(SS注意)ここに来れば(辻SS大歓迎)

  • 1二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:03:13

    ジジジジジジジジ
    ブシュ、ジュァー
    真っ赤に熾った炭火の上に大ぶりな牡蠣が並んでいる
    大人の握りこぶしほどもある沢山の牡蠣は整然と炭火の上に整列し、今まさに焼き上がろうとしている
    殻の隙間から溢れる汁は炭火の上に滴り落ち、爆ぜる音と共に海産物が焦げるときに出す香ばしい潮の香りを存分に撒き散らして周囲を魅了する
    炭火の熱気と牡蠣の焼ける香りとが立ちこめるこの空間は、近づく者全てを誘惑せずにはいられない空間を作っていた
    そんな牡蠣の軍勢を迎えるのは、こちらも整然と炭火の前に整列するウマ娘達
    牡蠣の焼ける香りに当てられたか、既に涎を垂らしている者、重賞レース出走前のような気迫を漲らせる者、両手に軍手と貝剥きナイフを装備している日本総大将、醤油とポン酢と大量のレモンを入れた籠を片手に威圧感を放つ芦毛の怪物とこちらの準備も万端である
    その先頭で牡蠣の焼け具合を見極めんと厳粛に様子を見守っていた一人のウマ娘が、おもむろに軍手で炭火の上から牡蠣を一つ掴みあげた
    そのまま殻の隙間に貝剥きナイフを差し込み、貝柱を捉えてゴシゴシと慎重に削ぎとった後に捻る

    パカリ
    殻が開いた中から現れるのは自分から染み出した薄い乳白色のスープの中で程よく火の通った牡蠣
    ぷっくりと膨れてふるふると震える灰白色の身
    黒縁のフリルに飾られた襞を身に纏わせた真珠色を帯びた白い貝柱
    その上に厳粛な表情でいつの間にか手にしていたカットレモンを絞る
    シュワァ
    先程から立ちこめている濃厚な潮の香りを切り裂いて、清涼感を振り撒くレモン汁
    その香りをお伴にして、そっと牡蠣の身を持ち替えた箸でつまみ上げる
    ふるり
    箸に摘ままれてもその弾力を失わず、潮とレモンの香りを振り撒いてくったりと持ち上がった牡蠣を口の中へ
    あむ
    ほふほふ
    もむもむもむ
    ごくん

  • 2二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:04:17

    「……よし」
    牡蠣の完璧な焼け具合を確認して、栗東寮長ヒシアマゾンは後ろの飢えたる仲間達へと振り向いた
    「良し!良い感じに焼けたよ!
    それじゃあ今年のトレセン学園牡蠣バーベキューの開催をここに宣言する!
    皆!生焼けには気をつけて食べるんだよ!!」
    「「「「うおおおおー!!いただきまーす!!!!」」」」
    ヒシアマゾンの号令一下、ウマ娘達は歓喜の声とともに牡蠣の隊列へ猛然と襲いかかっていった

    カキ食えば腹が鳴るなり栗東寮
    誰が読んだ句なのかは誰も知らないが、トレセン学園では秋のG1シーズンが終わると一つの恒例行事がある
    「みんなー、今年も来たよー!」
    「今年もありがとうございます!!
    あ、運ぶリヤカー持ってきますね!!」

    有馬記念と東京大賞典が終わって落ち着いている新年早々の栗東寮
    そこにやって来た大型の業務用冷蔵トラックからはウマ娘の配達員達により厳重に封のされた一斗缶が大量に下ろされている
    数にしておよそ200
    ズラリと銀色の一斗缶が並ぶ様は壮観ですらある

    「では、今年も1年よろしくお願いします」
    「こちらこそ今年もありがとうございます
    本年もよろしくお願いします」
    そう業者と食堂の調理師が話す後ろを牡蠣の入った一斗缶を満載したリヤカーを引くウマ娘達が通り過ぎていく
    進む先にはドラム缶を加工した焼き台
    今からこの栗東寮裏手の広場で牡蠣バーベキューの準備が行われるのだ

    牡蠣バーベキュー、それはトレセン学園の食堂に材料を納入する業者がある年末にトラック一台分の殻付き牡蠣を誤発注したことに端を発する
    勿論業者は売り捌こうと努力したが、そんな大量の牡蠣を一括ですぐに捌ける取引先など、どこも既にそれぞれの仕入れルートを持っている
    かといって小売の鮮魚店に少量ずつ売り捌こうにも、トラック一台分を捌ききれるような数の売り先は持っていない
    窮した業者が最後に話を持ち掛けたのが大食らいのウマ娘を大量に抱えるトレセン学園だった

  • 3二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:04:58

    当時栗東寮の厨房長を務めていたヤマダ氏はこう語る
    「ええ、そりゃ話を聞いたときには困りましたよ
    『原価と運送費に色付けた値段で良い、駄目にするよりはウマ娘達に喰って貰う方がまだなんぼかましだ』と言われてもねえ
    誰がその殻付き牡蠣の料理すると思ってるんだ、となって調理部としては断ろうと言う方向で最初は決まりかけたんですよ」
    しかし、そこで待ったを掛けた人物がいたという
    「当時美浦寮の厨房に見習で入ったばかりの若手がね、『佐賀でやってるカキ小屋方式でやれば良いんじゃないですか』って言いだしてね」
    当時は発祥の地である九州北部でしか知られていなかったカキ小屋─客に自分で殻付き牡蠣を焼かせて食べさせる方式─のやり方なら調理部に掛かる手間は調味料と焼き台と炭火の用意だけで済むし、何ならそれ自体をイベントにしてしまえば準備と片付けにウマ娘達の協力も得られる
    「その話を聞いて『コレだ!』と思ったね
    他の調理部の連中もそれならいけると思ったのか皆が賛成に回りましたよ」
    そうしてウマ娘達の協力を得て開催された牡蠣バーベキューは大好評の内に終了し、トラック一台分の殻付き牡蠣は全てウマ娘達の胃袋に収まったのであった

    ここまでならめでたしめでたしで終わる話である
    しかし調理部としてはその翌年からが本番であった

    「次の年から年末近くなるとウマ娘達が皆揃って
    『今年は牡蠣バーベキューやらないのか』
    『今年も牡蠣バーベキューやって欲しい』
    って口々に言ってくるんですよ
    去年はたまたま安くで買えたから出来たんだって言っても、皆聞きゃあしねえの(笑)」

    しかし現実的に予算に限りがある以上、通常料金で牡蠣を発注してバーベキューを行うのは不可能だった
    そこに画期的なアイデアを持ち込んだのがその年の三冠バ、ミスターシービーである
    「『アタシのクラシックで稼いだ賞金から、足りない分出せば出来るんじゃない?』
    いや、そんな事言われても生徒に、ましてや寮生でもないシービーに金出して貰うわけにはいかねえって言ったんですけどね
    その話がウマ娘達全員に広まっちまったもんだから、もう皆から凄い勢いで開催の要望と『アタシの賞金からも出します!』っつうお願いが来るんですよ
    それで最終的に断れなくなっちゃって、今の方式に至るわけです」
    ─────────────

  • 4二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:06:14

    「そんな流れがあったから、シニアとクラシックのG1で勝利したウマ娘から賞金の一部を集めて、その予算で年始に牡蠣バーベキューをやる、今の風習が出来たと言うわけだな」
    「あー、それで皐月賞の賞金の目録に『寮生イベント費』って天引き項目があったんだ」
    「うううう、シービー先輩の、身を削ってでも皆に美味しい牡蠣を食べて貰いたいって言う心意気!!
    感動じだぁぁぁああああ!!!!」
    「チケット、うるさい」
    「まあそんな理由で、今年クラシック三冠を分け合った我々は、準備作業が免除されているわけだよ」
    「嫌な言い方すればアタシらは金づるな訳だもんね」
    「でもそれで皆でバーベキュー出来るんだったら良いじゃん!アタシこういうの大好き!!」
    「チケットの言うとおりだな、私達もジュニアの頃やその前にはお世話になったんだ
    せっかくG1を勝ったのだから、その分の恩返しをしても罰は当たらないだろうよ」
    「……別に嫌だとは言って無いし……」
    そんな会話を交わすBNWの三名
    彼女らの前ではドラム缶を加工した焼き台の中に詰められた炭に火をつけようと、今まさに下級生達が奮闘中である
    「北海道いた頃にジンギスカンで良くやりましたから!こういうのは得意です!」
    「おー、スペちゃんが頼もしい
    ならセイちゃんはその間に、ちょっと他の準備しに行ってますね」
    「良くないわよ!スカイさん!
    私達はここの炭火おこしの担当でしょう!?
    そこから逃げるのは許さないわよ!!」
    「ちぇー、キングは真面目だなあ」
    「スカイさんが不真面目過ぎるのよ!」

    「マックイーン!牡蠣を並べるのは良いけどさ、絶対に生で食べちゃダメだモンニ!」
    「人聞きの悪いことを言わないで下さいませ!?
    メジロ家の者が盗み食い等するわけがありませんわ!?」
    「マックちゃん……生で喰うのは否定しねえんだな……」
    「生牡蠣は当たると悲惨だとアマさんが言っていたからな
    生はよせ、マックイーン」
    「だからなんで皆さんは、私にばかりそういうことを仰いますの!?」
    「「「一番やりそうだから」」」

  • 5二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:07:21

    「オグリ、アンタは有馬勝ったんやから準備免除やろ?
    別に手伝いせんでもええんやで?」
    「タマ、それはその通りなんだが、私は皆より多く食べるからな
    その分手伝い位はしておかないといけないと思うんだ」
    「いや、アンタのその心掛けは立派やとおもうけどな?
    見てみい、向こうで待っとった今年のクラシック組が気まずそうにして、椅子並べる手伝いしに来たで?」
    「む、あの子達に悪いことをしてしまったのだろうか
    タマ、私はこの場合どうするべきだと思う?」
    「はあ、もうあの子らも来てしもたんなら止めても却って嫌味やしな
    知らん顔して手伝いしとった方が、向こうも気に病まなくてええと思うで?」
    「そういうものなのか、やはりタマは凄いな
    こういう時どうするべきかすぐに教えてくれる」
    「あー、もうそう言うのはええから、ここの醤油向こうのテーブルに持ってってや」
    「わかった、後、タマが凄いのは本当なのだから、そんなに照れなくていいと私は思う」
    「ええから早い事持ってき!」

    賑やかに騒ぎながら準備は進む
    「ドーベル、にんじん焼きの用意も出来たぞ
    焼き台に持っていってくれ」
    「はい!ここにあるのは全部持っていって構いませんか?」
    「ああ、コレで最後だからな
    他の野菜は向こうで会長とヒシアケボノが切ってくれているので、持っていったらそちらを手伝ってくれ
    私もここを片付けたら会長の方に行く」
    「わかりました!」

  • 6二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:08:12

    「ピーマン、キャベツ、タマネギにジャガイモ、シイタケ、サツマイモ!
    焼いた牡蠣もボーノだけど一緒に食べる焼き野菜もボーノだよね、会長さん!」
    「ああ、君の言うとおりだな、ヒシアケボノ
    ところでその横に除けてあるピーマンは何だろうか
    何か他に料理をするのかな?」
    「コレはねー、ビコーちゃんがピーマン苦手なんで、食べやすいように縦に細切りにしてベーコン巻きを作るの!
    ピーマンは縦に細く切って油と一緒に焼いたらシャキシャキのままで苦さや匂いが弱くなるんだよ!」
    「その探究する姿勢、まさに博学審問と言ったところだな
    君のように心を砕いてくれる友がいるというのはビコーペガサスにとっても幸せだろう」
    「そんな大袈裟な事はしてないよー
    あたしはせっかくのバーベキューなんだから、皆で楽しくボーノなパーティーにしたいなって思ってるだけだもん」
    「それこそが君の得難い資質というものなのだろう
    まさに一狐之腋、君のようなウマ娘が居てくれることを私も誇らしく思うよ」
    「大袈裟だなー、会長さんてばー」

    こうして全ての準備が完了し、ウマ娘達の胃袋の限界がやって来る中で、ヒシアマゾンは牡蠣バーベキューの開会を宣言したのだった

    「ウワーッ!!?開けたら汁が飛び散ったーッ!?」
    「キャッ!?何すんのよウオッカ!?アタシにまで掛かったじゃないの!」
    「いやー、悪りー悪りー、どうも上手く殻を開けらんなくてな」
    「もう、アンタホントガサツなんだから!
    ホラ、貸しなさいよ!
    見ててよ、こうやって……
    (ゴリゴリ、ゾリッ、ガパッ)
    こう、平たい方を上にして、蓋に沿って尖った方からナイフを入れて貝柱を探して切るのよ!解った!?」
    「お、おう
    スゲーけどお前えらい慣れてんなスカーレット……」
    「スカーレットはさっきウオッカに教えて上げたいからって、ヒシアマさんに殻の開け方を教わってたのです、世話好きさんなのです」
    「マーチャン?!?!ヘンなこと言わないで!!
    あー、コラ!アンタも何をそんな微笑ましいもの見るような目をしてるのよ、ウオッカ!!」

  • 7二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:09:00

    「えーっと、こうやって、こう?」
    「それだと汁がこぼれるぜ、もっと上の方、上側の殻にナイフを沿わせて切るんだ」
    「上側に、ね
    よし、こんなんでどーよ!」
    「おう、それそれ
    そうすりゃさっきみたいに殻の隙間から汁がこぼれて、ヤケドしそうになったりはしねえんだ」
    「さんきゅーね、ナカヤマ!
    でもアンタも良くこんなの知ってるね!」
    「おい、ジョーダン……
    お前は去年やったときのこと覚えてねーのか……?」
    「え?去年の牡蠣バーベキューのこと?
    えーっと、ヘリオスがめっちゃテンアゲしまくって、ピラミッド積みで牡蠣を焼こうとして、バンブーせんぱいに怒られてた?」
    「だから何でそうヘンなとこばっかり覚えてるんだ、お前は……」

    「醤油も美味しいけど、ファル子はレモンの方が好きかなー、フラッシュさんは?」
    「そうですね、私もレモンの方が美味しいと思います
    ショウユも美味しいですが塩辛くなりすぎるかと」
    「うーん、あたしは醤油の方が好きかなー、子供の頃にメジロ本家の皆でこんな風に有珠湾産の牡蠣を焼いて、醤油かけて食べたの思い出すから」
    「おおー、産地直送とか贅沢なの、流石お嬢様なの」
    「いやいや、そんな贅沢してるわけじゃないからね?!
    単に本家の近くで有名な牡蠣の産地だって言うだけで!」
    「それはまあ良いとして、あたしもライアンちゃんと同じ醤油派なの、焼くときに醤油かけてそれが焦げる匂いとか最高の調味料なの」
    「ならこれで2対2のイーブンだね!
    じゃあ醤油とレモン、どちらが上か他の皆にも聞いて決着をつけるよ!」
    「ねえアイネス、これあたし達何の勝負してるのかな?」
    「なんでも良いの、とりあえず美味しい牡蠣とお野菜食べられてるから、今のあたしは幸せなの」
    「ファルコンさんも向こうへ走っていってしまいましたね……
    御行儀がよろしくないかと」
    「あ、あはははは、どうしようか……?」
    「♪~あ、ジャガイモも美味しいの~」

  • 8二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:09:52

    「空の焼き台を発見、ミッション『お替わりの各焼き台への追加』を実行します」
    「んしょ、んしょ、ついてく、ついてく……」
    「ブルボンさん!ライスさん!お替わりを取りに行こうとする皆さんのためにリヤカーで牡蠣の配達をされるその姿!
    委員長として非常に誇らしいのですが、お二人とも食事をされないのですか!?」
    「バクシンオーさん、あちらを見て下さい」
    「あちら?ややっ!オグリさんが牡蠣を食べ尽くしてしょんぼりしておられます!」
    「オグリさん、自分が食べ過ぎちゃったらみんなの牡蠣がなくなっちゃうからって、さっきから最初の牡蠣とお野菜を食べきってから我慢してるの
    ライス、それを見てたらかわいそうになっちゃって……」
    「なので我々が皆さんに牡蠣を配る事で、オグリキャップさんにも安心してお替わりして貰おうと、私とライスさんで先程から追加物資『お替わり』を配っているのです」
    「なるほど!皆さんのために尽力されるその姿勢!
    この委員長大変関心いたしました!
    私もご協力いたしましょう!!
    バクシンバクシーン!!」
    「ああっ!バクシンオーさん!そんなに急いで引っ張ったら牡蠣がこぼれちゃうよぉ!」

    「あのー、グラス?エルももう少しカキを食べたいんデスが……」
    「エル?何か?」
    「ハイ……、キャベツ美味しいデース……」
    「ねえねえキングちゃん、何でエルちゃんの前にお野菜ばっかり置いてあるの?」
    「前と同じよ、エルさんがデスソースを自分の牡蠣に振りかけてたときにグラスさんの牡蠣にまでかけてしまって、それに気がつかずに食べてしまったグラスさんからお仕置きされてるのよ」
    「うーん、エルちゃんが悪いのは確かだけど、謝ったんならもういいんじゃないかなあ?
    ちょっとグラスちゃんに許してあげてって言ってくるねー!」
    「ウララさん?!
    はあ、私も一緒に行くわよ、フォローする人数は多い方がいいでしょうし」
    「キングちゃん優しー!」
    「ああもう!何でも良いから行くわよ!」

  • 9二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:10:06

    「oysterはデリシャスデスがmeatも食べたいデス……」
    「ベシタボ(⤴)ーウならあるわよ、タイキ?」
    「パールさん、そうじゃナイデース……
    お肉がないとバーベキューとは言えまセーン……」
    「でも日本のバーベキューじゃあグリルばかりで、バーベキューピットはないわよ?」
    「わかってマース、でもグリルでも良いからバーベキューと言うならお肉が食べたいんデス……」
    「ならご覧なさい!コレが世界の頂!コーベビーフよ!!」
    「Amazing!!パールさん!どこから持って来たんデスカ!?」
    「ンフフ、牡蠣のアレルギーがある子がいてはいけないと思ってね
    いつだって準備万端な私!これこそが世界の真珠たるSEEKING THE PEARLよ!!」
    「MARVELOUS!!ありがとうゴザイマス!!」
    「オーッホッホッホッ!さあタイキ!貴方もこれでパワーをつけて世界へ羽ばたくのよ!私たちは、いずれ世界を征するウマ娘なのだから!!」
    「YES!!コーベビーフでPOWER全開デース!!」

    こうして今年の牡蠣バーベキューも盛大に盛り上がり、ウマ娘達は今年1年のレースを戦い抜く気力を補充するのだった

    みたいな皆でワイワイパーティーで盛り上がるウマ娘達のSSが読めると聞いたのですがどちらでしょうか!!??

  • 10二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:11:26

    もう盛られすぎてしばらく食えないくらいには供給されてるのよ

  • 11二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:12:11

    と言うことでウマ娘達が美味しそうにご飯を食べてるSSを募集するスレッドです
    辻SS大歓迎
    概念投下も大歓迎
    皆で美味しく語りましょう

  • 12二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 18:15:16

    待ってくれ、言葉の(ry

    あと関係ないかもだけど昔焼き芋の話も書かなかった?

  • 13123/06/12(月) 18:19:57
  • 14二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 19:33:24

    やはり貴方でしたか、今回も素晴らしいSSをたらふくありがとうございます!

  • 15二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 19:50:56

    夕食後なのにこんな美味しそうなSSを!!!

    書こうかと思ったけど推しいたからSSだけ食べていくね
    これ2寮合同パーティーでいいのかな、皆仲良く食べてるのイイ

  • 16123/06/12(月) 20:08:30

    今気付いたけどひでえ誤字らかましてる……

    >>2

    >栗東寮長ヒシアマゾン は

    >美浦寮長ヒシアマゾン の誤字でございます……


    >>14

    こちらこそ御覧頂きましてありがとうございます

    お腹いっぱいになるまで見ていって下さい


    >>15

    御覧頂きましてありがとうございます

    >2寮合同パーティーでいいのかな

    はい、美浦栗東の合同バーベキューですね

    うーむ、書き方が悪かったか……

    描写をもっと頑張らないと


    >皆仲良く食べてるのイイ

    ありがとうございます

    やはり美味しいものは皆で食べてこそだと思いますので、そこは描写を頑張りました

  • 17二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 20:11:22

    ブラボー、おおブラボー……!

    ところでパール姐さんが代替案出してるのは史実絡みのネタですよね?

  • 18二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 20:12:34

    読んでるだけで胃袋が重い

  • 19123/06/12(月) 20:18:27

    >>17

    御覧頂きましてありがとうございます

    お、そこに気付かれましたか!

    はい、パールさんがフランス遠征したときに、勝ったは良いが祝勝会で生牡蠣に当たって、陣営がほぼ全員エラいことになった史実からのネタです

    皆様も、生牡蠣にはくれぐれもご注意を


    >>18

    御覧頂きましてありがとうございます

    次は読んでるだけで腹減ってきたと言われるように精進させて貰います

  • 20二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 20:23:54

    >>19

    武豊騎手でさえあたったとか

    ちなみに自分がこの史実を知ったきっかけがこちら

    https://sp.seiga.nicovideo.jp/seiga/#!/im11046038

  • 21二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 20:24:55

    食レポSSマン!食レポSSマンじゃないか!

  • 22123/06/12(月) 20:48:50

    >>20

    あ、自分がヒント頂いたのもそちらですね

    史実ネタ集めにありがたく使わせて貰ってます


    >>21

    御覧頂きましてありがとうございます

    そうやって自分を覚えて頂いてると言うのは非常な名誉ですね!

    これからも飯テロに磨きをかけられるよう頑張ります!

  • 23二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:04:30

    「ここ、よろしいですか?」

    昼食を摂るウマ娘で溢れる、カフェテリア。
    定食を受け取ったエイシンフラッシュが、さて席はないかと眺めると。
    顔見知りのネオユニヴァースの隣が、空いているのが目に付いた。

    「構わない。……エイシンフラッシュも、納豆定食?」

    「ええ。ネオユニヴァースさんも。今日のラインナップは?」

    その言葉に、包み紙をエイシンフラッシュへ向けるネオユニヴァース。

    「今日は、旨味濃い目のが食べたかった。あづま食品『舌鼓』、くめ納豆『丹精』、舟納豆をCHOC。エイシンフラッシュは?」

    「私は、ちょっとあっさり目で。おかめ納豆『極小粒』、金砂郷食品『粢』、水戸納豆『ゆきあかり』を選んできました」

    「ん……。それも美味しそう。『粢』、少しちょうだい」

    「良いですよ。では『丹精』をください」

    「わかった。あーん」

    パクリ、と。
    エイシンフラッシュが、ネオユニヴァースの箸から納豆を口にする。

    「うん、やっぱり安定の味ですね。こちらも、どうぞ」

    「ん」

    今度は、ネオユニヴァースが、差し出されたエイシンフラッシュの納豆を頬張る。

  • 24二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:04:47

    「ここも、新興だけどなかなか」

    「美味しいですよね」

    「同意」

    しばらく、2人で納豆定食を食べていると。
    当然、先に食べていたネオユニヴァースが早く終わる。

    「おかわり、してくる」

    「そうですか? 今度は?」

    「天狗納豆の黒ひげと、高田納豆の経木のつもり。エイシンフラッシュの分も、持ってくる?」

    「あ、では下仁田納豆を」

    「了解した」

    ――トレセンのカフェテリアは、納豆の種類も豊富。

  • 25123/06/12(月) 23:07:47

    >>23

    >>24

    早速のご参加ありがとうございます!!

    ……君達鞍上ソウル継承しすぎてませんか……?

    納豆の種類が豊富すぎて関西人の>>1には未知の世界です

    新鮮な驚きをありがとうございます


    しかし納豆の「あーん」って絵面は凄く可愛いのにシュール極まりない事になってますね……

  • 26二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:16:28

    >>25

    茨城県民なうちでは、どの納豆を買うかでバトルが起きるのです。

    家族でも、小粒が好きか大粒が好きかあっさり目が好きか濃い目が好きか違うのです。

    各家ごとに好みが違って、家族でも喧嘩が起きるので、茨城県民の前で、「どこの納豆が美味しいの?」と聞いてはいけません。

    2人以上茨城県民がいると、血を見ます。

  • 27123/06/12(月) 23:18:08

    >>26

    未知の世界すぎる……

    楽しいお話をありがとうございます!!

    いずれどこかで使わせて頂きます!!

  • 28二次元好きの匿名さん23/06/12(月) 23:28:44

    お菓子とか軽食とかでもアリ?

  • 29123/06/12(月) 23:30:56

    >>28

    ありです!!

    食べ物、飲み物に関するネタならなんでも>>1が大喜びしますので、気軽にご参加お願いします!!

  • 30二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 08:05:31

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 11:25:33
  • 32123/06/13(火) 12:23:14

    >>31

    ご参加ありがとうございます!

    どちらも読ませて頂きました!!


    ずんだシェイクとはなんとも良い目の付け所!

    確かに近年全国区になったスイーツだけど、アレンジ商品まではマックイーンも食べていないだろうという説得力が凄く凄いですね

    そしてゴールドシップの気遣いの仕方や、それに気付いても言及しないマックイーンの態度なんかも非常に自然で、この二人ならこうなるんだろうなと納得させられました

    こんな空気感大好きです


    そしてハマスタ名物みかん氷、美味しいですよね

    読んでいてあの強いみかん臭とさらりとした甘さが口の中に蘇りました

    試合後の球場で呆然としているときにこんなことして貰えたなら、そりゃ中華街のご飯も奢りたくなるってものですよね

    アイネスの気遣いも素敵ですが、マックイーンの心境にもの凄くシンクロしてしまいました……

    ハマスタには長いこと参戦してませんがまた機会があれば交流戦で行かせて貰います!


    どちらも非常に美味しゅうございました!ありがとうございます!!

  • 33二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 17:58:05

    ご質問なのですが、これに投稿するSSって食べてる系のヤツじゃないとダメですか?
    保守がてら自分もSSを寄贈したいのですが、今は中々時間がなく……それで見てみたら、ついさっき直近で書いたヤツがたまたま料理系統みたいなものだったので流用しようかなとも思ったのですが……どっちかというと料理を作ってるというか『料理を通しての日々』みたいな色が強いヤツでして……。
    食べてる系じゃないとダメですかね?

  • 34123/06/13(火) 18:44:46

    >>33

    全然OKですよ!!

    料理、食べ物飲み物にまつわるものならなんでもお待ちしています!!

  • 35二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 19:03:58

    >>34

    では僭越ながら投げさせて貰うのだ。たぶん1なら伝わると思うけど、あのウインディちゃんスレの80なのだ。もしもう見てたら申し訳ないけど、今から書くとなると時間がかかってしまうので、とりあえずあそこからの流用でニスレ投げさせてもらうのだ。

  • 36二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 19:08:13

    このレスは削除されています

  • 37二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 19:10:49

    トレセンを卒業したナリタトップロードと同棲を始めて、早いもので数ヵ月が経ちました。

    朝起きたら真っ先に君の顔が見える日々は照れるし、私の仕事が忙しいので休日くらいしか一緒に出掛けてあげられないし、時々言い合いのケンカだってするし、トプロが頬を上気させながらお風呂からあがると、なんとなくお互いに目を逸らしてしまいます。
    そんな日々でも、君が『幸せ』と言ってくれるのがなによりの私の支えです。

    ある日のこと。 トプロがいつもは私が立っているキッチンに行くと、突然「今日は私が晩ご飯を作ります!」と宣言しました。
    なんでも、トレーナーさんには貰ってばかりで全然恩返しができていないから、せめてこういうところでお返しがしたいのだ、と。
    別に気にしなくていいと笑いたかったのですが……わざわざ私が高校の家庭科の授業以来部屋にしまいこんでいたエプロンをいそいそと掘り出してきて、頬を緩ませながら身に付けている君を見ていると、つい私も嬉しくなって止めたくなくなってしまいました。

    「では、最初は簡単な卵料理を作ります!」

    青色のドラゴンが描かれた、今にして見ればバカ丸出しの私はのエプロンを装着したトプロは、卵片手に胸を張りました。

    「トレーナーさん、卵焼きと目玉焼き、どっちがいいですか?」

    トプロが作るものならなんでも、と言いたかったけどそれでは意味がない。三秒ほど悩んで、私は「卵焼き」と答えました。
    「わかりました!ではトレーナーさんは胡座をかいて待っていてください!」と実に頼りになる顔で笑うと、トプロは一回打ち付けて卵にヒビをいれて、いざ記念すべき第一投をガラスボウルに───


    「あっ」


    ───カラごと投げ入れました。
    ……初日の卵料理は、一噛みごとにジャリジャリとしました。

  • 38二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 19:14:47

    その後、静かだった日常には少しずつ波が起き始めました。
    これ以降もトプロは「次はうまくやってみます!」とキッチンに立ち、卵焼きか目玉焼きかに挑戦していました。
    ……ですがまぁ、彼女は不器用なわけで。

    卵焼きを選べば黒ずんで巻けていないものが出てきて、目玉焼きを選べば黄身が潰れたものが出てきて……卵焼きが何故か予告無しにスクランブルエッグになって出てきた日もありました。

    正直何度かお腹を壊しかけましたが……なんだかんだでこの日々もトプロの上達の軌跡が見えるので、私は楽しかったです。
    ですがやはりというか……トプロは失敗する度に落ち込み、ジャリジャリと卵料理モドキを半分こして食べる度に申し訳なさそうな顔をしていました。
    いつしか、トレセン学園からの帰りに私が卵のパックを買って帰る日が増え始めました。

    彼女は落ち込みこそすれど、一度も諦めず、絶えず挑戦を続けました。
    やっぱりそこが彼女の唯一無二の魅力だと再認識したし惚れ直したのですが、彼女は

    「トレーナーさんがずっと傍にいて、食べてくれて支えてくれるからですよ」

    と言って譲りませんでした。困ったものです。


    そうして、絶え間なく続いた努力の果てに───


    「うん、美味しい」


    ようやく、私は自信を持ってこの言葉が言えるようになりました。
    それを聞いたときの彼女の顔は……たぶん髪の毛が白くなるまで忘れられない、大事な記憶として私の脳に刻まれたでしょう。


    ……ほら今もこうやって。
    お弁当の中に当たり前のように居座っている綺麗な卵焼きを食べる度に思い出せる程度には。

  • 39123/06/13(火) 19:17:50

    >>37

    >>38

    ご参加ありがとうございます!!

    あちらでも拝見しましたが、ジャリジャリした卵焼きからキレイな美味しい卵焼きに至るまでの二人の歩みが、味の思い出に凝縮されているようでとてもよいお話だと思います


    こんなお話も大好物です!ありがとうございました!!

  • 40二次元好きの匿名さん23/06/13(火) 19:18:39

    >>35

    ニスレじゃねぇよニレスだよ()


    >>39

    あーもう見ちゃってたかぁ……申し訳ない……

  • 41123/06/13(火) 19:22:18

    >>40

    お気になさらず

    ここで初めて見る読者の方も居るでしょうから

  • 42123/06/13(火) 21:04:49

    >>33氏のようなお問い合わせを頂きましたので、こんなんもありでは?と言うことで一本投下させて頂きます

    (※注意!一部キャラクターのイメージを損なうような描写がございますのでご注意下さい)


    魚を喰いたい

    夏合宿も半ばのある日、スペシャルウィークは強くそう思った


    トレセン学園の食堂のメニューに不満はない

    質量ともにウマ娘達が満足出来るだけのものを出してくれるし、食事だけでなくスイーツやコーヒー、紅茶といった嗜好品に至るまで多種多様なメニューが用意されている

    しかしスペシャルウィークは魚が喰いたい、そう強く思ってしまったのだ


    これにはいくつかの要因がある

    まず一つ、トレセン学園のメニューに出てくる魚はサバ、アジ、イワシと言った青魚の塩焼きや煮付け、又はフライと言う大量調理しやすいものが多い

    それら以外の魚でも、ブリの煮付けや照り焼き、カジキマグロのソテー、フライ、シャケの塩焼きやソテー、サンマの塩焼き、白身魚のフライと言ったいわばメジャーメニューばかりなのである

  • 43123/06/13(火) 21:05:41

    確かにこれらの魚は美味い
    スペシャルウィークもこれらは大好物である
    だがしかし、内陸部とは言え北海道出身のスペシャルウィークにとっては魚と言えば、なあの魚がメニューに出て来た事は無かった

    「なしてホッケのフライや煮付けがメニューにないの……」

    そう、ホッケである
    ニシン、スケソ(すけそうだら)と並んで北海道産安価な割に美味しい魚の代表格
    関東以南では開きで食べる魚としか思われていないが、道産子たるスペシャルウィークにとっては違う
    タルタルソースとの相性が最高な身の分厚いホッケフライや、あっさりした身に絡む甘辛の濃い煮汁の味わいでご飯がすすむホッケの煮付けは、ちょくちょく食卓に上がるとても身近な魚であった

    昨年はダービーも征した、今年は春の天皇賞の勝者にもなった(宝塚記念ではグラスワンダーに差し切られたが)
    そんな充実したシニア一年目を送るスペシャルウィークの中にある道産子の魂が今、『秋になったのならホッケを喰わずにはいられない』とジンギスカンの炭火よりも熱く熱く燃え盛っていた

    「と言うことで相談に乗って貰いたいんです!」
    「と言われてもねえ……、ホッケなんて関東じゃ釣れないよ?
    それこそ北海道から直送で送って貰わないと、干物しか売ってないんじゃない?」
    「なしてー!!?」
    「生息域を考えなよスペちゃん……」
    呆れたように困り顔で話すセイウンスカイ、しかしその指摘は正しい

    ホッケは日本だと北東北と北海道でしかとれない上に、もの凄く鮮度落ちが早い魚の為、関東では干物でないとほぼ手に入らないのである
    一応鮮魚でも売ってはいるのだが、距離の問題で北海道で食べられるものとは比べ物にならない
    ここへ来てスペシャルウィークがホッケを手に入れる手段は閉ざされたかのように思えた
    だが、光明はあったのである

  • 44123/06/13(火) 21:07:04

    「今年の札幌記念にさー、セイちゃんは出走予定なんですよねー
    ここで勝っておかないと、秋の天皇賞出走が抽選になりそうなんで
    でもさー、その札幌記念にフクキタル先輩も出走予定なんだよね
    あの、絶好調ならスズカさんすら差し切った人が」
    いきなりレースの予定を話されてあっけにとられるスペシャルウィーク
    そんなスペシャルウィークを放置して話を続けるセイウンスカイ

    「だからスペちゃんが札幌記念の為の調整に付き合ってくれるって言うんなら」
    そこで言葉を切り、思わせぶりにスペシャルウィークに流し目をくれるセイウンスカイ
    「セイちゃん、スペちゃんが札幌に一緒に行く飛行機代くらい出しますよ?
    更に札幌記念勝てたならセイちゃんの奢りで晩ご飯食べ放題!」
    「やります!!!」
    フィッシュオン
    エサに食いつくダボハゼの如く即答であった

    その日から、スペシャルウィークとセイウンスカイは札幌記念までの日々をひたすらにともに特訓に励んだ
    海外出張中のトレーナーから渡されていた、スペシャルウィーク本人の調整メニューすら投げ出す勢いで
    それもこれも全てはホッケのためであった

    そして札幌記念当日

    「やっぱり強かったセイウンスカイ横綱相撲!!
    主役の座は譲れません!!」
    スペシャルウィークのトレーニングを取り入れて、まさかの中段待機からの抜け出し戦法で札幌記念を勝利したセイウンスカイの姿があった
    「やったー!!セイちゃん凄ーい!!
    これで今夜もホッケ食べ放題だべー!!」
    そして観客席にはそれを見て今夜の食事を思ってはしゃぐスペシャルウィーク
    昨晩既に喰いまくったのか、『太り気味』状態の表示が眩しい

  • 45123/06/13(火) 21:10:45

    「そうだな……セイウンスカイは凄いな……なあ、スペ」
    そこへ響く、地の底からのような聞き覚えのある声
    「ピッ!!?」
    思わず耳と尻尾を逆立てたスペシャルウィークが恐る恐る振り返ると
    「ただ今、スペ、俺の渡した合宿中の強化メニュー、キチンとやってたか?」
    表面上だけは柔やかな笑顔のトレーナーがそこにはいた
    「ト、トレーナーさん?!これにはいくつかの理由が!!」
    「ああ、ホッケ食べ放題の為だって?そこらはセイウンスカイのトレーナーが教えてくれたさ」
    全く目の笑っていない笑顔でスペシャルウィークに話し掛けるトレーナー
    ”あ、これはダメな奴だ”
    スペシャルウィークがそう悟ると共に
    「スペシャルウィーク」
    再び地の底からのような声で呼びかけるトレーナー
    「ハイっ!!!」
    「今日から京都大賞典まで外出禁止、食事の内容も俺が指定したとおりにして貰う」
    「ええーっ!!??ホッケはーっ!!??」
    思わず本音ダダ漏れの悲鳴をあげるスペシャルウィーク
    ぎろり
    「スペ?」
    「わかりましたぁーっ!!」
    この状態のトレーナーに逆らったら何をされるかわからない
    スペシャルウィークの本能が強烈にそう警告を発していた

    地獄のような日々を過ごした後に訪れた京都大賞典本番
    スペシャルウィークは夏合宿の遅れと太り気味の分を取り戻す為のハードトレーニングで絶不調であった
    そしてレース後
    「痩せる気持ちがないんだったら、レースになんて出てくるな!」
    ツルマルツヨシの叫びに涙目になりつつ謝ることしか出来ないスペシャルウィークがそこにいた

    教訓 目先の欲望に負けてはいけない

  • 46123/06/13(火) 21:12:43

    と言うことでメシネタといえば、なスペシャルウィークさんにご登場頂きました
    スペシャルウィーク担当の皆様方には伏してお詫び申し上げます
    この程度のネタでも食べものが関係していればOKですので皆さんのご参加お待ちしております!

  • 47二次元好きの匿名さん23/06/14(水) 09:02:31

    一応保守

オススメ

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