【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑨【閲覧注意】

[1 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:48:57]

身長171cm　道力3870で味覚障害持ちクローン体050に入り込んだ二重人格擬き状態の生徒会長異世界奇譚です

[2 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:49:33]

前回までのあらすじ

1スレ目
chapter.0　落下
・麦わら一行に倒され意識を失ったと思ったらW7編一年前地点に落下したヒョウ太
・前後の状況の突飛さ、体から消えた傷から夢だと思い込む

chapter.1　生徒会長は水の都の夢を見るか？
・W7散策、色々あって迷子
・懸賞金9833万の船長と7338万の副船長がいる海賊団(計15人)に占拠された店に人質として連れていかれる
・船長を不意打ちで倒しぼっちの店員は逃がしたものの手枷をされた上に足を重点的に狙われボロボロ、だが逆転して副船長含め半数を倒す
・助けとしてパウリー、タイルストン、ルッチが来る　海賊殲滅完了
・自分と同じ顔をしたやつの腹話術を初めとした色々に宇宙レオパルドと化したヒョウ太

[3 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:49:50]

2スレ目
chapter.2　最初の接触
・怪我の具合:足の神経逝った(治る)
・パウリー以外にルッチに似ていることが気付かれる
・タイルストンに担がれ病院へ　嘘泣きと捏造過去で同情を誘う
・完治まで37日、入院期間1週間

chapter.3　病院の窓
・1日目　店員さん相手に胸キュンムーヴする
・2日目　船大工モードルッチと腹芸、モデルオセロットと嘘を吐く
・ここでルート固定
・3日目　パウリーとお話　歴史書をお願いする
・4日目　雨　痛みを我慢してるのがバレるが頑な、弱音を吐かない
・5日目　タイルストンと懸賞金について会話　ガレーラ就職内定
・6日目　ルッチに人間かどうか疑われる

[4 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:50:08]

3スレ目
chapter.3　病院の窓
・7日目　家の話　社宅住まい決定
・退院してすぐ水路に落ちるクソボケ生徒会長
・眉毛がタイルストンに露呈する　秘密共有

chapter.4　宿借りの島
・アイスバーグさんとの顔合わせ(びしょ濡れ状態)
・情報共有がきっちりし過ぎているルッチ
・CP9集会　ドジが深読みされる
・アクアラグナ　ルルと一緒に避難
・ようやく弱音を吐けました

chapter.5　過ぎにし日々、ウォーターセブンで
・怪我完治、ブルーノの酒場で宴会
・ルッチとお話し合い　強さの元を話すが半信半疑
・ヒョウ太が自分の体の違和に気付く

[5 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:50:27]

4スレ目
chapter.5　過ぎにし日々、ウォーターセブンで
・体の違和感は味覚　辛さ(痛み)しか感じない
・ルッチとお話し合い(真)

chapter.6　豹は無慈悲な夜の兵器
・ルッチ相手に素を晒す
・逃げ切り成功
・クローン製造者の詳細がわかる(ルッチに執着した一般通過天才科学者)(ルッチの手で死亡済)
・不干渉の約束を結ぶ

chapter.7　出来損ないの順列都市
・クローン049来襲からの始末
・生きてるヒョウ太に驚いて抱えて早退するルッチ
・自分がクローンだとようやく気付いたヒョウ太、発狂

[6 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:50:45]

5スレ目
chapter.7　出来損ないの順列都市
・気絶中にカクを呼び出すルッチ
・限界生徒会長、カクセラピーを受け回復
・話し合い中新規クローン来襲
・科学者及びクローンの目的発覚

chapter.8　あなたのための物語
・死の間際、科学者の内心
・アイスバーグさんは心配している
・サン・ファルドに上陸
・ルッチに味覚ないのがバレた

[7 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:51:02]

6スレ目
chapter.8　あなたのための物語
・研究所探索
・科学者の自室(散らかってる)を捜査、隠し撮り写真とかルッチが六王銃ぶっぱなすレベルのヤベー日記とか見つける
・培養室、舌っ足らずの盲目クローン023とお話　書斎の場所とか色々聞く
・地下の書斎GO　ヤベー薬とヤベー薬のオンパレード
・設計図入手　ヒョウ太の手では調整不可
・余命、W7編辺りに決定

[8 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:51:21]

7スレ目
chapter.8　あなたのための物語
・『悪徳』を成す
・原作ルッチが自称兄になる
・050の自我発覚

chapter.9　豹は街から世界を夢見る
・原作七ヶ月前
・海賊団の大道芸ショーに出くわす
・050、暴走(サーカス団に突撃弟子入り)

[9 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:51:45]

8スレ目
chapter.9　豹は街から世界を夢見る
・一ヶ月間の練習、楽器プロになる050
・海賊団の病人の復帰
・ショーの成功、別れ
・麦わらの初頭手配



chapter.10　すべての終わりの始まり

[10 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:54:57]

1スレ

【SS・🎲⚓️】服部ヒョウ太は水の都に居る｜あにまん掲示板

前スレ

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑧【閲覧注意】｜あにまん掲示板

参照概念スレ

服部ヒョウ太を原作ガレーラに投げ込みたい｜あにまん掲示板

[11 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 20:57:19]

では設定ダイス

生徒会長が帰る方法に検討着いてる？（50以上でこうだろうなと思っている、80以上で確信している）

dice1d100=64 (64)

[12 二次元好きの匿名さん 23/05/30(火) 20:59:03]

スレ立て乙〜〜!!
流石ルッチだ感覚が良い

[13 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 21:11:59]

麦わらとの遭遇タイミング

1.324話

2.325話

3.326話

4.327話

5.328話

6.遭遇しない

dice1d6=2 (2)

[14 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 21:14:33]

1.カクと

2.アイスバーグさんと

dice1d2=1 (1)

[15 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 21:35:51]

襲撃手前だけどCP組の動向について察しているか

1.全く気付いていない

2.空気が少し違うと思う程度

3.そわついている？という不信感を持つ

4.不穏を確信し警戒している

dice1d4=4 (4)

[16 ◆BtOeeshqkE 23/05/30(火) 21:39:04]

有能〜〜！困る〜〜！

警戒されていることについて

1.気付いていない

2.空気が少し違うと思う程度

3.気付いている

dice1d3=1 (1)

[17 二次元好きの匿名さん 23/05/30(火) 23:01:28]

流石は天才…有能だな…（気付かない方が良いパターン）フランキー一家やチョッパーとロビンちゃんの会話やOP登場の仕方をしてくるカクの話の回か アニワンで見た時は映像的に味方だと信じてたのによ許さねェぞ山風…‼︎W7に溶け込んでいる？諜報部員たち大好き

[18 二次元好きの匿名さん 23/05/31(水) 07:57:51]

このSSスレ開始当初から原作突入楽しみにしてたから助かる…好奇心は猫をも◯すなんて事にならないと良いな

[19 ◆BtOeeshqkE 23/05/31(水) 09:58:33]

原作見返しながらになるので更新ゆっくりになると思うけどまァ許してくれるよな……？



快晴、晴天。雲も疎らな青空の下でとんからとんと木槌の音が響く、いつもと変わらない1番ドック。先程海賊が来たが……それもいつもの事、特筆するようなことはない。
「おおいヒョウ太！資材のチェック表見せてくれんかー」
「はーい！」
専ら事務方仕事であったのが現場の仕事も幾らか回ってくるようになってしばらく、潜入調査員達とも表面上は和やかに過ごしている。


……が。数日前から、どうにも奴等がきな臭い。といっても根拠の一つさえも挙げられない程に傍から見ればいつも通りな為、こればかりは肌感である。潜入しているということは即ち目的があるということ、ならばこのざわつきは目標に近付いたのか、それとも強硬手段でも図りにくるのか。
奴等の求めるものが分からない以上、その手段も読めない。万が一の際には敵対も考えなければと気を張りつめた。

[20 ◆BtOeeshqkE 23/05/31(水) 09:59:41]

不意にばち、とひりついた気配を読み取る。隣の男が警戒を強めた気配だ。突然なんだと視線の先をなぞれば、知っているけれど知らない顔がいた。

──今や懸賞金一億の男、モンキー・D・ルフィ。額面だけ見れば凶悪犯罪者でしかないその麦わら帽子は、そこらのガキのような能天気な顔をして白昼堂々ドックへ侵入しようとしていた。

「カクさん、あれ」

「分かっとるわい」

短い応酬。とん、と地面を蹴る音と共に空いていた距離を一瞬で詰めていった長鼻の元へ歩いて向かう。

「工場内は関係者以外立ち入り禁止じゃぞ」

どっこいしょ、と柵を乗り越えるカクともう一人の長鼻から発展した漫才を一歩引いてドック内から眺めながら、思考回路に軽く身を沈める。

あの警戒は──

1.一億の首が現れたことによるものだろうか

2.ただの海賊に向けるものとは別種だった

dice1d2=1 (1)

[21 二次元好きの匿名さん 23/05/31(水) 20:21:28]

>額面だけ見れば凶悪犯罪者でしかないその麦わら帽子は、そこらのガキのような能天気な顔をして

ヒョウ太の価値観が出てらしくて良い これは秩序所属

[22 ◆BtOeeshqkE 23/05/31(水) 20:51:28]

──相手は数ヶ月もない短期間で一億ベリーに駆け上がった海賊だ。一年坊と同じ顔をした超新星などと称される賞金首共に向ける危険視としては妥当だろう。
しかし会うこともないと思ってから日も浅いというのに、まさかこの広い海で遭遇するとは。自称兄にとっ捕まった以前といい、フラグというものが現実に存在することを信じてしまいそうだ。

端的に結論を出して顔を上げれば既に話は付いたらしく、ぐっぐとアキレス腱を伸ばしているカクに声を掛けられる。
「ま、10分待っとれ。ヒョウ太！後はよろしく頼むぞ」
このよろしく、は海賊達を見張っていろということだろう。置かれた鋸の入れ物を回収しながら軽く頷いた。
「りょーかい、気を付けて……は要らないかな。いってらっしゃい」
「おう」


『山風』は笑顔のままにさっとクラウチングスタートの姿勢を取り、そのまま風を巻き起こすほどの速度で駆け出した。

[23 ◆BtOeeshqkE 23/05/31(水) 20:56:47]

あっという間に屋根を伝って遠のき、豆粒のようなサイズになったオレンジジャージを見送る。

「跳んだァ！？」
カクが跳んでいった先を見ながらぎゃあぎゃあと騒ぐ麦わら達は典型的な観光客と変わらない。ガレーラ職長に余所者がどよめくのは、最早ウォーターセブンではしょっちゅう見かける光景となっている。


ふと、背後からかつかつと二人分の足音。
「やつは……街を自由に走る。人は『山風』と呼ぶ」
声の主を振り返ればそこには思った通りの顔、先程の会話で名前が出ていた男とその秘書が。噂をすれば影、だな。

「ガレーラカンパニー1番ドック大工職職長、カク」


……六式こそ使っていないとはいえ普通の人間を気取れる身体能力ではないと思うのだが突っ込む者は誰もいない、最早慣れなのだろう。それでいいのかガレーラ。それでいいのか諜報員。


（おれ達もカクさんと似たようなことやってるから何にも言えなくない？）
（……別に今は潜入してる訳じゃねェんだからいいんだよ、おれ達は）

[24 二次元好きの匿名さん 23/05/31(水) 23:55:29]

ほしゅ

[25 二次元好きの匿名さん 23/06/01(木) 02:15:43]

突っ込む050と棚上げルッチ（学生版）ほんと好き 潜入してる癖に日常で漏れ気味の六式はほら、あれだよ…周囲から「アイツらすげェな！！」で終わってるんだよ多分

[26 二次元好きの匿名さん 23/06/01(木) 08:58:44]

そういえば本編の時間になったらそろそろ肉体の方が限界に近いんだったっけ…

[27 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 17:35:58]

「あ、社長！お客さんですよ〜〜！」

「おうヒョウ太、後は引き継ごう」

へら、と口許を緩めてひらひら手を振れば、胸ポケットに入った見覚えのない白いネズミを指の腹で撫ぜながら最高責任者は頷いた。

1.その場に留まる

2.ドックに戻る

dice1d2=1 (1)

[28 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 17:50:46]

引き継ぐとは言われたが、相手は海賊。敵愾心は見えずそもそもカリファがいる以上は安全ではあるけれど万が一というものはあるだろう。それとなく社長側に身を寄せて、見知った顔の海賊を観察する。

「いや驚いた……飛ぶんだもんなあそこから」

カクと似た長鼻──おれの記憶が正しければ一年のウソップと同じ顔──の男が呆けたように呟いた。

「ンマー！ウチの職人達をナメて貰っちゃ困る。より速くより頑丈な船を迅速に造り上げる為には並の身体能力では間に合わねェ……ところでカリファ」

「ええ、調査済みです」

社長はアイコンタクトで予定を挟んだバインダーを携えいる隣の秘書に指示を出す。それにカリファは即座に応じ、スラスラと頭の中に載っていたのであろう情報を声に変えていく。

「『麦わらのルフィ』『海賊狩りのゾロ』『ニコ・ロビン』、3人の賞金首を有し総合賞金額2億3千9百万ベリー。結成は東の海、現在7人組の『麦わらの一味』です」

「も、ものすげェバレてるぞ……」

情報が完全に漏れていることに慄いているのだろう、長鼻の声は震えていた。

アイスバーグさんの違和感に

1.気付かない

2.反応自体は気付く

3.『ニコ・ロビン』に反応したことに気付く

dice1d3=2 (2)

[29 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 18:13:01]

羅列された情報を静かな佇まいで聞く社長に、一瞬だけ僅かな揺らぎが見えた。……警戒、か？それならば一体、何に対して。
トータルバウンティの高さは確かに脅威となるが、それ以上の海賊を顧客として扱ってきたガレーラカンパニーの社長がその程度で動揺するとは思い難い。出身も人数も普遍的なもの、であるならば自ずと要因は搭乗員に置かれることになるだろう。

『ルフィ』『ゾロ』『ロビン』。どれも元の世界で聞いた名であり、前者2人は生徒会の指導対象となっている生徒達で、後者は不良との絡みはあれど優等生。世界が違えど海賊になるのだろうか。……いや駄目だな、この思考は。あちらとこちらを同一視しない方が良いとは分かっているのだが、どうしたって生徒会長としての視線で見てしまう。

[30 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 19:13:30]

そろそろ決めておこう

1.平常

2.ガタ

3.副作用

dice1d3=2 (2)

[31 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 19:15:34]

1.視覚

2.聴覚

3.嗅覚

4.触覚

5.思考

6.運動能力

7.その他

dice1d7=2 (2)

度合い

dice1d100=10 (10)

[32 二次元好きの匿名さん 23/06/01(木) 19:32:08]

耳にガタが…けどそこまでひどくないのかなこの数値だと

[33 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 20:00:35]

ほんのちょっと耳悪くなってるね　まあ動物系だしこのくらいならまだ常人より耳いいでしょう

1.自衛だけ

2.アイスバーグさんの分も受け止める

3.食らっとく

dice1d3=2 (2)

[34 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 20:14:17]

「無礼者っ！！」
「うわわッ！！？」
思考を回していた最中、怒鳴り声と共にカリファが足撃を海賊に仕掛け始めた。何かが秘書としての彼女の癪に触ったのか、それはまァいいとして。

ぱし、と高いヒールを軽く腕で受け流す。……案の定こっちにも攻撃が飛んできた。社長さえもボコボコにしようとする定期的なこれが天然なのか演技なのか、おれはまだ分かっていない。


「はっ！失礼、つい取り乱してしまいました。……ですがアイスバーグさんは市民の憧れ、あまり無礼のない様に！」

一般女性にしては重く、カリファにしては軽過ぎるそれを社長の分も捌いていけば、海賊共が吹っ飛んだ辺りで怒りは収まったようだった。
「カリファをあまり怒らせるなよ。この女は怒ると見境がない……ご苦労ヒョウ太」
「っもー！カリファさん危ないんだから！」
飛ばした抗議にはっ！と口を開けたカリファを見ていると、やはり天然故な気がしなくもない。

[35 二次元好きの匿名さん 23/06/01(木) 20:51:34]

耳……………
まあまだ常人より良いなら大丈夫でしょう…
というか生徒会長ってこっちのルフィより身長低いのか　珍しい光景が思い浮かぶわ　なんかかわいい

[36 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 22:48:31]

おれたちのやり取りを放心したように見ていたオレンジ髪が気を取り直す。
「わ、こなれてる……とにかく、あなたがアイスバーグさんね！コレ見て、紹介状です！」
「ココロばーさんか。『ふねみてやんなよ』」
そう言って海賊が差し出した一枚の紙を社長は受け取り読み上げた後、ノータイムでびりびりと破き始める。
「ねぇお願い、船直して！お金なら払えるのよ！？」
「頼むおっさん！！」
それを拒否だと取ったのか、海賊達が慌てて詰め寄る。……といっても見ている限り軽率に暴力へと走る気配は無い、下がって静観する。
「いいよ」
「いいのかよっ！！」
表情を変えずにコクンと首を縦に振る社長にズッコケながらのツッコミが入った。
「じゃあなんで破くんだ！！」
「キスマークが不快だった」



どうやら危険性はなさそうだ、これ以上見ている必要もないだろう。低い柵を乗り越えドックへと戻れば、少し先から甲高い声がかかった。
「ポッポー！どうした、海賊か？」
「ん、兄さん。あー海賊っちゃ海賊だけど……危ない奴等じゃなさそうだからいいかなって」

こちらとあちらの世界では、例外はあれど同一人物の人格に相違は少ないことはこの一年で知っている。ならばあの麦わら達は、とことん阿呆でバカヤロウなだけ。ガレーラに危害もなく校則違反者でないのであればおれが気にかけることもない。

[37 ◆BtOeeshqkE 23/06/01(木) 22:53:22]

「海賊嫌いを公言する割には警戒心が薄いんじゃないのか

っポー」

「そんなことないよ〜！見る目があるって言ってくんない？」

目の前の腹話術師の興味も薄れたらしい、踵を返す男と並んで引っこもうとしたところで。

「ドロボー！！金返せェェ〜〜！！！」

微かに籠った耳をつんざくような悲鳴が、先程離れた場所から響く。

「……ありゃ、問題発生？」

「らしいな」

振り返れば、そこには叫びながらヤガラに追い縋ろうとする長鼻。盗難被害にあったのは海賊側らしい。助ける義理はないと思い歩を進めようとして、そういえば奴が抱えていたバッグはカリファの蹴りで飛んでいっていたような、と思い至る。……原因、ガレーラにあるな。

ヒョウ太からフランキー一家への心象

dice1d100=24 (24)

[38 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 07:20:25]

>>36

低い…

[39 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 08:04:01]

「は〜〜……取り返してくるわ……」
長い溜め息を吐きながらまた柵を乗り越えようとしたところ、肩に手が置かれ引き戻される。
「……いや、お前は行かなくていいだろう」
「？なんで」
つい、と差す指の先を追えば。


「待てェパウリー！今日こそは逃がさんぞ！！」
「もうちょっと待ってくれっつってんだろうがよォ！！」


聞き慣れた、聞き慣れてしまった騒動が起きていた。金が無いなどと叫んでいるが、おれの記憶の限りじゃ最近飲みに行ってなかったかあの男。

「……あー」
「フルッフー、先の展開は予測できるな」
下に通るヤガラブルに乗っているのは一般人ならともかく被害に遭うのは荒くれ者のフランキー一家、好都合な展開だろう。

[41 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 08:35:43]

脱字ってた修正　ダイス結果はそのままで

あからさまにホッとした表情で目に涙さえ浮かんだ長鼻がヤガラブルを指差す。2億という大金だ、動揺もするだろう。

「よかった、アレあんたんとこの船大工なんだろ？おーいありがとう！その金おれ達のだ！！」

「え？金？……！！」

すいと、ヤガラは進行方向を変えずに進む。まァ嫌な予感はしていたが。

「いやオイ！！戻れ〜っ！！！」

……それにしても身内の恥がすぎる。海賊相手とはいえ顧客になる持ち主の前で金を奪おうとするんじゃない。

「あの野郎！おれが捕まえて……んあ？」

シルクハットは今にも飛び出して行きそうな麦わらの背後を取って、はしりと握り拳を掴み静止した。

1.ルッチ

2.ヒョウ太

dice1d2=2 (2)

[42 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 09:15:11]

「コイツが行く」

「え？は、鳩ォ？」

「えェ〜〜？ぼく？いいけど」

ぴ、と後ろ手に回した親指で指名される。自分で行った方が速いだろうにとは思うが、特に不満は無い。腹話術に胡乱げな表情を向けている麦わらを傍目に、準備運動とばかりに体を伸ばした。

「あ、さっきの」

「はーいさっきのです、ヒョウ太言います！お見知り置きを〜！」

ひらひらと手を振っての自己紹介を軽く終え、知らん振りをする金髪を追いかける為に駆け出した。

1.ロープで捕まえる

2.ヤガラに飛び乗る

dice1d2=1 (1)

1.成功

2.失敗

dice1d2=1 (1)

[43 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 09:43:25]

優秀

[44 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 12:12:37]

（050、頼む）
（りょーかい、っと！）
背負っていたバッグに入れていたロープを取り出し意識を切り替える。050はひゅんひゅんと頭上で回して狙いを定め、慣れたようにパウリーの体に巻き付けた。
「よーいしょっ！」
「おわーっ！？ロープ！？」
（よし捕まえた！戻るよー）
（ああ）
脳内での会話の後、すぐに体の主導権が戻る。ヤツをヤガラブルごと岸に引き寄せるのはおれの仕事だ。

とん、と引き寄せたゴンドラに飛び乗り、ぐるりと巻いたロープを更にきつく巻く。
「いたたたッヒョウ太お前そんな縛るなって！逃げやしねェよ！」
「ホント〜？ぼくパウリーさんのこと、お金に関してだけは信用出来ないなァ」
……元の世界の友人は確かにがめついところもあったが、ここまでではなかったはず。ないよな？戻ったらしばらく監視だな。

[45 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 12:13:00]

そういや今日ルッチの誕生日なのか（流れ読め）

[46 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 12:34:11]

盗まれた技で捕まるパウリー…

[47 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 12:36:03]

ルッチが誕生日ならヒョウ太も誕生日だね！おめでとう　これから何処まで行っても闇パートになるけどおめでとう


陸にヤガラを付かせて縛った男と金の入った二つの鞄を抱え、安心した顔の集団の前に上陸する。
「連れてきましたー！いやァ〜〜迷惑かけて申し訳ないわ！取り返したんでここは一つ！」
「手間掛けたなヒョウ太」
片手を顔の前に出して謝りながらロープを解けば、解放されたと腕を回す男の耳が引っ張られた。
「痛ェッ！離せルッチ耳を掴むなッ！」
「人の金で借金を返そうとするな、愚か者！……はァ、どうもバカがご迷惑をお掛けしましたね」
「あー！また喋ったァ！」
麦わら達はハットリが話していると認識しているらしい。喋る動物は一定数いる為その勘違いは分からなくはないが。
「拾ったんだあの金は！たまたま借りたヤガラに乗ってたんだっての」
「まだそんなこと言う！それが盗みだって言うんだよ〜！」
赤くなるほどに抓る指を振り払う男はぎゃあぎゃあと声を上げていた。アコーディオン弾きの放った四重苦という言葉を思い出し、心底同意する。

[48 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 13:16:24]

>ならばあの麦わら達は、とことん阿呆でバカヤロウなだけ

ここの言い方本当大好き、何なら本編でもそう思っているんだろうし…地味に（ニコ・ロビンは優等生だしな…）と考えているの良いよな所属する勢力や情報によって関係性の差異あるの面白い

身内の恥連続で学園パウリー監視が密かに決定してるの笑う

CP9ら幼馴染たちは個人主義も相まりマイペース極まっているから天然だろうし生徒会長も例外ではねェからな逃げるな

[49 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 13:28:21]

「ほらお詫びしろ、パウリー！」
「ってェ！分かってる！」
バシッと音が響く程にシルクハットがゴーグルの背を叩く。
「喋りまくりだなあのハト！」
「帽子の男の代弁してるみてェだ。まァ……とにかく金が戻ってよかった！」

「はい、渡してきて！……盗らないでね？」
外野がハットリ達に騒ぐ中、抱えたバッグ二つをパウリーに押し付けた。不安はあるが流石にこの場面で持ち帰るような真似はしないだろう。
「ここまで来て取らねえって……よォ、お前が持ち主か。拾ってやったぜ」
「ああ、ありがとう！」
「礼なら一割よこせ……あだッ！」
懲りない男の後頭部に金槌が振り抜かれた。
「失礼、お客さん。コイツァギャンブルで借金が嵩張ってるもんで、金にガメつく礼儀を知らない！」
「だからなんでお前が喋るんだよ！！」
ハットリに叫ぶ麦わら。さっきから何故そこに食いつく。

……いや、いや。本来はその反応が正しいはずだ、コレに慣れてしまっている方がおかしいんだったな。ズレた価値観に頭痛を覚えてこめかみを抑えた。

[50 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 16:51:13]

「この野郎……ルッチテメェもう許さん！！」
たんこぶの出来た頭頂部を擦り起き上がったパウリーがしゅるしゅると裾から縄を出す。
「ロープアクション！ボーラインノット！！」
どこかうんざりしたような顔でタンクトップは腕に巻き付くロープを見ているだけ、くるっぽーと一鳴きし、ハットリが肩から飛び立った。

「オシオキ一本釣りィ！！」
腕のたった一本を支点にして、2メートルが宙を舞う。そして即座に地面へと叩きつけられた。

「ちょっと！！そんな本気で……！」
「ンマーいつもの事だ」
「だいじょーぶだいじょーぶ、パウリーさんも本気じゃないよ〜……多分」
「多分てオイ」
土煙の巻き上がる先を見ながら腕を組んで傍観する。どうせいつもの日常風景だ。すぐに砂埃が収まり、直立する影が見えてきた。

「おいおい！あれ見ろ！！腕一本で今の衝撃受け止めてるぞ！！どうなってんだここの船大工達は……！」
ぴききと地面に指をめり込ませ、逆立ちをする男に慄く長鼻の背中を軽く叩く。
「ぬっは〜〜ッ！ガレーラの船大工はみんなこんなもん！早めに慣れといた方が精神衛生上いいよ〜！」
「お前もその『こんなもん』の一部だろさっきから見てる限りィ！」
「あはは、そりゃそう！」
大袈裟に身を飛び退かせて振り向いた長鼻が腕をぶんぶん振っておれを指差す。確かに棚上げだな、これは。

[51 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 17:08:08]

「ポッポー……まァお騒がせして申し訳ない。おれはロブ・ル……！いやいやハトのハットリ、こいつはロブ・ルッチ。ここで働いてる、よろしくなポッポー」
いつの間にか肩に舞い戻った白い鳥を介して、自称兄は自己紹介をする。ハットリに吸い取られたと思う程に表情筋はピクリとも動かないままわざと起こした言い間違えにオレンジ髪が目を見開く。
「あれ！？今自分のこと人間みたいに言おうとした……！そうかわかった腹話術でしょ！それ！」
「え！？マジでか！何だじゃあ文句言ってたのお前じゃん！」
「めちゃめちゃうめェ！！気付かなかった！！」
パチパチパチパチと二つ分の拍手が飛ぶ。見たところ両者とも高校生あたりの年齢だろうに、よくもあんな子ども騙しに引っ掛かるものだ。
「……よせ、どうでもいい事だポッポー」
「あっはっはっは！そう！そいつァ人とまともに口が聞けねェ変人なんだ！！」
からからと大口を開けて笑うパウリー。変人度合いで言えばぶっちぎりトップは確かにこの腹話術師だろうが、お前もお前で大概だろうに。

[52 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 17:22:59]

「──ってぐわァ！！おい待て何だその女は！！ハレンチな！！」
ビクッと体を仰け反らせた初心がぎゃんぎゃんオレンジ髪に噛み付き始めた。呆れた顔で腕を押さえるシルクハットの手は意味をなさず、カリファにまで飛び火している。
「わー、まァた始まった……」
「あっはっは！あいつも変人だ！」
「何なんだ……ここまでくるとそっちのも……」
汗の伝う顔が横目でこちらを見てくる。おれに目の前ような光景を作り出せる程面白い要素はないのだが。

「なんか期待されてる？残念だけど、ぼくは至って常識人だよォ〜！」
「「大ウソ吐くなこのドジが！！」」
さっきまで喧嘩していた癖になぜ声が揃う、息ピッタリかこいつら。

[53 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 17:25:27]

1.同行

2.離脱

dice1d2=1 (1)

[54 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 18:25:36]

ヒョウ太は現状が鳥肌が立つような意味でおもしれー奴なんだよな…ゾワッとするぐらい素と演技の差がある癖に面白要素が無いと嘯くな ルッチとはいえ現役中学生から高校生ぐれェの歳の奴等がこれか…されてるの込み上げるものがある

[55 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 18:39:15]

ヒョウ太おまえはロブルッチとして生まれた時点で面白くないわけが無いんだ

[56 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 19:42:34]

「さ、中に入ろう」

職長2人によって開いていく巨大な扉を通れば、その先は一番ドックだ。職人達が木材を持ってせかせかと勤勉に動き回り仕事に励むこの場所は、この世界広しといえども唯一無二の造船場なのだと皆が口を揃えて言う。

「造船所ってのは近くで見ると迫力あんなァ！」

海賊共が物珍しそうにきょろきょろしているところで、現れた社長に気付いたらしい職人から野太く黄色い声が飛ぶ。その人徳の由来を嬉々として語る秘書がスパイだと思う人間は、きっとこの場にいないだろう。

「……ところで、お前の船に本当にニコ・ロビンという女は乗っているのか」

ふと、能天気な麦わらに投げられた突飛な問い掛けを拾う。

「ああ、いるぞ！あったまいいんだコイツがまた！」

にひひと笑う麦わら帽子に神妙な目を向ける社長。……なんだ？また出てきた『ニコ・ロビン』という名前に、何か気に掛ることがあるのか。

「……？なんだ、ロビンがどうかしたのか？」

「いや」

アイデア(60以上で気付くことがある)

dice1d100=84 (84)

[57 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 19:45:14]

ん〜鋭いなぁ

[58 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 20:07:47]

オハラのことを知っている？

1.知っている

2.知らない

dice1d2=2 (2)

[59 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 20:24:09]

アイデアは高いが基礎情報がない　異世界人探索者らしいダイス目なことで


彼の様子を見るに、先程のカリファの情報から垣間見えた警戒反応は『ニコ・ロビン』へ向けたものだったのだろうか。カリファを始め他の者からの反応がない以上、恐らくは一年の才女と同一人物であるその名前の持ち主が特別恐ろしい行為を働いたという訳では無いのだろう。ならばあの反応は一体。
……そういえば、社長室に貼られていた手配書。高額賞金の上には似合わないにも程があるような、まだ幼い子どもの顔写真が掲げられていたはず。

『悪魔の子』だなどと大仰な二つ名を被せられたあの紙に書かれていた名前も確か、『ニコ・ロビン』ではなかったか？


ガレーラカンパニーの社長にしか分からない何かが、その女にある。……邪推にはなるが、まさか諜報員共のきな臭い動向とも何か関連が？
どうにも『麦わらの一味』が不穏な空気を水の都に呼び込んでいるようだ。気を張っていて損はないだろう。

[60 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 20:50:34]

天才生徒会長が故に推理もキレッキレやな…

[61 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 21:24:56]

そんなキレキレだと面倒事に巻き込まれるぞ

[62 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 21:57:12]

すたん、と空からオレンジジャージが降ってきた音で、一旦思考を切る。船の査定が終わったらしい。
「あっ！さっきの人！船見てくれた？」
「ああ見て来た。アイスバーグさん……ここにおったんじゃな」
「事情は分かってる、どうだった？」


どうやら、あまり良い結果ではなかったらしい。

「……はっきり言うがお前達の船は、わしらの腕でももう直せん」
「！え、」

カクは潜入しているとはいえ、仕事は一流の船大工。そのガレーラカンパニーで無理ならばこの海賊共の船は本当に終わりなのだろう。

「そんな！でも今日まで普通に航海してたのに！！」
「……竜骨でもやられてたか」
「ああ、ひどく損傷しておる」
しかしそれを受け入れることが出来ないようで、船の持ち主2人が取り乱した様子で詰め寄る。

「おめェらすげェ船大工なんじゃねェのかよ！！金ならほら！いくらでもあるのに！！」
2億ベリーを奪われそうになったときにさえ見せなかった焦りの表情で麦わらが金の入ったバッグを叩く。
……竜骨が損傷しているのならば、パウリーが今説明している通りに金でどうこうなる問題ではないというのに、それが分からないということは本当に造船の知識など欠片もないのだろう、この海賊団には。

[63 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 22:19:20]

「──もう誰にも直せねェ。お前らの船はもう、死を待つだけのただの組み木だ」
「……」
死を待つだけの、か。

「ちょっと！そんな言い方ないじゃない！！」
「知った事か、事実だ」
薄情だと見るものもいるだろうが、良くも悪くもガレーラの社員は職人である。顧客に対してオブラートに包むようなことはない。
「……じゃあ、だったらよ！！もう一回一から船を造ってくれよ！！ゴーイングメリー号を造ってくれ！！」
「それも無理だ、クルッポー……似た船なら造ってやれるが、厳密に言って同じ船はもう誰にも造れねェ。この世に全く同じ船は二つと存在し得ねェのさ」

テセウスの船というパラドックス、思考実験と似た話。あちらは全ての部品が置き換えられたシチュエーションだが、こちらはもっと簡単なことだ。外面を寄せただけの船など、代替品にさえなりはしない。

「例えばそんな船を造ったとして、それが全く別の船であると最も強く感じてしまうのは──きっとお前達自身だ、クルッポー」


（耳が痛い話だなァ……）
（……おれ達のことじゃないからな、そもそもやったのはあの科学者だ）
（わかってるよ）

[64 二次元好きの匿名さん 23/06/02(金) 22:24:57]

意外な共通点発見だな！！！
でもさぁでもさぁこんなところでメリーとヒョウ太の共通点見たくなかったよ　あまりに悲し過ぎるからさぁ………
原作からある台詞だけどもちょっと意味合い違って聞こえてきたな…自称兄もこの世界線ではヒョウ太のこと若干意識しながら船のこと説明してんだろうか…

[65 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 23:48:32]

「……乗り換える気はねェ！！」
「ルフィ……」
「信じられるか！！お前らあの船がどんだけ頑丈か知らねェからそう言うんだ！！」
悲痛さを含んだ叫びがドックに木霊する。そこにあるのは船への信頼か、それとも過度な愛着か。どちらにしたって呆れ果てる程に強情な奴だ。

「沈むまで乗りゃあ満足か。呆れたもんだ……てめェそれでも一船の船長か」
「……！！」

麦わらが言葉に詰まる。船長の、……組織の長の責任は総じて重いもの、どれだけ能天気であってもその重圧は理解しているらしい。そのだんまりを区切りとして、社長が腕組みを崩し、話を終えた。

[66 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 23:59:07]

ここにこれ以上いても何かがある訳では無い、そろそろ仕事に戻るとしよう。

──片手間で雑用をこなしながら、身の振り方を考える。この不穏な空気の充満した中でおれは何をするべきか、何が最適解だ？

1.寮に帰る

2.本社に張る

3.誰かを尾ける

4.安価

dice1d4=4 (4)

[67 ◆BtOeeshqkE 23/06/02(金) 23:59:52]

>>68〜>>70

までの選択肢からダイス

[68 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 00:00:08]

麦わらの一味の誰かと接触してみる

[69 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 00:00:55]

なんとなくそのメリー号とやらを見に行ってみる

[70 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 00:06:29]

アイスバーグさんに張り付いて様子を伺うとか…

[71 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 00:08:25]

1.麦わらの一味の誰かと接触してみる

2.なんとなくそのメリー号とやらを見に行ってみる

3.アイスバーグさんに張り付いて様子を伺う

dice1d3=2 (2)

[72 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 00:20:09]

メリーを見に行くタイミング

1.ナミが1人で船番してるとき

2.皆戻ってきてるとき（ウソップ気絶中）

3.皆戻ってきてるとき（ウソップ起きたタイミング）

4.決闘のとき

5.決闘が終わったタイミング

dice1d5=2 (2)

[73 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 00:22:07]

なんとなく見に行く生徒会長好き

なにやら満足死一般通過天才科学者も（悍ましい）日記で延々とこのクローンも違うと満足できなかったからな…どのような形や終わりであれ「本物」ではないと満足できなかったんだよな

[74 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 01:01:07]

そっか…時系列的に言えばヒョウ太もメリーももうそろそろ終わる存在か…………

[75 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 08:55:19]

ある程度で仕事を切り上げドックを出る。まだ日が落ちるまで時間があることだし、台風の目でも見に行ってみようか。社長や諜報員達の動きやその理由も何か分かるかもしれない。



カク達の言っていた岬の岩場まで駆けていけば、羊の船首をしたキャラベル船が一隻停まっていた。あれか。……確かにマストから船底まで満遍なくぼろぼろの継ぎ接ぎ状態、よく東の海からここまで来れたものだ。

「よっ、と」
外から眺めるのもそこそこに甲板まで飛び上がれば、先程はいなかった顔がいくつかあった。着けた足元からぎしりと木材が軋む音が鳴る。
「ッ誰だ！？」
「フランキー一家の仲間か！？」
ジャキン！と刀を構える海賊狩りと、その後ろで足を振り上げた金髪。その先程いなかった顔に臨戦態勢を取られたのは一目瞭然だ。
「わァ〜〜ッ待って待って！違うって！ぼくは危害加えるつもりないからね〜！！」
慌てた様子でわたわたと手足を動かして警戒を解こうとすれば、危険に目を光らせていた男共はそれを見て眉を顰めながらも肩の力を少し抜いた。


「あれ、さっきの船大工の？」
「船大工ゥ？……こんなガキがか？」
驚いたようなオレンジ髪の助け舟を受け、怪訝そうに言いながら緑頭が完全に刀を納める。
「ぼくはもう14歳！ガキって言わないでよね〜！」
「ガキじゃねェか」
……まァこの中でも恐らくおれが最年少なんだ、子どもと言われるのは仕方ないことだろうが。しかし元の世界で年下だった奴にガキ呼ばわりされるのは腹立たしいな。

[76 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 09:43:14]

「それで？その船大工が何の用だ、査定が間違いだってんなら……」
「残念だけどそれはひっくり返んないよ。それに、ぼくはガレーラの雑用、大工職はまだあんまりやらせてもらえてないからね」
微かに抱いた希望は早めに潰しておく。期待する方が船にとってもクルーにとっても酷だろう。おれの言葉に緑頭は失望したようにそっぽを向いた。
「……そうかよ」


「用事としてはそれだけ愛されてる船を見に来たってのと……『ニコ・ロビン』って人がいるって聞いたんだけど、今はいない感じ？」
きょろ、と船内を見渡すがそれらしい影は見えない。もう夕方、買い出しや観光があったとしても船員は戻ってくる頃だと思っていたのだけれど。
「あ゛？ロビンちゃんがどうしたって？」
「青筋立てないでよこっわいなあ！社長が気にしてたからね、ぼくも気になっちゃって」
かつかつと眼前に迫ってくるタバコの匂いに大袈裟に背中を仰け反らせた。


「……街ではぐれちゃったんだ、ロビンとは」
下の方からぽつり、高い声が挙がる。淡い赤い帽子の動物系は、確か保健委員の。

[77 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 10:02:10]

「すぐ帰ってくると思ってたのに、こんな時間になってもまだ……きっと何かあったんだ！おれが目を離しちゃったから！」

「お前のせいじゃないって言ってンだろ？チョッパー。そんなに気に病むこたァねェ」

不安に押し潰されそうな小動物に金髪が声を掛ける。飄々と振る舞っているようだが、同じく心配を心の内に宿しているのは見て取れた。

不審な動きの諜報部員共、行方の掴めない台風の目。

「……はあ、不穏だなァほんっと」

もうすぐ、命が終わる頃だと言うのに。

1.帰る

2.ウソップが起きるまでいる

dice1d2=1 (1)

[78 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 10:39:19]

目的の人物がいないならば、もうこの船に用事はない。背を向け、船の柵に足をかける。

「大変なときに失礼しちゃったね。……ま、ロビンさん？もし見掛けたら君らに教えるからさ」

くるりと頭だけで振り返りそう言えば、船長が笑って手を振る。どうやらきっちりと選択をしたらしい。

「おう、頼んだ！マスクのやつ！」

「……もしかしてそれぼくのこと？名前覚えてよ、ヒョウ太でいいわヒョウ太で！」

夜行動

1.家に帰る

2.本社に行く

3.CP9の誰かを探す

4.安価

dice1d4=2 (2)

[79 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 10:40:08]

1.襲撃前

2.襲撃中

3.襲撃後

dice1d3=2 (2)

[80 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 10:41:15]

トラブル要素を良い感じに回避してるな…ダイス神優しい 年下だったはずが年上になった人物に子供呼ばわりされて（は？？）となっているの好き

[81 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 11:22:11]

海賊船から離れたものの、かといって寮に帰る気にはなれず。行く宛てもなく一番ドックに戻ってきた辺りで空には上弦の月が浮かび、星が瞬き始めた。こんな雲ひとつない夜更けに……どうしてか、どうしても胸騒ぎがする。


本社へと正面玄関から入ろうと扉を引くがしかし鍵が掛かっていた。部屋には一つだけ明かりが灯っているようだが、恐らくは社員が全員帰っているのだろう、察するにいるのは社長一人。

ピッキング程度はわけないとはいえ実行するのは気が引ける。人がいるのだから開けてもらおうと光の洩れる窓へと飛び上がる。こんこんとガラスを叩き、中を覗いた。

[82 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 11:25:24]

「社長ー？いま、す、か──！？」




喉が引き攣る。


見慣れた部屋で見慣れた社長の前に、見慣れない仮面の大男と黒髪の女が立っている。

五つの銃声と、赤が散った。

[83 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 11:37:02]

タイミング悪すぎだろ…

[84 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 11:44:40]

「ッ社長！！？」
「ぐ……ヒョウ、太……？」

形振りなど構っていられない、窓ガラスを割り部屋へと転がり込む。がしゃりと砕けた破片を踏み締め、倒れた社長を庇い立った。
「ま、て……！危険だ、下がれ！」
「……」
「誰……？」
憶えのある体格をした無言の男と、戸惑った表情を浮かべた黒髪の襲撃者に相対する。
──確信した。悪い予感は的中、どころか恐らく邪推までも一致していると！
「お願い、そんな体で動かないで社長！……誰かって、それはこっちの台詞！」
啖呵を切って仮面越しの顔を睨むが、返されたのは銃口。
黒髪が引鉄に手を掛けようとしたのを大男が動作で制した。

どうやら追撃はないらしい、壁へじりじり下がっていく2人組の元へと入り込み攻撃を加えようとして。



「今更庇おうとして何になる？」


予測していた通りの声に、手が止まる。


「ここでお前がどう動こうと、全て無駄だということくらい分かっているだろう。……諦めて今まで通り愚鈍でいろ、ヒョウ太」




息を止めて立ち尽くすおれの前で、知った能力、回転扉の奥へと二つの影は消えていった。

[85 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 11:52:26]

ふら、と立ちくらみを覚えてよろめいた。

あの男が──ブルーノが言う通り、襲撃者の正体を知ったとして、最初から分かっていたとして、出来ることは何もない。言ってしまえば殺される、おれはいいとして伝えた人間が！守ることだって、稼働寿命などあと一ヶ月もないおれには出来やしない。……何も、出来ない。



（ルッチ、急がなきゃ！）
「……ああ、悩んでる場合じゃねェ」
意識の片割れに背を叩かれてはっと思考を現実へと戻す。無力感に苛まれそうな気を頭を振って飛ばし、気絶した社長を腕に抱く。
……大丈夫だ、まだ息はある。割ったガラス窓から、最寄りの病院へと全速力で駆けた。

[86 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 11:58:04]

超人ゆえの身体能力でダイナミック窓から訪問した結果が決定的犯行現場目撃ですか…盛り上がって来たな！

[87 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 12:05:25]

そうか……寿命もう1ヶ月のないのか………

[88 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 12:21:50]

暗い病院で眠っていた医者を叩き起し、全方位に警戒を広げながら寝ずに迎えた早朝。

ただの病院では安全面が心許ないと犯行現場となった本社へと舞い戻れば、職長の三人がそわそわとおれ達を待っていた。
「アイスバーグさんの容態は！？」
「ルルさん！……まだ意識は戻ってないけど、命に別状はないって」
「お前さんも、怪我はないか！」
「ぼくはなんにも、カクさん」
「襲撃のことは聞いている、お前がいてくれて助かったッポー」
「ん、兄さん」

……この場には敵の方が多い。白々しく心配してくる約2名に向ける視線が冷たくなりそうなのを悟られないように抑え込んだ。

[89 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 13:48:53]

「襲撃者は見たのか？」
「うん、仮面の男と黒髪の女性の2人組。ぼくにはどっちも、見覚えはなかったけど」
あやふやな特徴のみを伝えれば、刺すような二対の視線がほんの少しだけぬるまった。……この期に及んで言うはずもないことぐらい分かっているだろうに。例えここで話したとしてもルルが口封じされるだけだ。

「そうか……その情報は取り敢えずガレーラ内だけでも回しておこうかの。アイスバーグさんに犯人の心当たりがあればいいんじゃが」
裏を知らなければ心底心配そうなカクが手配をする。ガレーラ内のみというのは黒髪の女性へ私刑が向かないようにする為だろう。ガレーラの職人ならばもし万が一暴走しても抑えることが出来る。

[90 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 13:57:14]

カリファと兄が治療中の部屋へと入っていく。不安はあるが、この場で事を起こすような大胆さはないはずだ。
「鑑識が言うにゃ……社内のどこの鍵も開けられた形跡はないそうだ。割れた窓ガラスもヒョウ太が入った時のもの、それ以外はヒビの一つもない」
廊下に置かれた椅子に腰掛け、腕を組んで整理をするルルの話を黙って聞く。所謂密室となるが、反則ともいえるほどの悪魔の実の能力があれば簡単に作れる状況である。

「入れるハズのない部屋で起きた事件。──現場で見つかったのはどこにでもありそうな仮面が一つ……」


全て分かっているのに、何も言うことが出来ない。己の不義理さに身を固くした。

[91 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 14:07:13]

性格は冷徹寄りでも自身の「正義」的にも気質的にも把握している情報をズバズバ言えないのはストレスたまりそうだな

[92 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 14:33:12]

喧しい足音を立てて、身だしなみもそぞろに慌てた様子の金髪が向かってくる。
「アイスバーグさんは！！」
「静かに！パウリーさん、社長は大丈夫だから。命に別状はないよ」
食って掛るような勢いを留め、言い聞かせるように声を潜めた。悪ィ、と謝りながらも動揺は収まる気配を見せない。


パウリーも含め改めて情報共有をしている最中、かつりかつりとヒールの音が床に響く。
「皆さん、静かに……部屋に入ってください」
「え……じゃあ」
ぐす、と頬と鼻を赤くして、涙目のまま襲撃犯の仲間は安心した声色で言う。
「アイスバーグさんがたった今、意識を取り戻しました」
「よかった！！」

[93 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 14:41:58]

全てに気が付いているのに何も出来ないのはもどかしいな…

[94 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 15:00:59]

「アイスバーグさんっ！！」
ガチャりドアを開けていの一番にパウリーが声を掛けた。幾分か心の揺れも収まったらしい、ようやく口角を上げている。
「……ああ、ンマー……心配かけた」
白いシーツに同化しているネズミがチュー、と鳴く。昨日会ったばかりの飼い主に懐いた小動物もまた心配しているようだ。
「とにかく命があってよかったぜ、ゆっくりお休みんなって！造船所のことはおれ達で何とかしますんで！」
パウリーは安心させるようにニカリと笑みを浮かべてベッド横の椅子に座り込む。
「んん……ところで昨夜。おれの部屋に侵入してきた犯人だが……」
銃創が痛むのだろう、訥々と話す社長は見たこともないほどの厳しい顔をしていた。
「ああ、それならヒョウ太が……仮面の大男と黒髪の女でしょう？」
「そいつらだ……男の方は分からなかったが、黒髪で長身の女の方。あの鋭い瞳は恐らく」


「『ニコ・ロビン』」

やはり、か。

[95 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 15:26:35]

「──じゃあ犯人はあいつらじゃという事になるのう……」

「なんだってんだ、船がもう直らねェ事の腹いせか……！？」

成程、こういう誘導か。海賊というものは得てして野蛮な奴等、襲撃犯に仕立てあげたとしても違和感を覚える者はそういないのだから。

タイルストンが叫びながら現れ、麦わらとフランキーの起こしている騒動を伝えれば、職長たちは捕まえにと騒がしく部屋を出ていった。

……しかし、この構図にはどこか既視感がある。あのゲームセンターでそうだったように、麦わらはおれ達に冤罪を吹っ掛けられる運命でもあるようだ。

アイスバーグさんは

1.聞いた

2.聞いてない

dice1d2=2 (2)

[96 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 15:39:45]

行動

1.アイスバーグさんの護衛

2.麦わらを見に行く

3.ニコ・ロビンを探す

4.安価

dice1d4=1 (1)

[97 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 16:30:41]

ガラスの割れる音、それを切欠としてにわかに騒ぎ出す社内。わざわざ警戒を敷いた職人だらけの本社へ突入してくる輩がいる、ということだろう。昨日から非日常ばかりだ。
「申し訳ありません……外が騒がしくて」
「ンマー……何だ」
「麦わらのルフィがこの屋敷へ侵入したと」
……白昼堂々がすぎる。犯人だと濡れ衣を着せられている状態でそれを本物にしようとするんじゃない、バカなのか？いやバカだったか。
「捕まえにいきましょーか、ぼく」
「いやいい。……カリファ、頼みが」


その『頼み』の内容を聞いて、カリファと共に驚く。が、同時に納得もする。その聞きたいことを麦わらが知っているのかどうかは、ともかくとして。
「ぼくも部屋の中、いていい？」
「……ンマー、構わない」

[98 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 17:21:41]

「ンマー……おれに用だろう、海賊小僧」
「そうだ、助かった……呼んでくれて」
逃走者を呼び込んでバタン、と閉じるドア。外からはカリファの遠ざける声がする。

「この混雑の中わざわざ1人でおれを殺しには来るまい」
「おれは本当の話を聞きに来たんだ！」
心外だと言わんばかりに口を広げて麦わらが叫ぶ。実際、殺意など欠片も見えず、そこにあるのは困惑と心配だ。
「昨夜おれはニコ・ロビンをこの目で見た……！そこのヒョウ太も一緒にだ」
細められた目がこちらに向いて、おれはこくりと頷く。学園では中学一年生、こちらは二十八歳と歳も離れ容姿も随分大人びたものであったが……十中八九、あれはニコ・ロビンだ。
「これが事実だ」
「それは本当にロビンだったのか！？」
「口を開くな。お前の言葉にゃあもう力はない」
がしゃん、と鉄が起こる音。……震える手が、一丁の拳銃を持ち銃口を麦わらへと向けた音だ。
「！社長！？」
思わず驚きが口から溢れたおれを目だけで制し、ガレーラカンパニーの社長は真っ直ぐに『ニコ・ロビン』の船長を見据える。

「……お前をここへ招いたのは、一つ頼みがあるからだ」

[99 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 17:43:00]

震える腕の先にあっても、銃口は一直線にブレず伸ばされている。


「今からもう一度、ニコ・ロビンに会わせろ」


汗の浮かんだ顔で、冤罪人は少しの沈黙の後口を開く。
「…………そりゃ……無理だ、ロビンの居場所がわからねェ……」



銃声。

[100 ◆BtOeeshqkE 23/06/03(土) 17:43:29]

1.追う

2.追わない

dice1d2=1 (1)

[101 二次元好きの匿名さん 23/06/03(土) 18:05:14]

緊迫した雰囲気良いな…アイスバーグさんもルフィも長って感じがして好き 追って認識の修正をしたいのか

ヒョウ太が（そういえばおれたちも冤罪捏造したな…）してるの自覚してて面白い 校則違反の不良に正義執行するためだからな仕方ないな

[102 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 00:32:40]

ヒョウ太がいることがどう影響してくるのか楽しみ…だけどヒョウ太にも時間がないんだよな

[103 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 01:50:08]

「……もしかして話せたの？アイスバーグさんと」
屋根上に座り込んだナミが、飛び帰ってきた己の船長へと問い掛ける。それにこくりと頷いて、麦わら帽子が彼の顔に影を作った。
「本当にロビンを見たって……」
「そんな！どうしてロビンがそんなこと……！」
それは麦わらの一味皆の総意だろう。丸い目を険しい表情に歪め、ルフィは言葉を放つ。
「おれは……信じねェ！！」

その後ろから足音一つなく、脳天気な声が。
「どひゃァ〜〜！びっくりしたなァ、社長が人撃ったとこなんて初めて見た！」


「……ん？」
「ん？どしたの」


「……っきゃああああ！？船大工！！」
「おま、お前マスクのやつ！！さっきの部屋から付いてきてたのか！？」
「だァからぼくはヒョウ太だって！……しー、静かに。ここにいるのがバレちゃうよ！」
静かに這い寄った少年が人差し指を唇の前に添えれば、2人はバッと口を押さえた。

[104 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 02:11:22]

「ええと、ヒョウ太くん？は攻撃仕掛けてこないの……？」
「あれ、追っかけてほしかった？」
「まさか！」
オレンジ髪は焦ったようにぶんぶんと首を振る。元より無駄だと分かっていることに労力を割く気は無い。
「ま、ぼくは君らが襲撃犯の仲間だとは思ってないからね〜！」
「そうなのか！？……でも、お前もロビンを見たって！やっぱり別のやつだったのか！？」
頭に浮かんだ希望的観測をそのまま口に出す麦わら。そればかりは首を振って否定する。
「いや？夜に見たあの人は、ほぼ間違いなく『ニコ・ロビン』その人だろうけど。でも君らはロビンさんとは会えないまんま、その上停まってた岬での昨夜の爆発……つまりは船でのゴタゴタが増えたと見た！」
「「！！」」
何故知っている、とでも言いたげな顔が並ぶ。確証もないカマ掛け程度のものだったが、どうやらその通りだったらしい。
「ぬはは〜っ！そんな状況で暗殺にまで手ェ伸ばしてシラ切るだなんて、いくら腹芸が上手くたってムリムリ！」
沈痛な面持ちを空気も読まずに笑い飛ばす。今の彼らに絡むにはこのくらいが丁度いいだろう。

[105 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 02:22:12]

もとの世界でのこともあってか幾らか一味の扱いを分かっている生徒会長流石です…！！
飄々とした演技とキレる推理もあってか面白くなってきたぞ〜

[106 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 02:26:30]

まだ展開は読めないが今のところヒョウ太はガレーラと麦わら側と考えていいか…？今後の展開次第ではどうなるかわからないが………

こうしてみると味方側になったヒョウ太って頼もしいな ロブルッチのスペックと現代の倫理観を併せ持った万能秩序生徒会長　つよい　そんな我らが生徒会長これから曇りまくること確定なの　つらい

[107 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 07:40:28]

コロしが許可される事はない暴力だけでは押せない平和な世界だからこそ正義側であるために理屈や法律、決まりに乗っ取って合法な手段や搦め手への理解と経験が強化されてそうなの良い
つまり力では解決できない状況に対応するためにコミュ力が異様なぐらい鍛えられているの好き

[108 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 11:45:34]

「っじゃあ、あなたからここの住民に言ってくれない！？私達は犯人じゃないって！」
ばん、と屋根に手を付いてオレンジ髪が身を乗り出す。が、おれには断らざるを得ない。
「それは難しいかなァ〜。ぼくは一市民の雑用、あっちは島の市長でガレーラの社長、どっちの言い分を信じるかなんて分かりきったことでしょ？」
「……そうね」
その理論には何も言い返せはしないようで、張っていた肩を落とした。

「マスクのやつ！敵じゃねェならなんでくっ付いてきたんだ？」
「ヒョウ太、ね。なんでって言われると……そうだなァ、君らならこの状況を打破できると思ったから」
目の前の男は懸賞金一億が掛けられた首の持ち主、そしてそれに相応しい力だって持ち合わせていることは分かっている。

[109 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 11:51:53]

おれ一人ではあの自称兄をどうにも出来ず、その上あちら側の人数を鑑みれば不利は明らか、抑え込まれるのが関の山。けれどこの海賊達を味方に付けることが出来たのなら、ガレーラの救命や、それ以上のことが可能になるかもしれない。


それに。
運命なんざ信じちゃいない、が。


このウォーターセブンで『ロブ・ルッチ』を倒せる可能性がある存在は『モンキー・D・ルフィ』だ。
……あの時が、そうだったように。


「……ぼくとしちゃあ、ガレーラ内にいた方が自由に動けない訳。だから同行させてくれない？力なら貸せるから、さ」

[110 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 12:21:38]

「何追われてんのよあんたは！」
「仕方ねェだろ！顔は割れてんだ、見つからねえ方がおかしい！！」
「もう逃げきれないぞォ！！」
指名手配の掛かった3人組を──最初は緑頭のみを追っていたのが、いつの間にか2人増えていた──好都合とばかりにまとめて捕縛しようと、武器を持った群衆が土煙を上げながら走り追う。

「そこを曲がった！！」
曲がり角の先、石橋の上に尻もちをついた少年がいた。軽く頭を押さえる見知った顔に、追跡も忘れて焦ったように駆け寄る。
「いってて……」
「オイ大丈夫か！？怪我は！？」
その少年はウォーターセブンではそれなりに知られたガレーラの雑用係だ、愛嬌を滲ませた顔が愛想笑いを作る。
「だいじょーぶ、ぼくはちょっとぶつかって転んだだけ……さっきの、多分手配されてる麦わらだと思う！あっちの方走ってったよ！」
伸ばされた腕に掴まって立ち上がりぱんぱんと服をはたく様子に問題は無いと判断したのだろう、一斉に指を差した方向へと足を向ける。
「そうか！分かった、ありがとう！！」



周囲に誰の気配も無くなったことを確認し、ヒョウ太は橋の下を覗き込む。そこには手足を伸ばして必死な顔で引っ付いた麦わらがいた。
「もういいよ、上がって上がって！」
「おう！助かったー！」
しゅる、と器用に上に乗っていた2人ごと橋の上に飛び上がった船長とヒョウ太を交互に見ながら、先程はいなかった緑頭が怪訝そうに呟く。
「……コイツ、船大工ン所の雑用だろ？一体どういう」
「まァ利害の一致ってやつ？敵対する理由ないからね！」

[111 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 12:58:59]

日頃の根回しと人望を活用した演技派による優秀な誘導 実力を認めているの好き、原作で殴り合っている時に「ボスの器」とルッチが賛辞送っていたの思い出す

[112 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 13:07:05]

石畳に響いたカツンと硬く人のものでは無い足音に、ぴくりと耳が動く。そちらを見れば、淡く赤い帽子の船員が。

「いたーっルフィ！みんな！」

「チョッパー！」

ぶんぶんと手を振り再会にほっと胸を撫で下ろす動物系に、麦わらが手を振り返す。

「お前よくここがわかったなー」

「においで……ってそっちは昨日の？」

「ヒョウ太だよ〜！君こそ、船にいた……」

1.トナカイ

2.タヌキ

3.ゴリラ

dice1d3=2 (2)

[113 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 13:09:29]

「……ええと、タヌキ？」
「おれはトナカイだっ！！」

ちんまりとした体躯でぽこぽこと怒る姿は、どう見たって四足歩行のものではないと思うのだけれど。

[114 ◆BtOeeshqkE 23/06/04(日) 13:43:26]

平らな屋根へと上がり、一息ついたところで小動物からの話が始まる。……この事件のキーパーソン、ニコ・ロビンの話だ。


曰く『もうこの一味には戻らない』と。

「本当に言ったのか！？ロビンがそんなこと！！！」
信じられない……否、信じたくないと訴えるような声色の慟哭が響く。顔に影を落としたトナカイは無言でこく、と頷いた。

沈黙が場を支配する中、海賊狩りが刀の鞘をカツン、と屋根に叩き付け注目を促す。

「全員覚悟はあったハズだ。仮にも……敵として現れたロビンを船に乗せた。それが急に怖くなって逃げ出したんじゃ締まらねェ」

麦わらの結成は知らない、どうでもいい。
クラスメイトだったから仲良くしましょう、なんて切っ掛けがある筈もない海賊の世界で、仲間として船に乗るにはそれぞれの思いがあるのだろうが。


「落とし前つける時が来たんじゃねェのか？……あの女は、"敵"か、"仲間"か」


彼らは今こそ、その思いにケジメを付けるときなのだろう。

[115 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 13:50:55]

探偵並みの思考力があるのにチョッパーはタヌキ判定なの草

[116 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 14:13:58]

某ネコ型ロボットに対するお約束みたいなボケかましてるの好き トナカイだと断定してやれ

[117 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 14:44:14]

どうでもいい、のスタンスの生徒会長ブレなくていいな

[118 二次元好きの匿名さん 23/06/04(日) 16:04:19]

異世界軸とはいえ押し入る形で協力を取り付けたルッチが麦わらの一味結成以来最大の危機の内輪揉めに居合わせてる構図が控えめに言って面白過ぎる

[119 二次元好きの匿名さん 23/06/05(月) 00:02:55]

>ちんまりとした体躯でぽこぽこと怒る姿

擬音が可愛くて好きなんだよな

[120 ◆BtOeeshqkE 23/06/05(月) 00:51:51]

浮かぶ雲に仄かな橙色が映る下、アクア・ラグナの前兆に荒ぶ風に吹かれながらの話し合いは続く。
「今日限りでもう会うことはねェってんだから、今日中に何かまた事態を悪化させる様なことをするって宣言してる様にも聞こえる」
胡座をかいたまま、緑頭は厳しい目を続ける。それに頷いて、続く言葉を引き継いだ。
「市長暗殺未遂なんて、もう十分騒ぎになってる事件だけど。……それが悪化するってなったら、考えられるのは一つってわけね」

ごく、とオレンジ髪が息を飲み、皆の思うそれを代弁する。


「今度こそ、市長暗殺」

[121 二次元好きの匿名さん 23/06/05(月) 09:58:46]

ウォーターセブンで麦わらの一味に同行をお願いするルッチ
とかいう無茶苦茶な事実が面白い　これからどうなるんだろうな…

[122 二次元好きの匿名さん 23/06/05(月) 20:14:30]

ほしゅ
これからの展開楽しみよ

[123 ◆BtOeeshqkE 23/06/05(月) 20:37:22]

「事が起こるとすりゃ今夜だ。……現場へは？」
「行く」
即答だった。麦わら帽子の下の決意は固く、揺らがない。


海賊共が真剣な表情で話し合っている『仮面を被った誰か』……潜入している奴等とニコ・ロビンという女が仲間かどうかは、おれにとって問題ではない。考えたいのはガレーラがどれだけの被害を被ることになるか、そしてどうすればその被害を最小限に抑えられるかだ。……このままでは間違いなく社長は殺される。死人が出るのは、何があっても阻止したい。


一味の中で話は纏まったらしい。
「じゃあ、行こう」

船長の掛け声で3人と1匹は立ち上がり、本社の方向へと歩を向ける。

それについて行こうとしたところで。


「ところで雑用」


刺々しい眼光が振り向きざまにおれを刺した。

[124 ◆BtOeeshqkE 23/06/05(月) 20:52:21]

ただびとであれば硬直してしまいそうな程に恐ろしげな爛々と光る獣のような瞳に見据えられる。

「てめェは何が目的なんだ、一体何をどれだけ知ってる？」

「……ぼく？」

首を傾げて自分を指差せば、顰めっ面は更に深まった。少し白々しかっただろうか。

「何って……ぼくはガレーラを守りたいの。それ以外にはなんにもないよ」

今のおれの行動原理は真実、それだけだ。素など出してはいないというのに酷く情の湧いてしまったこの居場所を、せめて去るその時までは守りたいだけ。

「ヘェ？ガレーラを守るっつー割には本社で護衛するでもなし。わざわざ海賊と組むなんざ、何か他に目的でもねェと有り得ねえだろ」

「ちょっとゾロ……！」

「信じられるほど面識のある同行者じゃねェ。利害の一つ一つ、キッチリ把握しなきゃあロビンのことに集中出来ねェだろうが」

諌めるようなオレンジ髪の声を野獣のような目をした男は跳ね除ける。……警戒心も野生動物の如き此奴は、すぐグループに入り込めた学園の同じ顔とは随分と違う。

……言うべきだろうか。何を、どこまで？

1.仮面の人物が政府の人間であるという推測

2.↑を確定、ガレーラに内通者がいること

3.+内通者が誰か

4.言わない

dice1d4=1 (1)

[125 二次元好きの匿名さん 23/06/05(月) 21:04:46]

情報を小出しで伝えるの好き
人命を守る、自分だけでは打破するための力が足りねェから強さに関して一定の信用があるルフィら一味に共闘を持ちかけたい、後帰りたい
どこからどこまでも偽りのない信念なのに疑われても困るよなァ？猫被りまくりの演技中外面？？それはそうなんですが…

[126 ◆BtOeeshqkE 23/06/05(月) 21:13:16]

「知ってることは……確かに、あるよ」

顔から笑みを消し、真実味を滲ませて。
「信じ込まないでね？これは仮説。全部話してると長くなるから結論だけ。ぼくはその仮面の奴の所属を……何となく、察してる。それがどれだけ厄介で面倒で、強大であるのかってことも、っとわ！？」
がし、と。
言葉の途中で前方から伸びてきた手に肩を掴まれる。驚きの含まれた睨みに、さもバツが悪く見えるように目を逸らした。
「お前ェ、ソイツらの正体知ってたのか！？なんで言わなかったんだ！」
「……ごめんって、麦わらさん。ホラあくまで推測だからさァ〜〜、あんまり言いたくなくって！さっきも海賊狩りさん言ってたでしょ？」
もしも真相が違ったとき、判断が鈍るかもしれない。理論の繰り返しを理解して、手が離れていく。


「……で、その正体ってのは？」
「世界政府だよ」


ぴん、と場の空気が一瞬にして張り詰める。



「……ロビンと、政府が、一緒に……？」
呆然と呟かれた言葉は誰のものだったか。

[127 ◆BtOeeshqkE 23/06/05(月) 21:29:41]

「推測でしかないことだけど。コレ言ったらガレーラに行くの止めようだなんて言い出さないかってのも不安でさ」
なんせ世界政府はこの世界で何よりも強靭で、権力を有した組織だ。それに本格的に付け狙われることになるのだと思えば、まともな人間であれば裏切った仲間1人の為に喧嘩を売るようなことはしないのが普通。

「何言ってんだ、止めるわけねェだろ？」
「……マジに？」
だから、本当に訳が分からないという調子で眉をへの字に曲げた麦わらに、驚かなかったと言えば嘘になる。世界を敵に回すのと同義、イカれているのか？それを想定内だ、と苦笑いであったり凶悪な笑みであったりで受け入れる仲間達も大概、イカれている。
「あー、コイツはこういう奴だから……ま、それにそもそも私達はお尋ね者！今更政府が何よ！」
「そうだぞ！政府が怖くっちゃ海賊なんてやれないんだからな！……それにしても、政府に……ロビン、大丈夫かな……」
「問題は20年間逃げ回ってきたロビンが何で政府に捕まって、あまつさえ協力までしてンのか、だが」

ぱしり、と握り拳を掌にぶつけ、海賊船長は宣言する。


「それは本人に聞く！行くぞ！」



全員、肝も覚悟も据わっている。
どうやら想定よりも随分と頼もしい奴等らしい。もう少し情報を出しても良かったのではないかと少しばかり脳裏を過ぎったが……まァ、いいだろう。

[128 二次元好きの匿名さん 23/06/05(月) 21:44:22]

今まで可愛いこぶりっ子白々演技が通用してたけど修羅場潜り抜け続けたこの麦わらの一味には通じづらいに決まってる
ゾロに疑われるヒョウ太良いね　その疑いは間違ってないんだが目の前にいるこの子はこう見えて真っ当にガレーラのこと心配で動いてるんだよ　信じられねェよな　
にしてもヒョウ太情報の引き出しが上手い　疑われつつも一応信頼を獲得出来たの流石話術EXの万能生徒会長　
これからのストーリーが楽しみでしょうがない…
原作沿いのままヒョウ太を動かすの大変だと思うけどメチャクチャ読み応えある…！！　W7編を同時に読み返して違いにフムフムしてる　

[129 二次元好きの匿名さん 23/06/05(月) 22:50:38]

あの性格と時に独断敢行するとはいえ一応組織人ではあるからな…調査を深めるほどに世界政府の巨大さがすぐ理解出来るだろうし（イカれてんのかこの海賊共…？）となってそう、そのイカれ具合に賭けてるんだけどな！
原作が「こんな街には名残惜しむ情もねェ…」と言い捨てるのと対比して（守りたいと思う程度には情がある）となるの地味に感慨深い

[130 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 08:48:02]

ガレーラカンパニー本社を見渡せる木の上に陣取り、屋根上にまで広がった包囲網を見渡す。人数は百人単位、並の海賊であれば打ち倒せるだろうが……それだけいてもカリファ1人にも勝てはしないと、おれには確証をもって言える。
「どうだチョッパー、何か動きはありそうか？」
「今のところは何もねェ。だけど、みんな武器持ってて強そうだぞ」
緑頭の問い掛けに、双眼鏡を抱えた小動物が毛皮に汗を滲ませながら呟く。
「そりゃそうでしょ、海賊だってねじ伏せちゃうのよここの船大工達は」
「ああ、こりゃあヘタに突っ込んだら大変なことになるぞ！！」
一見正論のその言葉にオレンジ髪がよろり、と大袈裟に項垂れた。それもそうだ、昼間に単独突っ込んだ人間が言っていいことではない。
「どの口がそんなこと言うのかしら……」

[131 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 08:48:59]

「……ところでヒョウ太くん、その被り物、なに？」
怪訝そうに指を差され、顔を覆う覆面に触れる。以前買ってバッグに放り込んでいた祭りの被り物だ。
「ン、これ？いやァガレーラには顔知られてるからね〜〜！知り合いが海賊と一緒に攻めてきてなぎ倒してきたらビックリしちゃうでしょみんな」
「なぎ倒すのは確定なのね……」
ガレーラを守りたいって何なのかしら、とぼやくオレンジ髪。怪我程度はいい、そのくらいでへたれるような職人はいない。

おれ1人であれば正面から入っていけば早い話だが、この海賊達と共に行かなければならない状況ではそうはいかない。先行するのも考えたが、どうせ倒さなければ侵入させることは出来ないのだ。ならば人手は多い方が良い。


思考を回していた、その時。


ドォン！！！、と。



「うわーッ！爆発したぞォ！！」
双眼鏡を覗き込んでいたトナカイがその小さな体ごと跳ねる。
「……砲撃、じゃない。爆弾でも仕込まれてたかな」
爆発に乗じて仮面が1人、現れたのを目視する。逃げ回っているところを見ると恐らくは陽動、本命は別の所にあるだろう。

[132 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 08:50:17]

「うわあ……もうだいぶ騒がしいぞ！」
いつ行くのか、と船長を確認しようとして、……隣に先程まであったはずの気配が一つ足りないことに気付く。


「……あれ？ルフィは？」
「「えっ！！？」」


「えェ〜〜……？」
どの口どころの話じゃない。
フリーダム過ぎないか、お前らの船長。

[133 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 09:20:27]

> フリーダム過ぎないか、お前らの船長

主にジャンブラ君（ジャブラ）に引かれながらもヒョウ太の演技の有効さに味を占めて多様している生徒会長には言われたくないすね…

買った覆面が原作ルッチと同じものだったら笑っちゃうな

[134 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 09:42:48]

「ちゃんと考えてから行動しろよ！！アホ船長ーー！！！」

悲鳴のような叫びの後一斉に木から飛び降り、ガレーラの本社へと並んで走る。
「まったくもー！！何であいつはこう……人の助言ってものを聞けないの！？」
「何を今更……」
オレンジ髪が足を止めずに己の船長へ心からの愚痴を飛ばす。今更だとボヤいた緑頭も考えていることは同じだろう。
「でも！今の騒ぎの中にロビンがいるかもしれないんだよな！！おれ達はどうすんだ！？慎重に行かないと……！」
真っ当なトナカイらしい姿で走る仲間に、紅一点は頭だけを横に向けてこくりと頷く。

「だけど、そこがまた考えようによってはラッキーなのよね！ルフィが敵陣に乗り込む場合！……裏へ回ったり横へ回ったりすると思う？」
「そりゃねェ」
「ねェねェ」
即答。
「きっと今頃飛ぶか走るかで真正面から乗り込んで！屋敷に入ったはいいものの、どこへ行っていいかわからず船大工達に追いかけ回されてる頃だと思わない？」
「あァ……思う」
「思う思う」
「でしょ？」
またも即答。信頼がない……いや、逆にこういう良くない方面での信頼があるということだろうか。


「ダメな信頼だなァ！その先読みでさっきのもどうにか出来なかったの？」
「無理ね」
「無理だな」
「あァ無理だ」
「あーもう嫌な三段活用〜〜！頼る人選間違えたかな〜〜！！」

[135 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 11:47:42]

毎度の更新をなんて面白れェんだ…！と噛み締めて読んでる　
ロブルッチが主人公で敵(推定)もロブルッチとかいうルッチづくしの神作品じゃあ…
もうそろそろCP9との邂逅が近いがヒョウ太に辛いことが訪れるのほぼ確みたいなもんだからビクビクしてるぜ！(ほんとはめちゃ楽しみ)

[136 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 19:52:55]

ヒョウ太(ルッチ)が一味とわちゃわちゃしてんのがもう既に最高

[137 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 20:56:51]

ヒョウ太が被ってるの何？

1.ルッチと同じ牛の被り物

2.全く別物

dice1d2=2 (2)

[138 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 21:07:41]

船大工から見ればあの麦わらは主犯、飛び込んでくれば意識はそちらに向かうはずだとオレンジ髪は言う。それに釣られて屋敷正面の警備は手薄になっているはずだ、と。

確かに本社周辺は騒がしくはあるけれど、その類いの喧騒ではないように聞き分けられる。……中々に的外れな予感がするが、どうせ遅かれ早かれ、だ。別段言わなくとも構わんだろう。
「あの塀を飛び越えられそう！」
「よし入るぞ！ルフィに続け！！」

鉄柵をひょいと飛び越え芝生に降り立てば、案の定。



「「「どこが手薄だァー！！！」」」

武器を携えずらりと並んだ船大工達は、きっちりと持ち場に付いていた。

[139 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 21:21:38]

「ロロノア・ゾロだァ！！とうとう姿を現しやがった！！」
「あの女も昼間見たぞ！！」
「被り物した奴もいる！！やっぱり麦わらの一味が襲撃犯で間違いねェ！！」
大工道具と銃弾の嵐から走って逃れながら本社へと突っ切る。飛んでくる怒号の中にはおれの仮面への言及も含まれていた。
「あっはは、ぼくのせいで勘違い補強されちゃったっぽいわ〜！ごめんね！」
「ホントに悪ィと思ってんのかテメェ！！」
顔の前で片手をずびしと立てて軽く頭を下げれば、二刀流で隣を走りながら目を吊り上がらせた緑頭に叱り飛ばされる。実際悪いとは微塵も思っていない。
「くっそォ……！もうこうなっちまっちゃどの道おれ達ァ、現行犯みてェなもんだ！！」
「え！？ちょっとゾロ何すんの！？」
そう言いながら口へと刀を咥え、構えをとる。……そういえば、三刀流だったか。それはどうでもいいにしろ刀は不味い、死傷者が出かねないだろう。前傾姿勢の前へと出て切っ先を遮る。
「タンマタンマ！こういう時の為に同行してんだから、ぼくがやるって〜〜！」
「……やれんのか？」
疑わしげな目線が背中へと突き刺さる。それに振り返らず、ひらひらと手を振った。


「3秒もあればよゆーってね！」
短い草の生えた地面を蹴り飛ばす。
これは戦いではない、掃討だ。

[140 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 21:39:52]

命第一のロブ・ルッチ。
いいなぁ

[141 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 21:42:48]

玄関を守る真正面の船大工達を伸し、空白の道を作る。その道から追い掛けるように麦わらの一味が駆け寄ってきた。その顔に浮かぶのはいっそ呆れすら含まれた驚愕。
「よーし一旦片付いた！とっとと中入るよー！」
「……マジで3秒、かからなかったな」
「ホント、どうなってんのよガレーラ……」


本社の玄関扉を開け、入り口付近に溜まっていた船大工達をなぎ倒す。恐らく侵入騒動でてんやわんやの社内では、多少の騒ぎは気に掛けられない。とっとと倒したのもあるが、追加の人員は来ないようだ。
「多分こっちの道はあんまり人いないはずだよ！ちょっと遠回りにはなるけど……」
「イヤ、戦いは出来るだけ避けた方がいいだろ。こっちだな？」
同意を得、先導して走る。どうしても見張りはいるものの、突っ切るよりは人数は少ない。会う度に軽く伸して進む。



ふと、足音が一つ少ないことに気付いて振り向く。

同時に曲がり角の先からどす、と峰打ちと倒れる音。
「ンだよ、敵多いじゃねえかアイツら消えたしよ」
廊下の先を覗き込めばそうぼやく刀を握った緑頭と、……床に伏した10人単位の船大工達。


「はァ！？ちょわーっ！？そっち真反対！なんで間違ってるのかなァ！？」
「先導してるのにどうやって間違ったの！？奇跡！？」

[142 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 21:46:06]

1.一緒に

2.別行動

dice1d2=1 (1)

[143 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 22:09:40]

「あそこ！あの正面の扉で間違いないわよね！？」
「うん、そう！」
廊下を全速力で走っていれば社長がいるはずの部屋へと着く。扉の前に五つの椅子が並んでいるのは、……きっと職長用のものだったのだろう。幾つか、血に濡れているけれど。
「人がいっぱい倒れてるぞ！！」
その言葉に俯けば否応なしに目に入る男達の中には、小賢しいことに自称兄とカクに似せた者までいる始末。

「……息は、良かった、皆あるみたい！よーしそこの部屋突っ込んじゃって！」
「さァ！前行きなさい前っ！扉斬って突進よ！！」
「おれに命令すんな！！」
怒声を飛ばしながらも海賊狩りは二本の刀を抜き放ち、走る速度をそのままに扉を斬り開ける。


そこには。

[144 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 22:12:23]

「ロビンはどこだァ！！！」
「ルフィ！！」
横の壁から同時に突入してきた麦わら、パウリーと。


「麦わら……パウリー……！！」
「アイスバーグさん……！！？」
血を流して倒れ伏す社長と。



「邪魔を。……まァ、手間が省けたか」

おれを真暗の目で見据える、自称兄がいた。



被り物を外し、傍へと捨てる。フン、と不機嫌そうにシルクハットは鼻を鳴らした。

「その手間って、ぼくのこと？兄さん」
「そうだな、探す手間。……今までどこにいたかと思えば、海賊共と一緒だったか」

[145 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 22:18:07]

あぁ…ついにどっち側に立つのか決める時がきてしまった…!

[146 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 22:32:24]

「は、ァ……一体、何がどうなってるんですか！！」
「……パウリーてめェ、なぜ逃げねェ！！」
己を逃がそうとする社長の声を無視し、ぼろぼろの金髪は更に詰る。
「フー……、フー……、何なんですか！！まるで、こいつらがあなたの命を狙った犯人みてェに！！」
みたいに、ではない。事実そうなのだ。半壊した部屋にはパウリーの号哭だけが響き、犯人達は何も言おうとはしない。

「おい！カリファ！！ブルーノ！！カク！！ルッチ！！冗談やめろよてめェら！！！」

それがタチの悪い冗談などではないことは、きっとパウリーにだって分かっている。


「パウリー」

温度のない声。パウリーにとって、初めて聞く肉声。

「実はおれ達は政府の諜報部員だ。まァ謝ったら許してくれるよな……？」


躊躇なく開く口が紡ぐのは、どこかで聞いたことのあるような裏切りの言葉。……この男は本当に、嫌な場面でおれと同一人物なのだと思い知らせてくる。

[147 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 22:47:23]

「共に日々……船造りに明け暮れた仲間だ、おれ達は。突然で信じられねェならアイスバーグの顔でも踏んでみせようか……！！」
「……ふざけんな、もう充分だ！！！」
何一つ変わらない表情で、何もかもを踏み躙る。おれにはそれを酷い行為だなんて言えない、黙り続けてきた癖に、生徒会長として同じことをしてきた癖に、それこそどの口が、だ。分かっていたとしても、自分の姿かたちをした人間が友人の姿かたちをした人間を切り捨てるというのは、……見ていて、気分の良いものではないのは確かである。

「畜生……！！てめェ……！！ちゃんと喋れんじゃねェかよ！！バカにしやがって！！！」
「やめろパウリー！！！」


そして演技を続けてきたおれ自身も、彼らを騙していることに変わりはない。……叱られるだろうか、怒鳴られるだろうな。


「パイプ・ヒッチ・ナイブス！！」
懐から伸ばしたロープにナイフの巻き付いた、パウリーの技の中でも殺傷力のある代物。それを向けたということは完全な決別を意味している。それは決意を込めたもの、けれど。


届かない。


「指銃」


政府の諜報員には、そんな小細工など通用しない。

[148 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 22:57:47]

「鉄塊ッ！」

ガキィ！！！、と。

金属同士がぶつかったような音が反響する。奴の指と、おれの腕が衝突した音。

「ヒョウ太！？な、んで」

割り込んだことで後ろに下がったパウリーが、震え声で名前を呼ぶ。それに反応するような心の余裕はない。

「……殺すつもり、だったね？」

「当然だ」

「そうよ、ヒョウ太くんの兄じゃない、あの人！」

「どういうこった！アイツ全部知ってたってのか！？」

「え！？ヒョウ太も襲撃犯の仲間なのか！？……でも今、船大工を庇って！」

やいのやいのと外野が騒ぐ。やかましい、おれどころかここにいる全員の命の懸かった状況だぞ今は。

1.先に殺す

2.ヒョウ太に話

dice1d2=2 (2)

[149 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:06:50]

「……まァ、いい。ちょうどてめェに話があるからな」
「何？どーせろくでもない話だろうけど」
演技を保ったまま眉を顰めて睨み付けるが、どうでもよさげな表情で流される。

「どうせ死ぬか従うかだ。よく聞いておけ」
何かを察したように静まり返った部屋の中で男の声だけが響いて、耳に届いて。




「おれ達と一緒に来い、ヒョウ太。……延命治療の手筈は整っている」
「、は」



理解して、息が、止まった。

[150 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:14:34]

「テメェの設計図は政府に送っておいた。……安心しろ050よ、政府にとって有用ならば生かせというお達しだ」


ざあ、ざあざあと血の巡る音、頭の中で回る赤の音が耳を塞ぐ。脳をぐらりぐらりと茹だらせながら駆け回る血液の音で、何も、聞こえなくなって。


「その舌も……最近は耳もか。あの劇薬なんざに頼らなくとも、そっちもどうにかなるんだとよ」


ただでさえ篭もり始めた鼓膜がおかしくなってしまったように、外の声が頭へと入ってこない。


「おれはなヒョウ太、兄として弟を助けたいだけだ」


目の前の、欺瞞に満ちた兄の言葉以外は。

[151 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:22:00]

はく、と口を動かしても、声帯が震えない。喉を片手で押さえて、無理やり声を絞り出す。


「うそだ」
「嘘じゃねェ」

「なんで、いまさら」
「今以上にいいタイミングはねェだろ？」




「もう、おれたち、きめてたのに」
「今決め直せ。死ぬか、生きるか」


ここで頷けば、もっと、生き長らえることができる？

[152 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:23:03]

1.拒否する

2.受け入れる

3.安価

dice1d3=3 (3)

[153 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:23:58]

>>154〜>>160

まで多数決

[154 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:28:34]

拒否して欲しい

[155 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:29:07]

地獄みたいな選択肢を読者に迫る鬼畜ダイス神の鑑
受け入れる

[156 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:29:56]

受け入れる

[157 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:30:57]

拒否する

[158 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:32:01]

受け入れて欲しい
ヒョウ太がと言うよりも050に師匠たちと再会させてあげたい

[159 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:32:17]

拒否で

[160 二次元好きの匿名さん 23/06/06(火) 23:32:31]

拒否かなあ……

[161 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:37:36]

覚悟

dice1d100=7 (7)

[162 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:48:15]

「ふざ、けるなよ」
頭を押さえて、ぐらりと揺れて。

[163 ◆BtOeeshqkE 23/06/06(火) 23:55:23]

（ルッチ）
「ゆ、らぐに、決まってるだろ、そんなの。確かに決めた、あっちにいくと、帰ると、そう決めた、でも！！」

（ルッチ！）
「……でも、生を望んで何が悪い？クローンが人間の為に死ななけりゃいけねェ道理がどこにある！？」

（待って、ルッチ！！）
「人造物にはそんなの要らないって？ふざけるなよ050！お前はここに確かに生きてるのに、なんで打ち捨てられなきゃならねェんだよ！！」


（ダメ、ダメだよルッチ！おれが死ななきゃ、お前は帰れないのに！）

──そんな事実があるせいで、どれだけ明るく生きようとも希死念慮に絡めとられている片割れに。それが正しいのだと信じているクローンに諭されて。


「……分かってる。分かってるから、050……」

[164 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 00:51:17]

治療…？嘘を吐けてめェ‼︎と言いたくなるが原作ルッチの事だからそういう所本当なんだろうなという確信がある見事なタイミングで揺さぶるじゃん…覚悟を嘲笑うように勧誘してくる自称兄最高
原作軸の横暴さに規模は異なれど似たような事してきたかと学園軸が少々ショック受けてるの好き とはいえこの規模（大義名分）の差はデカいと思うわ、世界規模と市内規模、許されている手段（殺人と病院送り）「正義」を掲げたらいくらでも人は残酷になれるからな…学園軸ぐらいの規模ならまだマシよ

[165 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 01:20:29]

自分は050が味覚を取り戻して幸福になる展開を望んでるんだけどその代わり目の前で見捨てなきゃいけない事実が辛過ぎる　ただあまりにも今までの描写で自分が死ぬべきものって当たり前のように言ってるのが辛過ぎてさぁ……
裏切って欲しくないし本人達も裏切りたくはないんだろうけどそれと同時に裏切っても良いから救われて欲しい自分が居る………… あとこれ明らかに独り言にしてはおかしいから自分の中に050の人格がいること気が付かれない…？大丈夫…？

[166 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 01:43:55]

>>165

"もう、おれたち、きめてたのに"

少なくとも（クローンの050二重人格患ってやがるな…）とは思われてるだろうな、実際はクローン050の魂と異世界の魂が同居しているという何言ってんだてめェ？だから信じられないだろうが

これ事情知ってても同様だが客観的に見たら命掛けて庇っている14歳の少年を28歳の兄が延命を盾にして裏切れと脅してきていて、少年は断る覚悟（1桁）を見せるものの酷く動揺している構図なんだよな…外道過ぎて草も生えない大好き これ周囲の雰囲気ヤバいだろアイスバーグさんとパウリーは怒っていけ

[167 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 01:57:55]

14歳(と1歳)の子供になんてこと決断させてるんだよ　
子供が自分の命と死なせたくない大切な人達の命を天秤に置かなきゃいけないのヤバすぎエグすぎ　だが覚悟は7なのでルッチの目論見通り見事に動揺しちゃうよな………
裏でヒョウ太が自分たちのことを警戒したところで禁止カード出せばこうなるって予想出来たから弟の対策なんて別にしなくても良くて楽勝か…………
マジで周りの雰囲気どうなってるか気になる　CP9側は事情を知ってたとしてもガレーラや麦わら側はクローン？延命？は？ってなってるだろ…………、ただみんなヒョウ太が追い詰められてるってのは理解してると思うから守ってやってくれ……

いやにしても可哀想過ぎ……もう見てられないよ…(建前)
いいぞもっとやれ(本音)

[168 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 04:49:34]

なんかこっちのロビンもヒョウ太も心の底では生きたいと願いながらもどうすることも出来ないで生まれた時点で与えられてしまった自分の悲劇の運命を受け入れざるおえないってのが…辛い
2人共に生きたいと言えェ！って言いたいけどヒョウ太の方は生きたいと選択したらガレーラのみんなを裏切ることになるしで詰んでる…

[169 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 08:11:45]

以前のスレのチャプターで残り僅かの寿命に対する受け入れ度が（受け入れている。覚悟は出来ていないかもしれないが）という描写があったので今回の覚悟一桁のダイス目はダイス神がフラグ回収を理解していた…と感心している
開示されている経緯だとガレーラの怒りだけではなく一味の特にチョッパー（医者）とナミ（アーロンに長年脅され従っていた）の地雷踏んでそう

[170 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 14:49:27]

>>169

チョッパーはガチギレしそうではある

ホグバックにもそうだったしね

[171 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 15:50:20]

>>170

一般通過天才科学者の話聞いたら一瞬宇宙トナカイで静止して悍ましい所業が脳内に浸透し出した後に大激怒しそう、ダブルッチですら衝撃度がほぼ100だったしなあ

[172 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 19:36:05]

視界すらぶれた世界で、唯一見える黒が首を振る。

「はァ……悲惨だな、記憶捏造の次は精神分裂ときたか。で？どうする」

がらりがらりと空回る思考回路でも、この何処までも底意地の悪い兄面に対して言うべきことは決めた。決めないと、こうしなければ。

「……こと、わる。てめェの思い通りになんざ、なってたまるか……！」

「そうか。不出来な弟を持ったものだ」

眼前に、指が。

「ならば今死ぬといい」

1.050

2.パウリー

dice1d2=2 (2)

[174 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 19:42:34]

「危ねェヒョウ太ッ！」
「な」
後ろからの腕に引き倒されて。

目の前の水色から、赤が散った。



「ッチ、まだ懲りないのか……！？パウリー！！」


「パウ、リー」
正面から血濡れの指が抜かれて、前へと崩れ落ちる体を。おれにはただ見ていることしか出来ずに。

[175 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 19:48:52]

せっかく助けたのに逆に助けられるとかヒョウ太のライフ……

[176 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 19:51:27]

でもパウリーなら「コレで貸し借り無しだな」って言ってくれそう

[177 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 19:52:19]

「何で……何なんだよ、お前ら……！」

「……まァいい、どの道消す命」

誰がどう見たって重体なのに起き上がって、空気を肺から無理に押し出すような呻きを無視して黒い男は水色の肩を掴む。

「まて、ダメだ、やめろオリジナル！！！」

「悲しいが友よ……」

行動出来る？

1.出来る

2.出来ない

dice1d2=2 (2)

[178 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 20:01:20]

ダイス神見事にヒョウ太のメンタル分かってますやん
ヒョウ太ただでさえ延命を盾に脅されてるのに目の前で友人が自分を庇ってトドメを刺される瞬間なんて見ちゃったら本格的に精神ぶっ壊れる　何出来ないよな…

[179 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 20:09:36]

ぐらぐらと揺れる頭では、奴の動きも舞う塵の一つ一つも全てすべて、スローモーションのように遅く見える。
それなのに、どこまでも克明に見えるってのに、明確な殺意をもって貫こうとする凶指を止めることさえ出来ないのは、何故？



だって。

腕に、足に、力が入らない。へたり込んだまま動けない。おれなら助けられる筈なのに、今までだって鍛えて鍛えて、学園にいたときよりもずっと強くなったはずなのに！！

──何で、なんでおれは立ち上がれない？ぼろぼろの背中はすぐ目の前なのに、動かなけりゃ目の前のひとは死んじまうってのに、どうしておれは腕さえも伸ばせない！？

[180 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 20:13:10]

「やめて、くれ」


スーツに包まれた腕が振り上げられるのと。


「ルッチ！！貴様ァ！！！」
社長がそう叫ぶのと。


「やめろお前ェ！！！」
麦わらの足が伸びたのは、同時だった。

[181 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 21:24:48]

そのまま全身黒色の男は防御姿勢へ、そして矢継ぎ早に首へと指銃を放った。死を齎す手が盛大な音を立てて吹き飛んだ麦わらへと向いたことに酷く安心してしまう。今更ようやく動いた両の腕で、ふらふらの金髪を支えた。

「っケハ、ゲホッ！！」
首を押さえて呻く麦わら。ゴム人間でなければどうなっていたかなど想像に難くない。



不意に。

ぎゅい、と麦わらの腕がおれ達を掴み、入り口へと引き寄せる。
「何をしてる、麦わら」
文字通り伸びた救いの手に眉を顰めた男の問い掛けへ、息を切らしながら麦わらが叫んだ。
「お前こいつら殺す気だろ！！ヒョウ太とは兄弟なんだろ！？それに、一緒に船大工やってたんじゃねェのかよ！！」
「……さっきまでな。もう違う」
それを奴は喧しそうに、どうでもよさげに切り捨てる。潜入員は総じて非情であるものだ、今更衝撃も何も無い。けれどそれはおれにとっての話であって、他は違う。

「本当に裏切り者か！！じゃいいよ、とにかくおれはこいつと一緒に！アイスのおっさんを殺そうとしてる奴等をブチのめそうと約束したんだ！！」
「……なぜお前がパウリーたちに味方するんじゃ」
今までだんまりを決め込んでいた長鼻が、小さくとも俄然通る声で呟く。

「おれもお前らに用があるからだよ！！ッおいロビン！」

[182 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 21:39:02]

麦わら達がニコ・ロビンへと叩き付けるような慟哭をがなり立てる後ろ。

腕の中に形だけ庇ったパウリーが身動ぎをする。首をもたげて此方を見上げる顔は、疑心暗鬼と憂愁に染まっていた。
「なァ、どういう事なんだヒョウ太……！」
「……そ、れは」
目が泳ぐ。抱えていた後ろめたさが動揺で隠せなくなって、演技のひとつだってろくに出来ない。
「おれは、……おれ、は。諜報部員のことも、裏切りのことも、全部知ってて、ガレーラのことを裏切ってて」
「ッそうじゃねェ！！」

がくん、と胸倉を掴まれて体勢を崩す。


「延命って、クローンって、死ぬとかなんとか全部！！どういうことなんだよ！？」

[183 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 21:40:35]

やっぱ光だなパウリー
借金と賭け事はするけど

[184 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 22:08:20]

真っ直ぐにおれのことを見据える険しい瞳は、元の世界を含めて見た事がないほどに真剣味を帯びていて。
誤魔化したままでいることも目を逸らしていることも出来ないと、腹を括った。


「……その、まま。そのままの意味だ、全部。この体は『ロブ・ルッチ』の体細胞クローンで、……もうじき、寿命で死ぬ」

ひゅ、と喉の鳴る音が間近で聞こえた。悲愴に歪む顔、おれが歪めてしまった顔。
こうなることが分かっていたから、決して伝えないつもりだったのに。

「なんで、……なんで、言ってくれなかったんだよ」
「……言ったって、どうしようもねェだろ」

[185 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 22:18:47]

次スレたてました

【SS・🎲⚓️あり】服部ヒョウ太は水の都に居る⑩【閲覧注意】｜あにまん掲示板

[186 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 22:26:15]

立てるのちょっと早かったかもしれない
キリが良かったから仕方ない

原作沿いはちゃめちゃに難しすぎる　今までの二次創作で原作沿いのものを完結させられたことがないが今回ばかりは頑張ります

[187 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 22:29:50]

パウリーの優しさがつらい

[188 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 22:54:02]

埋め代わりに呟く
179辺りが書いててどしんどかった　執筆してる最中に辛さとやるせなさで泣きそうになったのは初めてだ……どうしてこんな　どうして

[189 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 22:55:53]

全部ダイス神ってやつが悪いんだ
マジで

[190 二次元好きの匿名さん 23/06/07(水) 22:59:49]

おれは不当な読者
お辛い展開になればなるほどワクワクしてしまってすまない
しかし苦難のうちにこそ輝く魂もあるのだ…そう思ってます
スレ主の文章本当好き
応援してます

[191 ◆BtOeeshqkE 23/06/07(水) 23:01:54]

ありがとう…文章好きって言ってくれるの嬉しい

前のスレでの感想、至言だと思ったんだ

>闇系の登場人物を愛するからこそそれを際立たせるため光の描写を丹念にするのは互いを高め合うために不可欠だと思っている

闇があってこその光、光があってこその闇…光と闇のEndless battle…

[192 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 02:04:40]

スレ終わりなので埋めも兼ねて
毎度の事スレ主の描くお話は光と闇の塩梅がとても上手くてめちゃくちゃ読み応えがあって本当に更新を楽しみにしてる　いつも本当にありがとう　素晴らしいものを読ませて頂いてこちらはこの板で感謝の言葉しか言えないのがもどかしいくらいだ
本当に文章も展開もSUKI……… 大好き　凄い好き
展開が愉悦過ぎて鬱くしい…がそれと同時にパウリーや050などの光を差し込むことで更に息を呑んでしまうんじゃあ……
めちゃくちゃありがとうございます。スレ主が完走出来るまで自分は応援し続けます。ただ毎度の更新のクオリティが高過ぎて勝手に心配ちゃうので、無理のないようにスレ主のペースで、スレ主のやりたいようにやっちゃってください！

[193 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 02:06:44]

とにかくとにかく文体から彼らの心情が伝わってきてマジで読んでて辛くなるんだよな……… こんな辛くてでも読むのが楽しくて止められない作品久しぶりです　文章と台詞が素晴らしくてスレ主の頭の引き出しの多さに恐れ慄いている　　応援してます

[194 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 07:07:53]

自分は不当な読者…原作でのパウリーとルッチの最初から交わって等いなかった仲間未満同士の一般人と諜報部員の問答が好きなんで、痛ましくて胸が引き裂かれるようなパウリーの慟哭と全く悪いと思っていなければアイスバーグさんに"さん"をつけ取り繕う事もせず皮肉を口に出すルッチの本来の姿も気に入っている
カリファとカクは割り切るが哀れむぐらいの優しさはありブルーノは最初から距離をおいていてルッチはなんかつまらねェし早く帰りたかった
ごめんなルフィ…最初からルッチにとって050は気に入っているが暇つぶしの道具でパウリーは潜入先の利用する相手なんだわ

歴史の修正力（原作沿いだと書くの少しは助かりそう）と仲良くしているダイス神くんおもろい スレ主の心を揺らすほどの容赦ない展開大好き
追い詰められても他人それこそ同一存在にすら中指を立てて従わないヒョウ太も「正義」の無力さにやめてくれと懇願することしかできない生徒会長もどちらも良い いつも応援してるから自由に書いてくれ

[195 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 09:00:01]

今更気付いたんだがこのルッチの行動とかルフィの地雷でもあるのか…大事な義兄弟がいるしな、兄弟を踏み躙るような行動とか不快だわな

[196 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 19:44:19]

埋めがてらに白状するとこのスレでルッチに興味出てきた不当な読者なんだ俺
スレ主の文章力のおかげだと思ってる
ありがとう

[197 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 19:47:05]

>>196

おれも埋めがてらなんだけどその1人だ　このスレをきっかけに見事にルッチにハマりついでにワンピース学園も買ってしまった　エッグヘッドが楽しみで仕方がなくて死んじゃいそうなくらいにハマっちゃった

神スレ主に感謝　

ルッチ興味なかったのにバースデーアクスタも缶バッジも買っちゃった

[198 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 19:51:50]

埋め　さしていつも素敵なSSを我々に提供してくれてありがとうスレ主　
光と闇のendless battle… 某羊神が思い浮かんだぜ　　でも例のジャンル履修済みなら納得の神文章と鬱くしい展開や……
完走応援してますスレ主！

[199 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 19:53:11]

クローン鬱展開からのパレードヒューマンドラマ展開からの原作突入鬱展開であったかい風呂と水風呂交互に浴びてるみたいですげ〜〜〜〜〜〜身体が沁みるぜ……………

[200 二次元好きの匿名さん 23/06/08(木) 19:53:53]

>>200ならヒョウ太(ルッチ)と050は幸せな結末を迎える