倒れ込む。この光景を誰かに見られたらさらにダメージを受けること間違いなしだ。

    「………でもマスターもすごく嬉しそうだったな…」

    恥ずかしがりながらも終始笑顔だったあの人のことを思い出す。あの反応を見る限り、恐らくマスターはマスターでわたしのことを1人の女の子として少なからず意識してくれていることは確かだ。だってそうじゃなきゃあんなバカップルのような行為に付き合ってくれるはずがない。そう考えるとだんだんと余裕を取り戻してきた。

    「ほんっとわたしのこと大好きなんだから♪」

    イリヤ辺りがいたらきっと『どの口が言うか』とつっこまれていただろう。でもしょうがない。恋する女の子は周りが見えてなくて強引で…好きな人のことに関すると少し意地を張ってしまうものだ。

    「ねぇマスター。これでわたしがあなたのことが大好きなのは充分伝わったかしら。もしまだ伝わってないとしたら…その時は今まで以上にわたしがどれだけあなたを好きか教えてあげる」

    無機質な天井に手を伸ばしながらここにはいないあの人に語りかける…むしろ絶対に聞こえないからこそこんな言葉が出てきたのかもしれないが。

    「そういうことだから覚悟しておいてね。世界に…宇宙に1人だけのわたしのマスター♪」

  • 14二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 20:24:58

    というか私事で本当に申し訳ないんですが突然の供給でマジやばいんですが!
    これはアレですか?永遠に書かないとダメってやつですか!?

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 21:36:20

    >>14

    昨日の今日ってタイミングなのがすごいな…

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 23:26:29

    >>14

    そうです、どんどん書くのです

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 00:30:41

    >>14

    スレ主が思い浮かぶくらいには公式からのやれという意志を感じた

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