- 1二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 10:50:57
「あ〜〜、畳のいい匂い〜……今日はここがわたしたちのお城〜」
「とりあえず荷物だけ置いちゃおっか」
「は〜い♪」
今日、わたしたちは温泉旅館に来ています。
なんと数ヶ月前、福引で特賞の温泉旅行券が当たったのです!
その期限が間近に迫っていたため、どうにか療養期間を作って遊びに来たわけなのです。
あらすじ、終わり!
「ご飯の時間っていつでしたっけ?」
「うーん、18時ぐらいかな」
現在の時刻を確認すると、だいたい16:00ぐらい。
ほほう、その前に温泉に入るチャンス、ありそうですね。
「お、ミラ子はすぐ温泉派?」
「時間があればですかね〜、どうせならゆっくりしたいですし」
「それは同感〜、特に最近はあまりはしゃげなくて……トシかなぁ」
「もう、わたしとトレーナーさん、そんなに年齢離れてないじゃないですか」
なんて雑談を交わしながら、浴衣に着替えてお風呂へ向かう。
せっかくの温泉療養・せっかくの貸切風呂なんだし、満喫しなくちゃ! - 2二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 10:52:04
「あぁ〜……溶けちゃいそー」
「ふう、疲れた身体に沁みるなぁ」
「だから、トレーナーさんはそんなに老けてないでしょ」
「声が漏れちゃうんだから仕方ないの〜」
そんなこんなで、露天風呂に浸かったらサウナに挑戦。
しりとりして時間を稼いだり、安全の範囲内で我慢比べをしたり。
あ、2人揃って「はひぃ〜」なんて悲鳴を上げたりもしたっけ。
灼熱を体感した後は、備え付けのベンチで外気浴としゃれこみました。どうやら気持ちいいらしい。旅行雑誌で読んだだけだけど。
「外涼し〜……」
「頭ふわふわするね」
「これで健康になれるんですかね〜?」
「ふふ、どうだろ」
見上げれば、グラデーションがかかった夕空。
癒されるって、こういうことを言うんだろうなあ。
あ。癒されると言えば。
ふと思いついたことがあって、わたしはトレーナーさんの方に視線を戻した。
トレーナーさんもわたしの気配に気づいたようで、見つめ合うような状態になる。
数瞬。
トレーナーさんは小首を傾げている。「何か言いたいことあるの?」とでも言いたげだ。
……こうしてトレーナーさんのことを見ていると、少し緊張しちゃうな。 - 3二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 10:54:17
「……トレーナーさん」
「どったのミラ子」
「お願いがあります」
「そんなにかしこまらなくても。何でも聞くよ」
「ドライヤー、お願いしてもいいですか」
トレーナーさんは呆気にとられた顔をしたあと、たまらず吹き出したように笑いだした。
「く、ふふっ──あっはっはっ」
「なっ、なんですか失礼なっ」
「いやいや、何かと思ったらかわいいお願いだなって」
「もう、担当ウマ娘が真剣にお願いしてるのに〜」
「ごめんごめん、それぐらいいくらでもやってあげるよ」
わたしの緊張はどこへやら、トレーナーさんは明るく笑う。
その様子を見ていると、わたしはさっきまでのことがちょっぴり恥ずかしくなって、それがまたおかしくって。
しばらくの間、わたしたちはお腹を抱えて笑っていた。
ーーーーーーーーーーーー
「ふへ〜、体がまだポカポカする〜」
「あまり冷やしすぎもよくないからね──ほれミラ子、ここ座りな」
「やった〜♪」
お風呂から上がったあと、わたしはお願い通りにドライヤーをかけてもらうことになった。お願いって、言ってみるもんですね〜。
「全然指が引っかからない……さらさらでいいなあ」
「トレーナーさんがお上手なんですよ」
そんなことないって、とトレーナーさんが謙遜する中、わたしは思いを馳せる。 - 4二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 10:54:53
デビューしてからの3年間、トレーナーさんはずっと隣にいてくれた、かけがえのない存在だ。
合宿やプールのときは普段以上のスパルタ。それこそ、今日のサウナがかわいく思えるぐらいには。
だから──
「トレーナーさん、今日は全力のアメでお願いします。発言も、行動も」
「…………」
わたしがそうこぼすと、トレーナーさんはドライヤーを止め、ぽんぽんと頭を撫でてきた。
顔を見ると、トレーナーさんは穏やかな笑みを浮かべている。いつもわたしを支えてくれた、あの優しい顔。
「そんなこと言わなくても、ちゃんと褒めるよ」
「──ありがとう、ございます」
それが何だか無性に嬉しくて、水気を帯びた尻尾がぱたぱたと揺れる。
まったく、「尻尾は口ほどにものを言う」とはよく言ったものです。
せっかくなので、尻尾もやってもらうことに。
しばらくは、勿体なくて洗えないかも?
「〜〜♪」
「気持ちいい?」
「はい、ありがとうございます」
「ふふ、それはよかった」
「……あのですね、トレーナーさん」
わたし、もっと頑張ってもいいですよ。明日から。
「……少しくらい厳しくても、ついていきますから」 - 5二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 10:55:59
おわり
温泉旅行見て浮かんだ妄想を書いてみました
後半駆け足だし中身もないけどゆるして - 6二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 11:11:40
こういう雰囲気のSS好きです……
ありがとう - 7二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 11:16:51
人生の先輩後輩って感じでとてもかわいい
- 8二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 11:27:23
- 9二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 12:23:58
あ゙ぁ゙~とっても可愛い時間 これは♂トレーナーでは出来ないな~
- 10二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 14:06:38
いいな…魂が浄化される……ミラ子とトレ︎︎ ♀がゆるゆるじゃれあってるの無限にみてぇよ…
- 11二次元好きの匿名さん23/06/27(火) 21:46:24
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