こうしてウチの実家は新興宗教はじめたワケ

  • 1二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:25:04

    バーゲスト信仰

    実際本人がいるんだから仕方無くない?



    はじまり

    みんなには黙ってたけどウチの実家…|あにまん掲示板dice1d375=@310 (310)@ を信奉する新興宗教で私は教祖の孫なんだ……https://w.atwiki.jp/f_go/pages/713.htmlbbs.animanch.com

    運命の朝

    ウチの実家?新興宗教やってる|あにまん掲示板バーゲストを信奉してるんだ若い頃にちょっとお祖父ちゃんがバーゲストとFateしてさ…前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1826090/bbs.animanch.com

    強いぞ冒険野郎

    ウチの実家はさ、新興宗教やってるんだ…|あにまん掲示板バーゲスト教前々スレhttps://bbs.animanch.com/board/1826090/前スレhttps://bbs.animanch.com/board/1836302/bbs.animanch.com

    ブリュンヒルデ大暴れ

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    猪の氏族エーデルフェルト

    新興宗教やってるウチの実家のこと、教えるね|あにまん掲示板全然、壺とか売ってないし私は信徒とかじゃないしただお祖父ちゃんがバーゲストを信仰しているだけFateしちゃったお祖父ちゃんhttps://bbs.animanch.com/board/1826090/…bbs.animanch.com

    日本のネズミは最強なんだ!

    ウチの実家、新興宗教やっててさ……|あにまん掲示板お祖父ちゃんがバーゲスト信仰はじめちゃってそれにしてもアストライアさん何かどこかで見たことあるな……はじまりの夜https://bbs.animanch.com/board/1826090/はじまりの…bbs.animanch.com

    最終決戦

    私のお家は新興宗教をやってます|あにまん掲示板お祖父ちゃんが初めたバーゲスト信仰ですって、小学校の作文に書いたら保護者会が始まってさ……私は別に信徒じゃないhttps://bbs.animanch.com/board/1826090/お祖父ちゃん…bbs.animanch.com

    戦争が終わり戦争がはじまる

    ウチの実家は新興宗教なんだよねー|あにまん掲示板第三次聖杯戦争が切欠でお祖父ちゃんが初めたバーゲスト信仰ちなみにバーゲスト本人は受肉して実家で元気にやってるメロン食べながら聞いた昔話https://bbs.animanch.com/board/18…bbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:25:32

    このレスは削除されています

  • 3二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:26:02

    画像が出ないってワケ

  • 4二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:28:58

    戦争は4年間続いた


    バーゲストが収容所で暮らす間

    お祖父ちゃんの実家に戻ってきたお祖母ちゃん

    2人の仲の高まり具合は…



    お祖母ちゃん

    (心のままに +15)

    dice1d100=23 (23)


    落伍者

    dice1d100=87 (87)

  • 5二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:31:26

    は、敗北者…

  • 6二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:32:36

    年の差かな…?

  • 7二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:32:42

      !?!


     ふっ、年増より幼馴染だよね






    お祖父ちゃんの落伍者への恋愛感情率

    (ゾロ目で…)


    dice1d87=77 (77)

  • 8二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:34:57

    ?!

  • 9二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:35:25

    お祖母ちゃんとはいったが妻とは言ってなかったな…

  • 10二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:38:04

    お二人の関係は…?



    1 周りがくっつけようとしているよ

    2 清く正しく付き合ってるよ

    3 ヤッたよ

    4 バーゲストって寝言を聞いた事があるよ


    dice1d4=4 (4)

  • 11二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:38:08

    ら、落伍者√…!?

  • 12二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:38:53

    うぁあぁ!?!

  • 13二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:49:05

    幼少期の栄養環境が悪かったせいか

    戦時下で苦しい生活ではあったが、少年の家で暮らしは安定しており

    落伍者の少女は少し遅れて成長期を迎え、ぐんぐん大きくなった

    身長は少年よりも高く、胸もシスターとは比べ物にならないほどで

    少年の姉を凌いだ。そのスタイルの良さはどことなくバーゲストを思わせた




    彼女に及ばないまでもローティーンを脱却しはじめた少年は

    背丈も伸び、男の顔つきになっていった


    父が徴兵されて家を守らなければならないという気持ちで

    張り詰めた顔を見せることが多くなった


    それから一人でいる時は遠くにいるバーゲストを想い、苦しんでいた


    そんな少年の寂しさを



    1 少年自身が耐えられなかった

    2 落伍者は利用した

    3 元シスターは気づいて、踏み出せなかった


    dice1d3=1 (1)

  • 14二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:55:11

    お祖父ちゃんが最初に辛い気持ちを見せたのは



    1 お祖母ちゃん

    2 もはや幼馴染になった落伍者

    3 こういう時の肉親。姉ちゃん


    dice1d3=1 (1)

  • 15二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 22:59:49

    「もう少しの辛抱ですよ、少年」


    「バーゲストは元気にやっています」


    「使い魔で連絡は取れているのですから、安心して待ちましょう」


    元・聖職者としての良識故か、年長者としての意識か

    彼女は弱った少年に女としてではなく人として寄り添った




    一方で落伍者の少女は

    自分の身体をつかって愛する男を慰めたのだった――…



  • 16二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:03:32

    (辛い時に側に居られなくてどうするのさ)


    (辛い時に優しい言葉だけかけてどうするのさ)


    (私は側にいるし、抱きしめてあげるんだから……)




    1 別にバーゲストの代わりでもいいし

    2 私は寝言なんて聞いてない

    3 心だっていつかバーゲストから奪ってやるから


    dice1d3=2 (2)


  • 17二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:10:25

    ん…


    「ふふ…寝顔は子供の頃から変わってないね」


    バーゲスト……


    「…………」


    「寝言なんて……本心とは限らないし」


    「夢の内容なんてわかんないし」


    「っていうか、私の聞き間違いかも知れないし」


    「目が醒めたら……君の隣で寝てるのは私だよ」


    「私なんだよ」




    元シスターは2人の関係を


    1 察した

    2 落伍者が言った

    3 少年が報告した


    dice1d3=2 (2)

  • 18二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:12:16

    聖杯戦争が終わったら正妻戦争がはじまった

  • 19二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:17:05

     私さァ、彼と愛し合ったなぁ



     ?!



    虚実交えた少女の報告に彼女は……



    1 納得し、祝福することにした

    2 少女の虚勢を見抜き、窘めた

    3 信じられず、少年を問い詰めた

    4 傷つき、家出した


    dice1d4=3 (3)

  • 20二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:23:24

    (少年は私のことが好きだった筈では…!?) ※違います


    (これが世にいうNTR……?!) ※正しくはWSS


    (いえ、一方の言い分だけで判断はできません)


    (私は少年を信じている…!!)


    (少年に問いたださねば……!!)




    1 ああ、うん付き合ってるんだ

    2 彼女が、そう、言ったの?

    3 ……やっぱり良くないよな


    dice1d3=1 (1)

  • 21二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:28:08

    戦後間もない頃からNTRを知ってる教会は進んでるな

  • 22二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:41:20

    ああ、その……

    アイツとはちょっと前から付き合ってるんだ


    「そ、そうですか」


    (もしかして少年は私の事が好きでも何でもなかったのでは……)


    (でもそんな……)


    (ですが少年が私のことを好きならもっと誠実な態度をとっている筈……)


    あの……

    俺、多分お姉さんが思ってるような立派な人間じゃないからさ

    ゴメン、黙ってて

    言い訳じみてるけど皆には折を見て話そうとは思ってたんだ

    中々、機会がなくて伸ばし伸ばしになっちゃったけど


    だからアイツも不安になったのかな


    お姉さんには悪く思わないで欲しい


    「え、も、勿論です」


    「お似合いだと思いますよ」



    70以上で涙

    dice1d100=63 (63)

  • 23二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:48:17

    「それじゃあ仕事に戻りますね……」


    お祖母ちゃんは戦中、お祖父ちゃんの家に匿われている間も

    戦後になってからも、数字に強いのを生かして

    奥で畑の管理計画を担当していた


    残った野菜の種や苗で育ちが早いものを選別

    畑で無事な部分に種まきしつつ、現在の資材から家屋や荒れた畑の修復をする

    お祖母ちゃんがいたおかげで無駄がなく、滞りもなく生活できた


    その上、幸いにしてお祖父ちゃんの実家は山も持っていたから

    野生動物や山菜も採ることことが出来た

    動物は普段なら手間が多くて食用に解体はしないんだけど

    その時だけは別だったって話てたな


  • 24二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:50:59

    狩猟に関しては私も知識あるからね

    単純に狩るだけならバーゲストの方が強いだろうけど

    捕まえた後の加工まで考えると私の方が上


    「うん、助かってる」


    「けどどうして君はそうバーゲストやお姉さんと張り合うの?」


    「俺は仲良くして欲しいんだけどなぁ」


    ……そうだね

    君が鈍いからそういう態度をとってたけど

    もうそういう心配はしなくていいんだよね


    「え?」


    ううん、なんでもない

    それにしても、動物用の罠に引っかかる人間が多すぎる

    あの人たちは山をなんだと思ってるのかな?

    公共の山なんて存在しないのに、勝手に入っていいものだと思ってるんだから


    (君が言うかなぁ……)


    「食べるのに困ってるんだと思うよ。俺の家は農家だからそういう面では助かったよね」


    東京からきた人も結構いたよね。疎開してきたのかな。訛りがなかったし

    街の方にはあまり行かない方がいいよ。色々ゴチャゴチャしてて治安悪いから

  • 25二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:54:49

    誰のものでもないと思って山に入ってきてるなら

    あの人たちは畑に忍び込む泥棒よりはマシだと思うんだけどな


    罠で怪我した人は手当してやって


    「優しすぎるなぁ。野垂れ死んでも因果応報ってものだと思うけど」


    「……まぁ、そういうところ好きだけど、さ」


    そんな立派なものじゃない

    情けは人のためにならず、だよ


    「そ……うわっ!?」


    大丈夫か!?


    「ゴメン、ちょっと立ちくらみ」


    体調悪いの?無理しない方がいいよ


    「平気だよ。これぐらい」



    90以上で妊娠。ゾロ目で…

    dice1d100=13 (13)

  • 26二次元好きの匿名さん23/06/04(日) 23:58:03

    戦争は終わった


    「バーゲストもこっちに戻ってくるとか。良かったですね、少年」


    ……うん

    でも、元通りって訳にはいかないよな

    家や畑はこの有様だし


    まぁ落ち込んではいられないか

    戦争で何もかも無くなってしまったけど

    自分の身体は残ってるんだから、身体を動かすしかないよね


    「確かに畑の復活には労働力が必要です」


    「できれば農業知識が在る方が良いですし、本来なら近所の方と助け合うべきでしょうが」


    「その、私のせいで……」


    まぁ、戦争が終わって戦前戦中の鬼畜米英とかは嘘でしたって言われても

    それに従って迫害した事実は消えないし、その価値観のせいで生まれた溝も簡単には埋まらないよね

    戦争を煽ってた新聞社が今じゃ戦前の政府を批判しているのを読んだけどさ

    現実は文字の上みたいにクルッと手のひらを返すわけにもいかないんだから



    祖父の家と近所の関係

    (バーゲスト -10)

    (元シスター -20)


    dice1d100=64 (64)

  • 27二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:03:54

    正直なところ、近所との関係は冷え込んだままから

    俺ん家を手伝ってくれたり、農具貸してくれたりって人は殆どいないんじゃないかな


    この先メロン農家として復活できるかどうかは、自信ないな

    父さんは気にするなって言ってくれてるけど……


    「ちゅー!!」


    ん、どうしたんだよお前


    「チュウ!チュウ!!」


    バーゲストが戻ってきたのか!?


    ごめん、お姉さん

    俺迎えにいってくる!!


    「ええ、それがいいでしょう。私は皆さんに伝えてきます」


  • 28二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:07:51

    収容所から解放されたバーゲストは少年の元へ戻ってきた


    「バーゲスト!!」


    「マスター! よくご無事で」


    「バーゲストこ…」


    言い終わらぬ内に、バーゲストはその巨体で少年を抱きしめる

    少年はつま先でなんとか大地に触れてるぐらいにまで持ち上げられた


    「あ、すみません。強く抱きしめ過ぎましたわ」


    「平気だよ、もう子供じゃないんだからさ。筋肉だって結構ついたろ?」


    (確かに以前と比べて逞しくなりましたわ……)ドキドキ


    「…………」


    バーゲストに抱きしめられた時、思わず抱きしめ返そうとした自分を少年は戒めた

    それは幼馴染の少女に悪いことのように思えたからだ


  • 29二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:12:17

    「ところで、その人達は?」


    GHQ統治下にある日本で、強制収容所に送られていた人たちは解放された

    でもそれは、彼らの財産が戻ってきたということではなかった


    バーゲストについてきたのは、収容所送りにされて生活の基盤を失ったもの

    それから収容所に勤務していたことでアメリカ人に睨まれて

    あるいは日本人が勝手に配慮したため、再就職の口を失ったものだった


    収容所で彼らと友誼を結んだバーゲストは

    どうにも見捨てることはできず、しかし自分とて何も持たぬ身であるため

    困り果ててながらも少年の元に連れてきてしまったのだった


    「やはり迷惑でしたでしょうか」


    「私はついマスターに頼ってしまって……」


    「マスターとてまだ十代の若者だというのに」


    その巨躯に似合わず、深窓の令嬢のように小首を傾げて愁眉を作るバーゲストに

    少年は胸が高鳴るのを感じた


    「ああ、いや……人では……欲しいかも」

  • 30二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:27:20

    こうしてバーゲストが連れてきた人々と共に、少年の家は復興を初めた


    「ただやっぱり見ず知らずの人間が急に増えたのはさ、近所の人はいい顔しないだろうな……」


    「警戒の目が強くなってるね」


    朝採れたばかりのキュウリを噛りながら、少年と幼馴染の少女は話し合った


    バーゲストが連れてきた人間も即戦力という訳ではない

    元シスターが監督しながら指導をしている

    バーゲストに着いてきたはいいが、農業はゴメンだと内心思っていて

    サボってる人間もいるのだから前途多難である


    「あれ、看守の方だっけ? 別の仕事探せばいいのに」


    「公職追放とか……再就職難しいんだろ?」


    勉強嫌いの少女に対して、少年は身体を鍛えるのと同じぐらい勉強も熱心にしていた

    ちょうど元シスターという勉強はできる教師が側に居たこともある


    「公職追放っていっても案外普通に残ってる人もいるらしいですよ」


    シスターの事務を手伝っている青い目の青年が、キュウリを貰いながら会話に参加してきた


    「私を捕まえた特高も、普通に警察官やっているとか」


    「GHQも日本人を虐める日本人には寛容というか、興味ないんじゃないですかね」


    彼はハーフだった

  • 31二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:40:00

    「マスター、少しお話が」


    そういってバーゲストは若い日本人の青年を連れてきた

    彼はバーゲストと一緒にやってきた者だが

    聞けば収容所の副所長だったという


    「その歳でエリートなんですね」


    元シスターが感心すると、青年は頭を振った


    「家柄だけです。一族で能力のある人間はもっと上の職に就いてます」


    「どうしてバーゲストと一緒にきたの?」


    他にいくらでも働き口がありそうなものだと、少年は尋ねた


    「それは勿論、彼女に心打たれたというのもありますが」


    「家を頼りにすれば色々闘争に巻き込まれそうで……」


    「どうにも自分はそういう野心に欠けているみたいなんです」


    元副所長は柔和に笑った

    バーゲストの人望だけでなく、副所長がこのような人物だからこそ

    収容所の平穏が保たれたのではないかと、少年は彼を見て思う

  • 32二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:44:03

    「ここだけの話、日本軍は解体されましたが、復興を望む一派はいます」


    「アメリカに睨まれない?」


    「そのアメリカの懐に食い込んでるんですよね」


    少年たちが眉を顰めるのを尻目に、元副所長は続けた


    「元陸軍の服部大佐という人が味方の情報を売ってまで戦後で保身を謀って……」


    「しかし吉田総理はこれを蛇蝎の如く嫌っていて……あ、子供に話すことではないな」


    「とにかく、上の方はまだまだキナ臭くて、こんなに国民も国土も傷ついたのに、私は付き合いきれない」


    「ココに来てよかったと思っているんです」


    「身体を動かして、土を弄って、自然と己が鍛えられていく。自分に芯ができていく感じかな」


    大の大人にそんな風に言って貰えたことは少年にとってこそばゆくも、嬉しかった


    「でも私達の存在が君たちの家の迷惑になっているのも感じている」


    「それに、この人数を食わせるのは君の畑では難しいのではないかな」


    副所長の視線に、元シスターは目を伏せた

    経理事務を担当している彼女は現状をよく理解している

  • 33二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:52:45

    「そこでなんだが、移住を選択肢に入れてはどうだろうか?」


    他の土地に移るってこと?


    「仕事柄、どこどこの土地が没収されたとか、破棄されたとか」


    「詳しくてね。戦後の混乱もあるが、今なら広いが人のいない土地も手に入る」


    「勿論、不法に住み着くのではなく正式な手続きで安く購入しようという話だ」


    ……父さんたちにも聞いてみないとわからないけど

    悪い話じゃないとは思う

    でも、安くても土地を買えるだけのお金は……





    1 家財を売ればなんとかなる

    2 教会に相談だ

    3 エーデルフェルトに相談だ

    4 実はシスターにはへそくりが


    dice1d4=1 (1)


  • 34二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 00:59:39

    少年は話を父に持っていった

    すると父は身辺を整理して、一家で移住することを決めた


    先祖代々の土地を簡単に手放す決断をしたことに少年は驚いたが

    父は戦争を経験して色々思うこともあったらしい


    「そう簡単にくたばるつもりはないが、人間いつ逝っちまうかわかったもんでない」


    「俺が居ない間、お前は家をしっかり守ってくれた」


    「そして家族だけじゃなく、守るべき道義もしっかり守った」


    「いつ代替わりしても問題ないと思ってたんだ。だったら俺の代でサッパリさせとくことはサッパリさせとかないとな」


    そう父に言われ、少年は口を結んだ

    自分はそんなにしっかりやれてたろうかと


    バーゲストを想いながら彼女に縋った自分は……


  • 35二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 01:05:58

    心に棘が刺さったまま、お祖父ちゃんは家族と

    後に信徒になる人達と一緒に、新天地へと移住したんだ


    新しい土地は広かったけど、荒れていて

    皆で力をあわせて開拓したんだって


    その中でバーゲストはみんなの心の支えになり

    彼女が信頼するお祖父ちゃんも若くしてみんなの中心になっていった

    お祖父ちゃん自身が背中で示した結果だって、お祖母ちゃんは言ってたな


    そうした中で生まれた結束とルールが

    実家の新興宗教の母体になっていったんだと思う


    でも戦後の中、一致団結して生まれた富を

    周りが放っておくには時代が悪すぎたんだ……


    つづく

  • 36二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 02:50:42

    乙乙
    おじいちゃんこれで最低でも二人と肉体関係持ったの確定になったな……

  • 37二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 09:44:13

    1番最後にパーティINしたのに捲くってくるなぁ落伍者ちゃん

  • 38二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 13:19:41

    面白い
    ついに本題の新興宗教の起こりが見えてきてワクワクしてる

  • 39二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:09:12

    保守

  • 40二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:39:13

    「新しく開墾した畑だけど、父さんが肥料蒔いて土壌改良した方が良いっていうんだ」


    「ただ俺は俺で別の改良方を考えてるんだけど」


    「なので2つに分けて作付けしようと思ってる」


    それなら面積はお父様のを1番多くして

    比較用にそのままの土壌の畑と、少年のやり方の畑の3つを作るべきですね


    「あぁ、なるほど。そうするよ」


    午後の労働はそろそろ終わりですね

    終業前の筋トレタイムの招集をしましょう

    バーゲストも呼んできてください


    「身体が資本だから、鍛えようって初めた朝夕の筋トレを皆ですることになるなんてね」


    「でもバーゲストは御飯の準備を抜けて自分が皆の前に出ていくの、申し訳なさそうだよ」


    バーゲストという具体的な理想形を目にすることで

    皆さんの筋トレのモチベーション向上に繋がるのです


    彼女も元は領主なのですから、理解してくれますよ


  • 41二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:40:05

    ねぇバーゲスト

    彼とあの元シスター、ちょっと一緒に居すぎじゃない?


    「そうですか? 彼女はいわば私達の官僚長のようなポジションですから」


    「色々相談することが多いのは当然かと思いますが」


    …………そうかも知れないけど


    私、学がないから彼の助けにはならないかも知れないけど


    「人には向き不向きがあるというだけのことですわ」


    …………


    「…………」




    バーゲストは


    1 少年と落伍者が付き合ってるのを知らない

    2 知っている(動揺中)

    3 側室ですわね。わかります


    dice1d3=3 (3)

  • 42二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:46:40

    彼が他の女性と仲良くしていてヤキモキするのはわかりますが

    もう少しドンと構えていた方がよろしいですわよ

    いちいち気にするようでは(側室として)やっていけないのでは?


    「む……」


    「まぁ、そうかもね」


    「バーゲストは(私に彼を取られたのに)余裕そうだし」


    本音を言えば驚いたことのは事実ですが

    私がいない4年の間、貴女がマスターを支えた事実は無視できません

    それを考えれば(貴女が側室であることぐらいは)受け入れましょうとも


    「そ。まぁ私としてもバーゲストとやり合うのは避けたいしね」


    (きっと勝てないし)


    必要のないことですわ(私が強者なのは揺るぎないですし)


  • 43二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:47:47

    「移住希望者?」


    元副所長の発言に少年は首を傾げた

    開墾と開拓によって農場は広がりを見せているが

    ここはあくまで私有地であって、就職希望というべきではないだろうかと


    「近所付き合いした方がいいかな…?」


    近くに村はあったのだが、戦争のゴタゴタで寂れてしまっていて

    近所の人間といっても遠くに住んでる者が数人といった程度だ

    こうなってしまうと確かに傍目には少年の農場はそれだけで村染みているし

    さらに言ってしまえばまるで隠れ里である


    それに関しては多少意識している部分はある

    何せ受肉した英霊に、戸籍偽装したシスター、修験道に拉致された少女に、収容所帰りの人々

    色々人の目が気になる人間で構成されたメンバーだ

    少年の家族もまた、戦争で長く培ってきた近隣との関係が壊れてしまった

    そういう人間不信な部分は少し影を残している


    「まぁ来る者拒まずでいいと思うけど……」


    しかし生来の人の良さで少年は農場にやってきたいという元副所長の親戚を受け入れることにした

    が、待ったをかけたのはバーゲストだった


    「マスター、どうやら彼は親戚の方がこちらに来られるのに戸惑っている様子」


    「え?」

  • 44二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:48:40

    「えっと、その人とはあまり仲が良くないとか?」


    「いえ、何というか……腑に落ちなくて」


    「以前お話したと思いますが、ウチはそこそこのエリート一族でして」


    「その中でも彼は出世頭で陸軍にいた人間なんです」


    陸軍……となれば公職追放の対象になって生活が苦しいというのはありえる話で

    親戚の伝手を頼って働かせてくれということが腑に落ちないという気はしないが


    「正直なところ、彼がその気になれば公職にしがみつくことぐらいはできる筈なんです」


    「仮に離れるとしても、農家で働きたいというタイプではなく」


    「私を頼るというのも、どうにも考えにくくて」


    苦手なタイプなのだろう、元副所長は親戚の人間を語るのに歯切れが悪い


    「うーん。でももしかしたら本当に困ってるかも知れないしなぁ」


    「助けを求めている人の手を払うのは……」


    取り敢えず会ってみようと少年はなぜか話を持ちかけた元副所長を説得するような形になった

  • 45二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:49:46

    ……まったく。この僕が陸軍再興を目指す服部機関から弾かれるとは

    服部大佐程度ならいくらでも傀儡にできると考えていたが

    ウィロビーのヤツがあれほど依怙贔屓が強いとは思わなかった

    ヤツに嫌われたら問答無用で追放さ。服部はウィロビーの腰巾着だから頼りにならない


    まぁいい。ウィロビーは単純なヤツだ。成果さえ出せば手のひらを返すに違いない

    つまりヤツの嫌う赤を摘発すればいいのさ


    近年この辺りに住み着いた集団

    いわくつきの連中が集まり、外部との交流も少ない

    一方で高級フルーツを都市部の富裕層向けに販売し、それなりに売上を出しているようだ

    もっとも抱えている人員が多くて富が還元されているとは言い難いが

    奴らの中にいる親戚の話だと不満はなく、普段は農業の他に身体を鍛えているという


    こいつは胡散臭い

    人員を抱えながら清貧を貫き、農本主義と平等を掲げている

    これは赤のやり方じゃないか?

    身体を鍛えるのは兵隊訓練で、富裕層とのフルーツの販売は

    共産主義に心を寄せる連中と密かに連絡を取っている証拠だ


    ちっ…神国日本にこのような集団がいるのは許せないな!!

  • 46二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:50:36

    ま、仮に赤と関わりが無かったとしてもだ


    証拠をでっち上げて僕の功績にさせて貰うさ

    落ちこぼれ共が肩を寄せ合ってただ生きるよりも

    僕ほどの才能の踏み台になった方がよっぽど意味があると言うもの


    ふふふ……


    それにしても出迎えの一人もいないのか?


    ん?


    おい、そこのお前!!





    1 バーゲスト

    2 シスター

    3 落伍者



    dice1d3=3 (3)

  • 47二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:57:48

    そこでいきなり落伍者ちゃん引くかー…

    ワカメだなぁ…

  • 48二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:00:19

    ここの人間だな

    僕はここに入居希望の者だ。連絡がいってるはずだが?


    「は?」


    「入居って……住み込みってこと?」


    「あー…そういえば彼やバーゲストがそんなこと言ってたかも」


    ここの責任者に会わせろ、娘


    「エラソーだね」


    ふん、僕は陸軍では少佐だった男だぞ


    「あ、そ」


    ち、身体は良いが頭は悪いみたいだな

    誰が国を守ってやったと思ってるんだ

    お前のようなのは僕たちに奉仕するためにいるんだぞ


    「ちょ、何触ってんのさ」



    1 反撃で痛い目にあう少佐

    2 反撃をさらにやり返す強い少佐

    3 我慢を覚えた落伍者ちゃん


    dice1d3=2 (2)

  • 49二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:02:29

    さす少

  • 50二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:08:12

    持っていたナイフに強化魔術をかけ

    少女は躊躇なく、自分の胸を触った少佐の腕を切り落とそうとした


    だが……


    「ほう、まさか魔術を使えるとは思わなかったな」


    「基本的な魔術ではあるが修験道の癖が混じっているな」


    「ふん…まぁ異国の思想に被れてないところは評価できるが」


    「魔術師を抱えてるということは、やはり怪しいな。この村は」


    素手でナイフを折った少佐に、落伍者の少女は警戒を強める


    「村じゃなくて農家なんだけど。アンタみたいなのに狙われる理由がないごく普通の」


    折れたナイフの断面が腐食しているのをみるに

    硬化ではなく酸を生み出す魔術を使ったように見えた


    「それをこれから僕が調査しようというんだ」


    「何様だよ」


    「なに、ただの愛国者さ」

  • 51二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:14:44

    素質はあるようだが技術は未熟

    僕の敵ではないが、それでも戦いかい?


    まぁ賢そうにはみえないから実際に戦わなければ彼我の差に気づかないか

    いいだろう、一つ教育をしてやろうじゃないか


    そうすれば君には二つの道があることに気づく筈だ


    一つは力の差を思い知って僕に平伏する道


    一つは僕に破れ人知れず命を失う道


    君はどちらを選ぶかな?

    ちなみにオススメは前者だぞ。僕は部下には優しいからな




    落伍者VS少佐 (100ほど落伍者有利。ゾロ目で…)

    (実力差 -15)


    dice1d100=98 (98)


  • 52二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:23:26

    「純日本人で魔術回路もそこそこありそうだ」


    「容姿も悪くないし、降伏するなら僕の子種をくれt…」


    ねっとりと落伍者の身体を下から上まで見定める少佐の喉に杭が突き刺さる


    「キモ…」


    「がっ…ぐああぁあ!!!」


    山で獣用の罠に使う太い鉄製の杭が、喉を貫通し

    ヒューヒューと空気が漏れている

    言葉を封じることで魔術の詠唱に支障がでるため

    喉を狙うのは有効な手段だ


    「きしゃ…ま…」


    魔術師同士の戦いを想定していた少佐にとって

    あまりにもルール無視の攻撃だった


    だが、少佐とて並の魔術師ではない

    言葉を使わずとも予めセットした魔術の備えはいくらでもあり…


    「ごがっ!!」


    ……あったが、それを使う前に落伍者の鉈が少佐の頭蓋に食い込んだ


    「ごめん、何言ってるかわかんないや。まぁ死んで」

  • 53二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:24:18

    少佐…道化にも程がある

  • 54二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:26:36

    出落ちワカメ

  • 55二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:31:03

    あー……この死体どうしよう


    私も血まみれだし

    まぁ、血まみれは狩りしてたからで誤魔化せるかな?


    んー……

    取り敢えず森に埋めよ





    1 少年だけに報告する

    2 黙っておく

    3 農家の仲間に目撃される


    dice1d3=3 (3)


  • 56二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:33:38

    しかし彼女のこの一連の行動は

    お祖父ちゃんとバーゲストの元に集まった人たちに目撃され

    団結していた集団に不和をもたらすことになるのでした……


    つづく








    エピローグのプロット

    落伍者に2度も破壊されている……

    ダイスのせいで

    着地点が、着地点が見えない……

  • 57二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:36:54

    乙乙
    殺人はそりゃね!目撃されたら不和とかそういうレベルでないよね!

  • 58二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:38:08

    こいつは落伍者ちゃん
    この農園でも特に躊躇を知らないヤツさ

  • 59二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:43:58

    バーゲスト  象徴
    お祖母ちゃん 経営
    落伍者ちゃん 暗部

    新興宗教の構成員としては完璧だぁ

  • 60二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 08:02:21


    流れるような登場と退場……

  • 61二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 08:45:20

    さらばワカメ
    反撃しなければ生きていられたろうに

  • 62二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 14:51:47

    喧嘩は技術じゃなく度胸だよと言わんばかりの敵即斬

  • 63二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 20:31:38

    保守〜

  • 64二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 02:45:25

    追放されたらメンタル死にそうだな

  • 65二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 07:10:17

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 18:53:20

    保守

  • 67二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 00:22:42

    保守

  • 68二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 05:46:37

    >>64

    お爺ちゃんはなぜこんなマインスイーパーを?

  • 69二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 09:28:27

    落伍者ちゃん凄いな…色々と……

  • 70二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 17:49:06

    保守です

  • 71二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 19:29:34

    保守

  • 72二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 22:40:07

    ほし

  • 73二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 23:57:18

    死体遺棄を目撃された落伍者の少女



    1 平然としている

    2 口封じをする

    3 逃走する

    4 見られたことに気づいてない


    dice1d4=3 (3)


  • 74二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:12:25

    殺人がバレたと気づいた落伍者の少女は

    その日の内に農家から姿を消した


    殺された人間が元副所長の親族であったことも判明し

    仲間たちの間に動揺が走った


    一方で元シスターは少佐の遺体から魔術の痕跡を確認

    魔術戦が行われたと推測した


    「しかし魔術に関して皆さんに説明する訳にもいきません」


    「とはいえ、何か事情があっての戦闘だったと考えられます」


    「元副所長さんの話を聞いても一筋縄でいかない人物のようですし」


    「……彼女は逃げずにちゃんと報告連絡相談をしてほしかったものですが」


    彼女にだけは言われたくないものである



    仲間内の動揺


    dice1d100=55 (55)

  • 75二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:16:55

    ほぼ半々

  • 76二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:17:19

    このレスは削除されています

  • 77二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:17:50

    殺人事件でこれならまだ低く抑えれた方だとも言えそう

  • 78二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:28:22

    皆さんの中で動揺が広がっていますわ

    殺人という非常事態もそうですし

    実行者が彼女であったことも問題です


    この農場では古株で、マスターとも親しい人間ですから

    放置するとマスターの求心力にも影響がでてくるかと


    「俺の求心力はともかく、まずは彼女を捕まえて事情を聞こう」


    「待って下さい少年。事実として人が死んでいる以上、まずは警察を呼ぶべきでは?」


    現段階で警察を介入させることが良い結果をもたらすとは限らないのでは?

    あの男も背後関係が怪しそうですし


    「収容所から逃げた私が法を遵守しろというのはおかしく聞こえるかも知れませんが」


    「少年が警察に連絡しないことを皆が不信に思われるリスクを考えてください」


    なるほど……しかし彼らは強制収容所に罪なく送られた身

    公的機関に対して不信感もあるでしょうし、案外内々で収めることを納得するかも知れませんわ


    「希望的観測に過ぎませんか?」


    どうでしょうね?実際、殺された男は何か隠してる可能性があった訳ですから

    それを理由にすれば様子を見ようという意見が大勢を占めるのでは?

  • 79二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:36:26

    元陸軍の人が悪人かどうかは断定できないよ

    魔術師で、命の危険があれば咄嗟に魔術を使うことだってあるんだし

    今の段階であの人を貶めるようなことを言うのは皆を騙すようなものだ


    警察に通報しないなら、その理由はまず彼女からちゃんと話を聞きたいから

    そういう風にみんなに伝えるべきだと思う


    あの子だってずっと農場で一緒にやってきた仲間なんだから

    みんな納得してくれる筈だよ


    「…………」


    俺はそう思いたいけど2人の言い分もわかる。

    ここは……



    1 少女を探す

    2 警察に通報する

    3 仲間を説得する


    dice1d3=2 (2)

  • 80二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:45:09

    どんな事情や陰謀があったとしても

    人一人が死んでいることには変わりないし

    この事実を後回しにすることで好転するものなんてないと思う


    お姉さんの言う通り、まずは警察に連絡することにする


    「わかりました」


    「これで皆の動揺が少しは収まれば良いのですが……」



    動揺度


    dice1d55=24 (24)



    警察を呼んだんだ……



    1 仕方ない

    2 私を切り捨てたんだ

    3 彼の考えじゃない……


    dice1d3=1 (1)

  • 81二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:55:45

    少年は事件を警察に通報

    これによって今回の殺人は少年とは無関係であり

    落伍者の少女が突発的に起こしたという見方が

    コミュニティ内では強くなった


    そのため、殺人事件という非日常への動揺は未だに残るものの

    仲間内のまとめ役である少年やバーゲストらへの不信感はほぼ無くなった


    この結果に関しては逃走した少女の望み通りでもある

    結局のところ、彼女が逃げたのは

    農家に残っては少年の迷惑になると考えたからだった

    説明不足によって当の少年たちは意図を測りかねたが




    やってきた警察の態度

    (100ほど公平、0ほど尊大、ゾロ目で…)


    dice1d100=21 (21)



  • 82二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 00:56:06

    まだマシか?
    いやどうだこれ?

  • 83二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 01:09:16

    しかし当事者たちにとって想定外だったのが

    農家にやってきた警察の態度であった


    警察は元陸軍少佐という肩書をもつ被害者にハナから同情的であり

    少佐に落ち度はないと決めつけてかかっていた


    その上でこの農場の人間といえば、外からやってきた余所者だし

    構成員には戦中に強制収容所に送られた人間もいる

    少佐がこのコミュニティをアカとでっち上げて功績にしようと考えただけあり

    客観的に不信な集団であるのは否めないのだった


    そのため、警察は非常に横柄な態度であり

    少年たちが正直に話してもやたらと疑ってきたりと

    農家の仲間たちも時間が経つに連れて警察に対して嫌うようになった


    「皮肉なことですが、警察という敵が現れたことで」


    「コミュニティの不和は消え、むしろ団結が増した印象を受けます」


    仲間たちの間では警察を呼ばなければよかったという意見が多くなり

    もし次に問題が起きても自分たちで解決するベキという気運が高まっていった



    そして落伍者の少女への評価は

    (殺人 -20)

    (警察 +10)


    dice1d100=73 (73)

  • 84二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 01:17:20

    落伍者ちゃんつよい

  • 85二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 01:18:17

    宗教村っぽくなってきたなぁ

  • 86二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 01:20:57

    大嫌いな警察が「少佐は悪くない」というスタンスをとったことで

    農家の仲間たちはむしろ「あの陸軍少佐には何か問題があったのでは?」と考える者が多くなった

    人となりを知る元副所長も消極的ながらその意見に肯定的だったのも後押しをし

    コミュニティの中では落伍者の少女への同情論が増え始めた


    「これなら戻ってきても大丈夫なんじゃないかな?」


    少年が伺うように元シスターを見る


    「さて……それは……」


    「実際に殺人を犯している訳ですから」


    「同情はするが受け入れがたいという人もいると思いますよ」


    「そうか、そうだね……」


    「とは言えやはり詳しい事情を、真相を知る必要はあると思います」


    「真相次第ではその受け入れがたい層も納得するかも知れませんし」


    元シスターの意見に、バーゲストが尋ねる


    「では彼女の捜索を始めますか? といっても彼女を捕まえるのは並の人間には難儀かと思いますが」

  • 87二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 01:29:01

    修験道を修めた少女の逃走を真っ向からねじ伏せられるとすれば

    この中では受肉した英霊であるバーゲスト以外に居ないだろう

    しかしバーゲストはこのコミュニティにおける精神的支柱であり

    長く不在であることのリスクは大きい


    バーゲストには及ばないだろうが、聖堂教会で戦闘職であった元シスターは

    落伍者の少女と一対一で戦えばまず負けることはない

    が、少女は逃げに徹しているわけで、そうなるとバーゲストほど確実とはいえないのが難点だ


    戦闘力こそ低いが、少女が足を止めて説得に応じる可能性が高いのは

    言うまでもなく少年だろう。彼女が逃走しているのも少年に迷惑をかけたくないからだし

    状況が改善されて少年の側にいても良いとなれば、彼女は喜ぶに違いない


    少女の確保に向ける人材の選択にはそれぞれメリットとデメリットがあったが

    三人は話し合いの末に、誰を向けるかを決めた


    それは


    1 バーゲスト

    2 元シスター

    3 少年


    dice1d3=1 (1)

  • 88二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 01:31:14

    こうしてバーゲストは修験道の子の探索に

    お祖母ちゃんはお祖父ちゃんと一緒に農場に残ったのだった


    つづく

  • 89二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 07:30:29

    おつ

    ……もしかしてこれがおばあちゃんの子孫繁栄チャンス?

  • 90二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 15:31:03

    この先どうなるんやろな

  • 91二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 23:06:00

    ほしゅ

  • 92二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 01:04:46

    平穏無事に三人を侍らせてほしいなと思います。

  • 93二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 11:24:25

    保守
    完走頑張れ

  • 94二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 20:54:40

    ほし

  • 95二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 06:51:39

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 13:12:22

    保守

  • 97二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 20:57:31

    保守

  • 98二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 02:13:10

    ほしまる

  • 99二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 09:45:21

    ほしゅ

  • 100二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 13:23:55

    やっと追いついた
    これはこれでようやく着地点が見えてきた…のかな?
    ちょっとスレ主さん悩んでそうですね

    保守

    がんば

  • 101二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 22:15:19

    保守

  • 102二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:50:35

    「おや、少年は?」


    「森に猪が出たので罠の準備に出ています」


    そこまで自分が動かなくてもいいんですがね…と

    少年の代理で元シスターから書類を受け取った男が呟いた


    森の担当だった落伍者の少女が欠けたことで

    その方面の仕事は滞りがちであるが、集団のまとめ役である

    少年が出張っていく程の重要度ではない


    「喧嘩でもしましたか?」


    「は?」


    全く心当たりがないという顔をするシスターに

    自分の見当違いかと男は思った


    「……私、避けられてますか?」


    そう言えばこのところ少年と2人きりになったことがないと元シスターは考えた

    話す時は誰かしらと一緒だし、そもそも顔をあわせる機会が少ない気がする


    「ふむ…」


    三十代も半ばを越えたにも関わらず彼女は少女のように小首を傾げて思慮した

  • 103二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:51:04

    バーゲストは猟犬を放ち、落伍者の捜索をする

    受肉したとはいえサーヴァントにして妖精


    半端に修験道を囓った程度では

    逃げ切るのは難しいのは誰の目にも明らかだった



    51以上で捕獲され連れ帰られる

    50以下で捕獲されるが帰らない

    ゾロ目で逃げ切る



    dice1d100=81 (81)

  • 104二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:56:30

    私はメッセンジャーでありませんので

    マスターに伝えたいことがあるなら眼の前でおっしゃって下さいな


    「ぐ…」


    逃走の理由を伝えるから戻らないなどと

    貴方に都合のいい事に協力するとでも?


    私は彼のサーヴァントですのよ

    勝手な貴女に怒ることはあっても味方することはありませんわ


    さ、急いで帰りますので

    舌を噛まないようにしてくださいまし


  • 105二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:57:05

    「なんでさ」


    夜、自室に戻った少年は

    自分の布団で寝ている元シスターの体を揺すった


    「ふぁ…どうやら寝てしまっていたようですね」


    「ようですねじゃなくて。一応、鍵もかかっていた筈だけど」


    「アレぐらいはちょちょいのちょいですね」


    それは魔術が使える彼女にはその通りだろうが……と少年は思う

    魔術的なセキュリティにしたって、組み上げたのは彼女なので

    彼女が入ろうと思えばいくらでも素通りできるだろう


    「どうしてこんなことを?」


    「ちょっと眠気が。安心して下さい、お風呂の後なので汚くはないです」


    「そりゃいい匂いするけど」


    思わず口にしてしまい、お互い沈黙してしまう


  • 106二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:57:49

    このレスは削除されています

  • 107二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:00:08

    「私は少年に避けられているのですか?」


    「それでそっちの方から来たって?」


    「どうなのです?」


    「ああ、うん、避けてるけど」


    即答されて目が点になる元シスター

    瞬きを繰り返した後、露骨に落ち込んでいる


    「取り繕いもしないのですね……」


    「ニブいお姉さんが気づいてるってことはもう隠しようがないでしょ」


    「にぶっ…?!」


    「皆も気づいてるってことだから、色々不味いな」


    少年は頭を掻きながら答えた

  • 108二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:00:40

    「お姉さんは傷つくんじゃなくて怒るところだよ」


    「悪いのは俺だし」


    畳に視線を下ろしながら少年は息を吐いた


    「お姉さんと2人きりになったら、お姉さんに慰めて欲しくなるだろ」


    「少年が悩んでいるなら私はいくらでも話を聞きますが?」


    「それが理由で距離を取られてたなら、やはり落ち込むところですね」


    元聖職者として人の悩みに耳を傾けようとする彼女の資質は変わりない


    「アイツが人を殺して、その事を何の相談もせずに出ていったのは結構堪えた」


    「俺はいつの間にか皆の纏め役みたいになっているのに、頼れないと思われたのか」


    「それでなくても俺とアイツは恋人同士なんだから、話して欲しかった。一人で決めないで欲しかった」



    50以上でバーゲストら到着。ゾロ目で…


    dice1d100=50 (50)

  • 109二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:03:02

    でもどこか納得してもいる


    戦争中、親父は徴兵されて、バーゲストやお姉さんは言えから追い出されて

    近所の皆は冷たくて、母さんや姉ちゃんを守らないとって俺は思ってて


    今思えば色々いっぱいいっぱいだったから

    優しくしてくれたアイツに俺は甘えてしまったんだと思う


    でもそれって俺がアイツを好きってことじゃなくて

    ただ都合が良かっただけだろ? そういうの、わかってたんじゃないかなって


    つまり俺はちゃんと恋人をやれてなかったから

    アイツは俺に黙って出ていったんだ


    それで今、アイツが出ていって、バーゲストが追いかけていって

    俺はここに残って待つしかなくて、自分が情けないし

    だいぶ参ってる自覚は今度はちゃんとある


    それでお姉さんに優しくされたら、また同じこと繰り返すんじゃないかって

    そう思ったから、お姉さんと顔を合わせないようにしてたんだ


    勝手な理由でゴメン


    「………」


    バーゲストによって家に戻ってきた落伍者は

    少年の部屋の前で立ち止まってしまった

    2人はそのまま少年の独白を盗み聞く

  • 110二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:03:59

    一方で目の前で少年の独白を耳にした

    元シスターの彼女は

    微笑むでも憐れむでもなく

    ただ向き合って答えた



    1 貴方に優しくしたいという彼女の気持ちを無視していませんか?

    2 自分が助けを求めるのは苦手なのですね少年

    3 私はお姉さんなのですから頼ってくれていいのですよ?


    dice1d3=1 (1)


  • 111二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:09:23

    少年、それは


    貴女に優しくしたいと思った彼女の気持ちを

    蔑ろにしているのではありませんか?


    「え?」


    少年、君がかつて聖杯戦争で

    バーゲストや私、そして彼女に救いの手を伸ばしたのは

    見返りを求めての事ではないでしょう?


    彼女は愛して欲しくて君に優しくしたのではなく

    傷ついてる君に優しくしたいから優しくしたのでは?


    私なら、そうだったと思いますよ


  • 112二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:12:48

    少年は大きくなりました

    身長も伸びたし、筋肉もついた

    皆に信頼されてもいます

    少年がそうあろうと努力した結果でしょう


    ですが少年

    私は少年が非力だった頃を知っています

    小さくで、弱くて、魔術の知識もなく

    およそ聖杯戦争を駆け抜けることなど不可能と思われる中で

    貴方はその戦いに勝利しました



    少年、君は非力だったけど無力だった訳ではありません



    力足らずとも、世界を知らずとも

    私を助けようとしたあの時の

    君自身の心を忘れないでいてくれればいいと私は願います


    心を隠さないで

    手をのばすことを怖れないで

    弱さも含めて貴方のままでいいのです


    そんな貴方が好きですよ

  • 113二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:15:29

    1 なにドサクサに紛れて告白してるのこの年増

    2 その場から立ち去る(気づく少年)

    3 その場から立ち去る(気づく元シスター)



    dice1d3=2 (2)


  • 114二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:21:23

    ガタンと部屋の外で大きな音が聞こえ

    続いて走り去る足音が響いた

    少年が戸を開けると、そこにはバーゲストの巨躯があった


    「バーゲスト?」


    「申し訳ありません、マスター」


    「彼女を捕まえてきたのですが、お話中でしたので」


    「……結果として盗み聞きするような形になってしまいましたが」


    「謝罪いたしますわ」


    落伍者の少女が走り去った先を一瞥しながら、バーゲストは少年に頭を下げた


    「ゴメン、また後で!!」


    バーゲストと元シスターに断りを入れて、少年は彼女を追いかけた


    「…………」


    「…………」


    残された女性2人は互いに顔を見合わせる


     

  • 115二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:27:33

    たっぷりミルクを注いだ紅茶に口をつけながら

    バーゲストと元シスターは少年たちが帰ってくるまで一息ついた


    「私は色恋に疎いのかも知れません……」


    いきなり何を言い出すんだと思ったが

    元シスターは頑張って紅茶を吹き出すことなく飲み干した


    「惚れっぽい自覚はあるのですが」


    「バーゲスト?」


    「あの2人の間にあるものなど、全く想像がつきませんでしたわ」


    ほぅ…と上品に溜息を吐くバーゲストに

    元シスターはカップをテーブルに置いて答えた


    「私だって理解していた訳じゃありませんし、私が少年に語ったのは」


    「あくまで私が彼女の立場ならそうしたいという話でしかありません」


    「おや、そうなのですか? シスターは恋愛強者なのでは?」


    「……この歳までお付き合いした殿方一人居ませんよ」


  • 116二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:33:24

    昔は主への信仰に生涯を捧げるつもりでしたし


    「聖堂教会から追放されても、その志は変わらないのですね」


    いえ、今はそれほど主への信仰があるわけではありません

    そもそも教会の同僚で恋愛している者だっていましたし

    単に私が不器用なだけで……



    60以下でニブいバーゲスト


    dice1d100=27 (27)

  • 117二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:45:20

    「仕事の相談は皆マスターにしますけど……」


    「プライベートな相談はよく私が受けますの」


    バーゲストの前置きに怪訝そうな顔をした元シスターだが

    そのまま黙って続きを促した


    「そこでシスターを魅力的だという殿方は結構おりましたわ」


    元シスターは困ったような顔でバーゲストを見やった


    確かに農業の仲間の内から交際を求められたことはあったし

    それは丁寧にお断りもしている。相談した以上は、その顛末も

    彼らはバーゲストに伝えているだろう


    加えて先程の少年との会話を合わせれば

    断っていた理由を察しても良いものだが、どうやら気づいてないらしい


    「シスターは……」


    「別に神に処女を捧げたわけでも、理想が高いわけでも、男嫌いでもありません」


    「……少年の事が今だに好きなのに、殿方とお付き合いするのは不誠実でしょう」


    「え? マ、マスターの事が……?」

  • 118二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 00:53:27

    程よい温度になったミルクティーで喉を潤しながら

    元シスターはバーゲストに告げた


    「先程、私が少年に好きだといったのは聞こえてたのでは?」


    「そ、それは人間的な意味でかと……」


    確かにそういう風にも聞こえたか……と元シスターは半ば納得し

    そして言われた少年もそんな風に思っていたとしたら嫌だなと思った


    衝動的に口にしてしまった「好き」ではあるものの


    随分と長いこと想っていて口に出していなかった気持ちだ

    特にアルターエゴのマスターだった少女と付き合ってると聞いてからは努めて秘してきたものである


    そうこうしている内に時間は経って、あの少女は少年とお似合いの年齢だし

    自分と言えば、流石に少年と恋愛というのもどうかと思う

    元より自分が若い頃は少年は手を出すのは犯罪な年齢だったワケだが


    元シスターが今胸中にあるのは


    (上手く仲直りしてくれれば良いのですが…)


    という事だけだ

    いや、だけというのはちょっと綺麗事過ぎるか


    (嫉妬する気持ちがあるのは認めなくてはなりませんね)


    喉を流れ落ちるミルクティーが胸を温めていく

  • 119二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:06:37

    シスター、ひょっとして私の恋愛観は間違っているのでしょうか?

    助言を頂きたいのですが!?


    「いや、だから私だってこの歳まで彼氏の一人もいない恋愛弱者なわけで…」


    恋人なら綺麗な景色を一緒に眺めたりするものですわよね


    「ま、まぁそれはそうじゃない?」


    お話し合いをしたり、偶に頭を撫でられると嬉しかったり……


    「え、ええ……(それ少年と貴女の話? 私は何を聞かされているの?)」


    共に背を預けて戦ったり


    「それは、普通ではないと思うけど場合によってはそういうケースもあるのかも知れないわ」


    「戦闘職同士のカップルとかもいたし……(あれ?少年の話じゃないわよね、これ)」


    それから、それから……




    30以上で性交という概念が存在しないバーゲスト


    dice1d100=90 (90)

  • 120二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:15:27

    (話していてすごいことに気づいてしまった……)


    (バーゲストには性交という概念が存在してない)


    (妖精だから……?)


    (異性と肉体的に交わって子孫を残すという発想がない)


    (発想というか、そういう仕組で子孫を残すわけじゃないのか、妖精は)


    (本能的な衝動では補食という概念が彼女にはあったらしいけど)


    (今はそれは抑え込めているだろうし)


    (…………)




    1 ある意味、純粋に人を愛せるのかも知れない

    2 少年も不憫な……

    3 性教育を開始する性職者


    dice1d3=3 (3)

  • 121二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:19:09

    「バーゲスト、貴女は知らないようですが」


    「一応説明しておきますと、私達の世界ではですね」


    「その……」


    「おしべとめしべがですね……」




    1 マスターの子供を産む気になるバゲ子

    2 そういう機能はないがヤる気はあるバゲ子

    3 そういう衝動はないバゲ子


    dice1d3=2 (2)


  • 122二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:26:28

    「そうでしたの……」


    「そうでしたの……」


    顔を茹でダコのようにしながら俯いてバーゲストは繰り返す

    夜長に自分は何を熱弁したのだろうかと思いながら

    元シスターはすっかり冷めた紅茶を飲み干した


    「……少し水を浴びてきますわ」


    (やる気……)


    「いや、ちょっと待ちなさいバーゲスト」


    「今はあの少女のターンと言いますか……」


    「少年と仲直りして戻ってきた後で貴女が少年に襲いかかっては話が拗れますよ?」


    「香水はどれが良いでしょうか……」


    ダメだ、聞いちゃいない……シスターは頭を抱えた




    1 頑張って説得する聖職者

    2 止まらない猛犬

    3 初めては不安なので同行をお願いされる性職者


    dice1d3=1 (1)

  • 123二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:32:23

    シスターがバーゲストを説得している頃

    少年は逃げ出した幼馴染である落伍者の少女を捕まえた


    「聞こえてたかも知れないけど、もう一回ちゃんと言う」


    「俺は…」


    「知ってるよ」


    少年の言葉を遮って、少女は自分に近寄ってくる蚊を叩きながら言った

    農場のハズレの林から暫し無言で歩いて、小川に出る

    せせらぎの音を背景に、少女は続けた


    「私はあの人みたいに綺麗な気持ちで君に接した訳じゃない」


    「え?」


    「最初からわかってたよ。心が私に向いてないことぐらい」


    「私が君の一番じゃないことぐらい」


  • 124二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:37:05

    「でもホラ、形から入ることだってあるし……」


    「……それに君は真面目だから、私を抱いたら責任取ってくれると想ったし」


    「そういう……打算」


    「ちゃんと見返り求めてた。あの人が言うような綺麗な愛じゃないって」


    「だからさ、そんな申し訳ないような顔、しなくていいよ」


    無償だろうと打算だろうと、君が俺を想ってくれたことには変わりないし

    俺がどこか答えられない部分があって、それで君が傷ついたことも本当だ

    やっぱり謝るべきは俺なんだよ


    「お人好しだなぁ……」


    「だから好きなんだけどさ」


  • 125二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:50:22

    楽しかったよ、この数年

    君の彼女で

    魚の小骨が喉に刺さったみたいな、もどかしい痛みはあったけどさ

    概ね、幸せだったし。優越感も結構あったし


    でも、まぁ、今日でお終いにしよ


    「待ってくれ、俺は……」


    いや無理だから

    あの年増女に敗北感をさ、感じちゃったんで

    この先関係を続けてもさ

    "あんな風に君を愛せなかったなぁ"って考えちゃうからさ

    これはトンデモナイ呪いだよ。どこが聖職者なんだか、あの女


    だから、さ、お終い


    大丈夫だよ

    あの日、君に助けられてから

    ちゃんと一人で立っていけるぐらいには、強くなれたから

    この失恋も、痛いけどへーき


    あの日から色々迷惑かけてホントごめんね

    でも、ありがと

    ちゃんと救われたからさ、俯かないでよ。らしくないからさ

    私が好きだった君でいてよ……ってこれも二番煎じ感あるなぁ

  • 126二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 01:54:35

    「そんなことない」


    そう?

    まぁ同じでも仕方ないか。同じ人を好きになったんだし

    こうなったのは私の問題、私の弱さだ

    それは私だけのものだから、誰かに触れてほしくもないし

    これを理由や燃料にして誰かを傷つけたくもない


    今の私はそんな人間で

    こんな人間なのは君のせいだね

    まぁ、嫌だとは思ってないから、やっぱり君にはありがとうとしか言えないや


    「じゃあ俺も、ありがとう」


    「あの時、本音で答えてくれて。助けてって言ってくれて


    「それからずっと側にいてくれて。彼女になってくれて、楽しい時間をくれて」


    ……うん



    1 帰ろうか

    2 もうココには戻らないよ

    3 出頭するよ


    dice1d3=2 (2)

  • 127二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 02:01:27

    落伍者の少女はそのまま農場を離れて姿を消した

    元陸軍の人を害している以上、村に残れば皆の不安を煽るし

    匿えば迷惑がかかると彼女自身が判断したし

    新しい人生を歩みたいという本人の希望もあった

    だから少年は彼女の希望を受け入れ、見送った


    納得し、別れは済ませたものの

    ここまで共に歩んだ仲間が欠けたことは

    やはり少年にとって寂しいものであった


    そんな彼の姿に元シスターは……




    80以上でムラっときて襲っちゃった♪

    dice1d100=1 (1)

  • 128二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 02:02:43

    バーゲストがお祖父ちゃんを襲うのを説得しておきながら

    自分はお祖父ちゃんに慰めックスを仕掛けるお祖母ちゃんなんていなかった


    元聖職者ですよ?

    当たり前だよねぇ……



    つづく

  • 129二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 02:05:03

    落伍者ちゃんの失恋に脳が焼かれてしまった…。いつかどこかで、ばったり再会して、なんでもない会話とかしてほしいな…

  • 130二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 09:37:27

    落伍者ちゃん切なすぎるって……

  • 131二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 15:50:53

    ダイスの数値が中々すごいな…

    ギリギリぴったしで聞かれてしまったり、棚ぼたなんて欠片すら抱いていないシスターとか

  • 132二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 21:55:48

    >>128

    >元聖職者ですよ?

    >当たり前だよねぇ……


    事実ではある…

  • 133二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 07:11:37

    保守

  • 134二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 14:03:15

    >>132

    釈然とはしないがな…

  • 135二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 22:38:30

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:02:40

    思い立ったが吉日と言わんばかりに少年を夜這おうとしたバーゲストを滾々と説教し

    アルターエゴのマスターだった少女との別れに気持ちの区切りをつける為に

    しばらく一人の時間を与えるべきという主張に納得して貰った

    貪欲なところは獣の本性であるが、領主として淑女たらんと自分を律しているのもバーゲストだ

    はしたないことだと言われれば素直に反省して納得してくれる


    とにかく、少年の女性問題周りは一段落つき、あとは時間が修復してくれるだろう

    その間に私がするべきことは、やはり普段どおりの農場を支える仕事だ

    ここに移住してきてから開墾は進み、ようやく収支をトントンになってきた

    少年の家や、コミュニティの参加者が寄付して集めた貯金を切り崩さなくてもやっていけそうだ


    特記するべきこともいくらかある

    コミュニティの中で結婚が成立して子供が生まれたことは喜ばしいことだし

    仲間内の中で趣味で絵を描いていた者がいたのだが、この絵が海外で評価されて高額で売却された

    朝鮮特需を経て急速に日本は復興しつつあるが、旧来の田園風景は失われつつある

    オリエンタルな異国風景が海外で評価されたのであるが、日本人にとってはノスタルジーを刺激される絵画で

    海外に評価されたというブランドがついたのだった

    私達の農場から出た一角の名士は、しかし絵画を売却して得たお金を全てコミュニティの運営資金にするよう手渡ししてきた

    少年との間に何度かの譲り合いがあったものの、農場経営が苦しいのも事実なのでありがたく受け取ることを私は推奨した

  • 137二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:06:17

    「宗教法人化?」


    まぁ外から見た時の我々の関係を明確にしておいたほうが良いと思ったのです

    絵の売上をポンと譲渡するというのは、確かに傍目には妙に見えます

    最も、それが宗教だからというのも、多分あまりこの国では受け入れられないとは思いますが

    それでも名前がないのよりはマシじゃないかと考えました


    「あの元陸軍の男も、私達を探ろうとしていたそうですわね?」


    ええ。あるいは赤軍のレッテルは張られては非常に厄介なことになるかと


    「旗手を明らかにすると言うのはメリットでしょうが、皆さんは納得するでしょうか?」


    そこはバーゲスト、貴女が説得してくれれば

    というより、貴女が説得できないようではこの計画は土台から失敗というところですね


    「……?」


    私達の集団で一番信望が厚いのは貴女ですから

    信仰対象は貴女になります


    「え?」


    元々強制収容所からここの人々を連れてきたのは貴女でしょう?

    責任を取るべきかと?

  • 138二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:07:21

    その、領主として皆をまとめるのは役割として受け入れますが

    信仰の対象になるのはちょっと……

    ブラックドッグですよ? 邪教では?


    「教会から捨てられた私が辿り着くには相応しい宗教かと?」


    笑えない冗談はおやめなさい

    というか、マスターを中心にしてはダメなのですか?

    皆、マスターを頼っていますし


    「少年はあくまで調停者ですから。それはカリスマとは違います」


    「彼自身の生き方も天でも地でもなく、人に寄って立つものでしょう」


    それは分かる話ですが


    「日本の最高神は女性神ですから、上に戴くのが女性、神官が男性とした方が受け入れやすいかと」


    言いくるめようとしておりませんか?


    「…………少年の身体を貪るならそれぐらい仕事してください」


    やはり私怨を感じるのですが

  • 139二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:08:54

    コミュニティを守るための方便としての宗教法人化

    そこまで明け透けに説明した上で、バーゲストの人徳と合わせて皆を説得

    意見をまとめた上で少年の許可を取った


    話をまとめてから許可を得たのは、宗教組織というのが

    アルターエゴのマスターだった少女の人生を狂わせたものであったし

    彼女が去ったばかりの今、彼の心に重りになるような内容に思えたのはある


    一方で聖堂教会で色々あった私が言い出すのだから

    そう悪いものではないと判断してくれたら嬉しいという気持ちもあった


    「実際、できるの?」


    皆を守るためなら…と色んな気持ちを飲み込んだ少年であったが

    計画自体の実現性に対してはまだ懐疑的だ


    戦後、改められた日本国憲法に関しては熟読した

    基本骨子として宗教の自由は認められていて、法令などに違反しない限りは活動も創設も保証されている

    ただし、実際の活動実績がいる


  • 140二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:10:27

    教義に関しては少年が聖杯戦争の中で見つけた考えがそのまま使えるでしょう

    人が困難に会った時に、それでも立ち上がるだけの心と身体を鍛える

    毎日の朝夕のトレーニングがそれで、実際に施行していると言い張ります

    経典は私がそれっぽく作り上げます


    (お姉さん、元シスターとしてそれはどうかと思うよ…)


    ちなみに絵画の収入でお金に余裕ができたので

    少年が以前から欲しかっていたトレーニングマシンを購入します


    「え?ホントに!? やった」


    話を戻しますと、法人化に必要な指導者に関しては少年や私が担い

    これの永続性に関しては、集団の中で子供も生まれてきたので教化を行っていると言えます


    また元陸軍少佐の事件後の警察対応に不満をもった私達は

    自分たちのコミュニティの中で生活や治安に関して独自の約束事を決めてきました

    これは宗教組織内の規約を定めて活動しているに該当します


    礼拝施設に関してはそれっぽいものをこれからでっち上げます


    (いっそ清々しいな……)


    これで団体としての要件は満たせる筈です

    あとは役所に書類を提出するだけです!!

  • 141二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:11:58

    申請は


    1 通った

    2 通るわけねえだろ

    3 大工「何やってんだ姉ちゃん」


    dice1d3=3 (3)




     (シスターが自信満々の時は危ないと思っている天国のネズ公)

  • 142二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:16:34

    「馬鹿な……」


    「宗教法人化が認められないなんて……」


    役所で膝をつく元シスターに対して

    元々あまり期待していなかった少年は

    当たり障りのない言葉で慰めるしかなかった


    「考えうる限り最悪の結果です……」


    「え?」


    「書類を提出したことで私達の存在が公になってしまいました」


    「これど宗教法人の看板は手に入らなかった」


    「結果として山奥で農作業しながら筋トレしている胡散臭い集団がいると宣伝したようなものです」


    「ああー…」


    (そこまで胡散臭いかなぁ……)


  • 143二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:20:44

    おい、もしかしてアンタ、シスターの姉ちゃんか?

    そしたら横にいるのはあの時の坊主か?


    久しぶりだなぁ!

    何やってんだ!?


    「アーチャーのマスター!?」


    「貴方こそこんなところで何を?」


    ははは、こんなところでも俺の故郷だからな

    復員したあと、この身体じゃ大工はできねえってんで

    実家に戻るしか無かったのさ


    家出した身でどの面って感じだが

    まぁ戦争で色々あったからな。多少の親子喧嘩なんざ

    命あっての再会の前には吹き飛んじまった



  • 144二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:21:26

    この作品でオデュさんに並ぶ賢者のネズミさん

  • 145二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 00:31:22

    「俺自身の手で木馬を作る夢は諦めるしかねぇが」


    「木馬を作れるヤツを探せば、いつか木馬を目にすることもできるからな」


    「取り敢えず今は実家で家の手伝いをしてるのさ」


    昔のように快活に語るアーチャーのマスターに

    少年と元シスターも引きずられるように昔話と近況説明に花を咲かせた


    「ふぅん、なるほどな」


    「まあ要するに、お前たちの仲間に後ろ盾あありゃいいんだろ」


    「なら俺から親父に頼んでおくぜ。県知事だしな」


    少年と元シスターは顔を見合わせた

    確かにアーチャーのマスターが飛び出した実家はかなり大きいと聞いていたが


    「久々に坊主のところのメロンが食べてぇな。こんど遊びにいくぜ」


    元大工は何でもないことのように語る

    あるいは人の繋がりなどは、こういう所でひょっこり実を結ぶものなのだろうか

    なんにせよ、少年たちのコミュニティはこうしてお墨付きを貰うことができたのだった


  • 146二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:00:28

    今年一番のメロンは県知事に送るようにして

    アーチャーのマスターのコネがいつまでも使えるとは限りませんし

    実績の方は引き続き積み上げていく方向で

    西の山に竹林侵食してきているようなので折を見て伐採を

    他に何かありますか?


    「あー、そういえばトレーニング後に出すプロテイン」


    「あれもっと作れないかって要望が出てる」


    あれはバーゲストが魔術で生成しているものですから

    科学で生産するとなると大規模な工場が必要になるので難しいかと


    「まぁ、そうだよね……」


    「ふぁぁ…」


    寝不足ですか?少年

  • 147二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:04:59

    「建康に不安を感じてるようであれば診断を受けるべきですが」


    いや、これは不摂生というか……その、夜あまり寝てないというか……


    「睡眠はしっかり取るべきです」


    いや、そうじゃなくて……そうなんだけど

    えっと……その……バーゲストが、ね?


    「………?」


    「……! も、申し訳ありません! 配慮が足りませんでした」


    俺の方こそっていうか……

    ははは……(うう、なんだろうな……お姉さんには知られたくなかった)


    「まぁ……時期的にもそろそろ良いのかも知れません」


    「少年も新しく進めれば……(むしろ少年にいつまでも未練を持っている私が進めていませんね……)」


    いや、でも生活に支障がでるのはよくないし、自重します……



    少年とバーゲストの夜の性活

    100ほど少年有利、0ほどバーゲスト有利

    (経験     +5)

    (体力・野生 -20)


    dice1d100=70 (70)

  • 148二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:09:41

    毎夜毎夜ダブルノックアウトしている少年とバーゲスト

    この現状にバーゲストは



    1 不満だった(負けん気)

    2 満足していた

    3 恥じていた


    dice1d3=2 (2)

  • 149二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:14:08

    うーん健…ぜん?

  • 150二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:22:00

    「とても満足しておりますわ!!」


    (私は何を聞かされているんだ……)


    「それもこれも全て人間の男女の営みを教えてくれたシスターのお陰ですわ!!」


    そうですか

    私はどこか人を堕落させた気がしてなりません


    まぁ日常生活に支障が出ない範囲でお願いします

    少年には今度の村長選に出てもらうつもりですし


    それが成ったら県知事とも相談して農家を厚生事業に使おうかとも考えています


    「厚生?」


    アーチャーのマスターとも話していたのですが、昨今は景気がドンドン上向きになる中で

    篩い落とされる人も多くでています。ですが、そのふるい落とされた人を救う余裕が今の社会にはありません

    ですが、そういう人たちにこそ心身を鍛えながら土と向き合うこの農場の生活が必要なのかと思うのです

    だから彼らの受け入れに村を使おうと、少年と話し合っていたのです


    「シスター、ずるいですわ!!」


    はい?


    「マスターとシスターはいつもそうやって同じ方向をみて、私ちょっと疎外感を感じますわ!!」


    ええー…

    2人の仲に嫉妬する役割はむしろ私なのでは?

  • 151二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:33:28

    バーゲストは女領主として組織を運営する手段は持っていた

    しかしそれは中世社会の領主であり

    また妖精のもつ性質として、何かを生み出すという発想に乏しいところがあった


    一方で少年と元シスターの2人には舵を取って目的地を定める資質があり

    確かにこの集団はバーゲストが惹きつけた人々によって構成されているものの

    今の形をつくった父と母は少年と元シスターと言えた


    この集団は、この村は、少年とシスターの子供のようなものだ


    聡明なバーゲストはその事を理解できている

    理解できるからこそ、2人の関係が羨ましく、しかし口に出せる程度の嫉妬でしかなかった

    そう、根深くないつもりだった


    しかし数年の時が立つと考えも変わる

    それが受肉するということなのだろうか?

    ずっとサーヴァントならこの悩みは生まれなかったのだろうかとバーゲストは偶に思う


    今のコミュニティ、村の中で生まれた子供が増えてきた

    俗に言ってしまえば宗教二世と言えるのかも知れない


    赤子は愛らしい

    村の信仰であるバーゲストには子供を見せに来る人が絶えない

    彼女も喜んで、その小さな命に触れる


    自分が宿すことのない、命に


  • 152二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 01:37:23

    ……は?


    今なんと言いました、バーゲスト


    「子供を産んで欲しいのです」


    「マスターの子供を」


    「こんなこと、貴女にしかお願いできません。シスター」




    ブチ殺しますよ?この駄犬





    今まで一度も使ったことのない汚い言葉が

    あの時だけは無意識に口から出てきたって

    お祖母ちゃんは言ってたなぁ……


    つづく

  • 153二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 07:13:41

    うおおおおおおそういう展開!!?!??!?!

  • 154二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 08:34:03

    領地領民爵位を継承していくことを考える貴族の娘と
    敬虔に清く正しく生きることを考える聖職者の娘じゃ
    価値観が違って当然だったな

  • 155二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 20:05:53

    お祖母ちゃん好き

  • 156二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 20:05:55

    保守

  • 157二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 21:54:35

    スマン、笑った

  • 158二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 07:20:59

    ネズミさんは寿命か

  • 159二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 11:25:21

    ふと、ぐだの同年代に落伍者ちゃんの孫とかもいたりするかもな…なんて思ったりした。別れる際に実はもう出来ていたとかないかな、なんて

  • 160二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 21:31:55

    保守

  • 161二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 06:51:40

    保守

  • 162二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 17:35:36

  • 163二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:04:53

    「あの2人喧嘩でもしてるんですか?」


    バーベルを上げている時にそういう事を聞くのは止めて欲しいと少年は思った

    信徒(ということになってきた)が言ってる2人とは言うまでもなく

    バーゲストと元シスターで、この村の信仰対象と実質的な経営を担う2人だ


    言外に「何とかしてくれよ、アンタの役目でしょ」という声を感じる

    教団のトップってのは要するに夢と現実の調整者に過ぎないのだと

    少年は改めて感じた





    1 元シスターを呼び出す

    2 バーゲストを呼び出す

    3 2人を呼び出す


    dice1d3=2 (2)

  • 164二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:10:27

    べ、べ、別にシスターと仲違いなどしておりませんわ!!


    (絶対したなぁ……)


    (バーゲストの性格からして自分が正しいなら譲らない筈)


    (かといって間違っているなら素直に認めるわけで)


    (お姉さんの意見も尊重するけど、持論は譲らないって感じか)


    (そして言い触れ回ると名誉に関わる内容ってところかな……)


    (それとなくバーゲストから聞き出すこともできるけど)


    (隠したいというバーゲストの気持ちや判断を無視するのもな……)




    50以上で引き下がる。ゾロ目でボロを出すバーゲスト


    dice1d100=97 (97)

  • 165二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:20:22

    「――ってわけで、バーゲストは教えてくれなかったけど」


    「2人の間に何があったのさ」


    まぁ……価値観の相違と言ったところです

    私もついカッとなって言葉が過ぎましたので、それでちょっと気まずくなってるだけです

    喧嘩というほどのものではありませんよ、少年


    「それなら良い……とは言えないな」


    「小さな蟠りもいつか大きな波になって返ってくるかも知れない」


    …………


    (ダメかな……だったら)


    「ちょっと気まずくなってるっていうけど、皆にバレるぐらいギクシャクしているんだよ」


    「俺は皆の纏め役だから見過ごせない」


    その役を押し付けたのは私だから、断りにくいですね


    「卑怯だった?」


    1 別に隠すような話でもないです

    2 まぁ卑怯です

    3 そんなことよりバーゲストの後なのが気に入らない


    dice1d3=1 (1)

  • 166二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:28:18

    まぁ別に隠すようなことではないです


    普段なあんな風な癖に、バーゲストがナーバスになっているだけです

    そこに価値観の相違が加わると、喧嘩になったと


    「やっぱり喧嘩なんじゃ」


    私にだって譲れないものがあります。というより意地ですが


    「それって、どういう?」


    今更少年の子供を産めと言われても、あまりに無神経です


    「……ん?」


    そりゃ、多少落ち着いて考えれば

    子供が産めないバーゲストの気持ちとか

    領地経営として次代を用意しなければならない責任感とか

    そういうのがあるとも察せますが


    「……いや、ちょっと待って」


    だいたいそうなって傷つくのは彼女本人でしょう

    アルターエゴのマスターとの事だって

    平気な顔をしていましたが、穏やかならざる気持ちだったの私は見抜いてました


    「…………そっか」

  • 167二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:38:03

    俺がバーゲストへの気持ちを残しながらあの子を付き合ってたことで

    結局バーゲストもあの子も、両方傷つけてしまったにょかぁぁ!?


    な、何するんだ、お姉さん


    「すみません、私が勘定に入ってないことについイラッときて」


    その義手魔術が通るとエグいパワーでるから止めてね

    顎砕けるところだったよ!?


    「バーゲストのせいです。全く、普段は冷静な私の感情を揺らすから簡単に漏れ出るように……」


    普段は冷静?


    「なんですか?」


    いや、なんでも……


    「まぁバーゲストの気持ちは格段少年が鈍感という話でもありません。私だから気づいたことです」


    「私も少年の事が好きという意味ではバーゲストと同じだった訳ですから」




    40以下で「好き」を人間的な意味でと勘違いしていた

    ゾロ目で「ごめん、覚えてない」


    dice1d100=83 (83)

  • 168二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:50:08

    一応言っておきますが、私が少年を好きというのは男性としてという意味で


    「わかってるよ」


    そうでしたか。あまりに反応が薄すぎるので勘違いされてるのかと

    いえ、それはそれで積年の気持ちに対して無反応過ぎて傷つきもしますが


    「それはゴメン。でも、実際、現実感は無かったかな」


    「今でもお姉さんは俺のこと"少年"って呼ぶし」


    「男として見られてるとは思ってもいなかった」


    気持ち悪いでしょう?これだけ歳の離れた女性からそう思われるのは

    むしろ母親と子供と言われてもおかしくない年齢差な訳ですから

    少年も無理に「お姉さん」などと呼ばなくてもよいのですよ?


    「いや、お姉さんは綺麗だし、お姉さんに好かれて嬉しくない男の人はいないよ」


    しかし少年の好みではないでしょう?


    「なんでそういうこと言うかな?」


    少年は色々大きいのが好みですからね


    「なんでそういうこと言うかな」

  • 169二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 00:57:54

    お姉さんは色々……猪突猛進だけど


    「え?」


    嫉妬があったり、卑屈になったり

    そういう部分があるとは思わなかった


    「猪突猛進……私が?」


    わかってるつもりで全然わかってないこと、色々あるんだなって

    俺自身も自分の中に臆病さがあるなんてこの前の件で気づいたし


    「どの辺りが猪だと……?」


    ゴメン、俺の話聞いてくれるかな?


    「あ、はい。勿論聞いてますよ」


    いや、信用できない


    「なぜです!?」


    俺たちの出逢いからしてそうだったじゃん


    「……くっ! 確かに!!」


    あははは

  • 170二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 01:07:55

    「人の話聞かないで攻撃してきたしさ」


    「教会に連れて行っても逃げちゃうし、本当にそそっかしいったら」


    そ、それは仕方ないでしょう

    だいたい裸を見られたら動揺もします


    「そ、それは……俺は別にそういう目的じゃ……」


    わかってますけど、わかっていてもです

    ああ、もう。こんな事、混ぜっ返すつもりは無かったんですよ?


    「うん、でもそういう気持ちはちゃんと土の中に眠ってて」


    「掘り返さなくても根を通じて花や実になる栄養なのかなって」


    「それが褒められるような感情でなくても、弱さと言われるものでも」


    「弱さも含めて俺でいいとお姉さんが言ってくれたから」


    「俺もそういうお姉さんがいい」


    少年……

  • 171二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 01:24:31

    うん。俺はずっとこうしていたいな

    場所は変わってしまったけど、今もこうしてお姉さんと2人で

    家からメロン畑を見ている。あの日のように


    未来も同じようだといい


    俺とお姉さんの関係性は色々と変わるかも知れないけど

    男女になるとか、子供のこととか、色んな可能性はあるのかも知れないけど

    呼び方もいつまでも「少年」と「お姉さん」のままではないだろうけど


    それでもこうして2人で並んで

    聖杯戦争の時は大変だったねなんて言いながら

    畑が、命が育っていく様を眺められるといい


    そういう気持ちはあるんだけど、ダメかな?


    「酷く順番がグチャグチャですね」


    「あと、実に若さゆえの考えだと思います。私の年齢知ってて言いますか?」


    はい……

  • 172二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 01:34:07

    しかしね、少年

    私は教会を追放された身ですから、四角四面な事は言いません


    ゆっくり考えて行きましょうか。聖杯戦争が、世界大戦が、この村を作るまでが

    慌ただしすぎましたから……


    「お姉さん……」


    本当に勇気と優しさがある人です、少年は

    聖杯戦争に飛び込んで、バーゲストと強い絆を結んで


    元より正しい心をもつ君が、その心根故に強くありたいと願って

    聖杯戦争の後も駆け抜けてきましたね


    でも本当は、そんなに急に大人にならなくてもいいのですよと

    私は言いたくて、でも言う資格がなくて


    だからかも知れません。"少年"と呼び続けたのは


  • 173二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 01:48:01

    バーゲストは違うのだろう

    彼女は少年の前に立っている

    向き合うことで少年の標となる一方で

    彼女自身も少年の中に自分にない輝きを見つける

    その輝きに自分の業の影が濃くなる苦しみを抱えながら


    落伍者の少女は少年の背中に手を伸ばしたのだろう

    光の方へ引っ張ってくれるその背中に焦がれて

    でも振り返って欲しくて、その願いを口にはできなかった



    「私は貴方の隣にいますよ」


    元シスターの女は、少年に告げた

    流転の果てに得た居場所で、しかし自分で選んだ場所で


    「そしていつか、"少年"ではなく別の呼び方をさせてくださいね?」


    青々とメロンの葉が茂っている

    だからといって豊作は保証されていない

    それでも、良き未来に向けて努力を忘れなければ掴めるものがあるだろう


    少年の視線の先に、陽光に煌めくバーゲストの金糸が見えた

    きっと唇を真一文字に結んで緊張しながら、シスターとの話し合う為にやってきたのだ

  • 174二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 01:57:43

    まぁそういうわけで最終的には

    お祖母ちゃんはお祖父ちゃんの間柄は「お姉さん」と「少年」から変化して

    バーゲストの望み通り、私のお母さんが産まれたってワケ


    まぁ大分時間がかかったみたいだけどねー

    結局バーゲストが御神体なんだから、バーゲストが「やれ」って言ったらヤるしかないし

    その点ではバーゲストを担いだお祖母ちゃんの自業自得って話でいいじゃんって思うんだけど

    本人たちの意思を尊重してたらダラダラと引き伸ばしになってさぁ


    お祖母ちゃんも高齢出産になったしねぇ

    バーゲストの夏の叡智でなんとかなったみたいだけどさ


    この日から dice1d10=1 (1) 年後なんだよね、お母さんが産まれたのは


  • 175二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 02:02:03

    色々吐き出してスッキリした後で


    平穏な日々が続いて生活が安定したら


    ヤることがなくなって、ヤるようになったら


    スグにこうなりやがりましたですわ!!


    どの面下げて人を駄犬と呼びましたの!?




    ……誠に申し訳ない


  • 176二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 02:03:55

    坊主とシスターの姉ちゃんに子供できたってよ

    久々にこっちにきたなら顔見せていったらどうだ?



    あの女、そういうところあるよね……

  • 177二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 02:14:52

    とまぁ、成り立ちがイマイチ締まらないので

    黙っていたけど


    ウチの実家、バーゲストを信奉する新興宗教なんだ……


    あ、これ白紙化直前に南極に届いた実家のメロン

    みんなで食べようか

  • 178二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 02:18:11

    「わーい!メロンやったー!」


    「切り分けはお任せください大旦那様」


    「当方は皿を用意しよう」


    「では私はスプーンを用意します…ね……」


    「摘み食いをしようとしたオベロンは木馬に拘束しておいた」


    「二つあるんだから一つぐらいいいだろう?」


    ふふ、どうかな、ウチの実家のメロン

    鍛え上げた筋肉で丁寧に殆ど手作業で作ったものなんだよ


    「ええ、とても美味しいですわマスター」


    愛されて育ってるからね!

    おわり

  • 179二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 02:34:49

    大団円!

  • 180二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 10:10:51

    完結お疲れ様です!
    とても素敵な物語でした…

  • 181二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 10:14:31

    やったー!!完結!!大団円!!

    ありがとう>>1!!

    めちゃくちゃ面白かった!!

    最後退場した面子が出てきてちょっとウルッとなったよ


    それにしても夏の叡智はすごいなぁ

  • 182二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 10:19:05

    良いもの読ませていただきました……!

    ありがとう >>1 !!

  • 183二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 12:04:10

    >>1

    面白かった!!大作をありがとう!!!

  • 184二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 12:25:04

    乙です

    >>178で最初喜んだ奴誰だと思ったけどアストルフォかすっかり忘れてた、ごめん・・・

  • 185二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 15:09:04

    大団円おめでとう!
    凄い繋ぐのが上手かったし面白かったです!

  • 186二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 17:46:42

    高潔さで落伍者をぶん殴った次のターンでお爺ちゃんの子供孕むお婆ちゃんは流石だよ…

  • 187二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 17:54:01

    最初の頃はトンチキ宗教かと思ってたけど、ここまで運命するとは思わなかったなぁ。
    完結おめでとう!!!

  • 188二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 01:46:28

    こういうのを見ると本当にダイス神っているんだなぁと思う
    とても面白かったです!

  • 189二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:24:52

    みんなキャラ立ってたし
    繋げ方上手いしですっごい面白かったです
    ぜひまた立ててください

  • 190二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:32:08

    完走おめ〜
    面白かった〜

  • 191二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 21:15:22

    どうせだったら200まで埋めたいな。

  • 192二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 04:40:17

    終始シスターがぽんこつでかわいかった
    よかったね…孫にまで醜態知られてるけど

オススメ

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