ここに来れば

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 10:42:21

    「…………暇ね」
    「いいことじゃないですか~。探偵が暇ってことは、それだけ平和なんですから~。はぁい、コーヒーですよぉ」
    「あぁ、ありがとう……それはそれとして、仕事が来ないと私はあなたの給料も払えないことになるのだけれど」
    「うっ……それは困りますぅぅ……」

    から始まる覇王世代探偵パロがあるって聞いたんですけど

  • 2二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 10:46:32

    当店はセルフサービスとなっております
    ご自由にお書きください

  • 3二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 10:59:44

    浮気調査とネコ探しがメインじゃないの?
    探偵って

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 11:06:12

    浮気疑惑もそうそう持ち上がらないしペットもそうそう失踪しないってのはめちゃくちゃ平和だから矛盾しないと思うが……

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 11:09:27

    刑事トプロさん
    茶色のトレンチコートがすごくすごい似合うね
    「アヤベさん!この事件は私たち警察で解決します!すごくすごいおとなしくしててくださいね!」

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 11:11:28

    >>3

    ドトウは猫探しめっちゃうまそう

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 11:22:22

    >>6

    見つけた瞬間トプロと遭遇して逃げられる

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 11:30:42

    きっかけは一通のメールでした。
    トレセン学園を卒業してから数年経った頃。
    同期の皆さんに対して、オペラオーさんからあるメールが届いたのです。
    内容はちょっぴり難しかったんですけど、アヤベさんやトップロードさんに協力してもらって解読しました。
    簡単にまとめると、「ボクの遠い親戚が探偵をやっていたんだけど、訳あって事務所を離れないといけなくなった」「しばらくしたら戻るから、それまで管理する必要がある」「ボクはしばらく海外に行くから、誰か代わりに管理してほしい」ということだったのです。
    「何よこれ……こういうのって普通同期に頼んだりしないでしょ」
    「で、でも、そのぐらい切羽詰まってるのかもしれませんし……」
    「探偵……! なんだかワクワクする響きですね!」
    「なら、この件はトップロードさんに任せるわ。それじゃ」
    「あ……でも私はちょっと厳しいかもです……」
    「えぇっ、どうしてですか~?」
    「その……私、今、いちおう公務員なので……。副業とかをすることになっちゃうと……」
    そう、トップロードさんは卒業後に刑事さんになっていました。
    そうなると、普通の会社に勤めている私かアヤベさんがすることになるのですが……。
    「はぁ……分かったわよ。私がやるわ」
    「ええっ! でもさっきはやらないって……」
    「ドトウ一人に任せる方が怖いのよ……。私から連絡したくないし、オペラオーには伝えといて」
    「ま、待ってくださいいい! そ、それなら私もやりますぅ! アヤベさん一人に負担をかけたくありませんんん!」
    ……ということで、事務所の代表がアヤベさんに、その助手として私が働くことになったのでした……。

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 12:08:04

    最初のうちは右も左も分からないままでしたが、1年近く経ってようやくお仕事にも慣れてきました。
    ……ただ、一つだけ問題がありまして。お仕事が来ないんですぅ……。
    よくよく考えてみたら、あんまり「探偵さんに依頼した」なんて話聞きませんしねぇ~……。
    最初のうちはちょっとした依頼がいくつか来ていたんです。それこそ「猫ちゃんを探してほしい」って依頼なんかは、アヤベさんもすごく張り切ってました。
    でも猫ちゃんだってそんなに何回も逃げませんし、お金を払ってまで探偵さんに依頼するようなことなんてそうそう起きません。
    今月は一回だけ依頼がありましたけど、それも全然お金にならないようなお仕事でしたし……。
    「……ドトウ。そろそろバイトで家賃を払う生活も視野に入れなさい」
    アヤベさんがそう呟いたのは、つい昨日のことだったと思います~……。

    「……はぁ。どこかに依頼無いのかしらね……」
    とうとうアヤベさんから哀愁漂う一言が出ました。ここは助手である私が……!
    「あ、アヤベさん! 私、ちょっと依頼を探しに……わひゃあっ!?」
    「あーあーあー……大丈夫? ヤケドしてないわよね?」
    せめて足で稼ごうと思って立ち上がったら、勢い余ってコーヒーこぼしちゃいましたぁ……。お気に入りの服のお腹の辺りが真っ黒ですぅぅぅ……。
    「うぅ……面目ありません……」
    「ほら、早く服脱ぎなさいな。さっさと洗濯しないとシミになるわよ」
    「はいぃぃぃ……」
    アヤベさんにも手伝ってもらって、コーヒーまみれになっちゃった服を脱ぎました。後はこれを洗面所に……。
    「アヤベさんアヤベさん! すみませんちょっとすごくすごいことがありまして!」
    そこで、事務所のドアが勢いよく開きました。ドアを開けたトップロードさんはこちらを見て、一言。
    「…………お楽しみ中のところ、失礼いたしました~……」

  • 10二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 12:31:20

    !!!!!世界が始まっている!!!!!囲め!!!!!!!!!

  • 11二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 13:16:45

    「いやぁすみません……早とちりしてしまいました。まさかお二人がもうそんな関係になっているのかと……」
    数分がかりで何とかトップロードさんの誤解を解いたところで、ようやく落ち着いて話ができるようになりました。危うく人間関係に影響のあるとんでもない誤解を生むところでしたが、解けてよかったですぅ……。
    「……それで、貴女の言う『すごくすごいこと』は何なのかしら? あんなに急いで来るようなことなのだから、よほどの事があったのだとは思うのだけれど」
    「そ、そうなんです! 実は警察宛てにこんなものが届けられまして!」
    そう言ってトップロードさんが見せたウマホには、乱雑な文字で一文。
    『ハルウララのライブを中止しろ』と書かれていました。
    「これは……脅迫文かしら?」
    「はい、恐らくは……。でも、これを警察に届ける理由が分からないんです」
    「た、確かに……普通ならウララさんの方に届けますよねぇ……」
    「警察側ではあくまで警戒態勢を敷くぐらいしかできないので、探偵であるアヤベさんに調査をお願いしたいと思いまして……。もちろんタダとは言いません!ちゃんと私のお財布からお金を出します! 貯金箱からも出しちゃいます!」
    「…………一応確認なんだけど、貴女って本当に私と同い年よね?」
    「失礼な! ちゃんとこの間XX歳になりましたよ!」
    「……まぁいいわ。とりあえず、こちらで出来る限りのことは調べてみるから。私たちも素人だし、あまり期待はしないでちょうだい」
    「……! ありがとうございます!」
    そしてトップロードさんは帰っていきました。
    「……さて、とりあえず分かっている情報を挙げましょうか。脅迫対象のウララさんは、現役中はダートを主戦場にするも全敗。しかし人気は高く、引退してからはタレントとして活躍してるわね」
    「だとすると、やっぱり嫉妬でしょうかぁ……?」
    「……いや、そうとは限らないかもしれないわよ?」
    久々の依頼で、なんだかアヤベさんも楽しそうです。かくいう私も、ちょっぴり楽しくなってきていました。
    それがまさか、あんなことになるなんて……。

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 13:17:37

    このレスは削除されています

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 13:18:18

    とりあえずコーラとポップコーン取ってくるから
    続けて?

  • 14二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 13:19:37

    >>8

    >>9

    >>11

    私にはこれが限界なのです……

    トリックも思いつかないし、ここからどうすればいいのかも分からないのです……

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 13:42:56

    >>14

    コナンや金田一みたいなトリック作らなくてもいいんじゃよ

    会話劇で怪しい人探したりとかもできるしダイスで展開決めるという手もある

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 13:55:13

    お前~!ここまで素晴らしいものを読ませておいて続きがないなど許されるのか!

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 15:28:52

    >>16

    すまない、俺には……俺にはこれが限界だったんだ……

    この設定は好きに使ってもらって構わない。どこかの優しくて文章が書ける人に託そう……

  • 18二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 17:06:36

    いずれオペラオーが何かしらの大きな事件に関わって姿を消したと判明しそうだな

  • 19二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 18:13:29

    >>18

    アリですね……

    個人的には中盤から連絡だけが来るイメージがあったので噛み合いますねぇ

  • 20二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 20:45:22

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 21:06:16

    >>17

    では僭越ながら続きを>>11から

    「あのぅ……そうとは限らないとはどういうことでしょうかぁ……?」

    私はおそるおそるアヤベさんに尋ねてみました。

    「いい…?ドトウ。貴方の言う通り嫉妬ならウララさん本人に送るはずよ。だけど、脅迫文はわざわざトップロードさんの勤務する警察に送られてきた。ドトウ…ウララさんのライブはどこで行われるかしら?」

    私はウマホでウララさんのライブの開催地を調べました。

    「ええと…どうやら高知のちばさんセンター・大ホールで行われるみたいですぅ…。ウララさん…現役時代は高知でよくレースをしていましたからぁ…高知が第二の故郷だってよく言っていましたぁ……」

    するとアヤベさんはもう一つ私に質問してきました。

    「じゃあドトウ、トップロードさんが勤めている警察署の管轄地域はどこかしら?」

    「ええとぉ……あれぇぇぇ…⁉︎トップロードさんが勤務している警察は栗東警察署…管轄外どころか県外ですうぅぅ……⁉︎でもトップロードさん、警戒態勢を敷くって言ってたようなぁ……?」

    「はぁ…おそらくトップロードさんの上の人が、現地の警察署に警戒態勢を敷くよう促したんでしょう…。トップロードさんは慌てて、それを私たちに伝え忘れていたみたいだけど……」

    そう言ってアヤベさんは、ため息をひとつ吐きました。




    こんな感じでどうでしょうか?

  • 22二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 21:08:52

    おおお!続きが気になりますねえ

  • 23スレ主23/05/28(日) 21:09:58

    >>21

    わぁぁぁ本当に続きを書いてくださる方がいるなんて……!ありがとうございます!

    アヤベさんのホームズ感もマシマシで良いと思いますねぇ!

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 22:09:13

    警察になったトプロは短髪だと嬉しい

  • 25スレ主23/05/28(日) 22:54:40

    >>24

    イラスト……! そういうのもあるのか……!

    現役とは雰囲気の変わったウマ娘ちゃん達もいいですね……!

  • 26二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 23:29:27

    流れぶったぎってたら申し訳ない……!でも思い付いてしまったので、一レスだけパラレルワールドとしてお目汚しさせていただきます……!


    「たのも~!ここに来れば、ボクの依頼をこなしてくれると聞いたのだが!」
    「おかえりください」
    「ちょっ、アヤベさん!困ってる人をいきなり帰したらダメですってぇ~!」
    「何が悲しくてオペラオーの依頼なんて聞かなきゃいけないのよ……絶対面倒なことになるわ」
    「はーはっはっ!まぁそう言わずに、ボクの依頼を受けてくれたら、ちゃんとお礼は弾もうじゃないか!」
    「さ、さすがオペラオーさんですぅ~!あ、アヤベさん、これだけもらえたら来月までアルバイトを始めなくてよくなるかもしれませんよ!」
    「はぁ……依頼内容は?」
    「ふふん。……ある人を探して欲しいんだ。……ボクのハートを盗んだウマ娘をね」
    「はぁ??」
    「お、お、オペラオーさんのハートをですかぁ!?そ、それってつまり……」
    「そうさ……。あの日に出会った時から、ボクはずっと焦がれているのさ……。恋という名の火に……!ボクのハートを盗んだあのウマ娘に……!」
    「う、ウマ娘ってことはつまり、お、女の人同士で……!」
    「……まさか、あなたにそっちの気があったなんてね。……まぁ、この際野暮なことは言わないことにするわ。で、その人とはどこで出会ったの?」
    「忘れもしないさ……それは昨日のこと……」
    「昨日……割とすぐなのね……」
    「朝あのウマ娘に出会ったとき、ボクの体にまさに雷が落ちたよ!この世にこんなにも美しいウマ娘がいたのかと!!」
    「……オペラオーがそれほどの評価を下す相手なんて一体……」
    「一刻も早く探して欲しいのさ……部屋の洗面台の鏡に映ったボク自身をね!!」
    「おかえりください」

  • 27二次元好きの匿名さん23/05/28(日) 23:53:13

    >>24

    ショートトプロにロングオペめちゃくちゃいい

  • 28二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 00:09:45

    >>21の続きから


    「だとするとぉ…それだとなぜ犯人は、トップロードさんの警察署に脅迫文を送ったんですかぁ……?」

    するとアヤベさんは驚くべきことを言いました。

    「単刀直入にいうと、犯人の目的はウララさんだけじゃないわ…。犯人の目的はトップロードさん…いえ…私たち同期5人全員よ」

    「ええええええぇっ‥‼︎」

    思わず私は大きな声を上げ、立ち上がってしまいました。その際、私は机に脚をぶつけてしまいました。い…痛いいぃ….。

    「はぁ…まぁ、驚くのも無理はないわね…」

    ううっ……。私はぶつけた脚を摩り、アヤベさんに尋ねました。

    「てもぉ……アヤベさんはどうして目的は、私たちだって分かったんですかぁ……?」

    「……おそらくこの写真よ……」

    そう言ってアヤベさんはウマホをいじり、私に一枚の写真を見せました。その写真には私、トップロードさん、オペラオーさん、ウララさん、アヤベさんがそれぞれ写っていました。

    この写真はアヤベさんとトップロードさんがトレセン学園を卒業する際、オペラオーさんが『アヤベさんとトップロードさんの新たな序曲にボク達からのファンファーレを!!』と言って記念に撮ったものでした。

    その後、撮影したカレンさんによってウマスタにあげられたときは、びっくりしましたが……

    でもそれは私にとっても、きっとアヤベさんにとっても、思い出深いものでした。

    でも、その写真が今回の脅迫文のきっかけだなんて……

    「犯人はウマスタでこの写真を見て、私たちに関係性があることを知った。そして犯人は何らかのきっかけで、トップロードさんが刑事になっていることを知った。そして、あの脅迫文を送りつけた。正義感が強くて、友達思いのトップロードさんなら管轄外だとしても自ら応援として出向くはずよ。

    でも、警察っていうのは事件が実際に起きるまで精々、さっきトップロードさんが言っていた警戒態勢程度の動きしか出来ないわ」

    それで、トップロードさんは私たちに依頼をしてきた、ということですよねぇ……

  • 29スレ主23/05/29(月) 05:38:25

    >>26

    本編終了後のほのぼの回……!

    こういうの大好物なのでどんどん書いてもらって大丈夫です()

  • 30二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 06:18:00

    誰かが連なるシーンをかいてくれると聞いて

  • 31二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 06:18:13
  • 32スレ主23/05/29(月) 06:21:53

    >>30

    >>31

    おおおおお!? この後ってもしかしてアヤベさんの戦闘シーンとか入る流れでは!?

    まさかのコミカライズ化でちょっと感動してます

  • 33二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 14:15:30

    >>28の続き

    でもそうなると、やっぱり気になるのは……

    「あのう…アヤベさん……犯人はどうして私たちを……」

    私がそう言うと、アヤベさんは下を向き難しい顔をしました。

    「……これはあくまで私の推測だけど、犯人は私たちに強い恨みを持つ人間もしくはウマ娘よ。特にオペラオー、そしてドトウ、あなたにね……」

    「わ……私とオペラオーさんに…な…何故ェ……?ドジでおっちょこちょいで人に迷惑かけてばかりの私はともかく、オペラオーさんまでぇ……?」

    「……貴方達はトゥインクルシリーズのシニア路線で目覚ましい活躍を見せた。特にオペラオーは、ウマ娘で唯一のグランドスラムを達成した。でも、それは逆に言うと、彼女のレースに出てた他のウマ娘達を全員、敗者にしたことになるわ。そうなると、そのウマ娘もしくは、そのファンの人たちはこう思う者もいるわ『オペラオーさえ居なければ』『ドトウさえいなければ』ってね」

    私はアヤベさんの言葉を聞いて思い当たる節がありました。あれはあの有馬記念の直前、私たちを応援してくれている声に混じって……

    『なんか、オペラオーばっかり勝ってて、つまんないんだよな。しかも、2着はいつもドトウだし……』

    『他の娘達も可哀想だよな。オペラオーたちと同じレースに出たばっかりに……』

    また、それはファンの人達のみではなく……

    『なんであの娘たちばっかり……』

    『あの娘たちさえいなければ……』

    といった、私たちが出てたレースにいたウマ娘さんたちからも、こういったことを陰で言われていました……。

    あの時は、オペラオーさん達が、いつも通りに接してくれたおかげで、心は折れずに済みましたが……

    「でも……だとすると、ひとつ疑問が残りますぅ……その理由なら、ウララさんとトップロードさん、そして、アヤベさんには関係ないはずですぅ……」

    「ドトウ……こういうことわざがあるわ…『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』…。犯人にとっては、アナタたちと親密な関係の人たち全てが敵なのよ…だからまずは、アイドルである以上露出の多いウララさん、刑事のトップロードさんを標的にしたのよ。要はあの脅迫文はトップロードさんを釣るためのエサってこと」

    アヤベさんはそう言って『あくまで私の推測だけどね…』と付け加えました。

  • 34二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 14:22:25

    うわあ続きたすかる!!
    アヤベさんが名探偵だあ……!

  • 35二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 14:32:34

    史実エッセンスええな

  • 36二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 14:35:37

    「でもそれなら、トップロードさんに行かせるのはきけんですぅ……今すぐ、トップロードさんにこの事を伝えないと……」
    「トップロードさんが聞くと思う?あの人…ああ見えて頑固なところがあるから……それに、どっちにしても、ウララさんが危険なことに変わりないわ」
    アヤベさんはコーヒーを啜りながらそう答えました。
    「じゃあ、一体どうすれば……」
    すると、アヤベさんは不敵に笑い
    「だから、私たちで調査するのよ…ドトウ…。犯人にとっても、私たちが出向くなら好都合でしょ?
    でも、ウララさんのライブは必ず中止にはさせないし、トップロードさんに手出しはさせない。そして、犯人は必ず暴いて見せる。それが、今回の私たちへの依頼でしょ」
    「……アヤベさん……!」
    アヤベさんの言葉を聞いて、私は少し勇気が出て来ました。
    初めは不安でしかなかった探偵業も、アヤベさんがいたおかげで、なんとか形になっていきました。
    私にとってアヤベさんは暗い夜道を照らす一等星でした。
    どんな難しい依頼もアヤベさんとなら、なんとかなる、そう思えてきました。
    「はいぃぃ…!私たちで必ず解決しまひょう……か…噛んじゃいましたぁ……!」
    「フフッ…滑舌の悪さは治らないわね…ドトウ」
    そういったアヤベさんは、どこか楽しそうに笑ってました。

  • 37二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 14:40:31

    すみません、裏メニューの怪盗オペラオー編はありますか

  • 38スレ主23/05/29(月) 14:53:19

    >>37

    こちらの方セルフサービスとなっております

  • 393723/05/29(月) 15:29:40

    「はーっはっはっはっは!!また会ったね、アヤベさん、ドトウくん!」
    「待ちなさい、テイエムオペラオー!太陽のトロフィーは返してもらうわよ!」
    「み、密室になっていたはずなのにどうやって……!?」
    「そう、この世紀末覇王に不可能はないのさ。二人ともまた会おうじゃないか!オ・ルボワール!」

  • 403723/05/29(月) 15:31:18

    もう一つ、怪盗『テイエムオペラオー』を捕まえるため頑張っているドジっ子探偵のドトちゃんと、その昔馴染みの友人の栗毛の女の子の話を思いついたけど後は頼んだ

  • 41二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 17:06:03

    このレスは削除されています

  • 42二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 17:14:24

    >>21

    すげえいい……!

    地元が現場になってると嬉しいな…

    (あと会場名についてなんですが“ぢ”ばさんセンターなんです紛らわしい名前で申し訳ない……)

  • 43二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 20:58:12

    >>42

    ご指摘ありがとうございます

  • 44二次元好きの匿名さん23/05/29(月) 21:47:44

    気付かない内にすごくすごい進んでる…ありがたやありがたや

  • 45スレ主23/05/30(火) 06:37:27

    どんどん話が進んでいる……!
    何となくで生み出した概念が広がっていくのはなかなか良いものですね……

  • 46二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 07:47:38

    依頼を受けた数日後、私たちはトップロードさんの車に乗り、ウララさんのライブが行われるぢばさんセンターに移動してます。
    ウララさんのライブは何度か見たことがありますが、参加した人が皆んな笑顔になれる、とても素晴らしいものでした。
    だからこそ、あの脅迫文を送った犯人を必ず暴かないと…!
    「…あなたが免許を取ってたなんて意外だったわ」
    「はい!遠くに移動する際、走りだけだとすごく不便ですから…。勿論免許を取るのは、すごくすごい大変でした!」
    アヤベさんは助手席に座り、頬杖をついて外を眺めながらそう言いました。
    「それにしても、犯人の目的がウララちゃんだけでなく、あの写真に写った5人全員だなんて……通りでわざわざ私の勤務している警察署に脅迫文を……」


    中途半端ですが、とりあえずここまで

  • 47二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 08:00:25

    素晴らしいですっ!

  • 48二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 17:25:35

    >>46の続き


    「ええ…その通りよ。でも、逆に考えれば犯人の目的が私たちである以上、こちらから犯人を出迎えられる、つまり捕まえやすくなるわ。そういえば、結局あなたは会場警備にあたるのかしら?」

    「あ、いえ…そもそも私は刑事という立場なので、そもそも役割が違うんですよね…。それに、仮に事件が起こったとしても管轄外なので、どっちにしろ動けません。ですので、今回はウララちゃんを守るファンの一人として、ライブに参加しようと思います!ウララちゃんや皆さんに近づく怪しい人をちぎってはなげ、ちぎってはなげしてやります!」

    トップロードさんはそう意気込んでますが、犯人の目的の一人はトップロードさん本人なので、少し心配ですぅ…勿論、トップロードさんのことは信じていますが…。

    「あのう……ところでウララさんはこの事を知っているのでしょうか…?それに、犯人の目的が私たちなのは分かりましたが、具体的に何をするのかがまだ分かっていません…。」

    「前者については心配ないわ。ウララさん本人には、私たちがライブを見にくることだけ伝えて、事件については何も知らせてないけど、彼女のマネージャーをやっているキングさんには伝えているわ。もし、万が一ウララさんに被害が及ぶことがあったら、彼女に守ってもらうつもりよ。問題は後者、それについては癪だけど実際に起こらないと分からないわ。できれば、何も起きずにただの私たちへの嫌がらせだったらいいんだけど……」

    確かに…脅迫文はただの脅しで、私たちを困らせるだけならまだいいのですが…もし、何か危害を加えてくると考えると、少し怖くなってきました。

  • 49二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 17:34:46

    毎日の連載が楽しみになってきている
    ありがとう…ありがとう…

  • 50二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:20:26

    保守

  • 51二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 07:10:26

    こうしている内に私たちは今日泊まるホテルに着きました。
    ちなみに、ホテルの宿泊代はトップロードさんが出してくれるみたいです。本当、何から何まですみません……。
    「ライブは明日の夜からなので、それまではホテルでしっかり休みましょう。気を張りすぎて体調を崩してしまったら、元も子もないですから!」
    「ホテル…布団がふわふわなのかどうかが一番の問題ね…。一応、マイ布団は持ってきたけど…」
    あぁ…通りでアヤベさん、あんな大きなバッグを…
    「あ…ちなみに部屋は皆さん同じ部屋です。流石に3部屋借りるお金はなかったもので…ですが、丁度シングルベッドが3つ置いてある部屋なので、かなり広いですよ!」
    「別に同室でも問題ないわ…。それよりも、布団がふわふわかどうかよ…。ベッドの質によって今日の睡眠状態と明日の態勢が決まるわ…」
    二人と一緒の部屋なのは、正直に言うと楽しみです。特にトップロードさんと寝泊まりするのは今までなかったですから…。
    そんなことを話している内に、トップロードさんがカードキーを借りて移動し、部屋にたどり着きました。
    部屋の中では、明日のライブの席の確認をしたり、他愛のない話をしながら一日を過ごしました。
    ちなみに、布団はそれなりにふわふわだったので、アヤベさんも満足気でした。

  • 52スレ主23/05/31(水) 07:27:41

    凄い……もう私の出る幕がないぐらいに話が出来上がっていく……

  • 53二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 16:17:27

    ふわ……ふわ……

  • 54二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:39:15

    翌日の午後3時、私たちはライブ会場のぢばさんセンター前までやってきました。ライブ三時間前だというのに、ウララさんのチケットの即日販売は既に売り切れており、会場の前は多くのファンで埋め尽くされていました。
    「ウララちゃんが人気なのは知っていましたが、こんなにも人ですごくすごいとは……!同期として、すごくすごい鼻が高いです!」
    「トップロードさん…あなた、また語彙力……。でも、たしかに凄い人ね…、これもウララさんの実力と愛嬌があってこそだと思うわ。ただ一つの問題は、この大勢の人の中に、脅迫文を送った犯人がいるかもしれないってことね」
    しかも、犯人はライブ前、もしくはライブ中にどんな行動を起こしてくるか分かりません。
    幸い私たちの席はウララさんの紹介もあって、最前列を取ることが出来ました。しかも、友人関係者として、ウララさんの控え室にライブ前に立ち入ることが許可されました。これも、アヤベさんとトップロードさんとキングさんが事前に打ち合わせをしてくれたおかげです…!
    「うわー皆んな来てくれたんだー!さっきもね、ライスちゃんとデジタルちゃんから、ここに着いたってLANEが届いたんだ!よーし、今日のライブも頑張っちゃうぞー!」
    「はい!私もウララちゃんのライブをすごく盛り上げますので、がんばってください!」
    控え室に着いた私たちは、ウララさんの対応をトップロードさんに任せ、私たちはキングさんと対策会議を行なっていました。勿論、ウララさんには聞こえないようにです……。
    「…キングさん、控え室に怪しい贈り物や装置はなかったのよね?」
    「ええ…室内は勿論、ライブ会場も入念に確認したけれど、怪しいものは何一つなかったわ…それと、スタッフにはファン全員の衣類、持ち物検査を徹底させているわ」
    「そうなると、犯人が行動を起こすのはライブ中ってことになりますよねぇ…」
    私たちがそう話していると、キングさんは強く唇を噛み締めました。
    「それにしても許せないわ…!ウララさんがここまでくるのにどれほどの努力をしてきたのかを知らないで…!」
    「……ええ…私たちも許すつもりはないわ」
    「はいぃぃ…!必ず犯人を暴いて見せますぅぅ!」
    私たちはキングさんには、ライブ中も舞台裏でウララさんの近くにいるようお願いし、会場へと向かいました。
    そして、いよいよライブの時間が近づいてきました。

  • 55二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 06:04:57

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 17:39:48

    7時ごろ>>54の続きをあげます

  • 57二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 20:21:56

    >>54の続き

    ライブ会場へと向かうと、すでに会場はお客さんでほぼ満員でした。

    「さて、ライブが始まるまで残り10分程だけど、正直言って私たちにできる事は少ないわ。何も起こらなければそれでよし、何かが起こったらまずキングさんにウララさんを守ってもらう、そうなると私たちに出来ることは…」

    「ウララちゃんのライブを全力で応援して楽しむことですね!勿論、何かが起こったら即座に対応します!」

    「気を抜かないように、ライブを楽しみましょうって言いたかったのだけれど…ハァッ」

    トップロードさんの言う通り、脅迫文の方に気を取られてライブを楽しまないのは、精一杯歌って踊ってくれるウララさんに失礼ですよね…。

    勿論、気を抜かないように気をつけますが……。

    そう話している内に館内放送が入り、放送内容に従いウマホの電源を切ると、会場が暗くなりました。

    すると、レース前のファンファーレのような曲が流れました。この曲は確か……

    ワアアアアアァッ‼︎

    曲が始まった途端、ライブ会場全体に歓声が鳴り響きました。

    そして、スポットライトが点き、そこには腕を高く上げるウララさんがいました。そして、大歓声と共にウララさんのライブが始まりました。

    「Wo Wo Wo Wo Wo Wo やっと みーんな 会えたねー」

    「この曲…『girl's legend u』ですよね…。ウララさんの普段とのギャップがすごくすごいですぅ…」

    「語彙力がトップロードさんになってるわよ…ドトウ…」

    ウララさんのライブは初めてはないのですが、天真爛漫な彼女とのギャップに、毎回驚かされます…。

    トップロードさんは、いつのまに買っていたのか、ペンライトを振って応援していました。

    アヤベさんもファンコールこそ行なっていませんが、ウララさんの歌うリズムに合わせて体を揺らしてるため、なんだかんだライブを楽しんでいるようです。

    「みんなー!今日はウララのために来てくれてありがとー!」

    ウララさんのMCが始まると再び大歓声が起こり、会場が湧き立ちました。ウララさんのMCは友達と何して遊んだのか、昨日何を食べたのかといったありふれたものですが、ウララさんが話していると自然と笑顔になってしまいます。

    「それじゃあ、次はみんなが知ってるあの曲!いっくよー『unlimited impact!』」

    すると会場が急に暗転しました。

  • 58二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 06:59:02

    続き待ち

  • 59二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 07:36:59

    ほしゅ

  • 60二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 17:32:13

    楽しみに保守

  • 61二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 17:40:09

    side アドマイヤベガ
    ライブ会場が闇に包まれ、雨音のノイズのようなイントロが始まった。私は一瞬、犯人によるものだと思い身構えたが、ステージにウララさんの映像が表示されたことから、ライブの演出であることが分かった。(全く…紛らわしいものね…)と私が安堵した時だ。
    キャアアアアアッ‼︎
    突然、会場中にウララさんの悲鳴が響き渡った。当然、これは映像によるものではない。今ここにいる、本人の声だ。
    ざわざわ…と会場が騒然となり、突如、私の目に眩い光が映った。大袈裟な例えをしたが、単に会場の明かりが付いただけだが。
    そこには、うつ伏せでステージに倒れているキングさんと、キングさんに側で泣き叫んでいるウララさんがいた。
    「ア…アヤベさん…私…救急車を……」
    トップロードさんが言い切る前に、私はキングさんの元に駆け寄り、彼女の体を仰向けにした。
    「うう…アヤベさん……キングちゃんが……」
    私はキングさんの状態を確認し、ウララさんに伝えた。
    「大丈夫よ…ウララさん…。彼女は眠っているだけよ。息も正常だし、脈もあるわ」
    「本当⁉︎うう……良かったよお……」
    キングさんが無事だとわかり、安堵の涙を流すウララさんをよそに、私は犯人の目的に疑問を感じた。
    (これはあの脅迫文の犯人によるもの…。でも、犯人はなぜ…キングさんを…?狙いは私たちのはずよ…。とりあえず、キングさんを控え室に……)
    私はキングさんを持ち上げ彼女を控え室に運び、ソファでキングさんを寝かせていると、トップロードさんがやってきた。
    「とりあえず、救急車を呼んで来たので、後10分もあれば到着すると思います!」
    「分かったわ…ウララさんはキングさんの側にいなさい…。とりあえず、彼女は眠っているだけで、それ以外はどこにも異常はないわ」
    「そうでしたか…本当…良かったです…!でも、結局…ライブは中止になってしまいましたね…」
    トップロードさんの言う通り、ライブは犯人の目論見通りとなってしまった。だが、なぜ犯人はキングさんを襲ったのかが分からずじまいだった。
    あることに気づくまでは…
    「ところでトップロードさん……ドトウを見なかったかしら?」

  • 62二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 03:38:02

    保守

  • 63スレ主23/06/03(土) 11:25:51

    久々に帰ってきたら事件起こってる!

  • 64二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 15:10:09

    ドトウがいなくなった。
    しくじった…キングさんが倒れたことに気を取られて、ドトウがいない異変に気付かなかった。
    あの脅迫文の犯人は、キングさんを睡眠薬か何かで眠らせ、その騒ぎに乗じてドトウを攫う、初めからこれが目的だったのだ。
    (こんなことに気づかず、ドトウをみすみす攫われるなんて探偵失格ね…。)
    「…落ち着いてください、アヤベさん…!地元の警察にも連絡したので、もうすぐ捜索が始まるはずです!それに、刑事の身分でありながら、ドトウちゃんが攫われたことに気づかなかった私に責任があります。今は、ここの警察に詳しい事情を話しましょう」
    トップロードさんは、冷静にこれから私たちが取るべきことを示してくれた。こういうところは、流石刑事といったところね…。
    「そうね…直に救急車も来るし、キングさんはウララさんに任せて、私たちも警察が来るまで待ちましょう」
    そして、ここの警察が到着し、トップロードさんが事件の詳しい経緯を話している最中、私は事件の整理を行うことにした。
    (この事件の気になることは二つ。一つはどうやっていつ、キングさんに睡眠薬を飲ませたのか…あの熟睡っぷり、ウマ娘用の強力な睡眠薬が使われたのは間違いないわ。キングさんが手につけたのは、控え室に置いてあった紅茶とお菓子のみ、でも、あの紅茶とお菓子は私たちの前で開封された。だから、犯人が睡眠薬を入れることはまず不可能だわ…。そしてもう一つは、なぜ犯人はまずドトウを攫ったのか…。私たち三人の内、ドトウの席は真ん中…、一番攫いにくいところ…、攫うにしたって、私かトップロードさんを攫ったほうが楽なはずよ……)
    私がそんなことを考えている内に、トップロードさんは警察に事情を話し終わり、私たちはホテルに戻るよう指示された。こうして、何も分からず何もできないまま、一日が終わった。

  • 65二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 19:13:36

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 01:13:57

    ほしゅ

  • 67二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 06:01:32

    保守

  • 68二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:45:39

    保守

  • 69二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 17:39:00

    >>64の続き

    ドトウがいなくなった日の翌日、私は事件の推理に明け暮れて一睡も眠ることが出来なかった。どうやら、トップロードさんがドトウの件はマスコミには内密にするよう、地元の警察にお願いしてたらしく、テレビではキングさんがライブ中に倒れたことしかニュースになっていなかった。

    「アヤベさん…警察に確認してみたのですが、まだドトウちゃんは見つかってないみたいです。また、やはりライブ会場に怪しい人物はいなかったようです」

    トップロードさんがそう伝えた後、私は『分かったわ…』と返事をし、衣服を脱いだ。なぜか、トップロードさんは慌てふためいていたが、私は気にせず着替えを行なった。そして、私はトップロードさんに出かける準備をするよういった。

    「出かけるってアヤベさん…どこにですか…⁉︎」

    「どこにというより、何をしにいくって方が正しいわね…。聞き込みよ…」

    「ですが…アヤベさん…!ここは私の管轄外地域なので、警察権力は使えませんよ…!」

    「ええ…知ってるわ…。でも、私たちの知り合いなら、何か話してくてるかもしれないわよ…?」

    「知り合いって、誰なんですか…?」

    「昨日ウララさんが言ってたでしょ…?ライスさんとデジタルさんがここに着いたって…」

    私はそういって、ホテルの部屋のドアを開けた。

  • 70二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 19:31:23

    ライスさんとはホテルの近くのレストランで顔を合わせることになった。トップロードさんがライスさんとウララさん経由で連絡先を交換していたので、すぐに呼び出すことが出来た。しかも、ライスさんはデジタルさんと連絡先をこれまたウララさん経由で交換してたらしく、一緒にレストランで合流できるそうだ。
    レストランへ行くと、既にデジタルさんが席を取っており、少し待ってからライスさんがやってきた。トップロードさんが二人に事件の事情を他言無用を前提に説明し、それを心得た二人に聞き込みを行った。
    「どんなことでもいいんです…!当時に気になったことがあれば、教えて下さい!」
    「私からもお願い…。ドトウの安否がかかってるの…」
    すると、まずはライスさんが口を開いた。
    「えっと…役に立つか分かんないんだけど…ウララちゃんからチケットを貰って、私の席は最後列だったんだけど…暗くなったときに変な音が聞こえたんだ…。多分…ステージのシアターが下りた音だと思うんだけど…」
    ステージのシアターが下りた音…確かにそれなら私も聞いた。そういえば、かなりうるさかったわね…最前列なのもあったけど……。
    「当時の状況とは少し違いますけど…アタシはウララさんのライブはいつも最前列で鑑賞しているんです…。でも、今回のライブはウララさんから郵便で最後列のチケットを貰いました。当時のアタシは、ウララさんから招待されたことに舞い上がっていましたが…最後列だったため、ウララさんのお顔はほとんど見えませんでした…」
    ((まともに話しているデジタルさん(ちゃん)見たの初めてだわ(です)……))
    このような状況で、思わず心の中でツッコミを入れてしまったが、妙ね…と私は思った。なぜ、ウララさんはわざわざデジタルさんたちに最後列のチケットを渡したのか…私たちには最前列のチケットを渡したのに…。
    「あの…!アヤベさんとトップロードさんなら…事件を解決してドトウさんを必ず見つけられるよ…!」
    「アタシも信じています…!お二人なら必ず…!ドトウさんを助け出せると……!」
    「…ライスちゃん…デジタルちゃん…!はい!!必ずドトウちゃんを助け出して見せます!」
    「トップロードさん…声が大きいわよ…ええ…探偵として必ず解決して見せるわ…」
    そうじゃないと…あの王子様に顔向け出来ないもの……
    二人から激励をもらった私たちは、レストランを後にした。

  • 71二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:45:57

    保守

  • 72二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 09:37:42

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 18:48:10

    ホテルに戻った私たちは、二人が話した内容を整理した。
    トップロードさんも私と同じ疑問を持っていたらしく、席の場所と暗転したときの謎の異音を中心に推理することにした。
    特に前者は二人がウララさんの近くの席にいると、まるでウララさんにとって何か不都合でもあるかのような不自然さを感じた。また、ステージで鳴った音に関しても、例え旧型のものを使ったとしても、あんな大きな音を立てるだろうか…。
    (後で…キングさんのお見舞いにいくついでに、聞いてみた方がいいわね…)
    すると、私のウマホが鳴り出した。着信元を見ると、見知った名前が表示されていた。
    「ちょっと、電話に出てくるわ。…全くこんな時に…」
    トップロードさんに電話の相手を告げ、私は部屋から出た。
    『ハーハッハッハ!久しぶりだね!アヤベさん!』
    『ハァ……何の用…オペラオー…?」
    電話はオペラオーからだ。彼女は海外にいっているので、当然事件については何も知らない。
    『ボクの声を聞けてないから、みんな寂しがってると思ってね…!こうして、アヤベさんに電話をかけた訳さ!そういえば、ドトウにも電話を掛けたのだが通じなくてね!』
    オペラオーにそう言われ、少し焦った私だったが、どうにかここは誤魔化すことにした。
    「……私たち、昨日ウララさんのライブに行ってきたのよ…。多分、ドトウったらそれで、電源を入れ忘れているわね…後で言っておくわ…」
    『成る程…彼女らしいね!ちなみに後でウララくんとトップロードさんにも、電話をかけるつもりさ!彼女たちもこのボクの声を聞けてなくて、寂しがってるに違いないからね!』
    オペラオーの変わらなさに、少しだけ気が緩んだ私は彼女と少しだけ雑談することにした。
    「そういえば、あなたは今海外で何をやっているのかしら?急に私たちに事務所を明け渡してまで何をしているの…?」
    『…全世界にボクという名のアリアを響かせようと思ってね…!そうだ!せっかくだから、その時に撮った写真をみんなのウマホに送ろう!さらばだ!アヤベさん…!』
    そういうとオペラオーは、大量の写真を私のウマホに送ってきた。
    (……この実行力は、どこからくるのかしら……?)
    送られてきた写真は全て、ポーズを決め、バッグを手に持ったオペラオーを中心に写した写真ばかりで、どこで撮って来たものかは全く分からなかった。

  • 74二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:23:05

    保守

  • 75二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 02:03:19

    保守

  • 76123/06/06(火) 02:09:01

    辻支援

  • 77スレ主23/06/06(火) 05:55:44

    (コテハンでややこしくなってますがこのスレの1は私です……それはそれとして可愛い……)

  • 787623/06/06(火) 11:49:22

    ウワーッ!ほんとうに申し訳ない!!!😇

  • 79スレ主23/06/06(火) 11:51:24

    >>78

    (大丈夫ですよ……素敵なイラストですね……)

  • 80二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 16:52:18

    オペラオーとの電話を終えた私は、トップロードさんと共にキングさんが入院している病院へ行くことになった。目的はキングさんの容態及び、付きっきりで看病しているウララさんにチケットのことを聞くためだ。途中、車内でトップロードさん宛にオペラオーから電話があり、また彼女と会話することとなった。とはいっても、話した内容は私のときとほとんど変わらなかったので、ここでは割愛する。
    その後、病院に着いた私たちはキングさんの病室に向かった。あらかじめ、ウララさんには私たちが行くことを説明していたので、すんなりと病室に入れた。
    「あ…アヤベさんとトップロードちゃん…いらっしゃい…」
    ウララさんは昨日と打って変わって元気がないことは一目瞭然だった。キングさんが余程強い睡眠薬を使われたのか未だ目を覚まさず、ドトウも行方知らずな状況なので、無理も無かった。
    (アヤベさん…こんな状態のウララちゃんに、チケットのことを聞くんですか…?)
    (ええ…事件を解決するためには、やむ得ないわ…ドトウを見つけ出す為にもね…)
    「ウララさん…キングさんなら直に目を覚ますわ。だから、今は待ちましょう。
    それで、さっきライスさんとデジタルさんに会ったのだけど、昨日のチケットはウララさんが配ったのよね?」
    (アヤベさん…!いくらなんでも…脈絡が無さすぎでは…⁉︎)
    「あ…うん、そうだけど…?どうしてそんなこと聞くの?」
    私はライスさんとデジタルさんが話していたことを伝えた。
    「えっとね…ライスちゃんとデジタルちゃんには席を間違って、最後列のチケットを送っちゃったんだ…。後で二人に謝っておくね…。」
    ウララさんの返答に私たちは彼女を少しでも疑ったことに申し訳なく思った。
    「じゃあ私…キングちゃんが目を覚ましたときようにジュースと人参買ってくるから、またね…」
    そういって、ウララさんは自分のバッグを持って病室から出ていった。 
    「………⁉︎」
    「どうしたんですか…アヤベさん?」
    「いえ、何でもないわ」(何かしら…今、彼女からほんの少し違和感が…)

  • 81二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 22:02:30

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 09:08:17

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 09:19:00

    ※推理中の様子

  • 84二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 17:06:30

    >>83

    これは名探偵だ……保守

  • 85二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 17:44:44

    side メイショウドトウ
    ……うう……ここは一体どこ何でしょうか……?頭が痛いですう…。
    ライブ中、突然会場が暗くなって、その後急に眠くなって、その後はえっと…。
    それに…目と口もガムテープで塞がれてて、何も見えませんし、声が出せません……。
    「んーんーんー‼︎」
    ひゃあああっ⁉︎だ…誰かいるんですか⁉︎暗くてよく見えません……。
    でも…この声…私がよく知ってる声な気がします……。
    「んーんー‼︎」
    やっぱり……聞き覚えがあります…!それもついさっきまで……。
    「おや…?目が覚めたんですか?」
    えっ!?他にも誰かいるんですか‥⁉︎
    「そのまま、大人しくしててくださいね…。もし、少しでも騒いだら……」
    すると突然、バチっと音がして、ドサッと倒れる音がしました。
    その音は、先ほどのぐぐもった声と同じ方向から聞こえました。
    「…貴方もこうなりたくありませんよね…といいたいところですが…貴方の顔を見ていたら腹が立ってきました…やっぱり、貴方にもしますね…」
    その声が聞こえたと同時、バチっとした音と共に私の首に鋭い痛みが走り、意識がまた朦朧として来ました……。
    すみません…アヤベさん…トップロードさん………オペラオー……さん……。

  • 86二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 21:31:23

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 06:05:52

    保守

  • 88二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 16:25:17

    保守

  • 89二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 18:19:35

    side アドマイヤベガ
    病院を後にした私たちはライブ会場へとやって来た。あの時のウララさんへの違和感が気に掛かるが、今は先にライブで起きた異音の謎を調べることにした。
    しかし、やはりというべきか、会場は事件の影響で封鎖されており、関係者以外は立ち入れそうになかった。
    「どうしましょう…アヤベさん…私は捜査には…」
    「ここは嘘も方便で行くしかないわ…トップロードさん、警察手帳を警備員に見せなさい。管轄外だってことはバレないようにね…」
    「ええっ!?だ…大丈夫なんでしょうか…?」
    「これもドトウをいち早く助けるためよ…背に腹はかえられないわ…」
    「そ…それもそうですね…ドトウちゃんを助けるためです…!」
    こうして私たちはまんまと、会場内に立ち入ることができた。途中、トップロードさんが警備員に「わ…私は…決して管轄外ではありません!すごく違います!」と言い出したときは、開いた口が塞がらなかったけど……
    「とりあえず、ライブ会場には入り込めたわ…ライブステージに行きましょう…」
    そして、ステージにたどり着いた私たちだったが、ステージのシアターモニターは上がったままだったので、スタッフに頼んで下げてもらうことにした。
    その際、ステージの照明が点き、薄暗かったステージに眩い光が纏った。
    「ま…眩しいです……!あれ?あの時と違って、変な音が聞こえませんね…」
    トップロードさんの言う通りライブの時とは違い、あの異音は聞こえてこなかった。
    「ええ…そうなると…あの時にモニターには、何か細工がしてあったとみて間違いなさそうね…」
    私はモニターの裏に回り込み、細工の後が残ってないか確かめた。
    「……あったわ…トップロードさん…!そして、これでドトウが急に消えたトリックは分かったわ…」
    「本当ですか…⁉︎アヤベさん‥⁉︎」
    「ええ……後は犯人が誰かってだけよ…」(そして…無事でいて…ドトウ…)

  • 90二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 22:27:28

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 06:38:41

    保守

  • 92二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 16:31:23

    保守

  • 93二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 21:03:33

    「そういえば…アヤベさん、キングちゃんはいつ睡眠薬を盛られたのでしょうか…?」
    ライブ会場を後にし、車でホテルに移動中、トップロードさんがそう私に質問してくる。
    「そのことならもう解明済みよ…睡眠薬はキングさん自ら服用したのよ」
    「ええっ⁉︎」
    トップロードさんは驚きのあまりハンドルを切り、車が急旋回するが、幸い近くに他の車はおらず、どこにもぶつからなかった。
    「落ち着いて…トップロードさん…」
    「あ…すみません…。でも、何でそうだと?」
    「考えてみて…キングさんが倒れたのは会場が暗くなってドトウがいなくなったとき…。余りにもタイミングが良すぎるわ…。そう考えると、自分で頃合いを見て飲んだとしか思えないのよ…」
    「だとすると、なぜキングちゃんは自分で薬を…?」
    「……犯人に脅されたと考えるのが妥当でしょうね…」
    「ですが、誇り高いキングちゃんが脅しに屈するとは思えません……」
    気丈なキングさんが脅しに従う理由、私には一つしか思い浮かばなかった。だとすると、犯人は彼女しかいない。だけど、まだ決定的な証拠が見つかってなかった。
    すると、車の窓にバッグを持ったウマ娘が映った。おそらく、広告用の看板なのだろう…バッグ……!?
    私はウマホを取り出し写真アプリを開いた。
    (そう…あの時の違和感はそういうことだったのね…!)
    「どうしたんですか…アヤベさん…⁉︎」
    「……分かったわ…全てのトリックが…!」

  • 94二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 07:20:16

    保守

  • 95二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 16:34:35

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 19:08:38

    午後六時頃、ドドウがいなくなって、もうすぐ一日が経過しようとしている中、私は病院の中庭で星を眺めていた。
    まだ陽は完全に沈んでおらず、空は薄明るかったが、一等星はすでに輝きを取り戻していた。
    「アヤベさん…皆さんを連れて来ましたよ…」
    トップロードさんに頼んでライスさん、デジタルさんを呼び出してもらい、キングさんの病室にいた彼女にもここに来るように誘った。
    「ありがとう…トップロードさん。みんなを連れて来たのは他でもないわ。分かったのよ…ドトウを連れ去った犯人が…」
    それ聞いた三人は驚き、デジタルさんが口を開いた。
    「だ…誰なんですか…その犯人は…?」
    「その前に、犯人がドトウを消したトリックについて説明するわ。皆んなはライブで暗くなった際、妙な音が聞いたのよね…?それはどんな音だったかしら、ライスさん?」
    「えっと…何かをすってるような音だったかな…?」
    「ええ…犯人はモニターの裏の壁にフックのような物を付けて、モニターが降りてくるときに異音が起こるようにしたの…その証拠にモニターの裏は傷だらけだったわ…」
    すると、トップロードさんがこう聞いて来た。
    「ですが、アヤベさん…犯人は何のためにそんな事を…?」
    「単純なことよ…犯人はわざと異音を発生させて、ある別の音を消してたのよ…ドトウを釣り上げるためのワイヤーの音をね…」
    全員が驚愕の表情を浮かべたが、私は話を続けた。
    「犯人は暗闇に乗じてドドウに近づき、彼女を眠らせた後、ライブでよく使われるワイヤーをくくりつけ、モニターが降りてくると同時に吊り上げた。けど観客は、ステージの異音と急な暗闇に気を取られて、吊り上げる音に気づかない…これがドトウを消したトリックよ…」


    中途半端ですが一旦ここまで

  • 97二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 22:18:41

    >>96の続き

    「…でも、アヤベさん。暗かったときはともかく、キングさんが倒れてたとはいえ、明るくなった時に上を向いたらドドウさんがいるって気づかないかな……?」

    「…ライスさん…暗かったライブ会場が急に明るくなったのよ?だからしばらくの間、皆んなは明るい会場に目が慣れない状態…ライトの点いてる上を向くことは難しいわ…」

    「…しかし、アヤベさん…。だとしても、暗くなったライブ会場を動き回るのはすごく難しいと思います。それに、犯人がワイヤーを席の上空に仕掛けたとして、なぜドトウちゃんがそこに座るって分かったんですか…?」

    「そうね…トップロードさん。ライブ会場を動き回っても怪しまれず、ドトウの座る席を把握していて、更に、キングさんを弱味に付け込んで睡眠薬を飲ませた人。そんなことが出来るのはたった一人しかいないわ…」

    そういって私は、先ほどから一言も話さない彼女の前へと歩み寄った。

    「そうよね……ウララさん……?いえ…誰かしら…あなたは?」

  • 98二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 06:46:43

    保守

  • 99二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 16:50:18

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 20:56:31

    「もー何言ってるの、アヤベさん…わたしは…」
    ようやく口を開いた彼女は、ウララさんを真似て否定する。
    「確かにアナタの外見、話し方、声に至るまで本物のウララさん瓜二つ…けどあなたとウララさんには決定的な違いが一つあるわ…」
    皆んなが息を呑むなか、私はウマホで一枚の写真を見せた。その写真は私とトップロードさんが卒業する時に同期の皆んなで撮った写真だった。
    「バッグの持ち方よ…。あなたは今、肘にかけてバッグを持ってる、昼に訪れたときもそう持ってたわよね。でも、写真のウララさんは持ち手を握ってバッグを持ってるわ。利き手と同じで、バッグの持ち方ってのは意識しない限り、個人個人で決まった持ち方をしてしまうものなの…彼女のようにね…」
    私はさらに、昼に送られてきたオペラオーの写真を皆んなに見せた。それを見たトップロードさん達は驚きの表情を浮かべた。
    「オペラオーちゃんの写真…ポーズと写ってる場所こそ違いますが、バッグの持ち方は一緒です…⁉︎」
    「ええ…偶然にも彼女の撮った写真に助けられたわ…」
    思えば、あの時の写真も彼女が撮ろうと言い出したものだった…。私は押し黙ったウララさんの姿を似せた彼女の方へ向き、事件の真実を暴き出すことにした。
    「あなたはまず、ウララさんと入れ替わった後、使い捨てのウマホでトップロードさんに脅迫文を送った。その後、あなたは私たちに指定席のチケットを送った。ライスさんとデジタルさんに最後方のチケットを渡したのは、歌い方やダンスで彼女達が貴方に違和感を抱かないようによね?逆に怪しまれたようだけど…」

  • 101二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 22:52:40

    >>100の続き

    「ライブ当日、あなたはキングさんに睡眠薬を飲むよう指示した。ウララさんがどうなってもいいのかと脅してね…。そして、貴方は大胆にもライブの舞台に立ち大勢の前で熱唱した…全く大したものね…。後はさっき私が説明した通りよ」

    「ですが、アヤベさん…彼女はどうやって、天井に吊り上げたドトウちゃんを連れ去ったんですか?」 

    「私たちがドトウがいないことに気づいたときと同時よ。彼女は控え室から出て会場に誰もいなくなったことを確認し、ワイヤーを下ろしてドトウを回収。後は、あらかじめ用意してあった、大きなバッグにドトウを詰め込んで連れ去ったってところかしら」

    全ての種明かしを終え、私は再度彼女に尋ねた。

    「これで、私の推理は終了よ…何か言うことはあるかしら?それと、あなたの本当の名前を教えてくれると助かるのだけれど…」

  • 102二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 07:04:31

    保守

  • 103二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 17:27:49

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 20:41:03

    すると、彼女は不敵に笑みを浮かべ…
    「フフッ…こんなことなら、貴方を攫っておくべきでしたね…アドマイヤベガ…」
    それは、ウララさんの外見から出たとは思えないほど低く威圧した声だった。私たちが唖然としていると、
    「私の本名はスウィングオルガン…誰って顔をしてますよね…。まぁ、地方の三流バなどご存じないでしょうが…」
    スウィングオルガンと名乗る彼女は、恨めしそうに私たちを睨んだ。 
    「…なぜこんなことをしたんですか…!ウララちゃんが…ドドウちゃんが貴方に何をしたっていうんですか!」
    トップロードさんが激昂し彼女を問い詰めると、彼女はため息を吐きながら語り出した。
    「私には姉がいます。姉は貴方達二人と同期でした、アドマイヤベガ…ナリタトップロード…貴方達とね…。姉は明るく優しい性格でした。そして、とにかく走るのが大好きで、よく私たちは小さい頃から一緒に走ってましたよ…。
    そして、姉は厳しい試験を超え、トレセン学園へ入学することができました。姉が出発する直前、姉はこう言ってました『必ずg1ウマ娘になってくるからね』と…ですが、姉を待ち受けていたのは、目を疑う様な現実でした…。
    自分より遥かに格上の同期…重賞レースの厚い壁…姉が日に日に明るさを失っていくのが、競馬場から見ても伝わって来ました。そして、姉はトレセン学園を辞め、地方のトレセンに転校しました。ですが、姉はそこでも勝つことは出来ず、家に戻って来ました。その時の姉の絶望のドン底に叩き落とされた顔は今でも忘れません…。それ以来…私の知っている姉は死にました。その後、姉は引きこもり、ひたすらごめんね…ごめんね…とベッドの上でうずくまっていますよ…今でもね…」
    そう語る彼女には目に光がなかった。

  • 105二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 06:41:07

    保守

  • 106二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 17:15:21

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 17:54:08

    「姉がこの状態になって数年後…私がウマスタを開くとある写真がバズっていました。アドマイヤベガ…貴方が先程見せた同期のお友達と撮った写真です。その写真を見てすぐ、姉と同期の連中だと分かりましたよ…。そして、私はこう思いました……。
    (皆んな笑ってる…お姉ちゃんは笑わなくなったのに……
    ふざけるな…!こいつらもお姉ちゃんと同じ目に合わせてやる…!お姉ちゃんと同じ…絶望を味合わせてやる…!)
    とね……。後は、貴方達もご存じの通りですよ…」
    スウィングオルガンがそう話すと、ライスさんは
    「ひ…ひどい…」
    と目に涙を浮かべ、デジタルさんは
    「そんな…アタシの愛するウマ娘ちゃんがこんなことを…」
    と絶望し…トップロードさんは先程以上に目の瞳孔が開き
    「そんな理由で二人を…そんなの…ただの逆恨みじゃないですか…!ふざけないでください‼︎」
    と怒鳴った。
    「ええ…貴方の言う通り…これは逆恨みです…。でも、私は楽しかったですよ…。まずは、ハルウララの泣き喚く姿ですね…。ひたすら…『キングちゃん…助けて!嫌だあああっ!』と助けを求め媚びなく姿は最高でした…。そして、キングヘイロー…彼女は復讐対象外でしたが…ハルウララのことをちょっとでも脅迫すると、傀儡のように従ってくれる姿は実に滑稽でした…。そして、メイショウドトウ…。彼女は実に無様でした。探偵の助手と聞いていましたが、まんまと私に囚われ醜態を晒す無能っぷり…あれは失笑モノでしたよ…フフフ…」
    私は彼女が明らかに精神状態がまともではないと感じた。
    だが…あれには少しだけ身に覚えがあった…。そう…あの娘への加害妄想に囚われ、全てを投げ出しかねたあるウマ娘の姿と…そう…彼女は前の私に似ていたのだった…。

  • 108二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 23:59:58

    寝る前の保守

  • 109二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 07:33:02

    保守

  • 110二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 17:27:11

    保守

  • 111二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 18:13:50

    「…貴方は‼︎「落ち着いてトップロードさん…」ア…アヤベさん…⁉︎」
    私はスウィングオルガンに、今にも飛び掛からんとするトップロードさんを抑える。
    「いい顔をしますねナリタトップロード…貴方のこの顔を見て気分が更に晴れました…。もう悔いはありません。どうぞ警察に突き出すなり何なりして下さい…」
    警察に捕まることを何とも思っておらず、ケラケラと笑う彼女を私は睨み
    「その前に、ドドウとウララさんの居場所を教えてくれるかしら…?」
    「ああ…そうでした…二人の居場所はここの近くにある古い空き家です…。精神をかなり疲弊させてやったので、早く助けに行ったほうがいいですよ…」
    とあっさりと答え、少し疑問に思った私は彼女の前に立ちこう質問する。
    「私には何もしないのかしら?」
    それは純粋な興味からくるものだった。
    「ええ…私の気持ちは晴れましたし…テイエムオペラオーに関してはここにはいませんからね…それに…」
    すると、彼女は私にニタリと笑い
    「今、貴方から私と同じニオイがしましたから…」
    そう言い放ち、病院中に響かせるようにケタケタと笑い出した。そんな彼女の姿に私たちは立ち尽くすしか無かった。
    先程まで私たちを照らしていた星は、いつのまにか雲に隠れ、もうほとんど見えなくなっていた。

  • 112二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 18:23:24

    光のない目で嗜虐性を吐露する姿の悍ましさたるや…

    お見事です

  • 113二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 05:24:43

    保守

  • 114二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 16:28:46

    保守

  • 115二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 20:44:55

    「キングちゃ〜ん、ウワアアアアアッ‼︎」
    「…本当に…本当に…ウララさんなのね…よかった…よかった…」
    木漏れ日が差し込んでくるなか、ウララさんが泣きじゃくり、キングさんも静かに泣きながら抱き合っている。
    スウィングオルガンの言う通り、警察が病院の近くの空き家の中を捜索すると、二人が目隠しと椅子に縛り付けられた状態で捕まっていた。
    二人はそのまま病院へ運び込まれ、身体に異常がないか入念に診察された。幸い、スタンガンによる軽い火傷こそあれど二人に後遺症は見られず、数日の入院で済んだ。しかし、ウララさんは精神的にかなり疲弊し、意識が朦朧としていたため、いち早く彼女のメンタルケアを行う必要があった。そこでトップロードさんは、ウララさんをキングさんの部屋と同室にしてはどうかと提案した。その提案は呑まれ、キングさんを個室からウララさんの病室へ移された。
    二人が目を覚ましたのは丁度病室を移されて1日経った後であり、偶然にも同じタイミングだった。
    そして、今の状態に至る。トップロードさんはもらい泣きしており、ハンカチで涙を拭いていた。
    「グスっ…ウララちゃんが無事でっ…キングちゃんが目を覚まして…すごく…すごく…良かったですっ…ヒック…!」
    「ええ…しばらく二人きりにしておきましょう…。行きましょう…トップロードさん」
    ウララさん達のいる病室を後にし、私たちは彼女の病室へと向かった。
    『今、貴女から私と同じニオイがしましたから‥』
    私は、スウィングオルガンの言っていた言葉を思い出した。
    (もしかしたら、私も彼女のようになっていたのかもしれないわね…。星の光すら通らない闇の中に…)
    でも、私がそうならなかったのはきっと……
    『アヤベ!』
    『アヤベさん!』
    『アヤベさぁ〜ん!』
    『アヤベさん!』
    『アヤベさん!』
    『あ…アヤベさぁ〜ん』
    沢山のおせっかいな人たちのせいなんでしょうね……。

  • 116二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 05:26:14

    保守

  • 117二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 16:31:26

    保守

  • 118二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 19:46:57

    エピローグ side メイショウドトウ
    「アヤベさぁ〜ん…コーヒー淹れて来ましたぁ〜」
    「ええ…ありがとう…。そこ置いといて…ドドウ」
    アヤベさんのおかげで事件を解決した私たちは久しぶりに探偵事務所に戻って来ました。しかし、私はちっとも力になれず、病院で目が覚めた時は嬉しさ半分、悔しさ半分で泣き出してしまいました。
    『す…すみません…アヤベさん…。何の手助けも出来ず…こんなグズでドジでノロマな私…助手失格ですよね…」
    するとアヤベさんは
    『いいのよ…ドドウ…。貴方が無事ならそれで…』
    と言って私をぎゅっと抱きしめてくれました。よく見ると、目にはうっすら涙を浮かべていました。すると、トップロードさんも私に抱きついてきて
    『ううっ…ドドウちゃん…良かったです…無事で…』
    と大粒の涙を流していました。それを見た私も二人につられ、大きな声で泣き出してしまいました。こうして、私たちの事件は終わりを告げたのでした。
    そんなことを振り返っていると、私はまたコーヒーをアヤベさんに溢してしまいました…。
    「ひゃあああっ…アヤベさんん…ごめんなさいいっ〜」
    「ハァッ…別に大丈夫よ…コーヒーもそこまで熱くないものだし…」
    私が慌ててアヤベさんを拭いてると
    「アヤベさんさんすみません‼︎また、すごくすごい大変なことが‼︎」
    ドアが勢いよく開きトップロードさんが入って来ました。あれぇ…?前にもこんなことが…。
    「………お楽しみ中のところ、失礼しました〜………」
    と言ってトップロードさんはドアを閉めました……。
    「……説明して来てちょうだい…ドドウ…」
    「は……ハイイッ〜…」
    私はトップロードさんを追いかけに行きました。
    こうして、私たちの波瀾万丈な事件が再び幕を開けるのでした。
                            end

  • 119二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 19:52:02

    以上にて終了です。前の方の代筆で書かせてもらいましたが、楽しんで頂けたら幸いです。

  • 120スレ主23/06/16(金) 20:10:36

    すごいものを見せてもらった……
    概念を投げただけで何一つ手伝えませんでしたが、最後まで形にしていただけて嬉しいです……!
    楽しませてもらいました! ありがとうございます!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています