- 1二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:07:42
- 2二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:09:40
アシュヴァッターマン
- 3二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:09:51
邪ンヌ
- 4二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:10:16
ぐだ男
- 5二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:10:42
アンデルセン
- 6二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:11:37
リヨぐだ子を育てて出荷するリヨぐだ子大農園のバイトした結果社畜となる
- 7二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:11:47
加速
- 8二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:11:57
- 9二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:12:42
趣味で育ててる割り箸畑で突然変異で成った謎丸数名を収穫する話
- 10二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:13:18
ニンジン畑で何故か生えた謎丸とリヨぐだ子を収穫するだけのほのぼのストーリー
- 11二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:14:13
ORTと+αを材料に料理(ゲテモノ確定)する惨分クッキングもの
- 12二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:14:42
割り箸埋めたらONIランドが生えてそこから大量の謎丸が湧き出してくるストーリー
- 13二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:15:04
謎丸畑で謎丸(頭に葉っぱが生えてる。土に埋まってる)を育てる話
- 14二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:15:31
ボーボボ時空か!?
- 15二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:18:01
滲む狂気
- 16123/06/25(日) 20:18:16
落ち着いて聞いて欲しい、俺は澤井先生でもなければあにまんに野生の澤井は居ないんだ
一本目
サーヴァント dice1d4=4 (4)
1 アシュヴァッターマン
2 邪ンヌ
3 ぐだ男(サーヴァントではないのでヒットした場合dice1d383=317 (317) を追加)
4 アンデルセン
舞台 dice1d5=1 (1)
1 リヨぐだ子大農園社畜編
2 割り箸畑から謎丸収穫編
3 ニンジン畑から謎丸とリヨ子を収穫編
4 ORT惨分クッキング
5 割り箸ONIランド
- 17123/06/25(日) 20:51:01
ここはとある大農園。秋でもないのに紅葉のような赤色がわんさか見える不思議な土地。興味深いと覗いてみれば何やら騒がしいご様子。その内部に繰り広げられていたのは――
『アンデルセーン!』『ガチャァァァ!』『スキップはよ!』
まずオレンジ色の頭髪をした、恐らくは少女をモデルにしただろう頭髪と同色の瞳を持った珍妙な生物がけたたましく騒ぎまくる風景がこんにちは。
どうやら名状しがたい樹や蔓に繋がっているらしく、その場でじたばたしている個体がほとんど。……立て看板を見ると『リヨぐだ子』と書いてあるのできっとこれがこの生物(?)の名前である。そして。
「ええいやかましい愚図共!なぜ作家の俺がこんなことをせねばならん!!」
それに群がられて忌々しそうにそう吐き捨てるのは大きめな白衣のようなものを纏い眼鏡をかけた青髪の少年……の姿をした歴とした大人の精神を持つサーヴァント、アンデルセン
彼が汗水垂らして今にも死にそうな顔で荷車を引いており、その中には周囲で騒ぐカオスな生物達がこれでもかとみっしり詰まっていた。生物一匹一匹は小さくとも塵も積もればということで相当に重く、これは貧弱な作家であるアンデルセンには苦行に等しき作業である。
「……本当になぜ俺はこんなことをしているんだ?」
彼がこんなことをしている理由はさてわかりません。とにかく彼はわからないまま働かされている。
それでは仕事の風景を少し見ていきましょう。 - 18123/06/25(日) 20:51:19
「どこへ行く貴様らぁ!俺に手間をかけさせるなぁ!!『フフフ』……待て何をする気だ、この愚物ど……ヌアァ!!!」
時にリヨぐだ子が荷車から脱走するのを呼び止めたり、追い掛けて転けたり反撃を受けたりして泥まみれ土まみれの謎の液体まみれになったり。
「物好き共め……、地獄へ堕ちろ……!」
苦労して引っ張ってきたリヨぐだ子達を涼しい雰囲気の顔の見えない業者に悪態つきながら引き渡し、なぜかQPを貰って現状使い道のないそれを、用意されている収納BOXに閉まったり。
『アンデルセーン!』『渋い声ー!』『ほぼ子○ー!』「これでは執筆すら出来ん!!」『キアラちゃんこっち見てー!』「……」『おっ?』『おっ?』『おっ?』「なぜ俺がこんな屈辱を味わわねばならん!!」
唯一の安全圏のはずの個室で現実逃避のために渋々原稿に文字を入れようにもリヨぐだ子が増えるとあまりの騒がしさにそれも出来ず、ついリヨぐだ子の発言に釣られて窓から覗けばそれを見られて煽られる始末。
夜に至っては当然こんなことが続くのでろくに眠れるはずもなく、ましてやカルデアのようにいつでもお茶や糖分が出てくるようなこともないためアンデルセンの疲労とストレスは溜まる一方。これならばまだ〆切に追われてる方がマシだ、と思いつつも彼はそれを口にすることなく毎日を過ごし―― - 19123/06/25(日) 20:51:30
『収穫ですかいアンデルセン』
「ほう、愚図でもそれくらいの理解はできるか、褒めてやる。相変わらず奴らはわからんが精々馬車馬のように働かせろ、俺の溜飲を下ろすためにも」
『合点承知でい!』
目元には深い深い隈。頭髪はボサボサ通り越して枝毛まみれ。服はもはや茶色く染まり、頬が痩せこけているアンデルセンはすっかりその生活にも慣れたようでカルデアでは滅多に見られない爽やかな薄ら笑いでリヨぐだ子を収穫するようになっていました。
彼は理解したのです。いつまで経っても解放されず、ろくに原稿も書けないならもうリヨぐだ子でどうにかストレスを軽減するしかないのだと。その結果がこのような地獄の有り様でございます。彼の個室?すっかり埃まみれでもはや原稿や筆に手をつけられた様子などありませんとも。
そして更なる変化がひとつだけあって――
『おっ、キアラちゃん発見だぜ旦那!』
「おお牛女じゃないか、今日も無駄な贅肉を貯めてご苦労なことだ。しかしこいつらはやらんぞ、こいつらは今からどこへともしれぬ場所へ渡さねばならんからな」
『いやー、照れるねぇ』
愕然とした顔の殺生院キアラさんが立ち尽くしていることです。
「……あの、作家さん?原稿を書こうとは思わないので?」
「は?馬鹿言え、今の俺はこいつらの収穫及び世話、そして引き渡しに忙しい。手をつける暇があると思うか?」
もうお分かりでしょう。このよく意味がわからない空間…農園を作ったのは彼女本人。あまりにも原稿…人魚姫の続編を書こうとしない彼に業を煮やし、拾った聖杯を用いて再び尻を叩こうとして選んだのがこの常人ならばイカれること間違いなしの光景。
特に仕事を嫌うアンデルセンであれば、このような地獄をするくらいならいっそ原稿を優先するだろうとたかをくくってぶちこんだところ……想定外の方向に転んでしまったというのが真相です。
「む、そろそろ奴らが来る時間だ、俺は急ぐ、見学したければ好きにするがいい。いっそ収穫してくれても構わんが噛みつかれたりしても俺は知らん、ではな」
そう言ってリヨぐだ子がみっちり詰まった荷車を慣れた足取りで引いていくもはやいつ倒れてもおかしくないアンデルセンを、殺生院キアラちゃんは項垂れながら見送るしかなかったのでしたとさ。 - 20123/06/25(日) 20:52:11
1レスってなんだっけ
やっぱり澤井先生ってすごいね
こんなシチュばっかり書けないよ俺 - 21123/06/25(日) 20:54:26
- 22二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:57:50
天才でした……
ボリウッド特異点に飛ばされる話 - 23二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:58:42
ミニクーちゃんの世話を渋々見るもののだんだんと萌えてメロメロになる話
- 24二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 20:59:11
ちびノブの世話をノッブや新撰組に頼まれるほのぼのもの
- 25123/06/25(日) 21:04:02
みんな優しいね……
二本目
サーヴァント dice1d3=2 (2)
1 アシュヴァッターマン
2 邪ンヌ
3 ぐだ男(サーヴァントではないのでヒットした場合dice1d383=309 (309) を追加)
舞台 dice1d3=1 (1)
1 ボリウッド(インド映画風でいいのかな?)特異点行き
2 ミニクーちゃんのお世話メロメロ編
3 ちびノッブのお世話編
- 26123/06/25(日) 21:06:42
【事前注意】スレ主は諸事情によりインド映画エアプに近いので基本的に表現はダンスと歌が中心の映画だと認識しています、また当然インド系の語学など目も当てられないので日本語になります、ご容赦
- 27二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 21:07:35
- 28二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 21:10:48
邪ンヌ編終わったらミニクーちゃんとちびノブのお守り頼まれる怒りマン編に突入かな
- 29123/06/25(日) 22:09:25
「はぁ、早速ツイてないわね。マスターちゃんは大丈夫かしら?」
色素の薄い肌、髪、瞳。そして闇のように黒い鎧と、儀礼の剣。そして旗を手にしたサーヴァントの女性。真名をジャンヌ・ダルク……そのオルタ。以後邪ンヌとする。
口振りが示すように、発生した微小特異点へとマスターと共に来たはずの彼女はもはや恒例のようにはぐれた状態で飛んできてしまったのである。
「確かここはインド……少し警戒しないと不味いわね。この土地に縁のあるサーヴァントが敵対してたらマスターちゃんが危ないわ」
しかし邪ンヌは冷静だ。当然である、こういうことは何度も記録で見てきたこと、むしろ真っ当にレイシフトできたケースのが珍しいくらいという事態ばかり。そのため警戒するのはこの先のことだ。
インドの地に名を連ねる大英雄達はカルデアが把握できてる範囲でも強者が揃い踏みしているまさに魔境。味方であればともかく、敵対していればマスター不在の邪ンヌでも不味いのにサーヴァントがいるかもわからないマスターは危機を通り越して死の宣告である。
それを危惧して彼女は動くことを選ぶ。当然の判断であり、それを誰も咎めることはないだろう。
そして見えてくるのがとある街並み。やや大きく、城壁のようなものに囲まれたそこは少し離れていてはわからなかったが、近づくに釣れて何やら陽気な音楽が彼女の耳に微かに届いてきた。
「……街よね?……ずいぶん賑やかそうね、まあ寂れてるよりは良いことだわ。マスターちゃんが居ればなおよしね……安全という意味で」
誰に向けて言い足したのかはわからないが、邪ンヌの言い分はごもっとも。よほど猟奇的な特異点になっていなければ人が死んで賑やかになることは早々ない。
「ええ、ただの旅人ですよ。…護身用ですが?ほら?女の一人旅は怖いじゃないですか?…どうも」
それでも何が逸らせるのか、足早にそこに向かっていき、やけに話のわかる陽気な門番とのやりとりを挟んで彼女はついに街への潜入を果たすことに成功した。
そして彼女が見たものは―――― - 30123/06/25(日) 22:09:52
『カルナァ!!お前はいつもそうやって涼しげな顔で私を見るのだ!』
『アルジュナ、俺はともかくお前ほどの男が何故こうなっている。衰えたか』
マハーバーラタの大英雄として名高く、そして宿敵同士として語られるカルナとアルジュナ。その二人が白熱した勝負を街中で繰り広げてる最中である。
「――――――は?」
その勝負内容が砂が舞うほどの激しさを持ち、見るものを魅了する凄まじいキレと体幹を見せつけるダンスでなければ、彼女はその場で呆けずに済んだことであろう。
そしてそんな彼女に声をかけるのは朱の長髪を暴れさせるやや小柄な青年、ラーマ。彼もまた大英雄の一人である。
『おお、ジャンヌ・オルタ。汝も来たか』
「っ、その声はラーマですね、いったい何――」
『悪いが余にもわからん。ひとつ言えることは』
そのラーマの姿にまたしても絶句する邪ンヌを尻目に、ラーマは反応を予想していたとばかりに冷静に話を続ける。
『――この特異点に、いや街に入ったものは余達のように踊りを矯正されるということだ』
邪ンヌの周囲を踊るように、軽快な足捌きで回りながらあくまで冷静に。それを語る彼の頬は…どこか赤みを帯びているようにも見えている。
「――――――なんっじゃそりゃーーーー!!!」
邪ンヌの魂からの叫びはしかし、踊り狂う大英雄三人や、いつの間にか集まっていた街人達の動きを止めることはついぞ出来ず、彼女は逃げるように現場を離れた。 - 31123/06/25(日) 22:10:14
…その先で、ラーマの発言が真実味を帯びる。邪ンヌにもその影響が出始め、その足先が浮き、手が勝手に宙を泳ごうとする。
「……え、ちょっ、待って、もしかしてこれ私も!?」
光景のあまりの現実味のなさにあり得ないと思っていた彼女だが、当然その影響は次第に出てくるものである。強制的に踊らされるという事実を今身を持って知ろうとする彼女はそのことに思わず羞恥心が出てこようとしている。
「フッ、たかが踊り程度でだらしのない。いや、村娘なら存外愉快な舞踊が出来るのではないか?収穫祭などやるのだろう?」
そしてそれを空気も読まずに遮る声。邪ンヌと同じように色素が薄いその身に黒い鎧を纏った少女のものであると邪ンヌは即座に理解し、踊りそうになる身体を抑えながら振り向いた。
「その声はオルタのセブフゥッ!!」
だが決壊して吹き出した。先程のラーマもだが、邪ンヌにとっての喧嘩仲間とも言える凛々しいセイバー…アルトリアのオルタ(以後黒王とする)が、その表情だけは赤くなりつつも保ったまま俗にいうナー○ゥダンスを始めていればそうもなろう。しかもキレだけはやはりいい。
その足の動きはプロと見間違えそうなほど上達しており、砂を他人にかけないようにしながらその雄々しさを見せるための蹴り上げや振り抜きは見惚れてしまってもおかしくなく、現に街娘の一部はその動きにくらりと来ている有り様だ。
だが邪ンヌは理解した。勉学のために視聴したこともあるインド映画では、色々な事情があって表現が歌や踊りになっていることが多く、一見すればおかしく見えるがしかしその内情を理解し、しっかり見ていけばまさに名シーンとなるものが多数あるものだったのだ。
「いや、やだ、私までこんな……っ」
しかし、それがない場合。つまり秘められた想いも伏線もなく踊る姿は賑やか通り越してもはや笑いを誘いかねないのだと彼女は悟った。そして抑圧の意思を剥がされた肉体がどうなるのかはもはや言うまでもない。
「馬鹿みたいなことしたくないんだけどーーーー!!?」 - 32123/06/25(日) 22:10:52
――しばらくして。
「……こんな姿マスターちゃんに見られたら死にたくなるわね」
「諦めろ突撃女、もはや我々に出来ることはこのまま踊りながら黒幕を潰すことだけだ」
「あっそ、どこにいるのかくらいはわかってますよね?」
「役に立たん女だ」
「自己紹介かしらね!!」
喧嘩するほど仲がいい、とはよく言ったもので二人はもはや諦めたような表情でナ○トゥを踊りながら器用にマハーバーラタ大英雄二人が踊り続ける現場に戻ってきていた。
『まだついてきますか、カルナ…!』『フッ、この程度で遅れを取るとすれば情けないと言えるだろう』『……余を挟んで会話するのはそろそろやめないか?』
なおアルジュナ及びカルナ並びにラーマは相も変わらずの様子である。彼等の本場のためなのか、それとも特異点の影響なのか一向にその踊りは止まることがない。
一応ラーマが仲裁に入るような立ち位置に居るため、二人で争うような踊りをしていた頃よりは落ち着きが取り戻しているが当のラーマはやれやれといった顔つきである。そこに小気味良くも疲れの見えない踊りが加わることでよりシュールな様となるが。 - 33123/06/25(日) 22:11:02
「私が言うのもおかしな話ですが、油断してる方々が多いのでは?」
彼女がぼやく通り、周囲を見渡せば街の人々に混じりサーヴァント達がもれなく踊らされている光景が広がっていた。
『ンンン!拙僧多才ですがこれはなかなか!!』
やたらデカイツートンカラーの蕨頭の大男が愉快そうにドンドンと地を揺らすように足でリズムを取って舞い。
『生憎我輩はこの手の踊りにはぬおっ!?』
この光景を爆笑しながらネタにしようとして見事に捕まった自業自得の作家は舞台とはまた異なる勝手のせいか盛大に転倒して砂煙を上げ。
『煉獄、上手ですよ』
『いや俺は正直やめたいんだけどね!?恥ずかしいしさぁ!!』
太陽燦々なこの地でなぜか水着の褐色の少女に手を引かれているとても小さな娘がお遊戯めいた、子供らしく愛らしい踊りで周りに癒しを与えていたり。
「……いっそ殺してくれないかしら」
「生憎この特異点ではそういった行為は禁じられてるようだな」
「もう、ほんとやだ……」
そんな姿を見てもやはり、擦れていても根っこが純朴な彼女にはやりたくもない踊りをさせられている羞恥心には勝てず、自覚する度に顔を俯かせることを繰り返す。
それがいつ終わるのか、解決するのかはいまはまだ誰にもわからないが……
『あ、街だ!やっと見えた!』
『うむうむ、早くわえに面白い光景を見せんか』
確定していることは、今の邪ンヌにとっては一番出会いたくないだろう人物が、やけに楽しそうな金髪で褐色の肌をした女性を連れて街に来ようとしていることであった――。 - 34123/06/25(日) 22:12:11
もう長くなることはどうしようもないと思うことにしました
短く書ける人ってすごいね、本当
最後はジャンルが似てるのでアシュヴァッターマンに頑張って貰いますが少し休憩挟みます、色々申し訳ない - 35二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 22:14:31
インドコンビはさぁ…
- 36二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 22:17:41
インドはすぐ踊る
- 37二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 22:23:22
元凶わえちゃん…?
- 38二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 23:44:35
『ノブノブ、ノッブ!』『うるせえチー鱈ぶつけんぞ』『ノブゥ!?』
「あぁぁうるせえ!喧嘩すんな!!……チッキショウ、なぜ俺がこんな……」
時は少し遡り。
「おー丁度よいとこに!こいつらの世話頼む!」
「は?」
「あ、うちの新撰組ノッブもお願いしますね!」
「は?」
「あ、この埴輪ノッブもお願いねー、赤い人ー」
「は?」
怒りに燃える赤きアシュヴァッターマン、彼がシミュレーションで戦闘でもしようと部屋を出た矢先、遭遇した織田信長、沖田総司、そして卑弥呼。彼女らに押し付けられるは織田信長をデフォルメしたような外見をしたナマモノ…通称ちびノブの集まりのお世話。彼もこれには怒る前に呆けかけた。
「…~~んのッ」
「オイ」
「あぁ!?なんだバーサーカーのクー・フーリンか!ちょうどいいこい」
そして足早に去っていく彼女達を見逃す羽目になり、ついに怒りを滾らせていたところに、更に出会すは骨と外套が物々しい狂王のクー・フーリン。
彼に世話を押し付けよう、アシュヴァッターマンがらしからぬことを思い付いたのを読んでいたかのようにその胸元に押し付けられる温もり……ミニクーちゃん。
「面倒見てろ」
「……はぁぁぁぁ!!?」
『うるせえチョコ鱈ぶつけんぞ』
「あぁ喋んのかこいつ!?」
こうしてアシュヴァッターマンによるミニクーちゃん&ちびノブ軍団のお世話が始まることになった。シミュレーションで戦闘の計画も頓挫である。 - 39123/06/25(日) 23:45:29
しかし、アシュヴァッターマンは怒りに燃える男ではあるが真面目で無責任にはなれない男。押し付けられたとはいえ、世話を任せられてしまえば放棄するという選択が出来なかった。
「そもそもこいつらは何を食うんだ?世話っつーんならそれくらい教えていけあいつら……」
冒頭寸前。繰り返すが彼は真面目である。果たして食事が必要かわからないナマモノ相手でも空腹を危惧する男だ。
とりあえず、と先程からミニクーちゃんが発する言葉をヒントにチョコ鱈とチー鱈を与えてみたところ、ミニクーちゃんはその包みを開けてモグモグと食べ始めた。
それを見たちびノブが羨ましがり、恐らく彼(?)らなりに交渉を試みたところ失敗に終わったのが冒頭である。
「それでいいのかよ?それならまだ貰ってきてるから大人しく食え、ほら」
『ノブノブ!!』『ノブー!』『ハニョブ!』
「喜んでんのか?ダメださっぱりわからん、イライラしてきた」
『ノブ!?』
「あー気にすんな、いつものことだ。いいか、俺は常に怒ってる。だがお前達に直接ぶつけるほどじゃねえ、だからそれ食ってろ」
『ハニョ!』『ノブブ!』『ケッ』
食べ物を与えた程度でワイワイ騒ぎ、怒りを見せれば怯え、教えればまた騒ぐちびノブの姿にはアシュヴァッターマンといえど多少は和らぐがミニクーちゃんのふてぶてしい態度が少しそれを刺々しくしてしまう。
「やれやれ。パールヴァティー様に相談……いや、あの方にこんな珍妙な生物の世話を焼かせるのもな…」
しかし彼が言う通り、ナマモノにキレ散らかしていては戦士としてどうかという思いからグッと耐え、その怒りは別の方向に燃やすのだ。主にこの世話を押し付けた面々に。 - 40123/06/25(日) 23:46:02
『ノブ!』
「あん?なんだ俺も食えってのか?」
『ノッブ!』
「ハッ、いい根性してるじゃねえか。嫌いじゃねえぞ」
『ノババババ』
「うおっ!?強くやりすぎたか!?」
『うるせえ騒ぐな。それくらいで壊れん』
「お前は本当になんなんだよ!!」
ため息をつく彼の横でチー鱈を差し出すちびノブに気を良くし、受け取って頭を撫でてやれば加減が効かないのかそれともちびノブの耐久の問題なのか震え出し、驚けばミニクーちゃんが毒を吐く。
それにはアシュヴァッターマンも少し怒りが貯まる始末である。確かに彼は真面目ではあるが不当な扱い、つまり理不尽には当然怒る。世話をさせられる立場になってるのにその対象からこうもズケズケ言われては誰でもイライラするだろう。
「いいかミニクーちゃん!!俺は確かにお前の世話もやらされたがお前がその態度なら俺でも他に押し付けんぞ!!わかってんのか!!」
『ノブブブ!』『ノブーブ』『ハニョハニョッハニョ!』
「うるせえ!!!」
『ノブゥ…』
恐らくちびノブにとっては援護射撃のつもりだった声援も今のアシュヴァッターマンには言葉通りの意味にしかならない。それに悪いと思いつつも、しかしここでわたわたしてはミニクーちゃんに言い聞かせられないと堪えていたが。
『フン、余計なお世話だ』
「誰がその鱈持ってきてやったと思ってるんだお前は!!!」
どうやらこの、チー鱈を咥えて話す個体には通じないということしかわからず、彼一番の怒号が響くのである。恐らくこの光景をパールヴァティー神が見れば少々納得はいかないがまずアシュヴァッターマンにお説教が行ったであろう。その後ミニクーちゃんである。
だがこの現場に彼女は居らず、部屋にいるのはアシュヴァッターマンただ一人。彼の長い戦いはまだまだ始まったばかりである。 - 41123/06/25(日) 23:46:16
そして主にミニクーちゃんに振り回され、たまに混じってきた新ちびノブ達に慌てたりするアシュヴァッターマンであったがついに安息の時が訪れる。
「……ったく、ようやく全員寝やがったか」
『ノーブ……ノーブ……』『ぐー……』
サーヴァントとはまた違う不思議な存在であるこの集団は、疲れたり満足すれば眠るという習性も持っているらしく、ようやくそれが全個体に行き渡った。
「どいつもこいつも呑気な寝顔しやがって、イラつくぜ」
一体が寝付けば他もなし崩し的に眠っていくちびノブはともかく、ミニクーちゃんには本当に手を焼かされたものだと思いながら彼は丁寧に全員にかかるように用意したシーツを被せていく。
心底疲れはしたが、その寝顔(?)自体は実に能天気なものであり、多少癒されなくもない、というのが彼の見解である。そして最後にあの憎たらしいミニクーちゃんへかけようとしたところ。
「……ハッ、可愛くねえ態度だったわりに寝顔は可愛いもんだな?ミニクーちゃんよぉ」
『ぐがー……』
ふてぶてしさも毒々しさもどこへやら、と言わんばかりの素直な寝顔に呆れ半分になりながら漏らすアシュヴァッターマン。
「くあ……ったく、こいつらの寝顔見てたら俺まで眠くなりそうだ。今のうちにパールヴァティー様に……いや眼を離してる時に起きても面倒になりそうだな、くそが」
結局彼は信長、新撰組、卑弥呼、そしてクー・フーリンが引き取りに来るまで暫く世話係として奮闘したのだという。 - 42123/06/25(日) 23:47:36
というわけでこれで完了ということにさせていただきます
解釈違いや1レスじゃないだろなどのツッコミなどはあると思いますがそこは勘弁していただきたい
もし読んでくれた人がいるなら感謝します、そして爆死なさらぬように、それではおやすみなさい - 43二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 23:50:44
最初のトンチキといいよくやったな…
- 44二次元好きの匿名さん23/06/25(日) 23:52:26
888888888888888!!!!!すごくワクワクとトキメキと萌えの止まらないスレでした!!スレ主お疲れ様です!そしてスレ主のガチャ運が上がりますように。
ちびノブとミニクーちゃんの保護者する怒りマンという最高に萌える作品ありがたや… - 45二次元好きの匿名さん23/06/26(月) 00:01:19
ようやった