鬼龍「学園都市?」

  • 1二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:23:30

    ムフフ……鬼龍を学園都市に送るのん

  • 2二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:24:32

    懐かしいを超えた懐かしい

  • 3二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:29:01

    木原脳幹「君か、別世界からの来訪者というのは」
    宮沢鬼龍「なんだ、犬が喋っている・・・」
    「そこまで珍しいことではない、ところで君は何しにこの世界へ来たんだ?」
    「特に予定はない、朝起きたらいつの間にかここにいただけだ」
    「なるほど、それは災難だったな。出来れば体を見せて欲しいのだが、別世界からということは私達の知らない細菌で体が汚染されているということ、精密検査を実施したいのだが、よろしいかな?」
    「お前の後ろにあるオモチャの中身次第だな、まさかそんなものを振り回すつもりか?」
    「これ(A.A.A.)について君が知っておくべきことは何もない、一瞬で終わるから安心したまえ」

  • 4二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:29:53

    >>3

    えっ

  • 5二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:30:08

    そういうネタかと思ったらわりと気になる本文が投下されていて静観を決めたのは俺なんだよね

  • 6123/06/21(水) 22:31:00

    ムフフ……楽しみなのん

  • 7二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:31:10

    >>5

    因みに>>2>>1じゃなくてワシが勝手に始めたことでもうネタ切れ起こしてるから続きはないらしいよ

  • 8二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:31:35

    なにっ

  • 9二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:31:58

    >>6

    お前じゃねえのかよえーっ


    >>7

    はうっ

  • 10二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:32:13
  • 11二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:33:48

    許せなかった…懐かしき台本SS形式の良作クロスオーバースレと見せかけて1でもなんでもない気まぐれなマネモブの単発ネタだったなんて…!!

  • 12二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:33:49

    >>10

    だったら鬼龍の時系列と戦い方とエミュ方と動物に対する扱い方を教えてもらおうかぁ

    TOUGH30話無料で気になってから5巻まで読んだけどまだそこまでなんだよ

  • 13二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:34:43

    >>12

    しかも未読蛆虫だなんて…こんなの許せない…

  • 14二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:37:28

    もしかして第6位の正体は猿空間送り&後付け設定の能力者の猿先生なんじゃないッスか?

  • 15二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:39:13

    尊鷹をとある世界に召喚したらグレートスピリットの力で最強クラスになれるんじゃないかと思ってんだ

  • 16二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:39:41

    学園都市ヴァラノワールかと思ったのは…俺なんだ!
    いいやアスタリスクということになっている

  • 17二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:40:06

    >>14

    猿空間送りなら上里がいるし設定変更ならアリスが近いことできしIf世界想像なら全盛期オティヌスができるんだよね

    後第六位は能力を授ける能力者って創約2巻の描写から予測されてるらしいよ

  • 18二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:40:57

    無理のない導入を見てほう…1の筆力が出ていますね

    と思ってたら>>6で呑気に楽しみなのんとか1が言ってて笑っちゃったんだよね

  • 19二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:41:44

    学園都市SSは無理です
    アニメ1期の範囲で知識が止まってますから

  • 20二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:43:04

    >>19

    まぁ気にしないで、殆ど1巻で終わりもしくは2巻飛ばして3巻で終わり、どこまで行ってもアニメ1期で終了とかザラですから。

  • 21二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 22:43:35

    ちなみにギーシュとセシリアを倒したところで話は終わるらしいよ

  • 22二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:16:37

    >>21

    ゼロ魔クロスSSの抜きどころ(とりあえずボコったらスッキリしてそこでエタるSS多数)として有名なギーシュくんやん元気しとん?

  • 23二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:18:53

    >>3

    その瞬間、鬼龍は前へと駆け出していた。

    (背後のは詳しくは見えないが恐らく遠距離から撃ってくる大砲のようなもの、弾丸滑りも通用するかは不明瞭、まずはあのオモチャ自身が自らの攻撃で暴発しかねないような位置へ移動する)

    対して木原脳幹はそこから一歩も動かなかった、彼が取りたい行動にはA.A.A.そのものが反応した、攻撃も可能なアームが一つ動き鬼龍の体へ直接攻撃を加えた。

    「フンッ!」

    当然予測できた行動ではあったので両腕をクロスし衝撃吸収、その後A.A.A.から追撃のレールガンが放たれるがギリギリ真横に転ぶことで回避、走るのと同じ速度で匍匐前進をし木原脳幹を仕留めにかかる。

    「ゴリラとは戦ったことあるが今度は犬が相手か、俺の世界にも犬型サイボーグがいたが、これはまるでGKドラゴンとD-51のタッグだな」

    「聞いたことない単語だが、もしこちらで再現できたら学園都市風にアレンジしたいものだね。別世界の技術などロマンがある」

    「ほう、芸術を理解する犬か。葉巻からしてセンスの良さも確認できる」

    走る鬼龍に対し脳幹は軽く飛びA.A.A.のアームの一本に着地、カウンターとばかりにガトリングの連射をお見舞いし、その数発が鬼龍に直撃し鬼龍は1m程吹っ飛ばされた。

    「弾丸滑り!」

    「なるほど、体表面で弾丸を滑らせる技術を持っているのか。ではこれならどうだろうか?」

    A.A.A.が何か白いものを吐いた、それは-180度を下回る我々に欠かせないもの。

    (液体窒素か!)

    鬼龍はコートの中から2本の針を取り出した後脱ぎ、前面の液体窒素へ投げることで一度限りの盾にした、その後針を凍り付いたコートの下から通すように投げ放つ、針は変化球の様に折れ曲がり脳幹の両目を狙う。

    A.A.A.側はそれを感知しており大砲で撃ち落とそうとしたまさにその瞬間だった。


    バシュ‼︎と複数の緑色の閃光が鬼龍と脳幹の間を貫き針をこの世から消した。

    「ったく騒がしいっての、こっちは『スクール』との抗争中なんだから面倒ごと増やさないでほしいんだけど」

    「でもさ麦野。結局音が騒がしいからって薮蛇したのはこっちなわけよ」

    「フレンダ、敵か味方かなんて関係ないの。今は流れ弾一つで戦局が変わりかねないんだから」

    「私も麦野に超同意です」


    (なんだ、あの少女達は?)

    鬼龍が目を前に戻すといつの間にか犬は機械と一緒に消えていた。

  • 24二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:29:18

    なにっ 結構面白いっ

  • 25二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:30:39

    >>23

    戦闘妨害で中断入ったけどこれやっぱりおじさんじゃ続けてたら勝てなかったんスかね?

  • 26二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:32:30

    あうっ…なんだかんだ続くのかあっ
    ムフフ…楽しみなのん

  • 27二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:33:48

    >>25

    別に鬼龍は負けても良いんだァ

    二度と戦いたく無いと思わせられればなァ

  • 28二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:39:58

    サイボーグ技術=駆動鎧技術
    とある世界ではサイボーグ技術と駆動鎧技術の行き着く先は同じなんや
    つまり対魔術式駆動鎧(AAA)を装着した大型犬で作中上位の戦闘力の脳幹先生は実質デゴイチと考えられる

  • 29二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:40:06

    なにっ台本形式かと思ったら普通に小説っぽい
    しかも意外と鬼龍のアクションが現実的…!
    地に足がついた感じで好みなんスけどこれ書き進めるのかなり大変じゃないスか

  • 30二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:45:40

    出てくるメンツも"メルトダウナー"のむぎのん
    "窒素装甲"の超絹旗
    "爆弾魔"フレンダ
    で良い感じに鬼龍!を操る力量が試されるんだよね、楽しくない?

  • 31二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:46:42

    脱いだコートを盾にしつつ死角から針射つのは普通にスマートで感心したんだよね

  • 32二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:47:27

    >>23

    液体窒素に対して小物でガードするあたりに凄い禁書風味のバトルを感じたのは俺なんだよね

    見事やな…(ニコッ)

  • 33二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:48:04

    >>30

    女性に対して鬼龍ってどう攻撃するんスかね?

  • 34二次元好きの匿名さん23/06/21(水) 23:50:05

    >>4

    実際学園都市に行って異世界から来ましたとか言ったらこうなるんだよね。怖くない?

  • 35二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 00:15:30

    ミスター鬼龍、投げっぱなしちゃっていいですか?

  • 36二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 00:16:50

    そも鬼龍って最終学歴はどうなってるのん?

  • 37二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 08:55:46
  • 38二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 10:51:03

    >>23

    「待て、一体なんだお前達h

    「はいは〜い、結局そういうのどうでもいいってわけよ」

    フレンダと呼ばれるスカートが翻りその中から音を立てて6発の何かが発射された。

    (これは・・・ミサイルのようなものか!)

    鬼龍は近くの壁を駆け上ったりしながらそれらの乱舞を回避していく(今更ですがここ室内です)。

    飛んできたミサイルをギリギリまで引き寄せ壁から飛び降り少し安心しようと思った刹那、真後ろから拳が飛ぶ。

    「超すごいパンチです」「!?」

    少女の細腕から繰り出されたその一撃は、明らかに少女に出せる力の量を超えていた。鬼龍はそのままノーバウンドで2〜3m程吹き飛ばされ近場の壁へ激突してしまう。

    (なんだ、先程のオモチャのガトリングの掃射よりも威力があったぞ⁉︎)

    「よし絹旗と距離が離れたな、おらおらおっさん!こっちのこと忘れてんじゃないよ!!」

    絹旗と呼ばれる少女が離れたと同時に麦野と呼ばれる少女が間髪入れずに緑色の閃光を何発も放つ、鬼龍は転がるように移動してそれらを回避、鬼龍が転がった方向には既に絹旗が拳を構えており鬼龍はジャンプすることで避けようとした。しかし、

    「結局、機動性が戦力ならその羽を捥いだらいいってわけよ!」

    フレンダが再び放ったミサイルが鬼龍の真上の壁に直撃、壁の建材が鬼龍と下にいる絹旗目掛けて落下してくる。

    (このままではこの少女も巻き込まれる・・・・・・女を攻撃するのは俺の意思に反するが、救出活動兼正当防衛だ)

    「ふんっ!」

    鬼龍は相撲の張り手の要領で絹旗を建材の落下判定の外へと弾き出し、手に違和感を覚える。

    (これは・・・・・・まるで手応えがない。硬い空気の壁を殴っている感じがしたぞ、とそんなこと考えている場合じゃないか)

    鬼龍は落ちてくる建材の一つを掴み、自らも建材の落下判定の外へと脱出しながら麦野と呼ばれる少女へそれを投げつけた。

    「ヒッ」「どきなフレンダ」

    勿論それらは一瞥されることもなく麦野の閃光により蒸発させられた。

    「灯台下暗し、意外と周りがお留守だぞ」

    「助けて、麦野・・・」

    そう、鬼龍は建材を投げ付け一瞬だけ麦野の視界が埋まったと同時に全力で走りフレンダの背後へ周りフレンダを手足で拘束していた。勿論人質になんてする筈もなくただ手足を拘束しているだけに留めているが・・・・・・。

  • 39二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 11:17:29

    >>38

    「待て、お前達と戦う気はない」

    「へぇそう、んでそれをどう信用しろと?」

    (・・・・・・やはり厳しいか)

    「いや、超少しくらいなら信用していいと思いますよ」

    そう言ったのは先程鬼龍によって建材の落下反対の外へと出された絹旗と呼ばれる少女だった。

    「このおじさん、私を超押し出してくれましたがその時の威力が銃弾と同等か超それ以上でした。しかも敵意が感じられませんでした、麦野はこのおじさんが私達に超攻撃しようとしたところを見ましたか?私を弾き飛ばす時も超張り手の要領だった気がします」

    「説明感謝するよ、おかげで手間が省けた」

    「あっそうそう、別に私を超見捨てても私は超無傷だったので」

    「・・・・・・無駄骨だったのか」

    (なるほど。俺と同じ格闘家か・・・・・・だけでは納得が行かない箇所があるな)

    「・・・・・・わかったわよ、今回だけは絹旗に免じて見逃してあげる。その代わり、ここでのこと喋らないって約束してね」

    「理解した、それよりここはどこなんだ?」

    「はぁ?あんた酔ってるわけじゃないでしょうね?目、覚まさせてあげよっか?」

    麦野の指先に閃光が集まる。

    「残念だが正常だよ」

    「おじさんおじさん言うのも超ちょっと面倒ですね、えっと・・・・・・」

    「鬼龍、宮沢鬼龍だ」

    「結局、聞いたことない名前ってわけよ。苗字は兎も角。あっ私は絹旗最愛です」

    「麦野沈利」「フレンダ=セイヴェルン」

    鬼龍は軽く息を吐いた、少なくとも名前を教えてくれるほどには信用してくれたのを見て安心したらしい。

    こんなところで訳のわからないままに防戦一方で戦い続けるのは鬼龍としても得策ではないからである。

    「しかし、お前達はどうするのだ?」「ん〜?」

    麦野は少し迷った感じで首を振った後少しした後口を開いた。

    「こんなところでドンパチして成果無しなのも怪しまれそうだし、そうだあの下っ端に仕事してもらうか、おっさんにも手伝ってもらうぞ」

    「何をだ?」

    鬼龍がそう聞くと麦野は当たり前と言った調子で答えた。

    「偽造死体の作成よ」

    そして数分後、浜面と呼ばれる下っ端に麦野は電話を掛け電話口でこう答えた。

    『死人が出たの。こいつの処分を頼みたいんだけど』

  • 40二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 11:18:00

    >>39

    その後鬼龍はフレンダにより施設の外へと送ってもらっていた。

    「結局、大サービスってわけよ。本来ならこんなことしないんだからね」

    「そうか・・・・・・」「じゃあね!ってわけよ」

    そう言うとフレンダは踵を返し仲間の元へと駆けていった。

    「さて・・・・・・やるべき事知るべき事は色々あるが目下最大の目標は」

    鬼龍は自分を一瞥してこう結論付けた。

    「脱いだコート買うか」

  • 41二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:22:29

    ムフフ…面白いのん

  • 42二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:23:12

    とあるキャラの奇抜な口調におじさんの普通の対応が意外と馴染んでて笑えるんだよね

  • 43二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:25:28

    >>39

    「結局、聞いたことない名前ってわけよ。苗字は兎も角。あっ私は絹旗最愛です」

    「麦野沈利」「フレンダ=セイヴェルン」

    ↓修正っス

    「結局、聞いたことない名前ってわけよ。苗字は兎も角。あっ私はフレンダ=セイヴェルンって名前よ」

    「麦野沈利」「絹旗最愛」

  • 44二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:25:42

    もう始まってる!

  • 45二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:26:13

    麦野おばさん…

  • 46二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:28:51

    おいおい鬼龍が情けなくないやん ゴリラ以降の最近の鬼龍でも法則の通じない猿世界でなければ活躍できるというわけか

  • 47二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:29:36

    俺見たことなかったんだよねこの手のスレでちゃんとss書いてるの

  • 48二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 12:33:01

    >>46

    >>3が未読だからと思われるが・・・

  • 49二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 13:37:27

    >>40

    「ありがとうございました〜!」

    鬼龍は近場のショッピングモールでコートと小物の買い物を仕上げた後、そんな店員の声を思い出しながら外を出歩いていた。

    (しかし、日本円を出した時に少し怪訝な顔をされたのには不思議に思ったな。あれは未知というよりは嘘を疑う目線だった、学園都市専用の貨幣というものが存在しているのか)

    鬼龍は店の中や外でそれとなく自分がいるこの街の様な場所についての情報収集をしていた。その情報曰く・・・・・・。

    (ここは学園都市と呼ばれる街であり、住人の8割が学生であり、にわかには信じ難いが能力開発が行われているということ。さっきの四人の女は能力者というわけか)

    (さっきネカフェに寄って詳しいことを調べようと思ったが、ただの量産ジャンクPCに軍事施設以上のセキュリティが敷かれているときた。聞き込み以上のことはしない方が良さそうだな)

    そして鬼龍は自らが闇にいた経験を活かし今の街の空気の正体を言い当てた。

    「監視が解かれた刑務所の中で木っ端の鼠共が暴れているのと似た感じだな、全体的に空気がピリついている。ここ街で何が始まっているんだ?」

    そして鬼龍はきな臭い匂いのする路地裏へと向かっていく、そこでは1人の少女が10人近い男達に囲まれていた。


    「嫌なの、やめてほしいの」

    「いいや、折角監視網が無くなった今だ。多少派手に動いてこっちの糧にさせてもらうぜ」

    「見ぐるみはいでこの場で撮影するか?鎖を一度つけちまえばもう逆らえねえだろ」

    「はっ!そりゃいいな‼︎ んじゃサッサと初めてちまう

    会話は最後まで続かなかった、下衆な男の顔面目掛けて鬼龍はドロップキックをしたからだ。

    「テメェ!一体どこのだ「邪魔だクソゴミ」

    鬼龍はもう片方の野蛮人の顔面を掴むとそのまま近場の壁へと叩きつけ顔を1cm程沈み込ませた。

    「ヒッ、お、お前俺達が『コントローラ』だとわかってねえんじゃね

    「下衆の存在など知る価値もない」

    わざわざ頼んでもない自己紹介をした男の鼻っ柱へ拳を叩き込み女を人質に取ろうとした野蛮人目掛けて先程壁に叩きつけた野蛮人の体を引っこ抜き投げつけた。

    「おい、ズラかるぞテメェら。どうせ警備員に通報されても『コンシェルジュ』が用意した隠れ家はそう簡単には見つからねえよ」

  • 50二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 13:40:24

    ふぅん、このまま裏ルートに入っていって浜面修行ルートか
    浜面にバースト・ハートを埋め込めッ

  • 51二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 13:47:01

    偉大なる物書きに勲章を与えたいよ

  • 52二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 13:57:24

    >>49

    ダン!という銃を弾く音を耳にした鬼龍は弾丸に合わせるように針を当て跳弾で弾いたやつの脳髄に逆に直撃させる、直撃を見るまでもなく駆け出していた鬼龍は逃げようと周りに指示した野蛮人を捉えワイヤーで縛り上げ腕力で手足の関節を外した後横に蹴ることで壁に押しつけた。

    (小道具は色々と買っておいたが、この街のはどれも質がよくて助かる)

    他のメンバーは既に撤退しており、それを少女自身も見ている為ホッと溜め息をしていた。

    「あ、ありがとうございますなの」

    「怪我はないか、なら近道も寄り道もせずに今日はもう真っ直ぐ家へ帰れ。空気がピリついている」

    「あの、私春上衿衣って言うの。ありがとうなの、おじさんも気をつけて欲しいの、後・・・・・・あまりその人のことは傷つけないでほしいの」

    「ふん、ずいぶん優しいんだな」

    そう言うと少女は路地裏の外へと走っていった。

    「さて」

    鬼龍は腰を下げ先程縛り上げた野蛮人へ視線を合わせる。

    「さっきの女にあまり傷つけるなと言われているが、別にそんな約束を守る義理は何もない。どうだ?俺の言う質問に全て素直に答えるか、俺の手で自白剤よりも効く手段で聞いてもいないことまで喋るようになるかどっちがいい?」

    「そうかよ、わかったそれじゃあ素直に話すよ。アンタには勝てそうにない」

    それを聞いた鬼龍はその男の頬をぶん殴った。

    「小細工は、やめろ。奥歯に何を隠してある?気絶剤か?」

    「ゴフッ、バレていたのか・・・・・・だが覚悟しておけ、これを聞いたらお前はもう逃げられなくなる」

    そうして男は観念した方のように話し始めた、今衛星との通信が途切れ監視網が一時的に消えていること、デカい暗部組織が抗争を起こしていること、それにチャンスだと気付いた自分達みたいな別の組織が動いていること、奥歯に挟んでいたのはcp-191という3ヶ月眠れる気絶剤ということ、その他色々。

    「はぁはぁ・・・・・・話したぞ、俺はどうなるんだ?」

    「ふん、どこにでも行け。ただし俺の前で二度とやるなよ、次は殺す」

    鬼龍は関節を嵌めた後ワイヤーを外してやるとその野蛮人は路地裏の奥へと駆け出した。

    「俺も歳を取ってヤキが回ったのか?まさか逃がすなんて選択肢を取るなんてな」

    鬼龍は野蛮人とは逆の方向、表の世界へ足を向け歩き始めた。


    次の能力者との会合、それは鬼龍の思うより早くすぐそこまで迫っていた。

  • 53二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 15:32:05

    >>52

    鬼龍が外を練り歩いていると、5分もしない内にまたきな臭い匂いを感じ取った。

    「まったく、人助けなんてあの偽善者がやることなんだけどな」

    鬼龍が向かった先は何の変哲もないオープンカフェであった。

    そこではイライラした高校生くらいの男が中学生くらいに見える少女に対して話しかけていた。

    「ああそうだ、お嬢さん。言い忘れていた事があるけど」

    「?」

    「テメェが最終信号と一緒にいた事は分かってんだよ、クソボケ」

    言いながら男は少女に拳を振りかざす。

    その光景を、鬼龍は目撃していた。

    拳速は普通より少し早い程度だろうが恐らくその少女の反射神経を考えると殴り倒された後に自分が殴られたことに気付く程度だろうと鬼龍は咄嗟に見抜きその男の拳を片腕で止めた。

    「なんだオッサン?」「今からお前は蛆虫だ」

    そう言うと鬼龍はその男の腕を持ち上げそのまま地面へと叩き付けた。

    「ぐっ!痛ってえな」

    男が立ち上がった時に既に鬼龍は拳を構えており追撃の姿勢を見せていた。

    (本来なら俺の領分ではないんだがな、折角だ使ってやる)

    「幽玄真影流、四玉突き!」

    鬼龍は相手の目をついた後喉と睾丸を突こうとして、何かに阻まれた。

    それはその男の背後から伸びている白いものであり誰もが同じものを連想させた、翼と。

    「そしてムカついた、俺が学園都市第二位だってわかっていようとわかっていまいと少し痛い目に遭ってもらうぜ」

    鬼龍は羽の長さと己の距離を見極め距離を取る。

    「口だけ達者の蛆虫が、そんなに殺してほしいのか?」

    「粋がるなよ。大サービスだ、わかりやすいやり方で痛めつけてやる」

    鬼龍目掛けて第二位の羽が猛威を振るう、それは鬼龍の知る由もないが未元物質と呼ばれる解明不可能な一撃であった。鬼龍は材質的には金属と判断し身構えるがいつまでもその羽が当たることはない。

    まさに鬼龍に羽が当たる数cm手前の出来事。


    轟音が、その羽を男ごと数m吹き飛ばしたからである。

    「・・・・・・ったく、オッサン相手にシケた遊びでハシャいでンじゃねェよ。三下」

    そこに現れた少年は、その体躯に似合わないオーラを出しながら鬼龍と垣根の間に立ち塞がった。

    「もっと面白い事して盛り上がろォぜ。悪党の立ち振る舞いってのを教えてやるからよォ」

  • 54二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 16:08:30

    >>53

    「お前はなんだ?」

    「俺か?俺ァ悪党だよ、ヒーロー」

    ヒーローと呼ばれ鬼龍はふと笑った。

    「ヒーローか、それは違うな。俺もお前と同じ悪党だよ、名前は?」

    「一方通行(アクセラレータ)」

    「そうか、お前はあの男と闘うみたいだが手を貸す必要はあるか?」

    そう聞かれると一方通行は一秒も待たずに断言した。

    「いらねェ、それよりお前にまだやる気があるなら他の奴らを避難でもさせてろ。俺のチカラは被害がデカくなりすぎちまう」

    「そうか、それじゃあそうさせてもらう」

    一方通行は前へと歩き出す。

    「おい、怪我はないか?」

    「あ、はい大丈夫です。あの・・・貴方はヒャッ!」

    「宮沢鬼龍だ、行くぞ。ここは危険だ」

    鬼龍は初春を持ち上げると一方通行とは逆の方向へと歩き出す。

    (まさか俺が日に二回も人助けをする側に回ってしまうとはな)

    殺す戦いと何かを守る為の戦い、鬼龍にとって後者はかなり珍しいであろう。

    それでもやると言ったからにはやり遂げてみせようと鬼龍は心の中で誓った。

    所変わってこちらは殺す為の闘い、学園都市の中でも最強と呼ばれる第一位と第二位が激突を始めていた。

    瓦礫が飛び岩が弾けビルの側面は建て直した方がマシなレベルにまで破壊された。

    鬼龍や初春の尽力により避難行動はかなり迅速に行われた結果、一方通行は全力とは行かないまでもある程度伸び伸びと垣根帝督へとぶつかれていた。

    そこから少し離れていたところで『最強』達の激突を鬼龍はひたすらに観察していた。

    (避難誘導は終わったから見ていたが、能力開発というのはここまでの怪物を生み出したのか。GKドラゴンすら5分以内に破壊できそうだな)

    (一方通行側が有利なのは見て取れる、問題は戦いが終わった後だな・・・・・・)

    鬼龍は僅かに見える垣根帝督の目元を見てこう結論付けた。


    「ヤツの目は死んではいない、一体何を仕掛けるつもりだ?」


    それから数分後の出来事であった。

    決着が付いた。

  • 55二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 16:33:32

    >>54

    勝ったのは勿論一方通行であり蛆虫の様に床に這いつくばっているのが垣根帝督である。

    「あばよ三下」

    一方通行は拳銃を突き付けトドメを刺そうとした。

    「待つじゃんよ、一方通行」

    教え子にこれ以上罪を重ねさせないように響く一人の教師の声があった。

    そこからいくつかの会話があった、一方通行は自分を止めようと邪魔をする警備員を撃とうとしたが撃たずそのまま銃を手から取り上げられた。

    それを見た鬼龍は一方通行の方へと近付いて行った。


    その光景を、垣根帝督は観察していた。

    彼の目は鬼龍の言った通りまだ死んでいなかった。


    そして直後にソレは起きた。

    垣根の取った行動は簡易極まる物であった、一方通行を諭す警備員に向けて未元物質の羽を真っ直ぐに突き出した。

    対して鬼龍が取った行動も同じく簡易極まるものであった、警備員の前に躍り出て突き出されたその羽に対して両腕をクロスした状態で羽を受け止めにかかったのだ。

    当然相手はやられかけであろうが腐っても学園都市の第二位、老いていようが鍛えていようがただの人体なぞオモチャの紙箱の様にグチャグチャに出来る。

    そして、誰もがわかりきった現象が起こった。


    垣根の羽が鬼龍の両腕を貫通しそのまま腹へと突き刺さった。

  • 56二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 16:33:49

    >>55

    「ゴフッ、ガッはうっ‼︎」

    しかしそこで鬼龍は止まらない、このままでは背中まで貫通すると見越し自分の腹から背中に貫通するまでの間に自分の体を倒すことでその警備員に羽が突き刺さらないように対処したのだ。

    そして羽が抜き取られた次の瞬間鬼龍の腕から、来ているコートの背中から、夥しい量の鮮血が溢れ出た。

    「お前!」

    「アンタ!」

    鬼龍は二人の動きを片手を出すことで制した、それを見た一方通行は足を一回踏みベクトル変換で垣根の脳へ衝撃を与え一撃で昏倒させた。

    その時鬼龍の脳みそにあったのは痛みではなく疑問であった。

    (俺は何故、今前に出て止めようなどと思ったのだ?)

    最初の段階で羽を金属だと思ったから?

    それは違う、一方通行との戦いを観察してその羽は金属なんかよりとよっぽど硬いことは予想がついていた、自分で受け止められないとわかっているのに受けようとするなど自殺行為に過ぎない、自分がそこまで愚かになっていないことは鬼龍が一番理解している。

    あの警備員を救う為?

    半分は当たっているだろうが違うと鬼龍は否定した、確かに今日は自分が誰かを救うことが多かったがそれでも相手は初対面、命を賭ける程の価値は感じられないからである。

    では何故・・・・・・?

    薄れ行く意識の中、鬼龍に走馬灯がよぎる。

    その光景はある墓前に対し自らが文字を刻んでいる場面である。


    その走馬灯を見て鬼龍は内心自分を蔑すんだ。

    (笑ってしまう、重ねていたというのか?ジェットとあの女を?性別も年齢も違うというのに、ヤキが回ったとかいうレベルではないぞ。まるで偽善者だ)

    血の流出は留まるところを知らない、そして鬼龍は最後にこう言った。

    「反吐が、出る・・・な・・・・・・」


    その言葉を最後に、鬼龍の意識は闇へ堕ちた。

  • 57二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 16:43:01

    暗部編なんスね

  • 58二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 16:43:31

    気のいいおじさんモードの鬼龍はええなぁ

  • 59二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 16:44:29

    ムフフ…面白いのん

  • 60二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 18:30:22

    >>56

    「やるじゃないか、どことも知れぬ世界からやってきた人。殺すのが惜しくなってきたぞアレイスター」

    その犬は誰にも悟られる事なく全てを観察していた、存在自体が都市伝説へと昇華されてしまったその科学者はなんのけなしにその街の頂点と対話する。

    「こちらとしても宮沢鬼龍は殺さない方がいいという結論に達している、君はもう任務を切り上げてももらって構わないぞ」

    「ではそうさせてもらうよ、そろそろ唯一君の作った晩ご飯の時間だからね」

    闇は深く、底が見えない程根付いている。

    しかしそれは触れなければ案外無害なのかもしれない。


    鬼龍はとある第七学区の病院にて目を覚ました。

    (死んだと思っていたのだがな、あの羽は俺の心臓を貫通した筈だ・・・・・・まさかサイボーグ化されてないだろうな?)

    鬼龍は首を横に捻るとそこには蛙の様な顔をした医者がいた。

    「うん、目を覚ましたみたいだね?大変だったんだよ、なにせ心臓が潰れていて血液も足りない状態、背骨も粉砕骨折してたんだからね?」

    「俺は何故生きているのか更に疑問が深まってくるな」

    「大変だったんだよ?栄養剤増加人工血液を脳に入れて僕が作った小規模自動循環装置で脳細胞を蘇生させた後に人工心臓にゴムの背骨を一先ず取り付けてから細胞分裂を加速させて君の心臓そのものを急速回復させてからまた再度埋め直したんだから、骨も同じように。それと君の心臓なんだけどね?肉体強化の代わりに心臓麻痺のリスクが高すぎるから変えておいたよ」

    「余計なことをしてくれたな」

    「勿論肉体強化はそのままで心臓が急速に動いてる心臓麻痺するリスクを0にするという形だから安心してほしいんだね?なんなら肉体強化の方は元々の2倍くらいになった筈だよ」

    「お前、本当にただの医者か?」

    そう聞かれると医者は少し首を傾げ当たり前といった風にこう答えた。

    「そう、僕は医者だよ。それ以上でも以下でもない、どこにでもいるただの医者さ」


    カエル顔の医者は鬼龍の容態がある程度回復したのを確定させ立ち上がるとこう言った。

    「まぁ目が覚めて意識も混濁してないようなら別の人に変わってもらうね?今ちょっと忙しいんだね」

    そう言うとカエル顔の医者と入れ替わるように別の医者が入ってきた。

  • 61二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 18:42:47

    >>60

    その男は強面の眼鏡を掛けた男性であり、顔のいくつかの箇所に針で縫われた跡があった。

    「お前がこれからの俺の担当医か?」

    「はいそうで・・・すッッッ!?」

    盛大にずっこけた、別の鬼龍が何かをしたわけではない。

    単純にドジなのだ、ずっこけた拍子に硬いところにぶつけたのだろう、顔面を血を垂れ流している。

    「おい大丈夫か?」

    「んむ?おおいかん、お恥ずかしい・・・」

    直後鬼龍は自分の目を疑った。

    その男は鏡も見ず麻酔もせずにその場で手持ちの針と糸で傷口を縫い始めた、恐らく1分にも満たない早業である。

    「なるほど、腕は確かなようだな」


    その後は鬼龍はベッドから起き上がった後に普通の問答が行われ鬼龍が自分は丸2日昏倒していたこと、かなりの回復力ではあるが体が不自由に動かないため後2日は入院すること、自分が避難誘導した中で犠牲者は出ていなかったこと、学園都市には外からやってきた人にはIDが必要でそれがないのに気付いたカエル顔の医者が簡易的なIDを作成してくれたことを知った。

    (知れば知るほどただの医者とは考えにくいな、それにしても病院なんていつぶりだろうか)

    それから数時間が経った後、カエル顔の医者(以下冥土帰し表記)が鬼龍の部屋へとやってきた。

    「単刀直入に聞くんだけどね、君はどこから来たんだい?」

    「なんだと?」

    「君の体、調べたんだけどね基本的には心臓以外普通なんだけどそれはそうと全く未知の細菌が見たかったんだよ。まぁ自然淘汰されるレベルのものでしかないとはいえこちらで殺菌してはいるんだがね。まるで別の世界からやってきたなんて荒唐無稽な思考が出てくるんだよ、君は・・・・・・」

    「その通りだ・・・・・・俺は、別の世界から来た」

    「ふぅん、いつの話?」

    「今日の朝起きたらの話、だと思っていたが記憶がスッキリして違うことに気づいたよ。車に撥ねられたんだ」

    「まるで小説の異世界転生みたいだね?」

    「全くだ、使い古されたネタだよ」

    鬼龍は内心で悪魔王子に舌打ちをした。


    「それで?それがわかったところで何になる?」

    「いやね、君に見て欲しいものがあるんだ。このシャーレの中身なんだけどね?」

    そう言うと医者が見せてきたのは肉片であった。


    「未知のウイルスで肉体が変化したものだ、君の肉体に付着していた未知の細胞もこの変化した肉体に一部くっついていたんだね?」

  • 62二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 18:50:08

    なにっ暗部編介入
    見事やな…(ニコッ)

  • 63二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 18:55:44

    普通に懐かしい気分に浸れて楽しくなってるのは俺なんだよね

  • 64二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 19:02:41

    悪魔王子に撥ね殺されてるんスけどいいんスかこれで
    まあええやろ

  • 65二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 19:03:56

    >>61

    鬼龍はそれを見ると一言で否定した。

    「有り得ないな。俺はこれでも色んなことを学んでいる、表も裏も含めてな、こんな病気も細菌兵器も心当たりがない」

    「そうか、なら今はそれを信じるよ」

    そういうと冥土帰しは部屋から出ていった。

    そして鬼龍は長年見てきた死体の変化、冥土帰しは長年見てきた医者としての勘から同じ答えへと辿り着いていた。


    「「まるで、人間がゾンビになって野生に還る。そんな感じの蠢き方をしているな、あの肉片」」


    数日後、十月某日の夕方、鬼龍は冥土帰しから学園都市のパンフレットを貰って退院した。

    「さて、どこへ行こうか?」

    鬼龍はパンフレットを眺め歩きながら思案する。

    実は来たことのない場所ではあるので内心ちょっとウッキウキなのは内緒なのだ!

    (芸術方面の第九学区が凄く気になるが、今はリハビリもかねてゆっくりするのもいいだろう)

    そして鬼龍が訪れたのは大量の発電機があり、地下に構造体がある第二二学区であった。

    「偶には温泉もいいだろう」

    徒歩で来たので既に外では満点の星空が広がっていた、そして鬼龍は地下に潜った。

    「ほう、地下なのに星空が見えるのか。普通ならフルハイビジョンでも違和感があるが流石科学の街だ、ノイズがない、本当に星空を見ている気分にさせられる」

    鬼龍は銭湯の湯船に浸かると思考を回し現状を再確認する。

    (まず俺が帰る方法だ、これが一番の難所であり最大目標だ。次に冥土帰しが見せてきた肉片、俺の勘が正しければあれは呪怨の秘伝書よりもよっぽど危険度が高い異物に見えるぞ。最後に現実世界の俺のことだ、悪魔王子に後ろから車で轢かれてここに来たのは思い出せたがアッチの俺は今どうなっている?まさか無様に地面に這いつくばっていないだろうな?消えていたら消えていたでそれは問題ではあるが・・・・・・)

    と思考を巡らせていると隣の女湯から声が聞こえてきた。

    「あっ、あれ⁉︎ 短髪がお湯の中に沈んで行っちゃうよ⁉︎」

    「のぼせてるんです‼︎ 早く助けてあげないと‼︎」

    (騒がしいな、まっ平和な証拠だ)

    鬼龍は自分ものぼせる前に湯船から立ち上がると脱衣所へと出た。

  • 66二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 19:09:50

    ここまでオリキャラ『コントローラ』のメンバーと店員だけなんだよね、冥土帰し以外の医者も『コンシェルジェ』って暗部組織もcp-191って薬剤もあるんだ

  • 67二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 19:15:01

    >>54

    > GKドラゴンすら5分以内に破壊できそうだな


    はぁ何言ってんだそれおかしいだろ鬼龍っプ、人間が機械に勝てるわけないんだよね

  • 68二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 22:39:57

    >>67

    待てよ 灘真影流はミサイルとだって戦って見せるんだぜ

  • 69二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 22:50:48

    キー坊の発言はルール無用だろ

  • 70二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 23:01:36

    >>65

    鬼龍は着替えてそこらの飯屋で晩飯を済ませると、きなくさい臭いを嗅ぎ取り足取りを変えた。

    (本当に、治安が悪いんだなこの街は)

    この際に運が良いのか悪いのか、鬼龍は二つの偶然を乗り越えてしまっていた。

    一つ、それは鬼龍は悪の匂いに敏感であり割と学園都市観光を楽しんでいた為この手のことに首を突っ込もうと思うテンションが残っていたこと。

    二つ、鬼龍は知る由もないが月詠小萌という先生はかつて大覇星祭にて『人払い』の範囲外に出たら何度でもステイル=マグヌスという男を捕捉しなおしたことがある、鬼龍の悪に対する感覚センサーがそれと同レベルかそれ以上まで研ぎ澄まされていたこと。

    その二つの偶然が重なった結果、一つの会合が起きてしまった。


    「ありがとう、五和」

    「お前の回復魔術のおかげで、ちょっと元気が出た」

    その少年は何故自分が狙われているかを100%正しく理解できてはいなかっただろう。

    その少年は漫画に出てくるスーパーヒーローのように誰にでも勝てる力を持っているわけでもない。

    けれど、それでも、だとしても、自分の横にいる女の子を死なせたり悲しませたりしたくないと思ったから、そう思った時には既に五和を押し退けて岩石のようにその拳を固く握り締め前へと突き出していた。

    「良い度胸である」

    男はそれだけ言うと全長五メートル以上もの巨大なメイスを横に振るった、それはまともな人間であれば絶命してもおかしくないほどの威力。

    そこへ、一人の悪魔が飛び込んだ。

    ズッバァン!!という恐ろしい音が炸裂した。

    鬼龍が取った行動はシンプルで、近付いて動きに合わせる様に蹴りを入れただけである。

    本来ならば凄まじい速度で振るわれるメイスに合わせる等不可能なはず、しかし鬼龍はやり遂げた。

    (あの医者め、何が2倍だ。静虎と殺りあった時と同等かそれ以上に体が動くぞ)

    メイスは数メートル真上へ飛び近くへと落下した、さしものその男も驚いた表情を見せる。しかしその顔は一瞬で元へと戻り襲撃者を見据える。

    「・・・・・・何者であるか?」「誰でもいいだろう」

    「そうか、邪魔をするのならやることは変わらないのである」

    鬼龍は後ろを向くと。

    「そこの男を連れて少し遠いが足第七学区の病院がいいあそこは優秀だ」

    「・・・・・・はい!わかりました!!」

    少し逡巡した後女は少年を抱えると他のメンバーと一緒にそそくさと退散した。

  • 71二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 23:02:17

    >>70

    「逃がさないのである」「こっちのセリフだ」

    鬼龍はその男の前へ躍り出ることで妨害した。

    「貴様が名乗らないのであればそれは別に構わんが、私は私で名乗らせてもらうのである」


    「神の右席、後方のアックア」


    聖人と悪魔、聖書の一説にでも描かれていそうな怪物同士の激突が今、始まった。

  • 72二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 23:20:05

    ミスター鬼龍、続きがちょっと思いつかなくなってきました。

  • 73二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 23:51:33

    >>72

    ドリス

    頑張って

    真面目に考えるとデビデビの病気でスティグマ付いてた件とかなんか繋がらないスかね…?

  • 74二次元好きの匿名さん23/06/22(木) 23:58:24

    >>73

    そんなことになってたんスね(未読並感)

    まぁ今回はそれは無関係だからバランスは取れてるんだけどね

  • 75二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 00:45:37

    >>71

    アックアがとった行動はシンプルだった、メイスを拾い上げ槍のようにして鬼龍を突きにかかったのだ。

    無論全盛期以上の力を奮える鬼龍は即座に反応、腕の間にメイスを挟み込み武器を奪いにかかる。

    「大振りだと隙が大きいのはどこまで行っても変わらんな・・・⁉︎」

    しかし、相手も神の右席の一人。それも能力無しの直接戦闘なら間違いなく最強。

    鬼龍が腕で抑えていようとお構いなし、メイスを全力で前へと突き出しその衝撃で鬼龍の体は10mも吹っ飛ばされ近場の壁へと激突した。

    無論、そこで終わるはずもない。

    音速を超える速度で鬼龍に近づいたアックアは首を掴み上げメイスのある方向を投げ出すと今度は投げられた鬼龍がメイスに辿り着くよりも前にメイスへと近付きを拾い上げモグラ叩きのように鬼龍を地面へと叩きつけた。

    第二二学区全体を轟音が席捲した。

    「他愛も無いのである」

    アックアは鬼龍が気絶しているとみなすとその場から立ち去ろうと踵を返した。

    「傭兵の割りには確認が疎かだな」「!?」

    鬼龍が無音でポケットから取り出したのは改造ライター、それに鬼龍は息を思い切り吹きかけることで目の前に即席の小さな炎のカーテンを作り出した。

    無論アックア相手にはこんなものは通用しない、だから更に鬼龍は仕掛けていた。

    警察の非殺傷武器に自動で巻き付くワイヤーロープのようなものが存在していることをご存知だろうか?

    鬼龍がアックアに放ったのはそれを更に改造したもの、アックアに放たれたそれは巻き付くと同時に改電撃が走った、電圧にして50万Vがアックアの全身を駆け巡る、それでも出来た隙は1秒にも満たない。だが今の鬼龍には十分だった。

    (この技はもう二度と使わないと思っていたのだがな・・・・・・傭兵だし独り身だと信じているぞ)


    「真正"呪怨"」


    相手を親戚レベルまで呪い殺すと言われている必殺の一撃、もはや拳法を超えオカルトの域にすら昇華された技がアックアにぶつけられた。

  • 76二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 07:20:31

    >「真正"呪怨"」

    殺意が高すぎるんだよね まっ聖人相手だからバランスは取れてるんだけどね

  • 77二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 08:13:48

    >>75

    しかし鬼龍の顔は優れなかった、手応えこそあったもののもっと深い所で鬼龍の本能はこう告げていた。

    「効いてないぞ」と、それを確信した後鬼龍はアックアが持っていたメイスを全力で真横に蹴り飛ばしアックアから距離を取った。

    対するアックアはメイスなど気にせず鬼龍へタックルを敢行、タックルしながらも再度壁に激突するまでに鼻っ柱に拳を叩き込み鬼龍が吹き飛ぶ速度を加速させた状態で更に加速、鬼龍の腹に飛び蹴りをぶちかました。

    鬼龍の肺から酸素が一つ残らず吐き出される、それでも尚思考を巡らせるが答えはアックア自体がもたらしてくれた。

    「・・・・・・私は『聖人』と呼ばれる世界に二〇人もいない特異体質の一人ではあるが、それと同時に神の右席として『聖母』の性質も有しているのである。その効果は厳罰に対する減衰、先程打ち込んだ物は恐らく一族単位に対する呪いといったものであろうが、この私には効かないのである」

    「怪物が・・・・・・」

    鬼龍は忌々しく舌打ちをすると同時に血の塊を吐き出した。

    アックアは壁に押し付けられた鬼龍を一瞥すると無感情な瞳でこう告げた。

    「まだ、やるのであるか?これ以上やれば死は免れないのである」

    それに対して鬼龍の答えもまた、決まっていた。


    「悪魔は死なないんだぜ?」


    そうであるか、そうアックアが溜め息と同時に漏らした直後にアックアは鬼龍に対して拳を構え直撃させようとする。その瞬間、鬼龍は口元から針を飛ばした。

    流石の不意打ちにアックアも面食らう。

    「先入観というのは恐ろしいものだな、さっき俺が血の塊を吐いた時に安心しきっただろう?」

    その声が聞こえた時には鬼龍は屈んで壁とアックアの間から脱出。そしてアックアが後ろを振り向くまでの間に一発、そしてアックアの腹に触れさらにもう一発。

    「霞突きからの、塊貫拳」

    その瞬間、鬼龍は更に後ろに回っていた。そもそも肉体は全盛期以上、瞬間的な速度であれば並の『聖人』にすら勝るとも劣らない鬼龍の速度は怯ませれば神の右席にすら届くほどであった。

    その瞬間、アックアから聴覚は消滅した。

    「灘神影流・鼓爆掌!」

    「ぬううう‼︎‼︎‼︎」

    「初めて余裕を無くしたな」

  • 78二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 09:04:04

    >>77

    しかし次におかしな現象が起こった。

    第二二学区の用水路から風呂桶五杯分以上の水が濁流の槍となり鬼龍を真横から貫いたのだ。

    「グッ‼︎ ゴボッ⁉︎」

    「遊びは、終わりである」

    これだけ聞くと少なく聞こえるかもしれないが少なく感じるかもしれないがそもそも風呂桶一杯で200L、200kgを超えている。つまり今回はそれの5倍、1t。

    並の軽自動車に匹敵する衝撃を受けた鬼龍はそのまま吹っ飛ばされた。

    「失念していた、そういえばここは能力開発をしていた筈だ・・・・・・」

    「一応言っておくが、能力者ではなく魔術師である」

    (また知らない概念が出てきたぞ。それよりこいつ、鼓爆掌で吹っ飛ばした筈の聴力が戻っているな)

    そして鬼龍はアックアの背後へ注目すると水が空中に浮かんでいた、それはまるで魔法陣の様に描かれておりそこから出た一部の水がアックアの耳へと侵入していた。

    (・・・・・・なるほど、代理聴覚か回復魔術かは知らないがそういう術式を俺を吹っ飛ばした時に使ったというわけか)

    「考えごとをしている暇はないのである」

    既にメイスを取り戻したアックアがそれを振り翳し鬼龍を仕留めにかかる。

    (受け止めるのは無理、ならば!)

    アックアがメイスを振り抜いたのに合わせ鬼龍は真横へ飛びメイスの上へと着地、コートを脱ぎアックアの視界を塞ぐと同時に攻撃を仕掛ける。

    「灘神影流•硬布風車」

    しかしアックアはそのままメイスを引き寄せてから捨てコートを直接拳でぶち抜く。

    しかしそこに手応えはなく鬼龍は背後に回っていた、アックアもそこまでは予見していた為予め水の槍を2本程発射していたが鬼龍に躱される、それが隙となった。

    (オカルト技は効かない、となると気頼りの蠢蟹掌や塊蒐拳より物理に頼った方が良さそうだな)

    「捩突」

    アックアに何度目かのヒット、そしてこのまま追撃を仕掛ける。その際に鬼龍が選択したのは何の変哲もないただの蹴りであった。

    しかし鬼龍は龍腿という特異体質持ち、その威力は並大抵のものではない。アックアはブツブツと何かを呟いているが今がチャンスと思った鬼龍はそのまま霞打ちを連発させながら他の技も合わせて叩き込んでいく。

    それでも叩き込めた霞突きは三発程だったか、変化が起きた。

  • 79二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 09:18:48

    >>78

    頭上のプラネタリウムから莫大な光が発せられたのだ、いいやプラネタリウムの映像を映す機構が負荷を受けてショートしたのだ。因みに先程アックアが呟いてたものを言語化するとこういう言葉になる。

    「───聖母の慈悲は厳罰を和らげる」

    「時に、神の理へ直訴するこの力。慈悲に包まり天へと昇れ‼︎」

    その瞬間アックアはプラネタリウムの天井へと真上に飛んだ、そして画面を破り破片が飛び散るほどの勢いで再度地上を目指しメイスを持って超高速で落下した。

    鬼龍は危険を察知し横へ回避しようとするも無数の水の槍が鬼龍の動きを阻害する。それは三秒にも満たない時間であっただろう。しかし、


    それが、致命的な隙となった。


    轟音が爆発し濁流となって第二二学区全体を席捲した。

    喰らった者の安否など、確認する必要はなかった。

  • 80二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 10:38:32

    >>79

    鬼龍は目を覚ました、そこは病院だった。

    (まさか俺がこんなにハイペース病院送りになる日が来るとはな)

    「おっ、目を覚ましたみてぇだな」

    「お前は?」「建宮斎字ってもんだ」

    そう名乗った男はツンツンに固めたクワガタの様な髪をしておりダボダボの服を着ている全体的になんかこう、ガサツな男だった。

    「俺含め、五和のやつを逃してくれて助かった。おかげで俺達の護衛対象が致命的な怪我を負わずに済んだ」

    建宮が指差す先に鬼龍が首を向けるとそこには同じくベッドで眠っているツンツン頭の少年がいた。

    「まだ眠ってこそいるが、命に別状はないそうだ。夜には目が覚める可能性が高いらしい」

    「お前、いいやお前達はどうする気だ?」

    決まってんだろ、建宮はそういうと自分の得物を担いでこう言った。

    「アックアのやつを倒しにいくに決まってるのよな」

    「勝算はあるのか?」「少しだけな」

    そして鬼龍は彼らの背中を見送った。


    舞台は再び第二二学区地下街。

    「『結果』は出たのかね?」

    闇夜に歩く無数の男女に向けてアックアがそう言い放つ。

    「お前達を逃した男を救急車を呼んで病院に運ぶ際にポケットに私はメモを忍ばせていた筈である『一日待つと』まさか、見えていなかったわけではあるまいな?」

    その質問に対しては金髪の対馬と呼ばれる女性が反応した。

    「もちろん」

    「刻限まで半日以上あるのであるが、準備はもう済んだのか」

    その質問に答えはない、ただその集団は各々の得物を構えるという行動で答えを示した。

    そしてそれを見たアックアが取る行動もまた一つ。

    「なるほど」

    アックアはメイスを持ち上げると無感情な瞳でこう告げた。

    「愚かであるな」


    天草式十字凄教対神の右席、後方のアックア。

    たった一人の少年を守る為絶望に覆い尽くされた第二ラウンドが幕を開けた。

  • 81二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 10:40:35

    い・・・今更だけど鬼龍を弱く書きすぎてるなんてことはないよね?

    ちょっとそこが怖いけども。

  • 82二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 10:45:18

    このレスは削除されています

  • 83二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 10:47:52

    おいおい貴重な禁書ssでしょうが
    (アックアとやり合える時点でクソ強いのが分かるので)大丈夫ですよ

  • 84二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 12:17:46

    >>83

    あ、アックアって強いんだな

  • 85二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 13:45:03

    >>80

    その少年はベッドの上で目を覚まし、己の現状を再確認した。

    自分の腹の辺りには同居人のインデックス、そして隣には五和達を逃がしてくれた赤の他人のおじさんが本を読んでいた。

    「気がついたようだな」

    「ありがとう、アンタがいてくれたら俺たちはどうなぅていたかわからなかった。えっと」

    「宮沢鬼龍だ、感謝などするな。ただ俺は地を這う蛆虫を踏み潰そうとしただけだ」

    「でも、結果として俺たちは助かった」

    一秒も経たずにそう返されたので鬼龍はバツが悪そうに頭を書いた。

    上条がインデックスをもう一度見て病院のベッドから立ち上がるのを見て鬼龍もまたベッドから立ち上がった。

    「その体でどこへ行くんだ?」

    「アックアのところへ」

    「やめておけ」

    上条は鬼龍の言うことなど聞きもしなかった、しかしそこである"不幸"な出来事が起こった。

    上条は怪我人で今も尚ふらついている為何もないところで足を躓いてしまったのだ、そしてその手が行く先は上条の前にいる鬼龍のズボンの股間部分へと右手が重なったのだ。

    その瞬間、不可解な現象が起こった。


    宮沢鬼龍のズボンが消し飛んだのだ。

  • 86二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 14:13:37

    >>85

    幻想殺し、それは悠久の時を旅する魔神共の願いの結晶。

    自らが改変した世界を元に戻したいという願いを叶えたリセットボタン。

    そしてそんな願いの結晶の役割の一つ、それは異界存在を元の場所へと打ち戻す究極の追儺霊装。


    悪魔王子「えっ、車で轢いた筈のパパが消えたと思ったら数秒経ってパパのズボンだけが現れたんだけど」


    そう、コートは2回程買い替えられていたがズボンは洗濯こそしているもののそのままだったのである。

    そして鬼龍のズボンはTOUGHシリーズ世界の物、異界存在の物質である為幻想殺しはそれを感知、追儺霊装としての役割を果たし鬼龍のズボンを送り返したのだ。


    場所を戻して病院内、上条は鬼龍のパンツ越しにオチンチンを摑みながらこう言った。

    「不幸だ」

    「俺のセリフだ」

    そして鬼龍は気分を変えるために上条から少し後ろに離れるとその拍子に元々抜けていた髪の毛一本ハラリと舞い降りそれが右手に触れ髪の毛は消失したのを鬼龍は目撃した。

    そして、宮沢鬼龍は勘でなんとなく理解した。

    (恐らく消滅ではないな、レーザーでズボンを消し飛ばしたとしても多少は皮の匂いが残る筈だがそれすらないとなると、恐らくあれが俺の出口だ)

    今すぐ元の世界へ戻ることもできるが鬼龍は脳内でそれを否定した。

    (特に借りがあるわけでもないが、恐怖を与えることもできずに負けるなど俺のプライドが許さん)

    鬼龍が病室の出口を見ると上条はボロボロの体でそこから出ようとしていた。

    「さっきも行ったがやめておけ、犬死にで終わりだ。お前を治療した医者の身にもなれ」

    「それでも、行かなくちゃ。アイツら、何の関係もない俺のために戦ってくれてるんだ。これは俺の戦いだっていうのにな」

    「そうか、お前の名前は?」

    「上条、上条当麻だ」

    そうか、と鬼龍は告げると上条の前に現れボディブローをかました。

    「フンッ」「ガッ⁉︎」

    どれだけ怪我人であろうと鬼龍は怪物を超えた怪物、一発で上条の意識を刈り取りベッドの中へ戻した。

    「当麻、お前の偽善者の様な心情など俺は知らん」

    そして鬼龍は上条のベッドの上で寝ているシスターを見てこう言った。

    「お前の事を想うやつを少しは安心させてやれ」

    異常を感知した医者達が病室に駆け付けた時には既に宮沢鬼龍は病院から消えていた。

  • 87二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 18:53:18

    続きを見せてくれよ

  • 88二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 19:23:26

    うーっ 続きを早く見せろ
    アニキ頭がおかしくなりそうだ

  • 89二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 19:24:31

    続き…待っとるで!

  • 90レス乞‌食、それがボクです23/06/23(金) 19:53:15

    >>86

    鬼龍が第二二学区の地下街に付いた時、そこは奇妙な空気で満ちていた。

    辺りにいるのは一人の女性を囲む様に配置されている天草式十字凄教のメンバー達、その女性は神裂火織と呼ばれていた。

    そこにいる誰もが包帯から血を滲ませたり包帯が破れていたりしていた、きっと多少は奮戦できたのだろう。

    それでも尚、及ばなかったというのが伝わってきた。

    しかし誰も彼もが絶望していなかった、その目に浮かぶのは涙、躍動する感情の正体は喜び。

    気高く決して弱みを見せない筈の女教皇が武器を持ち共に戦えと言ってくれた、その何年も望んだ一言が天草式十字凄教のメンバーにまだ戦う意思と力を与えてくれていた。

    「根拠なき希望は単なる妄想」

    「そんなもので私を超えられると思ったのであるか‼︎」

    アックアの全身に力が溢れる。

    「ほう、だったら俺という根拠をこいつらに与えてやろう」

  • 91二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 19:54:10

    いけーっ!強き者ーっ!

  • 92二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 19:54:11

    >>90

    その男は奥からこっそり作っておいたアックア自作銃をぶっ放した。

    無論、そんなものはアックアには当たらない。そもそも『聖人』とは、銃口から弾が飛び出るのを視認してから弾丸そのものを見て避ける事が出来て当たり前と誰からも認識されている存在である。

    「ちょっ、お前大丈夫なのよな⁉︎」

    「そうですよ!そもそも貴方はこれに関わる必要はないんですから」

    叫ぶ建宮と五和に対し鬼龍はこう告げた。

    「勘違いするな、俺は高校生の少年を助ける気の良いおじさんじゃねえよ。ただ、負けず嫌いなだけだ!」

    鬼龍はアックアに向けてもう一発弾丸を発射した、勿論避けられるがその直後にアックアの背中を爆炎が叩いた。

    「なっ⁉︎」

    「弾を避けられるのが当たり前だとそれ以外の近くの脅威に対して疎かになるよな。これを灯台下暗しと言うのだが、お前にこれを言うのは二回目だな」

    鬼龍がやったことは単純だった、まず鬼龍の背後には油物を扱う店がありそこには不用心なことに小さめのガスタンクが置いてあったのだ、鬼龍は一発目の弾丸でタンクを貫き内部のガスを外へ流出させ、多少広まったところで二発目の弾丸を放ち引火させたのだ。

    「おのれ!」

    アックアがノーモーションで立ち上がりメイスを構える。

    「来るぞ!」「わかっています!」

    その呼び声には神裂が反応、直後に建宮等の他のメンバーが呼応する様に行動を開始した。

    そこから先の戦いは、まさに総力戦という言葉が正しかった。

    水が飛び、更にその水で描かれた魔法陣が新たな魔術を生み出し火風土毒が編み出される、途中鬼龍が水の魔法陣を針や銃弾、時には拳で乱したり神裂自信が水の魔法陣に自らが所持している二メートルを超える七天七刀と呼ばれる日本刀の中に隠したワイヤーで描いた魔法陣を混ぜる事で魔法陣そのものを変質させアックア自身に返した。

    無論魔術戦ではなくアックアの『聖人』としての身体能力、壁や天井、時には一時的に空を飛び水の上すら駆け抜ける圧倒的な軌道力に一歩遅れこそしているものの鬼龍と神裂が追従、動きに間に合わせる為に天草式十字凄教のメンバーがサポートの術式を発動したり各々の武器を0.1秒にも満たない隙を見てアックアに突き付けたり切り裂いたりしようとしそれを捌いているところを鬼龍が霞突きや捩突で、神裂が七閃やその拳で殴り付ける。

    ここまでやって、ようやっとの互角であった。

  • 93二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 19:54:39

    >>92

    「おい!お前達がリベンジする時に言ってた勝ち目ってのは一体なんだ⁉︎ まさかハッタリってわけじゃないだろうな‼︎」

    鬼龍が叫ぶと耳ではなく脳に直接声が届いた。

    『五和、ピンクの服を着て槍を持っている女の子がいますが彼女が持っている光る槍は『聖人崩し』と呼ばれる術式を内包しておりもしこの槍をアックアに防御されずに体に直接ぶつけることが出来れば必ず勝てます』

    「面倒だ、俺が直接槍をぶつけるのはダメなのか?」

    『五和に直接ぶつけてもらう方が効果は見込めます、チャンスは一度だけです』

    「わかった、五秒経ったら五和以外全員を下がらせろ」

    鬼龍の言った通り五秒が経つと五和の周りから人が引いた、因みに鬼龍はカウントが始まった段階でアックアの元へ飛び出し自分で刺繍して修理したコートで硬布風車をしつつ布越しに霞突きを打ち込んでいた。

    するとアックア鬼龍から逃げる様に爆発するかの勢いで天井へと飛び跳ねた。

    ここまで三秒。

    「聖母の慈悲は厳罰を和らげる。時に神の理へ直訴するこの力。慈悲に包まり天へと昇れ‼︎‼︎‼︎」

    ここまでで五秒。

    五和の周りから鬼龍以外の人が引く。

    隕石の如く落下するアックアを見て鬼龍はアックア目掛けて飛び上がりそして口角を歪めてこう言った。

    「やはりな、そう来ると思ったよ。五和!」

    「はあああああああッッッ!!!!!!!」

    通常であれば迎撃されてお終いだったろう、しかしそこに全盛期以上の力を持った鬼龍の捨て身の一撃が激突する、その隙は100分の1秒にも満たない『聖人』ですらギリギリ摑めるかどうかの隙、それを五和は見事に突いてみせた。


    「───聖人崩し‼︎」


    雷光にも見える衝撃が、アックアの全身から噴き出した。

    そこから溢れ出る衝撃の数々を神裂達の魔術が軽減、相殺し気絶している鬼龍やインパクトの瞬間を喰らった五和の体を複数人による並列回復術式により癒していく。

    衝撃が収まるとアックアはそのまま自由落下し地下街の中の一つにある用水路の中へと着水した。

  • 94二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 20:52:34

    >>93

    「終わったん、ですね」

    五和が目を覚ましてそう言うと皆が首を縦に振り建宮がそれに軽口も交えて答えた。

    「あぁ、終わったのよな。にしてもすごいな鬼龍は、ダークヒーロー味もあるしこの教皇代理が暗黒拳神というあだ名をやろう!なんてなあ」

    「宮沢さん、天草式十字凄教と上条当麻を守っていただきありがとうございました」

    「礼はいい、それより来るぞ」

    「ま、まだ何か来るのよな⁉︎」

    あぁ、と鬼龍は適当に答えアックアが落下した用水路の壁を凝縮した。


    "ソレ"は轟音を伴い壁を破壊しやってきた。


    ソレは身長10mを超える巨体であり、餓鬼の様に腹が少し出ていて、筋肉が不規則に蠢く二足歩行の髪の毛の無い猿の様に見えた。

    誰も見たことのない生物の筈だが不思議と皆同じ単語を思い浮かべていた。


    『NO HAIR MONKY』と。


    その姿が見えた瞬間、鬼龍は既に駆け出していた。

    病院で冥土帰しが見せてきた肉片にソックリで既視感があったのは勿論、その存在が今まで見てきた何よりも凶暴で凶悪に見えたのだ。

    「灘神影流•塊貫k

    言葉は最後まで紡がれなかった。NHMが何のけなしに振るった拳が鬼龍を向こう側の壁へと叩きつけ更に数メートルも沈み込ませたのだ。鬼龍は自分の体を起き上がらせることもできなかった。

    (たった一撃でノックアウトだと・・・この俺が・・・?)

    「宮沢さん!」

    「鬼龍さん‼︎」

    「鬼龍!」

    自分の名前を叫ぶ複数人の声が聞こえる、まだ意識を落とすわけにはいかないのはわかっていた。それでも体がこれ以上動くことを拒否していた。そもそも鬼龍はNHMの拳の動きを追うことすらできなかった。

    (ば・・・化け物め)

    その際に神裂が取った行動は意外にも用水路へと飛び込むことだった。

    (もしあのまま放置していたらNHMによってアックアが死ぬかもしれない、いいえそれ以前に溺死も考えれる)

    神裂火織という魔術師は己が胸に刻んだ魔法名に従い、決して死人を出すことを是としていなかった。

    勿論他のメンバーもわかっており各々防御、気配遮断、肉体強化による足の速度増加等を逃げる際の所作に組み込むことで実行。幸いにも相手は攻撃動作こそギリギリ目で追える限界値ではあるものの、攻撃が始まるまでの動作が遅かった、それが幸いした結果NHMの二発目が叩き込まれる前にその範囲内からの脱出に成功していた。

  • 95二次元好きの匿名さん23/06/23(金) 21:52:22

    >>94

    神裂はメイスと一緒にアックアをNHMの死角になりそうなところまで連れて行くとそこに安置し思案した。

    (これ以上皆を巻き込むわけにはいきません、しかしその私の心の甘さがかつての事態を引き起こした。でもここから逃亡すれば今度はこの学区が、いいえ被害はそこだけでは止まらない)

    「・・・・・・どうしましょうか」

    女教皇は一人で呟いていた。

    「また頼ってくれればいいのよなぁ」

    物陰から気配を消して現れたのは元教皇代理の建宮斎字だった。

    「そうですよ」そして五和が答えた。それから対馬、香焼、諫早、牛深、浦上、野母崎・・・・・・ともちろん音声阻害の術式を施したままではあるが次から次へと声が上がっていた。

    「皆さん・・・・・・わかりました。私が皆さんに伝えたことは勿論覚えていますよね?」

    皆当然とばかりに首を振った、そして言葉の渦が最後の戦いのゴング代わりとなった。


    「救われぬ者に救いの手を‼︎」

    「『Salvare000』‼︎」


    まず神裂は真っ直ぐに駆け出し日本刀に閉まっていたワイヤーを展開、足首へと巻き付ける。そして飛び上がり本命の七天七刀を抜きNHMを切断にかかる。

    勿論そんな小細工は一〇秒と持たずに力技で破かれるだろう、しかし重要なのはそこではなかった。

    欺瞞魔術を解除した神裂を視認したNHMが拳を音速を超えた速度で振り抜き叩き落としにかかる、しかしそれは成功しなかった。一瞬だろうとワイヤーに絡み取られたNHMの足は自らの体重を支えきれずに前のめりに倒れた。

    ワイヤーは千切れたが更に細工が発動、その猿は果たして流れてきた怨嗟を正しく理解できていたか。

    『───殺したな』

    『───ワタシをコロしたな』

    NHMの周りを赤い霧が覆ったと思えばその瞬間爆発した。

    「アックアのやつに通じないのはわかったが、お前もそんな特異体質じゃなくて安心してるのよなぁ」

    そして煙が晴れるより前に滞空していた神裂が七天七刀で右腕を切断しにかかる。

    「ハアアアアッ!」

    そしてNHMの右腕が宙を舞った。

    「やった・・・「いや多分まだなのよな」

    建宮が五和が喜ぶのを静止し現状観察、神裂も同様に手持ちのワイヤーを全て使い簡易牢獄を辺り一面に作り上げた。

    対馬は神裂が拾ったアックアにも攻撃が飛ばない様に気をつけ改めて前を見るとNHMが立ち上がっているところが見


    そこで対馬の意識は闇へと落ちた。

  • 96二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 09:50:51

    Hosyuvare000

  • 97二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 10:18:08

    >>96

    あーあ、意味のない保守をしてもうたな

    このスレももう落ちるで

  • 98二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 17:19:54

    >>97

    なにっ

  • 99二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 18:35:37

    このレスは削除されています

  • 100二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 19:40:15

    >>95

    そこで何が起きたかの全容を目で追い把握できた者は一人もいない、しかしそこにいた強者の視界全員を合わせれば限りなく事実に近い推論を導き出すことはできた。


    宮沢鬼龍、まず彼の視界は先ほどの一連の出来事をこう捉えていた。

    NHMが立ち上がったと思いきやその姿がブレ、ほぼ同時に赤い爆発が辺りを覆い霧が晴れるとそこにNHMだけが立っていた。

    (やはり・・・あいつらでもキツかったか。だがどうする、辛うじて手首は動くので活法を一部俺自身に使って二足歩行で立てる様にはなったがとてもアイツに挑めるとは考えにくい)


    神裂は近くの壁に体を3m程沈み込まされていた、他のメンバーがどうなったかはわからないが神裂は立ち上がったNHMの動きに合わせて確かに日本刀を振るっていた。しかしその速さは目で追えるギリギリの速度でありその豪腕にぶつかってしまい衝撃分散の構えを取れるわけもなくそのまま壁の中へと叩き埋められたのだ。

    七天七刀には大きなヒビが入っており後一発でも振えば折れてしまうだろう。

    (他の、方達は・・・大丈夫なのでしょうか・・・・・・)


    NHMは立ち上がると宙を舞う片腕を掴み自らの腕へと無理矢理嵌め込んだ、なんとそれだけで切断された腕は結合してしまった。そしてNHMは腕をクロスしタックルを敢行した、その際に紐の様なものを全部切ったと思った。そしたらなんかデカい音と衝撃が来たのでしゃがみその際に真下に小さな気配が大量にあった気がしたので足をグルッと1周させて羽虫を蹴り飛ばそうと思った。その後音と衝撃が収まったのでもう大丈夫だと思って立ち上がった。

  • 101二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 19:42:50

    そろそろ学園都市を折り返すのんゴロンヤメロオオ

  • 102二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 19:50:39

    >>101

    因みに学園都市を折り返す事はできなくても学園都市を圧縮して折り畳める爆弾が学園都市にはあるらしいよ。

  • 103二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 19:51:00

    >>100

    その時、鬼龍の右腕はゆっくりとではあるが確実に自分のズボンのポケットへと差し込まれていた。そのポケットの中にはゴトリとした重々しく、それでいて今そこまで頼りない本来ならばこの国では主要ないくつかの職に就く人しか持つことが許されていないものであった。即ち拳銃。

    (こんなものがあの化け物に効くとも思ってもいないが、それでも出来る事くらいはあるだろう)

    「後、何発残っている・・・・・・せめて、あいつらを逃す時間くらい作ってやりたいもの・・・⁉︎」

    鬼龍は自分の口から出た言葉が信じられなかった。

    (俺は今なんと言った?まさか実質的な犬死を敢行しようなどということを考えていたわけではないだろうな? そもそも逃がせると確定したわけでもないのにな)

    鬼龍はそこまで考えるとフッと笑みを浮かべ、ゆっくりと立ち上がった。

    「俺もヤキが回ったな・・・・・・」

    ゆっくりと、それでいて活法で最低限の治療を自分に施し続けながらそれでも確実に歩き自らが押し込まれた壁の外へと向かっていた。


    その時、神裂はNHMの切断した筈の腕が元に戻っていたことを理解した。

    (とことんまで怪物ですね、切断された腕を元に戻す出鱈目な再生力、東洋のゾンビやキョンシーを思い出します)

    神裂は日本刀に頼るのはやめ体内で魔力を練る『聖人』としての腕力で格闘技にもあるような急所を狙う事を決意。

    (全く、相手がゾンビの様な存在である以上そんなものがどこまで通用するかはわからないんですけどね。それでも・・・)

    「私は、彼らが死ぬところは見たくない・・・・・・」

    神裂は体を起き上がらせると一度深呼吸をし、壁の外へと向かっていく、ゆっくりと。


    その時、NHMは神裂と目が合っていた。そして相手の目から燃え上がる様な闘志と今にも消えそうな命の灯火を直感し最後の一撃を叩き込むと決めた。

    実際は何もないのだが先程の様な罠が仕掛けられていると思考をし走りはしない、それでいてゆっくりと壁に向かって歩を進めていた。

  • 104二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 20:11:01

    >>103

    三者三様の思惑が交差する中最初に動いたのは『聖人』の神裂火織であった。

    神裂は愛刀の七天七刀を壁の中に置き壁の出口に出ると壁を蹴ることで自分自身を急加速。まず狙うは目、視界を潰しに掛かった。

    それにNHMは反応真っ直ぐと、それでいてプロの人間であろうと感知すら出来ない速度とそれに比例した力量で拳を前へと突き出した。対する神裂も自身の拳から血が出て来る程硬く握り締め指を狙って己の拳を叩き付けた。まるで自身の腕が破裂しバラバラに砕けたと思わせる程の衝撃が襲ったが神裂はそれに耐えNHMの拳の軌道を逸らすことに成功、その腕の上に直接乗り視界を仕留めにかかる。

    この時点で神裂の右腕の骨は完全に砕け使い物にならなくなっていた。

    何かヤバい、そう感じたNHMは自分の腕に乗った神裂をはたき落とそうともう一つの腕を自分の片腕目掛けて振るっていた。

    そして神裂の拳がNHMの片目へと直撃したのだ、しかし当たり前だが目は二つある。神裂は左腕を握り締めるも直後に別のところから変化が起きた。

    NHMの左目に何かが突き刺さったのだ。

    「目は普通の耐久度らしいな、猿!」

    それは鬼龍の放った銃弾であった、それによりNHMの左目の視界が血に染まる。クリーンヒットでこそなかったものの擬似的に後数秒で視界を埋めることに成功する。

    予期できなかった攻撃と悪意が含まれた煽りに激昂したNHMはその場で頭突きを敢行、流石に反応しきれなかった神裂がその場で斜めに急降下し床へ激突。肋骨は砕け肺から酸素を一滴残らず吐き出され、薄れゆく意識の中他のメンバーが奥に倒れているのを目撃し激昂する直前に意識を手放した。

    NHMは視界が閉じる1秒前に視界の端に鬼龍を捉えゆっくりとその身体を確実に潰しに掛かった。

    その頭にあるのは恐怖、最初の一撃で仕留めたと思っていた虫がまだ生きているのを心底恐怖していた。

    鬼龍はそれを感じると少しだけ満足そうに口角を上げた。

    (他の奴らすら逃せそうにないか、だが恐怖を植え付けることは出来た様だな)

    鬼龍は回避も防御もしなかった、というより無駄だということを理解していた。

    NHMは鬼龍の仕留められる射程圏内に入ったのを理解すると拳を振り上げる。

  • 105二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 20:14:45

    ガチのSSが始まっていて困惑しているのが俺なんだよね
    しかしも意外と面白いっ

  • 106二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 20:32:29

    >>104

    その拳が振り下ろされる直前であった。


    「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!」


    雄叫びの様にそこへ飛び降りてくる少年の姿があった。

    その少年は右の拳を真っ直ぐ握り締めNHMへ直撃を敢行した。

    少年は自身の拳がそれに効くかどうかするわかっていなかっただろう、それでも神裂や他の天草式十字凄教のメンバーに鬼龍が倒れているのを見て速攻で飛び降りると決めた。

    その右の拳がNHMの額に触れた。

    そして、絶大なる変化が起きた。

    その少年の拳の触れた先から10m以上あったNHMのシルエットがグズグスと砕けていったかと思うと次々と消失していった。

    上条当麻の知る由もないが冥土帰しが持っていた肉片も鬼龍もどちらも異世界から来た言わばこの世界に対する異物。

    ならばその幻想殺しは、究極の追儺霊装としてその性能を余す事なく発揮する!


    そして10m以上あったNHMの体はグズグズに砕け中の核が明らかとなった。

    それは2m前後の大きさを誇るNHMそのものであった。

    そして上条当麻は10m以上落下し当然の如く重力の恩恵を受けた。

    それを見たNHMは自分のグズグズに砕けた際に飛び散った腕をなんとか拾い上げ上条当麻に投げ放った。上条当麻は倒れたままその腕に指先を触れさせた、そして腕が消し飛んだNHMはそれを見ると脱兎の如く駆け出し近くにあった瓦礫の破片を摑み投げ放った。

    そう、それは正しいのだ。幻想殺しは異能が絡まない物理攻撃には対処できはい、だからそれには別の人物が対応した。

    「フンッ!」

    鬼龍は瓦礫を横へと弾き飛ばしたのだ。

    「今までのお前の腕力ならいざ知らず、小さくなってやけっぱちで投げた瓦礫なんざに遅れを取る程俺は甘くはないわ」

    「ありがとう」

    「ふん、お前を案ずる存在を安心させなくていいのか?」

    「後で死ぬ程謝り倒すよ」「偽善者が」

    宮沢鬼龍と上条当麻が共に並び立つ。

    NHMは雄叫びを上げるのを見て上条当麻がそう宣言した。

    「テメェがどこから来たかなんて知らねえけどよ。もし、テメェが俺たちの仲間を皆殺しにしようなんて考えているなら、まずは!」


    「その幻想をぶち殺す‼︎‼︎‼︎」

  • 107二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:12:50

    >>106

    上条当麻はそう高らかに宣言した。

    「・・・・・・まるで正義のヒーローだな、それにしては随分と言ってることが暴力に傾倒しているのはなんなんだろうな」

    しかし油断は禁物、いくら10m以上が2m前後になったとはいえそもそも人間の平均身長が160〜170くらいなのだ。格闘技でも身長差がそのままランクになる以上相手はまともな人間よりは間違いなく強いだろう。

    そう思った鬼龍はポケットに手を突っ込み銃が敢えて暴発する様に指先で組み換えNHMへと投げ付けた。

    NHMは銃の暴発を右腕を前に差し出す事で耐えた、そしてその瞬間上条当麻は駆け出していた。アッパーカットを狙うように顎を消し飛ばしにかかる。

    しかしNHMの左腕が上条当麻の脇腹に直撃、ノーバウンドで5m以上吹き飛ばされた。

    「チイッ、世話の焼ける偽善者め!」

    鬼龍は穴が空きボロボロになっている上着を脱ぎ捨てるとそのまま突撃。

    (不完全な硬布風車ではあるがやつの視界を塞がせてもらう、やつが目の前に拳を放てば後ろに回る隙が出来るだろう)

    しかしNHMは鬼龍の予測とは違い両腕をコマの様に左右へと振り回した、鬼龍の何枚目かの上着が切断され背中に回った鬼龍の脇腹へと直撃した。

    「ガッ!」

    そして鬼龍は20m以上弾き飛ばされた。

    (馬鹿なっ、俺の予想以上の力だ。まだこれだけの豪腕を振るえるだと⁉︎)

    そしてNHMは周辺の地面を全力で叩き瓦礫を作り出し両腕で拾い上げていた、目標は既に立ち上がり全力でこちらへ走ってきているツンツン頭の少年。しかし飛距離が足りない、NHMの腕力は野球ボールなら恐らく時速400km超えを叩き出す、真正面から投げればただの高校生である上条当麻に回避などできない。

  • 108二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:13:41

    >>107

    NHMの右腕から拾い上げられた瓦礫が投げ放たれる、まさにその瞬間であった。

    やつの右腕の端に大きな衝撃が走り瓦礫は衝撃の持ち主と共に10m以上先へと弾き飛ばされた。その衝撃の持ち主の正体は「5mを裕に超える巨大なメイス」であった。

    「アックア⁉︎」

    (今はまだ体を起き上がらせる事すらできないが、やれるだけのことはやったのである)

    アックアは心の中でそう呟くと再び意識を失った。

    しかし驚く暇はない、当たり前だが腕は二本あるのだ。左腕に残った瓦礫が上条当麻へと投げ放たれる直前、閃光が走り左腕が消し飛んだ。

    「あたしの知り合いに、手ぇ出してんじゃないわよ!!」

    その正体自体はただのゲームセンターのコインであった。しかし速度が違った、音速の三倍にまで加速され赤熱したコインは左腕を吹き飛ばす等造作もない。

    通称、超電磁砲。この学園都市に七人しか存在しない内の一人、電子に愛されし申し子の正に必殺技であった。

    そして二度の妨害により上条当麻は既に懐へと潜り込めていた。

    上条当麻は固く握り締めていた拳を全てを終わらせる様に更に固く握り締め拳を放った。

    「これで、トドメだぁ‼︎‼︎‼︎」

    その右拳はNHMの鼻っ柱へと叩き込まれた、その瞬間ガラスが割れる様な音が響き渡りその存在はこの世界から姿を消した。

    まるで最初から全ては幻想で何もなかったかのように。

  • 109二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:14:59

    NHMってこれくらいの強さであってるっスか?

  • 110二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:45:34

    >>108

    鬼龍は上条の右手首に触れない様に気を配りながら殴った際に床にそのまま倒れた上条当麻を左手で持ち上げた。

    「終わったみたいだな、その体でよくやる」

    「あんたこそ、俺より傷は深いだろ?」

    お互いフッと軽く笑うとそこに御坂と抱き抱えられたもう一人の少女が駆け寄ってきた。

    「ちょっと、アンタ大丈夫なわけ!?」

    「とうま!また一人で病院抜け出したりして、私がどれだけ心配したかわかってるの!?」

    「御坂、それにインデックス⁉︎ てか御坂俺はもう帰れって言ったぞ」

    御坂はそれを効くと顔を少し赤らめこう答えた。

    「あーいや、私も帰ろうと思ってたんだけどね。そしたらコイツがとうまはどこ?って言ってそっちに向かうもんだから帰れなくなっちゃったのよ」

    「なるほどな、悪ぃ御坂。この借りはいつか返すよ」

    「別にいいわよ。てか私のことさっきから名前でブツブツ・・・・・・」

    「?」

    ある程度一息付いているとそこに金髪にグラサンかけたアロハシャツの男がやってきた。

    「よう、カミやん!悪いんだけど、ちょっとその右手貸して欲しいんだにゃー!」

    「土御門⁉︎」

    ニャーと適当に言った土御門が差し出したのは小さな肉片が入ったシャーレだった。

    「それは⁉︎」

    鬼龍は見た事ある肉片を見て驚いたが土御門はそれを片手で制した。

    「冥土帰しのやつがこのウイルスに対応するワクチンを作り上げた、だがその際に使ったこの肉片だけが内容を変質させちまっんだ。でもまぁ、俺はそれでもこれはカミやんの右手で消せると思っている。どっちにせよこの世界に存在しない物質で出来たものだからな。やってくれるか?」

    「あぁ、わかったよ」

    そうして上条は受け取ったシャーレを開けると右手で触れた、その瞬間肉片は一欠片も残さず消滅した。

    「てか、これウイルスだったんだな」

    「やっぱり気付いてなかったんだにゃー」

    「そんなことはどうでもいい、お前はなんだ?土御門とやら、俺と同じ匂いがする」

    「なぁに特に危害を加えるつもりはないぜい、異世界からやってきた宮沢鬼龍さん」

    名前を言い当てられても表情を一切変えずなかった。

    「鬼龍?もしかして数日前に春上さんを助けてくれた不器用に見える優しいおじさんって貴方のこと?」

    「そういえばそんなこともあったな」

    「あ、ありがとうございます!私の友人を助けてくれて」

  • 111二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:47:01

    このレスは削除されています

  • 112二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:51:16

    >>110

    気にするなと適当に返すと鬼龍は改めて上条の目を見てこう告げた。


    「さっきそこの男が言った通り俺は異世界からやってきた。いわば異分子だ、そして俺のやるべきことはもう終わったと考えている。端的に言えばお別れの時間ってやつだ。その右手で俺の手に触れ俺を元の世界へ送り返してくれ」

    「わかったよ、でもありがとな。一緒に戦ってくれたおかげで大事な人達を失わずに済んだ」

    「ふん、最後まで偽善者だな」

    鬼龍は右腕を上条の方へと差し出した。

    そして上条当麻はその右手で鬼龍へと握手する様に触れると、ガラスが割れる音共に宮沢鬼龍はこの世界から消えた。


    着ていた服と小道具を残して。

  • 113二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:59:02

    このレスは削除されています

  • 114二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 21:59:31

    >>112

    悪魔王子「プッ!アッハッハッ!パパが、下半身丸出しで急に現れた!こんなに面白いこと初めてだよ」

    鬼龍「ぶち殺す‌ぞ悪魔王子」


    こうなったのにはまず鬼龍の服装について説明する必要がある。

    コートは勿論新調されておりパンツとシャツは病院のものになっていた。

    鬼龍は天草式十字凄教を見送った後上条が起きるまでの間に洗濯こそされていたがまだ無事だった元の世界から持ってきたズボンを履いていた。

    そう、つまりそれ以外の服装に関してはとある世界のものでありタフの世界には送り返されないのだ、因みにほぼノータイムで靴下と靴が転送されてきた。

    後心臓は冥土帰しにより変化しているが殆ど鬼龍の細胞に手を加えたものであ。別世界の存在ではあることに変わりはない為まだ鬼龍本人は気付いていないが肉体は全盛期以上のままの帰還である。


    悪魔王子「にしても驚いたよ、パパを轢いて数秒経ったと思ったら数分経ってパパの全裸が出現したんだもん」

    鬼龍「数分?まだそれくらいしか経っていなかったのか?(まさか長い夢でも見ていたというのか・・・?いや体は消えていたみたいだし恐らく現実だろう、時間のズレというわけか)」

    悪魔王子「いやぁよかった、この漫画読み終わる前にパパが戻ってきてくれて」

    鬼龍「漫画だと?お前そんなの読むんだな」

    悪魔王子「うん『とある科学の心理掌握』って漫画ね、面白いよ。学園都市で戦うダークヒーローが主人公でさ・・・・・・」

    鬼龍「なんだと?」

    鬼龍は聞いた事ある単語が悪魔王子の口から出てきたのを聞いてそれを反芻した。


    鬼龍「学園都市?」

  • 115二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:00:51

    >>114

    学園都市で戦うダークヒーロー

    学園都市って街に通うお嬢様の一人


    後で自分のpixivにまとめる時にもこの辺修正しとくのん

  • 116二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:17:02

    >>114

    「えっ、帰っちゃったんですか⁉︎ まだお礼言えてないのに」

    一方学園都市では意識を取り戻した五和がそう言っていた。

    「いや、多分素直に受け取らないだろうしいいんじゃないか?」

    「ダメですよ、と言っても過ぎたことを言っても仕方ないですね」

    「とうま!私はすごくお腹減ったし帰りたいんだよ!」

    「そうだな、んじゃ帰るか!土御門お前は?」

    「いや、オレはまだ残らせてもらうにゃー」

    そうか、と上条は適当に言うといつの間にか神裂を回収していた他のメンバーを見渡すと御坂が電磁力で作った即席の階段を使って上へと登った。

    土御門は全員がそうしたのを見送ると壁の端に目をやる。

    「さて、お前はどうするんだ?後方のアックアいや、ウィリアム=オルウェル?今ならまだ見逃せるしトドメを刺すこともできる、どうするんだ?」

    アックアは口から息を吐くとメイスを持ち上条達が出たところから別方向に外に向かって飛び上がった。

    (さて、残るは・・・・・・)

    土御門はNHMが壊したであろう10m以上の縦穴に向かうとポケットから冥土帰しが作り出した抗体の瓶を取り出すと壁に振り掛けた。

    「さて、壁の周りに菌が付いてないとも限らないしな。ここから何往復かして菌を完全に殺して完全に絶滅させるのがセオリーなんだが面倒だ、リスクはあるが俺の魔術で区画ごと吹き飛ばしてやる」

    「その役割は、私が引きつごう」

    土御門は背後から声が聞こえた声に対して振り返った。

    (俺が接近気付けなかった、なによりアイツは『木原』だと⁉︎ それに二人もいる)

    一人、というか一匹はゴールデンレトリバーに見えた、名は木原脳幹。一族の中でも始祖によって思考を植え付けられた犬である。

    もう一人は白いリクルートスーツを着た女性、名は木原唯一。木原脳幹を先生と慕い崇拝する科学者である。

    「なんのようだ?」

    「先生に気安く話し掛けないでくれませんか、ブチ殺しますよ?今回は貴方にとっても得な話です。ここに大量のウイルスに対するワクチンがあります」

    そう言うと彼女が慕っている犬の後ろで機械が蠢いた、名をA.A.A.と呼ぶ。

    「本来ならばこの様な使い方をするものではないのだがね、だがこのまま放置して君が死んだりそれにより一般人が死ぬのはよろしくない。善悪で言えば悪で好悪で言っても悪だなんて見逃す理由を探す方が大変なくらいだ」

  • 117二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:40:03

    >>116

    「それにしてもちょっと嫉妬しちゃいますよねえ、先生よりも早く特効薬の作り方を発見して。私達が発見した時には量産方法まで見つけて匿名で私たちにメール送ってくるだなんて」

    「『木原』に繋がるツテについては気になるが科学者として嫉妬は成長の糧だよ。感情に振り回されてはいけない」

    そう言うとA.A.A.が動き大量の液体が吹き出した、わずかに残っていたウイルスのかけらは残さず洗い流さし組成を変化させ分子一つに至るまで根こそぎ中和され消えていった。

    「まさか『木原』に助かった、なんて言う日が来るとはな」

    「礼には及ばんよ、帰るぞ唯一君」

    「はい先生、まだ深夜なのでもう一眠りしましょうね」

    二人の科学者は闇の奥へと消えていった。

    それを見た土御門は息を吐くと御坂が作った階段から外へと戻っていった。


    そして木原唯一の家へ帰り教え子が寝静まったころ、通信機を起動して脳幹はその街の王へと語り掛けた。

    「全て終わったぞ、アレイスター」

    「あぁ、こちらからも確認したよ。ご苦労だったな」

    「原因はわかっているのか?そもそも異世界への扉が開くなどまともではない、全体論の超能力者やあるいは魔術の仕業ではないだろうな?」

    「正直なところは私にも摑み損ねている、魔術の気配はするのだがあの女狐の反応を見るに恐らく無関係。私も摑めていない何かがあるのかもしれないな」

    「大丈夫なのか?」

    「私は今そうだと踏んでいる、ゆっくり休め」

    そう言うと無線機の通信が切れた、それを確認した脳幹は少しだけ考えたが思考をやめ、その後ゆっくりと目を閉じた。

  • 118二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:53:44

    >>117

    そしてここは学園都市の外、世界地図をグルっと一周させても一般人には見つけられない陸の孤島では一人の少女が元気に駆け回っていた。

    そこにいる執事服を来た青年が抜かした腰を無理矢理治して立ち上がりこう言った。

    「や、やっと主君の癇癪が収まりましたか」

    「ママ様は腰が抜けました、出来れば立ち上がらせて欲しいんですが」

    「わかりましたよ」

    青年執事が帽子を被った女性を持ち上げると主君と呼ばれる少女が話かけてきた。

    「少女はお腹が空きました。ご飯が欲しいですし」

    その様子を見てサキュバスの様な服装をした女が答えた。

    「全く、世界に複数の穴でも起こしてそうな自体でしたのに終わったら何事もなかったの様ですたい」

    「そうね、本当に怖かったわ」

    それに魔女の様な格好をした女が答えそれが主君の耳に入ってまた機嫌を損ねてはいけないと思った青年執事から主君の後ろを向きお口チャックのハンドシグナルを出す。


    物事が起きるのには必ず理由が存在する、しかしその原因は自分達の出会った人達やその知り合いの中だけだとは限らない。

    彼女達と上条当麻が邂逅するまで、既に2ヶ月を切っていた。

  • 119二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 22:59:52

    >>118

    そしてここはとある世界ともタフ世界とも違う全く異なる別の世界。

    「なんやねんそのオブジェクトって⁉︎ わしゃ知らんで‼︎」

    「なぁヘイヴィア、こいつ民間人だよな?」

    「にしては基本的な動きや筋肉量からして素人じゃなさそうだぜ、クウェンサー油断はするなよ」


    「なんでしょう、このなんちゃってヨーロッパの様な世界観は」

    「む、なんだお前は?ここらの人間ではなさそうだな⁉︎ 私はヴァルトラウテお前は?」

    「長岡龍星、それにしてもヴァルトラウテだなんて北欧神話の戦乙女みたいな名前ですね」


    「忍ー、お客さんよ。今家には忍と私しかいないんだから出てちょうだい」

    「うるさいなグータラ妖怪、えっとどこのどちら様ですか?」

    「あの、私は宮沢静虎って言うのですが。ここはどこなんでしょうか?」


    「えっと、つまり尊鷹さんもいつの間にか『アトラクションランド』のデスゲームに参加させられていたということですか?」

    「そうだ、気が付いたらここにいたんだ。東川君」


    「こんなプロの殺人鬼がいるなんてワタシは聞いてないよっ」

    「そうですね、ママは死んだと聞いていたのでまた会えてボクも驚いています。にしても殺し方が綺麗でしたね、助けてくれてありがとうございます。えっと・・・」

    「サツキだ、そこの冴えない大学生は七浄京一郎と言うが別に覚えてなくていい」


    そしてこれらの世界のどこにも当てはまらない別の世界の説明不可能な座標軸にて白い装束を見に纏う女王が一言こう呟いた。

    「わたくしの力が外へと漏れていますわね」


    世界に開いた穴が一つとは限らない、だがそれはこのお話とは関係ない全く別の物語。

    それらの世界の中で彼らはどう立ち回るのであろうか。

    その終わりを知ることは、今はまだ誰にも出来ないのである。


    鬼龍「学園都市?」

  • 120二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 23:04:43

    以上、未読蛆虫の>>3がスレを乗っ取って書き散らしたSSっス。

    >>1!すいませんでした!


    小ネタとしてはアックアの最後の一撃を喰らわなかったので上条が数十分も早く目を覚ました後鬼龍にまた気絶させられ起きた時が原作の旧約16巻のあの挿絵の時間です。

    そして御坂の恋心が芽生えるシーンが原作通り進行したんスけどここで分岐が入ったんだよね。

    カミやんが起きた時の振動が2回、気絶した上条が鬼龍の手でベッドに落とされたことによる振動が1回原作分で追加された分インデックスの眠りが浅くなったんだァ

    その結果カミやんが出掛けた数分後にインデックスは目を覚まして上条ちゃんを追っていたところ寮に帰っていた御坂と合流してNHMへの超電磁砲に繋がったんだなぁ...

  • 121二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 23:27:11

    >>120

    あなたは強い人です

  • 122二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 23:28:46

    どんだけ書いて完結させようと未読蛆虫なのは変わってないんだよね

  • 123二次元好きの匿名さん23/06/24(土) 23:30:35

    >>122

    ウム、現在進行形で読んでるとはいえ実質タフスレの知識だけで書いてたからキャラ崩壊や強さの過小表現でしばきあげたらぁ!されそうでめちゃくちゃ怖かったんだなァ

  • 124二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 02:17:46

    >>6

    つか>>1はどこ行ったんスかね

オススメ

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