- 1二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:22:20
- 2二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:22:38
「おい、フジ」
「ブライアンじゃないか、どうしたんだい?」
フジと呼ばれたウマ娘の周りには子どもたちが集まっていました。
「おねーちゃん!今度は鶏のマネして!」
「よしよし、少し待っていてくれ」
そう言うとフジは空に向けて、日の出を告げる牝鶏の鳴き声そっくりの声を上げました。
子どもたちは大喜びです。
一方ブライアンは頭を抱えていました。
「フジ……一応アンタもアマさんの食客なんだ、もう少し立場ってものを」
「離すのだー!」
騒がしい声が響きます。
ブライアンたちが声のほうへ振り向くと、小柄なウマ娘が土まみれのヒシアマに首根っこを掴まれていました。
「ウインディ!いい加減落とし穴作ったり噛みつくのはやめなって言ったろ?」
「ふんだ!ウインディちゃんは他人の指図なんか受けないのだ!」
二人の様子を見てフジは苦笑し、ブライアンは頭痛がひどくなりました。 - 3二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:22:56
「いたた……すまないね、ブライアン」
「……気にしなくていい」
ヒシアマの腕についた噛み痕にブライアンが包帯を巻いています。
「それで、本当にあの二人も連れていくのか?」
「そのつもりだよ。ウインディに関しては放っておくほうが心配だからね」
話題はヒシアマがとある国への訪問にだれを連れていくか、というものでした。
「一応アタシもついて行くとはいえ……フジにウインディだぞ?」
ブライアンは不満げな様子です。
「まあ、きっと大丈夫さ」
ヒシアマは楽観的でした。 - 4二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:23:15
- 5二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:23:38
- 6二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:24:10
「いやはや、助かったよ二人とも」
「ふふっ、ヒシアマの役に立てたのならなによりさ」
「もっとウインディちゃんをほめるといいのだ!」
上機嫌な三人と対照的にブライアンは落ち込んでいました。
自分だけが脱出の役に立てなかったからです。
するとヒシアマが声をかけてきました。
「なんの才能がどんな場面で役に立つかなんてだれにもわからないものさ。
今度はアンタの力が必要になるかもしれない。だからそんなに気落ちすることはないよ、ブライアン」
ヒシアマのやさしい声色にブライアンはわずかにうなずきました。
「……まあ、ウインディはもう少し大人しくなってくれるとありがたいけどね」
「なんか流れ弾が飛んできたのだ!?」
二人の様子を見てフジが笑い声をあげます。
つられてブライアンも笑みを浮かべました。
四人は笑い声を残して自分たちの屋敷へと帰っていったのでした。 - 7二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:25:36
元ネタは鶏鳴狗盗の故事になります。
実はこれでSSを書く予定はなかったのですが、急遽書くことになってしまいました
お目汚し失礼しました
よろしければこちらもどうぞ
書いたSSスレをまとめたもの|あにまん掲示板月ごとでまとめるより思い立ったら都度整理してまとめたほうが見やすい(主に自分が)と思ったので以下のスレにまとめてある分も入っておりますのでご留意くださいhttps://bbs.animanch.com…bbs.animanch.com - 8二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:26:33
良いね
- 9二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 20:35:10
すき……