- 1二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:28:40
照夫は歓喜した。必ず、かの籠鳥檻猿の衣を除かなければならぬと決意した。照夫には政治がわからぬ。照夫は、ただのサラリーマンである。PCを打ち、上司に怒鳴られて生きてきた。けれども恥じらいに対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明照夫は全てを脱ぎ去った、上掛けを脱ぎ下履きすらも脱ぎ去り、30分程はなれた通いなれた会社の前にやって来た。照夫には肌着も、大事なところを隠すパンツさえも無い。女房も無い。三十一で、内気な性分の己と一人暮しだ。この照夫は、会社でコツコツ働いていた功績が評され、近々、昇給してもらえる事になっていた。夏のボーナスも間近かなのである。照夫は、それゆえ、昇給祝いの御馳走やらを買いに、はるばる泥花市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。照夫には愛読の書があった。デストロの著書である。今は此の日本の地で、ブームになっている。その書に書かれた地を、これから訪ねてみるつもりなのだ。15連勤ぶりの休日なのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちに照夫は、まちの様子を怪しく思った。開放的である。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに眩しい。恥ずかしがり屋な照夫も、だんだん浮かれた気分になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が「解放せよ!」と歌などをうたっておらず、まちは静かであった筈だが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて宮下に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。宮下は答えなかった。照夫は両手で宮下のからだをゆすぶって質問を重ねた。宮下は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「社長が、個性を、己を解放せよ。というのです」
「なぜ解放するのだ。」
「己という存在を解き放つのです、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「衣服を脱いでいいのか。」 - 2二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:40:05
このレスは削除されています
- 3二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:43:47
狂気で草
- 4二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:48:02
「己という存在を解き放つのです、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「衣服を脱いでいいのか。」
そうはならんやろ - 5二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:53:50
気軽な気持ちで開いたら凄まじい力作が待ち受けていた
あまりの熱量に安易な気持ちで開いてしまった自分に恥じ入り、イッチの情熱には只々頭が下がる - 6二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 17:55:06
大事なところを隠すパンツさえも無い。女房も無い。
調べたけど女房も無いは原文ママで草 - 7二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 18:16:19
吉幾三じゃねぇんだぞ
- 8二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 18:22:35
あにまんって偶にこういうセンス尖ったやつ現れるから好き
- 9二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 18:29:41
スレ画が照夫の新しいコラかと思って開いたらとんでもねえもん読んじまって感動した
- 10二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 18:43:57
所々で社会人の悲哀を感じさせるなァ!
- 11二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 19:23:55
好きw
- 12二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 19:36:18
すげぇ…くだらないのに無駄に文章力高いのかエミュ上手いのか引き込まれる
笑いながら感心してしまって悔しい - 13二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 21:24:57
スレ主あにまん掲示板にいるのが勿体ないくらい才能溢れていると思う
- 14二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 21:27:39
誰か宮下に突っ込んでやれ
- 15二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 21:34:29
文章力たっか!
- 16二次元好きの匿名さん23/07/07(金) 21:38:21
社長は異能開放を謳いはしたけど股間解放は許してくれるだろうか
- 17二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 01:10:29
- 18二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 11:46:09
太宰の硬質でつっぱしった文体とぶっとんだ世界観ヒロアカと合う
続きまってる保守 - 19二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 12:00:04
「自身の自信を解放せよ!」
そういって己を鼓舞する照夫の姿は胸を鬱ものがありましたね - 20二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 15:25:46
公序良俗的に人間失格なんすよ
- 21二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 18:09:31
31歳は元ネタメロスの年齢のまま?
それとも照夫の年齢? - 22二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 18:17:31
- 23二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 18:30:09
- 24二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 21:09:24
【籠鳥檻猿】ろうちょう-かんえん
自由を束縛されて、思い通りに生きられないもののたとえ。かごの中に閉じ込められた鳥と、おりに閉じ込められた猿の意から。
▽不自由な生き方を強いられるこの二者は、白居易はくきょいとその友人の元禛げんしんを比喩ひゆして言ったもの。「檻猿籠鳥かんえんろうちょう」ともいう。
新たな四字熟語を知ることが出来た - 25二次元好きの匿名さん23/07/08(土) 22:07:56
一発ネタのつもりかもしれんが続きまってるぜ⋯⋯
- 26二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 01:02:56
- 27二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 09:01:56
また変なパンツスレかと思ったら名作で感動した
- 28二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 13:19:46
「はい、衣服などはその象徴。自分自身を封じ込みがんじがらめにする鎖他なりません。それからパンツもそうです。夏場は蒸れる、もっと快適に行くべきです。葉っぱ一枚あればいいんですよ。最近は、どんな状況においても絶対に破れない超頑丈パンツを開発中です。あなたもどうです?破けぬパンツ、いかがですか?」
「驚いた。社長殿は試したのか。」
「いいえ、社長は履いてはおりません。『このパンツにふさわしい人が出来ただけ』、というのです。このごろは、臣下の心をも、忘れてしまい、ぽっと出のゲーマーに手を擦る始末、美味くて高い飯を差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば肘技をかけられて、殺されます。今日は、前頭部の平野が少し広がりました。」
聞いて、照夫はこう返した。「なんという人だ。服なぞいらぬ。」 - 29二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 13:21:39
照夫は、大胆な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそデトネラット社にはいって行った。たちまち彼は、巡邏の警備員に捕縛された。調べられて、照夫の懐中からはデストロの著書が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。照夫は、社長の前に引き出された。
「この本を読んで何をするつもりであったか。言いたまへ」
前頭部が物寂しい社長は静かに、けれども威厳を以て問いつめた。その王の顔は穏やかで、しかしてうっすらと黒い痣のようなものが浮かんでいた、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。
「今まで閉じ込められた私を世間へ周知するのだ。」と照夫は恥ずかしがらずに答えた。
「おまえをか?」王は、憫笑した。「仕方の無いやつだ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。デストロの想いもわからぬ」
「言うな!」と照夫は、いきり立って反駁した。
「人の個性を封じるのは、最も恥ずべき悪徳だ。あなたが、デストロが、それを思い出させてくれたのではないか。」
「解放が、正しき人の在り方なのだと、わしに教えてくれたのは、デストロだ。だが人の心は、うつろうものだ。人間は、もともと私慾のかたまりだ。新しき象徴を見つけねばならぬ。」社長は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。
「わしだって、解放を望んでいるのだが。だがそれは決してお前が思うようなものではない」
その時、照夫は既に全裸であった。 - 30二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 13:33:22
来た!ありがとう
唐突な葉っぱ隊で吹いた
照夫なんかかっこ良いよ照夫! - 31二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 13:41:41
社長全裸の人に会わされてよく切れなかったな
- 32二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 14:12:10
- 33二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 16:17:10
デストロも全裸は許さないんじゃないかな…
- 34二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 19:22:13
念入りに念入りに頭部を描写される社長
- 35二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 19:36:03
ほんとなんなんだすごい、長いのについ真剣に読んじゃうw
内容はあれなのに文章が洗練されててすごく良いものを読んでる気になってくる…
すばらしき才能だわ
毎回オチで引き戻される
これ読んでると照夫がちょっといい男に見えてくるバグ - 36二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 19:38:59
- 37二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 19:39:32
ウオオオオオオオオオオ
- 38二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 20:14:37
ここほんと草
- 39二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 21:38:27
まさか太宰がヒロアカ読者であにまん民だったなんて…
- 40二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 22:15:32
太宰は激怒した
- 41二次元好きの匿名さん23/07/09(日) 22:27:00
- 42スレ主23/07/10(月) 01:56:10
今気づいたけど記入ミスある(王→社長)後誤字脱字も結構ある
ほんますまん - 43二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 03:03:20
- 44二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 11:49:30
アニマンの太宰治
- 45二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 13:32:26
- 46二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 16:18:54
全裸の男を前に薄らアザが出る程度に抑えてるの流石です社長
我慢なしすぎは頭皮に良く無いですが - 47二次元好きの匿名さん23/07/10(月) 23:55:04
大好きすぎて何度も読みにきてしまうんだ
宮下もいるのが嬉しすぎる - 48二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 00:29:07
残念さとカッコよさがせめぎ合ってる
- 49二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 10:39:55
授業中にやべぇ面白れぇスレ開いちゃったよ
- 50二次元好きの匿名さん23/07/11(火) 16:38:30
授業に集中して勉強しろって言いたいけどこの素晴らしい文学をしかと目に焼き付けとけ
- 51二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 00:57:22
- 52二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 02:59:15
その身に、何一つ身に着ける物も無いまま、照夫は冷笑しながらこう返した。
「個性などと名付けておいて、それを縛る。此の何処が平和か」
響きこそ硬質であったが、その裏にはデストロへの敬愛と現実への絶望、そして、他ならぬ社長への憐憫の情が、混ざり合っていた。
まさしく生まれたままの姿をさらした男の言葉は、その姿通りに飾りなど無かった。
「だまれ、下賤の者。」
社長は、さっと顔を挙げて報いた。顔の黒い痣は少しばかり濃くなったようにみえる。
「口では、どんな高潔な事でも言える。わしには、お前の心の奥底が見え透いてならない。大方、デストロの言葉を借りて、自身の欲望を満たすために、この市に来たのではないのか。わしに方便は効かぬぞ。」
照夫は、一瞬、言葉に窮した後、深く項垂れた。
社長は続けた。
「何も為していない者に、ついて行く者などいない。お前は、私に何を見せてくれるというのだ」 - 53二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 03:00:19
「それは、貴殿がようくわかっているはずだ」
項垂れたままの男から、こうもハッキリと、響き渡る声が出る物だろうか。
「ああ、貴殿は悧巧だ。よく物事を見ている。私の個性も、私の苦しみも。私は今、ちゃんと死ぬる覚悟で此処に来たのだ。命乞いなど決してしない。」
裸のままの男は、臆することなく、澱むことすらなく言い切った。
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、少しばかりの時間をお与え下さい。3分程でいいのです、社長、あなたと話がしたいのです。」
今度は社長がせせら笑った、「お前とわしで、何を話すことがあるものか」
照夫は、顔を上げて返した。
「あなたの瞳は、私と同じだ、同じ苦しみを持っている色だ」
「ばかな。」と社長は、嗄れた声で低く笑った。顔の染みは、あからさまに濃くなった。
「とんでもない戯言を言う。お前とわし、同じところなどあるものか。」
「ある。」
そう言い放ち、照夫は、立ち上がった。
股間のモノが、不穏な空気を表すように、ぶらりと揺れた。 - 54二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 09:04:46
なんだこれ、だいすき
- 55二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 09:10:06
- 56二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 11:20:51
文章問題出されて「この”ぶらりと”は何を意味しているのか」とか書かれるタイプだな
- 57二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 11:41:31
この場面相手ずっと全裸なんですよね社長
- 58二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 15:58:46
社長の毛根がストレスでマッハじゃん!
- 59二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 22:10:20
全裸って羞恥を覚えないとパワーが出ない照夫にとって
慣れや平常心との戦いで
実は背水の陣というか捨て身の攻撃形態だったりするのかな
普通と違う意味で - 60二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 00:48:02
あにまんでこんな辱めを受けて照夫がお前らに何したってんだよ
- 61二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 02:22:20
社長の目を見据えたまま、照夫は話し始めた。
「私が、ここを訪れたのは、デストロだけが理由ではない。あなたを、一目見ておきたかったのだ。」
「何を嘯く、宮下から聞いておるぞ、買い物を満喫していたとな。」
社長の言葉を聞きながらも、照夫は言葉をつづけた。
「画面越しのあなたを、CMで、自ら体を張るあなたを見ていた。」
「それはありがたいことだ、宮下も、喜ぶだろう、あれは彼の意欲作だ。」
「あのCMであなたは輝いていた、その額と同じくらいに。だが、私は見たのだ。あの、浮かれて、踊るような、集団の中で、その目の奥に孤独があるのを。あれは、私と同じだ。」
「戯言を。」社長は、今度こそ不機嫌さを隠さずに言い放った。額の髪が、数本、ハラハラと落ちた。
「裸の道化が、何を言うか、この衣の重さも、その責任も知らぬくせに。」
「そうだ、裸だ。それこそが、私という存在だ。」 - 62二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 02:22:46
「私の個性は“羞恥”だ、この意味、あなたならきっとわかるはずだ」
照夫の告白を聞いたとき、社長は瞬時に、その色を変えた。そして、今度は社長が言葉に窮した。
「私の個性は難儀だ、恥辱を感じねば、発動しない。皮肉だが、恥辱は、一定の常識の元で形成される。発動させたとて、到底許されるべきではない。小さき頃から、幾たびも夢想をした。裸で、商店街や公園を歩くことを。それを、あらゆる人に見られることを。」
「やめろ。」
照夫は、構わず続けた。
「生きてるようで、死んでいるような日々だった。あってはならぬ個性だと、さんざ言われた。私自身に、服という鎖を着せる、常識という名の世界が、わが身を、苦しめる個性が、嫌いだった。」
一気に、まくし立てた後、最後に照夫は、こう言った。
「一番嫌いだったのは、それに、諾々と従う、己だった。」
もう、周りは全てを察していた、この男は、羞恥、いや、周知していると。まさしくその全身を以て。
静寂が響く部屋の中で、薄い社長の毛髪だけが、ただただ、空調で揺れていた。 - 63二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 03:48:46
- 64二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 04:04:16
最後の一行で草
- 65二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 04:18:34
ぶらりとする照夫の照夫とゆらりとする社長の髪の毛
凄い緊張感があるんだかないんだかわからなくてすき - 66二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:49:37
同じく
- 67二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 09:23:25
小さき頃から、幾たびも夢想をした。裸で、商店街や公園を歩くことを。それを、あらゆる人に見られることを。」
「やめろ。」
突っ込みが早い社長 - 68二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 09:49:35
センス尖ってんな
- 69二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 12:38:29
ちんこで情緒を表現するな
- 70二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 19:38:52
恥ずかしい程あいつは強くなるんだ
- 71二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 00:20:42
床には照夫の毛も落ちているんだろうな
股からの - 72二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 10:24:59
毎回最後の行が秀逸なのよ
- 73二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 14:11:37
「お前の、苦しみは、わかった。」沈痛な空気を破ったのは、社長からであった。社長の表情は、真剣であった。おそらく、この場の誰よりも。顔に浮かんでいた、黒い痣のようなものは、いつの間にか、消えていた。
「ともに、苦しみを味あわねば、拓かぬ個性、このような形で、出会うとは。」一拍ほどの間を置いて、今度は社長自身が、喋りだした。黒き痣が拭い去られた表情は、何よりも彼の心情を表していた。
「わしの個性は“ストレス”だ。苦しみを感じれば感じる程、強くなる。この個性を恥じたことなど、一度足りとてないが、それでも思うところはあった。この苦しみから解放されたとき、わしは、無力極まりない。恐ろしかったよ、解放が。解放された後、私についてくるものが、どれだけいるのかと。」
そう言って、社長は、己の薄くなった額をかきあげた。いつの間にやら、傾いていた夕日の照り返しを受け、それは一際眩しく輝いた。 - 74二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 14:13:00
すかさず照夫は返した。「そんなことはない!」
「今、この場にどれだけの人がいるか、それが、あなたには見えないのか。この者たちの、忠誠が、あなたに見えないのか。私のような人間ですら、厳重に拘束する、彼らのあなたへの思いが、見えないというのか。」
社長は、思わず目を見開いた。
「社長、新しき王に、従うのは構わない。ただ、今まであなたに付いてきた者たちの心まで、忘れないで欲しい」
もう、この場で照夫を疑うものなど、誰一人として、いなかった。
「社長万歳、照夫万歳、解放万歳」
その場にいた人々全てが彼らを讃えていた。古きからの腹心たちも、宮下も。この裸の男を讃えていた。自分たちの王の孤独を理解した、たった一人の、裸の勇者を。
デトネラット社の一室は、沢山の拍手に包まれた。 - 75二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 14:14:03
2人の通りすがりの青年たちが、この騒ぎを聞いて部屋をのぞいた。白髪の髪の青年は緋のマントを、緑色の肌を持つ青年は水玉の衣を照夫に捧げた。照夫は、訳が分からないようで、戸惑った。宮下が、気をきかせて教えてやった。
「照夫殿、あなたは、忘れているようですが、今素っ裸です。ぶらんぶらんです。」
勇者は、ひどく赤面した - 76二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 14:18:50
これは文豪
- 77二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 14:46:20
社長の額の描写でいちいち笑う
- 78二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 14:50:59
なんか部屋覗いたら全裸の男を讃えているシーンに遭遇した死柄木とスピナーの心情を答えなさい
(配点:10) - 79二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 15:03:01
タンクトップ赤マントで下半身はぶらんぶらん……
- 80二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 16:04:01
この赤マントはエクスレスさんのマントかちくちくしてたほうのマントかどっちや
- 81二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 16:34:12
最後しっかり恥じらってて笑うんだ
- 82二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 18:28:15
すごいスレに出会ってしまった
- 83二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 18:38:06
歴史に残すべきあにまんの恥
- 84二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 20:07:38
ずっとツボってやばい
めちゃくちゃ元気出た 社長万歳 照夫万歳 - 85二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 20:24:54
チクチクしてた方をちょうどいい機会だから押し付けた可能性
- 86二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 01:03:34
- 87二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 10:27:59
🎭「服着なさい…」
- 88二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 10:28:34
中途半端に服を身につけることで新しい羞恥を覚える照夫
- 89二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 10:28:44
- 90二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 13:27:21
どう頑張っても下半身部分は裸のままなの草
- 91二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 13:38:37
- 92二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:07:58
- 93二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 23:24:52
アキラ100%みたいなギリギリの綱渡りを覚える照夫
- 94二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 01:07:29
鱗滝さん以外で使われてる天狗久しぶりに見るな
- 95二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 09:22:54
大好きすぎて何度も読んでる
ぶらんぶらん - 96二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 19:55:35
欲を言えばこの勢いで『駈込み訴え』も読んでみたい
- 97二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:03:30
わざわざ天狗チョイスするセンスw
- 98二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:26:29
- 99二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 09:23:05
オチまで完璧
教科書にのせよう - 100二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 15:50:45
メロス読み返したら緋のマントと勇者は赤面したがそのままでよくこの落ちに繋げたなってなる
- 101二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 21:50:52
ヒーローのマントは痛くてつらくて苦しんでいる女の子を包むためにあるんだ
ヴィランのマントは(周りの目が)痛くてつらくて苦しんでいる男のモノを包んであげるんだ! - 102二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 22:02:51
ふとした出来心で読み上げソフトに朗読させてみた
(ホークスがつかってたみたいなやつ)
クソさわやかに読まれて腹筋が死んだ
おすすめ