【ルートにより閲注】CoCシナリオ「あと一歩、キミに踏み出せたなら」をやるよ part2

  • 1二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:30:32

    「KPの二カ・ナナウラです!盛り上がってきたね」

    「SKPのノレア・デュノクと五号です。よろしく」「ねえ僕たちのNPCっていつ出てくるの……?」


    「やっぱり俺厄ネタじゃねえか!!!!」

    「うあ あばば おあああああ」

    「なんかすっごく、嫌な予感がするんだよね。大丈夫かな?」

    「これほんとにハッピーエンド行けるの……?」

    「私ただただエランさんのメンタル削っただけじゃないですかあああ!?」

    「どうして こうなった」

    前卓の様子

    【ルートにより閲覧注意】CoCシナリオ「あと一歩、キミに踏み出せたなら』をやるよ|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/img/1927714/1「というわけでKPのニカ・ナナウラです。みんな、よろしくね」https://bbs.animanch.com/img/185…bbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:32:26

    グエル(精神科医)
    図書館、聞き耳、精神分析、心理学、芸術(音楽)
    所持思い出:水族館で遊んだ、パフェを食べた
    ラウダ(ジャーナリスト)
    目星、隠密、運転(自動車)、威圧、芸術(歌)
    所持思い出:水族館で遊んだ、パフェを食べた
    シャディク(刑事)
    目星、聞き耳、心理学、説得、精神分析
    所持思い出:パフェを食べた
    ミオリネ(暴力団組員)
    目星、隠密、変装、近接戦闘(格闘)、芸術(ピアノ)
    所持思い出:パフェを食べた
    スレッタ(医師)
    目星、医学、応急手当、説得、オカルト
    所持思い出:ワインを飲んだ
    エラン(ギャンブラー)
    目星、聞き耳、手さばき、心理学
    所持思い出:ワインを飲んだ

    〈ループ記録〉
    高校生編:なかよし ともだち!
    0ループ目:グエルの誕生日パーティーの準備をした。グエルが殺された。
    1ループ目:ループに気づく。シャディクとミオリネが謎の冊子を手に入れ、「夢の神により神託が与えられる」こと、「芸術の神の子が目覚めると終焉が訪れる」というような情報を見つけた。エランがスレッタが「何か」に関わっていることに気づいた。グエル?ラウダ?なんか……しらん……
    2ループ目:ラウダが冊子を入手し確認。スレッタがエランを呼び出し、呪文を行使する。ラウダがグエルに冊子の内容を話したところ、様子がおかしくなりはじめ、ループが強制終了。
    「俺は、神の子なのか?」
    ~その他判明した情報~
    ・グエルとラウダは同居三年(世帯主はラウダ)
    ・今のところろくなことが起きていない可哀想なディランザ号
    ・スレッタは料理上手。得意なのはナポリタン
    ・ミオリネはシャディクのことがす

  • 3二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:34:18

    __


     ×月×日、朝。

     今日は休日で、仕事は休みだ。そんな思考がグエルの頭を巡る。昨日はつかれていたからだろうか、テレビをつけっぱなしで寝ていたみたいだ。早朝のローカルニュース、町の近くの牧場でそろそろ仔山羊がうまれそうなこと、国道で輸血運搬車がひっくり返って大量の輸血が道路に散乱したという速報、何やら怪しげなミステリーサークルが北の野菜畑で見つかったなど、なかなかに酷い感じだ。占いまで見ていると、どうやら今日の運勢は最悪らしい。「殺された記憶はない」。ごく当たり前のようにそれを認識、したところで。口許を、押さえる。吐き気がする。酷く、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い! 頭の中、何かが、がんがんと響いてくる。

    『ああ、可哀想に。人間でも神でもない哀れな「俺」』

    「ちがうっ、違う、そんなの嫌だ、お前は、俺じゃないぃ……!!」

     引き攣った悲鳴が上がる。

     嘔吐く。胃の中は空っぽのはずなのに、全部ひっくり返しそうになる。やめろ。やめろ。助けて。来るな。誰か、だれか、たすけて!!

     __

     ……

    「……?」

    グエルSANc:dice1d100=62 (62) (??) 1/dice1d4=1 (1)

    ラウダSANc:dice1d100=26 (26) (??) 1/dice1d4=3 (3)

    シャディクSANc:dice1d100=83 (83) (??) 1/dice1d4=2 (2)

    ミオリネSANc:dice1d100=2 (2) (28) 1/dice1d4=2 (2)

    スレッタSANc:dice1d100=76 (76) (??) 1/dice1d4=3 (3)

    エランSANc:dice1d100=2 (2) (??) 1/dice1d4=4 (4)

    グエルPOW判定:dice1d100=80 (80) (55)

  • 4二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:41:24

    すでに何名かがSAN値がピンチっぽいですね…

  • 5二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:45:30

    うわいやな予感当たっちゃってんじゃん……
    この暴露本来はもうちょっと後だったんじゃないかな……難易度一気に上がった感が否めない

  • 6二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:46:47

    「兄さッ、さっきは、ごめ……!」

     ノックもなしに、ラウダが部屋に入ってくる。その顔にはどこか申し訳なさそうな色がありありとうかんでいて、しかし__グエルの姿を視認した瞬間、止まる。

     グエルは静かに、こちらに近づいてくる。

     ひとことも、喋らずに、そうしてラウダの前にまでくると、うつむいたまま、立ち尽くしている。ラウダの表情が、後悔から困惑に変わった。

    「兄さん?」

    「おなか、すいたの」

    「え、うん。朝ごはんは__」

    「ほしい」

     グエルが思いっきり、ラウダの胸倉をつかんだ。

     どこにそんな力があるのかというほど、凄まじい力で。襟が伸びたと思った瞬間には、首が締まっていた。ヒッと、ラウダの喉の奥で、恐怖と違和感とに、息が、引き攣る。グエルのくちびるが開く。その、どこか蠱惑的にすら見える嫣然とした笑い方が、明らかに、ラウダの知るグエル・ジェタークとは、乖離していて__

    「ッ!?」

     はっと、グエルの瞳に正気が戻る。

    「あ、ごめ、……今、俺、何を……?」

    「……」

     ラウダの瞳から、涙があふれてきた。

    「ごめんね、ごめんね、必ず、必ず助けるからね、兄さん……」

    グエル:dice1d2=2 (2) (1:dice1d2=2 (2) (1:ラウダ 2:シャディク)についていく 2:病院に向かう)

    ラウダ:dice1d2=1 (1) (1:ミオリネに相談する 2:エランに冊子を渡しに行く 3:グエルについていく)

    シャディク:dice1d2=2 (2) (1:グエルと話す 2:dice1d4=4 (4) dice1d6=6 (6) に向かう)

    ミオリネ:dice1d2=1 (1) (1:グエルについていく 2:シャディクについていく)

    スレッタ:dice1d2=1 (1) (1:エランと話す 2:dice1d4=2 (2) dice1d6=2 (2) に向かう)

    エラン:dice1d2=1 (1) (1:dice1d5=2 (2) についていく 2:dice1d4=4 (4) dice1d6=3 (3) に向かう)

  • 7二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 20:51:38

    二カ「これダイス回した後毎回調整しなきゃいけなくて大変ですね」

    ノレア「そう思うならもうちょっといいフォーマット考えたらどうなんです?」

    五号「僕には思いつかないなあ。ということでいい感じの思いついたらみんな教えてね~♪」

    ノレア「誰に向かって話してるんですか」

    二カ「気にしちゃだめだよ」

    dice1d4=2 (2)

    1:もう全員で病院行こうぜ

    2:グエル・ラウダ・ミオリネ・エラン組とシャディク・スレッタ組に分かれる

    3:グエル・ラウダ・ミオリネ組とシャディク・スレッタ・エラン組に分かれる

    4:グエル・シャディク・スレッタ・エラン組とラウダ・ミオリネ組に分かれる

  • 8二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 21:09:42

    「『グエル・ジェタークに気を付けろ。あの男をどうにかするまではこのループを止めるわけには行かない』」

    「……それが今回届いた神託?」

    「今来ても遅いよ……どうしよぉ、ミオリネぇ……」

     なんか兄さん様子変だし。ラウダは半泣きでミオリネにそう言いながら、ハンドルを切った。

     ……それは、そうだ。さっきから、何がおかしいかはわからないが、とにかく、何かがおかしいのだ。いくら小声で話しているとはいえ、こちらの様子を一切気にする様子もなく、エランに話しかける様子もない。おかげで後部座席には奇妙な沈黙が降りていた。気まずい。とても気まずいのだが、エランは気にならないのだろうか。正直「シャディクの後輩」以上に彼のことをよく知っているわけではないが、なんだかよくわからないやつだ。

     どうやらまだ、神託の内容をミオリネ以外に打ち明けるつもりはないらしい。

     それも、そうか。今の内容を反復する。それはそうだ。……とはいっても、収穫はあった。グエル・ジェタークをなんとかするまでは、ループは終わらない。夜になるのを待つまでもなくループが終わることもある。まだ条件がわかったわけではないが、とにかく進まないと。

     しばらくもしないうちに、アスティカシア総合病院の古ぼけた門が見えてくる。ミオリネは助手席の窓から半分身を乗り出して、そちらを見た。

     ふとバックミラーを見る。

     グエルと眼があった。ような、気がした。


     どうやら戸籍は問題なく持ち越せたらしい。それを渡せば、少し驚いたような顔をした受付の女性によって、院長室に通される。そこにいたのは、どこか疲れたような顔で微笑む女性であった。

    「こんにちは、私はベルメリアといいます。あなたたちが産まれる前から、ここで院長をしているのよ」

    「ベルメリアさん。七年前にも、言われた気がしますが__グエルについて、伝えねばならないことがあると聞きました。それは、一体……?」

     ミオリネがそう尋ねれば、彼女は少しだけ視線を伏せた。それから、グエルを見て、静かに言う。

    「グエル・ジェタークさん。あなたの、お母さんの話です」

    グエルPOW判定:dice1d100=92 (92) (55) dice1d3=3 (3)

  • 9二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 21:14:06

    うーん…出目の悪さがPOW判定にモロ影響してる…

  • 10二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 21:55:15

     ベルメリアがそう言って話しはじめようとしたところで、突然グエルが「あ」と低く呟いて、一番近くにいた、この中で一番小柄で、一番非力に見える、少年__エランに、殴りかかった。

     幸いにもエランはすぐに気づいて、さばききる。逆に取り押さえたところで、エランは無感動に、「突然なに」と聞いた。グエルははっとして、自分の右の拳を見る。そうしてくちびるを半開きにさせて、かちかちと歯を鳴らしていた。

    「今、俺は……」

    「……やはり、こうなったのね」

     ベルメリアが低く呟く。そうして顔を上げ、グエルを見つめて、静かに語り始める。

    「あなたのお母さんは、その。珍しい神様を信仰していたの」

     それは、女の姿をした、ほとんど悪魔にも近い、あまりよろしくない神だ。故に付添人はおらず、グエルの母だけでの出産だった。表向きは予期せぬ出血による妊産婦死亡とされているが、違う。グエルを産んだ直後に母は狂ったように五分ほど叫び、そのまますぐに息絶えてしまった。決してハイリスクな出産ではなかったし、健診でも問題はなかった。こんな異質な妊産婦死亡を公開するわけにもいかず、表向きは「そういうこと」になった。と、そういうこと、らしい。

     ミオリネは目を、見開く。……あまりに、重すぎる。どうやって乗り越えていけばいい? 本当に、まだ笑顔でいられるのだろうか。グエルが、ふるふると首を振る。

    「そんなの、嘘だ。……あるはずが、ないんだ……」

    「当時の診断書が必要なら」

    「いらない!」

     グエルは叫ぶ。そうして立ち上がり、くるりと踵を返して、病室を飛び出した。ラウダがすぐに続く。ミオリネも、走り出す。ただエランだけが、ベルメリアに向き直る。

    「……その神は、なんという名なの」

     ベルメリアは答える。

    「『リリス』よ」


    【グエル ラウダ ミオリネ エラン 3ループ目 朝 終了】


    ラウダ「やりやがったなああア!?!?」

    ミオリネ「今までリリスはネタとして出したから許されてたみたいなとこある」

    グエル「自分のHOに関わってるせいで記憶消された。リリスってなんだったか」

    エラン「知らないけど名前からしてろくでもないことはわかる」

    dice1d2=2 (2)

    1:四人でdice1d4=1 (1) dice1d6=1 (1) に向かう

    2:グエルとdice1d3=2 (2) (1:ラウダ 2:ミオリネ 3:エラン)、残り二人、で動く(別途行先ダイスを振ります)

  • 11二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 21:58:03

    とりあえず、ラウダに神託を与えるナニカの采配によっては、グエルが殺されなくてもループは可能
    神話関係の本はグエルにとって地雷だった(多分、グエルが真実に近づくほど取り返しがつかなくなる?)
    スレッタは魔術が使えて、なにかの目的で動いてる
    エランは多分、最後になにか重要な役割があるが今のところはまだ何も無い(?)
    これ、時間制限はグエルがSAN値0になるまでっていう変則的なタイムリミットな気がしてきた

  • 12二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 21:58:23

    失敗怖いなぁ

  • 13二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:32:42

    このレスは削除されています

  • 14二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:39:02

    ラウダに神託くれる神様は街の危機の前にお告げをくれるらしいから
    世界をなんとかしたくてループしているのかな
    でもなんでグエルが殺されるとループするんだろ

  • 15二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:51:10

    この実に困難な状況下で女神に呪…祝われたダイスを握ってるグエルがHO1なの怖すぎる

  • 16二次元好きの匿名さん23/05/30(火) 22:53:09

    偶像の時の日記思い出して凄い胃痛がしてきた。本当に頑張ってくれ……

  • 17二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 07:14:07

    グエル・ミオリネ組:dice1d3=2 (2) (1:『リリス』について調べる 2:dice1d3=3 (3) (1:農園 2:ワイナリー 3:水族館)あたりにいってお茶を濁す 3:精神分析チャレンジ)

    ラウダ・エラン組:dice1d2=1 (1) (1:dice1d4=3 (3) dice1d6=1 (1) に向かう 2:『リリス』についてdice1d3=2 (2) (1:旧図書館 2:ライブラリ 3:スマホ)で調べてみる3:現状について話す)


     ホテル・アスティカシアは宇宙に浮かぶ城をイメージして作られたホテルだ。

     かつては本当に宇宙に浮いていたらしいが、なんでも爆発事故があったらしく、今はきちんと地面に建っている。それでもまるでテーマパークのようなメルヘンな姿はたがわず、そこだけなにか浮いているようにも見えた。

    「すごいですねえ、シャディクさん!」

    「ねー、水星ちゃん」

     二人はのんびり話しながら、中に入ってみる。特段なにか用があるわけではない。強いて言うなら一応書斎があるらしいが、この街の土着信仰に関わるものがあるとは思えない。それでもなにかはあるかもしれないという期待からであり、つまるところ半ば冷やかしだった。

    「そういえば知ってますか?ここの名物CEO」

    「めいぶつしーいーおー」

    「以前突然プロポーズしたり青鬼したり振られたりしたんですって」

    「なんそれ知らん……怖……」

    「今でも噂のエンジニア?を探してるらしいですよ。賞金首みたいな扱いですねぇ」

    「なんそれ知らん……怖……」

     なんそれ知らん……怖……であった。

    dice1d3=2 (2)

    1:スレッタ「書斎を調べてみましょう!」シャディク目星:dice1d100=78 (78) (70)スレッタ目星:dice1d100=88 (88) (70)

    2:シャディク「バー『フォルドの夜明け』に行ってみる?」

    3:スレッタ「客室でも見てみますか」シャディク「だね」

  • 18二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 08:06:47

    「やっぱ久々に酔うと楽しいですねえ!!」

    「うっうっう……ひっく……うううう……」

    「あはは。あんまり飲みすぎちゃだめだよ、エリィも、CEOも」

     バー『フォルドの夜明け』にやってきた二人は、まずまっさきにそんなにぎやかな声に出迎えられて、少し肩を跳ねさせた。

     向かって手前に座っているのはねこみみの生えた人形じみた少女。奥に座っているのは仕立てのいいスーツを着た長身の青年。そしてカウンターの奥にいるのは、どうやらバーテンダーであるらしい男であった。スレッタとシャディクが入ってくるのをみると、バーテンダーが顔を上げる。

    「や。いらっしゃい、何にする?」

    「おすすめかな。甘めのだと嬉しい」

    「あ、えっと、私は……ワインとか……?」

     二人はどこか流されるまま席に着く。バーテンダーは笑みを浮かべて、了解、と奥に下がった。その間にも、先客二人は好き勝手話している。

    「いやあそれにしてもやっぱりここが一番ですねえ!ミオミオも来ればよかったのに!!」

    「ようやく住所特定したと思ったら同じ顔が三組ずつぐらいいた……ドッペルゲンガー……?なにあれ怖……」

    「人形の体って言っても酔うことはできるんですねー!!次は某翻訳作家さんも誘おっかなあ。来てくれるかなあ」

    「最近業務提携した視察先で突然呪文かけられた……支配でねじふせたけど……なにあれ怖……」

    「……気になる話がおおいですね?」

    「だ、だね……?」

     スレッタとシャディクは顔を見合せ、小さな声でそんな話をする。どうやらバーテンダーはニコニコ笑って相槌をうっているようだが、違和感を抱かないのだろうか。それはそれで怖い。

     アルコールで口が回っていることは、確かだ。何か聞いてみるのもいいかも__とおもっていると、二人の前にグラスが差し出された。

    「どうぞ。おいしいよ」

     長い金髪をひとつに括ったバーテンダーが、ニコリと微笑んだ。


    スレッタ「噂をすれば影です?」

    シャディク「こわいよ 別の意味でとても怖いよ」

    ノレア「……1:エリィ、2:CEO、3:バーテンダー、4:お互い、の誰か一人に話しかけられますよ。ただしCONロール失敗したら酔います。どうしますか?」

    シャディクCON判定:dice1d100=10 (10) (80)

    スレッタCON判定:dice1d100=22 (22) (45)

    シャディク:dice1d4=1 (1)

    スレッタ:dice1d4=4 (4)

  • 19二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 11:59:58

    「なんか君、水星ちゃんと似てるね?」

    「え、私……ですか?」

     シャディクはふと、エリィに話しかける。彼女はシャディクの向こうにいるスレッタをちらりと見て、「わあ」と手を叩いた。たしかに、そっくり、です。そっくりなひと、多いんですねえ。

    「私のおともだちにも、そっくりな二人組がいますよ。そのうちの片方……ミオミオは、ここの客室にいます」

    「へえ?どんな人なの」

    「なんていうんでしょうか、不思議な人ですよ。……前も、『私』のこと、気づいていましたし……?」

    「なるほど。俺の先輩にも、ミオリネって人がいるんだよね。せっかくの縁だ、会ってみたいな」

     シャディクが笑いながらグラスを傾けていると、スレッタがふと、視線を下ろした。主にその、奥にいるCEO(なんか嫌な予感がするのでシャディクは見ないふりをしている)にでも怯えているのだろうか。シャディクが「大丈夫?」と尋ねると、スレッタはほんの一瞬、シャディクの方を見て、「いえ」と呟いた。

    「やっぱりシャディクさんはすごい、です。誰とでもすぐに打ち解けられて……」

    「あはは。それだけが取り柄だからね」

    「そんなことない、ですよ。シャディクさんといると安心するんです。シャディクさんにしかあのこと、言ってないし」

    「そうなの?てっきりエランあたりには相談してると思ってたけど。それによくグエルとおしゃべりしてたし」

    「ううん。エランさんはおともだち、グエルさんは、……そうですね、グエルさんもおともだちです。相談したのは、あなただけ」

    「僕だけ?どうして」

    「信頼してます。あなたは、このループには……『神』には、関係ないって」

     スレッタはそこで言葉を切り、グラスを傾ける。

     シャディクは表情を消した。それから同じく、グラスを傾ける。腕を伸ばして、スレッタの背を撫でた。エリィが真っ赤に上気した顔で、「よくわかんないけど大丈夫ですよ~!」と親指を立てる。スレッタは少しだけ口角を緩ませて、静かに瞼を閉じた。

    【スレッタ シャディク 3ループ目 朝 終了】

    dice1d3=1 (1)

    1:スレッタ「このままもう少しバーでお話していきます!」

    2:シャディク「別の部屋……dice1d2=2 (2) (1:客室 2:書斎)を探索していこう」

    3:スレッタ「南の、dice1d5=2 (2) に行きましょう」シャディク「だね」

  • 20二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 13:24:24

    「ここにいると思った」

    「あ、みおりね、……」

    「ラウダたちとははぐれちゃった」

    「……」

    「私は強いからあんたが突然暴れても取り押さえられる。変に気を張る必要はないわ」

     グエルは深い色をした照明の水族館、人気のない場所でうずくまっていた。前々回のループの話は、少しぐらいなら聞いている。なんでも水族館で過ごしていたらしい。一日水族館で過ごしているなんて、いくらなんでもないとは思うが……だけど、だからこそ、ここにいる、と思った。グエルは自分を見下ろすミオリネに視線を向け、しばらくぱちぱちと瞬きをした後、目を見開いて、ぶわあっと泣き始めた。

     しゃくりあげるグエルの背を、ミオリネはそうっと撫でる。二人の後ろを、おおきな、おおきな魚が、横切っていった。グエルは喉の奥を引き攣らせ、肺を痙攣させるようにして、とぎれとぎれミオリネに吐き出す。

    「こわい、んだ。こわい。俺が俺じゃなくなっていく。俺じゃない誰かが、俺の中にいる。たぶんこれが神の子なんだ。いやだ。いやだ、いやだ、いやだ、こわい、怖い、俺は、誰だ?」

    「あんたはグエル。私の可愛い後輩で、スレッタやエランのかっこいい先輩で、ラウダの恋人でシャディクの幼馴染」

    「そう、そうだ。俺は、俺は__グエルだ、グエルの、はずだ」

     自分に言い聞かせるようにそう言うグエルが、何を見ているのか、ミオリネは知らない。たぶん理解すらできない。それでも寄り添うことはできる。薄ら寒い世界の中で、ミオリネはグエルの手を握り、しばらく目を閉じていた。体温が交じり合って、冷えた指先が温まっていく。グエルの震えが、落ち着く気配があった。


    グエルはdice1d2=1 (1) (1:ミオリネに相談する 2:相談しない)

    dice1d3=1 (1)

    1:お散歩する(思い出が作れる)

    2:慰める(出目に応じてSAN値回復)

    3:お話しする(現状の確認や情報収集など)

  • 21二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 14:41:00

    先輩後輩の間柄だから相談できたんかな いいね

  • 22二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 20:53:42

    POWロールわすれていたので:dice1d100=100 (100) (55)

  • 23二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 20:55:09

    もうだめかも(絶望)

  • 24二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 20:57:09

    100ってあのさあ…

  • 25二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 20:58:49

    グエル「?????????????」

    ミオリネ「????????????」

    グエル「おいこれどうなるんだ!?」

    ミオリネ「なんで思い出しちゃったのよニカ!!!!」

    ニカ「草」

    ミオリネ「ニカぁあああ!?!?」

    ニカ「ふふふ。それじゃあせっかくなので、そうですね、この処理はもう少しあとにするつもりだったんですけど……1d3、振っていただけますか?」

    グエル「おい何だ!?なんなんだ!?!?」

    二カ「ついでにミオリネは戦闘になることを想定して戦闘技能をいくつか振っておいてね。使うかどうかまではわからないけど……ふふ、お祈り、しておいてね?」

    ミオリネ「ニカああああああああ!!!!」

    ????選択:dice1d3=2 (2)

    グエル近接戦闘(格闘):dice1d100=33 (33) (20)

    ミオリネ近接戦闘(格闘):dice1d100=87 (87) (70)

    グエルSIZ対抗:dice1d100=88 (88) (55)

    ミオリネSIZ対抗:dice1d100=6 (6) (85)

    グエルPOW対抗:dice1d100=95 (95) (55)

    ミオリネPOW対抗:dice1d100=25 (25) (30)

  • 26二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:02:06

    このレスは削除されています

  • 27二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:02:57

    ミオリネさんがだいぶ成功してるから大丈夫…なのか!?
    そしてグエルはまた95…

  • 28二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:11:12

    二カ「お。これなら使う処理としてはSIZ対抗とPOW対抗になりますね」

    グエル「つまり?」

    ニカ「グエルさんのボロ負けです」

    グエル「????????????????」

    ミオリネ「草」

    ニカ「これは寵愛枠」


    「声が、聞こえるんだ」

     海中トンネルを歩きながら、グエルがミオリネに向かって、ふと、切り出した。

    「お前は神であることを強いられた不幸な人間だと。いや、人間でも神でもない半端者だと。思い出も感情もアヴェ・マリアの歌声も全部嘘で、恋人も仲間も友達も最初からまがいものなのだと」

    「あら。ならこうしてあんたのそばにいる私はなに?」

     グエルが、視線を下げる。それから、くちびるを噛んで、ふっと顔を上げた。顔は、真っ青だった。

    「聞こえるんだ。……いや、聞こえなくても、わかっている。俺を殺しているのは、『ループを理解している人間』」

     つまり、俺達六人のうちの、誰かだ。

     ミオリネは、目を見開く。__否、それは、ミオリネも理解していたことだ。ただ、見て見ぬふりをしていただけだ。だってきっとそれを理解したら、諦めて、しまいそうに、なる。これ以上知りたくない。……どうして、私たちだったのだろう?

     立ち止まったミオリネの頬を、グエルが撫でた。ふと、その瞳が、うすく光を帯びる。ぼんやりと思考が奪われていく。グエルが少し、爪先立ちをした。ちょうど身長が、あう。「おなかがすいたの」と。「おねがい、ほしい」と。どこか、普段の彼にしては稚い、子どもじみた口調で、グエルが囁いて、その顔が、近づいてきて__

    「……ッ!」

    「っあ、」

     ミオリネは咄嗟にグエルを突き飛ばした。

     グエルの身体が、硝子にぶち当たる。低い音がして、グエルは倒れ込み、数度咳き込んだ。自分が今何をしたのか、ようやくはっと思いついたミオリネは、「大丈夫!?」と駆け寄る。グエルが顔を上げ、泣きそうな顔で言った。

    「いまの、……いまの、『俺』じゃない……たすけて、ミオリネせんぱい……」

     ミオリネはあらゆる文句を思いつくことすらできない。ただその手を握って、「私なら大丈夫だから……」と、半ば自分に言い聞かせるように、呟いた。

    【グエル ミオリネ 3ループ目 昼 終了】

    dice1d2=2 (2)

    1:グエル「……もう少し、事件について思い出せることがないだろうか」

    2:ミオリネ「北のdice1d4=4 (4) に向かいましょう」

  • 29二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:20:15

    このレスは削除されています

  • 30二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:28:30

    グエルがダイス弱くて助かったけど……本当においたわしい展開になってきた

  • 31二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:30:09

    「っはあ、みうし、なった……!」

     ラウダは息を切らして、病院の駐車場に立ち尽くす。すぐ後ろからついてきたエランは、肩で息をするラウダを見て、不思議そうに首をかしげる。

    「ミオリネがついているなら大丈夫でしょう。どうして君は、そんなに必死になるの」

    「どうしてって、そんな__!」

    「それはそんなに、重要なこと?」

    「一番大事に決まってるだろ!!」

     ラウダが泣きそうな声で叫んだ。エランはそれを無表情に見下ろし、「そういうものなの」と小さく呟く。それから勝手にディランザ号の後部座席に乗り込んで、ラウダの方に視線を向けた。

    「今は探索をしよう。君は、×月×日を終わらせたいんでしょう」


     後部座席でひとしきり冊子の内容を読み切ったらしいエランは、ぼんやりとした顔で車から降りてくる。

     やってきたのは灯台だ。高校時代、グエルとミオリネが古地図を見つけたという、あの。流石にデータが残っていないから、見つけられる気がしない。だけれどあの祭壇には、きっと何かがある。そんな予感がした。

    「君はどうしてそこまで彼に対して本気になれるの?」

     ふと、エランが切り出す。

     ラウダは長い長い階段を上る最中、ちらりと後ろを振り返った。エランは、無表情にこちらを見上げている。少しだけ視線を伏せた後に、ラウダは顔を上げた。

    「好きだから。それ以上に、理由は必要?」

    「神の子は人を狂わす魔性だ。君の感情が、それゆえのものであったとしても?」

    「たとえそうだとしても、僕は今まで一緒にいた七年間を信じたい」

    「……そう」

     エランが会話を止める。

     しばらくもしないうちに、天辺にまで辿りついた。真昼の海が、全面張りの窓を覆うように広がっている。ラウダはしばらく、じっとその海を眺めた後、それじゃあ、と前置きをした。

    「探そうか、地図」

     エランはこくりと頷いた。

    ラウダ目星:dice1d100=51 (51) (70) ボーナスダイス:dice1d10=10 (10)

    エラン目星:dice1d100=93 (93) (70) ボーナスダイス:dice1d10=3 (3)

    話題:dice1d3=2 (2)

    1:グエルについて

    2:エランについて

    3:ループについて

  • 32二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:43:55

    グエルがグエルでいられなくなっていく……

  • 33二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 21:57:05

    ラウダ「これボーナスダイス含めたら1クリになるやつ?」

    五号「ボーナスダイス含めたら1クリになるやつだね」

    エラン「ボーナスダイスすごい」

    ラウダ「エランほんとに今回出目どうしたの……?」

    五号「しっ、触れちゃだめだよ。じゃあクリティカル処理としては~……決めた!dice1d3=1 (1) (1:ラウダの裏処理パラメータを1つ増やしておいてあげる 2:ランダムで高校生編で取り逃した情報が手に入る 3:以降ラウダに対するグエルPOW判定失敗処理が固定される)よ!!」

    エラン「五号は呪わないでほしい」


     古地図は問題なく見つかった。

     これをこのまま持っていくのは、色々と問題があるかもしれない。ラウダは写真で取ってスキャンすると、ふと、エランの方を見た。

    「エラン?」

    「……」

    「どうしたの」

    「僕には、理解できないよ」

     ラウダがスマートフォンを鞄にしまう。それから一歩、大きな窓に向かって踏み出した。まるで海に抱かれているようで、なんだか穏やかな気分になる。

     エランはその後姿をぼんやりと見つめる。ラウダが振り返る。目が、合った。

    「君にもきっと、理解できる日が来るよ。大切な人を守るために、自分にできるすべてをしたいと思うような」

    「たいせつなひと」

    「エランにはいるの?大切な人」

    「……」

     エランが目を伏せる。いる、かもしれない。脳裏にその顔が、ちらりと過る。だけど、それはそんなに、重要なことだろうか。取捨選択で天秤にかけられたときに「とる」側にあるほどのことなのだろうか。考えてみる。わからない。今はまだ、答えを出すことができない。

     ただ、顔を上げる。

    「いる、よ。たぶんね」

    【ラウダ エラン 3ループ目 昼 終了】

    dice1d2=1 (1)

    1:ラウダ「このまま樹海に向かう」

    2:エラン「dice1d4=3 (3) dice1d6=3 (3) に向かうよ」

    後者の場合ラウダ運転(自動車):dice1d100=86 (86) (70)

  • 34二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:03:40

    スレッタ「おさけおいしいですね」

    シャディク「何飲む?」

    ノレア「暢気すぎません?」

    スレッタ「いまさらですね」

    シャディク「なんか主にミオリネの方から悲鳴が聞こえてくる気がするけどたぶんきのせいだしね」

    ノレア「……一応、あと残っているのは1:CEOと2:バーテンダーです。ついでにシャディクさんには3:スレッタに近況を聞く、スレッタさんには3:シャディクの目的を探る 4:シャディクに呪文を使うを選択することができます」

    シャディク「え水星ちゃん呪文使えるの???」

    スレッタ「えへえへ えへへ……」

    ノレア「ダイスロールお願いします」

    シャディク「いやちょっと聞きたいことが」

    スレッタ「えへへ えへ……」

    ノレア「ダイスロールお願いします」

    シャディク:dice1d3=1 (1)

    スレッタ:dice1d4=1 (1)

  • 35二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:06:05

    CEO大人気

  • 36二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:17:08

    「なんか勧められた病院は明らかに正気失ってそうな医者がいたし……それも二人も……」

    「あの」

    「君って、あの、ホテル・アスティカシアのCEO……だよね?」

    「んえ?」

     CEOが顔を上げた。しばらく迷うようにシャディクに視線を向けた後、「まあそんなところかな」と言って、こほんと咳ばらいをした。シャディクがそれを聞いて、ぱっと声を華やがせる。

    「あの噂の花嫁に逃げられた花婿!!」

    「え、私は花婿に逃げられた花嫁って聞きましたけど?」

    「どっちにしても失礼!?!?」

     バーテンダーとエリィが口々に「事実だ」「事実ですね」と突っ込む。CEOは一瞬ぐぬぬ、とでも言いたげな顔をした後、すっと息を吸って、吐いて、読めない微笑みを取り戻す。

    「そうだ。ここで会ったのも何かの縁……せっかくだから、便利なおまじないを教えてあげようか>」

    「おまじない?」

    「うん。とはいっても、上手く効果を発するかは、あなた次第だけど」

     彼は微笑んで、「他のおともだちに教えてもいいんだよ」と言う。とはいっても、おまじないがなんなのか、わからない。ためらっていれば、CEOが続ける。僕は何故か……そう な ぜ か 上手く扱えなかったんだけど、とっても便利な呪文だ。

    「好きなひとを、思い通りにできる呪文だよ」


    ノレア「ということで受けますか?」

    シャディク「まてまてまてまて」

    スレッタ「まじでいってます??」

    ノレア「得られる呪文は【支配(簡易版)】。操る対象としてあらかじめ決めた一人以外には使えない代わり、基本的にどんな命令でも聞かせることのできる呪文です。もちろん断ってもいいですよ」

    シャディク「これ必要なやつ?」

    スレッタ「必要じゃないやつだと思いますけど……」

    ノレア「正直お助けアイテムみたいなものです。なくてもクリア自体はできます。ただし、あると色々便利でしょうね」

    シャディク「う、うーん……どうしよう」

    スレッタ「どう……しましょうかね……?」

    1:受ける 2:受けない

    シャディク:dice1d2=1 (1) 受ける場合呪文習得SANc:dice1d6=3 (3)

    スレッタ:dice1d2=2 (2) 受ける場合呪文習得SANc:dice1d6=2 (2)

  • 37二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:21:37

    なんでうまく扱えなかったんだろうねぇ…
    ていうか初対面シーンでスルーしちゃったけどCEOしれっと住所特定してるの草

  • 38二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:24:49

    このCEOに同棲3年目血縁関係なしフィックスリリース済みの同じ顔の人会わせて脳破壊させたさ

  • 39二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:30:05

    シャディク「どうせPOW高いんだしもらうだけもらっておこうかな」

    ノレア「わかりました。ちなみに対象は誰にします?」

    シャディク「……それじゃあ、dice1d4=2 (2) (1:グエル 2:ミオリネ 3:エラン 4:『自分』)にしておこうかな」


     シャディクの頭に、冒涜的な知識が入っていく。

     どうすれば、何が起こるのか、わかる。シャディクはしばらく呆然と、自分の手を見つめていた。CEOはニコリと笑って、手を叩く。

    「あとはお好きにどうぞ。同じ呪文をお友達に教えてもいいし、その呪文を使って好き勝手暴れてもいい」

    「……ありがとう?」

    「シャディクさんっ、それ、どんなかんじなんです……?」

     スレッタがシャディクの袖を引いて、首をかしげる。シャディクはしばらく俯いたあとに、どこか歪んだ微笑みを携えたまま、こくりと頷いた。

    「不思議な感覚だ。……ちょっと後悔してる、かも?」

    「なるほど?」

     二人はグラスを傾けた。CEOは余裕げな表情で席に戻り、つまみとして用意していたらしいチーズを切り分ける。それを一口くちに運んだところで、エリィが至極無垢な表情で言った。

    「それってもしかして怪盗さんに使おうとしてすごい勢いでからぶってたやつです?」

    「エリィ」

    「そうだね。せっかくの呪文なのに振り直した一回くらいしか効果を発揮しなかった可哀想な呪文だね」

    「ねえ!!」

     なんというか、絶妙に決めるところで決めきれないCEOなのだなあ。シャディクは思った。スレッタがワインを傾ける横で、CEOは再びぐずぐずと泣き始めるターンに突入する。

    「というかおかしいよ。何故断られた?僕の何が悪いの?将来有望でCEOで年齢も近くてステータスが高くてラスボスで呪文まで使える。付け加えるなら心理学(100)もネクロノミコン写本も持ってる。何も非の打ち所がないんだけど」

    「自己肯定感高」

    「なんかちょっとあんしんしますね」

    「強いて言うなら血縁関係じゃない?」

    「それ抜きにしても突然プロポーズは拒否されても仕方ないと思います」

     フルボッコであった。

    【シャディク スレッタ 3ループ目 昼 終了】

    dice1d3=2 (2)

    1:シャディク「せっかくだからまだ飲むかあ」

    2:スレッタ「dice1d2=2 (2) (1:客室 2:書斎)に行きましょう!」

    3:シャディク「西のdice1d5=2 (2) に向かおう」スレッタ「ですねぇ」

  • 40二次元好きの匿名さん23/05/31(水) 22:34:27

    ラスボス以降非の打ちどころしかねえなあ

  • 41二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 07:09:50

     運動公園は、もうそこそこ日も傾いてきた時間だと言うのに、たくさんの子供がいた。ミオリネはベンチに腰掛けてグエルの方を見やり、「あんたのそれはなんなんだろうね」と、務めて無感動に、軽い調子で言った。

    「なんか変だし、しばらくラウダとは行動を一緒にしない方がいいんじゃない?」

    「それは、」

    「嫌か」

     グエルは何も答えずに、ブランコをゆらゆらと揺らしていた。

     ミオリネはしばらく考えたあと、立ち上がる。それから軽くストレッチをして、遊具の前に立った。

     傍にいたら(ねじ伏せればいいとはいえ)また襲われる危険があるかもしれない。それでもミオリネは、グエルのそばにいてあげたかった。だってほら、私は『ミオリネ先輩』だから。

    「グエル、やるわよ」

    「……?」

    「鬱屈とするのはじっとしているから。身体を動かしたら、きっと気が晴れるわ」

     ミオリネが笑えば、グエルはようやく、口角を緩ませた。そうしてたちあがり、うんと伸びをする。深呼吸をする。

     空が微かに茜色の気配をまといつつある。まるでグエルの瞳のような色をした空を背負った彼は、しばらくそうして準備体操をしたあと、ミオリネの方を見て、ぱああっと笑った。

    「俺、こういうとこで遊ぶの初めてかも!」

    「そうなの?」

    「ああ、昔はいっつも樹海の方で遊んでたから」

    「ふうん……?」

     それは、高校生時代に見つけた祭壇と__グエルが神であることと、何か関わりがあるのだろうか?

     ……考えるのはやめにした。ミオリネはグエルに背を向けて、遊具をみつくろいはじめた。


    ノレア「SAN値回復です。どこで遊んでも固定で1d5。もちろん途中で切り上げてスマホで情報収集もできます」

    グエル「俺図書館持ってるし情報収集」

    ミオリネ「あんたが何らかの情報を知るとヤバい感じになるのよ。大人しくしなさい」

    dice1d2=1 (1)

    1:ミオリネ「全力で遊ぶわよ!!」グエルCONロール:dice1d100=59 (59) (40) ミオリネCONロール:dice1d100=72 (72) (70)

    2:グエル「いいところで切り上げてdice1d2=1 (1) (1:リリス2:ループ)について調べる」グエル図書館:dice1d100=32 (32) (70) ミオリネ目星ハード:dice1d100=13 (13) (35)

  • 42二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 07:37:39

    大人は自分の体力を過信してはならない…

  • 43二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 07:52:06

    グエル「????????」

    ミオリネ「???????」

    ノレア「何してるんですか」

    グエル「さ……SAN値は回復してくれるよな♡」

    ミオリネ「1d6って話だったわよね♡♡」

    ノレア「だめにきまってるでしょ」


    「っはあ、普段しない動きをすると、疲れるわね……!」

    「……あ、アア、ぅああああ゛……」

     二人でベンチに倒れこんで、必死に息を整える。ただ狙った通り、もうグエルには暴れてこちらに襲いかかるほどの体力はないらしい。ブラボーである。グエルはゼエゼエと肩で息をしながら、首だけをこてりと傾けて、ミオリネの方を見やる。そうして、静かな声で、こう言った。

    「お前はどうして、こんなに俺によくしてくれるんだ?」

    「後輩を可愛がるのに、理由が必要?」

     グエルは一瞬目を閉じ、開ける。両手の指を組み合わせて、ふわり、と。穏やかに、グエルらしい表情で、笑って見せた。

    「そうですね。ミオリネ先輩はずっと、俺の憧れです」

    「うわあなんかくすぐったい。いつも通りにして」

    「ところでまだシャディクには踏み出していないんですか?×月×日が続いてるうちに踏み出した方がいいと思うなあ」

    「グエルーーーーー!?!?」

     いつの間にか日も暮れつつある。 『今日』が、終わりつつあった。

    【グエル ミオリネ 3ループ目 終了】


    「……なんだか、懐かしいね」

    「うん」

     樹海の奥の祭壇は、あの日から何も変わっていない。奇妙に美しいまま、奇妙におぞましいまま。ただしいくら探しても、あの黒い獣は見つからなかった。ハズレか。あるいは、まだ二人にはその資格がないのか__と思っていたところで、ふとエランが切り出す。

    「このループ、物の位置は移動しないみたい……だよね。だったら、見つかったらまずいものを手に入れたなら、ここに隠せばいいかも。どうせこんなところ、僕たち以外来ない」

    「見つかったらまずいものって、例えば?」

    「……チャカ?」

    「そうだこいつ職業ギャンブラーだった!!」

     ラウダはだいぶ、頭を抱えた。

    話題dice1d3=2 (2)

    1:グエルについて 2:ループについて 3:恋バナしようぜ恋バナ

  • 44二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 07:58:43

    樹海で遊んでたとか不穏さしかないんだが

  • 45二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 08:28:41

    エランもなんか不穏要素揃ってきているのにギャンブラーとかいう職業のせいでイマイチ締まらない……

  • 46二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 09:53:14

    「……このループは、どうすれば終わらせられるのかな……」
     ふとラウダが呟く。
     エランは樹海の外に向かって歩きながら、そちらを視線だけでちらりと見て、少しだけ視線を落とした。「終わらせる必要なんて、あるのかな」。ラウダが振り返る。エランは、目を合わせなかった。
    「何を……言っているの?」
    「この時間を終わらせなければ、ずっと平和なままだ。世界が終わることもない」
    「でもっ、……でも、記憶は引き継いでいる。兄さんはどんどん神として覚醒していく。いずれ終わりはくるんだ。それに何より僕は、」
    「だったら情報に触れないように閉じ込めておけばいいんじゃないの?腱を切断すれば人は動けなくなるよ。ああ、『一日』が経ったら、また復活してしまうんだっけ?なら毎朝手足を斬り落とせばいい。一緒に暮らしているなら簡単に出来るでしょう」
    「何を……言っている、の?」
     ラウダはその意味を理解したくないとばかりに首を横に振る。エランは表情を変えないままラウダの方を見やった。
    「どうして?君にとっても、それで『大切な人』とやらを守れるのなら、そちらの方がずっといいのでは?」
    「……あなたは、この×月×日の先に、進みたいんのではないの?」
     エランが、すうっと。どこか、微笑むような表情を浮かべて、夢見るようにつぶやいた。もちろん、誰もが幸せに、誰もが平和に、この先に進むことが、もし、できたならば。それが、ずっといいと思っているよ。だけど、
    「世界が終わってしまうくらいなら、ずっとこの時間を繰り返している方がずっといい。違う?」

    ラウダ「何、この……何???」
    エラン「僕はおかしなことを言っている?」
    ラウダ「一から十までおかしいよ」
    エラン「そう、かな。……ラウダ、わかってるね」
    ラウダ「何を???」
    エラン「協力が必要なら行ってほしい」
    ラウダ「何の!?!?」
    五号「あっやりたいなら不意打ち判定SIZ対抗POW判定全部に成功したうえでSANcだからね~」
    ラウダ「処理を明示するな!!しないからね!?!?」
    【ラウダ エラン 3ループ目 終了】

  • 47二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 12:03:43

     書斎の壁には一面にぎっしりと本が並べられている。中央には真っ白なテーブルと黄色い花が飾られていて、革張りのソファには誰も座っていない。

     シャディクとスレッタは、何故か な ぜ か ダメージを受けていたらしいCEOから許可をもらうと、ホテルに併設されたその場所にやってきていた。ここにはこの地特有の信仰に関する本や、それこそ冊子のような古文書に片足をつっこんだものなどはないだろうが、代わりに最近発売された新書やあたらしい小説などが置かれているだろう。探してみれば何か役に立つ本があるかもしれない。

    「水星ちゃんはどんな本が好き?」

    「私は……えっと、小説は、あまり読まないのですけど。神さまの本とか、好きです」

    「へえ?なんか意外」

    「何故ですか?」

    「ううん、なんでもないよ。あっ、そうだ、せっかくだから、俺のおすすめとか読んでみない?『祝愛』とか面白いよ」

    「……」

     スレッタは視線を下ろす。

    「恋愛小説は、読みたくない、です」

     シャディクがぱちりと瞬きをした。

     それからしばらく考えたあとに、ごめん、と低く言って、頭を下げる。配慮が足りていなかったね。

    「でも、小説が面白いのはほんとだよ。よんでみようよ~!」

    「いっ、今はそれより、このループを終わらせるため、何か使えそうなものがないか、さがすのが、優先……ですよね!」

    「息抜きも必要だよ」

    「さっきお酒飲んで十分息抜きしました~!」

     二人は先程の気まずい雰囲気を押し流すために、空元気で明るくふるまう。スレッタがしばらくもしないうちに、困ったように笑いはじめたのを見て、シャディクはほっと、胸を撫でおろした。

    dice1d3=1 (1)

    1:スレッタ「……の神について調べてみます」シャディク目星ハード:dice1d100=75 (75) (35) スレッタ目星ハード:dice1d100=69 (69) (35)

    2:シャディク「神様全般について調べてみようかなあ」シャディク目星ハード:dice1d100=54 (54) (35) スレッタ目星ハード:dice1d100=51 (51) (35)

    3:スレッタ「小説、読みましょうかねえ……」シャディク「じゃあ……dice1d3=3 (3) (1:ミステリ『探偵Lの献身』 2:現代サスペンス『紅月』 3:中世サスペンス『預言者と嵐の孤島』)とかどう?」

  • 48二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 12:15:19

    今回のシナリオを聞いてダイスが尋常じゃないね···

  • 49二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 12:49:50

    全然ダイスが成功しないんだけど、状況が状況だけに成功しなくてもそうだよね…ってなってしまう

  • 50二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 15:08:22

    もしやダイスが成功しない方が幸せ…?

  • 51二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 15:20:29

    シャディク「む、難しかった……かな」

    スレッタ「う、うーん、うーん……」

    ニカ「どうします。プッシュしますか?」

    シャディク「しようかとも思ったけど。ここ掘っても大した情報出なさそうだし」

    スレッタ「なによりファンブルだしてCEOに青鬼される方が怖いですね」

    ニカ「なんで既に解決したシナリオのラスボス枠が青鬼みたいな扱いになってるんです?」


    「うーん、使えそうな本は、ない、ですね……?」

    「だね。あ、でも見て、これ。『預言者と嵐の孤島』!とってもかっこいい探偵主人公と、ミステリアスな未来からの来訪者」

    「それってもしかして、『サブキャラ関係全部が地獄』『クソデカアックス被害者の会』『婚約者組がただただ可哀想で草』って話題になってたあの」

    「あそこ周りはギャグとしか思えないくらいエキセントリックだったよねえ……でも最終的には婚約者が結婚したんだよね?僕知っているよ」

    「いや確かどうなったかは あなた次第…… みたいな感じでぼかされていたはずです」

     二人は本を片手にわいわい話す。そうしている間だけは、何もかもを忘れられそうであった。ふとスレッタが、ねえ、とシャディクに笑いかける。

    「今度、読み聞かせしてくれますか?」

    「追い打ち???」


    ……、

     __

     まただ。グエルはまた、誰かに殺された。一体だれに殺された?わからない。滲む視界では、その姿を特定することはできない。

     手を、伸ばす。痛い。痛い。痛みが、薄れていく。霞んでいく。壊れていく。どろり、と思考がとろけていく。半ば無意識に、誰かの名を呼んだ、気がする。それすらも、届かない。届かない。夜の青と、血の紅が、混ざり合って、壊れて、いく。もう終わりたい。ここで終わってしまえば楽だ。しかし世界は×月×日になる。繰り返す。無慈悲に、残酷に。ちがう。これを望んだのはグエルだ。だって、まだこんな結末では、

     終われない。


    ニカ「……さて、グエルさん。ここからのPOW判定の処理ですが、……になります」

    グエル「……、わかった」

    グエルPOW判定:dice1d100=32 (32) (55) dice1d3=1 (1)

  • 52二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 15:29:11

    POWが開示された!!

  • 53二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 15:33:16

    ループを起こしているのがグエルの意志か?

  • 54二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 15:45:23

     ……

      ×月×日、朝。

     今日は休日で、仕事は休みだ。そんな思考がミオリネの頭を巡る。昨日はつかれていたからだろうか、テレビをつけっぱなしで寝ていたみたいだ。早朝のローカルニュース、町の近くの牧場でそろそろ仔山羊がうまれそうなこと、国道で輸血運搬車がひっくり返って大量の輸血が道路に散乱したという速報、何やら怪しげなミステリーサークルが北の野菜畑で見つかったなど、なかなかに酷い感じだ。占いまで見ていると、どうやら今日の運勢は最悪らしい。ミオリネはベッドに身体を倒れこませると、「またか……」と小さく呟いた。


    グエルSANc:dice1d100=57 (57) (??) 1/dice1d4=1 (1)

    ラウダSANc:dice1d100=19 (19) (??) 1/dice1d4=2 (2)

    シャディクSANc:dice1d100=92 (92) (??) 1/dice1d4=2 (2)

    ミオリネSANc:dice1d100=54 (54) (??) 1/dice1d4=3 (3)

    スレッタSANc:dice1d100=40 (40) (??) 1/dice1d4=1 (1)

    エランSANc:dice1d100=10 (10) (??) 1/dice1d4=1 (1)

    グエル:dice1d3=1 (1) (1:ラウダについていく 2:シャディクについていく 4:dice1d4=4 (4) dice1d6=5 (5) に向かう)

    ラウダ:dice1d3=3 (3) (1:ミオリネに相談する 2:スレッタと情報共有する 3:グエルについていく)

    シャディク:dice1d2=2 (2) (1:ミオリネとお話する 2:エランとお話する)

    ミオリネ:dice1d2=1 (1) (1:グエルについていく 2:シャディクについていく)

    スレッタ:dice1d2=1 (1) (1:エランとお話する 2:dice1d4=4 (4) dice1d6=3 (3) に向かう)

    エラン:dice1d2=1 (1) (1:スレッタに冊子を渡す 2:dice1d4=4 (4) dice1d6=4 (4) に向かう)

  • 55二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 15:50:23

    グエル・ラウダ・ミオリネ組:dice1d3=2 (2)

    1:精神分析チャレンジ

    2:現状や犯人について意見交換

    3:dice1d4=4 (4) dice1d6=6 (6) に向かう

    グエルPOW判定:dice1d100=63 (63) (55) dice1d2=1 (1) dice1d3=3 (3)

    シャディク・スレッタ・エラン組:dice1d3=2 (2)

    1:精神分析チャレンジ

    2:現状や犯人についての意見交換

    3:dice1d4=4 (4) dice1d6=1 (1) に向かう

    エランはdice1d2=2 (2)

    1:グエルの出生について話す

    2:グエルの出生について黙っておく

    スレッタはdice1d2=2 (2)

    1:二人の前で冊子を読む

    2:二人が話している横で冊子を読む

  • 56二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 16:03:40

    ミオリネSAN値:27→24

    グエル「うあ、あっ、ああああ……」

    ラウダ「どうしたの」

    ミオリネ「ちょっとPOW判定が失敗しただけじゃない」

    グエル「3って、3ってぇ、うああああああ……1、もう2でもいいからぁ……」

    ニカ「あは。マシな方、ですよ。それにしてもグエルさんってたまに血の気多いですよね」

    ラウダ「今回戦闘技能持ってないから最悪取り押さえるの協力して、ミオリネ」

    ミオリネ「了解。でもグエルの反応からしてそうじゃない、とは思うんだけど……」

    ニカ「でもまあ、温情です。最低限、暴れるのはある程度話し合ってから、でもいいですよ?」


    「犯人について、何か覚えていることはある?」

     ミオリネは一人でディランザ号の後部座席を占領しながら、助手席に座るグエルに対して、そう切り出した。

     ラウダから今日受けた神託の内容は聞いた。「グエル・ジェタークが自分の秘密に気づいてしまったら、時を戻している。あの男が目覚めることで、世界が終わってしまうから」__らしい。はた迷惑な話だ。ミオリネにとってグエルは、ただの後輩なのに。

     グエルはしばらく、考える素振りをする。どうやら事件当時のことについて、思い出そうとしているらしい。ラウダがふと顔をあげて、やけにこう、なんというか 人気の……ない 駐車場 に、車を停めた。

    「少し、自販機で飲み物を買ってくるよ。希望はある?」

    「あ、じゃあ俺はアイスコーヒーがいい」

    「私ミルクティーで」

    「了解」

     ラウダの姿が日差しの中に消えていくのを、ミオリネはしばらくぼんやりと見つめる。グエルはまだ、腕を組んで、考えているようだった。

    グエルアイデア:dice1d100=6 (6) (65)

  • 57二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 16:09:32

    ここぞとばかりに出目が良いがコレ大丈夫なやつですか?

  • 58二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 16:26:11

    ニカ「うわあイクストリーム!!!!」

    グエル「誰 か が 選 ん だ ス テ ー ジ じ ゃ な く て」

    ラウダ「誰 か が 描 い た イ メ ー ジ じ ゃ な く て」

    ミオリネ「僕 達 が 作 っ て く ス ト ー リ ー」

    ニカ「ここでイクストリーム撃たれてどうしろと!?!?」

    グエル「汚名返上」

    ラウダ「名誉挽回」

    ミオリネ「夜露死苦」

    ニカ「わっ……わかりました!でもPOW判定失敗処理はそのまま行きますからね!!」


    「……ミオリネとシャディクでは、ない」

     ふと、グエルが言った。

     もしミオリネが犯人だとしたら、身長差と髪の長さからして、倒れるとき、ほんの一瞬でも、銀色の髪が視認できるはずだ。同様の理由で、金色の髪も見えなかったあたり、おそらくシャディクも違う。ミオリネはそれを聞いて、「それは当然だけど」と首を傾げた。

    「本当にこの中に犯人がいるの?」

    「……もちろん、第三者による犯行の可能性も否定できない。俺だって、そう信じたいよ」

     グエルが縋るように呟く。……仮に、ミオリネたち六人のうち誰かが犯人だとした、場合。残る犯人候補は、『ラウダ』『スレッタ』『エラン』の三人。あとは、『グエル』の自害である、という可能性だろうか。どれにしても、まだ確たる証拠はない。

     そこで、がちゃりと音がする。

     ラウダが帰ってきたのだ。彼はそれぞれに買ってきた飲み物を渡すと、自分もペットボトルを開ける。ミオリネは缶のプルタブを弾いた、ところで__

     ふと。

     グエルの瞳孔が、ほんの一瞬、拡散し。その腕が、ラウダに向かって伸びるのを見た。

    グエルSIZ対抗:dice1d100=15 (15) (55)

    ラウダSIZ対抗:dice1d100=39 (39) (65)

    ミオリネSIZ対抗ハード:dice1d100=74 (74) (45)

    グエル??:dice1d100=66 (66)

    ラウダ??:dice1d100=64 (64)

    ミオリネ近接戦闘(格闘):dice1d100=69 (69) (70)

  • 59二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 17:05:35

    そういえば今回職業技能で取ってるミオリネさん以外みんなデフォの戦闘技能ないんだよな
    珍しく

  • 60二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 21:32:03

    グエルが戦闘技能持ってないの最初は心細かったんだけど、今となっては良かった(殺さずに済む)って思ってるよ…

  • 61二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 21:50:04

    いつもはミオリネさんの戦闘技能が回避だけであとはみんな武闘派だから逆なの面白い

  • 62二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 22:16:11

    グエル「……」

    ラウダ「こういう時は出目いいね。さすがだね兄さん」

    ミオリネ「遠い目入ってるわよ。もちろんノックアウト打撃、不意打ち判定でお願い」

    ラウダ「つよい」

    グエル「ちなみに???は何のロールだったんだ?」

    ニカ「色ボケ対抗ロール以外にあると思います?」

    ミオリネ「恒例行事にするな 開き直るな」


     グエルが動いたのは、一瞬だった。

     運転席に座ったラウダを、半ば突き飛ばすようにして車窓に押し付ける。ご、と鈍い音がして、ラウダの頭が硝子にあたった。ラウダは「ぅあッ……!?」と低い悲鳴をあげた。ミオリネは割り込んで止めようとする、が。後部座席ということもあり、腕が、届かない。力が入らない。グエルは酷薄な笑みを浮かべ、口から銀の糸を垂らしながら、ラウダの耳に触れる。人差し指が耳孔を抉り、めり、と。頬骨に、中指がめり込む。

    「ぃ゛、い゛だ……やめ……」

    「無駄な抵抗はやめろ。その方が痛みもなくてすむ。っふふ、だいじょおぶ、『俺』ならお前の頭蓋骨くらい、簡単につぶせるが、しないでおいてやろう」

    「ぎ、ひっ、ゆ、……ゆる……」

    「ああ、ああ、あああ。あは。ッハハ、わからないなあ、何故お前はこの顔のニンゲンが近づいてきているのに拒むんだ? 何故抵抗する? なんて、……甘美なのだろうなァ、あは、あっははははははハハハハ……」

     ミオリネが半ば無理矢理身体を乗り出して、グエルの首筋に手刀を叩きこんだ。

     グエルの身体が頽れる、と同時に、指先から力が抜けて、ラウダは、解放される。ラウダは愕然とした表情で、そちらを見つめていた。ミオリネは無感動にそちらを見下ろして、「縛っておいたほうがいいかもね」と結論を出す。

    「ラウダ。今日は、どんな神託が届いたの?」

     ラウダは少しだけ、視線を下ろす。淡々と、呟いた。

    「『グエル・ジェタークに母親がいないのは、彼の父親が、彼が、母を殺したからだ』」

    【グエル ラウダ ミオリネ 4ループ目 終了】

    dice1d2=2 (2)

    1:ラウダ「……dice1d4=1 (1) dice1d6=4 (4) に向かう」

    2:ミオリネ「精神分析お願いしても?」

    ラウダ運転(自動車):dice1d100=70 (70) (70)

    グエルをdice1d2=1 (1) (1:拘束する 2:拘束しない)

  • 63二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 22:35:35

    「……世界が、滅ぶ?」

     シャディクは腕を組んで、二人を見やった。スレッタは少し困ったように、「私はよくわからないんですけど」と首を傾げる。エランは指を組み合わせて、顔を、あげた。

    「あまり、詳しくは聞かない方が、君のためだ。……僕だって、詳しく言いたくはない」

    「えっと、つまりどういうこと?」

    「僕は知っている。『明日』、世界は滅ぶ。それだけは確かだ。僕はそれを、なんとかしたい」

    「エランさん、要領を得ない説明はやめましょう」

    「……具体的に、どうすればいいのかはわからない。でもきっと、この時間のループは……問題を解決するための、手段だと思うんだ」

     エランはそれを、信じて疑わないようだった。スレッタはそんな二人を横目に、ぱらぱらと頁をめくる。それを、食いいるように、読んで__ふと、最後の頁に目を止めた。

     ここだけ、張り付いている。だが、スレッタなら剥がせそうだ。慎重に、慎重に。破ってしまわないように、ぺりぺりと剥がしていく。どうやら糊でくっついていたわけではなく、劣化によってのものであったみたいだから、簡単に、ぱり、と乾いた音がして、はがれる。

    「__ッ!?」

     スレッタは、目を見開いた。

     シャディクが「水星ちゃん?」と困惑したようにそちらを見た瞬間、スレッタは「うああああっ!!」と叫んで、冊子を投げる。ただでさえ経年劣化が酷かったらしい冊子は、それでぼろぼろになってしまう。スレッタは両手で自身の身体を抱いて、叫ぶ。

    「ちがう。ちがうんですっ、わたし、私、違うんです……!!」

     エランが無表情に、崩れた頁の一部を拾い上げ、そして、目を見開く。

     そこには、遠目に見れば真っ赤に見えるほど大量に__乾いてどす黒い血で、文字が書かれていた。

    シャディクSANc:dice1d100=90 (90) (??) 1/dice1d4=3 (3)

    スレッタSANc:dice1d100=38 (38) (??) 1/dice1d6=1 (1)

    エランSANc:dice1d100=18 (18) (??) 1/dice1d4=3 (3)

    dice1d2=2 (2)

    1:シャディク「……精神分析する」シャディク精神分析:dice1d100=16 (16) (70)

    2:エラン「解読、できないかな」シャディク目星ハード:dice1d100=12 (12) (35) エラン目星ハード:dice1d100=85 (85) (35)

  • 64二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 22:38:18

    ハード成功は大きい

  • 65二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 22:56:00

     シャディクはそれらしい破片を繋ぎ合わせて、正しい形を作り出す。エランはスレッタが震えているのが気にかかっているのか、こちらを気にしていないようだ。その内容を、見て__少しだけ、顔をしかめる。

    「シャディク?何が書いてあったの?」

    「……ううん、なんにもないよ、エラン」

    「そう?」

    「だよね、水星ちゃん。……水星ちゃん」

    「はい、なに、も。……なにも書いてありませんでした。私は、……私は、なにも……」

     エランは片眉を跳ね上げる。「そんなわけないでしょ」と問い詰めれば、スレッタは少しだけ俯いて、エランの手を、ぎゅっと握った。エランがきょとんとしたように、その表情を、覗き込んだ。瞬間__

    「『なにも、書いてありませんでした』」

     宝石のように輝く瞳と、目が合った。

     エランの手が、身体が、震える。恐怖で、狂気で、震える。シャディクは「エラン?」と不思議そうな顔をした。が、エランのくちびるが悲鳴のようなナニカを上げるより先に、スレッタが顔を上げ、ニコリと笑みを浮かべる。

    「なんでもありませんよ、ね、エランさん。シャディクさん、行きましょう」

    「そ、それなら、いいんだけど、……エラン?」

    「………………」

     エランは、何も答えないまま、薄い肩を震わせていた。


    スレッタ呪文使用:????

    スレッタ呪文使用SAN消費:dice1d6=4 (4)

    エランSANc:dice1d100=31 (31) (??)0/dice1d6=3 (3)

    【シャディク スレッタ エラン 4ループ目 終了】

    dice1d3=1 (1)

    1:シャディク「精神分析チャレンジするよ!」

    2:スレッタ「……について、dice1d3=1 (1) (1:旧アスティカシア図書館 2:アスティカシア・ライブラリ 3:スマホ)で調べます!」

    3:エラン「dice1d4=3 (3) dice1d6=2 (2) に向かおうか」

  • 66二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 23:05:19

    神の子の覚醒のページの後に書かれていたこと…なんだ?
    不穏すぎる

  • 67二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 23:11:19

    「……なんだこの状況?」

    「ご、ごめんね、兄さん……」

    「恨むならあんたのその謎の暴走を恨んで」

     両手は、後ろ手に袖を結ぶ形で。ついでではあるが、両足は折りたたんでラウダから剝ぎ取った上着で縛り、周囲の状況を確認できないようにハンカチで作った簡易的な目隠しまでさせている。どれもありあわせでつくった子供だましではあるが、腕の方にはシートベルトを噛ませているから、そう簡単に抜け出すこともできないだろう。

     困ったように「咽喉乾いた?コーヒー飲む?」「脚は痺れていない?」「どこも痛くないよね?」と介護__ではなく伺っているラウダを横目に、ミオリネは真顔で言う。

    「ところでグエル先生。カウンセリングをお願いしたいんだけど」

    「情緒どうした?」

    「普段通りの仕事をしていれば、非日常も忘れられるでしょう」

    「この状況が非日常すぎるんだが」

    「ねえグエル、お願い」

    「兄さん……」

     視界が真っ暗に閉ざされた世界で、右手側からはラウダの声が、左手側からはミオリネの声が聞こえる。普段より鋭敏に情報を拾い取らんとする触覚は聴覚は、半ば耳を食むようにして近づいてくるそれを、完全に処理し__

    「わかった!わかったから、いったん離れろ!それとせめて目隠しは外せ!!」

     このドキドキはおそらく生理的な、生存本能に根差した、恐怖である。だがその耳が微かに赤くなっているあたり、吊り橋効果というやつは存在するのだなあ。ミオリネは思った。


    グエル「ほんとに何を思って拘束してる相手に精神分析頼むんだよ」

    ミオリネ「だって だって SAN値ヤバいし ね?いいでしょ?グエル……」

    ラウダ「僕も若干、危ないかも……?とにかく、おねがい、兄さん……」

    グエル「お前らしおらしくすれば俺が落ちると思ってないか?してやるが」

    ニカ「落ちてるじゃないですか」

    グエル精神分析(順に対ラウダ→対ミオリネ):dice2d100=65 9 (74) (70)

    グエルPOW判定:dice1d100=46 (46) (55) dice1d2=1 (1) dice1d3=1 (1)

  • 68二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 23:28:38

    ミオリネSAN値回復:dice1d6=6 (6)


    「……おちついた?」

     ミオリネが尋ねる。グエルは静かに笑って、「ああ、かなり」と言った。ラウダはほっと息をついて、今まで外していた目隠しを手に取った。

    「じゃあこれつけるよ」

    「なんで????」

    「運転中に突然暴れられたら危ないでしょう。ミオリネ、そっち押さえて」

    「了解」

    「お前ら阿吽の呼吸で俺を拘束するなよそんな協調性はいらんううううう!?!?」

     グエルの視界が、再び闇に閉ざされる。

     ラウダはほっと胸を撫でおろして、運転席に戻った。これで少なくとも、グエルが誰かに暴力を振るってしまうようなことは回避できる。……彼はやさしい人だから、きっと自分が誰かを殴ってしまったことに、酷く傷ついてしまうだろうから。とにかく、調べなければならないことは、まだいくらでもある。ラウダは顔をあげて、ウインカーを出した。

    「__ラウダ・ニール」

     不意に、グエルが低い声で呟いた。

    「お前は『俺』のことが、好きじゃないのか」

     攻めるような口調に、ラウダが、ほんの一瞬、くちびるを歪ませた。

     グエルがはっと、気を取り戻す。ふるふると首をあちらこちらに振って、「い、今、俺、何か言ったか!?」と焦ったように言う。

    「……何も言ってないわよ、何もね」

     黙りこくってしまったラウダのかわりに、ミオリネが答えた。

     そうでしょう、ラウダ。あんたは決して、彼を捨てるようなやつじゃない。信じてる。だって、ずっと一緒にいるって、約束したんでしょ? あんたは私の、自慢の大親友なんだから。

     ラウダが視線を下げた。泣きそうに震えた声で、「好きだよ。何があっても」と呟いた。

    【グエル ラウダ ミオリネ 4ループ目 昼 終了】

    dice1d3=3 (3)

    1:ラウダ「dice1d4=4 (4) dice1d6=1 (1) に向かうよ」

    2:ミオリネ「『リリス』についてdice1d3=2 (2) (1:旧アスティカシア図書館 2:アスティカシア・ライブラリ 3:スマホ) で調べたい」

    3:グエル「俺のこれを何とかする方法は何かないのか!?本当に!?」

    ラウダ自動車(運転):dice1d100=34 (34) (70)

  • 69二次元好きの匿名さん23/06/01(木) 23:53:12

    こんな異常事態なのに精神分析しっかり成功させて最大値回復引き当てるのは草。多分グエル自身が一番必要としてるだろうにね……
    そしてPOW判定成功しても暴走は起きるのか、これかなりやばくなってきてるね?

  • 70二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 00:29:22

    今のグエルの状況って、初期の呪術廻戦の虎杖みたいな状況なのかな?
    Aの中に本人(A)とは別の意識(B)が存在していて、普段は身体を操る権利がAにあるんだけど、死にかけたり精神的に動揺するとBが勝手に身体を動かしてしまう。みたいな
    メンタルが弱れば弱るほどヤバそうだから、早く解決の糸口見つけてくれ〜〜〜

  • 71二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 07:11:22

    「でもッ、シャディク……!」

    「エラン、一旦落ち着いて」

     シャディクは優しく語りかける。エランはそれでもと続けようとして、やめた。スレッタはエランの頭を撫でてみる。エランの肩が露骨に跳ねた気がするが、たぶんきのせいだ。

    「そういえば水星ちゃん、さっきの何?」

    「おまじない、みたいなものですよ。シャディクさんがCEOに教えてもらったものと同じですね」

    「ふうん……?」

     二人はのんびりと話す。エランとしてはそれに対してとてもとても文句を言いたいが、今はそんな状況でもないことは確かだ。あらゆるあれこれを飲み込んで、シャディクの方に視線を向ける。

     シャディクは穏やかに微笑んで、近場のベンチにゆっくりと腰掛ける。そのまま身体を前屈させると、両手を組んで、二人を順に見やった。

    「とりあえず、一旦お話しよう。そうすればほんの一時のあいだでも、この異常事態を忘れられる」

    「でっでも、そ、そんなこと、してる時間、ないんじゃないです……?」

    「いいや?意味ならあるさ。ずっと、それもこんな状況を直視し続けるのは、頭が疲れてしまうよね。少し息抜きすることも大事だよ」

    「……息抜き」

     エランが先に、ベンチに座った。スレッタは少し悩んだあと、それに続く。シャディクの表情は、とても優しく、柔らかい。両手を組み合わせて、二人を順に見て、「じゃあ」と言う。

    「今だけは、なんでもいい。何を言ってもいい。どうか俺を頼ってくれ、二人とも」


    シャディク「お。ミオリネから通知だ、『グエル曰くとりあえず私とシャディクは犯人じゃないらしい』だって」

    スレッタ「……え、えっと。ほんとにこの中に犯人がいるんでしょうか……?」

    エラン「さあ?いるんじゃない?」

    シャディク「どうだろうね~、でも俺は確白ってことで!」

    スレッタ「まだくろのかのうせいもありますね」

    エラン「かのうせいをひていしてはいけない」

    シャディク「信用ないなあ」

    シャディク精神分析(順に対スレッタ→対エラン):dice2d100=91 44 (135) (70)

    ついでにエランに呪文をdice1d2=2 (2) (1:教える(エランSAN消費dice1d6=2 (2) ) 2:教えない)

  • 72二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 11:23:27

    シャディク「……ファンブルじゃないね!ヨシ!!」

    スレッタ「やる気が感じられないですね」

    エラン「僕は1回復したので良かったと思う」

    ニカ「あ、お三方~!向こうでグエルさんがどうすれば正気に戻るかの考察するんですけど、参加します?」

    シャディク「グエルが?……正気に……?」

    スレッタ「なんのはなしです????」

    エラン「なにもしらないシャディク・ゼネリ(24)とスレッタ・マーキュリー(23)」

    ニカ「まあ選択肢に合流の選択肢が出るだけですね。適当にRPしながら考えておいてくださいね~」


    「……ごめん、ありがとう、シャディク。落ち着いた」

     エランはくったりと身体から力を抜いて、握っていた拳を、慎重に、解く。スレッタは項垂れたままだ。どうやらこの状況が、あるいは例の冊子の言葉が、かなりこたえている、らしい。……それもまあ、当然か。シャディクはスレッタの背をぽんぽんと撫でて、冷えた指先をあたためるように、その手を握る。

    「水星ちゃん。辛いなら無理しなくてもいいんだ。俺がなんとかするから、俺を頼って」

    「……しゃでぃくさん……」

    「ほら、いちおう先輩でしょ?だからほら、遠慮なく」

    「シャディク、君は大丈夫なの」

     エランが無表情にそう言う。シャディクは一瞬硬直した後、視線を下ろす。大丈夫だよ、と。少しだけ震える声で呟いた。先程のミオリネからの連絡で、自分は犯人じゃない、と他の全員に認識されている状態なのである。ならば大丈夫、自分の役目は一つだ。

    「僕なら、本当に大丈夫。水星ちゃんもエランも、遠慮なく俺のこと、頼ってね」

     空元気のような、少しだけ裏返った声であった。

    【シャディク スレッタ エラン 4ループ目 昼 終了】

    dice1d2=1 (1)

    1:シャディク「いったんグエルたちに合流するかあ」

    2:スレッタ「dice1d3=1 (1) (1:旧アスティカシア図書館 2:アスティカシア・ライブラリ 3:スマホ)で調べものに行きましょう!」

  • 73二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 11:36:18

    シャディクもなんか不穏さが出てきたな…

  • 74二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 11:38:49

    本当ミオリネだけが頼り状態なんだよなあ。ラウダも割と情報出揃ってそうだし何より行動動機が明確に過ぎて不穏感はないけど

  • 75二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 11:41:05

    なんか情報全然取れてない気がするのに的確にやべえ情報だけ役満で笑える笑えない

  • 76二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 11:46:23

     六人は一旦、ファミレスに集合することにした。

     論点は主に、グエルの暴走についてだ。理由はさすがに、察しがついている。

    「グエルの中にいる『神の子』が、グエルを操っている……?」

    「ど、どういうこと、です……?」

     説明を受けたシャディクとスレッタが、困惑したようにそう尋ねる。ミオリネは赤いソファにもたれかかって、トマトスープを飲んだ。

    「冊子を読んだなら、わかると思うけど。……グエルはたぶん、『神の子』。その覚醒を、世界の崩壊を防ぐために、この×月×日はループしている」

    「なるほど。……それで……」

    「……そういうこと、だったのか」

    「そ、そんな、そんなっ、うそ。嘘です!」

     どこか納得したようにうなずくシャディクとエランの横で、スレッタがダンとテーブルに手を突き、身を乗り出す。その頬には汗が浮いていて、目は、見開かれていて、

     __ようやくミオリネは、彼女の秘密を思い出す。

     そうだ。言って、気づく。……そうだ、悪いことを、した。いや、ちがう。どれだけ残酷なんだろう。スレッタにとっておそらく初恋の人が、実は化け物だなんて。ラウダは『神託』という指針と、自分がそれを止めるという決意があるからまだ大丈夫にしても、そういったものがひとつもないスレッタは……、手が、震える。脚が震える。グエルはそんな重い空気を吹き飛ばすように、こほんと咳ばらいをした。

    「……そういうわけで、俺が縛られているのは気にしないでほしい」

     ミオリネが「仲間」に頼んでもってこさせた、そこそこ丈夫な手錠で両手を戒められたグエルが、困ったように苦笑しながらそう言った。

     スレッタは、未だにくちびるを半開きにさせている。ラウダは手を組み、「とにかく、見つけないと……」と目を伏せる。

    「その場凌ぎでも、なんでも。兄さんの暴走を止める方法」

    グエルアイデア:dice1d100=41 (41) (65)

    ラウダアイデア:dice1d100=93 (93) (65)

    シャディクアイデアハード:dice1d100=71 (71) (33)

    ミオリネアイデアハード:dice1d100=70 (70) (25)

    スレッタアイデアハード:dice1d100=74 (74) (25)

    エランアイデアイクストリーム:dice1d100=2 (2) (12)

    グエルPOW判定:dice1d100=2 (2) (55) dice1d5=2 (2) dice1d3=2 (2)

  • 77二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 11:50:32

    エクストリーム判定でクリティカル出すエランすごくね???

  • 78二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 12:00:15

    ここの🎲神4号さんをちゃんとした意味で寵愛してるよね

  • 79二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 12:00:52

    ニカ「えーっ……えっと、どうします?クリティカル処理」

    ノレア「グエルさん分は……dice1d2=2 (2) (1:隠しステータスを1減らしておきましょう 2:次のPOW判定免除で)」

    五号「エラン分はまあ、もう答え出してあげるってことでいっか」


    「……『思い出』」

     グエルがふと、小さく呟いた。

     グエルが『グエル・ジェターク』であるという証拠や、思い出を反芻し続ければ、あるいは。ただ、最近できた思い出だけではだめだ。それは『神』の自我が、わずかなりとも混じってしまっている。高校時代のことも含めた、『グエル・ジェターク』を『グエル・ジェターク』たらしめる、何かが。

    「ラウダは何かわからないの?大切なんでしょう、思い出。なにか、ないの」

     エランがその言葉に、ぴんと反応を示す。ラウダがやけに彼を大切に思っていたことを、エランは知っている。それもかなり前からだ。つまり、つまるところ。彼を『彼』たらしめることのできるのは、ラウダ・ニールの持つ、『グエルと過ごした記憶』なのではないか。ラウダは困ったように眉を下げ、「で、でも、記憶って言ったって、どうやって……」と言う。

    「アヴェ・マリアだ」

    「アヴェ・マリア?」

    「……あの日。あの夕方の音楽室で、約束しただろう、ずっと一緒にいてくれるって。生まれ変わっても、何度でも。どうか、どうか__歌ってほしい」

    「それが、『思い出』……なの?」

     ラウダが震える声で言った。グエルが頷く。……やってみる、価値は、ある。というより現状、それ以外に何も思いつかないのも確かだ。そこでミオリネが頬杖をつき、「そこ、不要不急」と言った。できるだけ、『高校の頃と同じ』ように見えてほしいと、思った。


    ニカ「というわけで、POW判定時ラウダさんが芸術(歌)で対抗する。あるいは、ミオリネさんが芸術(ピアノ)のハードで対抗して、勝利したら暴走を抑えられますよ。また、所持している『思い出』の数だけボーナスダイスが出ます」

    ラウダ「ああ、『思い出』って、そういう使い方……」

    ミオリネ「私はハードなのね」

    グエル「例の夕方の音楽室では歌ってたのは俺の方なのに、今回演奏するのはラウダやミオリネなんだな」

    シャディク「そういうものなんでしょ」

    スレッタ「わ、私は!?私も一応音楽部員なんですけど!?」

    エラン「芸術持っていないからね。仕方ないね」

    【4ループ目 終了】

  • 80二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 13:15:03

    ニカ「………………」

    ノレア「ニカさん。この処理作ったとき、現実、見えてましたか?」

    五号「グエルは判定が【失敗】だったら暴走なのに、それと対抗するラウダが【成功】したら暴走を止められるっていうのは、ちょっと意味がわかんないよねえ……?」

    ニカ「こんなのおかしいよ!私ちゃんと設定考えたもん!!」

    ノレア「実際問題破綻してるでしょうがああああッ!!」

    五号「えっとこういう時はアドリブだよ!!ここから先グエルのPOW判定は『呼び声ロール』に改名するね。達成値は最大値の100からグエルのPOW55、のハードぶんで28を引いて72。これで対抗するよ。同一成功度の場合出目が低い方が勝ちだ。これでいいよね?」

    ニカ「あっありがとうございます五号さん!!これで……これで助かった……例のあの画像は出てこなくていいんだ……」

    ノレア「いっときます?」

    五号「や、やめようよ。ね?」


     胸に、ナイフが刺さる。

     グエルは、すぐに気づく。急所を、外している。今まではまっすぐに心臓を穿っていたのに。すすり泣く声が、聞こえてきた。そうだ。終われない。おわりたくない。どうか、もう一度。……もう一度。

     ……、

     お前は、

     こたえて、くれるのか?


    『グエル・ジェタークは次の夜明けと共に黒山羊として覚醒する。この時間が繰り返すのも、グエルが死なねばならないのも、この目覚めを止めるためだからだ。ラウダ・ニール__ああ、そうか。覚悟ができたのか』

    「うん。次の朝、皆に『今までの神託の内容』を話そうと思う。……ねえ、兄さんは、何なの。兄さんの中にいるのは、何?」

     雛罌粟の冠を被った青年が、目を伏せる。

    『「サテュロス」だ』

  • 81二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 13:19:09

    雛罌粟…すすり泣き…これ、犯人って…

  • 82二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 13:23:50

    __

     ……

      ×月×日、朝。

     今日は休日で、仕事は休みだ。そんな思考がミオリネの頭を巡る。昨日はつかれていたからだろうか、テレビをつけっぱなしで寝ていたみたいだ。早朝のローカルニュース、町の近くの牧場でそろそろ仔山羊がうまれそうなこと、国道で輸血運搬車がひっくり返って大量の輸血が道路に散乱したという速報、何やら怪しげなミステリーサークルが北の野菜畑で見つかったなど、なかなかに酷い感じだ。占いまで見ていると、どうやら今日の運勢は最悪らしい。

     スマートフォンを確認する。ラウダから、連絡が入っていた。

    「ミオリネ。神託のこと、皆に話す覚悟ができた」

     六人で作ったグループチャットにも、連絡が、入っている。

    「みんなへ。話したいことがあるから、一度、僕の家に集まってほしい」

    グエルSANc:dice1d100=37 (37) (??)1/dice1d4=3 (3)

    ラウダSANc:dice1d100=51 (51) (??)1/dice1d4=3 (3)

    シャディクSANc:dice1d100=22 (22) (??)1/dice1d4=3 (3)

    ミオリネSANc:dice1d100=79 (79) (30)1/dice1d4=4 (4)

    スレッタSANc:dice1d100=11 (11) (??)1/dice1d4=1 (1)

    エランSANc:dice1d100=61 (61) (??)1/dice1d4=3 (3)

    グエル・ラウダ・ミオリネ:強制招集

    シャディク:dice1d2=1 (1) (1:向かう 2:dice1d2=1 (1) (1:旧アスティカシア図書館 2:アスティカシア・ライブラリ)に向かう)

    スレッタ:dice1d2=2 (2) (1:向かう 2:dice1d3=3 (3) (1:旧アスティカシア図書館 2:アスティカシア・ライブラリ 3:教会)に向かう)

    エラン:dice1d2=1 (1) (1:向かう 2:dice1d2=2 (2) (1:シャディク 2:スレッタ)についていく)

  • 83二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 13:42:35

    スレッタだけ別行動か…

  • 84二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 14:06:32

    今回で何とかしないとヤバいから、みんなで合流出来たのは嬉しいんだが情報不足な気がして不穏…
    スレッタは(どんな意図であれ)味方と信じてるよ
    教会ってなんかヤバそうな場所だし、なにか解決法を見つけてくれるのを期待してる

  • 85二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 14:52:35

    「……神託、か。にわかには信じがたいけど」

    「でも、信じるしか……ない、よね」

     シャディクとエランは、およそその説明に納得した、ようだった。スレッタだけは別行動するようだが、それ以外にはラウダの神託は伝わった、らしい。ただしグエルだけは、うつむいたまま、ふるふると首を振る。

    「認めたく、ない。……俺が、世界を滅ぼす、神の子……なんて。でも、……でも、聞こえるんだ。俺は神の子だと。全部全部まやかしで、神として目覚める以外に、本当の居場所を作る方法は、ないと……」

    「そんなわけないわ。探しましょう、何度でも。私たち全員で、×月×日の先に進むことができる道を」

    「……、そうだよ。グエル、お前の誕生日パーティー、楽しみにしてるんだよ」

     ミオリネとシャディクが、肩を震わせたグエルの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。ラウダは何かの覚悟を決めたように、すっと顔を挙げて、「探しに行こう」と呟く。

    「『サテュロス』。それについて調べれば、きっとわかるはずだ。……兄さんは、来ない方がいいかもしれないけれど」

    「……そう、だな」

     自分が真実に気づくたび、どんどん『自分』を失っていくらしいことは、いくらグエルでもわかっていた。グエルは息を吸って、吐いて、立ち上がる。

    「茶を淹れてくる。みんな、一度落ち着こう。……少しでも、気持ちを整えてから、動こう」

     シャディクは頷いて、グエルがるりと踵を返す、その後姿を、じっと見つめていた。

    グエル精神分析(順にラウダ→シャディク→ミオリネ→エラン):dice4d100=27 88 38 8 (161) (70)

    シャディク精神分析(順にグエル→ラウダ→ミオリネ→エラン):dice4d100=58 90 65 77 (290) (70)

    シャディクはdice1d3=1 (1) (1:相談する 2:ミオリネにのみ相談する 3:相談しない)

    ついでに支配の呪文は

    グエル:明らかにまずいので教えない

    ラウダ:dice1d2=2 (2) (1:教える(SAN消費dice1d6=5 (5) ) 2:教えない)

    ミオリネ:dice1d2=1 (1) (1:教える(SAN消費dice1d6=5 (5) ) 2:教えない)

    グエル呼び声ロール:dice1d100=79 (79) (72) dice1d4=3 (3) dice1d3=1 (1)

    ラウダ芸術(音楽):dice1d100=43 (43) (70)

  • 86二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 15:00:57

    ミオリネSAN値:26→28→23

    ミオリネアイデア:dice1d100=86 (86) (50)

    成功の場合一時的狂気:dice1d10=2 (2)

    ミオリネ不定の狂気:dice1d10=4 (4)

    ラウダSAN値回復:dice1d3=1 (1)

    エランSAN値回復:dice1d6=5 (5)

    ミオリネ「何教えてくれてんのよばかあああああ!!!!」

    シャディク「ごめん!ごめん!ごめん!!」

    ミオリネ「くっ……まあいいわ。これは……支配の呪文、か。なるほど、色々なことに使えそうね。でも相手指定かあ……」

    シャディク「俺はミオリネ指定にしておいたよ」

    ミオリネ「なんで????????」

    シャディク「そっちの方が面白いかなって」

    ミオリネ「???????????? …… まあ、いいわ。それで、私は誰を指定しようかしら……

    【支配(簡易)】

    コスト:SAN値1、MP1

    指定した誰か一人に、基本的には即時になんでも言うことを聞かせることができる。ただし自害などの重い命令を聞かせるためには別途POW対抗ロールが必要。

    ミオリネが言うことを聞かせる相手はdice1d3=2 (2) (1:グエル 2:ラウダ 3:シャディク)

  • 87二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 15:16:06

    ミオリネ「ちょッ まっ 待っ」

    ラウダ「引いちゃったね、不定の狂気四番」

    シャディク「花形じゃないか。ねえ何するの?」

    ミオリネ「KP!ねえKP!!」

    ノレア「まさか狂気ひいて一発でコレとは」

    五号「これ内容次第では今後の処理に関わってくるやつじゃない?」

    ノレア「速攻で呪文使ってみるまでありますね」

    五号「面白」

    ミオリネ「しないから!絶対しないからね!?!?」

    グエル「諦めろミオリネ」

    ラウダ「クトゥルフじゃよくあることだ」

    ミオリネ奇妙な性的嗜好:dice1d4=4 (4)

    1:正義を完遂させることへの執着 2:不合理な他PC全てへの全幅の信頼 3:dice1d5=5 (5) (1:グエル 2:ラウダ 3:シャディク 4:スレッタ 5:エラン)への異様な庇護欲 4:dice1d5=3 (3) (1:グエル 2:ラウダ 3:シャディク 4:スレッタ 5:エラン)への病的な溺愛


    「……ねえ、ミオリネ」

     呪文を教えた、直後のことだ。

     シャディクは顔を真っ青にして、ミオリネの手を取る。話しておかなければならない、ことがある。グエルも、ラウダも、エランも、その異様な様子に注目していた。シャディクはくちびるを噛んで、静かに呟いた。

    「……、なんの、話?」

    「水星ちゃんの__スレッタ・マーキュリーのこと」

    「スレッタの?」

     身を乗り出したのはグエルだ。ラウダも不思議そうに見つめる。エランは、彼が何を言おうとしているのか察したのか、ほんの少しだけ、視線を下げた。

    「スレッタが、何?」

    「スレッタ・マーキュリーの両親は、学者だった。外国にフィールドワークに行くような」

    「それが、どうしたの」

    「死んだんだ」

    「……え?」

     シャディクはきっと瞳を上げ、ミオリネの瞳を、真っ直ぐに見つめた。

    「殺されたんだよ。『サテュロス』に」

    グエルSANc:dice1d100=90 (90) (??) 0/dice1d3=3 (3)

    グエル呼び声ロール:dice1d100=54 (54) (72)

  • 88二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 15:28:53

    シャディク!

  • 89二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 15:29:22

    ……まあ、片思いの悪化ならまだましなんじゃないかな?

  • 90二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 18:29:30

    一番マシな相手に狂気ひいたまである

  • 91二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 21:48:15

    「……」

     グエルが、絶句する。

     シャディクは呆然とくちびるを半開きにさせるその姿を見ないように俯いて、静かに、語り始める。確定したわけじゃ、ない。だがそれを示す証拠が、多すぎる。

    「水星ちゃんは、中学三年生の後半……あたり、かな。そのあたりから、施設で育ったんだって」

     シャディクは、あの時、ふとぽろりと打ち明けられた言葉を反芻する。外国のフィールドワークで命を落としてしまった、お母さんと、お父さん。両方とも遺体は激しく損傷していて、辛うじてそうだという面影が残っているだけに過ぎなかった。私は、私のお父さんとお母さんをこんなにしたやつに、復讐、したいんです。彼女はそう、言っていた、らしい。だけど、一体誰が相手なのかまでは、シャディクにはわからなかった。

     __あの時、冊子の最後の頁を見るまでは。

    「『わかっているんでしょう、あなたの親を殺したのは、サテュロスだよ』」

     シャディクの見間違いでなければ、そう、書いてあった。

     つまり、スレッタから両親を奪ったのは。……スレッタの両親を、殺したのは__

    「グエルの中の『神』と、同じ存在、だとでも……?」

     ミオリネは頭を抱えた。……めまいが、する。知りたくない。これいじょう、何もしりたくない。なにもなにもなにも、ききたくない。……たすけてゆるして。そんな絶望にも似た諦観が、どんどんと頭を満たしていく。

    「わかっているよ。やったのは、『グエル』じゃない。でも……」

     グエルは何も答えなかった。

     ミオリネは半ば無意識に、シャディクの腕をぎゅっと、掴んだ。そうしていないと、大きな何かにのみこまれて、かえってこれなくなってしまいそうだった。シャディクは何も言わず、ミオリネの頭をくしゃくしゃと撫でた。大きくて温かい手だな、と思った。

    【5ループ目 朝 終了】

    dice1d2=2 (2)

    1:2・2・1にわかれる(1はスレッタを迎えに行く)

    2:3・2にわかれる


    「……」

     スレッタは教会の前に立っていた。

     扉を、叩く。

     あの日、高校時代、来た頃と同じ、使われた形跡のない礼拝堂。

     あの時と違うのは、中に人がいたことだ。

     黒い髪をした、スレッタと同じくらいの年頃の美しい少女は、薄い水色の瞳を細めて、スレッタをじっと、見つめていた。

    「待っていたよ、スレッタ」

     私が、話を聞いてあげよう。

  • 92二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 21:50:02

    救いがなくなってきたな!
    これ、スレッタ→グエルの恋情がミオリネの勘違いだったか本当だったかで事態のこじれ具合が変わってくるな

  • 93二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 21:56:36

    学生時代ははっきりと分かるほどの兆候はまだなかったと思うし
    スレッタは信じたくないようだったから一目惚れはたぶん本当だったんじゃない?
    神の子は人を惹きつけるって話だし…
    少女はニカさんかな?やっとご登場だね

  • 94二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 22:04:37

    dice1d3=3 (3)

    1:グエル・ラウダ・エランの三人とシャディク・ミオリネの二人で分かれる

    2:グエル・ラウダの二人とシャディク・ミオリネ・エランの三人で分かれる

    3:ラウダ・エランの二人とグエル・シャディク・ミオリネの三人で分かれる

    また、スレッタのことをdice1d3=1 (1)

    1:二人組が迎えに行く

    2:三人組が迎えに行く

    3:迎えに行かない


    「あなたは?」

    「名前に意味などないよ。ひとつひとつに名付けていたら、きりがなくなってしまう」

    「で、でも。名前がないと、不便です……」

    「じゃあ、そうだね。ニカって呼んで、可愛いスレッタ」

     ニカはひらりと教壇から降り立つと、スレッタに近づいた。スレッタはくちびるを噛んで、ニカを見つめる。

    「……ずっと、私に話しかけていたのは。あなた、だったんですね」

    「そうだと言ったら?」

    「て、……撤回、してください!グエルさんが、そんな、あるわけが……!」

     スレッタが激昂したように叫ぶ。ニカはくすくすと笑って、スレッタの頬を撫でた。微笑みは甘く、毒めいて優しい。スレッタの耳にくちびるを近づけて、惑わすように、囁いた。

    「私はあなたのこと、助けたいだけだよ」

    「……わたしを?」

    「私はあなたの味方。全部、委ねて」

     だって、あまりに可哀想じゃない!

     ニカがスレッタをぎゅうっと抱きしめる。力は、強い。そこそこ鍛えているスレッタでも、太刀打ちできないほどに。ニカの指先がスレッタの背を撫でる。ぞっと、する。ヒ、と悲鳴をあげそうになるのを、スレッタは泣きそうになりながら、答えた。

    「何故ラウダ・ニールに負けたままでい続ける?本当はグエルさんのこと、好きで好きでたまらないんでしょう?だからわざわざここまで来て、『違う』って言ってほしかったんでしょう?ああ、滑稽。救いようもない道化。でもね、私はね、私だけはね、あなたの味方でいてあげる」

     ニカはスレッタを解放する。そうして、ニコリ、と微笑んだ。

    「私に関わるものを調べて、それから教会においで。あなた一人で。……だれにも秘密で。わかった?」

    【スレッタ 5ループ目 朝 終了】

    dice1d2=2 (2)

    1:スレッタ「きょ、……教会を、調べてみます」

    2:スレッタ「ニカさんのこと、dice1d2=1 (1) (1:旧アスティカシア図書館 2:アスティカシア・ライブラリ)で調べてみます」

  • 95二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 22:30:07

    グエル・シャディク・ミオリネ組:dice1d2=2 (2) (1:発狂したミオリネを治療する 2:dice1d4=4 (4) dice1d6=3 (3) に向かう)


    「あ、いた!」

    「心配したんだよ。大丈夫?」

     ラウダとエランは教会から出てきたスレッタを見つけると、すぐに駆け寄る。スレッタはしばらく俯いたあと、ぱっと明るく笑って、「なんでもないです!」と言った。

    「ごめんなさい、はぐれちゃって。どうしましょう?」

    「『サテュロス』というのが、このループに関わっていることがわかった。調べにいってみよう」

    「……旧図書館なら、古い資料が残っているかも」

     スレッタはしらばく、頷いて運転席に座るラウダの後ろ姿を凝視していた。エランは後部座席に座る。スレッタもまた、後部座席に座った。ラウダは振り返って、「どっちか助手席に来ないの?」と尋ねる。

    「私は……後ろが、いいです」

    「僕も」

    「ふうん……?」


     旧アスティカシア図書館は、小さいながらもこの街の伝承や風土についてつづった本がたくさんある空間だ。ラウダたちはあまり詳しくないが、学者であれば一度は訪れたことがあるだろう。どうやら探したい本があるなら司書に頼む形式らしく、深い色をした少女が一人、静かに腰かけていた。

    「……調べるべきことは、『サテュロス』について。それと可能なら、『リリス』や『夢の神』についても調べたいかな」

    「夢の神?」

    「ああ、スレッタは、知らないんだっけ……?」

     エランは少し迷ったように首を振る。それからラウダが神託を受けていることを、dice1d2=1 (1) (1:スレッタに伝えた 2:スレッタに伝えなかった)。ラウダは勝手にずんずんと奥に進んでいく。スレッタは目を細めて、それを見つめていた。エランはそんなスレッタを見て、くちびるを閉じた。

    1:司書に「サテュロスについて」の本がないか尋ねる(ロールなし) 2:司書に「夢の神について」の本がないか尋ねる(ロールなし) 3:司書に「リリスについて」の本がないか尋ねる(ロールなし) 4:この街の風土について調べる(目星ハード) 5:絵本コーナーを調べる(目星) 5:全体に目星

    ラウダ:dice1d100=38 (38) dice1d6=6 (6)

    スレッタ:dice1d100=71 (71) dice1d6=2 (2)

    エラン:dice1d100=12 (12) dice1d6=2 (2)

  • 96二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 22:35:27

    これニカさんってたぶん…あれですよね
    スレッタ大丈夫か…?

  • 97二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 22:45:44

    (被ってるので「リリス」に関する情報を出すよ)

    「……は?」
     エランにそれを聞いたスレッタは、低く、唸るような声を出した。
     エランは咄嗟に一歩、後ずさる。スレッタは目を見開いて「うそ、うそ、うそ」と繰り返す。うそ。うそだ。そんなの、絶対嘘だ。なんでよりにもよってラウダなんだ。何故。何故。何故! エランが心配するようにその背を撫でようとすると、スレッタは立ちあがって、エランの身体を振り払った。それからカウンターで絵を描いている少女に、「『夢の神』に関する本、全部持ってきてください」と言う。少女は顔を挙げて、「スレッタさん」と目を丸くした。
    「また来たんですか」
    「いいでしょ、ノレアさん。いいから早く」
    「……じゃあ僕は、『リリス』に関する資料がほしい」
     エランが隣で付け加えると、ノレアはため息をついて、「しばらくお待ちください」と書架の方に消えていった。スレッタは両手で顔を覆って、「違う、違う、ちがう……」と繰り返すだけだ。その様子はどこか異様で、エランは、口をはさむことができなかった。
     しばらくもしないうちに、ノレアが二冊の本を片手に帰ってくる。スレッタはそのうち『雛罌粟の門番』と書かれた方を迷わず手に取る。
    『雛罌粟の門番』
    この街では夢の神をまつる信仰がさかんであった。人々の無意識が合わさってうまれ、どこにでもいて、どこにもいないとされるこの神は、雛罌粟の花冠を被った青年の姿をしているとされている。年に一度の祭りでは、「うつわ」となる人間を出して、歌わせる。するとその夜、この神は「うつわ」にこの町の行く末についての夢を見せ、その対価として「うつわ」の身体に降り、町の未来を願う音色を奏でる。翌日「うつわ」は信託として、この時のことを、祭りの参加者に伝えるのだ。ただし今はこの信仰はほとんど行われておらず、祭りも行われなくなって久しい。
     文字を、眼で追うたびに。スレッタの瞳が、涙で滲んでいく。エランは困ったように眉を下げて、スレッタの頭を撫でた。「どうして、どうして、どうして……」と繰り返すスレッタを、ひたすらに慰めていた。それから、自分が要求した本を__『リリスについて』という本を手に取った。

  • 98二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 22:52:52

    『リリス』

    リリスとは、男児を害するとされた女性であり、所謂「アダムとイヴ」伝承において、イヴがまだ作られていなかった時にうまれたアダムの最初の妻、魔物の母であるとされる。よく悪魔だと呼ばれることもあるが、人間とは別種の理性的な動物であるとされることも多い。夢魔、いわゆるサキュバスと同一視されることもあり、夢の中で遭遇する女夢魔は彼女であるとする説もある。その肉体的な正体に関しては、「死体を利用している」「魔的な方法で肉体を構築している」「霊体であり、肉体であると思われているものは幻覚である」という三つの説が一般的であるが、あくまで「最初にアダムの妻であったリリスは人間であった」という説をここで筆者は提唱しておきたい。

    「……ふうん……?」

     なんだか難しいことがたくさん書いてあってよくわからないが、とにかくろくなものでないことは確かであるようだ。エランは泣きそうに肩を震わせるスレッタを慰めながら、ふと、ラウダの方に目をむける。

     ラウダは、展示コーナーというものがあることに、気づいた。

     そこに飾られているのは二枚の絵だ。十年は前に描かれたらしい。二枚の絵だ。「夜明」と題された方には、大きな扉が開き、黒い山羊のような生物が出てくる姿がえがかれている。そして「追想曲」と題された方には、大きな舞台で歌う二人の人物と、それを聞く王子様やお姫様、騎士、人形などの姿がえがかれていた。まじまじと見ていると、前者にはグエルの名が、後者にはラウダの名が記されているらしいことに気づく。そういえば、小学生くらいの頃になんとなく描いた覚えはあるが、なんでこんな絵を描いたのか、全く思い出せない。ただし、何か、魂が。揺さぶられるのを感じる。

    「……ラウダ?」

    「あっ、ごめん!」

     ラウダがはっと、顔を上げた。それから困ったように、眉を下げる。

    「ごめんね、まだ調べ足りない……よね。次、探そっか」

     __夜明、黒山羊、扉が、開いて……

     それを、幼いグエルが描いていたらしいことが、頭に、酷くひっかかった。

    【ラウダ スレッタ エラン 5ループ目 昼 終了】

    dice1d3=2 (2)

    1:スレッタ「まだ調べものしましょうか」

    2:エラン「……スレッタに、きいておきたいことがある」

    3:ラウダ「dice1d4=2 (2) dice1d6=4 (4) に行こっか」

  • 99二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:02:42

     アスティカシア中学校は、グエルとシャディクが三年間を過ごした場所だ。ここでもやはり顔なじみの先生が出てきて、ドアを開けてくれた。やはり図書室にやってくると、シャディクがぼんやりと外を見やる。

    「グエル。覚えているか?よくここで一緒に勉強したよな」

    「……ああ」

    「お前、国語苦手だったっけ。いっつも俺に頼っててさ」

    「ああ」

    「なあ」

     シャディクが振り返る。そうして泣きそうな顔で、その手を握り、低く、低い声で、言った。

    「お前は、何者だ」

    「何者って、俺は」

    「口を開くなッ!俺の、俺の知ってるグエルは、そんな、そんな顔で、こんな声で、喋らない……!」

     シャディクが手を払いのけ、激昂する。グエルは愕然とした表情でそれを見つめていた。ミオリネは混乱して、二人の様子を交互に見つめる。どういう、状況なんだ。何も……わからない……え? 何、ほんとになに……?

     しかしすぐに納得する。シャディクがあんなことを言うのも当然だ。あの暴走は、かつてのグエルを知っていれば知っているほど、意味が分からないものになるのだろう。……とにもかくにも、だ。ラウダに言われたことを、思い出す。アヴェ・マリア__ミオリネは歌の心得はないが、ピアノなら一通り弾ける。シャディクが何かに怯えるようにして本棚を探り、グエルが酷く落ち込んだ表情でその後ろについていくのを横目に、手持ちのタブレットでピアノのアプリを起動すると、静かに、画面を叩いた。

    グエル図書館:dice1d100=25 (25) (70)

    シャディク目星:dice1d100=40 (40) (70)

    ミオリネ目星:dice1d100=97 (97) (70)

    グエル呼び声ロール:dice1d100=34 (34) (72) dice1d2=2 (2) dice1d3=1 (1)

    ミオリネ芸術(ピアノ):dice1d100=41 (41) (35)

  • 100二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:06:47

    ニカ姉またニャル様担当なのか

  • 101二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:16:30

    ミオリネ「あっ」

    グエル「あっ」

    シャディク「あっ」

    五号「……なんというか、持ってるねえ」

    ミオリネ「KP!プッシュ!プッシュロール!!」

    五号「あっはは!言ってなかったんだけど、実はこれ【対抗ロール】だったんだよね」

    シャディク「……え?」

    五号「グエルより先にこれを見つけられるか。グエルにそれを隠すことができるか。だからハードじゃなくてレギュラーで対抗したんだ。でもファンブルなら、隠す必要はないね」

    ミオリネ「な、……にを、言って……」


    「あれ?」

     グエルは、一冊の冊子を見つける。……冊子。なにかこう、非常に、嫌な予感がする。ミオリネは咄嗟に「グエル」と言って、そちらに近づいた。

     __しかし、ミオリネの手が届くより先に、グエルの腕が、ミオリネを思いっきり突き飛ばす。ミオリネの身体が本棚にぶつかって、倒れた。鈍い、痛み。シャディクが「ミオリネ!」と叫んで駆け寄ってくるのが見える。グエルは、あの冷徹な、酷薄そうな、ひどく、冷たい表情で、ぱらりと冊子を捲る。シャディクの服の袖を掴んで、首を上げる。……その中身は、ミオリネにも、見えた。……見えてしまった。

     それは、前頭部に山羊の角を持ち、山羊のような下半身を持ってはいるが、本能的に好意を持ってしまうであろうほどに美しい__そんな、魔性のような男神の姿が描かれた絵である。しかしミオリネは気付く。気づいて、しまう。その絵に描かれた顔立ちが、瞳の形が、髪が、……全てが。グエルと、そっくりであることに。

    『ねえ。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス。サテュロス!』

    「……俺は、違う……」

     グエルの目が、限界まで見開かれる。

    「俺は、グエ」

     彼が、叫ぼうとした瞬間、視界が揺れて、ぐるり、と。意識が途切れた。

    シャディクSANc:dice1d100=89 (89) (??) 1/dice1d6=1 (1)

    【5ループ目 強制終了】


    …………

    『サテュロス』

    対象:ラウダ(確定)

    どれが、出ますか?

    dice1d3=2 (2)

    1:シュブ=ニグラス(CONで対抗) 2:リリス(POWで対抗) 3:サテュロス(SIZで対抗)

    サテュロス対抗ロール:dice1d100=27 (27) (上記で出た神格で決定)

    ラウダ対抗ロール:dice1d100=53 (53) (上記で出た神格で決定)

  • 102二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:20:47

    うわあ、これ本当に不味いんじゃあ……

  • 103二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:23:15

    とてもヤバそう

  • 104二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:33:39

    ラウダ「え僕レギュラー?」

    ニカ「レギュラーですね。同一成功度なら出目低い方勝ちルールでグエルさんの勝ちです」

    グエル「俺の勝ち」

    ラウダ「遠い目!!!!」

    ニカ「いやあ……リリス様が出た時だけは勝ってほしかったんですけど……というかよりにもよって何故リリス様……」

    グエル「いやあ……いやあ……なんというか、またか……」


    ……

     ×月×日、朝。

     今日は休日で、仕事は休みだ。そんな思考がラウダの頭を巡る。昨日はつかれていたからだろうか、テレビをつけっぱなしで寝ていたみたいだ。早朝のローカルニュース、町の近くの牧場でそろそろ仔山羊がうまれそうなこと、国道で輸血運搬車がひっくり返って大量の輸血が道路に散乱したという速報、何やら怪しげなミステリーサークルが北の野菜畑で見つかったなど、なかなかに酷い感じだ。占いまで見ていると、どうやら今日の運勢は最悪らしい。また、戻ったのか。今日の神託の内容は。……ミオリネになら、伝えてもいいかもしれない。それにしても一体何故。とりとめもなく考えていると。ふと、扉が、開く。

    「……兄さん……?」

     言って、すぐに気づく。

     その瞳は宝石のようにきれいだ。そのくちびるは肉欲的な赤さを持ち妖艶に輝いている。あらゆるパーツはグエル・ジェタークのそれなのに、どういうわけか、悪夢めいて、美しい。違う。グエルじゃない!

     咄嗟に逃げようとする。しかしそれより先に、グエルの腕がラウダをとらえた。そうして甘い、あまい声で、グエルの声で、グエルじゃない声で、囁く。

    「ねえ、おなかすいたの。ちょうだい、オマエの」

     ラウダの脳が。

     どろりと、とろけた。

    グエルSANc:dice1d100=77 (77) (??) dice1d4=4 (4) /dice1d10=3 (3)

    ラウダSANc:dice1d100=31 (31) (??) dice1d4=2 (2) /dice1d10=10 (10)

    シャディクSANc:dice1d100=35 (35) (??) 1/dice1d4=3 (3)

    ミオリネSANc:dice1d100=20 (20) (??) 1/dice1d4=4 (4)

    スレッタSANc:dice1d100=94 (94) (??) 1/dice1d4=2 (2)

    エランSANc:dice1d100=64 (64) (??) 1/dice1d4=4 (4)

    (ラウダはこのループ中、POW対抗ロールで勝つまで行動不可)

  • 105二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:35:58

    これフィックスリリースで行動不可ってやつ??

  • 106二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:37:56

    女神!ちょっとヘキ出てるぞ女神!!!

  • 107二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:47:20

    >>105

    ニカ「たはは たは 『クトゥルフ リリス』 あたりで検索してみたら 何か わかる……んじゃ ないでしょうか ねえ……」

    ノレア「濁し方が下手ですね。『オマエの』のあとに続く言葉はとてもここでは口にできないので仕方ないんですけど」

    五号「『シュブ様が出たら全力の暴力』『サテュロスが出たら拷問(ちょっとえっちな描写になる)』って決めてたんだよ?リリス様は……うん……」


    ミオリネSAN値:23→22


     グエルとラウダが集合場所に現れない。

     それどころか連絡も繋がらない。電話をかけてみたが一向に出る気配がない。大丈夫、だろうか。ミオリネは端末をしまい、シャディクの方に視線を向ける。

    「……様子、見に行った方がいいかしら」

    「やめておいた方が良いと思う」

    「何故」

    「嫌な予感がする」

     シャディクは顔を伏せて、言った。それから低く、「グエルは、あんなじゃなかった……」と呟く。スレッタとエランも予定通りに集合して、とりあえずはこれで全員集合、である。

    「とにかく、今日も手がかりを探しましょう。シャディクは私と。いい?」

    「わかりました!」

    「異論なし」

     四人は簡単に前のループで手に入れた情報を共有して、それぞれ探索に乗り出した。

    ミオリネ・シャディク:dice1d2=2 (2) (1:精神分析 2:dice1d2=2 (2) (1:旧アスティカシア図書館に向かう 2:アスティカシア・ライブラリ)に向かう)

    スレッタ:dice1d2=1 (1) (1:教会に向かう 2:旧アスティカシア図書館の探索の続きをする)

    エラン:dice1d2=2 (2) (1:スレッタについていく 2:ミオリネとシャディクについていく)

  • 108二次元好きの匿名さん23/06/02(金) 23:50:32

    何をとは言わないけど搾り取られるんですよねわかります()
    スレッタ一人行動大丈夫かな(遠い目)

  • 109二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 00:29:04

    リリスの情報が出てすぐさまリリスを引くとか持ってるなぁ(目を逸らし)

  • 110二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 01:36:38

    そういえばループ強制終了したせいで「きいておきたいこと」流されてしまったなあ…
    スレッタは結局七年片思い引きずっていたのか

  • 111二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 06:54:25

    またスレッタが単独行動引いたか…どうなっちゃうかな

  • 112二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 07:05:22

    五号「はい」

    ラウダ「本当に許せないと思う」

    五号「やってることがやってることなせいでここでちらっと描写挟んで進めるとかそういうことができないんだよ。書いてる人はその そういう文はあまり書けないのだから、容赦してほしい」

    ラウダ「注意書きに性的な要素ってなかったもんね。ほんとに予想外なんだ」

    グエル「☆☆☆★★ 優しくまろやかな口当たりで、蕎麦の出汁として使っても問題ないほどの雰囲気が出ているが、適度にこってり感があり、飽きさせない。ただし肝心の味は苦すぎ・雑味が多すぎ・透明感がなく濃すぎ。将来性は感じたので、今後に期待も込めて☆三つとさせていただきます」

    ラウダ「何?突然 ラーメンの食レポ? しかも微妙な評価だし」

    五号「まあグエルは出目が暴れがちだしラウダもPOW補正貰ってるんだし、とっとと決めちゃってよ」

    ラウダ「これ勝ったらどうなるの?」

    五号「グエルを拘束するなら、以降このターンではグエルは行動できない。拘束しないなら青鬼開始だ。ほかのPCも勿論被害に遭う可能性があるよ」

    ラウダ「……もしかして難易度変更ポイントのひとつってここ?」

    グエル「その情報はあなたのセキュリティクリアランスには開示されていません」

    五号「まあそのうちのひとつ、と言っておこうかな?」

    グエルPOW対抗ロール:dice1d100=21 (21) (55)

    ラウダPOW対抗ロール:dice1d100=30 (30) (60+??)

  • 113二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 07:29:59

    ラウダ「……(電卓を叩いている)」

    五号「えっと、ラウダはハード成功……だね……アハハ、さすがにPOW150じゃないから」

    グエル「は?待て、俺もハード成功だから……」

    五号「出目低い方の勝ちルールでグエルの勝ち、かなあ……」

    ラウダ「うっうわああああああああああああっ!!」

    グエル「ラッラウダああああああああああああ!!!!」


    「……ちがう……」

     ラウダは死にかけた動物のように、横たわり、時折足や腕を痙攣させて、グエルの方に視線を向ける。

     グエルは鼻歌をうたっている。るんるんと。手際のいいガソリンスタンドみたいに、ラウダの意志抜きで、効果的に、効率的に、あらゆることがなされる。その笑顔は無垢すぎて、違う。それなのにラウダは溺れかかった人間のように、必死に肩で呼吸をしながら、それに縋り付くしかできない。

    「お前は、兄さんじゃ、なぃい……」

     かえして。

     ……かえして。

    【ラウダ 6ループ目 朝 終了】

    (行動不可)


     アスティカシア・ライブラリは、最近になって新設された新しい図書館だ。全面の硝子張りが開放的な、現代的な雰囲気のある建物である。

     最近出版された本は多いが、旧図書館のような古い資料はあまりない。しかしこれもまたきっと、重要な手がかりになる__そのはずだ。

    「……探しましょ」

    「ミオリネ、元気だして。きっとラウダなら大丈夫だから」

    「そうだよ」

     二人は口々にミオリネを慰める。……それもあるが、気がかりなのはスレッタだ。大丈夫、だろうか。あんなことを知って__今朝も来なかったし。大丈夫、だろうか。

     ふるふると首を振る。それからシャディクの手を握って、本棚に向き合った。

    1:哲学書コーナー 2:歴史コーナー 3:宗教書コーナー 4:小説コーナー

    シャディク目星ハード:dice1d100=22 (22) (35)dice1d3=3 (3)

    ミオリネ目星ハード:dice1d100=70 (70) (35)dice1d3=3 (3)

    エラン目星ハード:dice1d100=29 (29) (35)dice1d3=3 (3)

  • 114二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 07:31:07

    かぶっているのでエランはdice1d3=3 (3) を調べたということにするよ

    1:哲学書

    2:歴史書

    3:小説

  • 115二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 07:38:25

    謎のレビュー来てしまったな…
    兄さんはさあこんな時ばっか出目冴えてるのホントにさあ…

  • 116二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 08:05:51

    ☆ーメンの食レポかぁ

  • 117二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:06:59

     エランは流行りの恋愛小説を見つける。重版が繰り返されてベストセラーになっている、そう、題名は確か、『祝愛』がどうとかいうやつだ。最近続編が発表されたとかどうとか、主人公の教祖とメイドのその後が描かれるとかどうとか……? エランはこのメイドにどこか既視感を覚えていたので、嬉しい気持ちと少し複雑な気持ちになったのを覚えている。

     __ふと。

     ダブル主人公となっている巫女に、既視感を覚えた、気がする。

     たぶん気のせいだ。エランは蓋をする。見ないように。それからちらりと、シャディクと、その腕にこう、そういったアクセサリなんじゃないかと思うほどしがみついているミオリネに視線をやった。

    「……うーん、関係ありそうなのは、これ、とか?」

    「それは?」

     シャディクが持っているのは一冊の宗教書だ。大判でかっちりとした装飾が施されたそれには、『神は死ぬのか?』と題されている。

    神は生殖をおこなうことがある。人間に子を産ませる・産む神の存在は、どの神話を探しても珍しくはない。これが示すことは、つまるところ神は完全なる不死の存在ではないということだ。特に生粋の神ではなく、所謂「半人」とつくような神格は、暴力によって殺されることもある。たとえば、行軍によって戦死したような神や、音楽の腕を競い負けたことで罰として殺されたような神もいる。また、神は老衰するともいわれている。とある彩色花器には年老いた神の姿がえがかれている一方、同様の存在と思われる神の子どもの姿が民謡や映画などにあらわれることもある。また、ずっと男性であると思われていた神が女性の姿でえがかれることもあり、その性質の流動性こそが「神」を「神」たらしめているのかもしれない。

    「神は、死ぬ」

     ならば、グエルの中にいる神だけを殺すことは、できないのだろうか?

     __分からない。

     ミオリネは横から本の内容を覗き見て、静かに嘆息した。シャディクは困ったようにミオリネに微笑みかけていた。

    【シャディク ミオリネ エラン 6ループ目 朝 終了】

    dice1d3=1 (1)

    1:ミオリネ「まだもう少し探索を続けましょう」

    2:シャディク「南の、dice1d5=3 (3) に移動しようか」

    3:エラン「……僕はスレッタとお話しに行くから、二人はここで探索を続けていて」

  • 118二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:17:10

    「……」

    「やあ。また来たの」

     ニカが微笑み、スレッタを見つめる。

     スレッタは顔を上げて、ニカに向き直った。それから酷く震える声で「嘘ですよね」と低く呟いた。

    「嘘ですよね。夢の神が__雛罌粟の門番が、ラウダさんを『うつわ』に選び、神託を授けているだなんて」

    「さあ?あなたが信じたくないなら信じなければいいんじゃない?」

     ニカがスレッタの手を取り、じい、っと見つめる。薄い水色の瞳に、甘く優しい声に、絡め取られそうになる。振り払おうにも、できない。動けない。

    「でも、わかったみたいだね?これは『雛罌粟の門番』と『サテュロス』の代理戦争なんだ。ちっぽけな人間じゃ、太刀打ちできないよ。それでも復讐を願うなら、そうだね。『サテュロス』を殺せばいいんじゃないかな?」

    「復讐だなんてっ、私は望んでな……!」

    「うそつき」

     ニカが冷たく、スレッタを突き放す。

     それが酷く苦しくて、スレッタは思わず「あ」と小さく悲鳴をあげた。ニカは一瞬無表情になったあと、またあの穏やかな微笑をたたえて、スレッタの髪をかきなで、頬を撫で、足を、爪先を、そうっと撫でた。

    「あなたのお父さんとお母さんを殺したのは、だあれ。ねえ、誰かな。ねえねえねえ。あなたの信じていたものはなんだった?どうして大好きな彼があなたのそばにいないんだろうね」

    「私は、」

    「復讐したいんでしょ、スレッタ。だからここに来たんでしょう?おしえて、あなたの親を、殺したのは」

     __だあれ?

     ニカが、囁く。

     スレッタはその手をぎゅっと握って、小さく、ちいさく、答えた。

    「私の両親を殺したのは__」

    dice1d3=3 (3)

    1:スレッタ「グエルさん、です」

    2:スレッタ「『サテュロス』です!グエルさんは、関係ない!」

    3:スレッタ「……」

  • 119二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:32:25

    「まだ答えは出せない、か」

     スレッタは視線を落とす。ニカはそんなスレッタを頭を撫でて、微笑みかけてくれる。天使のように、悪魔のように。

    「いいよ。ゆっくり考えて、スレッタ。もっともっと。そうして私のところまでおいで。あなたに覚悟ができたなら、私はあなたに力を貸してあげる」

     スレッタは俯いたままだ。

     しばらくそうして蹲ったあと、立ち上がる。顔を上げた時には、もう、ニカの姿はどこにもなかった。

    【スレッタ 6ループ目 朝 終了】

    dice1d3=1 (1)

    1:スレッタ「教会を探索します」

    2:スレッタ「……旧図書館に向かいます」

    3:スレッタ「エランさんたちに合流しましょうかね」


    五号「はい」

    グエル「はい」

    ラウダ「いい加減にしてほしい。」

    五号「それはこっちのセリフだよ。なんのためにPOW補正あげたと思ってるの?いやこんなことに使うのは予想外だったけど」

    グエル「☆☆★★★ 柔らかくバランスがよいといえばそうなのですが、それ以上に味の焦点がぼやけてしまっているように感じました。個人的には何かを突き詰めた方がいいのではないかと思います。それとダイス目が悪いのはどうかと思います」

    ラウダ「次は決めるから!!というかなにその採点っ、なんか減点されてる!?!?」

    五号「ラウダ、次も負けたら一日行動不能だよ?わかっている?」

    ラウダ「わ、わかってる。兄さんの謎食べログも次は☆一つになりかねないしっ、勝つよ!!」

    グエル「がんばる基準はそこなのか???」

    五号「草」

    グエルPOW対抗:dice1d100=10 (10) (55)

    ラウダPOW対抗:dice1d100=63 (63) (60+??)

  • 120二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:34:37

    グエル君何でそんなに出目がいいかなこういう時に限って

  • 121二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:40:26

    さっきから一応ラウダも成功はしているのにさあ…
    しかし巫女に既視感ってスレッタ大丈夫か?なんか召喚させられちゃわない…?

  • 122二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:51:03

    なんというかまたかというかなにが怖いって最初の薔薇で作った百合の造花以外は全部スレ主の意図関係ないダイスの結果ってことですよね

  • 123二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 10:58:32

    >>122

    なんなら百合で作った薔薇の造花も前スレのHO決めダイスなんだよな…

  • 124二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 11:04:43

    「う、ひっく、うぇ、うえええ……」

     ラウダは半分嘔吐くようにして、嗚咽をこぼす。グエルは__グエルと同じ姿をした何かは、無垢な、しかし冷笑的な表情で「おかしい」とつぶやく。

    「たりないっ、いくら食べても、なぜ、何故、たりないぃ……」

     グエルの身体は人間のものだ。だからいくらそれをしたところで、腹が満ちることはない__と、ここで、ふと、ラウダが思いつく。

     そうだ。グエルの身体は人間のものなのだ。

     ならば、上手くやれば形勢をひっくり返して取り押さえることができるかも。……やるしか、ない。ラウダはその一瞬を見極めるため、ごくりと唾を飲んだ。


    ラウダ「うああっうわあああああ!?!?」

    グエル「イクストリームだな!俺の勝ち……ハハ……」

    五号「いやあこれ、本当は青鬼的に暴走グエルが徘徊するホラーイベントのはずだったのになあ……?」

    ラウダ「?????????????おかしい……」

    グエル「生贄か?」

    五号「……温情だ。SIZ対抗ロールで勝てば次ターン暴走グエルに事情聴取くらいはさせたげる。勝ってね?」

    グエルSIZ対抗ロール:dice1d100=23 (23) (55)

    ラウダSIZ対抗ロール:dice1d100=25 (25) (65)

    【ラウダ 6ループ目 昼 終了】


    ミオリネ「グエルたち来ないわねえ……」

    シャディク「無事ならいいんだけども」

    エラン「死んでいないならかすり傷だよ」

    ノレア「……、ミオリネさんはそろそろ潜在狂気にしていいですよ。ただし顕在化した時にそばにプリンスがいない場合は0/1のSANcです」

    ミオリネ「実質強制同時行動、か」

    シャディク「それはそう……なのかな?」

    エラン「ミオリネSAN値柔らかいもんね」

    ノレア「まあとにかく、今は探索お願いします」

    1:哲学書コーナー(目星ハード) 2:歴史書コーナー(目星ハード) 3:スレッタに連絡(幸運)

    シャディク:dice1d100=48 (48) dice1d3=2 (2)

    ミオリネ:dice1d100=30 (30) dice1d3=2 (2)

    エラン:dice1d100=6 (6) dice1d3=3 (3)

  • 125二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 11:09:19

    女神様が続けろと仰っておられますね…

  • 126二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 11:12:52

    あのその僅差…

  • 127二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 11:15:12

    エラン強いな…

  • 128二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 11:17:53

    エラン「やったあ。イクストリーム」

    ミオリネ「私もギリギリ成功ね。よかった」

    シャディク「俺は失敗かあ……であれは何?」

    ノレア「ジェターク兄弟ダイス芸シリーズですね」

    五号「ついにシリーズ化かあ」

    ラウダ「なんでこんな接戦で負けてるの??」

    グエル「☆★★★★」


     ミオリネはふと、一冊の本に目を留める。

     どうやらこの地域の歴史や産業、文化について記述した本らしい。こういったものは大抵旧図書館の方にあるから珍しい__そう思って、開けてみる。

    『アスティカシア市の歴史』

    この地域の発展は主に第一次産業による。魚介類、イモ類、ブドウ及びワインなど、全国的に見てもさして珍しいものではないが、この地域には常に品質のよいものがとれ、不作がないからこそのものである。それだけこの近くの土壌と海洋環境が良好であるのだろう。また、この地域には様々な神が信仰されてきた。昔はそれこそ無数にあったが、今なお残っているものはまれだ。近代まで残っていたもので有力なものを上げると、夢の神=雛罌粟の門番信仰がある。彼は善なる神として、夢を通じて人々を正しい道へ導いた。駅前にも立っている銅像は、この地域の発展に寄した芸術の神を模しているとされる。そして、あまり知られていないが、無限と言うほどあらゆる姿を持ち、あらゆる物事をかき乱し、嘲ることでよろこびを覚える邪なる神も、この地にいるとされている。

    「……物騒ね……?」

    「ねー」

     今度はシャディクが横から覗きながら言った。ミオリネは、ともすれば肩が触れ合ってしまいそうな距離感に、ほんの少しだけ心臓が跳ねるのを感じながら、しかしそれを顔には出さないように、俯いた。

     エランはどうやら、電話をかけるために一旦ライブラリの外に出たらしい。

     相手はもちろんスレッタだ。幸いにもすぐに出た。スレッタは「エランさん?」とどこか冷たい声で言う。エランが「聞きたいことがある」と言えば、スレッタは閉口した。確証はない。だが、あの時スレッタの家で見た断片的な紙類と、その境遇、ノレアとの会話などについて考えれば、その答えはすぐに弾き出た。

    「君は__『雛罌粟の門番』を信仰しているの?」

    【シャディク ミオリネ 6ループ目 昼 終了】

    dice1d2=1 (1)

    1:ミオリネ「まだここで調べ物する」

    2:シャディク「dice1d5=5 (5) に移動しよっか」

  • 129二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 12:41:21

    「……何故そう思ったんですか?」

     スレッタは震える声で返した。エランは淡々と答える。家にあった研究資料。サテュロスは親の仇であるからそれ関係を弾くにしても、『夢』という単語をわざわざ拾っていた。ノレアが資料を持ってきた時に、『夢の神』で指定したのに、迷うことなく『雛罌粟の門番』の資料を手に取った。ラウダが神託を受けていると知った時の反応。他にもいろいろあるけれど、ざっとこんな感じだろうか。

     スレッタが、黙りこくる。

     しばらくののち、吐き出した「だったらなんだというんです」というそれは、肯定を意味していた。信じていた。救ってくれると。お母さんとお父さんに会うための道を示してくれると。だけどスレッタの神は、『うつわ』にラウダを選んだ。スレッタでは、なく。

    「そんなの、酷いじゃないですか……!」

     全部八つ当たりだと、スレッタの中の何かは理解していた。だけども認められなかった。エランは言葉に迷った末に「僕は__」と続けようとする。その先を聞きたくなくて、スレッタは電話を切り、端末を鞄にしまいこんだ。

     スレッタの味方はニカだけだ。ニカ以外にはいないのだ。

     ……そういうことにした方が、ずっと楽だ。

     スレッタはうずくまって、数秒嘔吐き、涙を流す。ひとしきりそうして泣いたあと、立ち上がり、腫れ上がった瞼を腕で擦った。

    「大丈夫。全部嘘なんだから。……そうなんですよね、『ヒュプノス』様?」

     スレッタの言葉に、誰も、答えなかった。

    HO公開『スレッタ・マーキュリー』

    あなたの両親は学者であり、あなたが中学三年生の頃、外国にフィールドワークに行った際に命を落としてしまった。両親の遺体は酷く損傷しており、命からがらかえってきた他の調査員もうわごとのように「サテュロス、サテュロス」と繰り返すだけだった。あなたは表向き普通に過ごしながら、裏ではこの地域で信仰されている「ヒュプノス」の狂信徒となり、自分の仇である「サテュロス」に復讐ができないかと考えている。あなたの目的は『「サテュロス」について可能な限り情報を集め、可能なら復讐する手段を見つけること』である。

    ……本当に?

    スレッタ目星:dice1d100=20 (20) (70)

  • 130二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 12:57:25

    スレッタ「あの」

    ニカ「なあに?」

    スレッタ「この状況で出てくる情報絶対ろくでもないので知りたくないんですけど」

    ニカ「あはは!本当は入れないんだけどハードだからあげちゃう。じゃあ描写読み上げるね」

    スレッタ「ニカさん!!!!」


     スレッタはふと、 奥に続く扉__その生体認証が、稼働していることに気づいた。

     それだけでは、ない。開いているのだ。偶然にも。スレッタでは、開けることは出来ないはずなのに。__入れてしまった。

     中にあったのは、一冊の本だ。

     やけに物々しくおぞましい雰囲気のその本を、スレッタはふるえながらも、手に取って、しまう。そこに、題として書かれていたのは__

    『シュブ=ニグラスについて』

    この街では美しい男の神を崇めているものもいた。街はずれの教会も、元は山羊を祀る教会だ。かの少女もまた、山羊に連なる神であった。ただし、信仰してはいない。山羊をいつも嘲り笑っているのだ。

    その神は人にめぐみをもたらしたが、ある時人を絶望に陥れる化け物へと姿を変える。その美しき神の父は女神である。矛盾などはしていない。そもそも神に性別を求めることすら間違いであるのだ。神の子はいずれ神自身となりこの地に災厄をもたらすだろう。しかしそれすら宿命なのだ。それを回避するには、神の子を人に堕とすしかない。

    祭壇からシュブ=ニグラスが、母であり父であるものが出づるとき、夜は明ける。

     目で追う、たびに。頭の何かが麻痺して、狂気に染まっていくのが、わかる。とまらない。とまらない。とめたい。止められない。スレッタは、その内容を__完全に、理解してしまう。

     膝から、崩れ落ちる。

    「ああ、」

     スレッタの信じた神、ヒュプノスは。

    「あああ、」

     スレッタの殺すべき、サテュロスは。

    「ああああ、」

     __スレッタの恋した人、グエル・ジェタークは。

    「うああああああッ!!!!!」

     悲鳴にも似た絶叫が、教会の中を満たした。

    スレッタSANc:dice1d100=68 (68) (??) 1/dice1d6=3 (3)

    スレッタCoC神話技能:10→15

    【スレッタ 6ループ目 昼 終了】

    dice1d2=2 (2)

    1:スレッタ「……エランさんに、会います。二人で」

    2:スレッタ「ちょっとカウンセリング受けたいですね!!シャディクさんお願いします!!」

  • 131二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:09:18

    五号「はい」

    ラウダ「なんだよ見世物じゃないんだけど」

    グエル「こっちはスキップだよな向こうの処理行けよ」

    五号「いやあ、主にスレッタ視点が思った以上に地獄になりすぎてさあ、このままだとド重くなりすぎちゃうし、何より一日を無為に過ごすのは可哀想だなと」

    ラウダ「酷い話を見た」

    グエル「生産性ゼロ」

    五号「なのでここで今回二回目、温情の色ボケ対抗ロールを振るよ!ラウダが勝ったら多少は情報あげる。さすがにここまで負け通しだから核心に迫るところはだめだけど、出目の差に応じてそれなりにあげちゃうよ。ふふふ、困った時は与太ダイスだよね」

    ラウダ「おおおおおお!?!?」

    グエル「☆☆☆☆☆」

    五号「ちなみに大差で負けたらこちらとしては地球の伝統ジャパニーズ・カイラク=オチも辞さないので覚悟しておいてね、ラウダ」

    ラウダ「なんで僕が負ける前提で話してるんです?」

    グエル「残念だが当然」

    五号「にしても、スレッタ本当に的確に引いちゃまずいとこばっか引いてるよね……?もうちょっと上手く立ち回れなかったのかなあ」

    ラウダ「……?何が起きているの?」

    グエル「さあ……?」

    五号「というわけで、おねがいね~!!僅差でも勝てばラウダの名誉くらいは守ってあげるから!!」

    ラウダ「負けたら僕の名誉が終わるの?」

    グエル「もうないのでは??」

    五号「本当に面白い」

    グエル色ボケ対抗:dice1d100=3 (3)

    ラウダ色ボケ対抗:dice1d100=9 (9)

  • 132二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:10:47



  • 133二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:12:57

    ラウダすごく頑張ってるのにグエルはさあ…

  • 134二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:12:59

    なんでこんなところで無駄にいい勝負してるんですかね?

  • 135二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:20:56

    これは絶対兄に勝てない弟

  • 136二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:24:36

    再 放 送

  • 137二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:26:11

    情報探索をする時、この程度の力を出せ!

  • 138二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:26:51

    もう吸い尽くされて抜け殻になってそう

  • 139二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:28:29

    何だこの無駄に熱い接戦

  • 140二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:28:40

    面白くて最後までグエルが勝つことを望んだが、予想外に熾烈な勝負だったので草

  • 141二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:29:36

    スレッタがえらいことになってる間に何やってるんすかねこの兄弟……

  • 142二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:31:13

    全ての対抗ロールに「そんなことある?」て言ってる

  • 143二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:32:03

    ラウダ、たとえ負けたとしても 名誉は守ってあげてもいいんじゃないか

  • 144二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:33:27

    どこのCEOが惨めになるような気がする

  • 145二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:37:56

    このダイス本当に機械的に振られてるのか疑問に思い始めた

  • 146二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:38:29

    「……水星ちゃん?」

     スレッタはふと、三人の前に姿を表した。彼女はミオリネを、エランを順に見ると、シャディクに笑顔を向けた。

    「シャディクさん、私、ちょっと疲れちゃいました。……頼っても、いいですか?」

    「もちろんだよ。ここでお話するのはまずいから、一度外に出よっか」

    「……じゃあ私もついていこうかな」

    「僕も」

     四人はライブラリの外に出て外に出て、夕焼けに染まった噴水を見つめる。穏やかな風。そう、そうだ。スレッタは少し、安心する。……スレッタには、まだ、そばにいてくれるひとがいる。ともだちがいる。

     本当に?

     頭の中に、ニカの声が響く。それでも__それでも、スレッタはそれを無視した。シャディクは、ミオリネは、エランの声は、こんなに優しい。なら、それで__それで十分じゃないか。


    シャディク「いいはなしだなー」

    ミオリネ「完璧に幸福ね」

    スレッタ「あの、向こうは何が起きてるんですか……?」

    エラン「さあ?」

    ラウダ「うああああ!?!?」

    グエル「★★★★★」

    ラウダ「食べログで会話しないで!き、KP……僕1桁だし、泣きのもう1回……なんて……僕情報、ほしい……なあ……?ね??」

    五号「いやなんていうか、さすがにここまで何にも落ちないの可哀想だし、何よりどう処理すべきか困るし……どうせ今ターンあとシャディクの精神分析だけで文字数余ってるから許してあげる。ただしこれまで負け続けてきて墜ちかけてる補正10、かつ今回もラウダが負けたらなぜとは言わないけどHOのこれが問答無用でミオリネの不定の狂気とよく似た状態になり、以降グエルから離れて行動できないし、名誉は一切守られないとするから」

    グエル「縺帙>縺医″」

    ラウダ「食レポバグっちゃった」

    シャディク精神分析:dice3d100=89 77 47 (213) (70)

    グエル色ボケ対抗:dice1d100=32 (32)

    ラウダ色ボケ対抗:dice1d100=19 (19) +10

  • 147二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:40:17

    勝った!ジェターク兄弟ダイス芸シリーズ、完!
    …完全に予期せぬ盛り上がりでしたねコレ

  • 148二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:44:17

    体力精神力残ってる?

  • 149二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:46:24

    こっちも中々のギリギリっぷりで草 初勝利おめでとう()

  • 150二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:50:46

    気になったからツール使って文字化け復元してみたら、もう何か直球かつシンプルで笑っちゃったな

  • 151二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:50:46

    温情に次ぐ温情で情報は貰えるけど、結局1日中なんだよね……

  • 152二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:52:40

    おめでとう。

  • 153二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:53:25

    初日よりひどくて草

  • 154二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:54:19

    一日中絞られる 得る情報なんてどんなに良い成果か···

  • 155二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:54:23

    神がたくさん出てきた…終了後に設定まとめ出してくれると嬉しいです!
    頑張れみんな!

  • 156二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 13:54:56

    ラウダ「ああああああやったああああああああアアアア!!!!!」

    グエル「☆☆☆☆☆☆☆(拍手喝采)」

    五号「結局接戦なの草」

    シャディク「ねえもしかして俺の運あの二人に吸われてない??」

    ニカ「ほんと草」

    ノレア「笑ってる場合ですか?……わかりました、じゃあ予め決めていた通り、ここ開示しましょう」


    「っ、うあ……」

     ラウダはグエルの腕を、なんとか掴む。体勢を崩すことはできなかったが、多少はグエルの動きが、止まる。

    「どうして止めるの?」

    「お前は、兄さんじゃない……兄さんを、にいさんをッ、返せ……!」

    「あはは」

     グエルはこの状況には似つかわしくないほど無邪気に、子供っぽい笑顔を見せる。違う。グエルはそんな笑い方をしない。やめろ。やめろ。グエルは笑いながら、ラウダの耳にくちびるを寄せ、嘲るように告げる。

    「どうすればいいのかもうわかってるくせに。実行できないまま人形で在り続けるなんて、愚かしい」

    「……え?」

     『どうすればいいのかもうわかってる』?

     知らない。ラウダは、知らない。どうすればいいのかなんて、わからない。わからない。違う、わかる、……そうだ、そうだ、そうだ。あの絵だ! そうだ、ラウダはその手段を、知っていたのだ。ひとつ問題があるとすれば、

    「どうやって、実行しろと」

    「さあ?『ぐえる』、わかんなーい。知ってても人形に教えるほど馬鹿じゃない」

     彼が笑う。笑う、笑う。ラウダの瞳から生気が抜け落ちる。ぐるり、と。形成が逆転した。


    【6ループ目 終了】


     ……

     夢を、見る。ぼんやりとしたあきらめの中で、思う。ミオリネの無意識な諦観が、ここまで連れてきたのか。一人ぼっちな真っ暗な闇の中で、ぼんやりと佇む夢だ。もう諦めてしまえば楽なのだ。そうだ。そうだ。それがいい。

     そういえば、昔も諦めたっけ。シャディク・ゼネリのこと。ハンカチを拾ってもらったあの日から、あなたは一歩も進めていない。諦めてばかりだ。……本当に、それでいい?

     闇の中に金色の髪が見える。シャディクだ。あなたは、その後ろ姿に__

     手を、伸ばせますか?

    ミオリネPOW判定:dice1d100=22 (22) (30)

    ボーナスダイス(思い出+狂気):dice2d10=3 10 (13)

  • 157二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 14:01:53

    >>150

    スルーしてたけど気になってやってみてふふってなったありがとう

  • 158二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 14:05:45

    ミオリネさんPOW低いのに補正なしでも成功したねすごい

  • 159二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 14:15:58

    ラウダが見た絵がヒントとなると…
    やっぱり歌がキーになってくるのかな

  • 160二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 14:29:06

    ……

     ×月×日、朝。

     ミオリネはがばりと飛び起きる。そうして真っ先に、シャディクにメッセージを飛ばした。

    『二人で話したいことがある。来てほしい』

     届くかは、わからない。でももう、諦めたくはない。絶対に! 夢で掴んだあの手の感触を、忘れたくはないんだ。いつもは忌々しく感じるループも、今だけはむしろ、嬉しいくらいだ。

     そこで、ふと。ラウダから電話がかかってきていることに気づく。

     ミオリネは端末を耳に当てた。もしもし、と言うと、ラウダは低く、ひくく、言った。

    『神託の内容。兄さんを人間に戻す方法は、神様でもわからないんだって。でも、僕……わかったかも、しれない』

    「え?……ほんとに?」

    『うん。それについて話したいんだけど、それより先に、言わなければならないことがある』

     騙すようなことをしてごめん、とラウダは前置きをした。兄さんは殺されるって話したよね。あれ、嘘。

    『僕が、殺したんだ』


     __

     ラウダは馬乗りになって、グエルの首を絞める。ある程度抵抗が無くなったところで壁に叩きつけると、台所で、いつも料理を作るために使っている包丁を手に取った。思考が、塗り潰されていく。ラウダがラウダではないものになっていく。

     それなのに、感覚だけは残っていた。なぜグエルを殺さねばならないのか、ラウダには分からなかった。でも、ただ一つ。明確な、後悔があった。

     僕はこの人を救うんだ。やり残した今日があるんだ。だって、


     ミオリネは溜息をつく。なんだ、そんなこと。薄々勘づいてはいた。でも、大丈夫。事情があるのはわかっているし、ようやくグエルをなんとかできるかもしれない。私たちなら乗り越えられる。それに何より、

    「夜明けにはまだ早い。ねえ、そうでしょ?」

    グエルSANc:dice1d100=57 (57) (??) 1/dice1d8=5 (5)

    シャディクSANc:dice1d100=10 (10) (??) 1/dice1d8=7 (7)

    スレッタSANc:dice1d100=19 (19) (??) 1/dice1d8=2 (2)

    エランSANc:dice1d100=91 (91) (??) 1/dice1d8=8 (8)

    (今回ラウダとミオリネはループによるSANcをスキップできます)

  • 161二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 14:32:31

    まぁラウダだよなぁ…

  • 162二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 14:33:56

    エランSAN値やばくな〜い?

  • 163二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 21:09:07

    グエルのSAN値も気になる

  • 164二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 21:48:50

    ミオリネ「シンプルに疑問なんだけど」

    ラウダ「何?」

    ミオリネ「あんたどういう感情で1ループ目すごしてたの?」

    ラウダ「『墜ちろ ヒュプノス』」

    ミオリネ「思った以上に純然たる殺意だった」

    ラウダ「やってらんないよね 正直」

    グエルアイデア:dice1d100=93 (93) (65)

    成功の場合グエル一時的狂気:dice1d10=2 (2)

    ????:dice1d3=2 (2)

    ????:dice1d10=5 (5)

    グエル:狂気の状況による。基本的にはラウダのところに向かう

    ラウダ:グエル、エラン、スレッタを呼び出す

    シャディク:ミオリネについていく

    ミオリネ:dice1d5=5 (5) (1:水族館 2:中央駅 3:海 4:港 5:喫茶ちきゅうりょう)にシャディクを呼び出す

    スレッタ:dice1d2=1 (1) (1:教会に向かう 2:ラウダのところに向かう)

    エラン:dice1d2=2 (2) (1:ラウダのところに向かう 2:スレッタについていく)

  • 165二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 22:04:59

    全然言うこと聞いてくれないなかまたち!
    まぁスレッタ一人にしておくのも怖いしエランがついていってくれたのはよかったかも

  • 166二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 22:15:25

    「…………」

    「…………」

    「来ない!!」

    「来ない……なあ……」

     グエルとラウダは一時間ほど待った末にしびれを切らしたようにそう言った。シャディクとミオリネに関しては薄々勘付いていたが、スレッタとエランは何故来ない。いやほんとになんで来ないの?知らん……

     昨日__いや、ひとつ前の今日の出来事を、グエルは断片的にではあるが、記憶していた。

     自分が何故あんなことを口走ったのかはわからない。もしかしたら、グエルの中にいる何かは、グエルよりもっとたくさんのことを理解している、のかもしれない。とにもかくにも、ラウダがこの状況を何とかする手段を見つけたらしいことは、かなりの進展である。ラウダはほんの一瞬端末に視線を向けた後、「……先に兄さんに話しておくよ」と言った。

    「黒山羊の仔を引き剥がす手段は、神様にもわからない。アレは兄さんと黒山羊を対面させてみるのはどうか、と言っていたけど……それはあくまで、最後の手段だ」

    「最後の手段」

    「ああ。黒山羊は世界を滅ぼすんでしょ?軽率に呼び出すわけにはいかない。一応もう一つ、思いつかないわけではないけど……」

     ラウダはそこで、ほんの少しだけ、目を伏せる。「兄さんが殺される前、夜が明けるギリギリに、夢の世界に続く門を開いて、僕に神託を授ける『雛罌粟の門番』とやらの力を借りる。……だけど……」今の、夜が明ける前に夢の神に身体を乗っ取られ、グエルを殺すために動くようになってしまうラウダでは、それはたぶん、不可能だ。

    「一応、……一応だよ?黒山羊を召喚する方法だけ、言っておくね。樹海の奥にある祭壇に、最低三十人分の血を備えて、呪文を唱える。……それだけで、いい」

    「なるほど?……しかし、そんな量の血、どうやって集めるんだ」

    「それはそう、なんだよねえ……」

     ラウダは頭を抱えた。

     黒山羊の召喚はできない。夢の世界への門も開けない。そうなれば、どん詰まりになってしまう。

     とにかくどうにかする手段を考えなければ。……色々と世話になったんだ。シャディクとミオリネが安心してこの先に進めるように、ラウダはラウダにできることをせねばならない。

    グエルアイデア:dice1d100=90 (90) (65)

    ラウダアイデア:dice1d100=48 (48) (60)

    グエル呼び声ロール:dice1d100=51 (51) (72)

    ラウダ芸術(歌):dice1d100=4 (4) (70)

  • 167二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 22:19:08

    ラウダがんばった!

  • 168二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 22:32:55

    ラウダ「ざぁこ♡ざぁこ♡雑魚(元)リリス♡」

    グエル「やめろ。そんな目で俺を見るな」

    ラウダ「兄さんもしかしてさっきので運を使い果たした?」

    グエル「やめろ!おい!!やめろ!!!!」

    五号「出目コントシリーズ続行かあ」


    「……そういえば」

     ラウダはニュースをつける。そこそこ時間も遅くなったとはいえ、おなじニュースの繰り返しだ。町の近くの牧場でそろそろ仔山羊がうまれそうなこと、何やら怪しげなミステリーサークルが北の野菜畑で見つかった、そして__

    「『国道で輸血運搬車がひっくり返って大量の輸血が道路に散乱した』!」

    「それだ!!」

     グエルが目を輝かせて立ち上がる。そこにいけば、多少なりとも輸血用の血液を入手できるかもしれない。もし今ループで手に入るぶんで足りなくとも、次のループでまた、同じように探しに行けばいいだけだ。

     これなら『黒山羊の召喚』とやらができるかもしれない。そうだ、そうだ。希望が見えてきた。

     __問題は、

    「……これが正解なのかどうか、だけど」

     グエルは聞いていないようだった。

     ただニコニコと笑って、「これであの気持ち悪い化け物はいなくなるんだ!」と目を輝かせる。

    「なあラウダ、そうしたら、一緒にいてくれるか?」

    「もちろん。……何度生まれ変わっても。そう、約束しただろ」

     もし。グエルの誕生日の先も、×月×日の先も、何ごともなく日常が続くのなら……

     __グエルはラウダのことを、家族にしてくれるだろうか?

     唯一、ずっと一緒にいる家族として。認めてくれるだろうか。

     考えるのも尋ねるのも、やめておくことにした。今はもっと、生産的なことを考えないと。……その、ただでさえ1ループまるまる、無駄に過ごしてきたんだから。

    【グエル ラウダ 7ループ目 朝 終了】

    dice1d2=1 (1)

    1:ラウダ「国道に輸血を拾いに行くよ」

    2:グエル「いったんdice1d2=1 (1) (1:シャディクとミオリネ 2:スレッタとエラン)に合流するか」

  • 169二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 23:09:17

    「話って、何?」
     シャディクは紅茶とモーニングのセットを頼むと、ミオリネの方に視線を向け、こてりと首を傾げた。ミオリネは目を合わせることすらできず、運ばれてきたたまごサンドをじっと見つめていた。慕情はふわふわとして雲か霞かなにかのように掴みがたいのに、その憧憬は魂に刻まれたように離れない。
     今更になって手が震える。脚が震える。だけど、もう、迷う必要はない。ミオリネは深呼吸をして顔を上げると、シャディクの方を見つめた。
    「ねえ」
    「何?」
    「初めて会った日のこと、覚えれる?」
    「……はじめて?」
     シャディクがぱちぱちと瞬きをする。そうだ、察しは、ついていた。これは人に親切にしたことなんて、いちいち覚えていないのだ。ミオリネはあの日シャディクが拾ってくれたハンカチを、今もずっと使っているのに。でも__だから、ミオリネは焦がれたのだ。
     ミオリネの肩から、ふっと力が抜けた。
     そうか。そうだったんだ。
    「伝えなきゃいけないことがある。ずっと、支えたいと思っていた」
     何も、具体的なイメージがあるわけではない。ただミオリネが求めるのは、彼に頼られるような自分になりたい、というだけだ。それは単純で、しかし何より純化された感情であった。
    「ねえシャディク。私、あんたがすき」
     認めてみればそれは存外、すっと胸になじんだ。ミオリネはうんうんと頷いて立ち上がると、現金をいくらかおいて立ち上がる。そうしてぽかんとするシャディクを置いて、きびすを返した。

  • 170二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 23:10:26

     シャディクはしばらく呆然としたあと、大慌てで会計を済ませ、「ま、待って!」と追いかける。

    「どういうことっ、ミオリネ!?」

    「あら。追いかけてこられたら、脈アリって勘違いするわよ?」

    「い、いや、その、説明が、足りなッ……!?」

    「もう満足した。これがどうなっても、私はもう、大丈夫。とりあえず今はさっさと先に進む手がかりを見つけないと」

    「え、え、えー……!?」

     シャディクは心底困惑したようにぱちぱちと目を瞬かせ、深い色をした肌をさらに濃く上気させる。それからしばらく悩んだ末に、「へ、返事は、待ってほしい」と呟いた。

    「支えたいって……頼ってほしいって言ってくれたこと、とっても嬉しかったよ。でも、その、突然のことで……あまりにも……まだ、少し、考える時間が欲しい」

    「こういうのは猶予を与えたらダメなやつだと思うけど」

    「それでも!!」

     きちんと結論を出したいんだ、と。真っ直ぐな目は、海のように青い。

     __そう、その顔が、気に入ったんだ。

     ミオリネはいたずらっぽく笑った。

    【シャディク ミオリネ 7ループ目 朝 終了】

    dice1d3=3 (3)

    1:シャディク「dice1d2=1 (1) (1:グエルとラウダ 2:スレッタとエラン)に合流しよう」

    2:ミオリネ「ところで精神分析お願いしても?」

    3:シャディク「dice1d3=3 (3) (1:国道 2:牧場 3:ホテル・アスティカシア)に向かおうか」ミオリネ「わかった」

  • 171二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 23:11:24

    あらやだ告白されてホテル直行ですよ奥様!

  • 172二次元好きの匿名さん23/06/03(土) 23:38:09

    あまずっぱーい!!
    いっつもミオリネさんが男前なんだよなあ好き
    それはそうと黒山羊の召喚は明らかに厄ネタ臭いんで
    ラウダとスレッタがなんとか上手いこと協力できたらもう片方の案行けませんかね…?

  • 173二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 00:09:16

    ×月×日を終わらせる鍵をエランが握っているはずなんだけど
    ループ終わらなくてもいいじゃんみたいな感じだったのは世界が滅ぶことを知ってるからでいいのかな
    そもそもなんで知っているんだろ
    学生時との関係やアイデア達成値的にグエルとの繋がりや心理的距離は一番遠そうだが…

  • 174二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 09:13:51

    「なぜついてきたのですか」

    「君のことを知りたかったから」

    「……私はいらない」

    「でも僕は知りたい。教えて」

    「鬱陶しい、です」

    「そうかな。ごめんね」

     淡々とそんな会話をして、二人は教会の前までたどりついた。スレッタは振り返ることなく扉を開ける。

     __案の定、中には誰もいない。

     ニカはどうやら、スレッタが一人で来た時でないと姿を表さないらしいから__視線を下ろしていると、エランは「きれいな場所だね」と言った。スレッタは腰に手を当て、エランの方をむくと、むうっと頬を膨らませてみせた。

    「ねえっ、どうしてエランさんは私に着いてくるんですか!?」

    「仲間だから。それに、君のこと知りたい。それが理由では、だめ?」

    「……学習しないですね。直接会って、また呪文をかけられるかも、とは思わなかったんです?」

    「じゅもん」

     エランはしばらく考えたあと、無表情にスレッタを見つめる。

    「君はそういうことをする人間なの?」

     なんだコレ。

     話が通じている気がしない。スレッタは目を閉じ、あらゆる怒りを静かに押し殺した。それからもう一度踵を返して、教会の中に足を踏み入れる。

     ニカのいない教会は、やはりどこか寂れた印象がある。かつてはここで結婚式でもやっていたのだろうか、レットカーペットが敷かれているが、今はくすんだ色をしている。スレッタはぎゅっと、拳を握りしめる。

    「教えて。君のこと」

    「そろそろ無視しますよ」

     スレッタはそう言って、軽く頭に力を込めた。

     __いつでも、呪文が使えるように。


    スレッタ「ここでエランさん追い払ったらニカさんきてくださるんです?」

    ニカ「出るよ~」

    エラン「物騒な会話……僕は平和的にお話したいだけなのに……」

    dice1d3=2 (2)

    1:スレッタ「……エランさんに呪文を使います」スレッタSAN消費:dice1d6=4 (4) エランSANc:dice1d100=50 (50) (??) 0/dice1d6=6 (6)

    2:スレッタ「探索でもしましょうかね」スレッタ目星:dice1d100=44 (44) (70) エラン目星:dice1d100=3 (3) (70)

    3:スレッタ「……?待って、エランさんとお話します!」

  • 175二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 09:23:51

    有能クリティカル!
    でも3で何に思い当たったのかも気になりますね

  • 176二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 09:54:42

     例の資料室への扉は、今回も開いていた。

     恐怖を噛み殺しながら、中に入ってみる。……予想に反して、そこは普通の資料室であった。あの本は、どこにも見つからない。代わりに別の本が置いてあるのがわかる。

    「……なんでしょう、これ?」

    「僕はこっちを読む。君はそちらを」

     エランはてきぱきと指示を出した。スレッタは喉まで出かかったあらゆる文句を、しかしごくりと飲みこんで、頁を開いてみる。

    『エーオース』

    「暁」を意味する女神。ギリシア神話のアウローラと対応する。聖虫は蝉であり、兄弟には太陽神ヘリオスや月神セレネなどがいる。この女神を巡っては、数多くの恋の物語が存在する。有名なのはオリオンとの恋物語だ。オリオンに恋をした彼女は、兄であるヘリオスの助けを借りて、彼と恋仲となる。ただしこの結果として、夜明けが狂ってしまったのだとか。神を狂わせるのも、人を狂わせるのも、愛であるのかもしれない。

     神を狂わせるのも、人を狂わせるのも、愛である__

     その言葉を反芻してみる。それからちらりと、エランの方に視線を向けた。エランはどうやら、音楽書か何かをよんでいるようであった。

    『アヴェ・マリア』

    「天使祝詞」とも呼ばれる。主の祈りと共に重要詩され、仕事や食事のなどに祈る。天使の挨拶や聖女の祝福の引用、祈願文などからなり、その後四回の補充を経て現在のかたちに基づいた。「アヴェ」の由来は「幸せである」などを主に意味する動詞avereの命令形である。この祈祷文が生活に定着していく過程で産まれたのが、様々な名曲だ。以下はアスティカシア市で有名な作曲家による編纂の楽譜と歌詞である。

    やさしき乙女よ

    聞いてください、わたしの祈りを

    わたしたちは朝まで眠ります

    たとえ運命がどんなに残酷でも

    わたしたち罪びとのために

    今も、死を迎えるときも、お祈りください

    「何だか少し怖い詩だね」

    「そうですか?」

    「運命が残酷で、死ぬ時でなお祈るなんて。幸せになる道はないのかな」

    「……さあ、どう、でしょうね」

    【7ループ目 朝 終了】

    dice1d3=1 (1)

    1:スレッタ「東のdice1d4=1 (1) に向かいます!」

    2:エラン「dice1d2=2 (2) (1:グエルとラウダ 2:シャディクとミオリネ)に合流する」

    3:スレッタ「エランさんとお話、したいです」

  • 177二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:10:06

    「ほんとに誰も来ないなぁ……」

    「何やってるんだろうねぇ……」

     二人はのんびり話しながら、車を走らせて国道に向かう。

     どうやらニュースは本当だったみたいだ。酷い玉突き事故が起きてしまっているみたいで、道路上に大量の輸血パックが落ちている。何せ大きな道路のど真ん中で、車の方の対応に追われていることもあり、回収作業には難航しているらしい。

     二人はは適当なパーキングエリア__何がとは言わないが例の駐車場ではない__にディランザ号を止めると、ひらりと車を降り立って、そちらに向かってみた。そうして回収作業をしている人の中に、グエルやスレッタと同じ病院で働く、というか上司にあたる人物(通称五号くん先生。本名は誰も知らない)を発見すると、そちらに近づいてみる。

    「五号。お前こんなところで何やってるんだ」

    「グエル!君こそ……あれ、そっちは?」

    「えっと、はじめまして。ラウダ・ニールと言います」

    「ふうん……グエル、式には呼んでよ?よろしく、五号だよ~!僕は輸血の数や型の仕分けのチェックがてら、ボランティアってとこ。君たちも?」

     式? と一瞬首を傾げながらも、グエルは真っ直ぐな顔でエランを見つめる。それから「事情は聞かないでほしいんだが」と前置きをして、エランに向き直る。

    「穴の空いたものみたいな、使えなくなった輸血パックを、譲っては貰えないだろうか」

    「……え?何、突然」

    「頼む」

     グエルは頭を下げる。五号はその様子に、少し気圧されたようだった。ラウダは口を挟もうとした、が__威圧して通じる相手ではないだろうし、何よりこの場はグエルに任せて、彼がラウダは暴走しないように見守っておく方がよさそうだ。


    五号「というわけで交渉技能成功で多少は血を譲ってもらえるよ!」

    グエル「いいのか?色々」

    ラウダ「有効活用ってやつだよ」

    グエル説得:dice1d100=85 (85) (70)

    グエル呼び声ロール:dice1d100=46 (46) (72)

    ラウダ芸術(歌):dice1d100=14 (14) (70)

  • 178二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:14:44

    POW対抗では無駄に強かったのに、どうして説得はできないんだ…

  • 179二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:18:13

    5号とそんなとこで繋がってたのか

  • 180二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:30:04

    グエル「おあ゛ッ あア ァ゛……」

    ラウダ「ほんとに運を使い果たした説が濃厚になってきたね」

    五号「どうする?プッシュする?」

    グエル「……や、やめておく。プッシュ失敗して以降血がもらえない、詰み! という感じになったら困る」

    ラウダ「これ強かったのは兄さんじゃなくてリリスだった説があるね」

    五号「出目コントシリーズ続行かあ」

    【グエル ラウダ 7ループ目 昼 終了】

    dice1d2=1 (1)

    1:グエル「dice1d2=2 (2) (1:シャディクとミオリネ 2:スレッタとエラン)を探してみる」

    2:ラウダ「やることなくなっちゃったしdice1d4=4 (4) (1:農園 2:水族館 3:海 4:レストラン)にでも行こうよ」

    ラウダ運転(自動車):dice1d100=51 (51) (70)


    ノレア「あの」

    ミオリネ「なに?」

    ノレア「HO3HO4のイベントって『ずっと憧れてたけど、憧れは理解から最も遠い感情』『何もかも諦めかけた時にあいつの生き方を思い出す』『これからは対等なダチになってほしい』みたいなやつになるつもりだったんですよ」

    シャディク「影も形もなくなったね」

    ノレア「なんでこんな少女漫画みたいな展開になってるんです?」

    ミオリネ「うちの女神の前で隙を見せるような選択肢を作った方が悪い」

    シャディク「仮に少女漫画だとしたらこの展開どっちがヒロインなの???ねえ また俺が乙女だとか俺がお姫様側だとか(出典:オメガバース魔女裁判) そんなこと言わないよね」

    ノレア「……、選択肢を提示します。正直書斎にはもう情報ないので、行き先としては『バー「フォルドの夜明け」』か『客室』の二択です。それとは別に何とは言いませんが、『対抗ロールを振る』という選択肢を与えましょう。ええ、はい、なんの対抗ロールかは明記しませんが」

    シャディク「ミオリネ?悪いこと言わないから一緒にお酒飲もうよ。俺CEO弄って遊びたいがためにここに来たんだし」

    ミオリネ「……」

    シャディク「ミオリネ!?!?」

    dice1d3=2 (2)

    1:ミオリネ「バーに向かうわ。流石に早い」

    2:ミオリネ「客室に向かうわ。ここの情報だけまだ落ちてない」

    3:ミオリネ「シャディク。ダイスを持て」シャディク:dice1d100=62 (62) ミオリネ:dice1d100=10 (10)

  • 181二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:43:59

    まあ元々の想定キャストがグエルとシャディクだったならそんな感じでしょうね…
    しかしミオリネさんつよい

  • 182二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:51:42

    シャディク「意外とまともだ」

    ミオリネ「何よ意外とって」

    ノレア「そうですね。……あれ待って、これって……」

    ミオリネ「ノレア?」


     客室の方に向かう途中で、ふと。小柄な銀髪の少女とすれ違った。

     容姿としては、体格以外はミオリネと瓜二つだ。彼女は目を丸くして、ミオリネとシャディクを順に見やる。それから「また増えたのか……」と頭を抱えた。

    「なあんか、私と似た存在も、この辺にいるみたいだし。だから私はさっさと帰った方がいいって……」

    「あの、あんたは?」

     ミオリネが尋ねると「適当にミオミオって呼んで」と慣れた口調で言った。それから背の近い方__つまりシャディクに何かを押し付けると、そのまま去ろうとする。

    「ま、待って、どこに行くの?」

    「アイツら、あとついでにエリィも回収してくる。しばらく留守番しててほしい。部屋は好きに使って」

    「????? どういうこと……?なんで……??」

    「何かあんたたちの役に立つものがあるかもしれないから、鍵のかかっているもの以外なら見て構わない。どうせ貴重品の類もないし、何より。逃げ出すような人間じゃないでしょ、あんたらは」

     そこまで言うと、ミオミオはさっさと歩いていってしまった。二人はその後ろ姿を、呆然と見つめていた。


    ノレア「ってどこかのミオミオに留守番頼まれるイベントでしたね、そういえばこれ。ちなみにここと同じ情報はもう既に出揃ってます。だめだCEOのイベント作った時が楽しすぎて忘れてた」

    シャディク「そんなことってある?」

    ミオリネ「なんか最近の女神、ストレートも豪速球だけどそれ以上に変化球で仕留めてくることが多いわよね」

    ノレア「……精神分析か『思い出』を作るか対抗ロールかの三択でお願いします」

    dice1d3=1 (1)

    1:シャディク「精神分析するよ」シャディク精神分析:dice1d100=78 (78) (70)

    2:ミオリネ「『思い出』でも作るかな」シャディクPOW判定:dice1d100=34 (34) (85) ミオリネPOW判定:dice1d100=96 (96) (30)

    3:ミオリネ「ハイクを読め。ダイスを振るえ」シャディク:dice1d100=30 (30) ミオリネ:dice1d100=26 (26)

  • 183二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 10:56:32

    シ…シャディクのヘタレ~!
    そんなんだから乙女って言われるんだ(?)

  • 184二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 11:17:45

    シャディク「??????」

    ミオリネ「色ボケ」

    ミオリネ「君にだけは言われたくないなあ……!?」

    ミオリネ「プッシュは……いらない。まだもつ」


     ミオリネは小さなライティングデスクに、シャディクはバルコニー近くのリラクライニングチェアに腰掛ける。

     気まずい。

     非常に気まずい。

     今更ながらミオリネは自分の選択に凄まじい後悔を覚えつつあったが、過ぎたことは仕方ない。切り替えていこう。顔を上げて、シャディクの方を見やる。

    「「あの!」」

     目が合った。

     ミオリネはぱっと俯く。そっちが先に話して、いやそっちが、というやりとりを暫く繰り返したあと、シャディクが意を決したように、言う。

    「……最初にあった日って、ハンカチを拾った、あれ?」

     ミオリネの肩が跳ねた。小さく頷けば、シャディクは「そっか」と言う。もっと言いたいことは沢山あったはずなのに、そのどれもが声になってはくれなかった。

    【シャディク ミオリネ 昼 終了】

    dice1d2=1 (1)

    1:シャディク「一旦みんなで集合しようよ」

    2:ミオリネ「精神分析、再チャレンジしてもらっても?」


     漁港の近くには小さな卸売市場や、イカソーメンをつくっている工場がある。そのため真昼であっても、そこそこの賑わいを見せていた。

    「ねえ、何と呼べばいい」

    「渾名ならいりません」

    「でも」

    「エランさん、さっきから変です」

     スレッタはきっぱりと言い切ると、海を突きぬけて埠頭を浚う風を一身に受け、ぼんやりと、その青を見つめる。エランは暫く黙り込んだあと、「変わったよ」と呟いた。

    「君が変えた」

     淡々とした調子だった。

    dice1d2=2 (2)

    1:スレッタ「思い出作りかてらお話します!」スレッタPOW判定:dice1d100=97 (97) (50) エランPOW判定:dice1d100=38 (38) (80)

    2:エラン「探索しようか」スレッタ目星:dice5d100=55 66 29 43 52 (245) (70) エラン目星:dice1d100=83 (83) (70)

  • 185二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 12:31:54

    今回のシナリオ、本編と比べて
    感情矢印が逆になってるっぽいの面白いな
    ミオリネ→シャディク
    スレッタ→グエル
    エラン→スレッタ
    ジェダーク兄弟→湿度UP

  • 186二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 12:48:17

    シャディクとエランは元のSAN値バカ高だから案外大丈夫そうだな
    グエルは例の本の情報でゴリゴリ削られたしマジで心配
    スレッタも元々SAN値高くないのに呪文なんか使って…
    でも目星5回全部成功はすごいな良い方向に転んでほしいが

  • 187二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:08:32

    ニカ「おっ!全回収かあ」

    スレッタ「何の話です?」

    ニカ「わかった。じゃあ……」

    エラン「……嫌な予感がする」


     ふと。

     スレッタとエランは、ちいさな落書きがあるのを発見する。よくみればそれは、五つも並んでいるようだった。

    『お前はグエル・ジェタークを愛しているのか?』

    『グエル・ジェタークはここで殺された』

    『アレは神の子。気づいたらみんな終わり。私も、この街も、世界全部が』

    『グエル・ジェタークを殺しているのが誰か、君ならわかるでしょう?』

     それぞれ、ラウダ、シャディク、ミオリネ、エランの筆跡で書かれていた。エランは、疑問に思う。こんな__こんな落書きをした記憶は、ない。一体いつ? どうして、と考えていると、スレッタが。スレッタが、それを、そうっと撫でた。

     それは、グエルの筆跡で書かれた落書きだ。

    『殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。やつを殺せ。でなければお前が殺される。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ』

     __ラウダ・ニールを、殺せ!

     まさか、とエランは小さく呟く。この落書きの内容を信用するとすれば、もしかして__と。思った、瞬間。

     スレッタと、目が合う。

     スレッタは無表情にこちらを見ていた。自身の額に、触れる。そうしてどこか、虚ろに笑った。

    「ああ。そうだ、やっぱり、私の味方、ニカさんしかいないんだ」

    「スレ、」

    「近づかないで!」

     スレッタが叫ぶ。近づかないで。近づかないで、あなたも! あなたも__あなたも。表情はかわらないのに、両の目から涙がこぼれる。スレッタはすっと、手を突き出して、エランを拒絶する。

    「……あなたもどうせ、私の傍には、いてくれないんだ」

    スレッタSANc:dice1d100=7 (7) (??)0/1

    エランSANc:dice1d100=46 (46) (??)0/1

    【スレッタ エラン 7ループ目 昼 終了】

    スレッタPOW対抗:dice1d100=83 (83) (50?)

    エランPOW対抗:dice1d100=8 (8) (80)

    スレッタ勝利の場合:エランに対して呪文を行使し、一人で教会に向かう。スレッタSAN消費:dice1d6=4 (4) エランSANc:dice1d100=18 (18) (??)0/dice1d6=6 (6)

    エラン勝利の場合:dice1d2=1 (1) (1:スレッタに事情を聴く 2:グエルとシャディクに頼んで精神分析をしてもらう)

  • 188二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:16:36

    ナイス勝利!!

  • 189二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:19:11

    エラン!エラン偉いぞエラン!!!
    スレッタを助けてあげてくれ…

  • 190二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:20:55

    スレッタ「???????????????????」
    ニカ「スレッタもPOW補正あげたのにさあ……」
    エラン「ニカ。スレッタが弱いわけじゃない。僕が強いだけ」
    スレッタ「怒りますよ~~!!」

     エランは拒絶するように伸ばされたスレッタの手を、ぎゅっと、握った。
     スレッタが驚いたように目を見開く。エランはそのまま少し俯いて、どこか淡々と、しかしはっきりと、告げる。
    「僕は君が何を抱え込んでいるのか、知らない。でも、そうやって話もしてくれずに突っぱねられるのは、かなしいよ。……教えて、ほしい」
    「……私だって、ニカさんが、どこか怪しいことなんて、わかってた……」
     スレッタが低く言う。半ば叫ぶようにして、言う。
    「でもじゃあどうしろと。好きになった人が両親の仇で!信じた神は恋敵を選んで!そんな時唯一味方になってくれるって言った人を頼って、何が悪いんですか!?」
    「僕がいる」
    「え」
     エランの表情は変わらない。
     至極当然のことを、世界の真理を告げるように、エランは静かに、落ち着いて、続ける。
    「僕達が、いるよ。皆、君の味方だ。シャディクとミオリネはもちろん、他の二人もきっと。ううん、たとえそうじゃなくても、僕は君の味方でいるよ。どうか頼ってほしい。だめかな」
    「な……で、そこまで」
    「言ってなかったっけ」
     エランはそこで、ようやく、無邪気に、柔らかく、微笑んで見せた。
    「他の誰にも頼れない人に頼ってもらうのは、僕の専売特許なんだ」
    「……なにそれ……」
     スレッタは肩から力を抜いて、ふにゃりと笑った。「頼っても、いいんですか」。エランがうなずく。スレッタはエランの手を握り返して、秘密ですよ、と前置きをしていった。
    「誰にも言ったことなかったんですけど、実はスレッタ・マーキュリーって、ほんとの名前じゃないんです。施設に入るときにもらった、新しい名前」
    「そうだったんだ」
    「私の、本当の名前は__」
     エランがその名を聞き、こくりと頷いた瞬間。
     「あ、いた!」と、騒がしくも賑やかな声と共に、いつもの四人がこちらにむかって駆け寄ってきた。

  • 191二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:29:04

    グエル「なあオイお前ら何の話してたんだ!?」

    ラウダ「誰一人来ないってどういうことかなあ……!?」

    シャディク「1ループ目と6ループ目でブーメランな兄弟だ」

    ミオリネ「6ループ目に関してはほんとに情報抱え落ちしてたから完全にブーメランだ」

    スレッタ「ひとのこといえないってやつですね」

    エラン「本当にかわいそう」

    ニカ「はい。それでは、お二人は、見つけた落書きを他に共有しますか?」

    スレッタ「……とりあえず、グエルさんには見せない方がいいですね……?」

    エラン「後の三人だけど……ダイスで決めようか。1なら見せる、2なら見せない」ラウダ:dice1d2=1 (1) ミオリネ:dice1d2=2 (2) シャディク:dice1d2=2 (2)

    グエル「何の話だ……?」

    ラウダ「……こほん。とにかく、黒山羊の召喚の呪文についてと、血を集めなければいけないこと。それと、一応もう一つ手段はあるかもしれないことを共有する。ただ、もう一つの手段に関しては、ちょっと難しそうなんだよね……?」

    シャディク「なるほど。だいたい分かった。そうだ、精神分析もしてあげないと。みんなそろそろSAN値が危ないでしょ?」

    ミオリネ「そうね。私もだし……多分グエルやスレッタあたりもそろそろ危ないんじゃない?」

    エラン「うん。お願いしても、いい?」

    スレッタ「えへへ。……そう、ですね。ありがとうございます、皆さん」

    グエル精神分析:dice5d100=45 30 36 61 63 (235) (70)

    シャディク精神分析:dice5d100=82 58 67 12 79 (298) (70)

    スレッタアイデア:dice1d100=14 (14) (50)

  • 192二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:35:15

    グエルもsan回復させてくれ!

  • 193二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:36:44

    的確にグエルの精神分析を失敗するシャディク…
    お前グエルの味方じゃなかったのか??

  • 194二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:38:07

    スレッタSAN値回復:dice1d6=3 (3)

    ミオリネSAN値:22→24

    グエル「俺のSAN値が回復してない!」

    シャディク「ごめんグエル!!」

    ニカ「ふふ。……じゃあ、このあたりでいったん休憩をとりましょう。いわゆる『次スレ』ですね」

    五号「十七時までに10レス保守まですませたいから頑張って急ピッチでやるね~!」

    ノレア「何の話です……?」

    ラウダ「うん。でも、終盤が見えてきたね」

    ミオリネ「ええ。あとはなんとか、駆け抜けられるといいんだけど」

    スレッタ「が、がんばります!!」

    エラン「うん。……持つといいけど」


    「ごめんなさい」

     ラウダは静かに言う。ナイフが刺さる。急所を外して、なおも。グエルの腹に深く。生温かい何かが身体を包む。抱きしめられているのだ、とようやく気付いた。耳鳴り。過呼吸。冷えていく身体。早くなる脈。血が、失われていく。今まで生きてきた中で、どの時点より激しく、色彩が灯る。

     自分の身体の一部が流れ出す。夜明ける前のターコイズブルーが、死にゆくグエルの目を刺す。そうして、ゆっくりと。混ざる。空の青と血の赤が、まざる。意識が薄れていく。視界が真っ暗になって、手先や足先の少しずつ感覚を失っていって、徐々に口の中の鉄さびのような味が、匂いが失われて。

     それなのに、聴覚だけは残っていた。きいんとした耳鳴りに混じって、最後の瞬間にグエルは、ラウダがすすり泣くのを聞いた。

     気付いたらここにいて、気づいたらここで死んでいた。自分が死なねばならない理由を、グエルは明確に理解している。でも一つ、明確な後悔があった。

     俺はラウダを救うんだ。やり残した今日があるんだ。

     夜明けにはまだ早い。なあ、そうだろう?

  • 195二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:49:38
  • 196二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 13:53:57

    次スレ乙です
    エランの特殊狂気処理の内容も気になる…

  • 197二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 14:09:15

    結末が楽しみです!!

  • 198二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 14:12:54

    ハッピーエンドを諦めるな〜!!!

  • 199二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 14:35:05

    全員生還できますように

  • 200二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 14:35:26

    200

オススメ

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