【SS・クロス注意】おはよう、ウタ その8

  • 1◆jTjAfv9SHdw323/06/05(月) 23:34:20

    彼等のやりとりがまだ書けそうなのでもうちょっと続きます
    このスレはウタがポケモンのダークライと旅や日常を送るお話となっています
    何でこんな関係になっているかは最初から読んでくれると多分わかります
    ※スレ画は最初のスレで貰ったものです

  • 2◆jTjAfv9SHdw323/06/05(月) 23:35:40
  • 3◆jTjAfv9SHdw323/06/05(月) 23:37:08

    ↓参考としたダークライの大まかな情報

    ・人々やポケモンを深い眠りに誘い悪夢を見せてしまう能力「ナイトメア」がある。

    ・この悪夢を見せてしまう能力は、"自身の意思に関係なく勝手に発動してしまう"ものであるらしく、"コントロールや制御が出来ない。"その為、悪夢で誰かを苦しめてしまう事を望まないダークライは、誰とも関わろうとせず自ら孤独に生きているらしい。


    (以上、ピクシブ百科事典より一部転載)

    URL:
    ダークライダークライとは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するキャラクター(モンスター)の一種である。dic.pixiv.net

    ダークライダークライとは、『ポケットモンスター』シリーズに登場するキャラクター(モンスター)の一種である。dic.pixiv.net
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  • 4二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:49:41

    たて乙!
    平和な日常が良き

  • 5二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:51:47

    たておつ

  • 6◆jTjAfv9SHdw323/06/05(月) 23:53:56

    「気持ちい〜♪曲のアイディア出てきそう」

    くつろいでるうちに頭から何か浮かんできた。上がったら文字にしよう。そして作詞作曲。

    「〜♪〜♪」

    〈……♪〉

    鼻歌が出てきたら黒い人もノってくれた。楽しくなったからしばらく鼻歌は続いたけど、終わる頃には完璧にのぼせちゃった…。

    ———

    「夕食美味しかったね〜」フワ~

    ・この宿の料理は彼にとっても美味だった。“浴衣”なるものをウタが着ているが、これや料理だけでなく、この銭湯そのものがワノ国から影響を受けたとのことだ。彼はワノ国が気になった。

  • 7二次元好きの匿名さん23/06/05(月) 23:57:26

    たておつ
    微笑ましいやりとりが多いね

  • 8二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 00:18:13

    仲良し2人旅和むなあ

  • 9二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 05:06:07

    たておつ

  • 10二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 06:48:40

    おつです

  • 11二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 16:06:55

    あげとこ

  • 12二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 16:12:01

    一応ゲットされたけど関係は変わらなそう

  • 13二次元好きの匿名さん23/06/06(火) 16:55:33

    なんだかんだで助け合えてるの好き

  • 14◆jTjAfv9SHdw323/06/06(火) 22:24:46

    「見てこれ、布団だってさ。床にベッドを敷いてるようなものみたい」


    〈……〉ススッ


    ・入ってみると、彼はかなり気持ち良さを感じた。沈んで床に当たるのではと思ったが、そんなことは無くしっかりと柔らかかった。


    「……」ススーーーー


    〈?〉


    「…よし」


    ・何かと思えば、ウタが自分の布団を隣に持ってきた。


    「な〜んか気が抜けちゃった」


    ・布団に入ってすぐにウタは微睡んだ。島を出てからずっと気を張り詰めていたようだと彼は気づいた。確かに海王類を動かせるのはウタだけだったから、プレッシャーを抱いていたはずだ。


    「またこういうとこあったら…泊まりたいね」ウトウト

  • 15◆jTjAfv9SHdw323/06/06(火) 22:43:08

    〈……〉ウム


    ・ここは良いところだ。彼もそう思ったので、頷いてみせた。


    〈………〉スイッ


    「……♪」ギュッ


    ・彼は無意識に腕を前に置いた。あちらも無意識か、腕にしがみついた。


    「スーー...スーー...」


    ・すぐに寝息を立てて寝てしまった。普段は活発だが寝ている姿もよく似合う。人を眠らせる力があるからだろうか。


    〈………〉ジーーーー


    ・彼はそんな眠り姫の寝顔を見つめているうちに、いつの間にか瞳が降りていった。


    ——×年前:エレジア——


    「君、ちょっと良いかね」


    〈……?〉

  • 16◆jTjAfv9SHdw323/06/06(火) 22:58:32

    「実は、君にシャワールームであの子を見ていてほしい」

    〈……?〉

    ・彼は別に国王がやっても良いだろうと思った。もともと身の回りの面倒は国王が見ているのだから。

    「あの子は時々浴槽に湯を溜めるんだ。入浴をしているようなのだが、溺れてしまうか心配だ」

    〈………〉

    ・国王の考えは理解出来た。しかし、自分が頼まれるほどのことだろうかと彼は思い、首を傾げた。

    「この作業が苦痛というわけではないんだ。ただ、……つまりだ、あの子の顔色を見てほしい。私が顔を出すと決まって引き攣ったような無理をした顔になってしまうから」

    〈……〉コクッ

    ・理由はよくわからないが、国王はウタの顔色を窺っているようなので彼は引き受けることにした。

    ———

    シャワールームは良いところ。ゴードンも誰も入ってこないからいくらでも考え事出来る。

    「…………」

  • 17◆jTjAfv9SHdw323/06/06(火) 23:24:37

    昔は何だって楽しかった。どんなにくだらないことでも幸せだった。今は違う。思い出が浮かぶたびに辛くなる。


    「……」


    ゴードンはいっつも顔色を窺ってる。ご機嫌を取ろうとしてる。気遣ってくれるのは嬉しいけど、近しくなれそうに無いのが辛い。まァ捨てられた海賊の娘なんて困るに決まってるか。


    「……あ」


    タオル持ってくるの忘れちゃった。迷惑だろうけど、シャワー浴び終わったらゴードン呼ばなきゃ。


    〈……〉ガチャリ


    「うわァ!入ってこないでよッ!」ビクッ


    〈!〉


    「デリカシーとか無いわけ!?ノックもしないで勝手に入ってくるなんて……!あ…」


    しまった。怒鳴っちゃった。そんなだからゴードンもああなるのに。


    「……気にしてない?」


    〈……〉コク


    顔色1つ変えないで頷いた。全く気遣いなんて考えてない態度だけど、今はそれが安心する。

  • 18二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 06:57:25

    保守

  • 19二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 18:35:19

    >>17

    この時に比べて前向きになれて本当に良かった

    昔から一緒にお風呂入ってたのか

  • 20二次元好きの匿名さん23/06/07(水) 19:53:45

    最初から読み返したら割とすぐにウタが大人になってたから子どもウタも楽しみ

  • 21◆jTjAfv9SHdw323/06/07(水) 23:04:36

    「で、何?私に何か用?」

    〈……〉クイ

    部屋の方に指を差した。いつもそこにいるのは…。

    「ゴードンに頼まれたの?」

    〈……〉コク

    「何であんた?いつもゴードンが来てるのに」

    〈……〉フルフル

    「わかんないか。何させたいんだろうね」

    ゴードンは優しいけど、本心がよくわからない。何か知られたくないこととかあるのかな。

    「まァ良いや。じゃあタオル持ってきて?あっちに掛かってるから」


    〈……〉スッ

    黒い人はすぐ持ってきてくれた。ゴードンよりずっと速い。

  • 22◆jTjAfv9SHdw323/06/07(水) 23:36:47

    「ありがとう」


    〈……〉ジーーーーー


    「……何?ジロジロ見ないでよ」


    こういう時はみんな何となく目線を逸らすから、真っ直ぐ見られるのに慣れない。しかも何も思ってなさそうなのが複雑。


    〈……〉クルリ


    「ッ!待ってッ!」


    〈……?〉


    「……。あのさ、その……」


    今のすごく嫌だった。トラウマっていうのかな。


    〈……〉ストン


    「…うん。そうしててくれる?」


    〈……〉


    何も言わないで、顔色もそのままで、黒い人は座った。気持ちが伝わったのか、ちゃんと顔も少し逸らしてくれてる。

  • 23◆jTjAfv9SHdw323/06/07(水) 23:53:43

    「……」


    背中を向けて離れられるのがすごく嫌いだ。嫌でもアイツらとの別れが思い浮かぶ。ゴードンもこの人も……どっか行っちゃったりしないよね?


    「あんたって身体洗ったりしないの?」


    こんなことばっかり考えちゃダメだ。何か喋って誤魔化そう。


    〈……〉フルフル


    しないんだ。確かにそうしてるの見たことないけど、どこかでしててほしかったな。


    「あんたも浴びなよ」スッ


    〈……〉シゲシゲ


    シャワーを使ったことないみたい。浴び始めたけどぎこちない。


    〈……〉ジャアアアア


    シャワーの音しかしなくて、すごい静か。…アイツらとのシャワーは騒がしかったな〜。

  • 24二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 07:50:38

    >>23

    シャンクス達は風呂でお湯かけ遊びしたりしてはしゃいでたんだろうな

  • 25二次元好きの匿名さん23/06/08(木) 07:58:13

    >>24

    間違いなく賑やかな時間だったよね

    それがこの頃のウタには辛そう

  • 262次元好きの匿名さん23/06/08(木) 17:38:03

    ほしゅ

  • 27◆jTjAfv9SHdw323/06/08(木) 20:27:11

    すみません
    ちょっとショックな出来事が起きて不安に駆られてるので筆が止まってます
    書きたい話はまだまだあるのですが、感想もありがたく見させていただいているのでそこで何か見たい話があれば書いてくれると反映出来るかもしれないことを伝えます

  • 282次元好きの匿名さん23/06/09(金) 05:53:13

    ほしゅ

  • 29二次元好きの匿名さん23/06/09(金) 16:34:03

    昔の黒い人、対応の人外感が強い気がする

  • 30◆jTjAfv9SHdw323/06/09(金) 22:18:46

    「……」ググッ

    黒い人の頭っていつもふよふよしてる。触ったらどんなかな。

    〈……?〉

    手を伸ばしてたら屈んでくれた。そのおかげで触れた。

    「ん〜〜〜」

    〈……〉

    不思議な触り心地。よくわかんないや。

    「ちょっとそのままにしてて」

    何か話出来るかな。もっと仲良くなれるかな。

    ———

    「……」ワシャワシャ

    ・ウタは何を思ったか、彼の頭を洗い始めた。理由が彼にはよくわからなかった。

  • 31◆jTjAfv9SHdw323/06/09(金) 22:41:06

    「あんたって頭洗ったことあるの?」

    〈……?〉

    「ほら、今もシャワー使い慣れてなさそうだったし…いつも汚れた時どうしてるかなって…」ワシャワシャ

    〈……〉フルフル

    ・もちろん何もしない。放っておけば勝手にどうにかなるものだと彼は思っていた。

    「じゃあ洗ってもらったことないんだ」ワシャワシャ

    〈……〉

    ・その通りである。第一、自分にそんなことをしたがる者はいない。それを彼はよく知っていたし、気にしてもいなかった。

    「じゃあ今のどうだった?気持ちよかった?」

    ・ウタはこんな質問をしてきた。返事を期待してそうな声だと彼は思った。

    《……ァァ》コクリ

    ・彼は無意識に小さな声を漏らしながら頷いた。ウタが上手いからか初めてだからかはわからないが、心地良い感覚を味わっていた。

  • 32◆jTjAfv9SHdw323/06/09(金) 22:54:15

    「……♪」ニカッ


    ・声が聞こえたのか、満面の笑みを浮かべた。


    「そう!?シャン………アイツらがよく髪を洗ってくれてたの。それのマネしてみた」


    ・シャンクスの名前が出かかった途端、ウタの気分はまた盛り下がってしまった。


    〈……〉ポンポン


    「ん」


    ・上手いかはわからないが、彼は満足だったので感謝を込めてウタの頭に手を乗せた。


    「そう?良かった…!……じゃあさ」クルッ


    ・彼の感謝が伝わったようでウタは少し喜んだように見えたが、急に後ろを向いてしまった。


    「今の私にもやってくれない?さっきやったみたいに」

  • 33二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 07:49:39

    ウタにシャンプーしてもらって気持ちよさそうな黒い人かわいい

  • 34二次元好きの匿名さん23/06/10(土) 19:31:57

    ポケリフレされるダークライのイメージか

  • 35◆jTjAfv9SHdw323/06/10(土) 23:25:38

    〈……〉

    ・彼は、さっき自分でやっただろうと思いながら首を傾げた。

    「良いから!…やってほしいの」モジモジ

    ・ねだるのが恥ずかしいのだろうか。彼にはウタの声がそんな風に聞こえた。

    ———

    〈……〉ワシャ...ワシャ...

    「……」

    やっぱり慣れてなさそう。シャンクスと全然洗い方が違う。

    「ねェ、もっと強くして良いよ?こうわしゃわしゃ〜って」

    洗い方がすごく丁寧にやろうとしてる。壊れやすいもの、お宝を洗うみたいな。

  • 36◆jTjAfv9SHdw323/06/10(土) 23:49:14

    【「お前はおれたちの娘だ!この宝みてェに、いやそれよりも大事だ!」


    「……」ブワッ


    嘘つき。最悪。あんなこと言ってたくせに!


    「!」


    〈……〉ジャアアアア


    洗い終わったみたい。シャワーで流してくれた。


    「……ありがとう」


    〈…?〉グイッ


    顔を覗いてきた。泣いたのバレてないかな?シャワー浴びたからバレてないと思うけど。


    「何でもない。ところでさ、私ってあんたにとって何?」


    聞かずにはいられなかった。アイツがあんなだったから聞きたくないのに、どうしても知りたい。

  • 37二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 10:01:00

    この時や真実知った後は自分に優しくしてくれる人が何思ってるか怖かっただろうな

  • 38二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 10:08:22

    >>37

    真実を知った時も怒ったのはちょっとの間だけですぐいつもの態度に戻ってたしね

    何を見ても聞いても同じ様子って心が弱ってる時は怖いかも

  • 39二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 21:06:34

    この時はちょっとしたことで思い出しちゃってたんだな

  • 40二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 21:16:01

    >>39

    置いてかれて時間も経ってないだろうし、何よりまだ幼いからショックも大きいはず

  • 41二次元好きの匿名さん23/06/11(日) 22:04:58

    ウタはウタでいろいろさせたから黒い人と距離を縮められたんだな

  • 42◆jTjAfv9SHdw323/06/11(日) 23:51:07

    〈…………〉ウーム

    考え込んじゃった。急にこんなこと聞いたらしょうがないか。

    「前に私、アイツらをお父さんと思ってたって言ったじゃん?それは私のことを娘だって言ってくれたから。血は繋がってないけどそれが嬉しくてさ。…ほんとにバカだよね」

    海賊なんかの言ってることを信じちゃうなんて。…だってすごく一緒にいて楽しかったもん。

    《……家族……カ》

    「もう違うから!あんな奴等もう2度と会いたくない!あんな奴等………!スゥ〜...ハァ〜」

    いけないいけない。また泣いちゃうなんてみっともない。落ち着かなきゃ。

    「少し前から一緒にいてくれてるけど、私をどう思ってるの?ワガママなガキ?それとも泣いてばかりな奴?」

  • 43◆jTjAfv9SHdw323/06/12(月) 01:27:39

    〈……〉コク

    「?」

    《……ワガママデ……ヨク泣イテル》

    「やっぱり。ヒック...ごめん」

    思った通りだ。ゴードンもフーシャ村のみんなもそう思ってるのかも。ルフィにはズルしてばっかりだったし。

    〈……?〉ズイッ

    「…?何?」

    顔色はずっと同じ。だけど何か思ってる。わけがわからないって言いたそう。

    「謝ったの、変?」

    〈……〉コクリ

    「何それ」

    謝んなくていいってことかな。…だと良いな。

    「ん……くしゅんッ」

  • 44二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 07:03:32

    このころは辛いなぁ

  • 45二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:23:52

    思い出が全部シャンクス絡みだからそれら全部が辛い記憶に…

  • 46◆jTjAfv9SHdw323/06/12(月) 22:35:35

    身体が冷えてきた。すぐ着るんだった。

    〈……〉スック

    「?」

    〈……?〉クイ

    「そこもお湯は出るけど…」

    〈……〉キュイ

    バスタブにお湯を入れ始めた。何となくやりたいことはわかる。

    「入れてくれるんだ」

    〈……〉ウム

    確かにこの方が身体はあったまる。…気が利くじゃん。

    「そうそう、こっちを捻ったら水が出るからそれで……」
    .
    .
    ちょうど良い温度になったと思ったら入れすぎちゃった。これじゃ私が入れない。

  • 47◆jTjAfv9SHdw323/06/12(月) 22:50:33

    「もう良いよ。あんたが入って。水が深いと私力が抜けて溺れちゃうから」

    〈……〉ジャブ

    深さは黒い人にはちょうど良い具合。浮き輪とかあったらな〜。

    〈……♪〉フゥ~

    「気持ちいい?良かった」

    気持ち良さそう。あんたがそう思ってくれるならこれも無駄じゃなかった気がする。誰かの役に立てるって嬉しい。

    〈……〉ヒョイッ

    「わッ」

      ジャプッ

    「!」

    〈……〉

    私を上に乗っけてくれた。これなら沈まないから大丈夫。

  • 48◆jTjAfv9SHdw323/06/12(月) 23:11:42

    「……へへ」ヘロ~


    〈……♪〉ウトウト


    ついでに腕で包んでもらった。すごく安心する。


    「ん〜〜♪」


    これ気持ちいいし、時々やってもらお。また1人の時間が少なくなりそうで嬉しい。

    .

    .

    「さっきはありがとう」


    〈……〉


    何だか眠そう。まァ気持ち良かったからね。私も少し眠い。


    「ゴードンはこんなことしてくれないからさ、私楽しかったよ」


    〈……〉


    黒い人は笑ってはくれなかったけど、雰囲気がまた柔らかくなった。嬉しいって思ってくれたかな。


    〈……〉クイ


    「え?……頼んでみたらって?ゴードンに?」


    〈……〉ウム

  • 49◆jTjAfv9SHdw323/06/12(月) 23:41:04

    〈……〉ウム

    ゴードンに一緒にシャワー浴びようよって。そういえばまだ言ったことなかった。

    「…そうだね。頼んでみるよ。ゴードンともちょっとは仲良くなれたら良いんだけど」

    そうやってればいつかは気を遣ったりしないで話をしてくれるかも。


    「……」ショボン

    〈?〉

    「頼んでみたけどダメだった」

    はぐらかされちゃった。あんたと入って楽しかったのなら私よりその方が良いって。

    「いっつも取り繕ってる気がするし、ゴードン私が嫌いなのかな」

    〈……〉

    「聞けたら良いんだけどね。返事を聞くのが怖いし…」

    もし「渋々面倒を見てるだけだ」なんて言われたらどうしよ。

  • 50二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 07:01:05

    まぁゴードン傍から見たら何考えてるか分かりづらいよね

  • 51二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 16:11:07

    >>50

    映画本編での関係もあってあまり親密なイメージが湧かないからな…

    そう思ってても仕方ないところがある

  • 52◆jTjAfv9SHdw323/06/13(火) 23:06:34

    「あんたはどう?」


    〈……〉フルフル


    はっきり首を振った。少なくとも嫌いじゃないみたい。


    「ありがとう。それにあんたがそう思ってくれるなら別に聞かなくて良いかなって…」


    〈……〉スーーー


    「あ……」


    ゴードンのいる方へ行っちゃった。顔つきは少し不安そうに見えた。


    ———


    〈……〉ヌゥ


    「君か。シャワーは済んだようだね」


    〈……〉ウム


    ・入浴も楽しんだ。と、彼は内心で付け加えた。


    「あの子はどうだった?何か顔色に違和感は無かったかね?」

  • 53◆jTjAfv9SHdw323/06/13(火) 23:25:13

    〈……〉フルフル

    ・別に顔が引き攣ってるということは無かったので、彼は首を横に振った。

    「……。何か無理をしているといった様子は無いと?」

    〈……〉コクリ

    ・相変わらずウタは何でも喋るしはっきり喜ぶしはっきり悲しむ。さっき国王が心配していたことは何も無かったと彼は思った。

    「そうか……。君にそうならそれで良い」

    ・国王はさっきウタが言っていたのと似たようなことを言った。彼は不慣れだが、言葉で聞いてみた。

    《……ウタヲドウ思ウ?》

    「む?急にどうしたんだ?」

    《……嫌イ……カ?》

    「何故そんな……あの子がそう思っていると?」

    〈……〉コク

    ・彼は頷いてみせた。

    「そうか、すまなかった。私も良いと思ったようにウタと接しているつもりだが、なかなか君のようには距離が縮まらなくてね。もちろんあの子が嫌いなわけではない。大切に想っているよ」

  • 54◆jTjAfv9SHdw323/06/13(火) 23:32:39

    〈……〉フゥ

    ・彼は一安心した。嘘をついているようにも見えないし、ウタの心配は杞憂なようだ。

    「余計な心配をさせていたのか。では、やはり音楽のこと以外は君に任せた方が良い気がしてきた。君の方が打ち解けているようだからね」

    〈……〉ムッ

    ・彼は少し不機嫌になった。ウタには自分よりも国王と親しくなってほしいからだ。そうすれば悪夢を見せる自分が離れても平気になれるし、国王にこそウタの支えになってほしいと彼は考えていた。

    「………そうだな。こんな君に押しつけるような卑怯なことはすべきじゃないな。避けていてはウタを傷つけるだけだ」

    〈……〉

    「わかった。今度話す時はあまり顔を窺わないようにしてみるとしよう。ありがとう」


      ヌゥ

    〈!〉

    ・扉を擦り抜けると、ウタがいた。

    「ねェ…ベッド行こうよ…」クシクシ

    ・眠いから扉の前で待っていたようだ。いつ1人で寝れるようになるだろうかと思いながら、彼は寝室へついていった。

  • 55二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 07:17:41

    ほす

  • 56二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 18:33:02

    黒い人気を遣って仲を取り持とうとしてくれてたんだな

  • 57◆jTjAfv9SHdw323/06/14(水) 23:57:55

    ——現在——


    「おはよう」


    《おはよう、ウタ》


    ・昔そんなことを考えていたな。と、彼はふと思った。今のウタは悪夢も無いからやろうと思えば1人で寝れる。でもそうはしたがらない。


    〈……〉


    ・むしろ彼の方が1人だと不安を覚えるようになった。ウタが側にいると寝付きが良いと彼は感じている。成長どころか幼くなっているかもしれないと内心思った。


    「よく寝れた?」


    〈……〉ウム


    「私も♪」ニッ


    ・ただ、幸せだ。幼くてもそうであれば充分だと彼は思った。

  • 58二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 06:32:41

    ホントよかったねぇ

  • 59二次元好きの匿名さん23/06/15(木) 15:14:57

    もう独りに戻るにはいろいろ知り過ぎたね

  • 60◆jTjAfv9SHdw323/06/15(木) 21:22:06

    「それじゃあ〜……あと少ししたらここを出ようか」モゾモゾ

    〈……〉ウム

    ・しばらく布団を堪能した後、荷物を持って旅館を発った。

    ———エレジア———

    「……」

      ザワ...ザワワ...

    彼等がエレジアを旅立ってかなり経った気がするな。前にも増して木々の声がよく聞こえる。

    「ふふ……あの子たちはどうしているかな」

    大海賊時代は既に終わっている。とはいえ心配が無くなったわけではない。何かに出くわしてもやっていけるだろうかと不安になってしまう。

    「……」フッ

    いや、私が気にすることではない。あの子も彼も1人じゃないのだから、何かあっても助けられる。お互い寂しい思いをすることは無いのだ。

    「さて、食事とするかな。しっかり1人分だけ作らねば」

  • 61◆jTjAfv9SHdw323/06/15(木) 21:40:29

    10年以上もそれが当たり前だったから、気を抜くと3人分用意してしまう。あまり溜めたくはないから気をつけないとな。


      ピラッ


    「む?」


    何か飛んできて、足元に落ちてきた。


    「ふむ……」


    ただの紙切れだな。風に運ばれてきたのだろうか。まるで…。


    「……!」


    思い出したくないことだな。ウタの元へ迫ってきたあの楽譜のことだ。それは彼が焼き尽くしたが、未だに忘れられない。


    「……拾っておこう」


    何故かこの紙を放っておけないな。……島にゴミが置かれるのは良くないことだし、これは当たり前のことだ。

    .

    .

    「………」ピラッ


    トットムジカが頭を過ぎってから楽譜が浮かんできて落ち着けない。

  • 62◆jTjAfv9SHdw323/06/15(木) 22:18:21

    「………」ピラピラ


    やはり私は……。これが音楽家の性というものだろうか。


    「………」


     ゴードンはいつの間にか、ピアノの元へ向かっていた。頭に浮かぶ『名曲』を弾きたいという気持ちに突き動かされていた。


    「よし」サッ


     そして、さっき拾った紙を譜面のようにピアノに置き、手を付けた。


    🎼♪———♫———


     しばらくの間、『名曲』を奏でる音色が島に響いた。恐れ・迷い・怯え。様々な渦巻く感情を込められたであろうその曲は、人々に称えられるだけの魅力は確かにある。


    🎼———♬———♩


     しかし、その込められた感情が“魔王”を生み、厄災を生み、その『名曲』は曲として見做される機会を失った。




    「………やはり、素晴らしい曲だ」


    弾いたのは初めてだったが、これほどまでの名曲だったとは。素晴らしい歌い手がいればより一層魅力的になるだろう。例えばウタのような。


    「……何て惨い」

  • 63◆jTjAfv9SHdw323/06/15(木) 22:27:07

    しかし、ウタの歌があったからこそ力を奮えてしまうのだ。あの子こそ、この曲の魅力を最高に引き出せるというのに。

     ゴードンは少しの間満足感を覚えた後、自分の思い浮かべた最高の組み合わせは、決して実現させてはならないことを思い出し、悲しみを感じた。


    「さて、この紙は処分しておこう」

     弾き終わってすぐ、ゴードンは暖炉に紙切れを放り込んで燃やした。

    「………」メラメラメラ

     ゴードンはその紙切れがトットムジカの楽譜であることに終ぞ気づかなかった。しかし、それは弾いてもらえたこと、評価してもらえたことに満足したかのように、大人しく紙として燃え尽きていった。

    ——————

    「え〜〜〜ッと、ここ何ていう場所だっけ?地図のどこかな?」

    〈……〉クイ

    「ああ、ここね!」

  • 64二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 06:39:40

    やっぱリポップするんだなこの楽譜

  • 65二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 08:29:46

    >>64

    でも今度はもうリポップしない気がする

  • 66二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 19:19:27

    >>65

    トットムジカも救われたんだろうな

  • 67二次元好きの匿名さん23/06/16(金) 19:57:33

    この曲を作った人も評価してもらいたかったのかも

  • 68◆jTjAfv9SHdw323/06/16(金) 22:48:19

    リヴァース・マウンテンという山が見える。つまり、そこへ向かってる海流を進めばその先の“偉大なる航路”に進める。


    「ルフィもシャンクスも、船乗りはみんなここを通るんだよね」


    〈……〉


    「通り抜けられる船は半分っていうけど、私たちだってこのぐらい越えられなきゃね!」


    せっかく船旅してるんだからこんなことじゃ止まれない!


    〈……〉ジーーー…


    「何〜?怖いの〜?」


    〈……〉ウム!


    「あ……そっか。まァそうだよね…」


    思いっきり頷かれた。ここは怖くても見栄を張るところだと思ったんだけどな。相変わらず正直。

  • 69二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 09:18:22

    ウタもちょっと怖そう

  • 70二次元好きの匿名さん23/06/17(土) 20:07:29

    意外に正直な答えで
    はしごを外されてびっくりしたのかな

  • 71◆jTjAfv9SHdw323/06/17(土) 23:14:41

    〈……〉チラリ


    「迂回しようって?」


    確かに、この山を通らなくても“偉大なる航路”へ行く方法はあるし、私たちの能力ならその方が安全。でも……。


    「やだ!シャンクスやルフィだって通ったんだから私も自分で通りたい!」


    ルフィに出来たことから逃げるなんて私が負けたみたいになっちゃう!……それに“凪の帯(カームベルト)”で海王類を動かすなんてあんまりやりたくないし。


    〈………〉


    「大丈夫だって!私も昔ここを通ったことぐらいあるんだから!スリルを味わえるって思えばきっと楽しいよ!」


    〈…………〉グッ


    黒い人はやっと受け入れてくれた。顔はものすごく嫌そうだけど。

  • 72◆jTjAfv9SHdw323/06/17(土) 23:55:20

    「ありがとう!じゃあもう海流に乗るから準備して!」


    〈…!〉ウム!


    運河の入口が見えた。ここをちゃんと通れれば……!

    .

    .

    「やったァ!通れたァ!」


    ぶつかったらどうしようって思ったけど、何とか門に入れた!そして!


    ザパァアアアアン!!!


    「見えた!“偉大なる航路”!!」


    自分たちで来れたのなんて初めてだから嬉しい!


    「ほら見て!私たちここまで船で来れたんだよ!」


    〈……〉ボーーー...


    「あれ?大丈夫?」


    《…ハァ》ヘタリ


    「あ……。お疲れ様」ヨシヨシ


    黒い人はそれどころじゃなかった。息も荒いし、結構無理させちゃったみたい。

  • 73二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 10:43:49

    ルフィたちもギリギリだったからそりゃ怖いよ

  • 74二次元好きの匿名さん23/06/18(日) 21:58:12

    黒い人高速絶叫系ダメなのか

  • 75二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 01:23:50

    >>74

    それかもともと怖がりとか…

    臆病な性格っていうのが原作にあるし

  • 76二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 06:45:59

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 18:18:50

    そこって半分の船が沈むもんなァ

  • 78◆jTjAfv9SHdw323/06/19(月) 22:42:55

    「でもほら!後は下るだけだから怖がることなんて無いよ!」


    〈……〉フゥ


    とにかく、この先が“双子岬”!停まれそうな場所があったらそこに…。


      ザッバァアアアア!!


    「!!!」

    〈!!!〉


    え!?あれクジラ!!?


    「どうしよ!?ぶつかるんだけど!!」


    舵切って間に合う!?いややるしかない!


    〈!!〉ビュン!


    「?」


    船に張り付いて?…そっか!


    「じゃあよろしくね!」


    《ンッ!!》ドオオオ!!

  • 79◆jTjAfv9SHdw323/06/19(月) 22:57:50

    .
    .
    「は〜〜、良かった〜〜…」

    《ハァ…ハァ…》

    黒い人が撃った反動で船の向きを変えてくれたおかげで何とかなった。今は休みたいから岬に船を停めてる。

    「でも楽しかったね!スリルあってさ!……あ」

    〈…………〉

    頭抱えられちゃった。いつかはこういうの一緒に楽しめたらな。

    「ここって人はいるのかな」

    〈……〉キョロキョロ

    灯台ぐらいしか建物は見当たらないけど…。誰かいたら話を聞きたい。

    「あ!ねェあれそうじゃない!?」

    〈!〉

    クジラが近づいた先にあるのって人影だよね!お酒呑み交わしてるみたい!

  • 80◆jTjAfv9SHdw323/06/19(月) 23:21:27

    「行ってみようよ!あのぐらいの岸なら飛び越えれるし!」


    〈……〉コク


    ———


    「こんにちは!」


    「む?」


    ・ウタが声をかけると、酒を飲んでいた男2人はこちらを向いた。…が、返事をするでもなくしばらく時間が流れた。


    「…私はウタ!歌手をやってていつもは電伝虫で配信活動もしてるの!この人は友達で、一緒に旅をしてくれてる!」


    〈……〉フリフリ


    ・自分を“友達”と呼んでくれたことに彼は内心喜びながら、手を振って挨拶をした。


    「………。礼儀はなってるようだな」


    ・顔は険しいが、誉めてはくれたのでひとまず悪い印象は持たれてないようだと彼は思った。


    「私の名はクロッカス。双子岬の灯台守をやっている。歳は大体73歳、双子座のAB型だ」


    「クロッカスさんね!じゃあ貴方は?」


    「おれァまぁ……名乗るほどの者じゃねェな」

  • 81二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 07:00:57

    この人ウタにどう反応するかな

  • 82二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 08:44:14

    確かクロッカスと一緒にいた人って誰だかはっきりしてないのか

  • 83二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 20:15:21

    クロッカスさんにシャンクスの名前は出すんだろうか

  • 84◆jTjAfv9SHdw323/06/21(水) 00:13:00

    ・もう1人の老いた男は名乗ってくれなかった。ただその顔つきから、修羅場を潜ってきた者だろうと彼は感じた。

    「昔は知れた名だったんじゃねェのか?」

    「昔は昔だ。ところで嬢ちゃん、ウタって名前みてえだが、あの“世界の歌姫”のあいつかい?」

    「…!そうです!おじさん私のファンなんですか?」

    ・自分を知っていると言われてウタは喜んだ。配信でも老人のファンがいたので彼は特に驚かなかった。

    「悪ィな、聞いたことがあるだけだ」

    「じゃあこれからよろしくね!おじさん!」

    「あァよろしくな。……」

    ・男は彼の方に目をやっていた。

    「黒い人がどうかしました?」

    「いや、昔どっかで見た気がしてな」

  • 85◆jTjAfv9SHdw323/06/21(水) 00:55:48

    「ふ〜ん。あんたはこの人知ってる?」

    〈……〉フルフル

    ・もちろん、彼はこの男のことは知らないので首を振った。

    「そういえば、あんた歌手なんだって?なら1曲頼んで良いか?」

    「もっちろん!何が聴きたいですか?」

    「そうだなァ……」
    『ブオオ!!!!』

    「!!」
    〈!!〉

    ・突然クジラが興奮気味に声を挙げ、ウタと彼はそれに驚いた。

    「ラブーンめ、歌と聞いて盛り上がってるようだな」

    「ラブーンってこのクジラ?…キミも歌が好きなの?」

    「ああ、ラブーンはこのクジラの名前だ」

    「そうなんだ。じゃあ私ラブーンが好きな曲にしたいな!」

    「それじゃあ“ビンクスの酒”を頼む。おれたちァ海賊だったからこの唄が気に入ってんだ。嬢ちゃんが歌えるならだが」

    「もちろん!今歌ってみせるね!」

  • 86◆jTjAfv9SHdw323/06/21(水) 01:25:08

    ・歌ってくれるようだ。彼は気分が上がった。

    ———





    「いやァ、やっぱりこの曲は最高だ!!」

    「ありがとう!喜んでもらえて嬉しい!」

    「……♪」

    〈♪♪♪〉フフッ

    クロッカスさんもおじさんも楽しんでくれたみたい。黒い人も嬉しそう!

    「……?」

    「何?クロッカスさん」

    「この唄はいわば海賊の唄。随分歌い慣れていたが、海賊でもないお前が誰から教わった?」

    そういえばこの唄って海賊たちで有名だったんだよね。だからクロッカスさん気になったのか。

    「海賊船に乗ってた頃があって、よく歌ってたんです」

    「なるほどな。つまりお前は海賊の……娘?」

  • 87二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 06:51:23

    おっ 触れるのか

  • 88二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 18:24:25

    そうかクロッカスは50年そこにいたからよく知らないのか

  • 89二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 18:25:50

    >>88

    目を離した隙にラブーンが何かしでかしたら目も当てられないからな…

  • 90◆jTjAfv9SHdw323/06/21(水) 23:29:28

    「……?うん」

    何か心当たりがあるのかな。

    「お前、どこの船に乗っていた?」

    「シャンクス。“赤髪”のシャンクスの船」

    「!!…そうかあの小僧の」

    「“赤髪”…?“赤髪”ってあの?」

    「うん。その人は四皇だった。クロッカスさんシャンクスを知ってるの?」

    「ああ。アイツがガキだった頃に同じ船にいたが、娘を作ってやがったとはな」

    子どもの頃ってことは大人になってからは会ってないのかな。

    「いろいろあって船は降りたけど、私は今でも実の父親のように想ってるよ。私の歌を誰よりも信じてくれてるし」

    「そうか。じゃあアイツには感謝するんだな。船に乗ったままじゃ歌手なんざ無理だった」

  • 91◆jTjAfv9SHdw323/06/21(水) 23:56:20

    「はい。…もちろんよく分かってますし、シャンクスには感謝してる」


    クロッカスさんの言う通り。置いて行かれたのは辛かったけど、そのおかげで今がある。シャンクスを悪く言われたくないし、エレジアの話はしないで良いや。


    「なァ。旅に連れ添ってるってことはそれだけの仲なんだろうが、いつどこであんたらは会ったんだ?」


    ん、エレジアに繋がりそうだしあんまり聞かれたくない話。適当に誤魔化そう。


    「え〜〜ッと…」


    《…エレジア…10数年前》


    「あ」


    「何だと?確かその頃ってよ…」


    「エレジアが滅んだ。記事には“赤髪のシャンクス”の手で一夜にしてとな。……まさか降りたのはその時か?」


    「……」コクリ


    黒い人が答えちゃった。でも聞かれたからね、しょうがないしょうがない。

  • 92二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 06:40:56

    維持

  • 93二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:26:01

    クロッカスさんに本当の事話すのかな

  • 94二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 00:13:30

    クロッカスさんはエレジアの話どう思うんだろうか

  • 95二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 00:13:33

    エレジアとウタの経緯を聞いてクロッカスさんどう思うかな

  • 96◆jTjAfv9SHdw323/06/23(金) 00:43:42

    「……」


    「……」


    どうしよう。2人ともさっきより険しい顔になっちゃった。シャンクスが何か言われそうで嫌だ。


    「言いたいことはわかるけど、シャンクスを悪く言わないで。確かに置いて行かれた時は辛かったけど、おかげで歌手にはなれたし、この人とも仲良くなれたの」


    〈……〉チラリ


    「む…」


    「ああ、どうやって2人は知り合ったかって話だったな」


    気持ちが伝わったのかたまたまか、黒い人に話題が逸れてくれた。


    「この人とはね……」


    .


    .


    黒い人のことは話せるだけ話した。事件が起きて誰もいなくなったエレジアで、私の歌を聴きに来てくれたこと。どんな時でも私のすることに付き合ってくれたこと。自分の能力を知ってても、事件の真実を知っても、ずっと独りにしないでくれたこと。

  • 97◆jTjAfv9SHdw323/06/23(金) 01:36:33

    「……随分一途だな、あんた」


    〈……〉


    自慢気にするでも恥ずかしそうにするでもなく、黒い人はいつも通りの顔つき。当たり前のことだって思ってるのかな。


    「もしシャンクスがエレジアに置いて行かなかったら、あの事件が起きなかったら、この人は今でも独りぼっちだったって思うの」


    〈……〉コクリ


    「何が幸いするかわからんものだな」


    「あんたが恨んでねェならそれで良い。ありがとよ黒いの」


    クロッカスさんたちは納得してくれたのか、シャンクスのことは言わないでくれた。昔はともかく、今はもうシャンクスたちをまた好きになれてるからその気配りが嬉しい。


    「しかし、悪夢を見せる能力か。自分で止められなかったとはまるで病気だな」


    「気持ちの問題だったんじゃないかな。今は昔より幸せみたいで、悪夢を見せたりしなくなりました」


    「良かったな黒いの。そうだ、せっかくだからここで一晩明かさねェか?」

  • 98二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 06:55:22

    なんか黒い人に興味持ち出してる・・・?

  • 99二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 17:50:59

    深入りされずに話が終わったのか
    良かった良かった

  • 100二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 04:57:10

    夜はお互いシャンクスの話で盛り上がりそうだな

  • 101二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 16:27:13

    クロッカスさんもウタからシャンクスの話聞きたかったんだろうな

  • 102◆jTjAfv9SHdw323/06/24(土) 23:40:08

    〈……〉


    「良いんですか?……あ!じゃあクロッカスさん!子どもの頃のシャンクスのこと聞かせて!」


    「アイツの話か。そんなに長く乗ってたわけじゃねェが、退屈はしねェはずだ。まず初めて会った時にだな……」

    .

    .

    .

    「んで白ひげ海賊団とかち合った時もあったな!物品の奪い合いのはずがいつの間にやら……」


    「クロッカスさんよ」クイ


    「ん?」


    「………」zzz...


    「コイツ…自分で話を振っておきながら」


    「話が長ェんだからしょうがねェ。ラブーンも眠そうだ」


    「プオ〜〜〜……」

  • 103二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 10:26:17

    寝落ちしちゃったか

  • 104◆jTjAfv9SHdw323/06/25(日) 19:40:36

    ———

    ・シャンクスの話はやっぱり面白いと彼は思った。昔からあの人はああいう男だったのか。

    「おい、何かかけてやりな。冷えちまうぜ」

    ・船に上着があるので、彼はそれを持ってきた。

    「ん」ガシッ

    「…♪」zzz

    ・被せていたら彼は腕にしがみつかれた。これで一晩は離してくれないだろう。

    「お、懐いた猫みてェだな」

    「お前慣れてるな。毎晩こうなのか?」

    〈……〉コクリ

    ・彼は頷いてみせた。一緒に過ごすようになってからずっと、こうするのが好きだ。

    「……別に手を離しても去りはしないだろう?」

    《……アア》

    ・当たり前だ。彼は声を出して返事をした。

  • 105◆jTjAfv9SHdw323/06/25(日) 21:07:30

    「話を聞くに、彼らはコイツが眠ってる隙に去ったのだろうな」

    〈……〉チラ

    ・クロッカスの考えが正しいなら、ウタは今でもどこかで思っているのか。寝ている間にいなくなってしまうのではと。そこまで深刻な気持ちじゃないことを彼は望んだ。

    「プオ」

    「おめェもよくわかるよなラブーン。捨てられたって思う辛さはよ…」

    「“麦わら”たちが来なきゃあ今頃死んでたな。お前も」

    〈……〉サス...

    ・このクジラが今までどう生きてきたか。それは額の傷と“ドクロマーク”が雄弁に物語っていた。

  • 106◆jTjAfv9SHdw323/06/25(日) 21:30:25

    「んじゃ、そろそろ寝るとするか。悪夢の力とやらを見せてもらうぜ」ゴロン

    〈……〉フンッ

    ・期待にはそぐえそうに無い。と、彼は内心思った。もう悪夢をばら撒くようなことは出来ないし、するつもりも無い。

    「黒いの」

    〈?〉

    「良かったな」

    〈……?〉スヤァ...

    ・クロッカスの挨拶を受けて、彼は微睡んでいった。掛けられた言葉の意味はよくわからなかった。

    ———

    この黒い男……悪夢の力など誰からも疎まれたはずだ。この娘への懐きよう、さては出逢うまでずっと孤独だったな。

    「……人は誰もが、誰かを待ち望んでいる。我々が“麦わら”を待ち望んだように」

    どれだけ悪夢を見せられてもお前にひっついたとは、さそがしお前も救われただろうよ。

  • 107二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 07:18:36

    維持

  • 108二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 17:36:51

    そうかラブーンも似てるところがある境遇なのか

  • 109二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 17:45:40

    >>108

    事情は違うとはいえ他所の人(クロッカスさんやゴードンさん)から事実と違うことを突きつけられたのは同じなのか

  • 110二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 17:53:43

    >>108

    お互い見捨てられたわけじゃなくて良かった…かな?

  • 111◆jTjAfv9SHdw323/06/26(月) 23:58:12

    どれだけ悪夢を見せられてもお前にひっついたとは、さそがしお前も救われただろうよ。

    〈……〉zzz

    「お前には、その娘がそれなのかもな」

    「……」

    「何だラブーン?まだ寝ないのか?」

    「プオオ〜♪」

    「……はッ、こいつの歌が気に入ったか?」

    「ブオ」

    「ああ私もだ。起きたら頼んでみるか」

  • 112◆jTjAfv9SHdw323/06/27(火) 00:19:33

    〜〜〜〜


    ザザーン……


    船の上?おかしいな、まだ出航してないはずなんだけど。


    「ねェ……!あ、ルフィ!」


    「……」


    どうしてここに?でもまァいっか!


    「久しぶりだし色々聞かせてよ海賊王!」


    「…………」ザザーン.....


    「ちょっと!聞いてるの?」ブンブン


    何か様子が変。手を振っても全然気にしないし、見えてないのかな。ずっと遠くを見つめてる。


    「!」


    あれってレッドフォース号かな。シャンクスたちが見えるし、そういえばクロッカスさんや黒い人がいない。


    「……!」

  • 113◆jTjAfv9SHdw323/06/27(火) 05:57:59

    シャンクスたち、誰かを囲ってる。誰のことなんだろう。何となく分かる気がするけど、分かりたくない。

    「………」

    ルフィも、ルフィのクルーも、誰も何も言わない。シャンクスが船に乗せるような人で、ルフィがこんなになる人に起きたことなんてそれは……。

    「……」

    ああわかった。
    〜〜〜〜

    「……!」パッチ

    ほら夢だ。みんなちゃんと岬にいるし、シャンクスもルフィもここにはいない。


    〈……〉zzz

    そう、いてくれてる。こんな夢を見た時もいつだって、側に立って安心させてくれる。

    〈…〉パチ

    起きた。

    「おはよう。……ありがとう」

    《…?……おはよう、ウタ》ニッ

  • 114二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 17:03:42

    夢でよかった

  • 115◆jTjAfv9SHdw323/06/28(水) 00:35:30

    「ねェねェ、私ちょっと怖い夢見たんだ。久しぶりにね」

    〈!!〉サッ

    「へへへ、大丈夫!ちょっとだけだから」

    脅かしてごめん。今でもやっぱり気になるんだね。手を見てもあんたの力じゃないから何もないよ。

    〈…?〉

    「ルフィたちの船に乗っててシャンクスたちも見えたんだけど、な〜んかみんなすっごく悲しそうだったの」

    〈…〉ジックリ

    それで?って顔になった。

    「多分私のことだって気がしたんだけど、何を私がしてみんなを悲しませたのかわからなくて…それがちょっと…」

  • 116二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 06:55:27

    何だったんだろう

  • 117二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 11:01:20

    >>116

    多分なんて事は無いただの夢

    ちょっとした悪夢なんて誰でも見るし

  • 118二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 22:21:31

    別の世界線の夢だったのかな

  • 119二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 23:54:09

    REDの夢…?
    だとしたらただの夢で良かった…

  • 120二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 08:58:07

    怖い夢も一緒にいてくれる人がいれば安心だね

  • 121二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 20:47:08

    現実感ある怖い夢って目が覚めた時本当に安心するよね

  • 122◆jTjAfv9SHdw323/06/29(木) 20:50:49

    〈……〉

    黒い人はいつも話に付き合ってくれる。昔から、傷ついてた時から、いつも同じ顔つきで。

    「あんたは私が何をしたら悲しい?」

    何となく分かってる気がするけど、聞いてみる。

    《……イナク……ナル》

    「そう。じゃあそういう夢だったのかも」

    みんなは私が消えたら、あの夢のように悲しむかな。そうなったら嫌だけど…でも、悲しんでくれるのってちょっと嬉しいかも。

    〈……〉ジッ

    不安そうな目。今考えてることがバレた?

    「怖がらなくて良いよ。急にいなくなったりしないから」

  • 123◆jTjAfv9SHdw323/06/29(木) 21:01:28

    「ブオオ」


    「おはようラブーン」


    「ブオ」


    ラブーンも起きた。おじさん2人はまだ起きない。


    「昨日から思ってたけど、そのマーク素敵」


    「プオ♪」


    やっぱり気に入ってるみたい。だってそのマーク……きっと描いたのはルフィだもん。


    「ブオ〜オ〜♪」


    「なになに?」


    何かしてほしそう。声がリズムを刻んでるみたい。


    「わかった。リクエストでしょ?」


    「ブオ〜!」

  • 124二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 08:03:38

    一目でわかる絵の作者
    ウタもシャンクスもルフィのやつだって一発で分かるんだろうな

  • 125二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 19:53:59

    新時代のマークと同系統の絵柄だしね

  • 126二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 19:54:22

    ラブーンは音楽大好きだもんな

  • 127二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 07:45:02

    いなくなったらそりゃみんな悲しむよ

  • 128二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 18:46:08

    >>124

    下手な絵に麦わら帽子

    こんなのほとんど名前だよ

  • 129二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 02:18:10

    そういえば本編じゃ「いなくなったら悲しむ」ってことまで考えが及んでくれなかったな…

  • 130二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 12:14:21

    ラブーンとセッションするのかな

  • 131◆jTjAfv9SHdw323/07/02(日) 22:57:29

    「昨日は“ビンクスの酒”だったけど、他のも聴きたい?」

    「ブオ!」

    「オッケー!!それじゃあ………そういえば、ラブーンが一緒にいた海賊って今はどうしてるの?」

    「……」

    「私が答えよう」

    「あ、おはようクロッカスさん」

    「うむ。彼らはな、新世界の海に呑まれて死んだのだ。帰って来れたのは麦わらの一味と共にした1人だけだった」

    「ブオ」

    それが……そっか。ソウルキングはこの子の事を言ってたんだ。

    「う〜〜ん、じゃあわかった。ラブーンの友達の海賊たちの気持ちになってみる」

    もし。もう助からないと思ったら、誰を思い浮かべるだろう。その誰かのために、何をしてあげたいと思うだろう?

    「……」

  • 132◆jTjAfv9SHdw323/07/03(月) 05:47:50

    「……よし、これにしよう!あんたは…もう持ってきてるか」


    もう楽器を用意してた。今回はそれを伴奏にしたいみたい。


    「それじゃあこれを。3..2..1..」トンットンットンッ





    「🎼どこまでもあなたへ——— 届くように 歌うわ———♫」


    〈♪♪〉

    「……!」


    「🎼大海原を翔ける 新しい風になれ—————— ooh♪」


    「!!!」ウルウル

  • 133二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 17:02:31

    ルンバ―海賊団はラブーンに歌を届けたくて歌ったからね
    ラブーンはブルックと再会して話聞いただろうから風のゆくえでその時のルンバ―海賊団を思い浮かべたんだろうな

  • 134◆jTjAfv9SHdw323/07/03(月) 23:24:52

    「どうだったラブーン?」

    「ブオオオオオ!!!!」

    「気に入ったみたいだな」

    良かった。伴奏を黒い人がやってくれたから歌に集中出来たおかげかな。

    「だろうよ。…アイツらも歌を届けてやりたかっただろうな。ラブーンに」

    「あ、おじさんも起きたんだ。おはよう♪」

    「ああ。悪夢は見れなかったけどよ」

    〈……〉フッ

    黒い人嬉しそう。

    「で、嬢ちゃんは行きたい場所とかあるか?」

    「世界中!!今までエレジア以外じゃライブ会場の周りしか行けなくてさ!」

  • 135◆jTjAfv9SHdw323/07/04(火) 00:03:28

    「世界中か。……良い夢だな。彼らが叶えたかった、ロジャーや麦わらが叶えてみせた夢。私も応援しよう」


    「ありがとうクロッカスさん!必ず世界中をまわって私の歌を届けてみせるから!」


    「おれも応援するぜ!黒いの、こいつを頼んだぞ!」


    〈……〉ウム


    力強く頷いてくれた。こういうところが頼もしい。

    .

    .

    「じゃあもう行くよ!ありがとうクロッカスさんとおじさん!」


    「ああ!またな嬢ちゃん!!」


    「アイツにもよろしく言っといてくれよな」


    「もっちろん!シャンクスに自慢出来るような冒険してやるんだから!ラブーンも元気でね!!また一緒に歌お!!」


    「ブオオオ♪♪」

  • 136二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 11:04:04

    歌が好きな同士の交流和む

  • 137二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 21:56:47

    いいよね

  • 138◆jTjAfv9SHdw323/07/05(水) 07:39:49

    クロッカスさん良い人だったな。あのおじさんの名前は聞けないままだったけど次会ったら聞けるかな。



    〈………〉


    まだ岬を見てる。私が寝てる時も何か話は出来たかな。


    〈……〉フリフリ


    黒い人は手を振った。そしたら返事をくれた。


    「またこういう人たちに会えたら良いね」


    〈……〉コクリ


    すごく良い時間だった。この気持ちを文字にしてみよう。今やった方が作詞もしやすいだろうからね。



    〜△年前・エレジア〜


    「父の日?」


    ・ある日、聞き慣れないのかある言葉にウタは食いついた。


    「お父さんの日ってことだよね?何の日か知ってる?」

  • 139二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 18:36:42

    いい出会いだった
    1周してまたラブーンに会えるの楽しみだろうな
    そして父の日の思い出か

  • 140◆jTjAfv9SHdw323/07/06(木) 06:29:11

    〈………〉ウーム


    ・彼は碌に思い出の無い記憶を漁りながら答えようとした。親子で何かする日だったはずだが、親などいたことの無い彼がピンと来ることは無かった。


    〈……〉チラ


    ・彼はウタを見た。親がいたことのあるウタの方が知ってるはずだ。


    「私?……知ってるわけないじゃん。親なんて……お父さんがいたことなんて……」


    ・シャンクスを思い浮かべてしまったのだろうか。今となっては彼等を親とは思いたくないのだろうと彼は同情した。


    「は、ごめんごめん。また変なこと考えちゃった。じゃあゴードンにでも聞いてみよ?」


    〈……〉コクリ




    「父の日は読んだ通り、父親に日頃の感謝を伝える日だ。それがどうかしたのかい?」

  • 141二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 06:41:36

    このレスは削除されています

  • 142◆jTjAfv9SHdw323/07/06(木) 06:48:13

    「ありがとうゴードン。何か急に気になって」

    「そうか。力にはなれただろうか」

    「うん!もう大丈夫!」


    「感謝を伝える、か」

    ・そういう日だったのかと彼は感心した。良いイベントだと思った。

    「良いな〜。私もそういうこと出来るお父さんいたら良いのに」ゴロン

    〈……〉クイ

    ・彼は指を差した。そんな人はちゃんといる。

    「ゴードン?…!そうだよね。アイツに捨てられた私をずっと育ててくれたよね」

    〈……〉ウム

    「あんたと一緒に見守ってくれてるのに、私ちゃんと感謝出来てなかったかも。どうしたら伝えられるかな」

  • 143二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 08:10:06

    ゴードンさんに父の日のプレゼントしたのかな

  • 144二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 19:08:44

    ゴードンさんこの時だったら父の日に何かしてもらったら
    嬉しいと同時にシャンクスに申し訳なく思っただろうな

  • 145◆jTjAfv9SHdw323/07/06(木) 23:09:32

    〈………〉

    ・彼もウタと共に国王に感謝を伝える方法を考えた。

    「ゴードンって好きなものとかあるのかな」

    《……音楽》

    「だよね。音楽の国の王様だもん……でも歌とか演奏はいつもやってるか」

    ・音楽活動は毎日やっているので、特別な意を込めるのは難しそうだ。

    「う〜〜ん、ちょっと眠いし寝てからにしよっかな」ギュ

    ・眠くなったウタは彼の腕にしがみつく。……1人で寝れないなら国王と同じ部屋で寝ればいいのではと、彼はふと思った。そうすれば自分とも離れられ、悪夢とも別れられる。

    「!」
    〈!〉

    ・ウタと彼は同時に何かに気づき、目を合わせた。

  • 146◆jTjAfv9SHdw323/07/06(木) 23:30:53

    「そういえば、ゴードンって悪夢は大丈夫かな?」

    ・よく考えたらそうである。国王も自分の能力が効いているはずだと彼は思った。

    〈……〉

    ・彼は国王も悪夢で心が参っていないかと不安になった。

    ———

    黒い人、顔の影が濃くなった気がする。不安になってるんじゃないかな。

    「あんたが気にすることないと思うけど…。ほら、私みたいに寝れないってわけじゃなさそうだし」

    私もちょっと心配になってきたけど、ゴードンは寝れてないとか夜に起きるとかそういうことは無いから私ほど酷い夢は見てないはず。……そうだと良いな。

    「夕食の時に聞いてみる?」

    〈……〉コク

    よし、決まり。ずっと不安なままじゃ嫌だろうからね。

  • 147二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 07:50:57

    ゴードンさんも本当に悪夢見てそうだな
    あの時の心の傷も嘘をつき続けてる負い目も感じてるし

  • 148二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 19:47:16

    ウタと黒い人は何をしてあげたんだろう

  • 149二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 07:43:09

    サプライズされたら嬉しいだろうな

  • 150二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 19:25:46

    ゴードンさんはどんな夢見てるんだろうか

  • 151◆jTjAfv9SHdw323/07/09(日) 07:22:37

    「少し遅かったね、ウタ」

    「ちょっと昼寝してた」

    「夢は大丈夫だったのかい?いつ寝ても夢は和らがないだろう」

    「見たよ。いつも通り酷かったけど…大丈夫」スリ

    〈……〉

    何となく腕に寄っ掛かる。ここにいるって安心させてくれる腕。

    「それよりさ、ゴードンこそ夢は大丈夫なの?」

    「む?」

    ゴードンの方から振ってくれたから話しやすい。

    「黒い人の力だって言うなら、ゴードンにも効いてるんじゃないかって」

  • 152二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 07:23:00

    今はシャンクスにも父の日してあげるのかな

  • 153◆jTjAfv9SHdw323/07/09(日) 08:02:37

    「……あァ、私も悪夢を見るよ」

    〈!………〉シュン

    やっぱり。黒い人悲しそう。

    「だが安心してほしい。毎日よく寝れているからこの子ほど酷くはないはずだ。私のことは気にしないでくれて結構だ」

    〈………〉

    「そう?」

    「そうとも。さァ、夕食を食べようか。冷めてしまうよ」

    「は〜い」
    .
    .
    「やっぱり悪夢は見てたね。寝れてなくはなさそうだったけど」

    〈……〉

    直接聞いてから落ち込んでる。ほんとに何でこんな能力を持っちゃったんだろうね。

  • 154◆jTjAfv9SHdw323/07/09(日) 08:25:46

    「ゴードンに何かしてあげれたら良いのにね」

    きっと話しかけても大丈夫って言われちゃうし、それだと黒い人は無理させてるってずっと元気にならなそうだし………!

    「そうだ!ゴードンにプレゼントしない?」

    〈?〉

    「そしたらゴードンだって喜んでくれると思うの。どう?」

    〈…!〉

    ちょっと目が明るくなった気がする!

    「よし、やろう!それじゃあ……」

    まずはプレゼントの中身。材料とかも補給船から貰うことまで考えなきゃ。

    —————

    「おはようゴードン!今日は私たちが身の回りのお世話するよ!」

  • 155二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 20:05:58

    自分の能力で人が悪夢見るのに落ち込む黒い人はやっぱり優しいな

  • 156◆jTjAfv9SHdw323/07/09(日) 23:36:54

    「……どうしたのかね急に」

    「ほら、ゴードンにはいっつもお世話になってるでしょ!だからお返ししたくなったの!」

    〈……〉ウム

    「ふふ、それは嬉しいな」

    「今日は何にもしなくていいよ!ぜ〜んぶ私たちがやるから何でも言って!」

    「そうか。ではお言葉に甘えようか。ウタ、コーヒーを頼むよ」

    「オッケー♪あんたはここにいて良いよ」

    今日までゴードンにバレないようにちょっとずつ黒い人と練習してたからね!楽勝楽勝!


    「お待たせ致しました」カタン

    「はは、何かになりきっているのかい?では、いただこう」スッ
    「!!」

    「…?どうかした?」

  • 157◆jTjAfv9SHdw323/07/09(日) 23:47:16

    口を付けたと思ったらすぐに離した。しかも顔をしかめちゃった。


    「……何を入れたんだ?」


    「何ってもちろんミルクを少しと砂糖だけど」


    「………ウタ、きっと塩と間違えている」


    「えッ!?そんなわけないよ!ちょっとちょうだい!」


    ちゃんと砂糖の棚から取ったはずだもん!


    「コクリ………しょっぱいこれ〜」


    「砂糖は確か塩の隣にあったはずだ」


    「あ……ごめん、いれ直すね」ソソクサ


    「気にしなくて良いとも。ありがとう、ウタ」


    〈……〉シゲシゲ


    「む?」


    〈…〉ゴクリ


    〈……!〉ムスリ


    「…。君は飲まなくても良かったのだが…」

  • 158◆jTjAfv9SHdw323/07/10(月) 00:09:22

    ———

    〈……〉

    ・何となく自分も飲むべきかと彼は思ったが、気のせいだった。

    「では君に頼みたいのだが、洗い物を片付けてほしいんだ。ここしばらくは天気が良かったから外にある」

    〈……〉スーーーー...

    ・彼はすぐに飛んで行った。

    ———

    「はい、ゴードン」カタン

    「ありがとう」

    「今度は大丈夫!味見もしたから!」

    「そうか。(コクリ) …うむ。とても上手だよ、ウタ」

    「へへ、ありがとうゴードン♪」

  • 159二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 11:33:08

    >>157

    ドンマイ

    失敗することだってあるさ

  • 160二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 19:10:45

    「誰かの為」を理由にゴードンと距離を縮めようとしてくれてるんだな
    ウタ1人だと溜め込んじゃうし

  • 161二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 07:02:22

    ゴードンとウタが歩み寄れてるのいいよね

  • 162二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 07:04:40

    >>160

    本当に黒い人いい人

    黒い人の気遣いが要所要所で発揮されるね

  • 163二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 18:54:37

    >>161

    間違って塩入れたのが結果オーライだったかもしれない

  • 164◆jTjAfv9SHdw323/07/11(火) 23:59:55

    「しかし、よく私好みの加減がわかったね」


    「ゴードンってこういう感じの好きかな〜って思って!」


    「正解だよウタ。私はこのぐらいが1番美味しさを引き出せると思うんだ」


    「そう?私はもうちょっとミルクと砂糖多くて良いと思うんだけど……」


    〈……♪〉

    .

    .

    「では…彼が洗い物をしまう手伝いをしてほしい。場所はわかるね?」


    「もっちろん!任せて!」


    ついいっぱい話しちゃった。もう部屋で片付け始めてるかも。



    ガチャリ


    〈!〉


    「あ、今来たの?」


    黒い人はドアの前にいた。


    〈……〉フルフル


    「そう?…まァいっか、行こ!場所わかるよね?」

  • 165◆jTjAfv9SHdw323/07/12(水) 00:17:38

    .
    .
    「私のばっかりだね」

    8割ぐらい私の服。よく黒い人と遊んで汗をかくし汚すから納得なんだけど、それにしてもゴードンの服は少ないような。

    「もっといろんな服を着てみたって良いのに〜……ん?どうかした?」

    〈…♪〉ルンルン

    黒い人何だか楽しそう。流石に片付けが楽しいわけじゃないだろうし、何考えてるかな。

    「何か楽しいことでもあったの?」

    〈……〉クイ

    ゴードンのいる部屋に顔を向けた。

    「ゴードンのこと?」

    《……仲良ク……話》

    「…私とゴードンが話してたのが嬉しかったの?」

    〈……〉ウム

    「私も!ゴードンとちょっと仲良くなれた気がするもん!」

    思わぬ収穫って言うのかな!でも喜ぶのはまだ早い気がする。だってまだ今夜渡すプレゼントがあるんだから!

  • 166◆jTjAfv9SHdw323/07/12(水) 00:29:51

    「じゃ、すぐ終わらせてゴードンのとこ行こ!もちろん綺麗にね!」

    黒い人はちょっとぎこちないけど丁寧にやってくれてる。

    「え〜っと、あんたは手が大きいから……」

    ちょっと教えてあげよ。スムーズに出来た方が楽しいだろうし。
    .
    .
    .
    「はァ〜!疲れたァ〜!」ボフッ

    夜はすぐにやってきた。食事の用意とか牛のお世話とか、ゴードンは毎日全部やってたんだね…!

    「ねェねェ、これからはもっとゴードンのこと手伝お?」

    〈……〉コク

    こんなの1人にやらせちゃダメだよ…!当番とか役割分担とかしてちょっとでも楽に出来るようにしなきゃ。

    「でも今日はもう眠いし…こっち来て?」

    眠たい。いつものように腕掴ませて。

    〈……〉ピッ

    「…あ!そうだった」

  • 167二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 12:14:10

    何が始まるんだ

  • 168二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 22:03:28

    コーヒーの好みで仲良く話してるの微笑ましいな

  • 169◆jTjAfv9SHdw323/07/12(水) 23:53:35

    指で「待って」の合図をされた。おかげでプレゼントのことを思い出せた。

    「じゃあこれ、渡しに行こ?そろそろゴードンが寝る時間になるし」
    .
    .
    ———

    「ふゥ、今日はいろいろとさせてしまった」

    2人が望んだから合わせたが、少し無遠慮が過ぎたかもしれない。明日のレッスンに支障が無いと良いのだが。

    「……」フッ

    だが、家事をする2人は楽しそうだったな。今までは負担をかけさせまいと出来るだけ私がこなしていたが、少しぐらいは任せても良いかもしれないな。

     ガチャリ

    「おかえりゴードン♪」

  • 170◆jTjAfv9SHdw323/07/12(水) 23:59:56

    〈……〉

    「…?うむ、ただいま」

    2人が私の部屋にいる。後ろに何かを持っているがなんだろうか。

    「どうかしたのかい?もう寝る時間だろう」

    「だからだよ。……はい!これあげる!」

    「これは……枕?」

    「そう!2人で作ったの!補給船からも材料を貰ったりしてね」

    よく見れば、ウタは指を怪我している。試行錯誤したのだな。

    「しかし、随分大きいみたいだが」

    「このぐらい大きければ枕を抱きしめたり出来るでしょ?そうすれば寝る時心地良くなるかなって黒い人が」

    〈……〉ウム

    「私が1人で寝ているのを気にしたのか?」

    「そう。ゴードンも悪夢を見てるでしょ?それに気づいてから黒い人落ち込んじゃってね。だから私、2人に元気になってほしいから今日まで黒い人と一緒にプレゼントの準備してたの」

  • 171◆jTjAfv9SHdw323/07/13(木) 00:17:18

    「……そうか。ありがとう2人とも。今日はこれを使って寝ることにするよ」


    「ゴードンこそありがと!良ければ明日使い心地教えてね!」


    「ああ」


     バタン


    「……」


    悪夢を心配して…か。その気持ちはとても嬉しいよ。


    「ぬゥ……」


    だが私は辛くなどは無い。これは当然の報いなのだ。エレジアをこのような有様にしたこと、君たちを騙し、傷つけていることを思えば、まだ足りないぐらいだ。


    「………」ギュ


    何かを抱きながら寝るのはいつ以来だろうか。2人が頑張ったからか、枕の抱き心地は素晴らしいものだった。


    ———


    「ゴードン、気に入ってくれると良いね」

  • 172二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:02:25

    微笑ましい

  • 173二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 12:49:49

    ゴードンさん罪悪感が過ぎて悪夢に勝ってしまってる…

  • 174二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 23:10:27

    ゴードンさんも結構深刻だったんだな…

  • 175二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 23:47:26

    このレスは削除されています

  • 176二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 07:54:14

    ゴードンさんは久しぶりにぐっすり眠れたんだろうか

  • 177二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 19:40:50

    悪夢が苦じゃないぐらい事件のことを当然の罰と思ってそうで悲しい

  • 178◆jTjAfv9SHdw323/07/15(土) 01:49:46

    〈……〉


    「きっとあるだけで全然違うよ?私がそうだもん」


    ・腕に寄り掛かりながらウタは優しく語る。それを聞いた彼は少し安心した。


    「ゴードンとあんたを元気づけられるって思うと、私嬉しいな……」


    〈……〉


    「……」zzz...


    ・そう言うなり、ウタはすぐ寝てしまった。慣れないことをたくさんしたからとても疲れていたようだ。


    〈……!〉


    ・そういえば、ウタは今日碌に休憩を取らなかったと彼は気づいた。ずっと国王のために動き回っていた。


    〈………〉


    ・自分を省みず人に尽くすその姿勢に、彼は一抹の不気味さを覚えた。


    「……♪」ギュ


    ・しかし、眠るこの子はとても満足そうだ。彼は起きたとしても咎めることは出来ないと思った。

  • 179◆jTjAfv9SHdw323/07/15(土) 02:04:40

    .

    .

    「おはよう2人とも。この枕のおかげで昨日はよく眠れ…」


    〈……〉シィッ


    「む?…まだ寝ているのか」


    ・やっぱり相当疲れていたようで、ウタはまだ起きない。


    「……午前のレッスンは今日は無しにしよう」


    ・国王も察してくれたようで、無理に起こすことはしないでくれた。


    「………おはよ」パチ


    《おはよう、ウタ》


    「……ネムイ~」モゾモゾ


    ・眠たがりつつも起き出しそうだったので、彼は毛布をかけ直した。考えが伝わったようで、ウタはもうしばらくベッドの上で過ごしてくれた。

  • 180二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 08:29:23

    コーヒーに塩は適量なら入れることもあるからセーフだな

  • 181二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 19:44:57

    枕のプレゼントっていいな
    すごい落ち着く感じがする

  • 182二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 06:46:22

    よく寝るウタはかわいい

  • 183二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 18:27:33

    ゴードンさんは気が利くな

  • 184二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 06:14:57

    ゴードンさんよく寝れてよかった

  • 185◆jTjAfv9SHdw323/07/17(月) 18:05:16

    今晩あげます
    やりたいことが多くて各々が遅くなってます…

  • 186二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 18:07:28

    ウタもこの時は安眠できてそう
    今はシャンクスにもあげるんだろうけど何をあげるんだろう

  • 187◆jTjAfv9SHdw323/07/18(火) 00:27:50

    ——————

    〈……〉

    ・彼は風を受けながら昔を思い出す。あの時は親代わりである国王だからだろうと思っていたが、配信活動の中で誰に対してもウタは尽くそうとするのはすぐにわかった。

    「考え事?」

    〈……〉コク

    「……私?何で?」

    〈……〉ムス

    ・彼は目で訴えた。長い付き合いがそうさせたのか、すぐに伝わった。

    「……わかってる。今日はちゃんと休むから」

    ・旅の途中には、何らかの理由で困っている人とも出会う。助けを求める声を放っておけないウタはもちろん助けようとする。

    「でも力になれて喜んでもらえるって思うと、つい手が伸びちゃってさ〜…」

  • 1882次元好きの匿名さん23/07/18(火) 07:22:51

    黒い人、パパ感出てきた?

  • 189二次元好きの匿名さん23/07/18(火) 08:42:13

    >>188

    側にいると心配事増えがちだからしょうがないよ

  • 1902次元好きの匿名さん23/07/18(火) 19:19:37

  • 191◆jTjAfv9SHdw323/07/18(火) 21:34:46

    ・確かに、人から喜んでもらえるのは限りなく嬉しい。それは長年独りだった彼もまた同じだ。

    〈……〉

    ・しかし、もう少し自分を労ってほしい。妥協しないのは良いが、時々危ないと思う場面がある。……もっとも、それは言葉で止まるものじゃないだろう。

    「だから私、これからも人助けしたいな。そうしてる時って、私も幸せな気がするから」

    思うに、この子は『ヒーロー』なのだ。ある時読んだ本で見つけた言葉。

    「覚えてる?これからお祭りをする町におっきい魚を持ってった時。街の人たちの喜んでる顔が今でも覚えてるしコックさんが美味しく料理して私たちにも———♪」

    持ってる力を人のために使うことを望む者。何かを自分が持てば人に分け与える者。いつからかはわからないが、そういう子にウタはなった。

  • 192◆jTjAfv9SHdw323/07/18(火) 21:54:33

    〈……♪〉

    ・しかし、それを責めようとは彼は思わない。肝を冷やすことはあれど、自分もそんな『ヒーロー』に助けられたのだ。今、幸せで楽しい日々が送れているのは『ヒーロー』の側にいられるおかげだと、彼は思っている。

    ———

    黒い人の目は微笑んでる。今の話を聞いたから?それとも違うことを考えてる?

    「……」フフ

    そういえば、私が人助けの時に怪我するといっつも不安そうになっちゃうな。気をつけてるつもりだし、私はちょっとぐらい痛くても平気だけど、心配させちゃうのは辛いや。

    「そうそう、あんたこそ無理しなくて良いんだよ?私より身体強くないんだから」

    〈……〉ヤレヤレ

    「ちょっと!何その顔!」

    言われる筋合いは無いって言われたみたいなんだけど!あんたも結構無理してヘトヘトになってるのに!

  • 193◆jTjAfv9SHdw323/07/18(火) 22:18:26

    「私だってやれることをやりたいだけ!あんたと同じでしょ!」

    〈……〉

    自分は無理するくせに私には無理させたがらないんだから。……わかりやすい奴。

    「心配しないの!私は強いから怪我なんかでいなくなったりしないから。…1人じゃなきゃ平気。いつもありがとう」

    いつでも一緒でいてくれるのが本当に嬉しい。エレジアにいた時から。

    〈……〉フフ

    「は〜い、それじゃあこの話はおしまい!また歌詞を作ったからちょっと見てくれる?」ピラッ

    〈……〉フム

    結局今日は身体を休めながらゆっくり作曲が出来た。人助けは楽しいけど、やっぱり困ってる人はいない方が良いと思う。そういう時はみんな困ってないってことだし、こういう時間を作れるし、良いことがたくさんあるから。

  • 194二次元好きの匿名さん23/07/19(水) 07:19:03

    お互い相手の事を考えてていいコンビだなあ

  • 195二次元好きの匿名さん23/07/19(水) 18:54:28

    ウタの方が身体強かったのか

  • 196二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 06:53:48

    このコンビの旅路は本当に楽しそう

  • 197◆jTjAfv9SHdw323/07/20(木) 18:26:46
  • 198二次元好きの匿名さん23/07/20(木) 18:47:06

    次スレ乙
    楽しい2人旅でいろんな人の笑顔を作っていけるといいな

  • 1992次元好きの匿名さん23/07/21(金) 01:01:02

    おつおつ
    だんだん黒い人のパパ感出てきててすこ

  • 200二次元好きの匿名さん23/07/21(金) 12:34:29

    楽しい旅はまだ続く

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