- 1二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 21:09:22
まえがき
”鶏鳴狗盗”か”孟嘗君の鶏”の故事を知っているとより楽しめるかもしれません
知らなくてもそこまで困らないとは思いますが、一度調べていただくか下記のSSをご覧いただけると幸いです
鶏鳴狗掘【SS】|あにまん掲示板昔々、孟嘗君と呼ばれたウマ娘がおりました。名をヒシアマゾンと言いました。彼女は多くの食客(貴族等が客分として養っている人)を自分の館に住まわせていました。食客たちは武芸や学問に優れた者が多く、主人であ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 21:09:39
「キング、灯り消すよ」
先に布団に入っている私にスカイさんが声をかけてくる。
灯りが消え、部屋が暗闇に包まれた。
近づく衣擦れの音。
音から顔をそむけるように寝返りを打つ。
スカイさんが布団の中に潜り込んで抱きついてきた。
私はぐいと肘で軽く押しのけた。
「……この間は用事があるとか言って帰ったくせに、今日はずいぶんと積極的なのね」
「にゃはは……あの時は鶏の声に急かされちゃってね」
いつも通りのふざけた態度。
私の口からは刺々しい言葉ばかりが出てしまう。
「なにそれ、孟嘗君の鶏でも飼ってたのかしら?」
……こんなこと、スカイさんが知ってるはずもないのに。
またスカイさんが私を抱きしめてきた。
さっきよりも強く、熱っぽかった。
「……開けたかったのはキングの心の関所だけどね」 - 3二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 21:09:51
胸がどきりとした。
彼女の教養に驚いたからなのか、真剣な彼女の声色のせいなのかはわからなかった。
「偽物の鳴き声なんかじゃ私の心は開かないわよ」
うるさい胸を手で押さえながらつぶやく。
「ウソだ」
スカイさんの腕にさらに力がこもる。
少し痛いくらいに。
「キングはさ、誰にだって心を開くでしょ。ウララやカワカミ、よく一緒にいる後輩ちゃんたちとか」
熱っぽい息が首筋にかかる。
泣きそうになるくらいに胸が高鳴っていた。
「私だけのものになってよ、キング」
夜の帳に二人分の熱が溶け出していった。 - 4二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 21:11:04
元ネタは枕草子になります
このシーンで詠まれた和歌は百人一首などにも掲載されていますのでご存知の方も多いかと思います
お目汚し失礼しました
よろしければこちらもどうぞ
書いたSSスレをまとめたもの|あにまん掲示板月ごとでまとめるより思い立ったら都度整理してまとめたほうが見やすい(主に自分が)と思ったので以下のスレにまとめてある分も入っておりますのでご留意くださいhttps://bbs.animanch.com…bbs.animanch.com - 5二次元好きの匿名さん21/12/02(木) 21:22:40
いい…