- 1二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:11:33
「失礼しまーす……って、あれ?」
放課後。
いつものようにトレーナー室に入ると、トレーナーさんからの返事がない。
デスクに近寄ってみると、トレーナーさんは机に突っ伏していた。耳を澄ますと、すーすー、という可愛い寝息。
「寝てる……めずらし」
わたしはトレーナーさんを起こそうとして手を伸ばしたけど──
やっぱりやめた。
トレーナーさんは、いつもわたしをホメ殺してくる。まあ、わたしもそれに乗せられちゃうんだけど。
「これはもしかして〜……?」
反撃のチャンス、なのでは??
そうと決まれば行動するっきゃない!
わたしはスマホのカメラを起動すると、音が聞こえないように細心の注意を払いつつ、シャッターを押した。
「んふふ。トレーナーさんの寝顔ゲット〜」
わたしはにんまりしながら、それを待ち受け画面に設定した。
ちょっとカップルみたいで恥ずかしいけど……まあ、わたしとトレーナーさんの仲なら問題ないよね♪ - 2二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:11:48
さてさて、寝顔も手に入れたわけだし。
「……サボっちゃおっかな?」
わたしはデスクから離れようとしたけど、トレーナーさんの傍らにあるものが目に入った。
資料の山。雪崩れてしまいそうなほど積み上がったそれは、トレーナーさんの仕事熱心さをよく表していた。
──ほんと、仕事ジャンキーなんだから。こんなになるまで、頑張りすぎですよ。
でも、まあ。
「……それだけ期待してくれてるってことなのかな」
トレーナーさんの寝顔を見ながら、つぶやく。
「……仕方ないなあ、もう」
わたしはトレーナーさんに毛布をかけ、トレーナーさんの耳元に顔を近づけた。
「あなたが頑張ってるから、期待してくれてるから、わたしも頑張れるんですよ」
「いつもありがと、トレーナーさん」
──だいすきですよ。 - 3二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:12:02
そう言いかけたところで、トレーナーさんは身じろぎをしだした。
わたしはびっくりして、思わず距離をとる。
「んん……ミラ子……??」
「──随分とお疲れみたいですね?」
「あー……寝ちゃってたか……。この毛布は、ミラ子が?」
「……さーて、どうでしょう?」
「あれ、違うの?」
ミラ子の声が聞こえた気がしたから、そうじゃないかと。
トレーナーさんがそう続けたのを聞いて、わたしは少し安心した。
アレも聞かれてたら、恥ずいなんてもんじゃないし。
「それも、どうでしょーね?」
「それ、絶対何か言ったやつだよね」
「ヒミツでーす♪」
「えぇーっ!?」
さっきの言葉は、もうしばらくわたしの中にしまっておこうかな。 - 4二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:13:01
おしまい
文量書けないので3レスでおわり - 5二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:13:52
- 6二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:13:59
めちゃくちゃ書けてるよ!
めちゃくちゃ好きです - 7二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:15:28
前にも同じようなSSスレ立ってた気がするけど再掲?立て直し?でいいのかな?
このSS自体はめちゃくちゃ好きです - 8二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:17:50
- 9二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:18:21
変なのに目をつけられてめちゃくちゃにされてたから大丈夫かなと思ってたんだ
ナイスSSです! - 10二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:20:20
やっぱりそうか!めちゃくちゃ良SSなのに変なのに目つけられててもったいねぇ……となってたから良かった良かった
- 11二次元好きの匿名さん23/07/02(日) 22:31:59
ありがとう…それしか言う言葉が見つからない…
- 12二次元好きの匿名さん23/07/03(月) 00:57:38
あげ