【SS】そんなんじゃないし!

  • 1二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:25:17

    「でさー、それがクサくってさ?」
    「あはは、クサいよね〜」

    お昼休みのカフェテリア。
    わたしは、友だちと一緒にランチを堪能していた。
    ──と、そのとき。
    見覚えのある顔が視界に入った気がして、ふとそちらを目で追った。

    「どったの?ミラ子」
    「あ、たぶんトレーナーさんかなーって」

    そう言いながら、じーっと観察してみる。
    その背格好でわかる。間違いない。わたしのトレーナーさんだ。

    「ミラ子、せっかくだし声かけてきたら?」
    「ん〜、別にいいかなあ」
    「どして?」

    なんか、考え事してそう。
    そう伝えると、友だちはきょとんとしたような顔をする。そしてすぐに、にやりと笑った。
    あー、なんか企んでるな、これは。

    「ヤバ。以心伝心ってヤツ〜?」
    「アツアツですなぁ、うりうりー」
    「なっ、え、ちょっ」
    「ほら、早く行かないといなくなっちゃうぞ〜」
    「別にいーもん。どうせトレーニングで会うし」
    「……」
    「正妻の余裕ってか……。こりゃ敵わないわ」

  • 2二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:25:40

    友だちはやれやれ、と肩をすくめる。
    わたしはほんのちょっとの怒りを込めて、お皿のウインナーを頬張った。……うま。

    「でもさ〜、なんかあるらしいよ」
    「ほぇ?」
    「トレーナーが急に2人目の担当とるパターンだよ。ま、あくまでウワサだけど」

    それを聞いた途端、わたしは動揺のあまりウインナーを喉に詰まらせかけた。

    「んぐ、けほけほっ」
    「ちょ、大丈夫?」

    飲み物でウインナーを流し込んで、どうにか平静を装う。
    だけど、わたしは内心バクバクだった。

    ──わたしが走らなくなったら、トレーナーさんはどうするんだろう。
    担当ウマ娘がいなければ、トレセン学園のトレーナーは仕事がなくなってしまう。それくらいは、こんなわたしでもわかる。

    じゃあ、もし、わたしが走れなくなったら?
    ……そんな未来、考えたくもない。
    わたしは、だんだんと心が冷えていくのを感じた。
    なんとも言えない焦燥感が胸の中に渦巻いて、心臓の音が聞こえてくるような錯覚を覚える。

    「おーい、ミラ子?」
    「……うん?」
    「すごいことになってるよ、耳」

    言われるがまま触れてみると、わたしの耳先は後ろを向いていた。
    でも、耳を絞るほどイヤなのは事実だ。

  • 3二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:26:07

    「まあウワサだしさ、実際にそーゆーのがあったってわけでもないし」
    「それに、ミラ子のとこは大丈夫そうじゃない?」

    ほれほれ、と友だちが示す先には、大きく手を振るトレーナーさんの姿。
    おーい、ミラ子〜!なんて叫んじゃって。こっちが恥ずかしくなってくるじゃん。

    「全く、あのヒトってば……」

    わたしが呆れていると、友だちは「わっかりやすー」とか何とか。
    ……え゙。
    もしかして、顔に出てた?モロに?
    思わずほっぺたを押さえると、友だちはけらけらと笑った。
    わたし、チョロいみたいになってない……??

    「あはは、ミラ子ってば、トレーナーさんのこと好きすぎ〜」
    「ちゃっ、ちゃうちゃう、そんなんじゃないし!」
    「じゃキライなん?」
    「そんなんでもないし!」
    「もー、ミラ子はかわいいんだから」
    「…………」
    「ごめんてば、あっはっは」
    「ほら、行ってきなよ」

    友だちのからかうような、生暖かいような視線が刺さる。

    ……こんにゃろ〜〜!!
    わたしは逃げるように席を立つと、トレーナーさんの方に向かって駆けていった。
    わたしをこうさせた責任、取ってもらいますからねっ!

  • 4二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:26:49

    おしまい
    相変わらず中身はありません、ごめんね

  • 5二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:29:56

    あれェ? 創作者は胸張ってなんぼでしょ?
    そんな卑屈になっちゃダメダメェ

    ハッキリ言ってあんたのSS最高……
    超面白ェ〜

  • 6二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:29:59

    こんなんニヨニヨしてまうわ

  • 7二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:36:38

    神か???
    続き期待しとこ

  • 8二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:38:53

    口座番号を教えろ原稿料を振り込ませろ

  • 9二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:41:52

    冒頭のやりとり…貴様、らきすた民だな?

  • 10二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:51:25

    チョロミラ子かわいい
    もっと書いて(強欲)

  • 11二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 18:52:16

    >>5

    >>6

    >>7

    >>8

    >>9

    たくさんの感想ありがとうございます

    続かないつもりだったけど……どうしようかな(書いてもいいよ)

    大正解、らきすたです

  • 12スレ主23/06/30(金) 19:08:11
  • 13二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 19:11:15

    >>12

    貴重なミラ子SS物書きですいただきましょう

  • 14二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 19:14:28

    >>12

    あなたのSS俺は好きだよ

    全部読んだしこれからも読むぞ

  • 15スレ主23/06/30(金) 19:26:44

    >>10

    >>13

    >>14

    ありがとうございます、字書き冥利に尽きる……

    これからもちょくちょく書いていくのでよろしくお願いします

  • 16二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 19:29:15

    やっぱりあなたか!


    >わたしはほんのちょっとの怒りを込めて、お皿のウインナーを頬張った。……うま。


    ここ特に好き

    ちょっとほっぺ膨らませて「はむっ」て感じでほおばってるミラ子が見えますね最高です

  • 17二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 21:02:10

    あげ

  • 18二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 21:51:15

    >>16

    ミラ子SSの人として認知してもらえたってことでしょうか……?

    ありがとうございます……めちゃくちゃ嬉しいです!

  • 19二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:21:29

    友人二人も良いキャラしてますねえ…

    素晴らしいなあ

  • 20二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:22:50

    このレスは削除されています

  • 21二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:24:54

    このレスは削除されています

  • 22二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:26:53

    このレスは削除されています

  • 23二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:31:59

    (まずい……荒らしにageられたせいで俺しか知らないこのSSの良さがバレてしまう……)

  • 24二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:32:45

    このレスは削除されています

  • 25二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:33:35

    >>24

    ありがとうございます

  • 26二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:36:39

    ほっこりしちまったぜ…ありがとうよ

    新作待ってるぜ

  • 27二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:55:42

    無限にニヤニヤできる
    良きかな良きかな

  • 28二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 22:56:26

    このレスは削除されています

  • 29二次元好きの匿名さん23/06/30(金) 23:46:56

    すごくすごいよかったからageるね♡

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