- 1二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:04:26
- 2二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:04:47
※注意
・5ノレ要素あり
・捏造と幻覚
・短い(多分)
・19話闇地球寮パートからラストのニュースまで何日か日が空いてる設定
・衝動的に書いてるので時系列や設定がおかしい可能性大 - 3二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:07:08
やった!5ノレだ!
- 4二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:08:35
5ノレに脳焼かれて一日中漁りまくってたから助かる
- 5二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:18:39
『×/△
ナジから拠点の移動の話を聞かされた。受け入れ先が見つかってないからまだ先の話らしいけど、荷物の整理はしておけ、と。
私は元々私物なんて殆ど持ってないから、多分ソフィに向けての言葉だったんだと思う。現にソフィは不満そうにしていた』
『×/□
鉛筆がそろそろ限界だ。新しいのを下ろさないと。
鉛筆を削ってる時は無心になれるから少し楽しみ』
『×/¥
同胞の訃報が入ってきた。同胞の家族は泣き崩れていた。
やっぱりスペーシアンは許せない。全員死んでしまえばいいのに』
「……過激だなぁ」
思わず乾いた笑いが出た。スペーシアンが嫌いなのは十分分かっていたけど文章に滲み出るまでとは。
原っぱに寝転んで日記を読み進める。草が服に付いても、後で払えばいいだけだ。 - 6二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:25:13
『○/♢
プリンスからナジに連絡があった。正直アイツは嫌いだ。何考えてるか分からないしいつもニコニコしててムカつく』
『○/*
前にソフィが見ていた動画を私も見てみた。虫唾が走ったので全部見る前に止めた。ガンダムが希望だなんて、冗談でも笑えない』
『○/☆
ナジがプリンスの依頼を受けたらしい。
スペーシアンが多く集まるコロニーの襲撃、私とソフィもガンダムに乗って参加する事になった。
スペーシアンを1人でも多く殺してやる。
でも、本当は少しだけ⬛︎⬛︎。』
(……最後の一文、グシャグシャに塗りつぶされてる)
指でそっとなぞったそこは、鉛筆で力任せに塗り潰したせいで少し窪んでいた。 - 7二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:44:47
『○/¥
作戦は失敗した。あのガンダムと真面目にやり合うのは危険だったから仕方ない。それにスペーシアンは何人か殺せたからまあ良しとしよう。やけにソフィが上機嫌なのが気になるけど』
『○/×
ソフィが最近スレッタ・マーキュリーの話ばかりする。気に入らない』
『○/◎
ソフィにスレッタ・マーキュリーの話ばかりしている事を指摘したら何故か妬いていると勘違いしたらしくチョコを渡された。別に妬いてないけど貰えるものは貰っておいた。チョコはおいしかった』 - 8二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 21:45:09
『◇/□
プリンスの指示でアスティカシアに行く事になった。ソフィはスレッタ・マーキュリーに会えると嬉しそうにしてたけど私は憂鬱でしかない。
何も知らずにヌクヌクと暮らすスペーシアンの溜まり場になんて行くなんて、考えただけでも吐き気がする。行く前から帰りたくて仕方ない』
『◇/$
アスティカシア学園に潜入成功。ソフィはずっとはしゃいでいた。バカだ。
地球寮の奴らもスペーシアンがそこら中にいる環境でヘラヘラ笑っててムカつく。
明日は学校案内をすると張り切っていた。余計なお世話』
『◇/☆
成り行きで明日スレッタ・マーキュリーと決闘する事になった。とはいえ所詮は口約束だ。明日はプリンスの言ってた作戦の決行日だから、決闘とか言うお遊びに付き合ってやるつもりはない。ソフィが乗り気なのが少し心配だから、一応釘は刺しておこうと思う
追記.ガンダムパイロットのエラン・ケレスという男と接触。生徒手帳を拝借する際に少し話をしたけど、嘘くさい笑顔が気持ち悪い奴だった。
生徒手帳は明日にでも会った時に返すつもりだけど、もし私が盗んだ事に気付いてなかったら間抜けだと笑ってやろう』
「…ははっ、酷い言われようだ」
そういえばそんな事あったなあと、彼女と初めて会った日の事を思い出す。
まさかあのおすまし顔の裏でこんな事を考えていたとは……あと僕の名誉のために付け足すと、生徒手帳の件は割とすぐに勘付いていたけど敢えて泳がせていただけだ。
誰に聞かせるわけでもなく頭の中で弁明し、気を取り直してページをめくった。 - 9二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 22:03:30
『◇/⬛︎
ソフィが死んだ なんで なんでなんでなんで
なんであいつは平気なの なんで来るなって言ったの
憎い憎い憎い憎い スペーシアンが憎い架け橋になりたいなんて能天気な事をほざくあいつが憎い何もかもが⬛︎い ソ⬛︎ィを返⬛︎
な⬛︎で私を置⬛︎⬛︎いったの こわ⬛︎ ⬛︎やだ 1人に⬛︎ないでソフ⬛︎
死にた⬛︎⬛︎⬛︎
乱雑に殴り書かれたそのページは、下半分が破り取られていた。 - 10二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 22:10:50
悲しい⋯
- 11二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 22:41:11
『□/×
エラン・ケレスが私達のいる部屋に来た。自社にいられなくなったからと転がり込んで来たらしい。
ただでさえニカ・ナナウラが同じ部屋にいる事が不快なのにこの男まで加わるなんて最悪だ。
ムカついたので鉛筆で刺してやろうとしたら避けられた。避けるな。ムカつく』
『□/%
やっぱりエラン・ケレスはムカつく。いちいち人の神経を逆撫でするような事しか言わない。何が命の安い者同士だ。アーシアンとスペーシアンの命の安さなんて全然違う。この学校でスペーシアンがヘラヘラ笑っている間にも、地球で同胞が何人も死んでいるのに。
スペーシアンに私達の気持ちなんて分かるはずがない』
(……やっぱりこんな風に思ってたんだなぁ)
同類としての慰めのつもりだったけど、あの子はそうだとは思っていなかったらしい。
…もしあの時。からかうような口調ではなく、もっと真剣にあの子の心と向き合っていたら、今と何か変わっていただろうか。 - 12二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:21:35
『□/○
最悪だ。よりによってあの男の前で泣くなんて。
それもこれもあの男がこのノートを見たせいだ。呪ってやる。
いっそこの間みたいにヘラヘラ笑っていればもっと怒れたのに、本当に腹が立つ。何も言わずに手を握ってきたあの男も、その手を払えなかった私も』
『□/☆
最近寝つきが悪い。
あの日以来、あの男がやたらと話しかけてくるようになった。同情のつもりだろうか。だとしたら死んでほしい。
ニカ・ナナウラは相変わらずだけど、何か考え込むような素振りを見せる事が増えた気がする。でもたいして興味もないので追求はしない』
『□/〒
とうとうアイツは頭が狂ったのか。急に一緒に寝ようだとか言い出した。ニカ・ナナウラも驚いていた。
全力で抵抗したけど、結局無理やり布団に引きずり込まれて後ろからホールドされた。今こうして書いている間も腹部を拘束されている。
抱き枕が欲しいなら部屋の見張り役に言え
追記.日付は変わってるけど、忘れたくないので書き残しておく。
今日ソフィが夢に出てきた。夢の中のソフィは相変わらずで、笑顔で私の前を歩いていた。私がどんな顔をしていたのかは分からない。
ソフィが私に手を伸ばしてきたけど、私は恥ずかしくて手を取る事ができなかった。今は後悔してる。
もしまたあの夢を見れたら、今度こそはソフィの手を取りたい。
ついでに、目が覚めた時にアイツの寝顔が目の前にあってムカついたので鳩尾に膝蹴りを入れてやったらアイツは悶絶してた。ざまあみろ』 - 13二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:24:31
悲しい…
- 14二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:33:19
(……これが最後、か)
それ以降のページは白紙で、何の書き込みもなかった。
当然だ。ついさっきの日記に書かれていた日付は、"あの日"の前日。あの日は、日記を書くような暇なんてなかったはずだから。
パタンと古びたノートを閉じて、小さく息をつく。
──このノートは、彼女の内面そのものだ。このノートに書かれた絵と文字が、あの子の本心であり、生きた証でもある。
もしもあの日、日記を書く余裕があれば、あの日の事も書き記して、あの子の心を文字として見る事が出来たかもしれない。
……結局は、たらればでしかないのだけど。
なんだか無性にあの子の描いた絵が見たくなって、もう一度ノートを開こうとしたその時だった。 - 15二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:49:41
「い゛ッ!!?」
ゴンッという音と共に頭を思い切り殴られ、堪らず頭を抑えて悶えていると、手からノートを奪い取られた感覚がした。
「──また懲りずに人のノート見て…本ッ当に趣味が悪いですね。やっぱりあなたに荷物番を頼んだのは失敗でした」
頭を抑えたまま視線を上げると、ノレアが若葉色の目を釣り上げてこちらをジトリと睨んでいた。
「そんなに怒らなくてもいいじゃん。というか今まさか水筒で殴った?」
「鉛筆で刺さなかっただけありがたいと思ってください」
「怖〜……」
そう言いながら、ノレアの隣に並んで彼女が広げた地図を一緒に覗き込む。
「それで、街の人に聞いてきたんでしょ?なんて言ってたの?」
「やっぱり近道になりそうな道はほとんど封鎖されてるみたいですね。橋も老朽化のせいで壊れたって言ってましたし……この遠回りするルートしかなさそうです」
「えぇ〜?それだとすごい歩かなきゃじゃん。僕もう疲れたよ〜」
「何言ってるんですか。私が聞きにいってる間に休んだでしょう?」
「10分も経ってないのは休憩って言わないよ」
僕がそう言うと、ノレアはわざとらしくため息をついてみせた。 - 16二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:55:49
「大体あなたが言ったんでしょう?あの絵の場所に連れて行けって。その後でそれからの事を考えようって言うから、少しでも早く行けるようにこうして移動してるんじゃないですか」
「それはそうだけど……」
「あの場所に行って、これからの事を考えて……やる事は山積みです。ほら、早く行きますよ───さん」
立ち上がって僕に向かって手を差し出したノレアが紡いだのは、僕が彼女にだけ教えた僕の本当の名前。
僕は無言でノレアの手を取り……そして、後ろへグッと引っ張った。 - 17二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:13:32
データストームに侵された脳が再生してきた
- 18二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:14:35
「きゃっ!?」
バランスを崩して倒れそうになったノレアの身体をしっかりと抱きしめて、そのまま原っぱへとゴロンと寝転がる。
「っ、ちょっと!いきなり何を──!」
「もうさぁ、今日は歩くのやめにして、ここでのんびり過ごさない?」
「ハァ?」
ノレアは何言ってんだコイツ、と言わんばかりの表情でこちらを見ている。
その顔が可愛くて僕が思わず吹き出すと、ノレアは途端に不機嫌になってしまった。慌てて髪を梳くように頭を撫でてご機嫌取りをする。
「…あなた、私の話聞いてました?やる事はいくらでもあるんですから、時間は有効に使うべきです」
「そうは言うけど、ここ最近ずっと移動続きだったでしょ?たまにはしっかり休息取らないと却って効率が悪くなると思わない?」
僕の言葉に、ノレアは何も答えない。どうやら一理あると思ったようだ。よし、もうひと押し…… - 19二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:15:13
無差別攻撃する前に5号があのセリフ言って止められてたらこんな未来もあったんだろうな…
- 20二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:15:40
「それにホラ、見てみなよ。今日すっごくいい天気だよ。やっぱり空はフロントよりも地球の方が何倍も綺麗だ」
空は雲一つない晴天で、綺麗な青が一面に広がる光景はフロントではどうやっても見る事が出来ないものだ。
ノレアをギュッと抱えこみながら暖かい日差しと緩やかな風を感じていると、不意に腕の中から小さなあくびが聞こえた。
「……眠い?」
「……少し、だけ…」
その声はトロンとしていて、嘘なのは明白だ。
やっぱりここ数日歩き続けて疲れが溜まってたんだろうなぁ。疲労のせいか眠りも浅かったみたいだし……やっぱりここいらで休ませるべきだろう。
「いいよ、寝ても。僕もちょっと眠くなってきたし…」
「でも……約束……あなたの事、連れて行くって……」
「いいんだよ、別にゆっくりでも」
──だって、自由になった僕らには、時間はいくらでもあるんだから。
ついに穏やかな寝息を立て始めた愛しい存在をぎゅっと抱きしめて、僕も同じように目を閉じた。
おしまい - 21二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:15:52
あ~良かったいやほんと良かった
- 22二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:49:03
ありがとう…ありがとう…
- 23二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 01:37:32
日記を読むお話大好き 素敵なお話をありがとう
- 24 23/06/06(火) 01:40:08
あ゛あ゛あ゛あ あ あ
日曜日に弾けた脳が再構築されるんじゃあああああああああありがとう - 25二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 05:53:15
途中まで死んでるパターンかと思ったら生きてたよ〜 嬉しい
本編もこれであれ - 26二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 06:11:03
途中まで本編同様にノレアが死んでるビターエンドも考えてましたが、結局ご都合主義ハッピーエンドに持っていきました。
本編が地獄なんだから二次創作くらいご都合主義でもいいよね!
〜おまけ〜
「……そう言えばさ、もうソレ書かないの?」
「ソレ?ああ、絵の事ですか?別に、もう少し落ち着いたらまた描こうとは思って──」
「いや、絵もなんだけどそうじゃなくて。字の方」
「字?………っ!まさかあなた、見たんですか!?」
「いやぁ〜たまたま見つけちゃったから、つい…ね?」
「〜〜〜っ!!殺す!!絶対殺す!!」
「ちょっ危なっ!?ナイフ振り回さないで!」
今度こそ本当におしまい - 27二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 06:46:30
眠りにつくとこで逆に夢オチかと身構えたけど何事もなくて良かった…
- 28二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 06:50:07
- 29二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 07:07:47
神スレだった
こんな結末もあり得たんだなって救われた
ありがとうスレ主 - 30二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 08:36:22
寝てる間に完結してた!
めちゃくちゃ良かったですありがとうございます - 31二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 16:29:50
素晴らしいSSだった…
- 32二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 21:01:25
まだスレが残ってたのでご報告に…。
このSSをpixivにも投稿しました。地の文と台詞をちょこっとだけ手直ししましたがほぼそのまんまです。
スレ主=作者なので盗作ではないです!断じて!
#水星の魔女 #5ノレ あったかもしれない未来の話 - シグマの小説 - pixiv「ん……?」 少し古びた小さなノートに描かれたスケッチを眺めていると、ふと後ろのページの方に文字が綴られているのに気付いて、ページをめくっていた手を止めた。 「なんだこれ……日記?」 寂れた町の外れにある公園の原っぱ。そこで自分の所有物ではないそれを読み耽る僕の行為を咎める者は誰...www.pixiv.net自分を慰めるつもりで書いた自己満SSですが、思っていた以上に反応を貰えて嬉しかったです。少しでも誰かの脳回復に貢献できたのなら幸いです。
ありがとうございました!
- 33二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 23:11:36
脳が回復した
ありがとう - 34二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 08:39:43
- 35二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 19:35:06
もっと読まれるべきなのでまだ落ちてはならない