- 1二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:06:04
- 2二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:06:17
お好み焼きが焼きあがるのを待ってる時間は、好き。
むしろ、お好み焼きの醍醐味だとは思う。
焼き加減をじっくり見計らって、形を整えて、最高のタイミングで一気にひっくり返す。
味もさることながら、この作る過程もお好み焼きの魅力なのだと、わたしは考えている。
ふふっ、そういえばこの間トレーナーさん、盛大に失敗していたなあ。
シロウトめー、って笑いながらわたしが直してあげたんだよねー、楽しかったなあ。
…………あー、でも。
待ってる間にお腹鳴っちゃって、それをトレーナーさんに聞かれたのは、恥ずかしかった。
お腹が空いてる時のお好み焼きは、こういうところが難点だ。
総合的に見ると、うん、それでも好き。 - 3二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:06:36
プールのテストを待っている時間は、だいっ嫌い。
わたしにとっては、処刑されるのを待っているのと大差ない。
何故大変な目に合うとわかってて、わざわざ地獄に飛び込まなければいけないのだろうか。
しかも、今度また追試だし……くそう、今回こそ逃げ切ってやる。
ああ、でも逃げちゃうとトレーニングに制限がかかっちゃうんだっけ。
バンブーちゃんやヤエノちゃんも、協力して、応援してくれているし。
それにトレーナーさんも、終わった後は、いっぱいホメて、ゴホウビを用意してくれる。
こないだは焼肉だったから、今度はお寿司とかがいいなあ。
…………うん、まあ、ちょっとは、悪くないなとは思ってきたかも?
総合的に見ると………………やっぱり、きらーいっ! - 4二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:06:54
お出かけでトレーナーさんが遅刻してきた時の待ち時間は、ふふっ。
これはまあ、滅多にないことで、むしろわたしが遅刻する機会の方が多い。
でもたまーに、年に一回か二回くらいは、トレーナーさんは遅刻してしまう。
理由はトラブルに巻き込まれたり、仕方ない理由が殆どなのだけど。
トレーナーさんと顔を合わせる前に、余裕が出来るところ良いかも。
今でも、お出かけの時には少しどきどきしちゃうから、少し気持ちの準備をする時間が欲しい。
髪の毛に変なところはないか、服装はちゃんと整ってるか。
トレーナーさんが遅刻してきた時は、最終チェックを十分にできるから、そこは好き。 - 5二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:07:10
あとあと、そういう時はトレーナーさんが妙に優しく、甘やかしてくれる。
多分遅刻してきたことを気にしてるのだと思う。
別に寝坊とか、トレーナーさんのせいじゃない理由なんだから、気にしなくても良いのに。
…………ちなみにわたしの遅刻した理由は寝坊でした、クーちゃんは悪い子です。
それで、そんな日は、わたしのお願いを何でも聞いてくれる。
甘いもの食べたーいって言ったら、普段はカロリーを気にするのに、普通に連れて行ってくれたり。
トレーナーさんの歌聞きたーいって言ったら、カラオケで熱唱してくれたり。
……プールいやーって言ったら、断固拒否されたけど。
でも、ちょっと他人行儀というか、遠慮を感じちゃうから、そこだけはちょっと嫌。 - 6二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:07:35
トレーナーさんと一緒にいられる時間が短くなるのは、嫌い。
遅刻してない時ですすら、もう少し一緒にいたいって、もっとお話がしたいって思うから。
明日もその次の日も顔を合わせるのに、何故かその日別れるのが、とっても惜しくなっちゃう。
だから、会う時間が一秒でも短くなるのは、あんまり好きじゃない、かも。
あなたに早く会いたい。
だからあなたに早く来て欲しい。
自分でも遅刻するくせに、来るのもギリギリが多い癖に。
そんな身勝手で、ワガママで、めんどくさい想いを、わたしは抱いてしまうのだ。
うう、わたしってこんな重かったかなあ…………いや、物理的な話はしてませんけど?
総合的に見ると────。 - 7二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:08:04
「────ヒシミラクル! 待たせてごめん!」
駅前の広場、物思いに浸っていたわたしの背中から、慌てた様子の声。
やっと来たという想いと、無事に来てくれたという想いが、心の中で混ざり合う。
わたしは彼に聞こえないように一息つくと、にんまりとした笑顔をこさえて振り向いた。
「……トレーナーさーん? 何時集合でしたっけ?」
「…………10時です」
「あれれ~? 今は10時15分ですな~?」
「……ごめん」
「…………ふふっ、だいじょーぶですよ、ちなみにどんな理由ですか?」
「ちょっと、出る時に探し物をしてる学園の生徒がいて、それでね」
申し訳なさそうに、頭をかきながら理由を説明するトレーナーさん。
そんな彼の身体から、微かに他のウマ娘の匂いがして、ちょっともやっとして。
わたしは機嫌が悪くなった振りをして、唇を尖らせて、そっぽを向く。
「そーですか、そーなんですねー。担当ウマ娘より、他のウマ娘の方が大事なんですねー」
「いやいやいや、君以上に大事なものなんてないから。ただ困ってる子を見捨てられなくて」
「…………っ」 - 8二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:08:21
わたしはくるりと回って背を向けた。赤くなった顔を見られたくないから。
……ふっ、ふつー公衆の面前でそんなこと言うかあ?
ああ、周りの人がにやにやしてるし! ごっ、誤解ですよーみなさーん!
わたしは大きくため息をついた、そろそろ許してあげようかな。
「…………じょーだんですよー、トレーナーさんならそうするって、知ってますから」
「それは、そのありがとう?」
「あー、それにしても今日はなんだかめちゃスゴなデラックスなパフェが食べたい気分だなー」
「……うん、俺もそんな気分になってきたよ、なんか良いお店ある」
「えへへ、実はですねー、最近クラスで話題のお店があるんですよー」
わたしはトレーナーさんの手を掴んで、歩き出す。
一緒にいられる時間が、一分でも、一秒でも、一緒でも、いっぱい欲しいから。
でも、今気づいちゃった。
待ってる時間も、一緒にいる時間も、わたしはトレーナーさんのことを考えてるなって。
結局のところ、彼を待っている時間も、彼と一緒にいる時間も。
まとめてトレーナーさんとの時間になってしまうのだろう、って。
後ろを振り向けば、困ったような、けれど楽しそうな笑顔を見せてくれるトレーナーさん。
まあ、これは、その、なんというか、しかたないなあ、もう。
総合的に見れば────うん、大好き、かなあ。 - 9二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:09:39
- 10二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:12:35
アッしゅk
- 11二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:25:54
女の子してるミラ子すき…
- 12二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:40:36
好きと嫌いが交互に出てきて最後に大好きにまとまるのいいね
- 13二次元好きの匿名さん23/07/04(火) 23:49:01
この詩みたいな形式読みやすくて良き
ミラ子の気持ちが伝わってくる感じがする - 14二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 00:00:18
カワイイ…カワイイ…
- 15123/07/05(水) 00:43:06
- 16二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 00:47:48
- 17二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 01:01:08
周りの人「「「推せる〜!」」」
- 18二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 01:06:17
素晴らしいSSありがとうございます!
すごくにやにやしちゃいました - 19123/07/05(水) 06:34:37
- 20二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 08:30:22
なんだいなんだいこの甘ったるくてもう一日これで頑張れるってSSは〜!
最後の大好きもうすっごい良いです - 21二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 08:59:08
とってもいい……
- 22123/07/05(水) 19:26:44
- 23二次元好きの匿名さん23/07/05(水) 19:41:44
ド直球の愛に溺れるぅ……好き……
- 24123/07/05(水) 21:35:54
感想ありがとうございます、ミラ子は口には出さないけどストレートな想いってのが似合う気がします