キングヘイロー「スカイさん、フラワーさん。お香焚いてもいいかしら」【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 21:40:43

    私はスカイさんの部屋でおしゃべりをしていた。
    寮が異なるとはいえ、同期の部屋にお邪魔するのはよくあることだ。
    ただ一点、いつもと違うところがあるとすれば。
    今日はフラワーさんも一緒ということだろうか。

    「お香?キングもそういうの使うんだね」
    「リラックスするのにちょうどいいのよ。嫌だったらいいけど」
    「ううん、私も興味あるし。フラワーは?」
    「私も気になります」
    スカイさんはにこりとフラワーさんに微笑むと立ち上がった。
    「じゃあグラスちゃんに電子香炉借りてくるね」
    部屋のドアが閉じられるたのを確認して、テーブルの上にお香の欠片を取り出した。

    ───フラワーさんが。

    私は肩をすくめる。
    「……別に私じゃなくてフラワーさんが直接言ってもよかったんじゃないの?」
    「キングさんも一緒じゃないとダメですよ」
    お香の欠片を手に取って鼻に近づける。
    ほのかな甘い香り。
    「なんの香りなの?」
    「私が大好きな花の香りです」
    「いい香りね」
    そっとお香をテーブルに戻すと、ドアが開いて香炉を持ったスカイさんが戻ってきた。
    フラワーさんは何事もなかったかのように微笑んでスカイさんを出迎えた。

  • 2二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 21:41:15

    温めた香炉にお香を置くと、さっきの甘い香りがふわりと広がる。
    鼻をくすぐる香りを楽しんでいると肩にスカイさんが寄りかかってきた。
    目を閉じて、安らかな寝息を立てるスカイさん。
    「……本当にすぐ寝ちゃうのね」
    グラスさんから聞いてはいたがここまでとは。
    「ベッドに寝かせましょうか」
    フラワーさんが小声で耳打ちをする。
    スカイさんの両脇を抱えてベッドに横たえる。

    そして私たちもスカイさんの隣に寝転がった。

    私は右側に、フラワーさんは左側に。
    ベッドから落ちないようにスカイさんにぴったりとくっつく。
    ……そんなのは言い訳なんだろうな、と自分でも思う。
    横からスカイさんの寝顔を見つめる。
    目を閉じていると長いまつげが一層際立つ。
    あどけない寝顔に手を伸ばす。
    温かで柔らかな感触が手のひらいっぱいに伝わってくる。
    「……キングさんって結構スキンシップとるんですね」
    ぽつりとフラワーさんがつぶやく。
    あわてて手を引っ込める。

  • 3二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 21:41:31

    スカイさん越しに恐る恐るフラワーさんの顔をうかがうと、にこにこと笑みを浮かべていた。
    「スカイさんかわいいですもんね」
    「えっと、その……」
    言葉に詰まっているとフラワーさんがスカイさんの腕に抱きつく。
    「キングさんももう少しくっつかないと落っこちちゃいますよ」
    どきりと胸が高鳴る。
    「でも、フラワーさん。あなたは……」
    「キングさん」
    有無を言わせぬ口調。
    ゆっくりと手を伸ばし、スカイさんの腕を抱える。
    胸が彼女の熱で熱くなる。
    「……あなたは本当にこれでいいの?」
    口から言葉が出てしまっていた。
    フラワーさんはスカイさんの肩に顔をうずめた。
    「わからないですよ、そんなの」
    くぐもった声が甘い香りと混ざり合う。
    大きく息を吸い、吐く。

    「私は、許されるなら三人で一緒にいたいわ」

    誰になのかは自分でもわからなかった。
    ぱちり、と電子香炉の電源が切れる音がした。

  • 4二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 21:42:47
  • 5二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 21:58:27

    このもどかしい感じよ…
    幸せになる道はあるんですかね

  • 6二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 22:02:10

    この…こう、あああなんだろう
    3人の関係はどうなってくのかな?って気になっちゃいますね
    うごごごご、続き楽しみに待ってます

  • 7二次元好きの匿名さん21/12/10(金) 22:09:14

    いい……

  • 8スレ主21/12/10(金) 22:22:52

    個々のSSはそれぞれ別々で書いてるつもりなので続きとかはあんまり考えてないです……(目そらし)
    でも、読み方を強制するつもりはないのでお好きに読んでください
    次はもうなにも考えないで3人でイチャコラする話にするかもしれませんし、またしっとり目のお話にするかもしれませんし、ぶっちゃけその日の気分次第です
    ご了承ください

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