- 1二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:17:00
- 2二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:17:19
前スレ
【閲覧注意】ここだけ或人×唯阿または大二×唯阿・祢音→景和スレ Part3(再スレ)|あにまん掲示板スレタイ通り或人×唯阿または大二×唯阿・祢音→景和の関係について語るスレですスレを新しく立て直しましたbbs.animanch.com【閲覧注意】ここだけ或人×唯阿または大二×唯阿・祢音→景和スレ Part2.5|あにまん掲示板スレタイ通り或人×唯阿または大二×唯阿・祢音→景和の関係について語るスレです落ちていたので、立てました前スレ主さんとは別人です(前スレ主さん、立てるつもりだったのならすみません)bbs.animanch.com派生元
お見合いかぁ……相手はどんな人なのかな|あにまん掲示板「なぁイズ、今度のお見合い相手ってどんな人なんだ?」「鞍馬財閥のご令嬢、鞍馬祢音様でございます。スーパーセレブ祢音TVというチャンネルで家出配信を行っています」「へぇ〜!コラボしてみたいなぁ」http…bbs.animanch.com - 3二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:19:19
前スレ主さんがまとめて下さったテレグラですが何故か自分のスマホ・パソコンで開けず貼り付けできません
仕切り直す前のスレのデータ、雲行きが怪しくなってきた時スレが消される前にと保存していたので、それを基に書き手さんのSSを代理投稿・読み手さんの感想等を代理レスいたします
予めご了承下さい - 4二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:25:10
スレ立て乙
- 5二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:25:30
スレ立て、ありがとう
- 6二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:26:00
スレ立て乙!
- 7二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:26:17
スレ立て、ありがとー
- 8二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:28:00
ほしゅ
- 9二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:29:00
保守
- 10二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 09:30:19
スレ立て、ありがと!
保守 - 11二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:10:10
保守ありがとう
ここから代理レスしていきます
景和と祢音ちゃんの恋が成就するといいな…
あと、沙羅さんも幸せになってほしい - 12二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:10:58
或人と大二に頑張ってもらおう
- 13二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:12:19
このレスは削除されています
- 14二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:14:00
一体これからどうなることやら…
- 15二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:15:19
書き手です スレ主さんスレ立てありがとうございます
諸事情により一週間くらいネットに触れませんでした すみません
前スレ主さんSSまとめ&感想レスまとめありがとうございます 全くレスできなかったこと申し訳なく思います
このスレで皆さんと楽しく盛り上がれれば幸いです
宜しくお願い致します - 16二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:16:17
スレ主です
書き手さんレスありがとうございます!
こちらこそよろしくお願いします - 17二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:17:19
前スレのあらすじ
大二
あたたかくて…“光”な沙羅景和姉弟を眩しく感じながらふたりを護りたいと思っている。
景和の姉·沙羅から電話があり、どこか不安そうな様子の彼女――本人は「……な、なんでもないの…!」と言っていたけれど――が気に懸かり、桜井姉弟に逢いに行くことを決める。
桜井家を訪ねる途中で或人と逢って祢音の記憶が消えていると知り、二手に分かれて調査を始める。
道長と遭い、デザイアグランプリの真相を知って景和達の事情がわかるも、ベロバの差し金によって変身できない状況でジャマトと闘うことに…。カゲロウの手を借りながら立ち向かうも満身創痍、花が加勢に来てくれたことで緊張の糸が切れ、意識を手放す(気を失っている間に花が道長とベロバを撤退させる)。玉置に応急手当をしてもらい、花と玉置にブルーバードへ戻ってヒロミに現状報告をするよう依頼。
或人に連絡を取り、情報共有。デザイアロワイヤルにエントリーすべくベロバに直談判する腹積もりだったけれど、唯阿にゼアのテクノロジーでデザイアドライバーとライダーコアIDの複製するから主催の処へ直接 乗り込むのは待つよう言われ了解し、沙羅に逢いに行く。
沙羅は案の定 自分のことを憶えていなかった、けれど、弟·景和が心配のあまり食事をまともに摂っていないと思しき彼女に、景和は自分が捜すから「お姉さんは“ここ”にいて…景和さんが帰って来たときに『おかえりなさい』を言って下さい」と伝え、携帯番号を記したメモを渡し、また明日 伺いますと桜井家を後にした。
翌日、沙羅を訪ねようとしていたところでジャマト発生、住民に被害が及ばないよう人気(ひとけ)のない森へ誘き寄せ日が暮れるまで交戦、ジャマトを一掃するも身体は疲弊しすっかり夜になってしまい…ごめんなさい…今日は行けそうにありません…と心の中で沙羅に謝る。
次の日、差し入れを持って桜井家へ急ぐ道中で、ジャマトグランプリで消えたはずの景和と出会(でくわ)す。事の経緯を話している途中で、景和に「姉ちゃんっ、そう!そうだよ!姉ちゃんだ!!!」と遮られ、その切羽詰まった様子に沙羅の身に何かあったのだと察するも、走り去っていく景和の姿が消え…。一体、なにが、起こっているんだ…――景和の帰還理由に沙羅の安否と厭な予感がしながら、或人に連絡をしようとした時またもジャマトが…。 - 18二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:17:50
或人
唯阿とお付き合い中。お互い――特に唯阿が仕事が忙しくデートらしいデートはあまりできていないけれど、時々途中まで一緒に出社したり会社帰りに待ち合わせてごはんを食べに行ったり唯阿に弁当を作ってもらったりして楽しんでいる。
ヒューマギア定期メンテナンス訪問の帰り、祢音に遇(あ)うも忘れられ、大二と会い世界改変の可能性に気づき、二手に分かれて調査を始める。祢音を見つけようと行き付けのファッションブランドショップに向かっているとジャマトと遭遇、変身できず手近にあったものを武器代わりにして応戦。多勢に無勢で追い詰められたところを唯阿に助けられる。
大二から電話があり、唯阿と共にデザイアグランプリの真相とジャマトグランプリにおける祢音達の事情,デザイアドライバーとライダーコアIDがないとゲームにエントリーできないという話を聴く。それを受け唯阿がイズに連絡し、ゼアのテクノロジーでドライバーとIDコアを複製できないか相談、技術協力の為に飛電インテリジェンスへ向かう。そんな唯阿にショットライザーを手渡され、大事な武器を貸してくれることに信頼されている気がして「私が戻ってくるまで無茶をするな」と心配してくれていると感じて何だか嬉しくなる。
ファッションブランドショップへ行ったものの世界改変の影響で店員から忘れられ、翌日はジャマトと闘い、その次の日また街に現れたジャマトを蹴散らし、――IDコアに触れ全てを思い出した祢音と再会する…。
唯阿
皆の笑顔を守る為なら己の身を投げ出すことを厭わない恋人(或人)と世界を護る為なら我が身を差し出し、生命を懸ける後輩ライダー(大二)のことが心配。
ソルド達が感知した悪意の調査に来たところ、ジャマトと闘っている或人を発見、援護する。
大二からの電話で状況を把握。敵の本拠地に乗り込みデザイアロワイヤルに参加できるよう直に交渉するという大二の身を案じ、ドライバーとIDコアの複製品をきっと完成させるから主催の元に行くのは止めるよう説得する。余談だが、大二からの告白は胸のなかにしまっていて、或人にも明かしていない。
無茶をし過ぎる年下の恋人·或人にショットライザーを預けて「ショットライザーがあるからと過信して、敵を深追いしたり…単独で敵陣に突っ込んだり…するなよ?」「私が戻ってくるまで無茶をするな」と忠告し、飛電インテリジェンスへ。 - 19二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:19:17
景和
ジャマトグランプリで道長に消されたものの、どういう訳か帰還。姉·沙羅が仮面ライダーになってデザイアロワイヤルに参加していると知り、焦る。「姉ちゃんは俺が守る…」。
“帰る場所”を見失っている祢音に「帰るとこがなかったら…うちに来ればいいし」と言葉を掛ける。
祢音
ジャマトグランプリを途中棄権し、勝者·道長の願う世界に創り変えられた結果、記憶を失っていたけれど、IDコアに触れて全てを思い出す。
沙羅までデザイアロワイヤルに参加していると知り、助け合おうと思っている。
「俺は勝手に友達だと思っているから」「祢音ちゃんのこと忘れても…私は絶対 思い出すから!」という桜井姉弟の言葉に気持ちが救われる。
沙羅
弟·景和が目の前で消え、その日の夜は眠れず耐えきれなくて明け方 大二に電話をしてしまう。「どうしました?」と思いのほか気遣わしげなに言葉を掛けられ、大二にすがりたかったのだと自覚して居た堪れなくなる。
世界改変後は大二の記憶がない(尚、改変された世界は一夜にして1週間経ったことになっている)。景和の知り合いという青年·五十嵐大二が家を訪ねてくる。世界平和を願う者同士 景和と意気投合したと聴き、彼は信頼できると直感する。どうしてか大二と初めて逢った気がしなくて「泊まっていきませんか?」などと口走ってしまう。過去に彼氏はいたけれど弟と同居している我が家に泊まらせたことはないのに、どうしてなのか大二に対して自然に泊まっていってと溢れて戸惑い、初めて逢った人なのに大二にすがりたくなって動揺する。
「俺が捜します」という大二の言葉に力をもらって心配と焦りが和らぎ自分にできることが見えてきて交番のお巡りさんに景和の件を相談するも、夜になると不安が募る。そんななか「お姉さんは“ここ”にいて…景和さんが帰って来たときに『おかえりなさい』を言って下さい」という大二の声が頭に浮かび気持ちを持ち直す。
弟のファンだと謂う蛙に促され、ライダーコアIDに触れてしまい…景和を闘わせない為に自らが仮面ライダーとなってデザイアロワイヤルに参加することに…。 - 20二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:19:55
以上、あらすじでした
- 21二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 10:20:14
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:19:19
書き手です
前スレ主さんSSまとめテレグラお手数かけます
ありがとうございます - 23二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:19:50
あらすじまとめ乙あり!
こうして見ると、この章?大二がメインっぽいな - 24二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:20:10
ヒロインは沙羅さん?
- 25二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:20:35
唯阿さん頼りになる~!
- 26二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:21:20
確かに
- 27二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 12:21:50
スレ主です
前スレ主さん、テレグラ貼って下さりありがとうございます! - 28二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 14:50:50
このレスは削除されています
- 29二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:00:19
スレ主です
テレグラまた削除されていますね…荒らしが通報している可能性があります
保存データからコピペします - 30二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:00:30
景和は姉·沙羅が自分を闘わせないよう代わりに仮面ライダーとなったと知り、姉を護る為デザイアロワイヤルにエントリーした。尚、姉の思いを無碍にできないから再び仮面ライダーになったことは沙羅に隠しての参加である。
バッファとの交戦で劣勢になった彼女を援護しようと、隠れ身の術を使ってバッファを足払いしたり、沙羅のサポーター·ポンチッチを名乗ってサロンに潜伏したり、姉のフォローに励む。
「私、帰るね。景和が心配するといけないから」
沙羅がサロンを去った後、景和も帰り。夜道を歩く沙羅はと合流し、家路へ。
そしてふたりは、アパート近くの公園で誰かが倒れているのを発見する。駆け寄ると…
「大丈夫ですか…?! って、大二くん?!!」
「え?!五十嵐くん?!!」
見知った人物――大二であった。
「五十嵐くん!!五十嵐くん!!!わーどうしよう!」
「救急車!救急車!」
景和と沙羅は慌てふためく。
「ぅう゛…」
そこで、大二が数回 瞬きをし眸(め)を開ける。
「大二くん!気がついた?!」
「五十嵐くん、大丈夫?!」
「景、和…さん…と、お姉、さん、…??」
呼び掛けに応える大二は頭から血を流している。
ゆっくりとした足取りで立ち上がる彼の脚をふと目を遣れば、ふくらはぎが深く斬り裂かれていてよぎり傷がある。
景和は大二の脚から血が垂れるのを見て、もしかして…と思う。
―――ジャマトにヤられたんじゃ…
大二の負った傷はあまりに重く、とても人間の所業と思えない。
景和は何があったか話を聴こうと、
「それじゃ、家に…」
大二を促す。
景和が大二の腕を自分の肩に回させると、姉はその意図に気づいたらしく大二の反対側の腕を自身の肩に乗せる。
「すみません…」
頭(こうべ)を垂れる大二に、景和と沙羅は気にしないでと柔和な表情(かお)を浮かべて彼を支えながら共に我が家へ歩き出す。 - 31二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:02:00
大二ひどい目にあってる…
- 32二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:02:50
大二は景和から手当てを受けている。頭に包帯を巻いてもらっているとき
「大二くん、どうして‘ここ’に来たの?」
景和にそう訊かれ、
「景和さんのお姉さんから電話をもらって…何かあったのではないかと…」
大二は返す。
「それで…心配して来てくれたんだね」
申し訳なさそうにそれでも僅か笑みを見せる景和に、大二はコクッと肯いて続ける。
「景和さんのお家を訪ねる途中で吾妻道長という人と遭って…諸々知りました」
「!」
吾妻道長の名を出した瞬間、景和が息を呑む気配がする。
「デザイアグランプリの真相、ジャマトグランプリで祢音さんが途中棄権してライダーの記憶を失くしたこと,吾妻道長が景和さんと英寿さんを消して勝者となり全てのライダーをぶっ潰す力を手に入れたこと…」
「そっ、か… 」
ぽつり溢して少し遠い目をする景和の顔をぼんやり見ながら、今度は大二が疑問を口にする。
「どうして、景和さんは…いま、ここにいるんですか」
吾妻道長に消されたのでなかったのか。
「…俺にもよくわからないんだよね…」
ぇ…――大二は、どういうことですか…と問い質したい気持ちもあったけれど、苦笑いする景和に痛ましくて口を噤んだ。
「勝者になれば願いで消えた人を復活させることができるんだけど、勝者が道長さんなら俺を蘇らせると思えないし」
「…そう、ですね…」
「けど…生き返ってすぐはライダーのこともデザグラのことも全く覚えてなくて… 姉ちゃんが戦っている映像を見せられて…IDコアに触れたら思い出したんだ」
「?!!」 - 33二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:03:19
いま、なんて…?!
景和は、いま、何と、言った…?!
『姉ちゃんが戦っている映像を見せられて…』。
……。
―――景和さんのお姉さんが、戦った…?!!
「お姉さんが戦ったって、どういうことですか!景和さん!」
「俺を戦わせない為だって…」
「?!」
気持ちは…わかる、景和の姉が景和を闘わせたくないと思う気持ちは。
誰だって、親や兄弟姉妹――家族を闘わせたくはないだろう。…大二は、さくらが仮面ライダージャンヌとして闘うようになった頃のことを思い返す。兄に続いて妹まで闘いに巻き込んでしまったと当時は兄妹に対する申し訳なさとそれ以上に己の情けなさで苦悩していた。
だから、彼女――景和の姉が、弟を闘わせたくないと思うのは無理もないこと。けれどそれは逆に謂えば、景和も姉を闘わせたくないはずで…、
そこまで考えて大二は、景和を問い詰めるのは酷だと悟る。
「ごめんなさい、突っ掛かる聞き方をしてしまって…」
いちばん苦しい思いをしているのはきっと景和だ。
「いいよ… 俺も<どういうことッ?!!>ってなったし」
「…」
それはそうだ、どういうことッ?!!となるだろう。だから、――混乱している当事者を責め立てるような物言いは筋違いと反省しているのだけれど。当の景和はあまり気分を害していないふうに応えるから、それが却って少し辛い。でも、そう感じるのは独り善がりだ。
- 34二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:03:50
誰だって家族がバトルロワイヤル参加してたらびっくりするわな…
- 35二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:05:17
さくらみたいな戦闘向きの女性でもないし
- 36二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:06:00
このレスは削除されています
- 37二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:07:07
大二は気を取り直して
「どうして――お姉さんは景和さんが仮面ライダーとして戦っていることを知っているんですか」
別の問いを投げ掛ける。
「俺のサポーターのケケラから聞いたみたい」
「っ!」
サポーターと聴いて、ベロバが過り身構える。
「多分、俺がいなくなって途方に暮れている姉ちゃんに話したんだと思う。それで姉ちゃん…俺を仮面ライダーにさせない為に…」
「自らが仮面ライダーとなってデザイアロワイヤルに参加した…」
―――お姉さんは…景和さんを危険な目に遭わせたくなくて自分が戦うと決めたんだろな…
「うん…」
俯く景和に、何と言ったらいいか。…大二も下を向く。
景和の口振りから、彼は自分のサポーター·ケケラに悪感情を抱いていないようだ。ベロバと違って“良いサポーター”なのだろうか…。 弟を心配して食事も睡眠さえちゃんと摂れずにいる彼女を見るに見兼ねて、事の次第――景和が仮面ライダーとなり闘っていることを説明したのだろうか…。
…ケケラ本人と直に話してみないとわからない。けれど、その前に…お姉さんにも話を聴こう。――そんなふうに考えているとき、
「俺がまた仮面ライダーになったことは姉ちゃんには秘密なんだ」
景和が告げた内容に、大二は顔を挙げる。
「姉ちゃんの思いを無碍にできないから…」
哀しみや痛みを堪えてしんみり綴る景和に、遣り切れなくなる。
「そう…ですか…」
大二は一拍 置いて
「俺はデザイアドライバーもライダーコアIDも持っていないのでデザイアロイヤルに参加できません。すみません」
頭を下げる。
すると、景和から、謝らないでよ、と制され。それどころか
「大二くんは心配して来てくれたんでしょ?むしろ有り難いよ…。ありがとう…姉ちゃんを気に懸けてくれて」
なんて言葉をもらって…大二は恐縮する。 - 38二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:07:19
「夕飯、食べていってよ」
突然、景和が話を変えた。
……っ…。――大二がどう返事しようか困っていると、景和は更に進める。
「ミートソースでいい?」
「……あ、ありがとうございます…」
大二はどうにかそれだけ応える。…景和の厚意を無碍にしたくない。
「出来上がるまでゆっくりしてて」
景和はキッチンへ向かう。
入れ替わるようにして景和の姉が顔を出した。
「手当て終わった?」
「はい」
大二は頭からとふくらはぎから多量に出血していたけれど、怪我をしたのはそこだけでなかった。
複数のジャマトに囲まれ、お腹に膝蹴りを喰らい、投げ飛ばされ――このとき頭を強打し出血――、足蹴にされ、太股を剣で刺された。尤もピストルを連射してジャマトを撃破し、住民に被害は出ていないから、よかったとホッとしている。
手当てしてもらうには負傷部位を見せる必要がある訳で、身体の部位によっては服を脱がないといけない。そこは景和の姉に見せられない。彼女は席を外してくれたのだった。
「はい、お水」
どうぞ、とグラスを手渡される。
「いただきます」
喉を通る水の冷たさに生き返る思いがする。一気に飲み干し、空になったグラスを返す。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
景和の姉はほんのり笑顔でグラスを受け取り
「それより…本当に病院へ行かなくていいの?」
心配そうな表情(かお)で窺ってくる。
「えぇ…俺、傷の治り早いんで」
「そういう問題かなぁ…」 - 39二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:07:50
尚も気遣わしげな彼女の姿に心苦しくなって…
「実は…俺――仮面ライダーなんです」
大二は自分の身体が丈夫である根拠を話すことにする。
「えー?五十嵐くんも仮面ライダーなの?? そしたら、デザイアロワイヤルに参加していたってこと?!」
「一度だけ…。でも、参加したのは成り行きというか…」
「??」
「俺の住んでいる世界には平和を脅かす存在がいて、俺は対抗すべく設立された組織に所属し…組織が開発したライダーシステムで仮面ライダーに変身して戦っていました。 景和さんと出逢ったのは、敵のボスを倒して平穏になった後、家族旅行をしていた日でした。新たな脅威が現れて、そのときデザイアロワイヤルに参加することになって…そこで知り合いました」
「そうだったの…」
「それで、組織が開発したライダーシステムで変身するには自分の内に宿る悪魔の力が必要で…」
「?!!」
景和の姉が瞳(め)を大きく見開く。悪魔の力、と聴けば驚くだろう。
「つまり、俺は…悪魔を宿している…普通の人間ではない…。だから…怪我しても治りは早いんですよ」
「………」
言葉を失ったかのように固まる彼女を見て、悪魔のことは伏せておけばよかった…とふと思う。恐がらせてしまった…だけど、一度 口にしたものは取り消せない。
「変な話をしてすみません」
大二はそれだけ言う。
「ううん、びっくりしただけ…」
だろうな、と思う。悪魔を宿した人間が在(い)ることに驚愕するだろうし…恐怖もする。
「五十嵐くんみたいに真っ直ぐで誠実な人に悪魔が付いているんだ…って」
「?!」
真っ直ぐで誠実…――そう思われていることにむず痒くなる。
「だけど、人には善い心も悪い心もあるなと思い直したの。私もそうだし」
「ぇ、(お姉さんこそ人畜無害っぽいのに…)」
「例えば先着順で景品がもらえるとして並んでいるところに誰かが割り込んで来たら頭に来るし<罰 当たれ>と思うし、実際その人が受け取った後に転けたり他の人にぶつかられたりしているのを見てスカッとするもん。これも悪いとこでしょ」
ね?といたずらっぽく笑う景和の姉に気が抜かれる。
「話してくれてありがとう。…そういうことって、打ち明けるの勇気が要るよね…」
- 40二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:09:17
このレスは削除されています
- 41二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:09:55
沙羅さん可愛いな
- 42二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:10:17
わかる
沙羅姉ちゃん可愛いよな - 43二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:10:58
大二は細やかな気遣いをし桜井姉弟からマイナスイオン出ていてこれは…
- 44二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:11:30
このレスは削除されています
- 45二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:12:00
優しい空間
- 46二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:12:17
- 47二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:12:55
桜井姉弟はあったかいなぁ
- 48二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:14:00
コピペ大変だなスレ主
- 49二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:14:19
このレスは削除されています
- 50二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:14:50
「というか…悪魔が心の中にいても平和を守る為ライダーになって戦うの、五十嵐くんの正義感がそれだけ強いってことじゃん。 あーもしかして…怪人と戦ってあんな大怪我を…?!」
「……えぇ、まぁ…。
景和さんのことで調査しに来たんですが、そのとき遭遇して…」
「それ…私が電話したから…?」
!――‘あの日’のことを、彼女は思い出したようだ。
「……その…、…景和さんの身に“なにか”あったのじゃないかと気になって…(それに…)」
―――あなたのことも気掛かりで… 面と向かって本人に伝えるのは照れてしまうから、眸(め)を逸らして、そう応えれば
「ごめんなさい…
心配して来てくれたのね…ありがとう…」
お姉さんは神妙な表情(かお)をする。
そんな顔しないで…。――大二はこう告げる。
「俺はデザイアロワイヤルに参加する為の装備を持ってないのでエントリーできません。すみません」
「謝らないで。五十嵐くんが謝ることじゃないよ。
あのね…、私も仮面ライダーなんだ。それで、デザイアロワイヤルに参加しているの。だから…大丈夫」
こちらを安心させようと笑む景和の姉に、胸が痛い。
「それと…、景和ね、無事に帰ってきたけれど、自分がライダーだったこと覚えていないから」
彼女がそう言うのを聴いて、彼女――景和の姉は景和が仮面ライダーのことを思い出したと知らないのだと察する。
「だから、景和がもう戦わなくていいように、私がライダーになって…」
自身の胸の内を綴り、
「景和のことは私が守る」
そう宣する姉の、双眸(ひとみ)は真っ直ぐだ。
彼女が健気で…――大二は胸いっぱいになる。
「だったら…俺は――‘この’世界を守ります」
「!」
「‘ここ’はお姉さんが帰ってくる場所だから。お姉さんが帰ってきたとき、この世界が平穏であるように…。
お姉さんの“帰る場所”を俺は守ります」
「わかった。ありがとう」
彼女は頷く。 - 51二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:15:00
「それから… 沙羅、でいいよ」
「え?」
「お姉さん、じゃなくて…名前で…。“沙羅”って呼んで」
「……沙羅さん…」
「うん。 これからも姉弟(きょうだい)共々宜しくね、五十嵐くん!」
「こちらこそ。宜しくお願いします」
「あともうひとつ」
「はい」
「私が帰ってきたら…『おかえりなさい』と言ってくれる?」
「!!(それって…)」
『お姉さんは“ここ”にいて…景和さんが帰って来たときに「おかえりなさい」を言って下さい』。――大二は、数日前に沙羅に伝えたことが頭に浮かぶ。 ‘あの日’の、‘あの言葉’を、彼女が憶えているかはわからないけれど(世界改編で大二のことを忘れている時期の出来事だから)、なんだか…嬉しい。
「はい!」
大二が漫ろ笑みを洩(の)せると、沙羅も微笑みを返してくれる。
「姉ちゃーん、大二くーん、ごはんできたよー」
景和が呼んでいる。
「はーい」
沙羅が返事をして
「行こ、五十嵐くん!」
こちらに目配せしてダイニングへ。大二も彼女に続く。
3人は食卓テーブルに着いて、
「「「いただきます」」」
手を合わせた。 - 52二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:15:17
景和が作ってくれたミートソースはおいしかった。
「それでは、俺…そろそろ…」
大二が声を掛けると
「今日はどこで寝泊まりするの?」
「なんだったら泊まっていっていいよ」
景和に訊かれ沙羅に気遣われて、心配されているのを感じ申し訳なくなる。
「ホテルに泊まるから大丈夫です。仕事で来ているので経費で落ちますし。
だから、お気持ちだけで…。ありがとうございます」
大二は会釈をして桜井家を後にする。
夜空の星をぼんやり見ながら大二は、ふぅ…と息を吐く。
結局、――…景和を助けられなかった。
景和が生き返ったのは何故か、その理由を探ってみよう。自分が知らないデザイアグランプリの真実があるのかもしれない。
それに…――吾妻道長の今後の動向も気になる。
なにか、裏がある。…気がする。
『景和のことは私が守る』。
沙羅の言葉が、脳裡を過る。
『俺がまた仮面ライダーになったことは姉ちゃんには秘密なんだ… 姉ちゃんの思いを無碍にできないから…』。――姉の思いを汲んで、自身が再び仮面ライダーとなったことを内緒にする弟。
『景和ね、自分がライダーだったこと覚えていないから…景和がもう戦わなくていいように、私がライダーになって…。――景和のことは私が守る』。――弟が仮面ライダーの記憶を取り戻して戦っていることを知らないまま弟を護る為に仮面ライダーとなった姉。
お互いに思い合い、だけど、すれ違う、姉弟が、痛ましくて…
だから、
―――俺は‘この’世界を守る…!景和さんと沙羅さんが帰ってくる“この世界”を、俺は守る…!!景和さんと沙羅さんのあたたかな雰囲気を、守るんだ…!!
大二は心に誓う。
そのとき、流れ星がひとつ落ちて行った―――。 - 53二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:15:55
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- 54二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:16:30
「沙羅さん」か…大二が沙羅姉ちゃんを名前呼び!
すこしずつ距離が近づいていってるね - 55二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:17:19
名前呼びイベント、好き!
あと地の文でも「景和の姉」から「沙羅」に変わるのがいい… - 56二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:17:50
大二、道長のこと気にしているけどもう一回くらい会うのかな
- 57二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:18:00
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- 58二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:19:19
名前を呼ぶようになるきっかけのエピソードってキャラ同士の関係性を深めるのに大切だと思っているので…
地の文の表現の変化に気づいてもらえて嬉しい - 59二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:19:58
翌日。
大二は情報の交通整理を頭の中で行い、景和が生き返った理由と吾妻道長の動向をどう探っていこうかと思案する。
そのとき、スマホが鳴った。
「もしもし」
『もしもし、大二くん?』
「或人さん」
『今、電話いいかな?』
「はい。俺も或人さんに伝えることがあって電話しようと思ってました」
『そうなんだ。じゃ、それは後で聞くから先に俺から…』
「どうぞ」
『祢音ちゃんと逢えたよ。記憶も戻っていてさ…』
「そうなんですね。よかった…」
『それで、祢音ちゃんもデザイアロワイヤルにエントリーしているって』
「そう ですか…」
デザイアグランプリの真相を知ったいま、きな臭いものを感じるけれど。それでも――祢音には叶えたい願いがあるのだろう。…だとしたら、彼女が参加するのを止める権利は自分にない。おそらく、叶えたいという願いは譲れないものだと思うから。
『大二くんの伝えたいことって?』
スマホ越しの或人の問い掛けに、大二は伝達する。
「景和さんのお姉さん――沙羅さん、と…景和さんに逢いました」
『そっか、よかったn……え?えー?! 桜井くんに、逢った?!!』
受話口の或人は驚いているようだ。
「俺も逢ったとき戸惑って…『どうして…』って本人に訊いてしまいました…」
『……』
急に押し黙った或人がなにを考えているかはわからないけれど、‘そのとき’の大二の心中を察してくれている気がする、から、内心 気を遣わせてすみませんと思いながら、続ける。
「景和さん自身も、どうして還って来れたかわからないそうです… なので、その理由を探ろうと思っています」
そして大二は、沙羅も仮面ライダーとなってデザイアロワイヤルに参加していることを或人に話した方がいいだろうかと逡巡して…
『わかった。一度、落ち合おう。逢ってこれからどうするか話そう』
或人に提案され、沙羅のことを言い出せないまま、通話を切った。 - 60二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 17:20:58
ここで或人と大二が合流するのか!
- 61二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:00:19
「大二くん!」
或人は大二に向かって手を振りながら駆け寄った。
「お待たせ」
「いえ… 早速ですが、新しいゲームが始まったみたいです」
「うん」
「デザイアロワイヤル――どんなゲームなのかわかりませんけど…景和さんが復活し、祢音さんは記憶を取り戻した…たぶん英寿さんも…前のゲームで負けた人も参加している と見て間違いないかと」
「そうだな。
でね、イズからの情報によると…デザイアグランプリで負ける ってのには“脱落”と“退場”の2種類あるんだって」
「“脱落”と“退場”…」
「ジャマトからの攻撃で致命傷を負ってIDコアが破損し消滅するのが“退場”。世界がリセットされても復活できない…でも勝者が“死亡した参加者の復活”を願った場合は、生き還れる みたい…
ジャマトの攻撃でなくてゲームスコア最下位とかルールに則って敗けたら“脱落”。命を落とすことはないけど、仮面ライダー失格になって記憶を消されて日常生活に戻される…らしい」
「ということは…前のゲームで、祢音さんは“脱落”…英寿さんと景和さんは…おそらく――“退場”…」
「だろうね…。
とすると、桜井くんが生きているのは勝者が願ったから…? …あれ?でも、勝ったのって桜井くんを消した吾妻道長という人だよな?そんな人が自ら消した人の復活を願うかな…」
「そうなんですよね…。だからそれを探ろうと…」
「なるほど」
或人がここからは一緒に調べた方がいいなと考えていると、大二がそれと…となにか言い掛けた。
そのとき――
「ジャッ ジャ~ッ」
ジャマトの乱入。
「またか…」
「行きましょう、或人さん!」
「あぁ!」
或人はジャマトに立ち向かっていった。大二と共に。 - 62二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:00:50
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- 63二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:01:30
或人と大二の協力プレー
- 64二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:02:19
或人はショットライザーで応戦し、大二は改良ピストルを連射している。
「或人さん!」
大二の声で或人は振り返り、真後ろにジャマトがいると気づくも間に合いそうない。大きな鎌を振り被るジャマトに対し、受け身の体勢を執ったところで…
Bang! ――銃声と共にジャマトは倒れた。
大二が撃ったようだ。
助かったよ…とお礼を言おうとして、大二に目を遣れば…彼は多数のジャマトに囲まれている。
まさか…援護射撃している隙を突かれたんじゃ…
或人はショットライザーを発砲しながら、大二の周りにいるジャマトを蹴散らす。
「大二くん!」
ふたりは背中合わせになって、ジャマトを撃つ。撃つ。撃つ。
一団を撃破した、のも束の間、新たに軍勢が押し寄せる。
「マジかよ…」
或人は小さく漏らして、
「一旦どこかに隠れよう」
大二に投げ掛ける。
頷いた大二がこっちですと言うのに従い、走り出す。
曲がり角を右に、次の角を左、また次を右…と、街中を縦横無尽に走り抜け、ジャマトを翻弄して目眩ませ、ビルとビルの間の路地裏に隠れる。
(撒けたかな…?)
或人がそう思ったとき――
「ジャッ!」
狭い路地の隙間からジャマトが顔を覗かせた。
「「!!」」
肩がビクッとなる或人と大二。 大二の顔に疲労の色を見る或人もまた生身に堪えている。 - 65二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:02:58
この状況から抜け出すには…と或人が頭を巡らせていると、
『おい、大二!このままだとキリがねェぞ!』
大二の内(なか)から“声”がした。 “大二の”声だけれど、大二ではない、この感じは…
「わかっているよ、カゲロウ!」
(カゲロウ…彼が…)
大二が心の中に悪魔を宿していると或人は知っていた(いつだったか、大二自ら話してくれたのだ)。
『どうすんだ?!』
確かに“大二の”声だけれど、全く違う声。雰囲気が、空気が、トーンが、異なっていて…――まるで、別人。
「或人さん、」
大二に呼び掛けられて、或人は彼の方を向く。
「二手に分かれましょう」
「ぇ」
ちょっと待って!と言う間もなく、大二は駆け出す。
すると…ジャマトの大群も分散した、が、或人に攻撃を仕掛けてくるのはほんの数体で。大半は、大二を追い掛けて行った。
どういうことだ…?――或人は不審に思いつつもジャマトと対峙する。そして、少数のジャマトを討ち、大二を追う。
或人は大二に迫ろうとしているジャマトに掴み掛かったところ、軽くいなされる。けれど、奴らは或人を振り払った後は攻撃してこず、一目散に大二に向かって行く。
―――狙いは…大二くんか…?!
大二の周囲にはたくさんのジャマトが群がっていて、彼はそいつらと攻防を繰り広げている。
或人は大二に群がる軍団に銃弾を浴びせ、援護する。
敵の数が減り…或人は大二の隣に並び立つ。
或人と大二は互いに肯き合って、銃を構え、
Bang!Bang! ――ふたりで残りのジャマトを一気に片付けた。 - 66二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:03:58
「ねぇ、大二くん…」
ジャマトを一掃した後、或人は話し掛ける。
「もしかして、あいつら…大二くんを狙っているんじゃないかな…」
或人も何度もジャマトと闘ったけれど、あそこまで執拗に攻められなかった。
「! そうなんでしょうか…」
大二は驚いたように目を見開き、すぐ思案顔になる。
「だとすると…」
「思い当たることがあるの?」
「考えられるのは…俺がベロバ達と遭った ということでしょうか」
「…( ゚д゚)ハッ! まさか…」
『一度ヤり合っているからなァ…邪魔者だと目ェつけられたか…』
自身の悪魔――カゲロウの発言に、たぶん…と返して
「そういうことだと思います」
大二は或人に告げる。
或人は表情を曇らせる。
「ご迷惑お掛けしました…」
「いやいやいや…!そんなこと!ないから!」
頭を垂れる大二に、或人は慌てる。
「顔を上げてよ、大二くん…!
君は何も悪くない!悪いのは…」 - 67二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:05:19
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- 68二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:07:19
「…或人さんにもうひとつ伝えておこうと思っていることが…」
「あー先刻なにか言い掛けていたね」
或人は、ジャマトの襲来で聴きそびれていたと思い返し、大二の話に耳を傾ける。
「沙羅さん――景和さんのお姉さんなんですけど――彼女も仮面ライダーとなってデザイアロワイヤルにエントリーしているんです」
「?!?!えー?!! それ、桜井くん知っているの?!」
「知っています。
ただ、沙羅さんに向けては、景和さんは知らないことになっているそうで…景和さんが再び仮面ライダーになって新たなゲームに参加していることも沙羅さんには内緒だそうです」
「なんだって…?!」
「…だから、俺は…エントリーできない以上、ゲームエリア外で暴れるジャマトを倒すことにしたんです」
「なるほど」
「俺は景和さんと沙羅さんが帰ってくる“この世界”を守ります!」
決意を語る大二に、或人は深く頷く。
「わかった!俺も協力するよ!」
「或人さん…」
「(大二くんが狙われているなら放っておけない…!!)
俺は君の力になりたいんだ…!」
「!ありがとうございます…」
感謝の言葉を口にする大二に、或人は笑顔を見せた。
―――ここから、反撃だ…!!! - 69二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:07:58
長々と続きましたが、ギーツ本編が新章に入るので、この話はここで一区切りとします
続きは本編と照らし合わせながら書いていきたいと思います - 70二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:10:00
大二×唯阿でプラネタリウムデートの話
- 71二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:10:17
空は少しどんよりしている。梅雨に入った。
この時季特有の湿り気を帯びる空気感。沈みがちになるけれど、今日の唯阿の気分は軽やかだ。
〖プラネタリウムを観に行きましょう〗と、大二がL○NEをくれたのはゴールデンウィークを過ぎて間もなくのこと。
唯阿も大二もゴールデンウィークであっても仕事が忙しく、彼は休みが1日しかなくて唯阿に至っては連休返上で出勤だったのでふたりの休日は合わず…、ゴールデンウィーク明けにしようとなった(ちなみに、大二は休みが取れた日に実家へ帰ったらしい)。
約束通りゴールデンウィークの後、彼から連絡が来て。何通かの遣り取りで、本日 逢うことに。
久し振りのデートは生憎の曇り空だけれど、唯阿は気にならない。
〖プラネタリウムを観に行きましょう〗
大二からのお誘い。――それだけで唯阿の心がほんのり色づく。…そのことを大二はたぶん知らない(知らなくていい)。
唯阿は着替える。
角襟の白いブラウスにローズピンクのマーメイドジャンパースカート、髪型は編み込み。
上から撥水加工が施されたベージュのスプリングコートを羽織り、短めのオリーブ色のレインブーツを履き、傘を持って、家を出る。 - 72二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:12:19
待ち合わせ場所は駅前のロータリー。
ロータリーが見えてきたところで、向こうから歩いてくる大二の姿が目に入る。
「刃さん!」
彼もこちらに気づいたらしい、手を振って駆けてくる。…ふたりしてほぼ同時刻に着いたようだ。待ち合わせの時間より少々早い。
「ちょっとだけ、寄り道します?」
大二が僅か茶目っ気を含んだかのように笑む。唯阿はそんな彼の様子に安らぎを感じ、
「そうだな」
顔を綻ばせる。
駅から一本 脇に入ると途端、静かになる。
ふと道端に目を遣れば、紫陽花。都会の喧騒から逃れるみたいにして咲いている。
「この道、普段は通らないから…こんな処に紫陽花があるなんて気づかなくて…。
何日か前なんです、知ったのは」
刃さんと見たいなぁって…――そう呟いて照れたように微笑む彼をかわいいと思う。
赤・紫・青…色とりどりの紫陽花。ふたりはしばし、鮮やかな梅雨時の花を一緒に眺めていた。 - 73二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:12:58
「そろそろ行きましょうか」
「あぁ」
唯阿は大二に連れられて、洋食屋へ向かう。
紫陽花の続く小路を抜けると、レトロな雰囲気の洋館が現れた。今日のランチはこの外観そのままの洋食屋。
店内は白とダークブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気で、白いテーブルと木目調の椅子が配されている。
ふたりは奥の窓際の席に着いた。
唯阿はスプリングコートを脱ぎ、ハンガーに掛ける。
シェフオススメの野菜カレーとタンシチュー、エビフライを注文する。
旬の新鮮野菜を使って煮込まずに熱々の鉄鍋で一気に炒めたというカレーはスパイスが効いていて、炒めた香味野菜と共にトマトピューレやフォン・ド・ボーで煮込んだタンシチューもとろとろ食感に濃厚で深みがあり、エビフライは衣がサクサク、身はプリプリだった。
デザートのチーズケーキで口の中がさっぱりしたし、どれもおいしくいただいた。 - 74二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:15:00
お店を出ると、雨がぽつり。
「降ってきましたね…」
「そうだな」
唯阿はベージュのコートを着て傘を差す。
大二も傘を広げて
「少し歩きます」
申し訳なさそうな顔をする。
「わかっているよ、場所は知っているから。レインブーツ履いてきているし問題ない」
言外に、気にするな、と滲ませる。
大二はホッとしたように歩き出す。唯阿も並んで歩く。
「行ったことあるんですか?‘あそこの’プラネタリウム」
「あぁ、昔に、な…。小学生の時だったかな…社会科見学で」
「俺も社会科見学でプラネタリウム行きました。でも、場所は‘あそこ’ではなかったと思います」
「そうか」
「…別の所がよかったですか…?」
「いや。‘そのとき’行ったっきりだから…。今日は楽しみにしていた」
不安そうな大二にそう応えると、彼は表情を和らげる。
君は気を遣い過ぎだ…――そう思いながら、
大二の、そういう、繊細なとこも愛しいから、
「行こう」
唯阿は柔和な表情を浮かべる。 - 75二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:15:19
しばらく行くと、バス停前のベンチに腰掛け途方に暮れている老婦人を見掛けた。
大二が近寄って声を掛ける。
「どうしました?」
「 あ、いえね…バスを降りたら雨が降ってきて、傘を持ってないから…ここで雨宿り」
「だったらこれを」
大二は自身の傘を差し出す。
「え、」
「ビニール傘ですから気になさらないで下さい」
遠慮する彼女に大二は付け足すけれど、
「あ、でも…あなたは…?」
老婦人は躊躇の姿勢を見せる。
「彼には私の傘に入ってもらいますから。
早くご自宅に帰らないと体が冷えてしまいますよ」
唯阿がそう言うと、そうですか…と彼女は大二の傘を手に取った。
「ありがとうございます」
老婦人は頭を深々下げ、去って行った。
「あの…」
老婦人が見えなくなって、大二に話し掛けられる。
「なんだ?」
「刃さんの傘に入っていいんですか」
そっと尋ねてくる大二に、唯阿は目を丸くする。
「(いいに決まっているだろ!むしろ、駄目な理由がないが?!)いいぞ。
というか君はそのつもりだったんじゃないのか…」
「このくらいの雨なら傘を差さなくても平気かなって…」
「もう家に帰るというならまだしも、いまから遊びに行くのに雨に打たれては…。風邪をひく」
唯阿は大二も入れるように彼の方へ傘を寄せる。
「じゃあ、俺が持ちます」
「…ありがとう」
唯阿は傘の柄を持ってくれる大二にお礼を言って。ふたりは小雨のなか、プラネタリウムシアタードームへ向かう。 - 76二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:16:17
道中、ふたりは黙っている。と謂うのも、ひとつの傘にふたり入った状態で歩くうちに気がついたのだ…
距離が近い…!!
所謂“相合傘”である、ふたりが寄り添って1本の傘を差す。当然、身体がぴったり密着することになる。
ひとつの傘を一緒に差そうと提案したのは唯阿だけれど、
肩と肩が触れ合って、唯阿は心臓が跳ねた。思わず身を引く、と、
「あんまりそっちに行くと濡れてしまいますよ」
大二に声を掛けられる。
「あぁ…そうだな…」
大二に促され、傘に入り。こっそり彼の横顔を窺い見る。…耳が紅くなっている。
!――その事実に大二も照れているのだと察し、唯阿の胸が早鐘を打つ。
ドキドキしながら、無言のまま、ふたりはシアタードームに辿り着く。
ふと大二の方を見れば上着の肩部分が少し濡れている。
私が濡れないように、傘を傾けてくれていたのか…――そのことに気づき、唯阿はバッグからハンカチを出し、大二の上着の肩の辺りを拭く。
「刃さん…?!」
戸惑うような声を挙げる大二に
「君は私が雨に打たれなよう気遣ってくれたのだろう?
私の代わりに君は濡れたんだから拭うくらい私にさせてくれ」
そう返せば、彼はありがとうございます…と紡ぐ。 - 77二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:17:00
シアター内に入り、ソファチェアに座る。
「楽しみですね」
「そうだな」
ふたりは笑い合う。
天体ショーが始まる。
ショーの内容は『星空を巡る旅』・『天の川を見上げる』・『星座や神話に触れる』・『宇宙を旅する』・『流れ星に思いを馳せる』の五つのテーマがあり、きょう観るのは『天の川を見上げる』。
スクリーンに投影されることで頭上に広がる満天の星空。心地のよい音楽と天の川にまつわるエピソードを聴きながら、“夏の大三角”を観る。
幻想的な雰囲気に包まれ、宇宙に浮遊しているかのような感覚になる。
ショーが終わり、唯阿は思わずほぉと感嘆の声を漏らす。
「よかったですね…」
沁々言う大二も感動したようだ。
「お茶しましょうか」
「そうしよう」
ふたりはプラネタリウム施設内にあるカフェへ向かう。 - 78二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:17:17
カフェは込み合っていた。ふたりはテラス席に座る。
メニューはプラネタリウム施設ならではの星空から着想を得たスイーツが多い。
星雲をイメージした紫芋のソフトクリームと満月を模したバニラアイスに地球を模したハワイアンブルーアイスの乗ったパフェ、ドリンクはオリジナルフレーバーティーを頼んだ。
「久し振りに来たが、プラネタリウムいいな…」
唯阿はスイーツを食べながら天体ショーの感想を述べる。
「ええ、成人してからはなかなか来られませんしね…」
「こうやって時間が流れていくのは悪くない」
ゆっくり時を過ごすことも大切なのだと改めて感じる。
そして、緩やかな時の流れを満喫できるのはきっと…――唯阿は大二の顔を見つめる。(このとき、唯阿はふんわり微笑んでいたのだけれど自分でわかってなくて、大二がその微笑みにトキメいていることも知らない。)
彼と瞳(め)が合う。瞬間、ふたりは視線を逸らす。
「“夏の大三角形”、学校で習ったなーって思いました」
「天の川の伝説とか星座の神話とか本を借りたなぁと懐かしくなったよ」
「星とか宇宙とかそういうの好きなんですか?」
「そうだな…昔はよく読んでいた。今では本を読まなくなってしまって…。
今でも星は好きだよ。最近は夜空を見るなんてことしなくなったがな」
「そうなんですか…
俺も小さい頃は星や宇宙に興味があって図書館で読んだり調べたりしてました。…今はそんなことしてないですね…」
「だから、今日はとてもいい機会だった。誘ってくれて…ありがとう」
ストレートにお礼を言うのは正直 恥ずかしいのだけど、自分が嬉しいと思っている気持ちを伝えたくて、ありがとうを言葉にする。
彼は、よかったぁ…と溢して
「喜んでもらえたなら嬉しいです」
はにかむ。
「……っ、」
唯阿は俯いて、スイーツを口にする。
唯阿が大二のはにかみ笑顔にキュンとしていることを大二は知っているのだろうか…。――多分わかっていないだろうな…と思いながら、唯阿はドリンクを飲み干す。
(余談だが、唯阿も自分が無意識のうちに浮かべるやわらかな微笑みで大二をトキメかせていることに気づいていない。) - 79二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:19:00
唯阿と大二はカフェを出る。
雨は上がっていた。雲が散って鉛色の空の隙間から陽の光が降り注ぎ…
「あ、虹!」
大二が指を差す。
彼の言うように七色の虹が雲と雲に掛かっている。
「雨上がりの空気、いいですよね。澄んでいる感じが」
「あぁ、そうだな。雨上がりは虹もクリアだ」
「帰りましょうか」
ふたりは並んで歩く。…相合傘ではないから一定の距離を保って。肩と肩がぶつかっただけでドキッとしたのに、一定に保たれたそのスペースが淋しい。
もっと近づいていいのに…――そんな恥ずかしいことが内心 響いているけれど、言えるはずない。
素直になれない自分を唯阿が恨めしく思ったところで、
唯阿の手に、なにかが触れた。
それが、大二の手、とわかると――唯阿の鼓動が高鳴る。
「手…繋ぎたくて」
鼻の頭を掻く彼の仕草にキュンとする。
「……いいよ…」
―――私も繋ぎたいから…
声にならない想いを籠めて、唯阿は大二の手を握り返す。
唯阿の家まで送ると、大二はそれでは…と背を向ける。その背中に言葉を掛ける。
「今日も楽しかったよ。懐かしさを感じたし新しい発見もあった」
「よかったです」
にっこり笑む大二に、唯阿は
「いつか…本物の星を見に行きたいな」
できるだけにこやかな笑顔を見せる(果たしてちゃんと笑えているだろうか…)。
「はい!それじゃあまた!」
大二が爽やかに手を振って帰って行く。唯阿は彼の後ろ姿を見送った。
雨上がりの空にはまだ虹が掛かっている―――。 - 80二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:33:30
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- 81二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:33:58
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- 82二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:35:19
想い合っている大二と唯阿さんいいなぁ…
- 83二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:35:30
プラネタリウム…ロマンチックだ…
- 84二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:37:00
ラブラブというより想い合っているって表現がしっくりくる2人よね
- 85二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:37:30
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- 86二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:39:00
唯阿さんと大二のデート、オシャレ~
- 87二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:39:19
大二と沙羅さん、景和と祢音ちゃんの方も楽しみにしてるよ~
- 88二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:50:19
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- 89二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:50:33
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- 90二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:50:58
以上、代理投稿・レスしましたー
いくつかコピペミスしてしまったり文の途中で送信してしまったりして申し訳ありません…
ここからは皆さんで盛り上がっていきましょう! - 91二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 19:55:17
書き手です
スレ主さん、一気に投稿レスするのは大変だったでしょう…ありがとうございます!
ギーツ本編リアタイできなかったので先刻 観たのですが、
………。言葉が出ない…
ちょっと横になってくるわ - 92二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 22:30:00
書き手さんだーよかったー
一週間ネットに触れずギーツをリアタイできない諸事情ってなんだろう… - 93二次元好きの匿名さん23/06/19(月) 23:19:00
私事でお恥ずかしいのですが、先週の日曜日に家の階段を踏み外して転がり落ち、足と両手首を捻って、一週間安静にしてました
両手が自由に動かせないのでパソコンもスマホも触れなくてテレビがある部屋まで移動するのもままならない感じでして…今日ようやく復活した訳であります
そ れ で。ギーツ最新話なんですけど、
沙羅さん…
桜井姉弟曇らせが過ぎませんかね…
鞍馬財閥とんでもないことになっとる…祢音お労しい
道長も見ていて苦しい
あと、このスレの大二めちゃくちゃ曇る
“光”の存在・桜井姉弟があんなことになるし道長とも交流させたのでここからどう関わらせて話運びをいい方向へ進めようか頭を抱えてます
でも、ハッピーエンドにしたい…景和と祢音・大二と沙羅をハッピーエンドにしたいんだ…!!頼むぞ公式…!
桜井姉弟と祢音に幸あれ…!!
- 94二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 10:27:49
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- 95二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 19:38:23
前スレ主です
余計なお世話かもしれませんがまた荒らしが出たときの避難所としてzawazawaというサイトでこちらのスレを作りました
アカウント性のサイトではございますが特定のメンバー以外見ることができないようになっている他匿名でも投稿できるようになっておりますがいかがしますか?
一応他にもzawazawaだとスレ落ちというのがないのがあります - 96二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 22:00:00
スレ主です
前スレ主さん、ご提案ありがとうございます
皆さんの意見を伺って決めたいと思います
よろしくお願いいたします - 97二次元好きの匿名さん23/06/20(火) 22:17:00
書き手です
私は現スレ主さん・皆さんの意向に従いますが、遅筆なのでスレ落ちがないというのは有り難いですね - 98二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 09:28:10
保守
- 99二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 11:59:27
- 100二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 21:04:08
- 101二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:19:50
- 102二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 08:52:59
自分は他サイトでも問題ないですが流れに任せます
- 103二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 17:19:05
或人と唯阿さん今度はどんなデートをするのかな
- 104二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 23:55:00
保守
- 105二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 10:19:17
今日は梅雨の晴れ間。
唯阿は或人と海へ行くことにしている。或人と出掛けるのは、景和・祢音も一緒だったお花見以来。ふたりで、となると遊園地以来だから久し振りだ。
『海に連れてってくれ』。――遊園地を出る間際、唯阿が投げ掛けた言葉。或人はそれをちゃんと憶えていて、初夏を過ぎるこの時期に誘ってくれたのだ。
唯阿は白とネイビーのボーダーカットソー,スカイブルーのスラックスパンツに着替え、髪を三つ編みにセットする。バイクで迎えに来てくれるという或人を待つ。
ピンポーン ――来たようだ。
唯阿がドアを開ける。
「お待たせ」
笑顔の或人に行こう!と促され、ウエストバッグを背中に斜め掛けしフラットシューズを履いて唯阿は家を出た。
「はい」
或人がオフロードヘルメットと…パーカーを差し出す。
「パーカー…」
「バイクで走るの、結構 寒いから。俺ので申し訳ないけど」
「!あ、ありがとう…」
唯阿は受け取って、パーカーを羽織りヘルメットを装着する。
彼がバイクに跨がったのを確認してから
「乗るぞ」
一言 声を掛け、唯阿はリアシートに座った。
「しっかりつかまってて」
「わかった」
或人に言われるまま、彼の腰に腕を回す。 - 106二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 19:19:32
『バイク…後ろに乗せてくれるんだろう?』
『海に連れてってくれ』
遊園地の帰り際、夕陽に照らされた唯阿の、キラキラの笑顔を、或人は憶えている。
バイクで海まで行こうよと誘ったのは、或人が‘あの’日‘あの’ときの唯阿の言葉と眩しい表情を大切にしていたからだ。
覚えていてくれたのかと驚いたように言う唯阿の声に微か弾むような色が滲んでいる気がして、或人が嬉しくなって約束したじゃん!って返すと、彼女はそうだな…と素っ気なく洩らしたけれどそれは照れ隠しと或人は知っているから可愛いなと密かに笑みを浮かべたのだった。
そうして迎えた海までツーリング当日。
乗るぞ、と一言 声を掛けて唯阿がリアシートに座る気配がする。
そう言えば…女の子をバイクの後ろに乗せるのは初めてだな。――今更、ふとそんなことが頭を過る。
―――なんだか急にドキドキしてきた…!
心臓がバクバクしているのを悟られないよう、
「しっかりつかまってて」
と言えば、
「わかった」
唯阿は或人の腰に腕を回す。
腰に回された掌から、彼女のぬくもりが伝わってきて…、――トクンとなる。
―――やばい…近い…///
「社長さん、どうした?」
気遣わしげな唯阿の声に、内心うっとなる。――唯阿を意識してしまう。
「う、うん。大丈夫」
或人はこっそり息を吐く。
それから
「じゃ、出発するよ」
或人はバイクのエンジンを吹かせた。 - 107二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 00:17:17
バイクは風を切って走る。
確かに上着がないと肌寒いかもしれない。――唯阿は或人の背を見ながらパーカーを貸してくれた彼に感謝する。その背中を見て、彼も男の子なんだなぁと思う。歳下だから今まであまり意識していなかったけれど、骨格がしっかりしていて或人が男子であるということを実感する。と同時に、気恥ずかしさも覚える。顔が熱い気もするけれどたぶん気の所為、風が気持ちいい。
しばらくすると海が見えてきた。
或人がバイクを止める。
「着いたよ」
バイクから降りヘルメットを取る彼に倣って、唯阿もリアシートを降りてヘルメットを外す。
ふたり分のヘルメットをハンドル部に提げて、或人が
「行こう、刃さん!」
笑い掛けてくる。
その笑顔に、唯阿は一瞬 言葉に詰まった、直ぐに、そうだな…と頷けば…――或人は海へ駆け出している。
―――まったく…
唯阿は子供みたいにはしゃぐ彼をしょうがないな…と思いつつも、その口許は僅か緩んでいる(そのことに唯阿自身 気づいていない)。
唯阿も砂浜に立つ。
目の前に広がる碧い海。水平線の先まで続く蒼い空、白い雲。
「晴れてよかった…」
「梅雨の中休みでタイミングばっちりだったな」
「うん!」
海岸は人が疎らだった。
「人、あまり多くないな」
「貸切みたいでいいでしょ!」
「あぁ、そうだな」
楽しそうな或人にそう返すと
「仕事帰りとか休みの日に海までバイクを飛ばしていて…気分転換にね。家の近くの海岸、何ヵ所か行って…‘ここ’はそんななか見つけたんだ」 - 108二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 00:19:17
おそらく嘘ではないだろう。ただ…それだけじゃない、直感する。
その直感は
「刃さんと一緒に来るなら‘この海(ここ)’がいいって思って…」
という或人の台詞で確信に変わる。
『海に連れてってくれ』
‘あのとき’自分が放った一言を、彼は憶えていてくれて。それで、捜してくれたのだろう。“イイカンジ”の場所を。
本当に…
――― 一所懸命な人だ
そう思いながら、それでも
「そうか」
唯阿は愛想のない返事しかできない。
我ながら可愛げがないと唯阿が嘆いているところ、或人は自分のつれない態度を気に留める素振りもなく、こう続ける。
「だから、今日、いい天気で本当によかったよ」
にっこり笑う彼が眩しい、から、直視できなくて、唯阿は目を逸らして
「いい所だな…連れてきてくれてありがとう…」
口早に綴る。
そして、
或人の方を向くことなく、
唯阿はシューズを脱いで波打ち際へと走った。 - 109二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 12:00:01
彼パーカー!
- 110二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:30:00
唯阿が脱いだ靴を片手に、反対の手でズボンの裾をたくし上げ、波打ち際を歩いている。
その姿を〈絵になるなぁ〉と或人が眺めていると、振り向く彼女に。
「社長さんもこっちに来ないか」
声を掛けられた。その表情は日の光を浴びて輝いている。
或人は彼女の下へ駆け寄って、ふたり並んで歩く。…並んでいるものの、間を開けて。腕を振って歩いているから手が触れそうになる、けれど、絡むことはない。
特に会話はないけれど、或人は時々、唯阿の方を窺い見る。彼女は開放的な気分になっているのか纏う雰囲気がふんわりしている。こっちまでほんわかとした気持ちになってきたところで、
唯阿と、瞳(め)が合った。
刹那、ふたりは見つめ合って…。
顔を逸らす。
互いに照れてしまって、或人は海の方に目を遣り、唯阿は砂浜に視線を落とす。
その状態でしばらく歩いていたのだけど、一瞬、彼女の指が或人の手の甲に当たった。
次の瞬間、唯阿が弾かれるように或人から距離を取る。或人は思わず手を伸ばそうとして、
「あ!」
突然、彼女が指差す。
…“なにか”見つけたみたいだ。
走っていく唯阿に、伸ばし掛けた或人の手は行き場を失くし。その手を降ろして、彼女の後を追う。 - 111二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 09:17:19
唯阿が見つけたのは…
「貝殻…」
うん、と肯いて、彼女はその薄っすら透き通った貝殻を拾い、指で摘まんで空に翳す。
「綺麗~」
洩らす彼女の顔こそ綺麗だ。
見惚れた或人はまた早鐘を打ち始める鼓動を抑えて
「貝殻、まだあるかもしれないよ」
探そう!と促す。
ふたりで砂を掘る。黙々と掘り続けて…砂の中からちらりと覗く白く光るものに目が留まった。
貝殻かな…――或人は手を伸ばす、と、同じく唯阿も手を伸ばしていて。
…手と手が触れ合う。
時が、止まる。
彼女がパッと手を引っ込めた。
或人は白い貝殻を拾うと、
「刃さん、手を出して」
そっと言った。
唯阿がこっちに手を差し出す。その、掌に貝をのせる。
「そしたら、社長さんも…」
言われて或人は手を彼女の方へ。
唯阿は彼女が拾った半透明の貝を或人の掌にのせてくれた。
或人は自分の手にのせられた貝殻を見、唯阿に眼を遣る。
彼女は微笑んでいる…。
だから或人もにっこり微笑み返し、――ふたりは笑い合った。 - 112二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 19:37:31
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- 113二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 23:58:00
唯阿はウエストバッグからハンカチを出して或人にもらった貝殻を包みバッグに仕舞う。(或人も貝殻をハンカチに包みウエストポーチに入れたようだ)
と、そこで。
「刃さん、」
或人がこちらに手を差し伸べる。
「!」
唯阿は息を呑んだ。
ゆっくり或人の方を見れば、朗らかな笑顔があって。
ドキッと心が跳ねる。
顔が熱い。
いまの自分はきっと頬まで真っ紅だ。見られたくなくて、俯こうとして…できない。
彼の、あたたかな眼差しに、捕えられてしまった…。
顔を背けようとして…或人の瞳に捕まって視線が逸らせない。
唯阿は差し伸べられた或人の手を取った。
或人に手をぎゅっと握られる。
「 っ、」
唯阿が胸を高鳴らせていることをたぶん気づいていない或人はそのまま彼女の手を引いて歩き出す。
唯阿は繋がれた手に意識がいってドキドキが止まらない。
「よかった…」
或人が呟く。
「ずっと…刃さんと手を繋ぎたかったんだ… だから…」
拒まれなくてホッとした…。そう打ち明ける彼に、ますます鼓動は早くなる、けれど、
「わ、私は…」
或人にきちんと伝えないと…と唯阿は言葉を紡ぐ。
「社長さん、となら…――手、……繋ぎたい…」 - 114二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 11:01:46
保守
- 115二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 21:30:00
「わ、私は……社長さん、となら…――手、……繋ぎたい…」
ふたりの間を風が通り抜ける。
「そっか…」
或人は照れ笑いをして、
「あっちに海の家があるから行こう」
お昼、食べるでしょ?と尋ねる。
「 ぅん…」
首を小さく縦に振る唯阿がかわいい。
唯阿が靴を履くの待って、或人は再び手を差し出す。
彼女が手を掴む。…今度は躊躇わず掴んでくれた。或人はそれが嬉しくて、舞い上がる。
それから、或人は唯阿と海の家へ向かう。
繋いだ手のぬくもりに、彼女を強く意識する。胸の鼓動がうるさい。この心音が唯阿に伝わっていたらちょっと恥ずかしいなと思いながら、でも――この手を放したくはない。
波音を聴きながら、足を進める。
海の家に着くまでふたりは無言だった。 - 116二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 09:00:10
保守
- 117二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 19:30:17
ふたりは海の家に入り席に着くと、早速 注文する。
店内も然程 混んではなくて、本格的に夏になる前に来て正解だったようだ。
しばらくして料理が運ばれてきた。
焼きそば,フランクフルト,焼きとうもろこしといった定番メニューが並ぶ。
「「いただきます」」
ふたりは手を合わせる。
「海なんていつ振りだろう。
大学は研究漬けだったし…最後に来たのは高校の頃かな」
フランクフルトを頬張り、呑み込んでから唯阿が話す。
或人は焼きそばを啜るのを止め
「俺は芸人時代、仕事が入ってない日にネタ探しも兼ねて来ていたよ」
‘ここ’じゃないけどね、と返す。
談笑しながら食事は進む。
焼きとうもろこしを1本ずつ取って噛りつく。
「このとうもろこし、甘いね」
「そうだな」
そこへ、スイカが出てきた。
「スイカ、今年これが初物だ!」
「私もだ」
ふたり仲良くスイカを食べる。
デザートは――かき氷。
或人はレモン味、唯阿はちょっと珍しいマンゴー味を頼む。
「んー」
口許を緩める唯阿に、或人は目を細めて
「おいしいね」
笑う。
半分ほど食べたところで交換する。
「こっちもおいしい~」
唯阿がにこにこしているのを見ると、こっちも嬉しい。或人はにっこり笑顔になる。 - 118二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 23:19:17
おいしいものを食べるとニコニコになる唯阿さんかわゆ
- 119二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 09:17:19
昼食を終え会計を済ませると、
或人は唯阿に投げ掛ける。
「砂の城、作らない?」
口に出してから〈子供っぽいかな…〉と思った、けれど
「砂のお城か… いいな」
唯阿が受け入れてくれて安堵する。
浜辺の管理人室で“砂の城”を作る為の道具を借り、ふたりは海辺へ。
砂浜にしゃがんで取り掛かる。
底が抜けたバケツに砂を入れ、海水を入れてスコップで混ぜる。或人と唯阿は黙々と手を動かしてバケツの中で砂を押し固め、城を作りたい位置に積み上げて山を作る。バケツを持ち上げ取り去って、スコップでおおまかな形を削り出す。これで、城の土台は整う。
ヘラで模様を描いたり石等を埋め込んだりして飾り付ける。
「「できた~」」
砂の城が出来上がった。
ふたりで造った砂のお城。――出来映えに或人は笑みを浮かべて唯阿と顔を見合わせる。彼女も満足気な表情。
折角だからとその砂の城と記念撮影。
お互い撮り合いっこしていると…、ビーチに遊びに来ているカップルと思しき男女がふたり一緒に撮りましょうかと言ってくれて、ご厚意に甘えて撮ってもらった(お返しにこちらもそのカップルのツーショット写真を撮った)。
その後、名残惜しいけれど城を崩して土に還す。
道具を管理人室へ返却しに行って、或人と唯阿は海岸に。
ふたりして波打ち際に座り、地平線へ目を遣る。
おひさまが沈んでいって夕焼け色に染まる海。波音が、耳を通る。
或人は唯阿の手に自分の手を重ねて。彼女の横顔を見つめる。
と、唯阿もこっちに顔を向ける。彼女は目を大きく見開いて戸惑いの色を見せたけれど、すぐにやわらかく笑んだ。
夕陽に照らされた、唯阿の、その笑みは、とても綺麗だ。
或人は胸がドキンとしながら、
「帰ろうか」
唯阿に声を掛けると、彼女はそうだな…と応えた。 - 120二次元好きの匿名さん23/06/28(水) 20:18:20
保守
- 121二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 00:19:17
砂の城作り楽しそう
- 122二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 09:17:00
唯阿はヘルメットを被り、行きと同じようにバイクのリアシートに跨がる。
そうして、或人の腰に手を回した。…やっぱり、緊張する。海(ここ)へ来る時も或人の腰に腕を回してバイクに乗ったのに、そのときもドキドキしたのに、いまもドキドキしている。――慣れない。目の前にある彼の背中に、彼を間近に感じて…。慣れない。
こんなに鼓動が高鳴っていること、或人に知られたくない(恥ずかしいから)。
だから、唯阿は気づかれませんように…悟られませんように…と祈りながら、俯いている。
バイクは緩やかに道を滑る。
唯阿はふと、先刻までいた海を見遣る。
沈みゆく太陽に水面がきらきらと煌めいている。
今日のことを思い返して、海を満喫したなーという気持ちと海から離れて(もうすぐデートが終わることが)淋しいな…という気持ちが混じり合う。
だから、茜色に染まる空と夕陽が水平線に沈み溶けて拡がるみたいに輝く海を目に焼きつけておこうと、唯阿はじっと眺めた。…その海が見えなくなるまで。 - 123二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 19:19:00
唯阿の家の前に着いた。バイクが静かに止まる。
唯阿はバイクから降り、ヘルメットを或人に返す。
「パーカーは洗って返すから」
「え、そんな…いいのにー」
「いや、そうはいかない。ちゃんと洗濯しないと」
「わかった…。ありがとね」
「それはこっちの台詞だ」
「?」
首を傾げる或人に、唯阿は告げる。
「今日はありがとう。海に連れてってくれて」
「!うん!」
「 っ、」
無邪気に笑う或人が眩しくてでもそんな彼のやさしさに少しでも応えたくて
「………楽しかった……」
想いを綴る。
「よかったぁ!俺も凄く楽しかった!」
「~~~ッ///」
或人の素直に喜ぶ様子に、唯阿はどうしても照れが生じて額に手を当てる。
「……」
急に押し黙った相手に、唯阿は或人の顔を窺い見る。
「社長さん、」
「…え、っとぉ…じゃあ…」
しどろもどろになっている彼に、もしかして…と思う。
家に帰ると言い出せないのか…。――デートがもう終わるから…?
海に沈む夕陽を見て淋しくなった自分と同じように、彼も淋しさを感じているのだろうか… - 124二次元好きの匿名さん23/06/29(木) 23:19:00
保守
- 125二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 09:19:00
「次も楽しみにしている」
唯阿は、言った。
「!」
すると、或人は瞳を瞬かせて、うん!と力いっぱい肯く。
「また連絡するよ」
「待ってる」
「それじゃ」
或人はバイクに跨がり、手を振って去って行く。
バイクが見えなくなってから唯阿は家の中へ入った。
リビングの戸棚から硝子瓶を取ってテーブルに置く。ウエストバッグからハンカチを出し、解(ほど)く。
中には――貝殻が入っている。或人がくれた、白く綺麗な貝殻。
‘その’白い貝殻を硝子瓶にそっと入れて。自室の机の上に飾った。
唯阿は硝子瓶の中の“白い貝殻”を見て、やさしく微笑んだ。 - 126二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 21:00:34
このレスは削除されています
- 127二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 21:00:51
このレスは削除されています
- 128二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 00:17:00
ふたりともかわいいなー
- 129二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 10:17:19
- 130二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 21:30:30
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん23/07/01(土) 23:30:02
浜辺で追い駆けっこするつうベタな展開が一瞬浮かんだけど或人と唯阿さんはしないなってなった
- 132二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 09:19:00
「私をつかまえてみて」と言いながら浜辺を走る唯阿さん…想像できないな確かに
- 133二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 21:00:17
貝殻、綺麗~ってなっている唯阿さん乙女
- 134二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 08:19:17
このレスは削除されています
- 135二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 19:19:00
「私をつかまえてー」はしないけど「貝殻きれい~」はする唯阿さん
- 136二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 23:30:17
甘酸っぱい
- 137二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 09:50:02
保守
- 138二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 21:09:30
このレスは削除されています
- 139二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:19:00
- 140二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 10:19:17
- 141二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 21:33:00
- 142二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 23:19:00
- 143二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 09:47:06
このレスは削除されています
- 144二次元好きの匿名さん23/07/06(木) 21:19:19
- 145二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 08:41:50
このレスは削除されています
- 146二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 10:19:00
彼パーカー!言われてみれば…!書いていて気づきませんですた
書き手も気づいてないのだから或人も当然そんなつもりないですね(笑)
唯阿さん食べることが好きっぽいので
一貫ニギローの回でお寿司をおいしそうに食べる唯阿さんを或人は知っているから唯阿さんが食べているとこ見るの好きだと思うんだ
ふたりに一緒に何かしてほしくて共同作業で同じゴールを目指すものと考えたとき浮かんだのが砂の城
“ひとつのものをふたりで創る”の、いいじゃん って
かわいい、ですか!甘酸っぱい、ですか!
或人×唯阿は《中学生みたいな恋愛》がテーマなのでそう言ってもらえると嬉しい
私も〈もどかしさいい…〉と思ってます
賛同してくれたようでありがとう
ちょっと唯阿さんの乙女なとこを表現したくて少女のように綺麗な貝殻を拾って空に翳し見る場面を書いたのだけど伝わっているみたいでホッとした
唯阿さんつれない素振りをしてますけどこれは心の底にまだ少し負い目があるからという設定 たぶん或人に対するこの“負い目”を完全に拭い去ることは難しいのじゃないかなと妄想しています
或人から向けられる好意が真っ直ぐ過ぎて戸惑って素直に真正面から受け止め切れない唯阿さん なのです
ギーツ重いよね…
私のSSが癒しになっているならよかった
- 147二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 10:19:17
- 148二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 20:19:00
- 149二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 23:55:00
七夕ネタ
景和と祢音の場合
「景和、お星様になにをお願いしたの?」
「“世界中の人が幸せになれるように”かな」
「ふふ。景和らしいね!」
「祢音ちゃんは?」
「それはね…――ナイショ!」
「えー、ズルいよー」
「エヘ」
言えるわけないよ。
だって、
景和とずっと一緒にいられますように…景和と沙羅さんが笑顔でいてくれますように…
なんて――恥ずかしくて…言えない…
祢音は、笑って誤魔化すけれど。
実は景和も星に願ったことを隠している。
―――祢音ちゃんと姉ちゃんが幸せでありますように
景和の本当の願い。それは、笹の葉に結ばれた短冊だけが知っている―――。 - 150二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 23:55:19
或人と唯阿の場合
「社長さんは何をお願いしたんだ?」
「“皆が笑顔になりますように”だよ」
「そうか、社長さんらしい」
「刃さんは?」
「秘密だ」
「えー」
「知らないのか?女性は秘密を着飾ることもあるんだ」
「そうなんだー
(でも、そんな内緒話みたいなことを打ち明けてくれて…俺に心を許してくれているのかなぁ。だったら嬉しいな)」
「…にこにこと楽しそうだな」
「刃さんと、一緒に七夕を過ごせて嬉しいんだ!」
「 ~~~ッ///」
にっこり笑う或人と照れ隠しに夜空を見上げる唯阿。
けれど、ふたりとも星に願ったことを隠している。
或人が本当に願ったことは…
―――刃さんが笑顔でいられますように
そして、唯阿が願ったのは…
―――社長さんが笑顔でいられますように
奇しくも、ふたりは同じ想いであった。 - 151二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 23:58:00
大二と唯阿の場合
「君の願いはやはり“世界平和”か?」
「いえ。世界平和は自分の手で一歩ずつ進んでいきたいので」
「そうか(微笑)
(相変わらず真面目だな)」
「…と言っても、俺の力は微々たるものなんでしょうけど」
「そんなことないだろう。君は一所懸命だ。本当によくやっている」
「!…ありがとうございます……」
「それでは君は星に何を願ったんだ?」
「…ごめんなさい、言えません…」
「?」
「人に話したら叶わないって言うじゃないですか」
「あーそうだな」
「刃さんが何をお願いしたのか気にはなりますけど…
今日こうして刃さんといられて嬉しいから…――願いがひとつ叶ったなって…
だからそれで充分です」
「 っ、そうか…///
そしたら…――来年も一緒に七夕を過ごそう」
「!はい(微笑)」
はにかむ大二とそんな彼に微笑み返す唯阿。
ふたりは雲の切れ間から覗く天の川を眺める。
―――刃さんが幸せでありますように
―――五十嵐くんのこれからの人生が幸せで満ち溢れるものでありますように
ふたりの願いは揃って相手を想うもの。
七夕の夜、大二と唯阿の願いを綴った短冊が風に揺れていた―――。 - 152二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 10:30:00
保守
- 153二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 19:19:19
- 154二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 23:19:17
3組とも互いに相手を想っていていい…
- 155二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 11:13:58
保守
- 156二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 19:19:00
- 157二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 23:19:19
ほんと本編しんどい…
- 158二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 10:36:33
保守
- 159二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 19:19:00
沙羅さん本編でどうなるかわからないけどハッピーエンドだといいな