- 1二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:34:31
- 2◆uSHhaiTNoSeM23/05/25(木) 17:35:14
よきかな
- 3二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:35:35
「そういや名前聞いてなかったな。」
「ズズッ…トウカイテイオー…テイオーでいいです。」
「テイオーはなんでこんな夕方に一人で公園にいる?お子様はおうちに帰る時間だぜ。」
「お母さんとケンカしちゃって…。家出してきたんです。でも、もどるにもどれなくて。」
いかにもガキっぽいな。よく顔を見ると涙の跡が残っている。
「お姉さん、その制服トレセンのだよね?いっぱいレースとか勝ってるんですか?」
「あぁもちろん。ワタシは今年の夏に、日本のクラシックの頂点を獲った。今度は海外を…世界を獲る。」
「クラシックの頂点って…!まさか、今年のダービーを勝ったシリウスシンボリさん!!?」
フッ、その驚き方…ベタだが嫌いじゃねぇ。
「シンボリルドルフさんのレースばっかり見てたから気づかなかったー。」
イラッ
「このガキが…」
「うわああ頭グリグリしないでよおお」
そうやって話してるうちに日が暮れそうになったので、家まで送ってやることにした。
…なぜワタシは知らないガキにこんな真似を。
「あっ、あれがおうちだよ!」 - 4二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:35:53
テイオーが指さす先には、それなりにデカいお屋敷があった。
ガキのくせに行儀がいいとは思ったが…。
「テイオー!どこに行ってたの!心配したのよ!」
「うわあああ出てってごめんなさい!!」
テイオーの母らしき人が駆け寄ってくる。あと少し遅かったら警察沙汰だったな。
「うちの子を連れ帰ってくれてありがとうございます!…あら?貴方はもしやシンボリ家の…」
「たまたま通りかかっただけです、礼には及びませんよ。ではワタシはこれで…。」
テイオーにかまってたら時間食っちまった。…帰るか。
「シリウスさ~ん!!」
「?」
名前を呼ばれ、思わず振り返る。
「いつかぜったいシリウスさんも、ルドルフさんだってこえるウマ娘になって見せるから!!トレセンでまっててね~!!」
「…へぇ?言うじゃねえか。」
手を大きく振るテイオーを見届けて、満足げに帰路についた。 - 5二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:36:14
…なんてこともあったな。
『トウカイテイオー抜けた!トウカイテイオー抜けた!三バ身から四バ身!──』
「笑みが漏れ出てるぜ?皇帝サマ。」
生徒会室にて、二人のダービーウマ娘の姿がそこにはあった。
シリウスシンボリは、ソファを占拠するように足を組んでドスッと座り、生徒会長シンボリルドルフは、にやける顔を我慢してスマホに釘付けになっている。
「もう正直に言えよ。テイオーが自分と同じく無敗でダービーを獲ったこと。誰でもいいから自慢したかったって。」
「ひどい言い草だなシリウス。たまたますれ違って声をかけただけだろう。」
「テイオーをえらく気に入ってるようだが、何か思い入れでもあるのか?」
「二冠達成の直後に、我一番にと報道陣をかきわけて祝いに来てくれてね。…それに、あの子には運命的な何かを感じるんだ。まるで親にでもなったような…」
「それはそれは喜ばしいことで…。」
「シリウスも彼女を知っているようだが、過去になにかあったのかな?」
「なに、別に話すほどの事でもない。でも、運命的な何か…それはワタシも同じかもな。」
「カイチョーー!!!」
突然、生徒会室の扉が開かれ、新たな二冠ウマ娘トウカイテイオーが元気そうに現れた。
「会長!あのねあのね…あれぇ、シリウスもいる!会長と仲良く一緒なんて珍しいね。」 - 6二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:36:33
「別に仲良くなんてねぇ。」
「シリウス…。テイオー、それで?何か用があるのかな?」
「ボクと一緒に並走して欲しいんだ。無敗の二冠ウマ娘の実力、とくと見よ!ってね。」
思わずシリウスが顔をひしゃげる。
「そうだな、この後だったr」
「おいおい、天下の皇帝サマは仕事で忙しいんだ。大好きな先輩の迷惑になるぜ?」
「うー、そっかあ…」
「代わりにワタシが付き合ってやるよ。昔のあの発言、忘れたとは言わせねえぜ?」
「え、いいの!?わーい久々にシリウスと並走だあ!じゃあ会長、あとでね!」
シリウスが、テイオーと去る間際にルドルフと目を合わせる。そして邪悪な笑みをたたえて呟いた。
「(テイオーは『ワタシの』ものだ。)」
「…!!」
ルドルフが早足で駆けより、テイオーの腕を掴む。
「待て、テイオー。実は予定が開いているんだ。今なら走っても構わないよ。」
そこにシリウスが割り込み、ルドルフの手を振り払う。 - 7二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:38:01
「おいおいワタシが先約だぜ?皇帝サマには引っ込んでもらおうか。」
「その言葉は頂けないな、シリウス。『私の』テイオーは私と並走してがっている。別に構わないだろう?」
「天下のトレセン学園生徒会の会長サマが横入りか?それとも、『ワタシの』テイオーを無理やりにでも奪うとでも?」
生徒会室が一瞬、静かになる。
「…『私の』テイオーを返してもらおう。」
普段から抑えていた、獰猛なライオンのような恐ろしいオーラが一気に噴き出す。
「『ワタシの』テイオーを譲ったつもりはさらさら無え。…表出ろ。芝2400で勝負だ。負けても吠え面かくなよ?」
「…ッ!!望むところだ。終始先行して君を叩き潰す。」
二人が睨みあっていたその時、テイオーが二人の間に収まる。
「ふ、二人とも、なんだかすっごく怖いよ…。ボク並走したいだけなのに、どうしちゃったの…?」
「テイオー、止めてくれるなよ。」
「その通り、これは大事な戦いだ。」
「三人で一緒に並走すれば良いじゃん!!こんな風に争う二人…見たくないよ。見たく…ないよお……うう」
テイオーがぴわわっと泣き始め、あっ…。と二人が我に返る。 - 8二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:38:58
「す、すまないテイオー、別にシリウスが嫌いになったとかそういうのでは」
「お、落ち着けテイオー。これから三人で順番に走ろう、な?」
あたふたと二人がテイオーをあやす。
「…本当?」
「「ああ!」」
「…ぐすっ、じゃあ走る。」
二人はホッと胸を撫でおろした。
「じゃあさ、仲直りで三人で手つないでいこ!ボクが真ん中だモンニ」
「ははっ、子供かよ。」
「まぁまぁシリウス、今回だけでも。」
テイオーを真ん中に、三人で手をつないで生徒会室を出る。
「シリウス、今度またはちみー買ってよね。」
「ったく…仕方ねえな。」
「そう言いつつ笑みがこぼれてるぞ、シリウス。」
三人は、他愛ない話をして幸せそうに歩いていく。 - 9二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:39:16
ついでに、たまたま通りかかった野生のデジたんは死んだ。
「尊…すぎ…る…」 - 10二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:39:39
才能の不法投棄とかいけませんねぇこれは
ちょっと五体投地して尊崇しますねありがとうございます - 11123/05/25(木) 17:40:37
以上、昨日に書き留めておいたシリウスおいたん概念でした。
スレ画は仲直りするシリウスと会長です
過去作↓
【SS】「うお、でっか…」|あにまん掲示板「…は?」「え?」一瞬で我に返る。今後のトレーニングの方針を語るはずが…俺は今何を喋った…!?意識が朦朧として、精神的に限界だったのが原因か。なんにしろ正気ではない。俺はここ最近寝不足でまともに休みも…bbs.animanch.com - 12二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:45:31
シリ×トレ以外でも中々良いのをお描きになさるな…
- 13二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:49:30
でっかの人か!!
- 14二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 17:52:38
でっか…3連発からの落差が凄い
- 15二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 18:03:25
いつおっぱいが来るか身構えてたわ
- 16123/05/25(木) 18:09:34
- 17二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 18:29:20
野良デジたんとは…?
デジたん(霊体)は訝しんだ - 18二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 19:32:00
- 19二次元好きの匿名さん23/05/25(木) 20:54:39
いいSSじゃないか…テイオーの純粋さが沁みる
- 20二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 06:40:13
デジたんだけ無限に増えていくのか
- 21二次元好きの匿名さん23/05/26(金) 18:10:24
オグタマとか書いてみて欲しい
- 22123/05/27(土) 02:18:55
- 23二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 07:48:21
健全SSも楽しみだしおっぱい路線も楽しみだぜ
- 24二次元好きの匿名さん23/05/27(土) 18:41:34
保守
- 25二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 01:29:45
新作ってどっちのスレに投げる予定ですか?
- 26123/05/28(日) 07:41:24
- 27二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 10:41:56
楽しみ!