【ss】ドキメキ魔法で問題解決部!

  • 1Orion23/06/04(日) 13:00:36

    【ss】ドキメキ魔法で問題解決部!  作 Orion


    〜 〜 〜 〜

    〜 〜 〜 〜


    【あらすじ】
    自己肯定感が低く陰キャな女子高生、シフォンは学園をあてもなく放浪中、英語教師のサブレと出会う。

    自分の不甲斐なさに悩めるシフォンにサブレは、自身が顧問を務める秘密の部活「問題解決部」へ招待する。

    それは、渋谷区で起こりうるあらゆる問題を解決する特別な部活であった。

    シフォンは悩みの末、入部を決意。

    彼女の行く先々は、一体どうなってしまうのか…

    〜 〜 〜 〜

    【登場人物】

     シフォン
    高校一年生の女子。陰キャ寄りの性格で弱気な自分を嫌っており、思い悩んでいる。本当は優しい性格なのだが、人付き合いが苦手で友達が多くない。
    容姿は銀色で先端は水色のグラデ、目の色は緑で、傷ひとつなく健康的な体に、姫カットのミディアムロングヘアを持ち、見た目は間違いなく美少女なのだが、おしゃれや化粧に無頓着。

     サブレ
    問題解決部の顧問。27歳。英語担当で情に熱い教師。「うむ」が口癖で、ときに空気が読めないこともあるが、とても優しくて頼りになる。
    容姿は短髪で金に黒メッシュの入った髪、赤いつり目の瞳、やや褐色がかった肌を持つ筋肉質な体格の美青年である。

  • 2Orion23/06/04(日) 13:04:49

    【Prologue 唐突な出会い、そしてわたしは】

    〜 





    わたしには、なんの個性もない。


    わたしには、なんの能力もない。


    なんとなく生きてる、空っぽな人間だ。


    何かを懸命に頑張ったことはない。


    友達も少ないし、人の関わりも滅多にない。


    世の中の人間は誰もわたしを必要としてないし、誰もわたしを愛してない。


    勉強もスポーツも、落第点でなければいい。


    何かを極めるとか、めんどくさいことは嫌いだし。

  • 3Orion23/06/04(日) 13:07:58

    時々、自分の存在価値を疑いそうになった。


    容姿が特別可愛いわけでも、特別何かに秀でているわけでもないわたしって、いったいなんのために生まれたんだろう。


    こんなわたしが消えたところで、何億人の人は変わらないんだし、誰もわたしを望まないなら、わたしなんか生きてるだけ資源の無駄だ。


    このまま、無駄に時間が過ぎていくのかな。


    わたしはずっと、そう思っていた。




    『あの日』までは…

  • 4Orion23/06/04(日) 13:14:53

    〜数週間前 学園の植物園にて



    「うむ、一年生か。すまん、名前を聞いてもいいか?」



    植物園で気持ちよく眠れる場所を探していたのに、なんでこんなところで出会ってしまうんだろうか。

    唐突に話しかけたのは、わたしの学年の英語担当で「うむ」が口癖の教師、サブレだ。

    授業での質問以外で話したことが全くないので、正直ポジティブバカで暑苦しい人という印象しかないんだけど。


    「えっと、シフォンです」

    「シフォンか、覚えておこう。確か2組の子だったな」

    「はい、えっと、先生は何してるんですか?」

    「学園の植物園にいる花たちの様子を見にきたんだ。うむ、今は放課後の部活動の時間だが、君は部活に所属していないのか?」

    「…はい、所属してません」

    「なぜだ?部活は楽しいぞ。部活をきっかけに交友関係もできるしな」

    「…だってわたしが部活に所属して、何ができるっていうんですか。わたしって無能もいいとこだし」

    「うむ、そうやって決めつけて卑下するのは良くないな。そうだ、もしも君が暇なら、俺が顧問を務めている『問題解決部』を見学しに来ないか?」

  • 5Orion23/06/04(日) 13:19:00

    あの時、サブレ先生はきっとわたしのことを思って話しかけてくれたんだろう。


    今思い返せば、あのときのサブレ先生は優しかった。
      

    でも。


    でも、わたしは急に話しかけられたせいで、怖くなって怯えてしまった。


    そして、思わず目を覆いながらダッシュで逃げ出してしまった。


    「あっ、シフォン!」


    わたしはサブレ先生から、無我夢中で走って距離をとった。

    サブレ先生は怪物でもお化けでも宇宙怪獣でもないのに、あのときわたしはサブレさんを怖がってしまった。

    走って走って走って、夢中で走り切った末に疲れでひざに手をついた。

    体力がないので、走るのは得意じゃなかった。

    後ろを振り返り、サブレ先生が遠くに小さく見えるのを確認したあと、安心したわたしは疲れに耐えきれずその場で座りこんだ。

    「ぜぇ…ぜぇ、ぜぇ…なんなのあの先生!」

  • 6Orion23/06/04(日) 13:21:54

    地面にぺたっと座り込んで、わたしは考えた。

    わたしは自分の額に手を当て、自分が汗をぐっしょりとかいていたことに気づいた。

    「あれ、わたし、なんでこんなに走ったんだろ…」


    人間が全力疾走するのは、体育の授業の徒競走か、あるいは何か怖いものから逃げるときぐらいだ。

    当然、今は徒競走の時間じゃない。

    だから、わたしが全力疾走した理由は、「何かから逃げるとき」の方に該当する。




    逃げる…?


    人間が何かから走って逃げるとするならば、そこにはモンスターとかゴーストとか、あと獰猛な肉食獣がいる。

    当たり前のことだけど、サブレさんはモンスターでもゴーストでも肉食獣でもなんでもない、ただの教師だ。


    あれ?じゃあ、わたしはなんで逃げたの?


    わたしは、サブレ先生の心境を考えた。

  • 7Orion23/06/04(日) 13:31:56

    サブレ先生は、悪気があったわけではないはずだ。

    ただ、独りで放浪していたわたしを心配し、声をかけただけなのだ。

    ただ話しかけただけなのに、目の前で猛ダッシュで逃げられたら、きっと嫌われてしまったのかと思うのだろう。

    サブレ先生は滅多に怒らない人だけど、自分がサブレ先生なら絶対に怒るし悲しむ。

    わたしはじっくりと考え、自分がどれだけ失礼で申し訳ないことをしたのかに気づいた。


    いっつもこうだ。

    コミュニケーションや会話が下手なせいで、何人もの人を傷つけてきた。

    多くの人に嫌われ、避けられ、変なやつだと思われた。

    楽しい雰囲気を壊してしまったことも、不適切な発言で不快にさせてしまったことも一度や二度ではない。

    今だって、コミュニケーションができないせいでサブレ先生を傷つけた。

    反省することは何度もあったが、改めることはなかった。


    「これを機に、変わらなきゃ!」

    そして、わたしは気づいた頃には既に方向転換し、今度は猛スピードでサブレ先生のほうに戻ると、頭を下げて大声で言った。


    「あの、さっきは急に逃げ出してごめんなさい!」

  • 8Orion23/06/04(日) 13:38:23

    「あの、さっきのなんとか解決部、見学させて下さい!」

    「うむ、さっきからどうしたんだ君は…」


    サブレ先生は一瞬動揺したが、大人の態度ですぐに気持ちを切り替え、ついてきなさいと言ってどこかへ歩き出した。

    わたしは走った疲れが抜けないまま、その後を追った。





    〜部室にて


    部室は、生徒の減少で潰れた3-6を利用していた。

    見た感じ教室の面影を残してはいるものの、部活のために改造されたと思われる部分も見受けられる。

    机を囲んで何かを話し合っている部員や、絵を描いている部員、パソコンで何か打ち込んでいる部員…



    これ、いったい何をする部活なんだ?

    部員たちはわたしに気づくと、興味深い様子で手を止めてわたしを見た。

    サブレ先生が、わたしをみんなに紹介した。

  • 9Orion23/06/04(日) 13:44:06

    「うむ、こちらは部活動見学に来た一年のシフォンだ」

    「……はじめまして、シフォンっていいます」



    部員のほとんどが、わたしに興味津々だった。

    「うわっ、女の子じゃん!」

    「めっちゃかわいい…」

    「あの子、なんか緊張してるね」


    部員たちが興味津々な様子でわたしに質問したり、話しかけてくる。

    正直、ほっといてほしいんだけど。



    わたしは、部員たちを説得して引き離したあと、思い切ってサブレ先生に尋ねた。

    「あの……サブレ先生。問題解決部ってなんですか?どんな問題を、どうやって解決するんですか?」

    「うむ、うちは少々特殊な部活ゆえ、こればかりは実際に見てもらうのが早いだろう」

    少々特殊な部活?どういうこと?

  • 10Orion23/06/04(日) 14:01:53

    そのとき、部室のドアが開き、誰かが入ってきた。

    「大変だ!渋谷のメインストリートに、また暴走族のやつらが!」

    「うむ、また暴走族か!懲りないやつらめ…分かった。報告に感謝する、タルト!では俺のゴーゴーサブレ号ですぐに現場へ向かおう!」


    入ってきた誰かは、慌てた様子で何かを顧問に報告した。

    サブレ先生と謎の生徒で、意味の分からない会話が展開されている。

    暴走族!?タルト!?いきなりなんの話!?

    わたしは突然の出来事で、状況が理解できずに慌ててしまった。


    「そうだシフォン、君も来なさい!いい機会だし問題解決部の活動を間近で見せてやろう!」

    訳の分からない単語を羅列され、考える暇もなく、突然の出来事に混乱したまま、わたしはサブレ先生の車に乗せられてしまった。


    「シフォン!俺らの活動内容をよく見ていてくれ!」

    「ちょっと、暴走族ってなんですか!?!?」

  • 11二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 14:32:37
  • 12二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 16:34:21

    わたしたちはサブレ先生に連れられて、学園の駐車場へ向かった。

    たくさんの教師たちの車が並んで用を待っているのだが、その中にひときわ大きな、キャンピングカーを改造したような車があった。

    その車は落書きだらけでボコボコで、車体にベニヤ板が何枚も打ち付けられており、錆と凹みだらけだ。

    窓は何枚か割れており、あきらかにその辺に捨てられていた廃車を無理矢理動かせるようにしたような代物だ。

    わたしは、恐る恐る尋ねた。


    「あの…なんかひとつだけ明らかに廃車みたいな車いますけど、まさかあれサブレ先生の車じゃないですよね」

    「うむ、そのまさかだ!あれが俺の愛車、ゴーゴーサブレ号だな!」

    一番聞きたくなかった返事だ。あと名前がダサい。

    こんなスクラップ同然の車に乗って移動するなんて自由奔放もいいとこだが、他の教師に叱られないのだろうか。

    この問題解決部はいろんな人から問題や依頼、悩みを募集しているらしいが、わたしが依頼する側ならこんな車を走らせるやつにはまず頼まないな。

    結局わたしは、謎の生徒と共に後部座席に乗せられてしまったのだが。

    この人、口先は優しいけど、やっぱり怪しいよ。

    そう思い逃げ出そうとしたが、その前にドアを閉められてしまった。

    サブレ先生が運転席に座ると、車はガンガンとおかしな音をたてながら動き出した。 

    これ、本当に車検通ってるの?

  • 13Orion23/06/04(日) 16:47:50

    車が走り出してしばらくすると、隣に座っていた少年がわたしに話しかけた。

    「あ、あの、はじめまして、見学生だよね?僕は新入部員のタルト。一年生だよ」

    「さっきは急いでたもんだから、ちゃんと自己紹介できなかったけど、改めてよろしくね。えっと、君のお名前を聞いてもいいかな」

    「あっ、わたし?わたしは…シフォン。あなたと同じ一年生…」

    頭の中の混乱が落ち着き、ようやくタルトとまともに対面できるようになった。

    タルトは、なかなかの美少年であった。

    黒と黄色の混ざったショートボブヘアに、水のように青く大きな瞳。小柄で痩せ型の体格だが、幼稚さは感じない。

    同年代だし、この子と頑張ってお友達になって、あわよくば彼氏に…は欲張りか。

    わたしが少しタルトに見惚れていると、彼は再び口を開いた。

    「同学年…まあ、一応ね。僕は訳ありの生徒だから…」

    「うむ!もうすぐ目的地に着くぞ!降りる準備をしてくれ!」

    タルトが何か意味深なことを言いかけたが、サブレ先生に遮られてしまった。

    もしかしたらデリケートな話かもしれないから、今は触れないでおこう。

  • 14Orion23/06/04(日) 17:22:43

    やがて、ゴーゴーサブレ号は渋谷のメインストリートに到着し、車は道路の傍らに停車した。

    本当はこんな車をみんなが通るメインストリートに止めてほしくないのだが、まあ仕方ない。

    「うむ、着いたぞ。先に降りなさい。」とサブレ先生に言われ、わたしは安全のために念入りに左右を見回して周囲を確認してから、ドアを開けて車を降りた。

    そして、タルトが続いてシートベルトを解き、地面に脚を下ろした。

    そのとき。


    『邪魔だ!ひき●すぞノロマ共が!!』ブォォォ

    『てめぇら全員ペシャンコのスクラップの廃品工場行きにしたろか?あぁ?』ドドドド

    『道路は弱肉強食なんだよ!草食動物はボッコボコにすんぞ!!』ゴォォォ


    いきなり改造車の群れが、爆音と怒号の暴言を発しながらわたし達の横を猛スピードで通過した。

    近くにいた子供を連れたおばあさんが、暴走族に悲鳴を上げた。わたしとタルトも、その光景に思わず怯えてしまい、サブレ先生の後ろに隠れてしがみついた。

    「噂の暴走族はあいつらか?あんな車で公道を走るなんてうむ、信じられんな!」

    あんたのなんとかサブレ号も大概だろ、というツッコミはさておき、わたしだって最低限の正義感は持っているつもりだ。

    渋谷のみんなが安心して暮らすためにも、道路でのあんな自分勝手は許せないし、そんなことをするやつらは報いを受けてほしい。

    だけど…それって問題解決部の仕事ではないよね?

  • 15Orion23/06/04(日) 17:33:39

    暴走族はドリフトしてタイヤ痕を残したり、ペンキを撒き散らしたり、周囲の車を威嚇したり、あまりにもやりたい放題が過ぎる。


    「ねえ、タルトが言ってた暴走族って間違いなくらあいつらだよね?」

    「そうだね。依頼者が言っていた特徴とも一致する」

    「でもさ……こういうのって警察に任せたほうがいいのでは」

    「そうか?うむ、俺はもちろん今からあいつらを捕まえるつもりだぞ」

    「嘘でしょ!?」

    「うむ、問題解決部は渋谷区の日常に起こりうる問題を解決する部活動だからな!」

    なるほどね……よく理解した。





    冗談じゃない!!

  • 16Orion23/06/04(日) 17:42:19

    「ちょっと、暴走族がどれだけ危険で凶暴か分かってるんですか!?いくらなんでも、問題の規模が大きすぎます!!」

    「うむ、正式に入部してない君を、暴走族と戦わせたりはしないから安心しなさい」

    「わたしは大丈夫でも、タルトやサブレさんが…」


    そのとき、また暴走族が通過した。

    リーダーと思わしき一番大きな車が、5台ほどの車を率いて暴走している。

    どの車も発光するパーツやら極端に大きなリアウィングやらで派手な改造が施されており、目が痛くなるようなデザインだ。

    下校中の小学生を威嚇しながら、まるで道路の王様でもあるかのように自分勝手に振る舞っている。

    「邪魔だ!!ガキども!!」ブルン ブルン

    「やめて!」


    暴走族のリーダーが、下校中の小学生を怒鳴りつけて威嚇した。

    思わず目を覆ってしまったので、詳しい様子は分からないが、小学生たちは一目散に逃げ出した。


    「うむ、俺たちにも作戦がある」

  • 17Orion23/06/04(日) 17:54:40

    わたしたちはサブレ先生の車に戻り、作戦会議を始めた。


    「うむ、渋谷区の道路はこのようにドーナツ状になっている。このメインストリートはドーナツ状の道路の一部だ」

    「なるほど…」

    「そして、先ほど計測したが、あの暴走族はうむ、このドーナツ道路を約10分ほどかけて一周する」

    「えっ、計ってたんですか」

    「うむ、そして先ほど暴走族が通過してから2分経ったので、大目に見積もって6分後には再びやつらがここに来る」

    「なんか、思ってたよりすごい綿密ですね…」

    「まあな。というわけでうむ、タルト、魔法は使えるか?」

    「はい、それっぽいやつを再現するぐらいなら…」

    「ちょっと、魔法ってなんですか?」

    「こればかりは…うむ、やはり自分の目で見てもらうのが一番早いからな。説明はここでは割愛する」

    「というわけでうむ、いいかタルト。俺が合図したらすぐにこの車を飛び出し、『あの技』をやつらに食らわせてやれ」

    「はい!やってみます!」

    「ちょっと、何をするんですか?」

    「まあ、君はここで見ていなさい」

  • 18二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 18:12:03

    しえん

  • 19二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 18:41:14

    そして、数分後、暴走族は再び姿を現した。

    「うむ、再び現れたな」

    派手なランプをちらつかせ、改造車の群れが再び現れた。

    荒っぽい動きで、周囲のものを薙ぎ倒す勢いだ。

    派手な塗装を纏った改造車が、クラクションをやかましく鳴らしながら暴走している。

    タルトは、既に車外に出て待機している。

    タルトは小柄で、お世辞にも肉弾戦は強くなさそうだが、どうやら彼は「魔法」を使うつもりらしい。

    魔法……何かの隠喩だろうか。

    それにしても一体、何をするつもりなの?

    やがて、暴走族の騒音が一層大きくなってきた。

    タルトは、魔法の呪文のようなものを唱えている。

    「山吹の魔法術、火力壱・黄金の小龍…」

    暴走族がタルトのすぐ近くまできた、その瞬間。


    「今だ!」

    サブレ先生の合図と共に、タルトの伸ばした手から一瞬小さな雷のようなものが発生した。

  • 20二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 18:44:27

    >>11

    えぇ

    こわいなあ

  • 21二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 18:52:52

    その雷は暴走族のタイヤに直撃し、破裂させた。

    暴走族の一台が、運転がきかなくなり火花を散らしながら右往左往する。

    「やった!暴走族を一台やっつけた!」

    「えっ、今なにやったの!?」

    やがて暴走族は、道路の真ん中で動けなくなり止まった。

    そこに、後続の暴走車がやってきた。

    暴走車は慌ててブレーキをかけたが、間に合わずに止まった暴走車に後ろから激突してしまった。

    安全な速度で走っていれば、お互いこんなことにはならなかったものだが、車は2台とも壊れてしまいもう動けない。

    「タルト!すごいね!」

    「うむ!よくやったぞタルト!さて、残りのやつらをどうするか……」

    「任せて!」

    「えっ、またさっきの魔法みたいなやつやるの?」

  • 22二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 19:14:12

    その後もタルトは、不思議な魔法で暴走車たちをやっつけた。

    再び、暴走族がわたしたちのすぐ近くに現れた。

    タルトが目を閉じて、


    『『純白の魔法術、威力参…氷結の舞踏会!』』


    と呪文を放つと、地面が一瞬でアイススケート場のように凍りついた。

    安全な速度で走っていた車なら、すぐに止まれただろう。

    しかし暴走族は元のスピードに加え、ブレーキをかけたせいで余計に止まれなくなってしまった。

    制御を失って、三台目はそのまま何かの小屋に突っ込んだ。

    それは小麦粉を積んで貯蔵するための小屋だったようで、白い粉が周囲に舞い上がった。

    小麦粉を吸い込んだ車は、壊れてしまった。

    そして壊れた小屋が倒壊し、車の周囲に散乱した。

    そして四台目はというと、同じように舵を失い、渋谷の川に勢いよく水没してしまった。

    「タルトすごいじゃん!その魔法、どうやるの?」

    「君もじきに、使えるようになるよ」

  • 23二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 19:22:33

    本当は暴走族のリーダーも懲らしめたかったが、どういうわけかいつまで待っても現れなかった。

    「うむ、これは仕方ないな。また今度現れたら、そのときにぶっ飛ばしてやろう」

    「そうですね……」

    そろそろ夕暮れ、寮に帰る時間だ。

    やがて、警察やレッカー車が来たので、暴走族の仲間と勘違いされないうちに逃げることにした。

    〜 〜 〜 〜

    帰りの車内で、サブレとシフォンは話していた。

    「それで…うむ、どうだ?やってみないか?」

    「何をですか?」

    「それはもちろん、この部活さ!」

    「えっ、だってわたし、今日何もしてないじゃないですか」

    「当たり前だ。うむ、正式に入部もしてない君を暴走族と戦わせたりなんかしたら、その方が問題だろう」

    「うむ、お年寄りが道路を渡るのを手伝ったり、登下校の小学生を見守るのも、立派な問題解決部の任務だ。それならできるだろう?」

    「ええ、まぁ…」

    わたしは、この部活に入るかどうかは、もうほとんど決意していた。

  • 24二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 19:37:01

    〜 翌日 部室にて


    「それでは、みんなに改めて紹介しよう。問題解決部の新しい仲間、シフォンだ!」

    「あっ、みんな、これからお世話になります……」

    「彼女も一年生ゆえ、分からないことが多く困惑しているだろう。君たちが教え導いてあげなさい」


    わたしは、結局入部することにした。

    本当に入部していいのか?とサブレ先生に問われたが、これでいいんだ。

    これはわたしが選んだ道、わたしが自分の成長のために選んだ道なんだから。

    部員たちはわたしを見て、口々に感想を言った。

    「えーマジーw?正式な新入部員とかタルト以来じゃんwかんげーしちゃう★」

    「ふふっ、これからはよろしくお願いしますよ」

    「まあ、とっても可愛らしいですわ〜」

    「あっ、よろしくっす…」

    「はい!えっと…みなさん、これからよろしくお願いします!!」


    〜Prologue 終了〜

  • 25二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 19:45:19

    ちょっと覗いてみたけど面白いな

  • 26二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 19:45:40

    支援
    シフォンちゃんはこれからどんなふうに成長するのかな?

  • 27二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 21:18:52

    第一話 キミとボクのストーリー



    〜 〜 〜 〜

    【シフォンの日記】

    今日、問題解決部っていう変な部活に入った。

    どのくらい変な部活かっていうと、魔法で暴走族をやっつけたり、撮り鉄に制裁を与えたり、強盗犯を捕まえたりする部活なんだよね。

    いくらなんでも問題の規模が大きすぎるでしょ。

    そもそもこの世界では、魔法の使用は10年ぐらい前に法律で禁止されたよね?

    あのサブレ先生、なんか怪しいんだよなぁ…

    今日は特別に、タルトと同じ寮室で寝ることを許可された。

    タルトは、この部活動を行う上で必要な「魔法」について教えてくれた。

    でも、これって本当に信じて大丈夫なのか?

    〜 〜 〜 〜

  • 28二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 21:27:25

    〜夜 シフォンの寮室


    わたしは、タルトのこと、部活のこと、そしてサブレ先生のこと、知りたいことがたくさんあった。

    「ねえタルト。自分の寮室に戻らなくていいの?」

    「うん。だって僕には自分の寮室なんかないもん」

    「ちょっと、それどういうこと?この姫宮高校は全寮制なんだよ?」

    「知ってる。一部屋あたり4〜5人入るんだよね」

    「そうでしょ?じゃあタルトにもタルトの部屋があるんじゃないの?」

    「僕は毎晩、サブレ先生と一緒に寝てる」

    「えっ?なんで教師と生徒が同じ寮室で寝るの?」

    「だって僕は…正式に入学した生徒じゃないから」

    「えっ、それって…どういうこと?」

    「知りたい?あんまり話したくないんだけどね…」



    「君のことは友達だと思ってるから、特別に話すけど、このことは、他の子には秘密だよ?」

    「うん、分かった。約束する」

  • 29二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 21:50:46

    話は、シフォンが本校に入学する前に遡る。

    〜 〜

    僕は、事故で両親を亡くして孤児院に送られた。

    小さい頃だったから、両親の顔ももう覚えてない。

    僕は生まれつき小柄で、女の子みたいな顔だった。

    運動も苦手だし、お勉強だって得意じゃなかった。

    そのせいで、毎日周りからいじめを受けていた。



    「なあ、お前男子のくせに女々しい顔して恥ずかしくねーの?w」

    「俺さ、ずっとお前のこと女だと思ってたわ」

    「分かるwガリッガリだし男らしさが皆無だしな。でもこいつこんなナリしてるけど……」ガサッ

    「ちょっと、やめてよ!」

    バサッ

    「こんなふうに、ズボンを下ろすと立派なチンコが出てくるんだよなw」

    「ねえ、恥ずかしいからやめてよ!」

  • 30二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:05:52

    「…なんて酷い。君にそんな過去があったなんて」

    「当時は本当に辛かったよ。自分の存在価値を何度も疑ったし、自分のことが嫌いだった。あの人が助けてくれなかったら、今頃僕は死んでいたかもしれない」 

    「あの人って?」

    「ほら、サブレ先生だよ。僕とあの先生の関係は、ただの教師と教え子じゃないんだ」

    「と、いうと…?」

    〜 〜 〜 〜



    僕は毎日殴られて、蹴られて、土下座させられて、罵倒されてゲラゲラ笑われた。

    ゴミ箱に頭を突っ込まれたり、罰ゲームとしておちんちんを晒されたり、とにかく酷い毎日だった。

    食べるものといえば、他の子の食べ残しだった。

    人間としての尊厳なんか、僕にはなかった。

    そんなふうに過ごしてるうちに、いつしかいじめられるのが当たり前になっていった。



    「あの日」までは……

  • 31二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:19:23

    タルトは、カーテンを開け、夜景を背景に語る。

    彼はベッドに腰掛け、胸に手を当て目を閉じる。

    「あの日も、僕はいつものようにいじめられた。」


    孤児院で一番ケンカが強いやつと、戦わされた。

    僕はあっという間に投げ飛ばされた。

    それを見た取り巻きは、ゲラゲラ笑った。

    負けた罰ゲームとして、僕はちんちんを晒された。

    それを見た取り巻きは、またゲラゲラ笑った。

    楽しそうな笑顔じゃない。

    邪悪に滲んだような、悪魔の笑顔だ。


    底辺の僕には、底辺の生活が似合う。

    もし神さまや天使さまが現れて、僕を救ってくれるといっても、僕は手を振り払っただろう。

    僕は、だんだん辛いという感情すら失っていった。

    僕の顔は傷と痣が増えて、どんどん醜くなった。

  • 32二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:43:06

    あの日は、僕がいじめでボコボコにされて、独りで泣きながら寝ている夜だった。

    いじめで短パンを奪われ、僕は下半身が裸だった。

    あの日、夜中に突然、孤児院の扉が開いた。

    「うむ、子供を一人、引き取らせてくれ」



    引き取り手は、今まで何度も何度も来た。

    だが、僕を引き取ってくれた人はいなかった。

    「子供がひとり欲しい。優しくて暖かい子をね」

    彼はそう言うと、一人ずつ孤児院の子供を見た。

    「ふむ…なるほど…ふふっ」

    やがて、彼は僕のところに来た。

    そして彼は僕に、こう言った。

    「うむ、酷い傷だな。それに髪が伸びっぱなしだ。その上に下半身が丸裸ではないか。これでは美しい顔がもったいないな」

  • 33二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:51:15

    「傷は綺麗にしておきなさい。可愛い顔はやがて
    武器となるからな」

    「僕の顔…可愛い?」

    「うむ、俺は君の顔が好きだぞ。そうだ、君、名前はなんという?」

    「僕の名前、は、タ、ル…ト…」

    「タルトか。覚えておこう」

    「しかし、これは酷いな。自分の名前すらまともに言えぬほどに衰弱しているではないか。ここの子供たちの中でも、なぜ君だけこんなにボロボロなのか?」

    「僕は…人、人気が…なくて、いじ…められてる」

    「そうか、君はいじめられているのか、可哀想なことだ…うむ、決めた。俺が君を引き取ってやろう」

    「引き…取る?」

    「文字通りだ。君を俺の家に連れて行き、育てる」

    「育て…る?」

    「もちろん。うむ、飯もくれてやるし寝床だってやるぞ。まともな服も着せてやるし、その傷も綺麗にしてやれる」

    「本当…?」

    「うむ、俺を信じなさい」

  • 34二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:01:40

    彼は、サブレと名乗った。

    着る物がなくておちんちんが丸出しだった僕を見かねて、彼は自分のコートで僕を包んでくれた。

    靴を持っていない僕を見かねて、サブレ先生は僕を抱っこしてくれた。

    そして、彼は僕と手を繋いで孤児院を出た。


    外の世界に出るのは、実質初めてだった。

    その日は夜だったけど、僕はその光景の全てが眩しく見えた。

    星空が綺麗で、僕はあの時うっとりしてしまった。

    僕はサブレ先生に抱かれながら眠ってしまったから、詳しくは覚えてない。

    だけど、あのときのサブレ先生は暖かかった。

    サブレ先生の温もりは、今でも確かに覚えてる。

    〜 〜

    〜 〜

    「そっか…そんな過去があったんだね」

  • 35二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:20:04

    その後も、サブレ先生は僕に優しくしてくれた。

    「うむ、伸びっぱなしの髪がきれいなショートボブになったぞ。君の瞳が、髪で隠れてしまってはもったいないからな」

    「うむ、今から絆創膏を貼ってやる。顔を綺麗にしてやるぞ」

    「うむ、君は栄養不足で顔色が悪いな。ほれ、好きなだけ食べなさい」

    「うむ、服を買ってきたぞ。タルトの髪色に合わせて黄色と黒でまとめてみたが、どうだ?」



    でも、僕は幼少期に亡くなった両親以外に、誰かに優しくしてもらったことがなかった。

    僕は、人に優しくしてもらうことに慣れなかった。

    優しくされるのが恥ずかしくて、怖くて、情けなかった。

    自分の存在自体が罪に思えて、人に優しくされることは罪なことだと思っていた。

    誰かから優しさを受け取るのを、申し訳なく感じてしまったんだ。

    そのせいで、僕はサブレ先生のくれた思いやりを何度も拒んでしまった。

    あるときはサブレ先生が作ってくれたご飯を拒否してしまったり。

    ベッドで暖かくして寝るのを嫌がって床で寝ようとしたり。

    サブレ先生が買ってくれた服を拒んで素っ裸で過ごそうとしたり……

  • 36二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:34:31

    「今思えば、たくさん迷惑をかけて困らせたし、問題児もいいとこだった。」

    「僕がいなかったら、サブレ先生はもっと自由で幸せになれたのにって思った。」

    「そんな自分のことが嫌いになって、自分の顔を殴打したり自傷行為も繰り返した。そのたびにサブレ先生にやめなさいと止められて、心配された」

    「精神病院に行くことも二度や三度ではなかったし、薬を飲んだことも、食べたものを吐いたこともあった。」




    「でも、サブレ先生は見捨てなかった。」

    「サブレ先生は、ずっと諦めなかった。」

    「僕の事を、ずっと諦めないでくれていたんだ。」


    〜 〜 〜 〜

    「そうだったんだ…悲しいね。そんな過去があったなんて」

    「うん、でも今は普通に過ごせてるし、君という友達もできたから大丈夫」

    「えっ、わたしが君の友達?」

    「うん、だって僕の過去を真剣に聞いてくれたじゃないか。それに、友達に厳密な定義なんかいらないじゃんか」

    タルトはそういって笑った。わたしと彼は、ある意味似た者同士なのかもしれないな。

  • 37二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:36:36

    タルト、幼少期から誰にも優しくされてこなかったせいで人に優しくされることを拒んでしまうとか過去エグすぎるし、そんな境遇で生きてきたのに「友達に厳密な定義なんないらないでしょ?」なんて考え方ができるのいい子すぎないか

  • 38二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:23:11

    「そうだ、君は僕の魔法術に驚いていたけど、実は魔法って誰でも使えるんだよ?」

    「えっ、本当?」

    「本当さ。ほとんどの人は、自分が魔法使いであることに気づいていないだけ。なのに魔法使いを差別するなんて、殊更意味わかんないよ。僕たちのご先祖さまは、みんな魔法を使っていたからね。先祖の力を呼び覚ますことで魔法を使うんだ」

    「へぇー、じゃあ、わたしはどうやったら魔法を使えるの?」

    「魔法を後天的に覚醒させるには、僕やサブレ先生みたいな魔法使いに魔法を覚醒させてもらうんだ。後で君にもやってあげるよ」

    当たり前のように摩訶不思議なことを言うタルト。

    「そうだ、これもできるだけ秘密にしておいてほしいんだけど…」

    そういうと、タルトは自分の頭をつんつんした。

    次の瞬間、わたしは目を疑った。

    なんとタルトの髪の毛から、イヌのような三角のふわふわしたケモ耳が飛び出した!

    わたしは、目を疑った。本来、人間に獣耳はない。

    「あははっ、これは魔法使いの証。かつて僕の先祖はイヌのような魔物だったようで、今でも僕の中にその遺伝子が眠っているんだ」

    次に、タルトは自分の尻をポンと叩いた。

    すると、そこから黄色と白の、もふもふとしたイヌのような大きなしっぽが飛び出した。

    「どうぞ、耳もしっぽも触っていいよ。僕は人間の遺伝子と、イヌの遺伝子を併せ持つキメラのような存在なんだよね」

  • 39二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:35:03

    「驚いた?これが魔法使いの証さ!」

    「えっ…ちょっと待って。平然とした態度で言うけど、本来人間にケモ耳としっぽはないんだよ?」

    「分かってるよ。でもこの耳としっぽはご先祖さまのものだから。そういう遺伝子が入ってるの」


    タルトは丁寧に説明してくれたが、突然頭から耳を出されて、尻からしっぽを出されて驚かないことはないだろう。

    彼のご先祖さまがイヌ系の魔物だというなら、まあ納得はいくが。

    「僕の耳としっぽ、触りたいでしょ?どうぞ!」

    タルトは触りやすいように頭を下げ、しっぽを前に差し出した。

    わたしはおそるおそる、タルトのケモ耳に手を伸ばした。

    柔らかくふわっとした綿類のような感触で、感情に合わせてピクピクと動き、とても可愛らしい。

    「どう?気持ちいい?しっぽも触ってみてよ」

    本人から許可を得たので、今度はタルトのしっぽに手を伸ばした。

    「もふもふ…ふわふわ…ぬくぬく…あったかい」

    「気に入ってもらえてよかった。でも、これは本当は飾りでもなければ見せ物でもないんだからね?」

    「うん、充分分かってるよ」

    「君も耳としっぽが欲しければ、そういう遺伝子の入った薬を飲むといいよ。これは後天的に生やせるんだ。まあ、せいぜいアクセサリー程度にしかならないけどね」

  • 40二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:35:45

    ケモ耳少年か…

    これはイラストにしてほしいな

  • 41二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 02:20:33

    支援

  • 42二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 08:28:38

    しえん

  • 43二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 09:16:12

    このレスは削除されています

  • 44二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 12:18:18

    このレスは削除されています

  • 45二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 12:19:24

    テンプレ貼っとくか  報告よろしくな


    伊勢崎桃太

    2022年12月14日からBBSのSSタグを荒らしているクソコテ。クソコテとして嫌われる要素を詰め込んだクソコテの塊のような存在であり、当人はあんスタやすとぷりがとても好きな模様。SS乱立など以外にも絵スレ(トレパク)等いろんなスレに出没するため、基本無視安定。なお虚言癖持ちなのが濃厚

    また明らかな自演が激しく10分ほどで必ず擁護コメが付くがこれは自演である。
    キャラクターは「シフォン」「シルバ」といったカナ文字か「○○崎○太」を使いたがる傾向にある

    ・SSが寒い
    ・SSスレの乱立
    ・SSの乗っ取り
    ・SSの盗作
    ・トレパク
    ・激しい自演行為
    ・書いてもらったキャラデザをパクる
    ・他人の絵を勝手に改変させようとした

    見分け方としては
    ・異様な雰囲気のssでなぜか支援や評価コメが付いていたらこいつ
    ・アイドル系の絵でノートに一部分だけ極端に下手な絵を描いていたらこいつ
    ・デジタルにおいてもアイドル系で明らかなトレパク絵であればこいつ
    ・前スレ共通で変な口調の支援が現れる

    なお本人だと疑われると「桃太?誰それ?」とはぐらかす

    見かけ次第に報告した方が良い

  • 46二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 14:06:42

    あげ

  • 47二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 14:57:34

    >>44

    自作小説丸々一本投下するスレも過去にはあったし

    このスレ自体は全く問題ないよ

  • 48二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 16:17:30

    流石にBBSでやらかしたから
    ほかの掲示板使うな通報しようは草

  • 49二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 16:36:40

    このレスは削除されています

  • 50二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 16:40:10

    >>49

    もう完全にこいつの方が通報対象の荒らしじゃん

    本性表したね

  • 51二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 17:00:45

    〜翌日 問題解決部・部室



    わたしは、サブレ先生に魔法のことを話した。

    「うむ…急に魔法を使いたいと言われてもな…」

    「お願いします!人間はみんな魔法使いの素質を持ってるんでしょ?」

    「うむ、さてはタルトに何か言われたんだろう?」

    「はい、昨日寝る前にタルトと話してて…」

    「やっぱりか。うむ、困ったな、魔法術はそんなに単純なものではないんだよな…」

    「サブレ先生、どうしても魔法を使いたいんです!お願いします!」

    「うむ、一旦落ち着いて聞きなさい。」


    「うむ。シフォン。確かに今から俺が君に魔法術を付与し、魔法を扱えるようにしてやることは可能だ。だがな、強力な力というのは、ときに人を狂わせるんだよ」

    「狂わせる……?」

    「そうだ。うむ、いいか、魔法使いはな、人間の持てる力をはるかに超越した力を持っているんだ。それが純粋な善の人間ならいいが、中には魔法を得たことで自惚れ思い上がり、支配や独裁、破壊行動といった悪の道へ手を出す者もいる。だから、うむ、本当に信頼した者にしか、魔法は与えられないんだ。」

    「そうだったんですか…」

    「うむ、決して君を疑っているわけではないんだ。ただ俺は君に限らず基本的に、新入部員に魔法は与えない。問題解決部に、魔法は必須ではない。例えば、今からこの高校の近くにある、あけぼの小学校の子供たちが下校する。子供たちの登下校を見守ってやるのも、立派な問題解決部の仕事だよ。だからうむ、君は一旦魔法のことは忘れなさい。うむ、自分ができることを自分にできる範囲で、活動すればいいと思うぞ。」

  • 52二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 17:09:49

    「シフォンお姉ちゃん!見守ってくれてありがとう!」

    「うん、また明日もくるね!」



    最後の一人を見送り、わたしは寮に戻った。



    わたしは、結局魔法を扱わせてもらえなかった。

    確かに、サブレ先生のいうことは正論だ。

    わたしだってもし魔法を扱えるようになったら、思い上がって暴れまくるかもしれない。

    タルトは魔法使いなのに、人間のわたしたちにも見下すことなく気さくに話してくれるし、タルトみたいな子には魔法を与えてもいいだろう。

    でも、世の中タルトみたいな善人ばかりじゃない。

    誰が善で何が悪か分からない時代だ。わたしがサブレ先生でも、やすやすと魔法を与えたりはしない。

    それに、小学生たちに懐かれちゃったし、今更このボランティアをやめるのも気が引けるんだよな…



    でも。

    魔法ってやっぱりかっこいいし、憧れちゃう。

  • 53二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 17:19:39

    わたしは、小学生の通学路へ向かった。

    小学校には、部活のボランティア活動の一環と説明した。

    見守りといっても、車や怪しい不審者がいないか確認するだけだ。

    わたしは、30分ほどかけて全ての生徒を見送り終えた。

    わたしは小学校の教師からも感謝され、子供たちにもありがとうと言ってもらえた。

    生まれて初めて、まともに人の役に立ったと思う。

    本来の入部の目的である、「積極的になる」「人の役に立つ」はたぶん達成できたんじゃないかな。

    わたしは小学校に感謝され、これからもボランティア活動をしてほしいと言われた。

    わたしは、それだけで嬉しかった。





    …でも。

    やっぱり、それはそれでこれはこれ。

    今更魔法を諦められるわけがないし、本音は今すぐ魔法を扱えるようになりたい。

  • 54二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 17:32:42

    確かにサブレ先生のいうことは芯が通っており、もっともだ。

    サブレ先生の発言は説得力があって納得できるし、そもそも魔法は人生において役に立たないだろう。

    (サブレ先生への信用は、例のポンコツ車のせいで底に落ちたが、タルトの話を聞いて持ち直した。)

    むしろ本来は法律で禁止されているはずのものだから、持っている方がリスキーだ。

    それに、サブレ先生の言うとおり、魔法のせいで支配やら独裁やらと邪な考えが生まれるかもしれない。

    わたしはできるだけ純粋かつ善の心を持って生きていたいし、もしもわたしが悪人になったら、きっとタルトやサブレ先生とも敵対してしまうだろう。

    そんなことになるぐらいなら、魔法はいらない。



    でも、いるかいらないか聞かれたら、正直めちゃくちゃ欲しい。

    わたしもタルトみたいに信用を得られれば、魔法をもらえるのだろうか…

    そのためにも、今は地道に頑張らなくちゃな。

    今日は寮に戻り、魔法のことはまた明日考えよう。

  • 55二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 17:38:15

    >>50

    ちなこいつは少し前にあにまんで暴れたフリータクの事が少し好きらしい

    後はわかるね?

  • 56二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 18:03:47

    あにまんで崇め奉って神格化してやろうぜ

  • 57二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 18:05:01

    ポケモンすきなら専用カテでSS投げれば皆見てくれるよ

  • 58二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 18:06:07
  • 59二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 18:15:06

    このレスは削除されています

  • 60二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 18:16:10

    このレスは削除されています

  • 61二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 20:44:42

    〜翌日 問題解決部


    「こんにちは〜今日もよろしくお願いしま…あれ?」


    思ったより早く来すぎてしまったのだろうか。

    部室にはまだ、誰もいなかった。

    いつもわたしより先にいるはずのタルトですら、まだ来ていない。

    電気もついておらず、部屋は物静かだ。

    振り返って時計を見ると、どうやらいつもの部活動開始時間より20分も早く来てしまったようだ。

    「あれ、これ多分、わたしが早く来すぎたんだ…」


    なるほど、そりゃあ誰も集まってないわけだ。

    シフォンは、手持ち無沙汰で暇になってしまった。

    「仕方ないな。じゃあみんなが来るまでの間に、本日の依頼を確認しよっと」

    部員も顧問もいないなら、せいぜいそれぐらいしかすることがない。

    わたしは、みんなの依頼が入った依頼箱に手を突っ込んだ。

    なんだか今日は、心なしかいつもより依頼が多く、依頼箱がちょっと重く感じた。

  • 62二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:02:46

    いつもはサブレ先生がやることだけど、まあ今はわたししかいないんだし、何か重要なことがあれば、後ほどサブレ先生に報告すればいいでしょ。

    「いやーそれにしても、いつものことだけどわたしってなんか抜けてるとこあるんだよねー…」ガサゴソ

    「あれ、今日はなんかいつもより内容が多いな」

    心なしか、いつもより依頼が書かれた紙が多いように感じた。

    「みんな色んなことで見えない悩みを抱えてるんだね〜。じゃあわたしたち、役に立ってるかも!」

    しかし、蓋を開けてみるとその内容は…


    「友達とケンカしたので謝るのを手伝ってほしい」
    「全然ガチャが当たらない、一緒に祈ってほしい」
    「サッカーでめちゃくちゃ強くなって威張りたい」
    「高級弁当を欲のままおなかいっぱい食べたいな」


    など、大量にあるように思われた依頼の大半は、このようにものすごくくだらない依頼か、あるいはもはや依頼ですらないただの欲望であった。

    なんか、タルトが暴走族を魔法を使って、暴走族を捕まえたシーンを目の前で見せられたあとでは、並大抵のことは問題と思えないや。

    わたしたちって、学園の何でも屋みたいな存在だと思われているのだろうか。

    もちろん、くだらない依頼ばかり来るほうがその分平和ってことでいいんけどね。

    「いきなり暴走族が現れました!って言われても、魔法の使えないわたしは役立たずもいいとこだもんね」

    まあ、今日のとこは、みんなに挨拶した後、小学生の見守りにでも行けばいいか。

  • 63二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:05:02

    依頼書のなかには、大きく紙一面に「う●こぶりぶり」と書かれていたり、乱雑で解読不能な文字が並べられていたり、正直クスッとくる。

    まあ、できればこの依頼箱の中身が全部こういうふざけた内容だったら、それだけこの学園が平和ということだしいいんだけど。

    わたしは読み終えた依頼にハンコを付け、別の箱に移し替えて仕分けていたのだが、気づいた頃には半分ぐらい依頼を読み終えていた。

    まあ、その中でまともな依頼らしい依頼は、たったの3件しかなかったのだが。

    それにしても、わたしがここに来てから10分ぐらいは経ったし、みんなそろそろ部活に来てもいい頃合いだよね?

    なんで未だに、誰も部活にこないのかな。サボり?

    誰も来なくても、せめて顧問であるサブレ先生ぐらいは来て欲しいものだが…

    まあ、嘆いても仕方ないし、今はとりあえず依頼に集中しよう。

    気を取り直し、わたしは再び依頼書を一枚手に取る。

    どうせふざけた内容だろうけど、と思いながら依頼書を一枚手に取り、その依頼主の名前を見た。



    「……え、嘘、そんなことがあっていいの!?」

    わたしは体に衝撃が走り、一瞬硬直してしまった。

    なんとか落ち着きを取り戻し、再び依頼書に目を通す。

    その依頼書の依頼主は、なんと…

  • 64二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:24:15

    「サブレ先生」だった。

    シフォンは驚きと戸惑いを隠せず、依頼書を何度も読み返した。サブレ先生が問題解決部に依頼を出すなんて、いったいどういうことなのだろうか。

    「なんで…先生がこんなことを…」

    シフォンは混乱しながらも、依頼書に書かれた内容を読み始めた。

    『私は実は、学校内でひとつだけ解決できていない問題を抱えているのです。それは私の過去に関するもので、長年胸に秘めてきました。しかし、最近それが私の心に大きな影響を及ぼしていることに気づきました。問題解決部のみなさんにお願いがあります。私の過去の問題を解決し、心の葛藤から解放してほしいのです。』

    シフォンは依頼書を読み終えると、不思議な感情が湧き上がってきた。サブレ先生が普段は頼りになる存在であることは知っていたが、彼が自身の過去に悩みを抱えているなんて想像もできなかった。

    「サブレ先生が困っているなんて…」

    シフォンは心の中で考えた。自分自身も悩みや不安を抱えているが、それを他の誰かが解決してくれるという考えはなかった。それが普通だと思っていた。

    しかし、今回の依頼を受けることで、自分も他人の悩みを解決する存在となることができるのかもしれないと思った。少なくとも、サブレ先生の問題を解決する手助けをすることができるのかもしれない。

    シフォンは気持ちを切り替え、依頼書を大切に抱えながら、再び部室の扉を開けた。

    「サブレ先生、お待たせしました。私、シフォン、今日は部活に早く来ちゃって…」

  • 65二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:28:52

    シフォンは気持ちを切り替え、依頼書を大切に抱えながら、再び部室の扉を開けた。

    「サブレ先生、お待たせしました。私、シフォン、今日は部活に早く来ちゃって…」

    サブレ先生は荷物を置いた後、シフォンに微笑みながら言った。

    「お前は早起きだな。さすが問題解決部の一員だ。ありがとう、シフォン」

    シフォンは照れくさそうに笑って頭を下げた。

    「サブレ先生、では私たちはどうやってその問題を解決していくんですか?」

    サブレ先生は深いため息をついてから言った。

    「まずは、その過去の人物との対話が必要だ。彼と直接向き合い、過去の出来事を話し合い、心の距離を縮めることが重要だ。ただし、彼はかなり頑固な性格をしているから、簡単には受け入れてくれないだろう」

    シフォンは真剣な表情でサブレ先生の話を聞き、彼の悩みを解決するための戦略を考え始めた。

    「サブレ先生、私たちはどうすれば彼の心を開かせることができるでしょうか?」

    サブレ先生は考え込んだ後、少し頬を緩めた笑みを浮かべた。

    「彼の好物を手に入れることだ。彼はある特別な食べ物を愛している。それを持っていけば、少なくとも話を聞いてくれるだろう」

    シフォンは興味津々の目で聞き入った。

    「どんな食べ物なんですか?」

    サブレ先生は微笑みながら答えた。

  • 66二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:29:46

    「彼の名前はラムネという。彼が大好きな、甘くて独特な味わいのお菓子だ。彼にラムネを手渡し、その場で話をしよう。それが最初のステップだ」

    シフォンは覚悟を決め、サブレ先生に向かって頷いた。

    「わかりました、サブレ先生。私たちがラムネを手に入れて、彼と対話できるようにします」

    サブレ先生の過去に闇があることを知ったシフォンは、問題解決部のメンバーと協力しながら、彼のために行動することを決意した。

    まず、シフォンと他のメンバーたちは街中のお菓子屋やスーパーマーケットを回り、ラムネを探し始めた。しかし、彼らが探しているラムネは特別な種類であり、なかなか見つけることができなかった。

    それでも、彼らはあきらめずに努力し続けた。他のメンバーたちは地元のお菓子屋に問い合わせたり、ネットで情報を集めたりしながら、ラムネを見つけるための手がかりを探した。

    数日後、ついにラムネの入手先を見つけることができた。それは少し離れた町にあるこじんまりとしたお菓子工房だった。

    シフォンとメンバーたちは喜びを胸に、お菓子工房に向かった。工房では手作りのお菓子が作られ、特にラムネがその人気商品として知られていた。

    ベルやタルトが工房の扉をノックし、温かく迎えてくれた店主にラムネの話をすると、彼は喜んで手助けをしてくれることになった。

    店主は特別に、シフォンたちのためにラムネを作ってくれることになったのだ。

  • 67二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:31:01

    「こちらがお待ちかねのラムネです。私自慢の味わいですよ」

    店主が誇らしげに手渡したのは、美しく包装されたラムネの詰め合わせだった。

    シフォンは感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、メンバーたちと共にお礼を述べた後、ラムネを大切に包んで持ち帰った。

    次はサブレ先生との対話の場を設定する必要があった。シフォンとメンバーたちは特別な場所を選び、サブレ先生に呼びかけることにした。

    夜、学校の屋上でシフォンたちは待ち合わせをし、準備を整えた。月明かりが頼りの明かりとなり、風がささやきながら穏やかな雰囲気を醸し出していた。

    サブレ先生が屋上に到着し、シフォンたちを見つけると、驚きの表情を浮かべた。

    「お前たち、こんな時間に何をしているんだ?」

    シフォンは微笑みながらラムネを手渡した。

    「サブレ先生、これをあなたのために用意しました。あなたの大好きなラムネです。少しでも心を開いてもらえるよう、話をしましょう」

    サブレ先生は手にしたラムネを見つめ、しばらく黙っていた。その後、ゆっくりと口を開いた。

    「ありがとう、シフォン。ラムネをくれるとはなかなか気の利いたやつだな。では、話をしよう」

    シフォンたちは屋上で座り、サブレ先生と共に心を込めて話し合った。サブレ先生は過去の出来事について率直に語り、シフォンたちはそれに耳を傾けながら、理解しようと努力した。

    時間が経ち、屋上からは静かな夜の風が吹き抜ける中、サブレ先生の心には少しずつ変化が訪れていた。彼の表情は穏やかになり、重い心の荷が少し軽くなったようだった。

  • 68二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:32:01

    シフォンは感動と安堵の気持ちで胸をいっぱいにしながら、サブレ先生に声をかけた。

    「サブレ先生、本当に話せて良かったです。過去の出来事を乗り越えることができましたね」

    サブレ先生は微笑みながら頷いた。

    「ああ、お前たちのおかげで、少し心の整理がついたようだ。本当にありがとう、シフォン。そして問題解決部のみんなも、感謝している」

    その瞬間、屋上に突然響き渡る轟音が聞こえた。

    「なんだ、これは…」

    空を見上げると、驚くべき光景が広がっていた。巨大なドラゴンが校舎を襲撃し、炎を吹きながら暴れまわっていたのだ。

    シフォンたちは一瞬の間をおいて動揺し、サブレ先生も驚きの表情を浮かべた。

    「これは予想外だな。しかも、どうやら私たちを狙っているようだ」

    サブレ先生は一瞬の沈黙の後、固く口を結びました。

    「私たちが直面している問題は、ただのドラゴンの襲撃ではないようだ。このドラゴンには何か異変があるはずだ。私たちが問題解決部として、この危機を解決し、学校を守る使命がある。シフォン、メンバーの皆さん、準備はいいか?」

    シフォンとメンバーたちは頷き、覚悟を決めました。

    「はい、サブレ先生。私たちが力を合わせれば、このドラゴンの脅威を止めることができるはずです」

    サブレ先生は真剣な表情で頷いた後、彼らを指揮しました。

    「よし、私たちはまず校舎に向かって、ドラゴンと対峙しましょう。タルト、ベル、君たちはドラゴンの動きを牽制しながら、シフォンと私がドラゴンの背後に回り込む。その隙に、シフォンがドラゴンの意図を読み取るために魔法を使うんだ。そして私たちが連携してドラゴンを制圧する。準備はいいか?」

  • 69二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:32:37

    〜依頼書〜

    〜   〜   〜   〜

    はじめまして、問題解決部の皆さん。

    ただいま生徒会にて副会長を務めさせていただいている、クランベリーです。

    皆さんには、いつもお世話になっております。

    私は、問題解決部の皆さんに、ひとつ相談したいことがあります。

    聞いてくださりますでしょうか。



    わたしには、2つ下の弟がいます。

    名前はラズベリー。今は本校の一年生です。

    オレンジとコーラルピンクの混ざった髪の毛と、緑色の瞳に、いかにも少年といった感じの小柄な体格の男の子がいましたらその子がラズベリーです。

    あまり人との交流を好まない子なので、もしかしたら話したことのある方は少ないかもしれません。

    ラズベリーはたまに反抗期な態度をとる事もありますが、とっても優しくて、甘えん坊で、何事も直向きに頑張る子で、わたしの一番のたからものです。



    しかし…最近、ラズベリーの気性が荒くて困っています。

  • 70Orion23/06/05(月) 23:35:34

    >>69>>63の続きね。)


    (あと、サブレの口癖は『うむ』だからそれがないやつは偽物だよ)

  • 71Orion23/06/05(月) 23:39:32

    私たちは家族のような絆で結ばれているのですが、最近、ラズベリーが異変を起こしています。

    彼は急に荒れてきており、学校でもトラブルを起こすことが増えました。

    友達との関係もうまくいっていないようで、孤立してしまっているようです。

    私は彼が何か悩みや苦しみを抱えているのではないかと心配しています。

    ですので、問題解決部の皆さんにお願いがあります。

    ラズベリーの悩みや原因を見つけ出し、彼の心を癒し、元の明るい笑顔を取り戻してあげてください。

    彼のためになるアドバイスやサポートをしていただけると幸いです。

    どうか、私の大切な弟を助けてください。

    お忙しい中、お手間をおかけして申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。

    クランベリー

  • 72Orion23/06/05(月) 23:40:18

    シフォンとメンバーたちは依頼書を読み終え、クランベリーの心配を受け止めました。

    「ラズベリーくんの心の中にある悩みや問題を解決してあげるために、私たちも全力で取り組みましょう。みんな、準備はいいか?」シフォンは問題解決部のメンバーに向かって尋ねました。

    メンバーたちは一斉に頷き、決意を示しました。

    「クランベリーさんの思いを受けて、ラズベリーくんの心を癒し、彼の苦しみを解消しましょう。一緒に彼の支えとなり、笑顔を取り戻しましょう!」サブレ先生が力強く宣言しました。

    問題解決部は、ラズベリーのために行動する準備を整えました。彼の心の中にある悩みを探り、彼に寄り添いながら解決の手助けをするため、新たな冒険が始まるのです。

    シフォンと問題解決部のメンバーたちは、ラズベリーの悩みや苦しみを解決するために、彼との対話の機会を設けることにしました。

    まずはラズベリーとの信頼関係を築くため、シフォンとタルトが彼に声をかけることになりました。

    学校の昼休み、シフォンとタルトはラズベリーが通常いる場所を見つけ、そっと近づきました。

    「ラズベリーくん、ちょっと話がしたいんだけど、いいかな?」シフォンが優しく微笑みながら尋ねました。

  • 73Orion23/06/05(月) 23:40:50

    ラズベリーは驚いた表情を浮かべながらも、興味津々で彼らを見つめました。

    「何か用かな?僕と話すことなんてそんなに大切なのか?」ラズベリーは少し警戒心を見せながらも、興味深げに尋ねました。

    シフォンは心を込めて語りかけました。

    「ラズベリーくん、君が最近悩んでいることや苦しんでいること、ちゃんと聞かせてくれないかな?君の心の中にある想いを、私たちは受け止めたいの。君が抱えている辛さや孤独を共有し、力に変えることができるかもしれないんだ。本当に君のことを気にかけているんだよ。」

    タルトも続けて言いました。

    「ラズベリーくん、君は大事な存在なんだ。クランベリーさんもとても心配している。君の明るい笑顔を取り戻し、再び周りの人々とつながることができるよう、私たちは全力でサポートするんだ。」

    ラズベリーは驚きと不安が入り混じった表情で二人を見つめましたが、少しずつ心を開き始めていました。

    「…本当に、俺のことを心配してくれるのか?」

    シフォンとタルトは頷きました。

    「もちろん、本当の友達として、力になりたいんだよ。君の話を聞かせてくれないかな?」シフォンが優しく問いかけました。

    ラズベリーはしばらく考えた後、小さな声でつぶやきました。

    「…わかった、話してみるよ」

  • 74二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:52:26

    実の姉であるわたくしに暴言を吐いたり、暴力を振るったりしてきます。


    わたくしだけにするなら我慢できるのですが、ラズベリーは自分のクラスでも傲慢な態度で、王様のように振る舞っています。


    体育の徒競走で他の生徒を妨害したり、合唱では音程を外してしまった生徒にお仕置きと称して説教をしたり……

    最近のラズベリーの自分勝手な振る舞いにはわたくしも手を焼いております。


    ラズベリーが誰かに迷惑をかけるたびに、姉である私が責任を持って謝りに行くのですが、本人は全く反省してくれず……


    わたくしたちは企業の社長を父親に持って生まれた、いわゆる令嬢と御曹司なので、いつか家の当主になるためにたくさんお勉強しなければならず、そのことでストレスが溜まっているようなのですが…


    彼は自分が生まれつき顔と財産に恵まれていることを鼻にかけており、見下している相手にはとくにきつく当たるのです…


    どうしたら、幼少期のような社交的で心優しい性格に戻ってくれるのでしょうか。


    問題解決部の皆さん、よろしくお願いします。



          生徒会副会長 クランベリー


    >>69の続き)

  • 75二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:55:59

    問題解決部のメンバーたちはクランベリーの心配を受け止め、ラズベリーの問題に向き合う覚悟を決めました。

    シフォンは真剣な表情で言いました。「クランベリーさん、私たちは必ずラズベリーくんのために解決策を見つけます。彼の心を取り戻すため、全力でサポートいたします」

    メンバーたちは頷きながら、一致団結の意志を示しました。

    サブレ先生は深い眼差しでクランベリーを見つめ、「クランベリーさん、私たちはラズベリーくんの変化を理解し、彼が抱えている悩みを明らかにするために全力を尽くします。彼の心を優しさと理解で包み、元の素晴らしい人格を蘇らせましょう」と言いました。

    問題解決部は、ラズベリーの心の中にある悩みと向き合い、彼の変化の原因を見つけ出すための取り組みを始めました。

    まず、シフォンとメンバーたちはラズベリーとの対話の場を設けることにしました。

    「ラズベリーくん、少しお話しましょう。クランベリーさんから心配していることを聞きました。君が最近変わってきた理由や悩みがあるのではないかと思っているんだ。私たちは君のことを大切に思っているから、話してくれないか」とシフォンが穏やかに声をかけました。

    ラズベリーは最初は戸惑った様子でしたが、彼の眼差しには少しばかりの不安が見えました。

    「……わ、私のことなんてどうでもいいよ。何も話すことなんてないさ」とラズベリーは強がるように言いました。

    しかし、問題解決部のメンバーたちは諦めず、優しくラズベリーに寄り添いました。

    「ラズベリーくん、君のことは大切な仲間なんだ。心配しているのはクランベリーさんだけでなく、私たちも同じだよ。何か悩みや苦しみがあるのなら、話してくれたら君をサポートできるかもしれない。一人で抱え込まないで、共有してくれないか」とベルが優しく語りかけました。

    ラズベリーはメンバーたちの言葉に少しずつ心を開き、ついには自身の悩みを語り始めました。

    「……確かに、最近は自分が大事な存在だと思っていた。家族の期待や将来の責任を感じていたから、自分を守るために他人を傷つけたり、優越感に浸ってしまったんだ。でも、本当はそれが自分に合わないって気づいたんだ。でも、どうすればいいんだろう?」

  • 76二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:56:42

    問題解決部のメンバーたちは、ラズベリーの言葉に寄り添いながら、彼に向き合いました。

    「ラズベリーくん、まずは自分自身を許すことから始めましょう。人間だから誰しも失敗や迷いを抱えることがある。大切なのは、それを受け入れて前に進むことです。君は自分の変化に気づき、それを改善しようとしている。それが素晴らしいことだよ。

    サブレ先生は優しく微笑みながら続けました。「そして、家族の期待や将来の責任を背負いすぎないようにしましょう。君は自分自身であり、自分の幸せを追求する権利を持っているんだ。他人と比べることなく、自分が本当に望む道を歩いていくことが大切なんだよ。」

    ラズベリーは少しずつ心の重荷が軽くなっていくのを感じました。彼はメンバーたちの温かいサポートに助けられ、自分自身と向き合う勇気を持つことができました。

    シフォンはやさしく微笑みながら言いました。「ラズベリーくん、問題解決部は君の味方です。君の変化を支え、君が本来持っている心優しい性格を取り戻すために全力でサポートします。一緒に前に進んでいきましょう。」

    ラズベリーはメンバーたちの言葉に感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。

    「ありがとう、みんな。本当に助けてくれて、心強いよ。私も自分自身を受け入れ、変えていく覚悟を持ちます。そして、もう一度笑顔でいられる自分になるんだ。」

    問題解決部のメンバーたちは、困難を乗り越えるために団結し、ラズベリーのために全力でサポートする決意を新たにしました。

    彼らはラズベリーの悩みや問題に向き合い、共に成長し、彼の心を優しさと理解で包み込むことを決意したのです。

  • 77二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 08:16:24

    あげ

  • 78二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 08:25:28

    >>74

    「こ、これは……」



    そのとき、後ろから誰かがやってきた。


    「うむ、やはり律儀にここに来ていたか。」


    「サブレ先生!?」




    もはや聞き慣れた声と口癖。


    サブレ先生が、わたしを探してやってきたのだ。

     

    「うむ、いつまでも寮に帰ってこないから探しに来たら…やはり律儀にここに来ていたのか」


    「えっ?」


    「うむ、毎週火曜日は部活動は休みだぞ。覚えておくといい」


    「ええっ!?今日はないんですか?」


    サブレ先生は抜けてるなぁ、と笑い、少し空気が和んだ。


    そして、これを使いなさいとミニカレンダーをくれた。

  • 79二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 08:26:40

    「だからみんな、部活に来なかったのか…」

    「うむ、タルトたちはもう寮に帰ってしまったぞ」

    サブレ先生は再び笑いだした。

    部活がないなら、わたしも寮に戻らなくちゃ。




    ……っていけないいけない、忘れるとこだった!!

    「サブレ先生、これを見てください!!」

    「うむ、依頼書か。依頼主は誰なのだ?」

    「それが……」


    わたしは、例の依頼書をサブレ先生にわたした。

  • 80二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 09:44:50

    依頼主は、この学園の生徒会副会長を務めている3年生のクランベリーであった。

    彼女は品行方正で成績優秀、誰にでも隔てなく丁寧に接する優しさを持ち合わせており、学園のみんなに慕われている存在だ。

    学園では知恵の象徴であり、平和の象徴でもある。

    その優秀さは教師からも助言を求められたり、頼りにされたりするほど。

    もちろん、わたしも彼女のことが大好きだ。

    「うむ、依頼主は………クランベリー……!?」

    「はい、生徒会副会長のクランベリー先輩です」

    「うむ、彼女は品行方正で成績優秀で努力家で、生徒たちから慕われているまさに『憧れの存在』だからな」

    「はい、わたしも彼女のことを尊敬してるんです」

    「うむ、まさかそのクランベリーから依頼がくるとは……俺も想定外だった」

    「はい…わたしも、彼女は賢いから悩みなんて抱えてないと思ってました」

    「うむ、問題解決部は設立されてから日も浅いのに、クランベリーに頼られるほどに名が広まったのか……」

    「誇らしい……のでしょうか。」

  • 81二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 11:24:52

    「それにしてもうむ、内容が内容だからな…」

    「他人の家庭事情に首を突っ込むのは、よくないですよね…」

    「うむ、ラズベリーにも彼なりの事情があるかもしれないからな」

    「でも、このままじゃラズベリーがみんなに嫌われちゃいます!」

    「分かっているさ。うむ、俺はラズベリーと話したことはないが、君はラズベリーについて知っていることはあるか?」

    「えっと、何度か会ったことがあります。見た目はクランベリーさんに似てて、とっても可愛らしいんです」

    「うむ、なるほど」

    「東雲色とコーラルピンクの綺麗な髪と、宝石みたいな金色の瞳を持ってました。可愛い少年といっても、タルトとは違ってちょっとみんなより幼い印象でしたね」


    「……でも、見た目に反して性格がきつくて、お友達にはなれなかったんです」

    「うむ、そうだったのか…」

  • 82二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 12:01:09

    ラズベリーと初めて会ったのはたしか、特別授業でラズベリーと同じ教室になったときかな。

    一ヶ月に一回、あえて違うクラスの生徒を混ぜることで交流の幅を広げようっていう特別授業。

    その企画の一環で、ある日わたしは彼とすぐ近くの座席になった。

    ラズベリーは男の子なのにとっても可愛くて、わたしは思わず一目惚れしてしまった。

    だけど、ラズベリーは可愛い見た目に反して、友好的とは言い難い性格だった。

    わたしは、そのときの様子を詳しく話した。


    綺麗な髪の毛だったので、思わず撫でたくなって手を伸ばしたら…『触んじゃねえ!』と言われて手を払いのけられてしまったこと。

    お友達になりたくて、好きなものや趣味をいろいろ聞いたら『うぜぇんだよ!』と言われてしまったこと。

    可愛いアクセサリーを持っていたので、見せてほしくて近づいたら『は?なんなの?』と言われてしまったこと。



    「わたしはあのとき、ただ仲良くなりたかっただけなのに…」

    サブレ先生はわたしの話を聞いて、少し頷いてからこう言った。

    「なるほど、うむ、シフォン…確かにその話の通りなら、ラズベリーはちょっと友好的とは言い難いかもしれないな。」



    「だがな、うむ、可愛いなどの主観的な理由で、本人の承諾を得ずに頭を撫でたり、友達になろうと無理に話しかけたり、過度なスキンシップをとるのは良くないと思うぞ」

  • 83二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 12:23:17

    「えっ…?」

    唐突にサブレ先生に言われたことに、わたしはびっくりしてしまった。

    サブレ先生は、真面目な表情で続けた。

    「うむ、その特別授業は俺も担当したことがあるから知ってる。」

    「確かにその特別授業は、生徒たちが違うクラスでの友人関係を増やすという目的もあるし、俺たち教師からしても、生徒のみんなには幅広く友人関係を持ってほしいと願っている」


    「だがな、うむ、もしもラズベリーのように他人との付き合いやコミュニケーションを好まない者がいるのなら、それは尊重されるべきことだと俺は思う」

    「そっか…。そうですよね…」

    「うむ、可愛いからなどの自分本位な理由で、嫌がっている相手に過度なスキンシップをしたり、無理に話しかけて会話をしようとするのは褒められたことではないな。」

    「ごめんなさい…ラズベリーの気持ちを考えていませんでした」

    「うむ、これからラズベリーに会いにアイドル部へ行くが、ラズベリーにしたことは謝っておくんだぞ」



    サブレ先生のいうことは、正しかった。

    たくさん話せば、陽キャみたいになれると思ってた。

    知らず知らずのうちに、ラズベリーを傷つけてしまっていたなんて。

    わたしだってこの部に入るまではぼっちの陰キャだったのに、なんでラズベリーの気持ちが考えられなかったんだろう…

  • 84二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 12:59:32

    「うむ、本来は活動日ではないが、こればっかりは仕方ないな」

    わたしは、サブレ先生と一緒に歩いてアイドル部へ向かった。

    今日は問題解決部は休みだが、他の部活はまだやっているはず。

    クランベリーさんも、向こうでわたしたちを待っているそうだ。

    しかし、わたしはさっきサブレ先生に言われたことが、ずっと頭から離れなかった。


    「過度なコミュニケーションはエゴと同じ」

    「孤独が必ずしも、その人にとって辛いとは限らない」

    「話す量が多ければ、人気者になれるわけではない」

    「会話というのは、ときに引き際も大事とされるんだ」


    いつものことだけど、つくづく思う。

    わたしってなんでこんなに、コミュニケーションが下手なんだろ。

  • 85二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 14:54:41

    広い学園の敷地を2分ほどかけ、わたしたちはラズベリーがいるアイドル部の活動拠点である講堂へ移動した。

    アイドル部は、学園の講堂を使用して活動している。

    アイドル部は普段はグループに分かれて歌やダンス、握手会、サイン会、トークショーの練習をしている。

    アイドルを志すだけあって、顔面偏差値がかなり高く、右も左も美少年と美少女だ。

    わたしみたいに自己肯定感の低い陰キャは、ドル部のメンバーにはひとりもいない。

    体育祭や文化祭では率先して活動し、持ち前のパフォーマンスで学園外のお客すらも魅了してしまう。

    2ヶ月に一回ライブを行い、学園内の盛り上がりイベントとなっている。

    かなり活動は本格的で、過去には事務所にスカウトされてプロデビューした者もいるという。

    まさに生徒のみんなの「アイドル」なのだ。

    すごいなぁ……

    問題解決部も負けてられないや。


    そんなアイドル部のなかでも、新人でありながら高い実力を発揮しているのがラズベリーだ。

    甘酸っぱいイチゴのような歌声に、キュートなルックス、小動物のような仕草で男子も女子も魅力してしまうのだ。

    すごいなぁ…。やっぱり、わたしなんかが友達になっていい存在じゃなかったんだ。

  • 86二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 17:20:30

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  • 87二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 19:06:05

    このレスは削除されています

  • 88二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 19:20:14

    このレスは削除されています

  • 89二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 19:20:33

    このレスは削除されています

  • 90二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 19:21:08

    このレスは削除されています

  • 91二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 20:17:28

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  • 92二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 21:13:48

    わたし達は、学園の西側にある講堂の前に立った。

    石積みで洋風の、ちょっとおしゃれな建物で、体育館ほど大きくはないが、500人ほどいる全校生徒を全て収容することができる。

    大きなステージを階段状に並んだ座席が囲んでおり、さながら小さなコンサートホールのようにも見える。

    主に式典や祝事に使われることが多いが、体育館のほうが使い勝手がいいため、実のところあまり使われる機会は多くないのだ。

    そのため、アイドル部の活動拠点となっている。

    サブレ先生が、重いガラスの扉を開ける。

    「ここが、アイドル部の活動拠点ですか……」

    「うむ、入るぞ」ギギギィ

    「はい、お邪魔しま……!?」



    ???「だって、こいつがやる気ねーのがいけないんじゃん!」

    ???「ラズベリー!いい加減にしなさい!」

    ???「ボクはずっと正しいことしか言ってないけど?だってこいつ何度指摘しても音程外すんだもん」

    ???「だってさぁ、考えてみなよ。本気でやってる人からしたらやる気ねー奴って、邪魔だし迷惑だし失礼なんだよね」

    「ラズベリー!お父さまに報告して、三代目当主の継承権を永久に剥奪させてもらうわよ!」

  • 93二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 22:18:30

    扉を開けた途端、誰かの口論が鳴り響いた。

    部活で何かあったのだろうか。

    声の主は、シフォンにとってはどちらも聞き覚えのあった。

    だが、シフォンはその声から、強い怒りや憎しみを感じ取った。

    人と喧嘩したことが全くないシフォンは、何が起きているのか分からなかった。

    「何があったんだろう……」

    「うむ、俺にも分からない。ただ、彼らは俺たちの存在にまだ気づいていないようだ」

    今のところ、メンバーや顧問は誰もわたしたちがいることに気づいていない。

    面倒ごとにならないうちに、わたしとサブレ先生はそそくさと階段を降りてステージの裏側に周り、傍らからこっそり近づいて覗いた。

    「うむ、見えるか?」

    シフォンは、声の主に薄々と気づいていた。



    「もう、あなたは企業の御曹司だという自覚があるのですか?」

    「はぁ?知らねぇよ。父さまも母さまもボクじゃなくて姉さまに期待してるんだから、そんなのどうだっていいだろ」

    「駄々をこねるのもいい加減になさい。もう高校生でしょう。恥ずかしくないのですか?」

  • 94二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 22:39:13

    「あれは…クランベリー先輩とラズベリーだよね?」

    「うむ、間違いなくそうだな。」

    「なんか、仲悪いんですかね…」

    「うむ、決してそんなことはないと思うぞ」

    「まあ、そうですよね。クランベリーさん、弟さんのこととっても可愛がってるみたいでしたし……」

    「だとすると、何があったのか余計に気になるな」

    「そうですね。クランベリー先輩はアイドル部のメンバーではないので、そもそもなんでここにいるのか分かりません」


    そのとき、サブレ先生がしれっと恐ろしいことを言った。

    「考えても無駄か……うむ、今から突撃してくる」

    「うむ、本人たちに直接問いただせば、すぐに分かるだろう!」

    「えっ、ちょっとサブレ先生、やめてください!」

  • 95二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 23:28:48

    「うむ、君たち何があった!」ドッドッドッ


    「おや、その声は…まあ、問題解決部のサブレ先生!今日は部活がお休みの日だと聞いていたのですが、わざわざ来てくださったのね!」

    「うむ、今回ばかりは特別だぞ、クランベリー。」

    「嬉しいわぁ。最近、この子…ラズベリーの気性が荒くて本当に困っていましたの」

    「うむ、依頼書にもそう書いてあったな」

    「ええ、さっきもメンバーの一人に向かって『やる気がない、邪魔』などの暴言を吐いておりまして」

    「お前の弟はしつけがなってないと、何度も何度もわたくしに苦情が来るもので、これはいけないと見かねて弟の部活まで来てしまったのですよ」

    「うむ、なるほど…大方理解した」ウムッ

    「おい姉上、ボクを放置して誰と喋ってんだよ」

    「ラズベリー、言葉を慎みなさい。乱れた言葉遣いは相手に対して失礼にあたるわよ」

    「うむ、その子が話に聞くラズベリーか?」

    「うむ、会えて嬉しいぞ。俺はサブレだ。うむ、何度か授業で会ったことはあるが、話したことはなかったよな」

    「は?ちょっと何?」

    「うむ、ご機嫌がよろしくなかったかな?」

    「ごめんなさいね、サブレ先生。まったく、失礼な物言いばかりするようになって、執事に教わった礼儀作法をもう忘れてしまったのかしら?」

  • 96二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 08:01:30

    わたしは資材に隠れて、固唾を飲んでサブレ先生の様子をそっと見守った。

    サブレ先生はコミュニケーション能力がとても高かった。

    相手が年下であっても丁寧に接するし、無礼な態度を取られても決して怒らず、それでいて共感性が高く、会話を盛り上げる術を知っている。

    いきなり有無を言わさずクランベリー先輩に向かって突撃したときは、さすがに思わず手を伸ばして止めようとしてしまったが、わたしの心配はどうやら杞憂だったようだ。

     
    さて、わたしもそろそろご挨拶に行こうか。

    わたしは資材置き場を抜け出し、クランベリー先輩のいるステージへ向かった。


    「クランベリーさん、こんにちは…」

    「まあ、あなたがシフォンちゃん?会いたかったわ〜」

    「あっ、どうしてわたしの名前を…」

    「この前サブレ先生から話を聞いたのよ。ふふっ、とっても可愛らしいわ〜」

    「うむ、シフォンは問題解決部の自慢の生徒だ、彼女を頼りなさい」

    「ええ、そうさせていただくわ〜」


    あろうことか、美の象徴的存在であるクランベリー先輩に自分の容姿を褒められるなんて。

    クランベリー先輩は、本当に上品で礼儀作法を身につけており、そして美しかった。

  • 97二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 08:09:53

    弟と同じ琥珀のような金色の瞳。

    紅蓮という表現が似合うほどに真っ赤な髪の毛。

    姫カットのスーパーロングヘアに、ブルーベースの肌が、スタイルのよさを引き立てている。

    ささやかな化粧が可愛らしく、彼女の謙虚な性格を表現している。

    その表情からは、優しさ、勇気、正義感といった感情を感じとった。

  • 98二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 09:28:02

    しかし、ラズベリーの方はというと、彼はクランベリーほど優しくなかった。

    先ほど喧嘩していたときの表情のまま、眉間にしわを寄せて険しい顔でこちらを睨みつけている。

    彼は姉と同じ金色の大きな瞳と、オレンジ色とコーラルピンクの混ざったふわふわの髪の毛を持つ。

    髪型はショートボブでもみ上げの長いM字バング、体格はタルトみたいに小柄でちっちゃい。

    容姿だけなら、まさにわたしの理想の彼氏でめちゃくちゃ可愛いんだけどなぁ。

    せっかく可愛いお顔をしてるんだから、そんなに睨まないでほしいんだけど。

    「お前、あのときベタベタ絡んできたやつだろ」

    「あ、あのときは本当にごめんなさい……」 

    「まったく、今度は何の用なの?部活動の邪魔なんだけど」

    「あのね、わたし問題解決部っていう部活で活動してるんだけど……」

    「ああ、あのよく分からん謎部活ね」

    「それでね、今日、あなたのお姉さんから依頼がきたの……」

    「依頼?さっきからなんの話?」

    「えっと、これを見て!」

    わたしは、クランベリーの依頼書を差し出した。

  • 99二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 13:14:27

    「は?何それ」

    「クランベリー先輩が、あなたのことを思って書いた手紙……だよ」

    「ボクのために?ちょっと見せてみろよ」

    ラズベリーは乱暴に手紙をひったくると、手紙を読み始めた。

    ラズベリーは、しばらく手紙を見つめていた。


    「………」

    「……どう?」

    「………」

    「…………」

    「……………」

    ラズベリーが手紙を読み終えたようなので、わたしはラズベリーに感想を聞いた。

    「ねぇ、どうだった?」

    「……………」



    「……………ちっ、外野の分際でグダグダ説教垂れやがって」

  • 100二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 17:32:50

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  • 101二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 17:34:15

    サブレおじさん仕事ない日はパチンコ行くんだけど、大体チンコいじりながらレバーまわしてんのね
    リーチこねえーってときはとくに激しく玉まで揉んでたりするんだけど、不思議と勃起はしてこないわけ
    なんていうのか、無意識に右手がレバーまわすのと連動して左手のレバーいじってる感じ
    ボルトまわしてもナットがなければ締まらんのと似てるね
    男のチンコがそう簡単に勃起すると思ってんのは女だけだっておじさん胸張って言えるわ
    で、あ!きたっ!って思うとチンコがピクピクゥ!って少し芯が通った感じのチンポコアルデンテになるわあ
    言った傍から勃起ですよ やっぱ男って馬鹿だなって思わずおじさんニンマリしちゃう
    こうなるとズボン下ろしたいんだけど、まあおじさんそういう下品なことはできないから
    緩めのスラックスはいてチンコ痛くならないようにしてるね
    で、今日はその後ちょっと調子悪くて35k流れたけど、帰りにゲオで椎名りくがオマン◯気持ち良いですって何度も言ってるDVD借りてきたから問題ないね
    よし、お話終わり
    寝て良いよ

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