- 1二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:00:25
こちらは下記のSSの続きの話になります
単品だといまいち話がわかりづらいかと思いますがご了承ください
(SS注意)ギャル・ウインド|あにまん掲示板「ゼファっちさ、せっかくギャルベなんだしこういうの挑戦してみね?」 ゴールデン、いやギャルウィークの序盤。 ヤマニンゼファーとダイタクヘリオスは、ともに洋服を見て回っていた。 二人の服の趣味は対照的で…bbs.animanch.com(SS注意)ギャルファッションを着るハメになったネイチャの話|あにまん掲示板 拝啓、おふくろ様いかがお過ごしでしょうか。 近頃は天気や気温の変化も激しいけれど、体調は崩してないですか。 さて、アタシは今――――。「カンカン! 吾輩は裁判長ぞよー! 裁判長の言うことはー?」『ぜ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:14:55
昼下がりのトレーナー室。
俺は困り果てていた。
「ゼファー、出ておいで、正直その格好暑いでしょ?」
部屋の隅に、黒い小さな山のようなものがちょこんと鎮座している。
見ればそれはコートの布地であり、頭から覆い隠す様に全身を包んでいた。
俺の声にその山がぴくりと反応し、小さな声を返す。
「いいんです……私は淫風ウマ娘なんです……はしたない姿を風に晒して……」
「だからナイスネイチャも謝っていたじゃないか、皆気にしてないよ」
担当ウマ娘のヤマニンゼファーは沈んだ声色で、そうぼやいた。
事の発端は――――彼女が新しい服を購入したところから。
友人のダイタクヘリオスと共に購入したそれは、普段の彼女の私服とはかけ離れたものだった。
トップスはお腹が見えるほどの短い裾の半袖Tシャツ。
ボトムスはデニムのショートパンツ、腕にはちょっとしたアクセサリ。
少しだけ攻めた感じの、いわゆるギャルっぽいファッション。
まあ、その、ちょっと過激というか、刺激が強い格好であったのは否定できない。
けれど似合っていたのも事実だったため、俺は普通にその服を褒めた。
次いで出会ったトウカイテイオーも、何か言いたげだったが、普通に褒めた。
ゼファーは俺達の言葉に気を良くして、珍しくはしゃいだ様子を見せてくれた。
そして、その風に乗るように、校門前でたまたま出会ったナイスネイチャに感想を聞いて。
『……うわエッロ』 - 3二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:15:19
疲れていたらしいナイスネイチャから、直球過ぎる感想を頂いた。
直後失言に気づいて、慌てて謝罪をしてくれたものの、ゼファーのダメージは大きかった。
瞳を潤ませて、顔を真っ赤に染め上げて、即座に回れ右をして。
『しっ、失礼しました!』
まるで疾風とも言うべき速度で、トレーナー室へ駆け込み、現在に至る。
ナイスネイチャにも悪気はなかった、きっとそれはゼファーもわかっている。
ただ同時に、聡い彼女はその言葉に一定の真実が含まれていたことも、理解していた。
そして、俺とテイオーも少なからずそう思っていたのだろう、ということも。
いや、まあ、うん。
口には出さないし、大人としてそう思うべきでないことも理解してる。
しかし、そういう感想を一切持たなかったかと問われれば、否定はできない。
せめて、婉曲的な表現で、指摘をしてあげるべきだったのだろう。
なににせよ、暑くなってきたこの時期に、コートを上から被ってるのは見過ごせない。
俺は彼女に近づいて、視線の位置を合わせるように屈んで、声をかけた。
「ずっとそんな格好じゃ体調崩すよ? せめて着替えておいで」
「……」
俺の言葉に、ゼファーはくるりと身体をこちらに向ける。
顔だけは出ている状態になっており、その額にはきらりと光る汗が流れていた。
暑いからか恥ずかしいからか、頬には未だに赤みが残っている。
彼女はジトっと珍しい目つきでこちらを見つめて、口を小さく開いた。
「……トレーナーさんは、あの風采を見て、なんとも思わなかったんですか?」
「……少し露出が多いかなとは思ったけど、一般的な範囲だったとは思うよ」
「…………」 - 4二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:15:37
ゼファーはじっとこちらと目を合わせたまま、突然コートを脱いだ。
むわっとした熱気と共に鼻腔をくすぐる、汗の匂いと、ゼファーの爽やかな香り。
半袖のTシャツは汗ばんでいるせいか、肌に張り付いて、ボディラインをより強調しており、また若干透けていた。
デニムのショートパンツは影響がないものの、しゃがんでいるせいか太腿がむっちりと自己主張を始めて、妙な色気を感じる。
至近距離からのあまりの強風に――――俺は思わず、目を逸らしてしまった。
「やっ、やっぱり! トレーナーさんもえ……その、あの、えっ、えっち……いろかぜ! 色風めいているって! 思ってるんじゃないですか!」
ばさっと勢いよく前を閉じるゼファー。
その目尻には涙を溜めて、眉は逆ハの字、耳は絞られていて、怒っているのは明白。
やらかした、そう思わざるを得ない。
少なくともさっきは目を逸らすべきでなかった。
そんな意図はなかったとしても、結果としてゼファーを再度傷つけてしまった。
しっかりしろ――――俺は、彼女を支えて、共に歩んで、共に風になると誓ったのだから。
俺は彼女の両肩に手を置いて、じっと、真剣に見つめる。
「ゼファー、すまなかった」
「……トレーナーさんなんて、知りません」
ぷいっと唇を尖らせて目を逸らすゼファー。
なんか普段とは別の意味で可愛らしいなと、ちょっと思ってしまう。
その邪な思考は横に置いて、俺は彼女への言葉を続ける。
「君の新しい服はとても似合ってて、素敵だったよ」
「……うそです、虚風です」
「嘘じゃないよ、ただ、それと同時に、その、魅力的過ぎたというか、だな」
「……魅力的」
「ゼファーの可愛らしさと爽やかさと……色気が、良く出てた、と思います」 - 5二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:15:57
何故か敬語になってしまった。
正直、中等部の子に言うことじゃないと思う。
けれど同時に、誤魔化した言葉を彼女が望んでいないと思ったから。
最低限、言葉は選びながら、俺は彼女に正直な感想を、そのまま伝えることにした。
ゼファーは、暑さのせいか少し頬を赤みを強くしながら、視線をこちらに向ける。
びっくりしたように目を丸くして、その無垢な瞳を、俺の目に合わせてくれた。
「かわいい、ですか?」
「ああ、君の愛らしさが良く出ていて、普段とは別の良さがあったよ」
「……アゲアゲおけまる、でしたか?」
「……うん? それは良くわからないけど、その、ドキドキはしたかな、うん」
突然の謎言語が飛び出したが、何とか解釈して言葉を返す。
ゼファーは俺を見つめて、再度、コートを脱ぎ捨てた。
新鮮で、魅力的で、刺激的で、爽やかで、とても可愛らしい彼女の姿。
今度こそ、俺は目を逸らさないで、じっと見つめる。
彼女もまた、表情を変えないまま俺のことを、じっと見つめ続けていた。
やがて、そよ風のような小さな声で、ぽつりと呟く。
「…………穀風を、ください」
「うん、とっても可愛くて、君の新しい魅力がわかる、良い服だね」
「……もっと」
「あまりに刺激的で、ドキドキして、あまり他の人に見せたくないなって思ってしまうくらいだ」
「……ふふっ、よくばりさんですね、もう少し、恵風が欲しいです」
「君も割とよくばりさんだなあ、そうだな、もう少し細かいところを――――」 - 6二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:16:15
ゼファーがやっと微笑んでくれて、それが嬉しくて、舌が回る回る。
彼女の良いところなんて、上げていけばいくら時間があっても足りないくらいだ。
そのまま、十数分、彼女の新しい服を褒め続けた。
やがてゼファーは、肩を震わせながら、声を出して笑う。
「ふっ、ふふ……あはは……はい、トレーナーさんの好風はたっぷり頂きました」
「そっか、それは良かった」
「でも困りました、私もこの服自体は緑風を感じますが、人前では臆病風が吹いてしまいます」
そう、ゼファーはあまり困ってなさそうな表情で告げる。
違和感を覚えつつも、その意図が詰めず、俺はそのまま相槌を打った。
すると、彼女は突然、その小さな両手で俺の手を掴んで、無理矢理前で合わせる。
お互いに、大事な約束事を、誓い合うように。
「だから、貴方以外、誰にも見られない場所に、連れて行ってくれませんか?」
その場所がどこなのか、皆目見当がつかないのだけれど。
それ以上に、そのお願いを否定する理由を、見つけることが出来なくて。
「ああ、約束するよ」
そう短く、ただしっかりと答える。
するとゼファーは、春風に誘われて開く桜のような明るい笑顔を見せてくれた。
「はい、風待ちしていますからね?」
それからしばらくして、学園の一部で、ちょっとした噂が流れた。
服が一式入りそうな袋を持ったゼファーが俺と共に、トレーナー寮に向かう姿が目撃されたとか、なんとか。 - 7二次元好きの匿名さん23/05/23(火) 23:16:41
お わ り
スレ立てした瞬間落ちると焦りますねえ - 8二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 01:14:01
褒め始めると止まらないトレーナーの性
それはともかくトレーナー宅でタイマンファッションショーやってる…!? - 9二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 02:53:33
担当ウマ娘のバ体チェックはトレーナーの業務なのでヨシ!
◇このドスケベギャルファッションは──? - 10二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 03:40:23
いじらしいゼファーは可愛いですね
それはそうとトレーナー寮でファッションショーは「そういうプレイなん?」案件すぎる…… - 11二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 06:27:17
崩れかけた風語彙を慌てて矯正するのかわいい
- 12123/05/24(水) 06:43:05
- 13二次元好きの匿名さん23/05/24(水) 08:40:06
ひたすらかわいい
中学生に脳を焼かれたトレーナー陣可哀想なまごろしじゃん
タイマンファッションショー、これは、流行る! - 14123/05/24(水) 13:19:50