【ルートにより閲注】CoCシナリオ『望みの果てに夢を見た』をやるわよ part4

  • 1二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:39:57
  • 2二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:44:21

    グエル(リーダー)
    HP:13 MP:14 SAN:59 アイデア:50 幸運:70
    CON:50 SIZ:80 POW:70 INT:50
    特徴:やさしい(奇妙なものを食べたがる)(短期の心因反応)
    目星、医学、応急手当、信用、説得(これは80とする)

    スレッタ(狙撃班)
    HP:12 MP:11 SAN:77 アイデア:80 幸運:55
    CON:55 SIZ:60 POW:55 INT:80
    特徴:癒し系(ほんとに??)
    聞き耳、精神分析、心理学、射撃(拳銃)、隠密(これは80とする)

    エラン(爆発物処理班)
    HP:13 MP:12 SAN:78 アイデア:80 幸運:60
    CON:60 SIZ:70 POW:60 INT:80
    特徴:プライドが高い(クトゥグアの依り代)
    目星、鑑定、射撃(ライフル)、近接戦闘(格闘)、心理学

    ラウダ(潜入班)
    HP:15 MP:12 SAN:71 アイデア:65 幸運:55
    CON:60 SIZ:85 POW:55 INT:65
    特徴:不思議ちゃん(だったはず)
    目星、図書館、精神分析、回避、変装、隠密

    〈簡単!前卓の振り返り〉
    スレッタ「エリクトがニカさんとペトラさんを唆した結果、シーシアさんが誘拐されてしまいました」
    エラン「フェルシー様最強!フェルシー様最強!!」
    ラウダ「結局ペトラはエリクトについていった。完全に内部分裂だね」
    グエル「俺は……、……を……、ごめんなさい……」

  • 3二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:51:08

    ミオリネ「さてあんたの狂気の扱いだけど」

    グエル「追い打ちでもする気か?」

    ミオリネ「一時的の方はラウダの精神分析で解除できたことにしてあげる。問題は不定の方ね。まあこっちも潜在狂気にしていいんだけど」

    グエル「短期の心因反応。支離滅裂、妄想、常軌を逸した振る舞い、幻覚など__か」

    ミオリネ「私としてはここはフラッシュバック的に『自分が殺した子供の幻覚を見て暴れ出す』という処理にしたいんだけど、唐突にあばれだすのはさすがにあれでしょ?」

    グエル「人の心とかないのか?」

    ミオリネ「だからこれからコイツが潜在狂気になるとdice1d3=3 (3) (1:ラウダと一緒に行動することができなくなる 2:ラウダにフィックス・リリースを仕掛ける 3:ヒート処理のPOW判定が入る)とする。がんば」

    グエル「決して許せないと思った」


    スレッタ「……」

    シャディク「ふふ。どうする、水星ちゃん?」

    スレッタ「dice1d2=1 (1) (1:……話します 2:……)」

    シャディク「そっか」


    「終焉に、乾杯を」

    祝う、祝う、祝う。

    祝いの言葉を投げかけて、それは、彼女は、うすら笑う。

    「世界に、終焉を」


    case4『紡がれる道』

  • 4二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:58:29

    次の事件も楽しみです

  • 5二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:59:27

    2を引くよりはマシだったと思いたい

  • 6二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 20:59:32

    ミオリネ「ついでに以降ラウダがいる場合ヒート処理のPOW判定は問答無用でラウダ、いない場合SANc0/1でよろしく」

    ラウダ「ねえ何か爽やかに僕にも被害を飛ばさなかった?」

    グエル「ダーハッハッハッハッハ お前も道連れだラウダ」

    スレッタ「内ゲバ始まりましたね」

    エラン「これはひどい」


     冬も終わりに近づき、セドとシーシアが誘拐されて三か月がたっていた。犯人の足取りは一向につかめず、心ない人は「生きてるわけがない」と口々に噂して、そのたびに、グエルは、ミオリネは、酷く、落ち込んだ。ニカは眠りについたまま、目を覚まさないでいる。

     そんなとき、銀行で立てこもり事件が発生したとの通報が入った。いつメンでそちらに向かう道程、ふと。スレッタが、小さく呟く。

    「……あの。私、見てほしいものがあって」

     そういって、スレッタは前を寛げる。一瞬目を逸らそうとしたとこで__絶句、した。

     心臓から枝が伸びるように、腰から、腹、そして背骨、首のギリギリまで、木の根っこのようなものが巻きついているのだ。木の根はスレッタの体に蛇のように巻きつき、生き物のようにどくんどくんと脈打っている。それはまるで、人が木に取り込まれているようでひどく薄気味悪い。あの時、ソフィの体にあったものにも似ているような気がした。

    「……私、どうしちゃったんでしょう」

     スレッタの声は、泣きそうに怯えていた。

    グエルSANc:dice1d100=59 (59) (41) 0/dice1d3=1 (1)

    スレッタSANc:dice1d100=9 (9) (77) 0/dice1d3=1 (1)

    エランSANc:dice1d100=14 (14) (78) 0/dice1d3=2 (2)

    ラウダSANc:dice1d100=52 (52) (71) 0/dice1d3=3 (3)

  • 7二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 21:04:21

    グエル:41→40

    グエルPOW判定:dice1d100=17 (17) (70)


    「そ。……れは……?」

    「春が近づけば近づくほど、これは、つよくなっている。私は……どうすれば……」

     スレッタの瞳が、涙に歪む。しかしグエルが次の一言を言うより前に、「冗談です」と笑って、防弾チョッキを着直した。そうしているうちに、銀行に到着する。ミオリネから、無線が入った。

    『現在立てこもっている犯人グループは、かなり頭がいい知能犯。中にいる銀行員が人質になっているわ。こちらの目的は人質の確保よ。基本的に、グエルが交渉する、スレッタが護衛する、エランが突破する、ラウダが潜入する、という感じになると思う。フェルシーとチュチュは外で控えて。わかったら、返事は』

    「はい」

     スレッタが気丈に言えば、エランは「スレッタ……」と小さくつぶやいた。ラウダもまた、気づかわし気にそちらを見て、立ち上がる。

     ……とにもかくにも。

     仕事の、時間だ。

    グエル幸運:dice1d100=91 (91) (70)※失敗で戦闘に入る

    グエル説得:dice1d100=4 (4) (80)

  • 8二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 21:06:29

    せっかくのクリティカルを!!プッシュ!プッシュ!!

  • 9二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 21:06:36

    説得クリティカルなのに幸運で失敗とは

  • 10二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 21:07:17

    70は7割外れる

  • 11二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 21:12:16

    グエル「???????????????????」
    スレッタ「本当に寵愛枠ってあるのかもしれない」
    エラン「正直笑った」
    ラウダ「どうなってるの?そのダイス」
    ミオリネ「……ま、ここは正直前座でしかないし、襲撃犯ごと説得できたことにしていいわよ」
    シャディク「寛大なKPに感謝してほしいよね」

    「ウアアアアアアア警察!!!!!」
    「あああああ落ち着け!?!?!?」
     スレッタとエランが襲い掛かってきた犯人を留めんとする一方で、グエルは冷静に、犯人を見つめかえした。何度も繰り返し、慣れた声色で、言い聞かせるように言う。
    「……落ち着いて、聴いてほしい。どうか。俺達はお前たちを、何も、傷つけに来たんじゃない」
     許すことができるようにするために、来たんだ。

     およそ三時間程度が経過した、だろうか。
    「やっぱりグエルさんは頼りになりますねえ」
    「さっすがだね、グエル!」
     事件が収束し、六人はキャリバーン本部に戻ってきた。しかし中に入ると、何やら、様子がおかしい。あらゆるところから、好奇と嫌悪の視線が飛んでくるのだ。
    「やっぱあの噂ほんとだったの?」「ミオリネさんとグエルさんが……信じられない……」「いっつも厳しかったけど、人のこと言えないよな、ミオリネって」「グエル、子供たちのことで同情してたけど、なんつーか」「因果応報だよな」「身から出た錆びってやつ?」
     居心地悪げに身を縮こまらせたグエルの背を、ラウダが叩いた。はっとしてそちらを見ると、ラウダは笑って、「こんなことを言われる筋合いないでしょ?堂々としていなよ」と笑う。グエルは小さく笑って、ミオリネに報告するためにそちらに向かい__
    「久しぶりですね」
     三か月ぶりに姿を見せた人物、
    「ミオリネ・レンブランならいませんよ」
     以前と比べて少しやせ、顔つきもきびしくなっている、
    「送検されました」
     厳しい表情をして、スレッタと、グエルを見つめる人物__
    「私が、逮捕したんです」
     セセリア・ドートに、目を張った。

  • 12二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 21:36:09

     セセリアはニッコリと笑って、六人にファイルを突き出す。そこに書かれていたのは__エランが、目を、見開いた。
    『ケレス家爆破事件』
    九年前、ケレス家敷地内にて爆発事件が発生。当時パトロールをしていたミオリネとグエルが応援に向かう。敷地内には使用人らしき女性が二名倒れていた。片方は死亡、片方も重い後遺症が残る。ミオリネとグエルはエラン・ケレスを爆発物所持、作成、過失致死傷罪で現行犯逮捕。署へと移送中に母親のペイルグレード氏からの接触があった。「まだ若く、将来性もある我が子に罪を背負わせ、この先の人生を終わりにさせたくない」などと言われ、同情したミオリネは多額の保釈金を支払うことによって事件ごともみ消すことを了承した。
    「重罪です。なのにグエル先輩とミオリネは、その事実を隠蔽した。結果事故として片づけられ、殺人犯はのうのうと生き延びている。違いますか?エラン先輩」
    「ちが、……僕は、……僕は……」
    「ま、待てよセセリア。そんなこと、あるはずねーじゃん!」
    「そうなのだ、き、きっと、勘違いなのだ!ミオリネは……」
    「ミオリネは前から怪しいと思っていたの。感情論で正義を語るなんて、馬鹿馬鹿しい……ふふ、水星ちゃん、ようやくだよ、ようやく。ようやく、スレッタの両親の冤罪を立証できる証拠を手に入れたよ!ねえッ、グエル先輩!あんたの父、ヴィム・ジェタークが逮捕した『クエタ一家惨殺事件』、スレッタの両親は、無罪だったんだよ!罪なき人、スレッタを傷つけるなんて、許せない!」
     そこでふと、グエルは気付く。セセリアはあきらかに、様子がおかしい。仮に冤罪が本当だとすれば、二十年も証拠が見つからなかったのは何故だ。ケレス家爆破事故についてセセリアが知り得たのは何故か。とにもかくにも、何か、嫌な予感がする。
     グエルは手を伸ばした。その手を、セセリアは弾き落とした。そうしてパチリと、指を鳴らす。
    「……グエル先輩には、しばらくキャリバーンを離れてもらいます」
     せいぜい罪を償えよ、犯罪者の子が。
     吐き捨てるようにセセリアが呟くと同時に、グエルはまるで犯人が連行されるように、引きずられていった。キャパシティーオーバーの連続か、連行されるとき頭をぶつけたのか、グエルの意識が、闇に落ちていく。
     __最後に。
     「兄さん!」とラウダが叫んだのが、やけに耳についた。

  • 13二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 22:15:34

    わあ…···

  • 14二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 22:43:49

    グエル「はああああああ!?!?」
    ミオリネ「あ以降向こうの三人とは連絡がとれなくなるから」
    グエル「は!?ブタ箱エンドってか!?!?」
    ミオリネ「ふふふ。……月も眠る真夜中、グエルの意識は、ゆっくりと浮上する」

    「気が付いた?」
     グエルの前には、パイプ椅子に腰かけたまま、額に手を置くミオリネがいた。彼女はじっと、グエルを見つめて、続ける。
    「ねえ、グエル。あんたはこれまで私たちがしたことは、正しかったと思っている?」
    「なんだ、突然、俺は」
    「教えて」
     ミオリネのひとみは、どこか凪いでいた。グエルはあたりを見渡して、「俺は、ラウダは……」と小さく呟く。それから俯いて、ふるふると首を振った。
    「……わからない。わからなく、なってしまった」
     犯罪者を許すことは本当に正しいのだろうか。エランが捕まっていれば、もしヴィムのなしたことが冤罪なら、苦しむ人は、少なかったのだろうか。本当にグエルは正しいことをしたのだろうか。ミオリネは、「ごめん。あんたまで巻き込むつもりはなかった」と頭を下げる。
    「セセリアがGUND刑務所からあの二人を__スレッタの両親を脱獄させたとき、すぐに報告をした。でも、上層部は隠蔽した。セセリアを泳がせようとしたのよ。冤罪っていうのは、嘘ね。指紋、DNA鑑定、目撃情報……犯人で間違いない」
    「では、何故、セセリアは__」
    「……どうやら彼女は、『S』という名目で以前からスレッタの親と交流があった。自分の友達が、殺人犯だなんて認めがたかったのでしょうね……ねえ、ルブリス教団を覚えている?」
    「ああ、ソフィと、ノレアの……」
    「彼女はそこの信徒だった。彼女たちが邪神として復活したときに、本来なら願いを叶えてもらうはずだった。片腕を生贄に捧げてまで__だけど、失敗したのよ」
     ミオリネはゆるゆるとため息をつく。そうして、わからないなら無理に理解しなくてもいい、と言う。
    「セセリアは邪神、ニャルラトホテプをフッ化させて、彼女の望む形に、世界を書き換えようとしている。どうやら私たちは『邪魔』みたい。タダで閉じ込められるほど、私たちは安くないけどね」
     聞こえてるんでしょ、セセリアの部下の皆さん?
     __不意に、ミオリネが、壁に向かって呟いた。

  • 15二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 22:49:40

     無言が続く。

     しばらくののち、かちゃりと音を立てて、扉が開いた。ミオリネはそちらを見ずに、座ったまま、グエルを見つめている。

    「口から出まかせを__!」

    「あら。ならどうして、入ってきてくれたの?」

    「それはっ、」

    「いいの。そうして疑って、こちらに歩み寄ってくれただけで、私は嬉しい」

     ミオリネはグエルを見つめる。

     そうして、どうやら私の声では届かなかったみたい、と呟いた。

    「グエル。さっき私の話したことを、伝えてあげて。きっと、あなたの言葉なら、届くはず」

    「どういう、」

    「さあね?ただ、グエル__あんたを、信頼している」

     ミオリネが微笑んだ。

     そうだ、グエルは__グエルは、これまで何度も、犯人たちに投降するように、彼等がこれ以上罪を背負わなくてもいいように、必死に言葉を紡ぎ、説得してきた。グエルの声はだれかに届き、だれかの背中を押してきたのだ。

     ミオリネはさりげなく立ち上がり、パイプ椅子を掴む。そうか、ミオリネはあれで殴って彼等を気絶させるつもりなのだ、とグエルは察する。相手の注意を引きつけておけば、華奢なミオリネでもうまくいくかもしれない。

     グエルは、目を閉じ、くちびるを開く。

    「どうか、聴いてくれ。俺の声を」

     __何故ならあなたは、交渉人なのだから。


    グエル説得:dice1d100=70 (70) (80)

  • 16二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 22:57:07

    主人公とヒロインの座を往ったり来たりし続けるなグエル……

  • 17二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:00:23

    「あっははは!さっすが私たちね、息ピッタリ」

    「お前あぶなっかしいことするな」

    「ふふ。ここにシャディクがいたら、ハイタッチでもしたのかしら__さ、行くわよ。ここから逃げましょ」

    「__おう!」

     ミオリネがグエルの手を取り、廊下を走り出す。誰もいないしんとした廊下を、全神経をとがらせて駆け抜ける。

     ……ほんの、一瞬。

     扉の隙間から、ロウジのデスクの近くで、何かを話しているらしいラウダの姿が見えた。

    「ぜったい、兄さんと、ミオリネを、助けるよ!」

     ……逃がした手伝いをしたと思われたら、巻き込んでしまったら、いけない。グエルはくちびるを噛んで、再びミオリネと共に走り出した。

     駐車場まで辿りつくと、ミオリネはバイクにまたがり、グエルに向かってヘルメットを投げて、得意げに笑う。

    「相手が私で悪いけど、夜のドライブと行きましょうか。ひとまず行先は私の家で」

    「はん。随分と色気のないデートだな」

    「飛ばすわよ。……捕まって!」

     エンジンが火を噴く。轟音と共に、ミオリネの髪がはためいて、視界の中で風に揺れた。風を切れば、ミオリネがほんの少しだけ、泣いたような気がした。


     ペイルグレード__母に呼ばれたエランは、約束の場所に向かう。彼女は車にエランをのせると、そのまま発進させた。そうしてふと、呟く。

    「エラン。シャディクを、覚えていますか?」

    「シャディクのこと?」

     ペイルグレードは、淡々と語り始める。あなたはシャディクがどうして死んだのか知らない。だから、話してあげようと。

    「シャディクはキャリバーンに入り、グエルとミオリネを庇って死にました。グエル・ジェタークとミオリネ・レンブランが失敗したせいで、シャディクは奪われたのです」

    「……は、」

    「あの二人が収監されているのは、私が情報を流したから。どう思いますか、あなたは、仲間を庇って死んだシャディクを、讃えますか。それでも、あの罪深き二人を、救いたいと望みますか」

     母の声は、淡々としていた。

     ……エランは、グエルとミオリネを__

    dice1d2=1 (1)

    1:救いたい

    2:許せない

  • 18二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:01:49

    エラン!!

  • 19二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:02:02

    やったぜ

  • 20二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:03:05

    今回のダイス神わりと一途推し

  • 21二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:03:47

    何か熱い展開になってる~!

  • 22二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:13:30

    「……母様。それでも僕は、あの二人を救いたいよ」

     エランのひとみに、決意の色が灯る。

     __シャディクは、かつて、エランに優しくしてくれた。だけども今、大切なのは。そう答えを出せば、車が、止まった。

    「ならば、我々の縁もここまでです。私は彼等を許せない。徹底的に叩き潰すので」

     そこは、一軒の家だった。二階の窓に、あかりがついている。

    「ミオリネ・レンブランの家ですよ。先程連絡がありました、彼等が逃げ出したと。先回りすれば会えるでしょう」

    「どうして」

    「私には、やるべきことがある」

     さようなら、エラン・ケレス。

     ……エランは、その家に、一歩、足を踏み入れた。


    『今夜、教会孤児院にて』

     言われた通りに、かつて育ったそこに向かえば、見慣れた白い花の咲く木がラウダを出迎えた。てっきりペトラの呼び出しかと思ったが、どうやら違ったようだ。「わ、ほんとにきた」と楽しげに笑ったのは、エリクト・サマヤである。

    「単刀直入に言う。こちら側に来てよ。適性があるのに、勿体ない」

    「……適性?」

    「おや、知らなかったかな。この教会孤児院はね、虐待を、拷問を、して__神の生贄を、作り出す施設なんだ。どうやらそのへんをドミニコスの犬どもに嗅ぎつけられたみたいだけれど、どうやらあの愚鈍な男は__ヴィム・ジェタークは、いなくなったみたいだからね。ペトラやフェルシーが何故魔術に詳しいか、疑問に思わなかった?ねえ、復讐がしたいんでしょう」

     『ソレ』、今なら読めると思うよ。

     ラウダははっとして、ポケットに手を突っ込む。そこにあったのは、あの時、邪神として覚醒したソフィから逃げる時、いつの間にか持っていたもの__

     『アルカソフォスの書』。

    「……あなたに与するつもりはない」

    「我々は同志なのに?」

    「ふざけるな」

     ラウダは眉間に皺をよせ、エリクトを睨んだ。

    「僕の仲間は、兄さんと、エランと、ミオリネと、チュチュと、フェルシーと、ペトラと、ロウジと__スレッタと。キャリバーンのみんなだけだ」

    ラウダ呪文習得A:dice1d100=68 (68) (65)

    ラウダ呪文習得B:dice1d100=7 (7) (65)

  • 23二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:23:10

     バイク2ケツでヤバめにトバしてきたグエルとミオリネは、周囲に注意を配りながらリビングに入る。
     するとソファに、何らかの紙束を持ったエランが座っていた。
     ……エランが座っていた!?!?
    「はっ、おま、なんでここにッ……」
    「グエル、しー。起きちゃう」
    「誰が!?」
    「あら。それ、読んだの」
    「……うん」
    「何を!?!?」
     何かを通じ合っているらしいミオリネとエラン。そしておいていかれてるグエル。エランは「説明しなきゃだよね」と言って、小さく俯いた。
    「シャディク・ゼネリは、僕の兄弟だか、いとこだか__とにかく、ペイル家の遠縁に連なる人、なんだって。ねえ、ミオリネ。君がやけに僕を庇ったのって」
    「……エランは、あいつの家族だから、見捨てられなかったの」
     ミオリネはそう言って、エランの手から紙束を取り、グエルに手渡す。そこにあったのは__見慣れた筆致でつづられた、幾枚もの手紙であった。
    『親愛なるミオリネ
    生前贈与については前話した通りだ。俺もできることをしたい。たとえ許されなくても、大切に死体から。
    愛をこめて。
    シャディク・ゼネリ』
    『親愛なるミオリネ
    今日はロッカーに遺書をいれておいた。まさか君が読むことはないだろうけど。パスワードは、初めて出会った、思い出の日を。どうか、俺がいなくなったら、頼む。
    愛をこめて。
    シャディク・ゼネリ』
    『親愛なるミオリネ
    あと少しでキャリバーンの慣習を変えられるんだっけ。まったくなんてったって結婚禁止なんてやってるんだか。ああ、違うよ。ミオリネが悪いんじゃない。ミオリネが頑張っていることを、俺は知っているよ。きっと、あの子が生まれるまでに、……あの子と一緒に、生活できたらいいな。一緒になれる日を楽しみにしてる。
    愛をこめて。
    シャディク・ゼネリ』
     あの子が生まれるまでに。
     シャディクが亡くなった直後の、ミオリネの不自然な二年間の休職。「ミオリネの家から子供の泣き声が聞こえてくる」という噂。そして、ミオリネが、変えた__『キャリバーンは恋愛禁止』の慣習。
     すべてがぱちりと音を立てて繋がり、グエルはこう、割と、膝から崩れ落ちた。

  • 24二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:26:16

    人間関係がしんどい!!!!!
    交際開始と同時に彼氏を失ったミオリネも、今更に初恋の相手に好きな相手がいて子供がいたことを知っちゃったグエルも、やっと愛する相手と結ばれたのに儚く散ってしまったシャディクもしんどい!!!!!!!
    グエルがラウダに色ボケかましてたの、もしかして温情だったんか????????

  • 25二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:28:48

    >>24

    自レスだけど、訂正

    幸せな毎日を送るはずだった初恋の相手が、自分を庇ったことでその幸せな日々を手放し、尊敬する上司から愛する相手であり我が子の父を奪ってしまったって知っちゃったグエルしんどいな?????

  • 26二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:34:31

    「……グエルにも言ってなかったけどね、私シャディクと付き合ってたの」
    「そうだったのか!?」
    「一生墓にもっていくつもりだった。でも、告白されて__当時キャリバーンでは、恋愛と結婚が禁止されていた。まあもちろんそれを変えるために死ぬほど頑張ったけど」
    「そうだったな!!」
    「結果的に私はあの子を身籠った。シャディクは喜んでくれた、ばれたらタダですまないことを知った上で、責任を取る、一緒になる、って言ってくれた」
    「なんかPL的にはつい先ほどメチャメチャ似た状況になってた気がするんだが!?」
    「……全部隠して、変えるつもりだった。ようやく、変えることができそうだと思った、法案が通った、そんな、時だったの。シャディクが__私たちを、庇って……何も言えずにいて、ごめんなさい、私は__」
    「お前さては予め用意してるテキスト全コピペして俺のこと無視して進めてるな!?!?」
    「私のせい、私のせいなの。シャディクが死んだのは……ごめんなさい……」
     泣きそうな顔でミオリネが言う横で、グエルはゼエゼエとツッコミを繰り返していた。
     危ないところだった。
     シャディクに淡い思いを抱いたままだったら確実にこの辺でSAN値が消し飛んでいた。
     ミオリネはふっと微笑んで、何かを取り出す。そこにあったのは__小さな、ペンダントである。
    「やっと渡せる。これはね、シャディクの形見なの。弟みたいに大事にしてたグエルと、大切な家族のエランにって。『ロッカー』にいれてた」
     二人はそれを受け取る。ミオリネはグエルの腕を引いて、再びバイクに向かう。
    「エラン__シャディクのロッカー、あけてもいいわよ」
    「……うん」
    「おいお前らだけでシリアスやってんじゃねえ!!」
     ミオリネは二階に上がると、むにゃむにゃとまどろむおよそ七歳程度の子を抱え、叫ぶグエルを無理矢理もう一台のバイクにのせ(実はミオリネの方がCONは高いのだ、屈強!)、鍵を投げわたした。
    「私を信じて、ついてきて。グエル」

    グエル「何だ俺は笑えばいいのか?」
    エラン「泣けばいいと思う」
    ミオリネ「『許される状況にあってなお腹の子を殺した』って曇ればいいと思う」
    グエル「ぜったい嫌だ!!」

  • 27二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:46:08

    >>24 >>25

    グエル「……予め用意していてたテキストには、『グエルは口説き落とされてなかった場合、シャディクがめちゃめちゃ普通に愛する人がいたことを知り、ついでにその相手が大好きなミオリネで、さらにもうシャディクは死んだので振り向かせるとかそういう問題じゃない、てか俺が殺して奪ったようなもんじゃん、ミオリネからシャディクを、何もかも全部!おわりだ ということで派手に失恋して愕然としてください。SANcです』って書いてあったぞ。そこに例の堕胎薬の件もいれて、もう俺は……どうしたらいいんだ……!?」


    ミオリネ「というわけでAF、『シャディクのペンダント』を手に入れたわ。あんたのぶんとエランのぶん。効果としては、一度だけSANチェックを無効化できる」

    グエル「すさまじいチートアイテムだな。1d10/1d100でも待ってるのか?」

    ミオリネ「……」

    グエル「そこは否定しろよ!俺のHOに仕込むだけ仕込んでおいてとんでもない背景付けやがってこの野郎!てかおいシャディク!!出て来いシャディクアイツ締め上げる!!!!」


     スレッタに呼び出されるままラウダが病院に向かえば、そこにはベッドに横たわるニカと、その手を握るスレッタがいた。医者がせっぱつまった様子で、「その……」と小さく呟いた。

     ニカはぼんやりと、真っ青なひとみをあちこちに向けていた。そうして、ぱちり、ぱちり、と瞬きをして、子供みたいに無邪気に微笑む。

    「あなたが、『ラウダくん』?おかあさんにきいていたとおり、優しそうな顔をしているんだね。……ねえ、このおねえさんは、だあれ?」

    「防衛機能による、幼児退行。だ、そうです」

     スレッタは小さく呟いて、「あなたのことはわかるかもしれない、と思って」と微笑んだ。暗い顔で沈むスレッタとは対照的に、ニカは明るい笑顔を浮かべている。事件の記憶を全て忘れ、子供のように。

    「……とにかく、ニカさんは起きた。私は、それを喜びたいんです」

    「……そっか」

     二人は静かに、言葉を交わす。

     月がきれいな夜だった。

  • 28二次元好きの匿名さん23/07/12(水) 23:52:36

    結果的に派手に恋に落ちといてよかったんだね…堕胎薬の件はまあうん…
    ニカさんは何も知らなかったのにいきなり許容量以上の情報与えられて耐えられなかったんだね可哀想に

  • 29二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:24:40

     慣れないバイクを運転し、ようやく辿り着いたのは、海にほど近い教会。見覚えがある。レストポーズ教会だ。

     深夜であることもあり誰もおらず、なんだか不気味な雰囲気だが、ミオリネは迷うことなく扉を開いた。中からエナオが現れる。彼女は小さく目を伏せ、どうしてここに、と呟く。

    「水星の魔女に助けを求めに来た」

    「……分かった。こちらへ」

     エナオはため息をついて、ふたりをなかに案内する。石造りの建物は古めかしい。エナオは談話室の前にたどり着くと、「大きくなったわね」と言った。

    「グエル、端的に言うわ。私は__私たちは、神話生物から市民を守る組織に所属している」

    「……は?」

     扉を開けると、中にはエランによく似た精悍な顔立ちの男と、怪盗風の格好をした男__スポーツ大会に、ミオリネの推薦で参加していた二人組がいた。彼らは「久しぶり」「何年ぶりだ?」と親しげに話す。ミオリネは、「知らないのも当然か……一応、これが証拠よ」と言って、水星のマークが記されたブローチを取り出す。

    「この世界には、人間では到底理解が追い付かないことがある。ドミニコスや議会連合の一部がカルトと癒着してるのも知ってたし……国民を守るには、一人じゃ無理だった。だから、助けを求めたの。私は警察組織に入り、上層部の情報を彼等に渡す。代わりにこの街を守ってもらえる」

     これは、断っても構わない、と。ミオリネは、前置きした。

    「グエル、あなたも入らない?」

    「……その、組織に、か?」

    「メリットはあるわ。世界中にいるメンバーに助けを求められる。たぶん勘付いているとは思うけど、【神話生物】は存在する。そして彼等は、それに詳しい。それにセドとシーシアを救う手段が、見つけられるかもしれない」


    ミオリネ「具体的なメリットは、

    ・四号や怪盗といったメンバーをお助けNPCとして無制限に利用できる

    ・クトゥルフ神話技能+20

    ・神話生物について教えてくれる

    ・欲しい呪文やAFをくれる

    って感じ。ただしいつ世界の危機が起きるか分からない以上、ラウダと『もう一度子についてやり直す』のは諦めることになるでしょうね」

    グエル「ウワア四号と怪盗!!」

    ミオリネ「さてどうする?ふふ、どちらでも可構わないわよ」

    グエル「……俺は__」

    dice1d2=2 (2)

    1:頷く。これで、償いになるだろうか。もう二度と……

    2:断る。……俺はまだ、もう一度……

  • 30二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:33:57

    1が状況的に美味しすぎて後で盛大になんかありそうだから良かったんじゃなかろうか(子供云々から目を逸らしつつ)

  • 31二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:42:46

    ポンコツ怪盗くん結構好きだから度々顔が見られて嬉しい
    まだ青鬼してるのかな…

  • 32二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:47:05

    神話生物との接点増やすにはSANが危うすぎるし……

  • 33二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:51:10

    このレスは削除されています

  • 34二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 07:51:45

    「そっか……いいの。その未練を大切にしてほしい。考えてくれただけでも、嬉しかった。無理強いするつもりはないわ、それもまた、選択なのだから」
     ミオリネは微笑み、グエルの手を離す。
    「すまないミオリネ、俺は__」
    「あ堕胎薬の件なら気にしすぎない方がいいわよ」
    「おまえなんで知ってる!?!?」
    「ふふふ。壁に耳あり障子に目あり。あとは彼らに教えてもらったからね。……私が言うのもなんだけど、あんた結構湿度が高いわね?」
     後ろの怪盗が何故かグッドサインをした。グエルは膝から崩れ落ちた。

     __翌朝
     朝からキャリバーン本部は騒然としていた。セセリアが出勤したエランを見て眉をあげる。だが彼女が何かを言う前に、あのドミニコス隊員のケナンジと、探偵オルコットがが出てきた。
    「あの時自己紹介しましたっけ?ケナンジ・アベリーといいます。ミオリネさんや、グエルさんとはよく一緒に捜査に行ったんですけどね」
    「えっと、ケナンジ、オルコット。二人は__」
    「いやあないない!」
    「アイツはそんなに賢く立ち回れない」
     二人はさわやかに否定して、エランに向きなおる。何故こんなにざわついているか、知っているか。
    「……九年前に終わったはずの事件が、ずっと、続いていたんです。すでに何件も起きている。ただ、この事件については、ミオリネの一存で情報を止めてた」
    「きっと彼女なりに考えがあったんだろう。とはいえ、こちらも総出で捜査していたのだが__」
    「証拠が、一切ないんです。完全犯罪ですよ。現場はどこにでもある住宅街。防犯カメラも、警察の巡回もあった。人通りもある、治安もいい。不可能です、それなのに事件は発生した」
     オルコットが差し出した事件ファイル、そこにあった、のは__
    『トランク詰めバラバラ事件』
    九年前、雪の降る寒い日のこと。ジェターク区域の郊外で、トランクの中に死体が箱詰めになった状態で発見された。事件発生時刻は十八時頃と想定。DNA鑑定によりヴィム・ジェタークだと発覚。現場にはトランク以外の物証はなかった。当時、雪がふっていたにも関わらず、トランク周りの雪は解けていなかった。
    (以降、同様の手口で被害者の名前が連なっている)
    メモ/トランク詰めバラバラ事件追記
    ここ最近、当時と同等の手口で犯罪が起きている。被害者は__(被害者名リストが七人分並んでいる)

  • 35二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 09:21:44

     エランとラウダは被害者リストを見つめて、ぱちぱちと瞬きをする。それからそれぞれ、口を開いた。

    「……このうち何人か、兄さまと仲が良かった。それ以上に、兄様はバラバラ事件の生き残りだ。兄様に聞けば、何かがわかるかも」

    「見覚えがある。オリジナルとヴィム以外は、全部教会孤児院の出身者だ。何かあるかも」

    「お、お二人とも、その、……これは__グエルさんは__」

     今すぐに出発しよう。

     ここから一番近いのは、オリジナルが死にかけていたあのビルだ。ラウダはぎゅっと拳を握って、スレッタの方を見ないまま、低く呟く。

    「僕だって。心配だよ__でも、僕たちは『キャリバーン』だ。兄さんならきっとこう言うよ」

    「了解した、って。……事件の解決に向かおうって?」

    「ああ。行くよ、スレッタ」

     二人が準備に向かう横で、エランはふと、振り返る。……パスワードは、わかっている。あなたは、鍵を、開くことができる。

     エラン・ケレス。

     シャディクのロッカーを、確かめますか?

    dice1d2=2 (2)

    1:確かめる 2:確かめない


    『……次のニュースです。本日未明、ペイル区域にてトランクケースに収納された遺体が見つかりました。被害者の身元は判明しておらず__』

    「はじまったのね」

     ミオリネは立ち上がる。トランク詰め。遺体。グエルの頭に、ヴィムの顔が過る。一体、と呟けば、ミオリネはこちらを見る。

    「トランク詰めバラバラ事件は終わっていなかったのよ、グエル。これまでの事件現場は頭に入っている、捜査に向かうわよ」

    「ミオリネ、俺は……父さんは……」

    「四号、しばらくこの子のこと頼んだから」

    「僕は子守じゃないんだけど」

    「あんたなんだかんだ面倒見いいし、既にデカい子供何人かいるようなもんだからいいじゃない」

    「それはもしかして俺のことを言っているんですか、ミオリネさん!?」

     ミオリネは怪盗を見るところころ笑って、それからすっと、視線を伏せる。

    「私たちは指名手配されている。変装しましょうか。あんただって、止まってなんていられないでしょう?」

     __行くわよ。あんたの父さんの、仇を取るために。

    ミオリネ変装(順にグエル→ミオリネ):dice2d100=40 30 (70) (80)

    どんな変装をするか:dice2d3=1 2 (3)

    1:地味で集団に埋没する感じ 2:顔や体形を隠す感じ 3:迫真の異性装

  • 36二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 09:34:14

     アスティカシア市内の高層ビル。

     およそ事件とは程遠い、治安のいい場所だ。ここでオリジナルはトランク詰めになり発見された。彼は幸いにも生き残っていたようだが、後遺症が残ったと聞いている。

     事件発生からしばらく経っているせいか、警察などはいなかった。

     突入するようにスレッタが、エランが、警戒するようにビルに入ると、ふと。ラウダが走り出す。隊員たちの前に、男女一組が駆け足で階段を上っていたのだ。異様に地味な服を着た男と、帽子や眼鏡で顔を隠した女__しかし、変装に慣れたラウダであれば、すぐに気づくことができた。

    「兄さん、ミオリネ!」

    「ラウダ!?」

     グエルが振り返り、驚いたような声をあげた。ミオリネはしばらく呆然としたあと、スレッタとエランを順にみて、「無事でよかった……」と小さく呟いた。

    「そ、それはこっちの台詞です!ミオリネさん、大丈夫だったんですか!?」

    「あれから何があったの?僕は__」

    「今は話はあと。事件のことは私たちも把握している。秘密裏にはなるけれど、捜査に協力する」

     会話をしながらも、脚は止めない。いつの間にか、屋上にまで辿りついていた。扉を開ければ真っ青な空が広がっていて、高いフェンスで囲まれたその場には、誰も残されていなかった。事件の、名残すらも。

    「……」

     エランがかつてのことを思い出したのか、少しだけ顔を青くさせた。ふと、塀のすぐ横に、花束が置かれていることに気づく。それは、小さくも美しいブーケだ。甘い、花の香りが、した。


    シャディク「というわけで合流だよ!」

    グエル「てめシャディクこのハンドアウトやりやがったな!!」

    ミオリネ「グエル、リアルアタックは禁止。とりあえず再会を喜びましょうよ」

    スレッタ「無事だったんですね!よかったです」

    エラン「ね~……突然飛び出してくもんだからびっくりした」

    ラウダ「……」dice1d2=2 (2) (1:呪文を共有する 2:呪文を共有しない)

    シャディク「ハイというわけで!できることは『1:花にアイデア』『2:屋上全体に目星』『3:警備員に交渉技能で聞き込み』のいずれかだよ。さて、どうする?」

    グエルdice1d3=1 (1) :dice1d100=3 (3)

    スレッタdice1d3=2 (2) :dice1d100=68 (68)

    エランdice1d3=3 (3) :dice1d100=97 (97)

    ラウダdice1d3=3 (3) :dice1d100=84 (84)

  • 37二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 09:45:40

    なんで交渉二人とも失敗しとるんやエランはファンブルだし
    シャディクのロッカー気になるなあ

  • 38二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 12:57:35

    エラン「うっぐっはああああああ!?!?」

    ラウダ「???????????????」

    グエル「ふふん。勝ったぞ!見てたかスレッタ!」

    スレッタ「はいっ、クリティカル、すごいです~!!」

    ミオリネ「何この温度感」

    シャディク「えっと、交渉技能ないラウダはおいといて……エラン、プッシュする?心理学ハードで代用してもいいとするよ。ただし失敗したらdice1d3=3 (3) (1:グエルとミオリネが指名手配犯だとバレる 2:最悪な記憶を思い出してSAN-1 3:不要不急の色ボケ)だよ」

    エラン心理学ハード:dice1d100=37 (37) (35)


     屋上の高いフェンスに飾られたその花を見て、グエルはどうしようもない既視感に襲われる。そうして、気づく。これは、この花は__

    (エランの家に置いてあったものだ)

     それも、オリジナルの枕元に。もしかしてオリジナルが好きな花なのだろうか、と考えて、ふと、違和感に襲われた。

     いくら若干虚弱そうとはいえ、オリジナルは一般的な成人男性だ。

     そんな人物が、なんの抵抗もなく危害を加えられて、あまつさえトランクに詰められるなんてこと、あるだろうか。抵抗して大声をあげたのであれば、このあたりは治安がいい。周囲の人が気づいただろう。しかし目撃情報はない、この事件は『完全犯罪』だった。もし超人的な離れ業を行ったのでなければ、例えば__好きな花がなにか知っているほど、親しい人物が犯人だった?

    (……ダメだな、嫌な想像ばかりしていまう)

     ヴィムやシャディクのことで、感傷的になっている自覚はあった。グエルはかぶりを振って誤魔化す。そうして顔を上げると、ふと__スレッタが、何かを見ていた。

    「スレッタ、何をしている?」

    「あ、えっと、ここ……何か、あって」

     スレッタはそう言って、手すりの一部を指さす。

     よく見るとそこには、羽を広げた鳥のようなマークが彫られていた。

  • 39二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 13:18:03

    鳥…ペイルの紋章か?

  • 40二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 16:46:27

    「……ですから、僕と彼は恋人なんかじゃない!」

    「そうだっ、こんなヤツとそういう関係だと思われるなんて、心外……!?」

    「照れ隠しですね、わかるよ。青いねえ……」

     警備員のおっちゃんは瞳を眩し気に細めてそう言う。

     何をどう勘違いしたのか、コイツはそろって聞き込みに来たエラン・ラウダ両名をよりにもよって恋人だと勘違いしたんのである。必然二人は誤解を解くことに終始せねばならなくなり、結局全く情報は拾えなかった。ついでにおっちゃんはラウダにホテル・アスティカシアの割引券をプレゼントし、グッとサムズアップしてみせた。ほんとうにふざけないでほしい

     二人は心なしいつもより距離をとってミオリネたちに合流すると、改めて事件が起きた現場を確認することとする。ここからどこに捜査に行くべきかは、考えなければならない。ミオリネはどこからか端末に地図を取り出して、ひとつひとつ見てみる。

    「行くべき現場は、あと六つか。二手に分かれれば、一日でおわりそうだな」

    「念のため、グエルさんとミオリネさんは、別々の班に入ってください。指名手配犯が一緒に居たら、つかまるリスクがふえてしまいます……」

    「……第一事件現場がここ。それ以外は__『1:第二事件現場ージェターク・アベニューと第三事件現場ーダイゴウストリート』『2:第四事件現場ーグラスレー・ビュー』『3:第五事件現場ーペイル博物館』『4:第六事件現場ー001通りと第七事件現場ー002通り』。第一と第二、第六と第七は近いから、まとめて探索できそう」

    「それと、『5:エラン班ならケレス家、ラウダ班なら教会孤児院』かな。兄さん、班分けはどうする?」

     グエルはすっと目を細め、静かに息を吐く。……グエルとミオリネはわかれる。それと、エランとラウダもわける。スレッタは戦闘能力が高いから、ミオリネにつけておきたい。ならば。

    「……俺とdice1d2=2 (2) (1:エラン 2:ラウダ)、スレッタとミオリネと残りひとり、で班を組むことにしよう。それぞれ、少しでも情報を得て、事件解決に強めるぞ!」


    グエル班:dice1d5=3 (3)

    スレッタ班:dice1d5=4 (4)

  • 41二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 17:16:38

     ペイル博物館は、世界各国の絵画や装飾美術、写真、服飾といった幅広い美術品がおさめられている美術館だ。ラウダが注意深くあたりを見回していると、スーツを着た女性が話しかけてきた。

    「ようこそ、キャリバーンの方ですね。どうぞ、中へ」

    「……話は通していたのか」

    「ああ。……辛いこともあるでしょうが、おねがいします」

     女性はあまりに他人事で、常に無表情だ。

     人間と言う生き物は、あまりに精神に負荷がかかったとき、己の心を守るために心を殺すという。おそらく彼女は当時のストレスに耐えかねて、感情が乏しくなっているのではないだろうか。

     女性が椅子に座り、二人を遠い目で見つめる。

    「あまり当時のことは覚えていませんが。できる範囲でなら、質問にお答えします」

    dice1d2=2 (2)

    1:グエル「鳥のマークはあったか?」グエル説得:dice1d100=40 (40) (80)

    2:グエル「当時何か不審なことはあったか?」グエル説得:dice1d100=13 (13) (80)

    dice1d2=1 (1)

    1:ラウダ「何があったのか、おしえてほしい」ラウダ精神分析:dice1d100=79 (79) (70)

    2:ラウダ「……すこし、おちついてほしいな」ラウダ精神分析:dice1d100=95 (95) (70)


     通りはかなりほど近い場所だ。第六事件現場は住宅、第七事件現場は通りである。スレッタはふと、先程写真に収めておいた鳥のマークをエランに見せ、首を傾げた。

    「これ……ケレス家のマーク、です?」

    「あー……正確にはペイル社の社章だね。でも、なんで……?」

     エランも首を傾げた。

     ……おそろしい予感が__エランの母、ペイルグレードが犯人なのではないか、という予想が、いよいよ真実味を帯びてきた。エランはそれを振り払うように、数度、かぶりを振った。ミオリネはエランの手を__あの時ミオリネが送った手袋に包まれた手を取り、微笑む。

    「大丈夫よ。私は、信じているから」

    「……?」

     スレッタはこてりと首を傾げた。

    1:第六事件現場住宅ー本棚(目星) 2:第六事件現場住宅ー作業机(アイデア) 3:第六事件現場住宅ーラジカセ(技能無し) 4:第七事件現場ー聞き込み(心理学)

    スレッタdice2d4=1 3 (4) :dice1d100=62 (62)

    エランdice2d4=2 4 (6) :dice1d100=48 (48)

  • 42二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 17:20:08

    ラウダのダイス荒ぶってんな…
    スレッタ班はいい感じにばらけてるね

  • 43二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 17:33:58

    グエル「ダイスに塩振れ塩!!」

    ラウダ「コイツたのしそうに」

    スレッタ「わ、私たち、一個しかふってない、ですけど……」

    エラン「どうするの、ミス?」

    ミオリネ「あー……二人とも技能無しとダミー引いてるし、これで全部成功にしていいわよ」


    「……不審なこと……」

     女性は考え込むように視線を下ろす。それから小さく、震えはじめた。

    「事件があった時、突然、炎が上がったんです。私、ふしぎにおもって、火のあったほうに、ちかづいて、トランク、が、あって__」

    「……それ以上は大丈夫です」

     グエルは女性の顔が真っ青に染まっていることに気づくと、さっくりと話を切り上げた。ひゅうひゅうと荒い息を繰り返す女性は、しかし。ふと、顔をあげる。

    「……そういえば、最近、フードを被ったひとがうろついている、と言う話をきいたことがあります」

    「フードを被った人?」

    「はい。ちょうどあなたと同じくらいの身長だって言ってたかな、詳しくは、知らないのですが__」

    次の行先dice1d3=2 (2)

    1:第二事件現場ージェターク・アベニューと第三事件現場ーダイゴウストリート 2:第四事件現場ーグラスレー・ビュー 3:教会孤児院


    「マーク?ああ、アパートの裏で見つけたよ。そういや最近この辺をフードを被った不審者がうろついてるって聞いたから、気を付けてね」

    「ありがとう」

     エランはにこやかに離れて、スレッタが先に入って行った事件現場に戻る。作業机を見ていると、ふと。ファイリングされた資料の中で、一つだけ付箋が貼られた資料があることに気づく。中には『S』と書かれていた。

    S 父母を無くし、幼くしてルブリス教団へ。その際同様に教団員であったプロスペラ・マーキュリーたちと出会う。彼女たちの願いは「全人類平等が死という沈黙の元平等になる世界をつくる」というものであった。そして実際に、『クエタ一家連続惨殺事件』を起こす。最初の事件から数日後、二人の行動に気づいたSの説得も虚しく次々事件を起こす。その後Sは彼女たちの娘であるスレッタ・マーキュリーを保護。埋種者の実験には進んで参加。どの種が埋まっているかまでは不明。

    「現在は、『セセリア・ドート』という偽名を使っている……」

     エランのこめかみから、汗が垂れると同時に。

     スレッタが、あ、あ、あああ、と。悲鳴を、あげた。

  • 44二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 17:34:28

    聞き込みで不要不急の色ボケってどんなんやねんと思ってたからすげえ笑っちゃった
    あとラウダの精神分析、ファンブルの方じゃなくてよかったね

  • 45二次元好きの匿名さん23/07/13(木) 17:45:14

    スレッタが悲鳴あげてるのはラジカセのせい?

  • 46二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 00:11:13

    同じくらいの身長のフードの人物かぁ

  • 47二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 07:36:12

     スレッタが見つけたのは、ラジカセ。そして。

     ……古びた、ノートだ。

    〈古びたノート〉

    教団員の体に種を埋め込ませ、ニャルラトホテプの生贄に捧げるために実験を行っている。以下、各種の種を埋め込まれた人間について経過を観察する。

    不凋花__脳みそを養分とし、花を咲かせる→発芽時期は夏。全身に侵食した根が目のふちから見え始めて三日ほどで頭蓋骨を突き破り発芽。埋種者(まいしゅしゃ)は頭蓋骨を突き破るまで存命。

    ザックーム__地獄に咲く植物の一種→発芽時期は冬。胃の中に種が着地し、臓器を媒体として養分を吸い成長をける。痛みなどはなく、埋種者は己が寄生されていることに気付かない。種の中には知的生命体が存在しているようだ。意思疎通は不可能。

    生命の樹__エデンの園の中央に植えられた木。→発芽時期は秋。脊髄を養分として背中から発芽させる。背中から木の幹が生えて、そのまま実を作る。食した者は「リンゴのような味がする」とこぼした後に発狂した。

    地獄の植物__地獄に生える植物→発芽時期は春。この植物の種は上記とは異なり、種を丸ごと体に埋めるのではなく、すり潰し粉状にしたものを飲ませる。心臓もしくは脳に寄生するパターンがあり、前者の場合は死ぬ時まで意識がある。身体中に根を張り、心臓もしくは脳を食い破って成長する。死亡までの期間は推定一週間ほど。痛みはないが、精気を奪われるため歩行や意思疎通が困難になる。

    「わかっているはずです、それが何をもたらすか!」「わかっているからよ、セセリア。神には生贄が必要なの」「やめて、スレッタは関係ない!」「誰も行動しないなら私がやるしかない。いい機会だとは思わない?」「スレッタはどうなるの、あの子の人生は!」「大丈夫。きっとわかってくれる。だって私たちの血を継いだ、大切な子どもなの。子どもは、親によく似るの」

     ……聞こえてくるのは、よく知った声__セセリアと両親が、言い争う声だ。スレッタが絶句、していると。ぶつりと何かボタンの様なものが押される音が聞こえる。なきそうにふるえた、セセリアの声が聞こえてくる。

    「……それぞれの考えを知ることが、救いにつながるって思ってた。でも、知ったところで、助ける事なんて、できない。ごめん、ごめん、スレッタ、私は__遅かったのかな__」

    スレッタSANc:dice1d100=81 (81) (77) 0/dice1d4=3 (3)

  • 48二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 13:02:29

    スレッタが寄生されてるのは地獄の植物…?リミットは…?

  • 49二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 15:12:56

    スレッタSAN値:77→74

    「……」

     スレッタは自分の身体を抱いて、ぼろぼろと涙を流していた。ファイルをよみ、およその現状を悟ったエランは、そっとスレッタの背を撫で、安心させるように言う。

    「スレッタ。大丈夫だから、僕が、ついてるから」

    「エランさん、わたし、いや、しにたくない、死にたくない」

    「死なないよ。大丈夫、あんしんして。何とかする手段を探そう、スレッタ__」

     二人がぼろぼろ、涙を流す。

     ミオリネは壁に寄りかかり、静かにそれを見つめ、どこか遠くを見ていた。

    次の行先はdice1d2=1 (1)

    1:第二事件現場ージェターク・アベニューと第三事件現場ーダイゴウストリート 2:ケレス家


     グラスレー・ビューは家族旅行にぴったりの場所で、特にレストランが有名だ。ちなみに被害現場となったのは当のレストランである。風評被害を受けたらしいレストランは既に移転していて、新店舗の工事をしているようだった。

     グエルが工事現場の近くにいる人に「すみません」と話しかけると、彼等はやや煩わしそうな顔をしながらも応じる。

    「ここで事件が起きたと聞いたのですが……」

    「知っているに決まっているだろう。仕事の邪魔だ、どこかに行ってくれ」

    「話を聞かせてください。お願いします」

    「既に話せることは話した。これ以上話せることはない、確か、なんだったか__」

     男は考え込むように視線を巡らせた。それから小さく、呟く。

    「ペトラ・イッタ、と言う警察官だったか?」

    dice1d3=3 (3)

    1:グエル「マークを見たかだけ、教えてほしい」グエル説得:dice1d100=89 (89) (80)

    2:ラウダ「……ペトラが?」グエル説得ハード:dice1d100=38 (38) (40)

    3:グエル「あー、この辺に不審者って出なかったか?フードを被った長身の……」

  • 50二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 15:40:34

    3の判定無しは確定情報ということでいいのかな? ペトラのことも気になるが…

  • 51二次元好きの匿名さん23/07/14(金) 21:40:27

    保守

  • 52二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 06:41:35

    このレスは削除されています

  • 53二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 08:32:30

    「……不審者?ああ、いたらしいな。確か身長は……190程度だったと聞くが」

    「それ以外になにか情報は?」

    「あん?フードを被っているから目鼻立ちはわからない。だがなんでも、歩き方から武術や武道に明るい人間なんじゃないかって噂が立っているらしい」

    「なるほど」

     グエルは整理してみる。

     ……190であれば、少ないが女性にもいる。ヒールを履いて誤魔化すことも出来るだろう。武術や武道に明るい人間といえば……例えばキャリバーンでは、せセリアとか……。

     ……やめておこう。

     キャリバーンでは全員、ある程度戦闘術を仕込まれる。一見華奢なミオリネとてグエルを投げ飛ばせる程度には強いのだ。「協力感謝します」と微笑めば、男は胡乱な目付きをした。グエルは顔を上げ、ラウダの方をじっと見つめる。

    「それじゃあ、行こうか」

    「……ああ」

     日が傾きつつある。

     繋いだ手が、かすかに熱く、湿っていた。

    「教会孤児院へ」

    探索可能場所

    1:本棚 2:パソコン 3:書類 4:木

    グエルdice2d4=2 1 (3) :dice1d100=36 (36)

    ラウダdice2d4=1 4 (5) :dice1d100=54 (54)


     ジェターク・アベニューはジェターク区域の大通りだ。売りに出された家には「for sale」の文字がある。献花があり、おそらくここで事件が起きたのだろう。そこからほど近い場所にある不動産会社は、第三事件の被害者が勤めていたという場所だ。

    「この辺はさっさと切り上げて、ケレス家を調べた方がいいと思う。気張っていくわよ」

    「は、はい!」

    「イエス、ボス~」

     スレッタがやけに力んだ、逆にエランはやけに力の抜けた返事を寄越すのを聞いて、ミオリネはすっと肩を落とし、にこり、と笑った。

    探索可能場所

    1:聞き込みー第二事件現場(心理学ハード)2:聞き込みー第三事件現場(心理学ハード)3:探索(目星、聞き耳)

    スレッタdice1d3=3 (3) :dice1d100=2 (2)

    エランdice1d3=3 (3) :dice1d100=58 (58)

  • 54二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 08:45:57

    スレッタ「完 全 勝 利」

    ミオリネ「???????」

    エラン「知らんところでクリティカル出されてミオリネが困惑してる。可哀想」


     空き家を探索していると、エランはふと、ソファの付け根に、何かが彫ってあるのを見つける。それは鳥のマーク__ペイルの社章だ。しかしそれ以上に目を引いたのは、

    「『ラウダ ペトラ フェルシー エリクト 逃げて 私たちのようにならないで』……」

     エランがすっと目を細め、顔を険しくさせる。

    「何かあるのかも。……とにかく僕の家に行こう、オリジナルに聞いてみないことには何も分からない」

    「そ、そう、ですね!」

     スレッタが立ち上がる。部屋から出ると、ふと、不思議そうな顔をした人と目が合った。彼はじっと、エランを見つめている。

    「……なにか?」

    「あ、いえ、なんでも。ただ……ううん、真逆だもの」

     彼はそんなことを言うと、ふっと足早に去っていってしまった。

    1:オリジナルに聞き込み(心理学) 2:ペイルグレードの部屋の探索(目星) 3:エランの部屋の探索

    スレッタdice1d3=2 (2) :dice1d100=23 (23)

    エランdice1d3=1 (1) :dice1d100=44 (44)


    シャディク「どうせ本棚はダミーだからこのままいくよ」

    グエル「ダミーって言っちゃったよ」

    ラウダ「シャディク。」


     教会孤児院は、アスティカシア西南部のグラスレー地域付近、沿岸沿いの小高い丘の上の静かなところにあった。閑静な場所にひっそりと立つこの場所は、少し前、エリクトが逮捕されると同時に封鎖された。鉄製のフェンスを開ければ、金属がきしむ音だけがあたりに響く。

     適当に探索していると、グエルはなぞのファイルを見つける。開けてみれば、……顔を、険しくさせた。

    『適性者について』

    魔術的価値の高いものを中心に、エアリアル正教会へささげる。価値のないものは速やかに処分すること。

    以降、数ページにわたって子供たちの名前がつづられている。ところどころ線がひかれて、消されている名前もあった。そしてここに挙げられている名は、全て今回のトランク詰め事件の被害者の名である。例外は、「被害者」という観点から考えるならヴィム、「孤児院出身」という観点で考えるなら、セドやラウダたちだろうか。

     それからふと、パソコンに目を向ける。そして、何気なく、開いた。そこにあったのは、

    『遺書』

  • 55二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 09:41:48

    「……疑問に思わなかったか。俺たちの歳は、あまりに近すぎる。そして顔は、あまりに似すぎている」
     オリジナルは、独白するように、告解するように、エランに向けてそう言う。オリジナルが静かに目を伏せ、きゅっと拳を握った。
     ずっと、疑問に思っていたんだ。なにかが、おかしいと。そうして、調べて、気づいた。正確には、シャディクが、教えてくれた。
    「俺たちは『作られた存在』なんだよ。子を孕む力を持たぬ女が、試験管の中で」
     ペイルグレードには、愛する人がいた。幼馴染であった。けれど、あるとき、その愛する人は、別の女と不貞を働いた。子を産める女と不貞を働いたのだ。なんでも何か抗えない魅力を感じたとかどうとかで。女を憎み、幼馴染を憎み、狂ったペイルグレードは、子供を「つくった」。あの女を殺すために、復讐するために。シャディクはかの幼馴染の遺伝子が少し入っているから、エランたちとは見た目が違うらしい。すぐにわかった、幼馴染を奪った女は、教会孤児院の出身だった。そこでは怪しげな魔術を子供たちに教えている。しかし__かの二人は、心中してしまった。あの女の「抗えない魅力」とは、これだったのだと、すぐに気づいた。最早復讐することすらできないペイルグレードは、神に祈った。きっと縋る先はどこでもよかったのだと思います。しかしそれは結果として、最悪の結果をもたらした。

    「いあ、いあ、つぁとぅぐあ
    いあ、いあ、つぁとぅぐあ……」
     ペイルグレードの部屋にあるそれを見つけたスレッタは、絶句した。
    【データストーム】
    無形の落とし子から採取した粘液を乾燥させ、月光の下で三時間ほど干し、粉状にする。無形の落とし子に食べられた人間の溶液からも採取は可能。
    症状としてはめまいや昏睡、嘔吐などのほか、全身がただれる、内臓破損などの症状がみられた。過剰摂取したものは最終的に無形の落とし子と化し、無差別に人を襲うようになった。
    館で働くメイド数名にこの薬を投与。エランが爆発事故を起こしたことで流出しかけたが、『ケレス家爆破事故』としてエランに罪を着せることで回避。その後、サビーナ・ファルディンと契約。スラムの連中にドラッグを売りつけ、売り上げの五割をサビーナに譲渡することで契約が成立。データストームを流通させれば、生贄は必ずツァトゥグアの元に届けられる。手筈は整った。そろそろ、願いを叶えてもらってもいい頃だ。

  • 56二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 10:12:02

    語彙が無いから上手く言えないけど、スレッタもエランも辛いというか悲しいというか… 命を弄ばれて勝手に使われてる感が凄い

  • 57二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 11:33:31

    『遺書』

    ……お前がこれを見ているということは、俺は死んだか。あるいは、そうでなくとも動けない状態か。真実を探ろうとする者のために、孤児院に遺書として、自分の日記の一部を託すことにした。

    最近よくわからない力が使えるようになった。エランにも、シャディクにも、使えない。よくわからない。これはなんだ。

    調べてみた。教会孤児院では、適正がどうとか言われた。人間社会にいてはいけない存在なのだと。残念ながら俺には可愛い兄弟がいるので俗世で生きるが。

    ……俺だけじゃなかった。俺だけじゃなかったんだ。シャディクも、エランも、皆。そしてペイルグレードは アイツは 「適性持ち」すべてに敵意を向けている!何故かまではわからないが、俺はまずい。シャディクはお気に入りだから例外らしいが、俺に関してはもしバレたら絶対殺される!

    突き止めた。「トランク詰め事件」には、関係性があった。『適性アリ』とされたものだ。教会孤児院は、表向きは両親や親戚のいない身寄りのない子供たちを育てている施設だが、実態はエアリアル正教会で信仰されている邪神に捧げる生贄にするために「教育」をする場所だ。邪神がどうとかは、とりあえずそう言うものだと信じてほしい。家の権力でドミニコスに頼み込んで、孤児院の子供のうちまだ影響の少なそうな子を養子として引き取り、話を聞いたり、ある程度成長したら「里帰り」の名目で調査させたり……という長期的な任務を依頼したが、このことを嗅ぎつけられたせいで、実働していた隊員__ヴィム・ジェタークが殺された。

    エアリアル正教会は「クトゥグア」という邪神を信仰している。そして、それと敵対する「ニャルラトホテプ」という神をルブリス教団が信仰している。教会は、この教団を潰すために神を召喚しようとしているんだ。前者で主に動いているのはエリクト・サマヤ、後者は、一時崩壊したが、当時の幹部である「S」が権力を握っている。

    俺も多分、遠くないうちに殺される。どうか、あいつらを止めてくれ。

    世界を、救ってくれ。

    オリジナル・ケレス


     グエルの手が震える。

    「じゃあ、父さんは……シャディクは、エランは……」

     どうすればいいのか、分からなかった。わけのわからない涙が込み上げてきて、舌を噛んで父とシャディクのところに行きたくなって、

    「……兄さん!」

    ???:dice1d100=95 (95) (??)

  • 58二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:05:03

    値がヤバい

  • 59二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:37:58

    「……」

     合流したスレッタとエランは、共に顔を曇らせ、血の気の引いたくちびるでなんとか情報を共有する。聞いたミオリネは嘆息し、静かにこめかみを抑えた。それからどこかに連絡を飛ばし、端末を見つめ、それからスレッタたちの方に視線を向ける。

    「今日はもう休みましょう。私は信頼出来る教会に身を潜めるから、あんたらも好きに過ごしなさい」

    「好きに……とは?」

    「色々ショックなことが多かったはず。心の整理をする時間をもうけた方がいい」

     二人は黙り込む。ミオリネの横顔に西日が差す。薄い色をした皮膚が、かすかに赤く染まり、肩が、震えているのを見た。

    dice1d3=3 (3)

    1:スレッタ「エランさんとこ泊まっていきます」

    2:エラン「一緒にニカのところに行こうか」

    3:スレッタ「それぞれで休みましょう」エラン「そうだね」


    シャディク「ごめん」

    ラウダ「なぜ謝る」

    グエル「人間関係やHO設定を地獄にしたことならもう承知の上だぞ」

    シャディク「いやもしかしたら今じゃなかったかなって ていうか失敗しないと思って」

    グエル「おいまさかおまえやりやがったな」

    ラウダ「はまってまってまってまってまって」


     ぼんやりと立ち尽くすグエルの腕を引いて、あの木まで案内した。もう春が近づいているからか、無数の真っ白な蕾が膨らんで、爽やかで甘い香りを漂わせている。純粋で、きれいなそれを見て、ラウダは目を輝かせる。やっぱり、とってもきれいだね。

    「これを見てると、すごく勇気が湧いてくるんだ。守ろうね、僕たちの平和を__兄さん?」

    グエルヒートPOW判定:dice1d100=95 (70)

     グエルのひとみが突然潤む。ぼろぼろとなみだをながして、ゆるして、ゆるして、ごめんなさい、と赦しを乞うように震える。

    「どうしたの、兄さ」

    「どうか」

     慈悲と、罰を、与えてほしい。

     グエルが、泣き濡れた狂気に笑んだ。

    dice1d3=2 (2)

    1:家で一旦落ち着く(係数初期値dice1d2=2 (2) 、精神分析チャンス有)

    2:あ!こんなところにホテル・アスティカシアの割引券が!(係数初期値dice1d3=3 (3) 、精神分析チャンス有)

    3:ここ(係数初期値dice1d4=1 (1) )

  • 60二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:39:43

    このレスは削除されています

  • 61二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:41:30

    3:ここ の端的なヤバさよ…引かなくてよかったね
    公序良俗の観点からね

  • 62二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:50:50

    POW判定だったのか…係数はダイス最大値だしあのさあ()

  • 63二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 16:54:06

    そういえばもらってたね割引券
    これが伏線回収ってやつか(?)

  • 64二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:13:31

    このレスは削除されています

  • 65二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:16:35

    このレスは削除されています

  • 66二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:17:35

     ニカは子供のように笑いながら、甘えるようにスレッタの手に縋り付く。スレッタは微笑み、もう片方の手でニカの髪を撫でた。

    「ニカさん。私、必ず生きて帰ります。だからちゃんと戻ってくれたら、抱きしめてくれますか」

    「……?」

    「思い出して、くれますか」

     声が震えている。

     ニカはぱちぱちと瞬きをして、少しだけきょとんとした顔をしたあと__スレッタのよく知る、穏やかの笑みを浮かべた。

    「きっと、かならず」

    スレッタPOW判定:dice1d100=54 (54) (55)※成功すると思い出を力にし、一度だけ狂気に陥っても問題なく戦闘ができるようになる


    「兄様」

     まどろんでいるオリジナルに、エランはそうっと、祈るように手を組み、言葉に迷った末に、囁く。

    「僕、母様を止めたい。……またこの身体に怖いのが宿るなんて、いやだ。世界を守りたい。シャディクもそう言うかな」

    「さあな。俺はシャディクじゃないからわからん。ただ」

     オリジナルは起き上がると、エランの頭をがしがしと撫でた。

    「無事で帰ってこいよ。チェリーパイを焼いて待っている」

    エランPOW判定:dice1d100=25 (25) (60)※成功すると思いを力にし、一度だけ狂気に陥っても問題なく戦闘ができるようになる


    シャディク「まさかこうなるとはこのシャディクの目を持ってしても」

    ラウダ「エランとの色ボケが伏線だとは思わないじゃん……」

    グエル「もう困って描写ができずにこのタイプの書き方してるもんな。文章力が弱きKP」

    シャディク「ハ?俺を愚弄するのか」

    ラウダ「逆ギレするな」

    グエル「お前がやった事だぞ」

    シャディク「……もうなんでもいいからとにかくさっさと処理進めるよ。今のうちに存分にいい空気吸って後で覚えてろよ」

    グエル説得:dice1d100=39 (39) (80)※成功で係数+1、またラウダは一度だけ狂気に陥っても問題なく戦闘ができるようになる

    ラウダ精神分析:dice1d100=60 (60) (70)※成功で係数-1、またグエルは一度だけ狂気に陥っても問題なく戦闘ができるようになる

    グエルSIZ対抗:dice1d100=88 (88) (80) ラウダSIZ対抗:dice1d100=35 (35) (85)※ラウダ勝利で係数-1

    ???:dice1d100=79 (79) (20*3に↑)

  • 67二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:33:51

    スレッタ「思い出を 力に……!」

    エラン「僕観測してたけど上で消した二つ両方とも『ひっかかって』いた。なかったことにするのはよくないと思う」

    グエル「お前らだけかっこいい感じの演出もらいやがってよ」

    ラウダ「決して許してはならないと思う」

    シャディク「困るよね。」

    ミオリネ「スレッタは病院で、エランは自宅で、グエルとラウダはホテル・アスティカシアで__大切な人のそばで目が覚める」


     朝の情報番組を見ていたはずのあなたたちは、突然、ざざざ、と砂嵐が走るのを見た。

     怪訝に目をほそめて、一体何が、と考えるだろう。故障を疑うかもしれない。しかし数秒遅れて、そこにいたのは__

    「世界中の皆様、初めまして。ペイルグレードと申します」

     エランにどこか似た女。フードを被った背の高い人物。そして、エリクトと__ペトラの姿。

    「本日は皆さまに伝えたいことがあって、僭越ながらこのようなことをさせていただきました」

     女はニコリと笑って、続ける。本日、自然災害によってこの街は大打撃を受けます。事件により、人々の心には深い傷が残されるでしょう。災害、戦争、テロ……大規模な事件だけでなく、殺人や虐待、あらゆる犯罪行為が野放しにされている事実に直面するたびに私はこう思うのです。許せない、と。簡単な話です。罪には罰を。悪を正せよと。流れた涙を、人を恨む気持ちを生産する。我々はあなたたちの怒りを、悲しみを、憎しみを、すべて受け入れて、あなたの心を救うもの。人を恨み疲れたものたちよ、人を憎み続けたものたちよ、己の罪に苛まれ、後悔ばかりをし続けたものたちよ、全てのものたちを、私は受け入れます。

    「我々は『パーメット』。罪あるこの世を、断罪し、救うもの」

     __パーメットの向こう側

     望みの果ての夢の中より、愛を込めて。

     瞬間、

     ……頭が、割れるように痛んだ。

    グエルSANc:dice1d100=76 (76) (40) dice1d6=5 (5) / dice1d20=6 (6)

    スレッタSANc:dice1d100=4 (4) (74) dice1d6=1 (1) / dice1d20=10 (10)

    エランSANc:dice1d100=83 (83) (78) dice1d6=6 (6) / dice1d20=5 (5)

    ラウダSANc:dice1d100=29 (29) (71) dice1d6=1 (1) / dice1d20=20 (20)

  • 68二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:37:44

    ラウダ1と20で極端!!失敗してたら危なかったな…
    そして一人だけ削れまくってるグエルのSAN値よ

  • 69二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:37:47

    グエルSAN値:40→34

    グエルアイデア:dice1d100=50 (50) (50)

    成功の場合グエル一時的狂気:dice1d10=3 (3)

    スレッタSAN値:74→73

    エランSAN値:78→73

    エランアイデア:dice1d100=97 (97) (80)

    成功の場合エラン一時的狂気:dice1d10=8 (8)

    ラウダSAN値:71→70


    ミオリネ「ジャブとはいえあんま削れなかったわね」

    グエル「ハーッハーッハー」

    エラン「ッヒィ~~~~~」

    スレッタ「1d6/1d20はジャブとはいいません」

    ラウダ「あぶないところだった」

  • 70二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 17:43:21

    アイデア期待値低いのに何故こんな時ばかりピッタリ成功してしまうのか

  • 71二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 19:02:19

    判定成功の内容が明らかにでっかいSANc来ますよって感じなのがなあ…
    まあまた神格的なのと対峙するのは確実そうではあるし
    SAN値よわよわグエルはSANc無効化アイテムあってよかったな

  • 72二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 21:58:02

    グエル「????????」

    エラン「はい(唯我独尊)」

    スレッタ「SANc強者になるはずだったにんげんのかお」

    ラウダ「やっぱ寵愛枠ってあるんだね……」

    ミオリネ「……あー、落ち着くまでラウダがそばにいたってことでそのまんま合流してもいいわよ。チ……殺人癖でも引いていれば……」

    シャディク「ミオリネミオリネ、本音が漏れているよ」


    グエル一時的狂気:肉体的なヒステリー(ここでは大泣き)

    ラウダ精神分析:dice1d100=30 (30) (70)成功でdice1d3=1 (1) SAN値回復


    「スレッタ、エラン!」

    「ラウダさん!」

    「グエル……どうしたの」

     ラウダに腕を引かれてやってきたグエルは、目の周りが紅く腫れ上がっていた。スレッタは目を剥き、エランも心配げにしている。ちなみにエランは今しがた小指を強かに箪笥に打ち付けた。キレそう

     __キャリバーン本部。

     外では凄まじい雨が降っている。数分もしないうちに、道路や地下鉄が水没したという連絡が入ってきた。さらに大型のハリケーンが接近し、既に数人が死亡しているとのこと。あちこちで停電が発生している。ラジオから流れる避難指示はまだこちらにまで来ていないが、時間の問題だ。もう雨は近づいている。

    「特定できました」

     ロウジが、息を荒げながら部屋に入ってきた。ノートパソコンはここから車を出せば十分程度でなんとか行けそうな位置を示している。「ここです。ここから、ジャックされている。いってください。セセリアは……えっと、住民の避難誘導は、僕が行います。皆さんは、どうか……ご武運を」

     ロウジのひとみが、かすかに揺れる。と、同時に、ガラリと扉が開いて、入ってきたのは、フェルシーとチュチュだった。

    「……世界の危機、ってやつ?探しに行かなきゃ。ペトラを、セセリアを」

    「あん?あーしらもついていくにきまってんじゃん。ハブにすんなよ」

     フェルシーが祈るように、チュチュが空元気のようにそう言えば、ミオリネがすぐに装甲車を含む装備を用意してくれた。それからきゅっと目を閉じて、開けて、グエルを見つめた。

    「今回は私もついていく。護身程度ならできる」

    「ミオリネは俺より強いじゃないか。……信頼してる」

     二人はこつんと、拳を突合せた。

  • 73二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 22:02:08

    チュチュフェルミオリネ!心強い!でもKPミオミオの発言不穏すぎぃ!

  • 74二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 22:19:04

     ロウジの指示したビルに向かえば、中に、人影が見える。チェーンソーをもった女性には、見覚えがあった。セセリア・ドートだ。そしてその前にいるのは、スレッタの__

    「痛みこそ。世界を救うんです、痛みこそが」

    「……セセリア」

    「私の知るあなた達は、誰より優しい私のあなたは、人殺しなんかじゃないっ……!」

     泣き叫ぶような声が響く。ふと、セセリアがこちらを見て、スレッタに視線を止めた。

    「……スレッタ、かえって。あんたまで危険な目に合う必要はない」

    「セセリアさん、待って、やめて!」

    「大丈夫。あなたのお父さんとお母さんが罪なんて犯さなかった世界を私がつくってあげるから。大丈夫。冤罪なの。全部間違っている。私がただしてあげる。なおしてあげる!あとは生贄をささげるだけなのスレッタ大丈夫大丈夫大丈夫わかってるから罪びとなんかじゃないってわかるから私は……信じてるから……」

     スレッタが止めるために割って入った、瞬間。

     ふと、倒れ伏していたスレッタの両親の身体が、電気ショックにあてられたように跳ねる。

     それは、人の血液を養分として成長する地獄のような植物に似ていた。何かが食い破られるような嫌な音が聞こえる。上半身の腹部が真っ赤に染まっていた。大きく裂けた腹部からぐんぐんと蔓が伸びていく。石英や黄金のようなものが混じったその姿は、異様に美しい。どくどくと脈打つ太い蔓が伸びて、生暖かい血の雨がふる。それなのに、スレッタによく似た顔だけは、奇妙にきれいなままだった。今にもくちびるが動き、声を紡ぎそうなほどに。あるいは__

    「S」

    「……ぁ」

     うごいた、ほどに。

     __捻れた種、虐げられた者の王

     ニャルラトホテプの化身、アトゥを見たあなたたちは、

     SANc、1d10/1d100です。

    グエルSANc:dice1d100=54 (54) (35) dice1d10=3 (3) /dice1d100=55 (55)

    スレッタSANc:dice1d100=53 (53) (73) dice1d10=5 (5) /dice1d100=55 (55)

    エランSANc:dice1d100=38 (38) (73) dice1d10=4 (4) /dice1d100=69 (69)

    ラウダSANc:dice1d100=54 (54) (70) dice1d10=6 (6) /dice1d100=30 (30)

  • 75二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 22:22:56

    グエルは本当にお祓い行こ??

  • 76二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 22:25:59

    わー言ってるそばから言わんこっちゃないうわああああ

  • 77二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 22:43:59

    グエル:シャディクのペンダント使用。SAN値変動なし

    スレッタSAN値:73→68

    スレッタアイデア:dice1d100=22 (22) (80)

    成功の場合スレッタ一時的狂気:dice1d10=2 (2)

    エランSAN値:73→69

    ラウダSAN値:70→64

    ラウダアイデア:dice1d100=76 (76) (65)

    成功の場合ラウダ一時的狂気:dice1d10=2 (2)

    「ッあ」

     その、存在感に。

     グエルは一瞬、絶望する。目を見開き、震える。絶望する。思考が狂気に呑まれ、無意識に、持っていたピストルを頭に当てて__

     服の下にある、ペンダントの存在を思い出す。チャームに彫られている文字は、『愛を込めて 祝福あれ』。グエルの瞳に、光が戻る。大丈夫……大丈夫。シャディクの愛した世界を守るために、グエルは。グエルは!

     取り出したリボルバーをその存在__アトゥに向ける。セセリアが、弾けるように笑った。

    「ああ、あああ、あああああ!いらっしゃったんですね、ニャルラトホテプ様!もどそう、時間を、すべてを、ただそう、救われよう__」

    「馬鹿なことを。これじゃあこの世に留まれやしない」

    「え」

     __ふと

     聞き覚えのある声が聞こえた、次の、瞬間。アトゥの身体が朽ちていく。悍ましい勢いで。そうだ。そうだ、何故なら、教会孤児院と何の関係もない、魔術的な素養もないスレッタの両親には。

    「適性がないから」

     馬鹿なことを。呟いたのは、エリクトだった。シスターの衣装に身を包む少女は、無表情にセセリアを見つめる。その横に立っていたペトラは「救われるわけ、ない!」と叫んだ。

    「どんなに足掻こうと、やったことは変わらない!」

    「あなたに何がわかる?間違った世界をただせば、誰も殺されない、幸せな世界を作ることだって、できるのに」

    「違う!!」

     ペトラの声が、ひとみが。迷うように揺れる。エリクトが微笑み、ポンと手を叩いて言った。

    「茶番はこれでいいかな?ニャルラトホテプは呼べなかった。でも、今度こそクトゥグア様を呼ぶ。ペトラ、彼等のお相手をしておいて」

    「約束は守ってよ、エリクト」

    「愚かなペトラ、必ずね」

     セセリアが膝から崩れ落ちる。それと入れ替わりに、

     __警察官らしい、正義の執行人らしい衣装に、身をつつんだ、ペトラが。

     ゆっくりと、こちらを向いた

  • 78二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 23:07:24

    「……久しぶりだね、みんな」

     スレッタは咄嗟に逃げ出そうとする。しかしニカとの約束が、スレッタに、逃げない、立ち向かう__進む、勇気をくれた。ペトラは気安い調子で話しかける。その様子は、『あなたたちの仲間のペトラ』と何も変わらない。

    「これからクトゥグアの召喚を行う」

    「ペトラ、お前は」

    「少しだけ、話をさせて」

     グエルの言葉を遮り、ペトラがぎゅっと、胸の前で手を組む。

    「教会孤児院は、『適正アリ』の生贄を育てる施設として作られた。身寄りがないと都合がいいから。私たちは【能力】にあわせて教育__虐待や、人体実験を受けた。役に立つと判断されれば、もっと実験は過酷になった。禍々しい呪文を覚えさせられた。非道な儀式を要求された」

     そこで、ペトラがフェルシーの方を見る。フェルシーが唖然として、ペトラを見つめ返していた。

    「フェルシー__魔術のことは知ってても、拷問のことは知らなかったでしょ。それはね、エリクトが守っていたから」

    「……んな。そんな……」

    「役立たずは処分されるはずだった。でも、生かしてほしいと、そのためならなんでもすると、願った。結果として、フェルシーは善良な里親の元に行き、エリクトは壊れた。これが、私の教わった顛末……壊れた彼女の望みは、クトゥグアを召喚すること。ま、まあ世界は終わるだろうし、みんな狂気に陥ってしまう」

     ……そこで、

     ペトラが銃を、朽ちたアトゥの成れの果て__それでも、無数の種を、おぞましい地獄の植物を生み出す『なにか』とかしたスレッタの両親に、向けた。

    「そして、私の願いは__復讐すること」

     バン、と。

     スレッタに視線を向け、一発、発砲する。

    「さあ、選んでよ。私はこれから復讐を果たす。私を止めればエリクトがクトゥグアを呼ぶ。二人にひとつだよ」

    「……はじめよう」


    グエル「これエリクト止めなかったらもう1発1d10/1d100あるやつか!?」

    スレッタ「(ショート)」

    エラン「……あは、タハハ……」

    ラウダ「軽いノリで神格呼ぶな!!」

    シャディク「ふふ。決戦。神への飛翔を止める時」

    ミオリネ「__vs復讐者、戦闘開始よ」

    1:エリクトを止める 2:ペトラを止める

    グエル:dice1d2=1 (1)

    スレッタ:dice1d2=2 (2)

    エラン:dice1d2=1 (1)

    ラウダ:dice1d2=2 (2)

  • 79二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 23:10:21

    綺麗に分かれたな

  • 80二次元好きの匿名さん23/07/15(土) 23:36:42

    ラウダがペトラを止める方に動くのが今までのダイス結果と噛み合ってていいね

  • 81二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 09:50:05

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 15:56:35

    ここでエリクト止められないとグエルがSAN0ロストしかねないので何とかしたいね…

  • 83二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 16:50:19

    クライマックスって感じのSAN値チェックの値だな…(神格目撃×2の可能性)(溶けるPCのSAN値)

  • 84二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 18:18:52

    でもこのへんでPCロスト展開が来たとしてもそれはそれで見たいっていうか…!

  • 85二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 19:03:05

    平和な後日談がいつも楽しみだからバッドエンドは勘弁!という気持ちと、今まで明確なバッドエンドって無いから1回くらい見てみたい気持ちもちょっとだけある……心がふたつある〜

  • 86二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 19:06:32

    ミオリネ「さて。アトゥのなれはては地獄の植物を絶えず生み出している。それと別に、毎ターン全体攻撃をしてくるわよ。ペトラはアトゥと、呆然としてるセセリアに攻撃する」

    スレッタ「神格は殺した方がいいのでは?」

    ラウダ「程よいタイミングで止めるか~~」

    『ペトラ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=95 (95) (70)

    『スレッタ』

    対象:ペトラ 精神分析dice1d100=57 (57) (70)

    『ラウダ』

    対象:ペトラ 精神分析dice1d100=86 (86) (70)

    『アトゥのなれはて』

    対象:全体 攻撃方法:鞭dice1d100=99 (99) (35)

    シャディク「……君たちの他に、チュチュとミオリネが参加する。それと教団員の男が四人。こいつら全員倒すまでエリィには手を出せない」

    グエル「モブ……ペトラ……case2……頭が」

    エラン「……やるよ。負けないもんね」

    『チュチュ』

    対象:dice1d4=1 (1) 攻撃方法:射撃(ライフル)dice1d100=16 (16) (70)

    『エラン』

    対象:dice1d4=4 (4) 攻撃方法:射撃(ライフル)dice1d100=29 (29) (70)

    『教団員A』

    対象:dice1d4=3 (3) 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=2 (2) (50)

    『ミオリネ』

    対象:dice1d4=4 (4) 戦闘マヌーバ:ノックアウト打撃(判定は近接戦闘(格闘)dice1d100=1 (1) (70))

    『グエル』

    対象:dice1d4=1 (1) 戦闘マヌーバ:ノックアウト打撃(判定は近接戦闘(格闘)dice1d100=18 (18) (40))

    『教団員B』

    対象:dice1d4=1 (1) 攻撃方法:近接戦闘(刀剣)dice1d100=86 (86) (50)

    『教団員C』

    対象:dice1d4=3 (3) 攻撃方法:近接戦闘(斧)dice1d100=41 (41) (50)

    『教団員D』

    対象:dice1d4=3 (3) 攻撃方法:近接戦闘(槍)dice1d100=4 (4) (50)

  • 87二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 19:09:13

    ぅわミオミオっょぃ

  • 88二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 19:09:19

    ファンブルとクリティカルやたら多くない?
    ダイス神が荒ぶっておられる…

  • 89二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 19:10:13

    待て待て待て、クリティカル乱舞しすぎでは?
    そして神話生物ポンコツ再びじゃん

  • 90二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 20:18:45

    生きろ 全員生きろ

  • 91二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 20:38:20

     ペトラの指先が、迷うように揺れる。射出された弾は、なれのはての横を通り過ぎて墜ちた。まだ、迷っているのか。それとも、怖いのか、なんなのか。わからないが、ラウダは一歩近づき、迷うように見つめた。

    「ペトラ、落ち着いて。そんなことをしてもあなたは救われない。お願いだからこっちへ、」

    「あんたにはわからない!!」

     ペトラが叫ぶ。低く、血を吐くような声で。

    「わかりませんよ……『これ』以外に縋るところがある、ラウダ先輩には……」

     仄暗い瞳が狂気に揺れて、ぽろりと涙をこぼす。くちびるは引き結ばれていて、肩が、微かに震えていて、それでも表情には確かに意志が宿っていて、スレッタの頬から、さっと血の気が引ける。スレッタはこの症状をしっている。これでは、まるで__

    (取り返しがつかないほど、発狂している)

    ミオリネ「具体的にはペトラのSAN値は0よ」

    スレッタ「わ ワア……」

    ラウダ「どうして どうして どうして」

    dice1d2=1 (1) 1:なれのはてを倒してから考える 2:ペトラに精神分析を続ける


    「おいエラン!さっさとこいつらブチのめして、エリクトを止めるぞ!」

    「もちろんだよ。あわせてね!」

     チュチュとエランはそれぞれライフルを手に突貫する。ミオリネは肩のあたりに銃弾を受けながら、自分に銃口を向けていた「もうひとり」へ蹴りをお見舞いする。そのまま顔をあげると、「グエルそっち任せた!」と指示を飛ばした。

    「お前、傷は__」

     「大丈夫!」と叫ぶミオリネの頬には汗が浮いていて、服に、血が滲んでいた。

    団員A回避:dice1d100=30 (30) (10)

    回避失敗の場合団員Aダメージ:dice2d6=6 5 (11)

    ダメージ6以上なら気絶ロール:dice1d100=42 (42) (50)

    教団員D回避:dice1d100=12 (12) (10)

    ミオリネ回避:dice1d100=28 (28) (10)

    回避失敗の場合ミオリネダメージ:6

    回避失敗の場合団員Dダメージ:dice4d6=4 6 4 2 (16)

    教団員D(↑で戦闘不能になっている場合はC)回避:dice1d100=97 (97) (2)

    回避失敗の場合気絶

    教団員A(↑でまだ戦闘不能になっていない団員)回避:dice1d100=58 (58) (10)

    回避失敗の場合気絶

    ↑で団員C、Dが倒せていない場合ミオリネ回避:dice2d100=67 27 (94) (順に50、10)

    回避失敗の場合ミオリネダメージ:順にdice1d6=4 (4) 、6

  • 92二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 20:45:29

    ひーミオリネ危なかった…

  • 93二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 20:46:04

    97で笑っちゃった
    出目がひでえや

  • 94二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 20:50:26

    教団員A、B:自動気絶

    教団員C、D:気絶

    ミオリネHP:14→8

    グエル「……なんかややこしいことになってきたが、ようするにミオリネが一発食らった以外はさして損害もなくモブを倒しきったということでいいのか?」

    エラン「そうだね!えへへ、さすが僕達!」

    シャディク「あれ……おかしいな……もっと頑張ってほしかったんだけど……あ、戦闘にフェルシーが参加するよ」

    ミオリネ「????????????????????」

    スレッタ「まずはおかあさん?おとうさん?をたおしてからですね。覚悟はキメてきました」

    ラウダ「だっていつ全体攻撃飛んでくるかわかんなくて怖いし……仕方ないよね……」

    『ペトラ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=64 (64) (70)

    『スレッタ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=84 (84) (70)

    『ラウダ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=27 (27) (40)

    『アトゥのなれはて』

    対象:全体 攻撃方法:鞭dice1d100=31 (31) (35)


    『エリクト』

    呪文を唱える

    『チュチュ』

    対象:エリクト 攻撃方法:射撃(ライフル)dice1d100=46 (46) (70)

    『エラン』

    対象:エリクト 攻撃方法:射撃(ライフル)dice1d100=46 (46) (70)

    『ミオリネ』

    対象:エリクト 戦闘マヌーバ:取り押さえる(判定は近接戦闘(格闘)dice1d100=80 (80) (70))

    『グエル』

    対象:エリクト 説得:dice1d100=98 (98) (80?)

    『フェルシー』

    対象:エリクト 説得:dice1d100=60 (60) (10)

  • 95二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 20:52:56

    グエルそこでファンブル!?多分戦闘自体異常な速度で進んでるしまだ余裕あるはずとはいえ

  • 96二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:01:15

    グエル「??????????????」

    スレッタ「?????????????」

    ミオリネ「?????????????」

    シャディク「突然ポンコツになるじゃん」

    エラン「どうしたの?なに??」

    ラウダ「出目が暴れている__」


    「わ、わたし__だって!」

     スレッタがきっと顔をあげ、両親だったものに対し、発砲する。ペトラがはっと目を剥いて、そちらを見た。「スレッタ・マーキュリー、なんで……」と呟いたくちびるは、驚愕に歪んでいた。

    「……間違っているなら止めなければいけない。罪を犯したなら償わねばならない。私はそのためなら、なんだって」

     スレッタのブルーグレイが、涙に歪む。

     ペトラが、「なにそれ……」と、泣きそうな声で呟いた。

    ペトラ分ダメージ:dice3d6=4 6 5 (15) +3

    ラウダ分ダメージ:dice1d6=3 (3)

    鞭全体攻撃回避(順にスレッタ分、ラウダ分、ペトラ分):dice3d100=15 52 59 (126) (27,70,35)


    「エリクト、どうか、話し合おう!」

    「エリィ__ねぇね!」

     二人の声は、エリクトに届かない。それどころかより一層頑なに、何かに祈りを捧げているようにも見える。チュチュは、小さく舌打ちをして、彼女に一歩、近づく。彼女は動かない。エランは銃口を彼女の額にくっつけて、こてりと首を傾げた。

    「止めないと撃つよ?」

     エリクトは止めない。

     警告はした。エランは撃つ。……しかしそれは、白いバリアのようなものに阻まれてしまう。エランがからからと笑い、呟いた。

    「ゴキゲンなバリアは健在ってこと」

    チュチュ分ダメージ:dice2d6=6 2 (8)

    エラン分ダメージ:dice4d6=4 3 5 1 (13)

    (以降チュチュとエランは射撃がゼロ距離※ボーナスダイス付きになります)

  • 97二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:05:12

    なれはて組回避頑張ってるな

  • 98二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:05:54

    ペトラダメージ:dice1d6=6 (6)

     反応が、遅れる。肩に鞭を受けたペトラが、はっとしたような顔で悲鳴を上げた。スレッタは咄嗟にかけより、「ペトラさん!」と叫んだ。

    「ペトラさん、だいじょ」

    「あんたに心配される筋合いはない!」

     ペトラがスレッタを睨み、立ち上がる。その目が、少しだけ、潤んでいる。

    「ないはずなの、ぜったい__」


    『ペトラ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=99 (99) (70)

    『スレッタ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=49 (49) (70)

    『ラウダ』

    対象:アトゥのなれはて 攻撃方法:射撃(拳銃)dice1d100=57 (57) (40)

    『アトゥのなれはて』

    対象:全体 攻撃方法:鞭dice1d100=74 (74) (35)


    『エリクト』

    呪文を唱える

    『チュチュ』

    対象:エリクト 攻撃方法:射撃(ライフル)dice1d100=94 (94) (70) ボーナスダイス:dice1d10=9 (9)

    『エラン』

    対象:エリクト 攻撃方法:射撃(ライフル)dice1d100=2 (2) (70) ボーナスダイス:dice1d10=9 (9)

    『ミオリネ』

    対象:エリクト 戦闘マヌーバ:取り押さえる(判定は近接戦闘(格闘)dice1d100=88 (88) (70))

    『グエル』

    対象:エリクト 説得:dice1d100=98 (98) (80?)

    『フェルシー』

    対象:エリクト 説得:dice1d100=25 (25) (10)

  • 99二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:10:00

    グエルのダイスコピペでもしてんの???

  • 100二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:11:11

    出目が酷すぎて不安になってきたな。エランは輝きすぎてるぐらいだけど

  • 101二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:19:12

    ペトラHP:14→8

    スレッタ「ミオリネさんの振るダイスどうなってるんです?」

    ラウダ「せっかくのダメージが殺意高めな拳銃壊れてるじゃん可哀想」

    ミオリネ決して許せないと思った」

    シャディク「(爆笑)」

    グエル「??????????????????」

    エラン「本当に面白い」


    「ぁ……」

     一瞬、迷いが生じたせいか。

     ペトラの手が震え、拳銃を取り落とす。その拍子に、ペトラの拳銃が、音を立てて壊れた。ペトラはそれを拾おうとしない。呆然と立ち尽くすだけだ。ラウダが「ペトラ!」と駆け寄って、その肩を、労わるように撫でた。

    「怪我は大丈夫?」

    「……」

     ペトラは何も、応えない。一方スレッタは、狙いを済ませる。

    『私が誰かに迷惑かけそうになったら、殺して』

     ズキリと心臓が痛んで、不意に、ソフィとの約束を思い出した。

     精神を、統一する。余計なことを考える必要はない。あれもこれも、悩みも憂いも、全てこの一発に込めて、撃ち抜いてしまえばいい。背筋は真っ直ぐ、身体の芯に、ピンと糸を張るようにして。両手で、構える。狙いを定める。ほんの少しのぶれもない、完璧なフォーム。キャリバーンの誇るスナイパーが、今。

     引き金を引く!

    スレッタ分ダメージ:dice1d10=4 (4) +dice1d6=3 (3) +3


    エラン分ダメージ:24

    エリクトHP:13+19→7

     エランが撃ちぬいた瞬間、パリン、と何かが割れるような音がして、白いものがきらきらと散った。バリアが、割れたのだ。貫通した弾がエリクトの足を傷つけ、微かに血を滲ませる。エリクトはやめない。

    「死んでもいいの?」

     エランがどこか困惑したように呟く。エリクトは、やめない。エランが嘆息して、ライフルを向けたところで__

    「待って!」

     フェルシーが、突っ込む。

     瞳に涙が滲んでいる。エランは、銃口を下ろした。フェルシーはエリクトをかばうようにたって、それから、未だに何かを唱えているエリクトを、ぎゅっと抱きしめる。

    「……ねえ。おはなししよう。ねえね、あのときみたいに__」

  • 102二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:30:38

    「        」

     スレッタの両親だったものが、おぞましい悲鳴をあげて倒れていく。スレッタはほっとして、息をついた。胸が痛い。それはそうだ、自分は両親を__

    「……?」

     どくん

     ドクン

     違う。ちがう、違う。無意識に、身体をくの字に折る。ドクン。脈打つ。腹が、胸のあたりが、焼けるように熱く、痛い。目線を向ければ、先程まで拳銃を握っていた指先、そこに、血管が浮くように、蔦が伸びている。違う。指だけじゃない。首にも、顔にも、地面に根が張るように。

    「あ__あッ、ああああああああああああ!!!!」

     スレッタが悲鳴をあげて倒れ込んだ。ラウダははっとして「スレッタ!」と叫び、そちらに駆け寄った。そうしてごくりと、息をのみ、ペトラの方に向き直る。

    「ペトラ。魔法の__呪文の使い方を教えて」

    「は、……なんで、どうして」

    「『アルカソフォスの書』に使えそうな呪文があったこと、思い出したから。唱えるだけでいいの。どうすればいいの。教えて」

     このままじゃ、スレッタが死んじゃう。

     ペトラの瞳が、惑うように揺れた。

    スレッタSANc:dice1d100=77 (77) (68) 0/dice1d4=2 (2)

    ラウダSANc:dice1d100=60 (60) (64) 0/dice1d2=2 (2)

    ラウダ精神分析:dice1d100=49 (49) (70)


    「……エリィ、ねえね」

     フェルシーはエリクトの身体を抱きしめて、止める。「ごめんね。エリィにだけ辛い目にあわせて、ごめんね」と囁きかける。エリクトの瞳が、一瞬、惑うように揺れた。

     フェルシーは意を決したように顔をあげる。それからグエルを見つめ、困ったように笑みをうかべた。

    「ねえグエル先輩。手伝って。きっとグエル先輩の声なら届く気がするんだ」

     __あの時私のことを許してくれた、グエル先輩の声なら。


    グエル「正気か?」

    エラン「フェルシーきみ今までのグエルのファンブル見てたの?」

    シャディク「それは俺もそう思う」

    グエル説得:dice1d100=100 (100) (80?)

    フェルシー説得:dice1d100=19 (19) (10?)

  • 103二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:31:34

    笑っちゃった

  • 104二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:33:06

    グエルは状況わかってますよね???

  • 105二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:33:10

    グwwwwwエwwwwwルwwwwwwwwwwwwww
    笑い事じゃねーんだわお祓い行け

  • 106二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:33:16

    このタイミングで100ファンかぁ…流石ですね…

  • 107二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:33:18

    声出た。そんなことある????

  • 108二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:33:47

    おそろしく早いフラグ回収
    俺じゃなきゃ…いや誰も見逃さんなコレ…

  • 109二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:34:32

    グエルさん何してんの

    何してんの????

  • 110二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:35:04

    正気か?じゃねんだわ

  • 111二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:35:51

    検索したら「95以上でファンブルと仮定して確率1/20。三回連続なら1/8000。」とかって出てきたんだが
    やっぱ寵愛受けてんな

  • 112二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:36:11

    ファンブラーの自覚があってえらい!!!

  • 113二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:36:18

    表記的に補正かかってるっぽいのに的確にファンブル出してくるのやめてもらえます?

  • 114二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:38:29

    グエルもしかして3回連続でファンブルしてる????

  • 115二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:41:21

    スレッタSAN値:68→66

    ラウダSAN値:64→62

    「……ッは~~~~」

     ペトラは盛大にため息をつき、「貸して」といってラウダからスレッタを引き剥がした。そうして目を閉じて、すっと息を吸う。

     __悪しき種の排除

     コスト:10MP SAN値1d20 必要ラウンド:即座

     アルカソフォスの書にあった呪文だ。ラウダの身体ではギリギリ足りるか足りないか程度の魔力と、大量の正気を犠牲にする呪文。生物に植え付けられた悪しき種を祓うことができる。

     スレッタは地獄の植物を身体に埋められている。このままではスレッタは「アレ」と同じになってしまう。だけどスレッタは、仇の娘だ。そしてその命を救うか否かは、ラウダと、ペトラの二人きりに託されていた。

     ペトラのくちびるから、世にも悍ましい呪文が唱えられる。

     同時に、スレッタの身体から、蔦たちが消えていく。ペトラが、かくりと身体から力を抜いた。意識を飛ばしかけていたスレッタは、はっと顔をあげると、ペトラの方を見て、「どうして」と無意識に小さく呟いた。痛みは、もうすっかりなかった。

     ペトラはどこかスッキリとしたような顔で、微笑む。

    「仲間じゃん、ウチら」

     __それだけだった。


    スレッタ「……ペトラさん(涙目)」

    ラウダ「ペトラ……(涙目)」

    ミオリネ「ここできちんと精神分析成功させてるのホント偉い」

    グエル「???????????????????」

    エラン「本当にコイツに任せてはいけない」

    シャディク「なにしてんの?なにしてんの?なにしてんの??」

    グエル「おいKP、これは戦闘処理じゃないからプッシュしてもいいよな!?」

    ミオリネ「え?いいけど失敗したらいよいよ慈悲がなくなるわよ」

    エラン「フェルシーがかわいそうだとおもった(小並感)」

    シャディク「主人公適性をヒロイン適性に振り切った男」

    グエル「はあああああ!?ここで当てれば全部チャラにできんだよおおおおおお!!!!」

    グエル説得:dice1d100=62 (62) (80)

  • 116二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:43:33

    まあうん、成功したならギャグだからいっか!

  • 117二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:43:43

    えらい

  • 118二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:46:36

    成功すれば勝ち!!!!!

  • 119二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:49:57

    KPの露骨なお慈悲だぁいすき♡
    いやKPだってこんなクソダイス想定してないよ…

  • 120二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:51:16

    チャラだな!ヨシ!!

  • 121二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:54:24

    グエル「ッハア、ハア、はあ……」
    シャディク「セウトってところかな」
    エラン「ここで失敗してたらいよいよ可哀想だからよかったと思う(小並感)」
    スレッタ「ギリ誤魔化しがききましたね」
    ラウダ「兄さん今度一緒にお祓い行こうか」
    ミオリネ「そうね。じゃあ、グエルはエリクトの傍に、座り込む」

    「エリクト、どうか落ち着__」
    「赤々と燃えよ、炎のごとく、偉大なる火の神、クトゥグア様、御身を我らが信徒の元に!ふんぐるい、むぐるうなふ、くとぅぐあ ふぉまるは がは あ ……え?」
     グエルが話しかけた瞬間、エリクトが、血を吐いた。
     呆然と、膝を折り、地面に倒れこむ。「そんなはずない、魔力が足りない?それとも生贄が?僕の願いは、祈りは、叶えてよクトゥグア様、どうして__どうして__」と、血の気の失せた顔で呆然と呟きながら、生暖かい肉塊を吐いて、倒れ__
    「エリィ、ねえね、しっかりして!死なないで、だめ、
     フェルシーがそこで、呪文を唱えた。
     治癒の呪文だ。グエルは咄嗟にそれを、理解する。と、同時に、光の無かったエリクトの瞳に、ぽっと、蝋燭のような光が灯る。頬に、微かに赤色が差す。
    「……あれ?フェルシー、どうしたの。また眠れなくなっちゃったの?」
    「ねえね、私のこと、わかるの……?」
    「あたりまえじゃん。可愛いフェルシー……神さまを呼べば、きっとまた会えると思っていたんだ。この不平等な世界が、平等になるって。ああ__でも、そんなことしなくてよかったんだ。こんなに、近くに」
    「ねえね……」
    「愛してるよ、フェルシー」
     エリクトの座り込んでいた魔法陣が、かき消える。と、同時に、エリクトの身体から力が抜けて、フェルシーの腕の中で、どうやら気絶、したようだった。
     ミオリネは静かに、その様子を見つめていた。それからグエルとエランの腕を引き、ついでにスレッタとラウダも回収して、歩き出す。
    「チュチュとペトラはこの二人の護衛をして。私たちは親玉を__ペイルグレードを叩きに行く」
     グエル・ジェターク、スレッタ・マーキュリー、エラン・ケレス、ラウダ・ニール、以上四名には、緊急で申し訳ないけれど出動してもらう。……被害は最小限にすませること。わかった?
     ミオリネはそう言うと、ふっと振り返り、微笑んだ。

  • 122二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 21:58:15

    はじめは復讐に利用するつもりだったラウダとペトラがスレッタを助けたっていう構図泣ける
    グエルとフェルシーの方もきれいに収まってよかった(三連続ファンブルから目をそらしながら)

  • 123二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:08:10

     五人はビルを登る。中には明かりはついておらず、真っ暗だ。ミオリネはすっと目を閉じると、迷わず扉のひとつを開ける。中は寝台らしきものがあり、そのうえでシーシアが怯えるように身を縮こまらせている。グエルははっと目を見開き、「シーシア!」と駆け寄る。

    「シーシア、しーしあ、大丈夫か」

    「あ、……とう、さ……」

     こわかった。

     __シーシアの片目には包帯が巻かれている。

     グエルはぎゅっとくちびるを噛み、泣きそうになるのを堪えて、「助けに来た」という。そうすれば、シーシアは安堵したのか、くったりと意識を失い、倒れてしまった。

     彼女を決戦の舞台に連れていくわけにはいかない。サクッととんぼ返りしてチュチュたちにシーシアを預けてくると、ようやくほっと、安堵した。それからふと、ミオリネの方を見る。

    「そういえばなんでここがわかった?」

    「魔術」

    「便利だなまじゅつ」

     二人はそれだけ話すと、奥の部屋へと向かう。『魔術』によると、この先に反応があるらしい。スレッタは拳銃を構え、エランも臨戦態勢を取る。ラウダはグエルをじっと見つめて、尋ねた。

    「覚悟はできている?」

     グエルは少しだけ俯く。

     それから顔をあげ、見つめ返した。

    「__もちろんだ」

     ……扉を、開ける。


     そこは、これまた真っ暗な部屋だ。中には背の高いフードの男と、エランの母、ペイルグレードがいる。彼女は驚いた調子もなく、のんびりとつぶやく。

    「エリクトは失敗したのですね。やはり魔術の適性持ちなど、ロクなものではなかった」

     それからふと、エランに顔を向ける。「あなたもですよ、エラン」。エランの身体が、微かに強張った。

    「あなたまで私を裏切るなんて。せめてアレの生贄、依り代となり、世界を終わらせる礎となれば、いくらか救われたものを」

    「母様、僕は」

    「ですが、もういい」

     ペイルグレードが立ち上がる。

     何故ならもう復讐は済んだのだから。そしてツァトゥグアに願いを叶えてもらった。なにより、『取り戻した』のだ。

    「……ねえ、もう、気付いているんでしょう?」

     フードの男が、顔をあげた。

    グエルPOW判定:dice1d100=90 (90) (70)

    エランPOW判定:dice1d100=4 (4) (60)

    ミオリネPOW判定イクストリーム:dice1d100=7 (7) (20)

  • 124二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:11:14

    グエルはさあ…ほんとさあ…

  • 125二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:11:38

    このレスは削除されています

  • 126二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:12:06

    グエルまたSAN値0コースなのかな…

  • 127二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:12:45

    ミオリネがイクストリームに成功してるのに…

  • 128二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:13:28

    覚悟できてるとはなんだったのか

  • 129二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:15:26

    やさしいからじゃね(適当)

  • 130二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:15:58

     __グエルは 不意に

     マルタンがうたれたときのことを思い出した。
     あの距離から的確に撃ち抜ける人物はそういないはずだ。多くの経験を積んだ、よほど優秀な人物でないと、不可能だったはずだ。

     オリジナルがトランクに詰められていたときのことを思い出した。
     そこそこ強い成人男性が、そう簡単に、あんなにもあっけなく無抵抗でやられることがあるのか。犯人のことを『よく』知っていたから、隙を見せたのではないだろうか、と、グエルは気付いていた。

     ソフィやノレアが襲われた時、メイジーがエランに関する情報を手に入れていた時を思い出した。
     情報を流していたのがセセリアやペイルグレードだとして、仕事で忙しい彼女にかわって、誰が情報を手に入れ、受け渡していた?

     __そして、多くの人が犠牲になった、トランク詰めバラバラ事件を思い出した。
     彼らはどうやって殺されたのか。どうやって、完全犯罪が成立したのだろうか。簡単なことだ。優秀な「彼」と我々が想像もつかない「魔術」が組み合わされば、きっとそんな事件を起こすことは他愛もないことだった。

     男がフードをとる。
     グエルはその顔に、見覚えがあった。グエルと同じくらいの体格。長い金色の髪。こちらを見つめる瞳は、海のような青色。ただしその顔には、一切の表情が乗っていない。エランがくちびるを震わせる気配があった。ミオリネが目を見開く気配があった。そこにいたのは、きっと薄々、『犯人候補』だと気づいてした、しかし、見ないふりをしていた、存在__

    「シャディク?」

     そのひとだった。

  • 131二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:26:25

    「ツァトゥグア様は私に彼を返してくれた。そうして、復讐の手助けをしてくれた。もちろん生贄を捧ぐ必要はありましたが__彼は特別。私とあの人の子。私の理想のシャディク」

     ペイルグレードは熱に浮かされたように呟く。スレッタとラウダが「だれです?」「さあ……」とこまったように目をぱちくりとさせる横で、ミオリネはどこか愕然としたような、あるいは困惑したような表情で、「……しゃでぃく?」と呟く。エランもだ。何故なら彼は確かにあなたの知るシャディクと同じ顔をしている。おなじ姿を、おなじ声をしている。だが何かが、決定的に違う。

    「……シャディク……」

     ただ、ひとり。グエルだけが、ふらふらと、そちらに向かって、歩き出す。ラウダが「兄さん?」と手を伸ばすが、止まらなかった。そうしてシャディクの服の裾を掴み、目を見開き、微かに身体を震わせて、くちびるを震わせて、半ばまくし立てるように、堰を切ったように話し始める。

    「シャディク、あいたかった。元気だったか?どこも痛くないか?ミオリネと付き合っていたのか。どうして教えてくれなかった、俺とお前の仲だろ。わがままを言ってもいいか。あの時みたいに背を撫でて、笑って、どうか、」

     ご、と。

     何かが背にあてられる。しかしそれは、シャディクの手では、ない。あたたかくない。冷たい。ちがう、あつい。熱い。燃えるように熱い。痛い。

     銃で 撃たれたのだと

     気づいたのは、脳裏にパアン、と弾けるような音が響いて、鋭い痛みが走って、崩れ落ちた、瞬間だった。

    「お前は誰だ」


    グエルダメージ:dice2d6=4 2 (6)

    ダメージ6以上の場合グエル気絶ロール:dice1d100=59 (59) (50)


    ミオリネ「__最終決戦 vsペイルグレード&シャディク」

    シャディク「戦闘開始だよ」

  • 132二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:27:43

    これは主人公/ヒロインシチュエーションすぎる…と思った矢先に気絶してる!

  • 133二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:28:19

    グエルヒロイン適性高いの何でだろうね?

  • 134二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:36:08

    運命力…ですかね…

  • 135二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:37:38

    グエルよ…回復はお前頼りなんだぞ…

  • 136二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:38:17

    ミオリネ「草」

    グエル「これもしかして本来ならミオリネが撃たれてたやつか?」

    シャディク「そうだけど……」

    エラン「とてもかわいそう」

    スレッタ「私とラウダさんがポカンとしてるんですけど」

    ラウダ「まあまあ、僕達はさっき良いシーンもらったんだから静観してようよ」

    ミオリネ「……さて。戦闘とは言ったけど、ここでは戦闘処理『は』行わない。ただ、エラン__あんたは、POW判定を振って。成功したら、母を__ペイルグレードを撃って、殺すことができる」

    エラン「まじで?」

    ミオリネ「そうね、じゃあ、スレッタはエランに精神分析をすることで、出目に+補正をかけてあげられるわ。ただし失敗したら、撃たれるのはあんたたちよ」

    スレッタ「わお せきにんじゅうだい」

    シャディク「で問題は俺の方だけど」

    ラウダ「ほんとなら兄さんが相手しなきゃいけなかったことはわかる」

    グエル「たすけて」

    シャディク「ま、NPCミオリネに代理でやってもらうかな。あとラウダは応急手当……は、持ってないから、そうだね、精神分析でいいや。ついでにグエルと色ボケ対抗ロールも振ってよ。成功したらグエルは正気に戻ってもいいし出目に+補正をつける。失敗したらミオリネが撃たれる」

    グエル「想定してない挙動のせいでミオリネがバグったみたいになってるじゃないか」

    ラウダ「兄さん与太ロールだけは無駄に強いから怖いな」

    シャディク「……ふふ!そうだね」

    ミオリネ「せいぜい、神に祈ってね?」


    スレッタ精神分析:dice1d100=16 (16) (70)

    エランPOW判定:dice1d100=15 (15) (60)

    成功の場合:ペイルグレードを倒せるよ

    失敗の場合:エランダメージdice1d6=6 (6)


    ラウダ精神分析:dice1d100=21 (21) (70)

    グエル色ボケ対抗:dice1d100=5 (5) ラウダ色ボケ対抗:dice1d100=67 (67)

    ミオリネPOW判定:dice1d100=86 (86) (80)

    成功の場合:????

    失敗の場合:????

  • 137二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:39:54

    エラン組はえらい!!
    グエルはどうしてこういう時ばかりクリティカル出すんですか??

  • 138二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:42:08

    このレスは削除されています

  • 139二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:47:14

    ごらんのクリティカルだよ!ラウダがこれ見よがしにフラグ立てるから!!

  • 140二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:50:00

    きみ実は敵の回し者とかじゃないですよね?

  • 141二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:51:19

    このレスは削除されています

  • 142二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:52:34

    ラウダ「兄さん与太ロールだけは無駄に強いから怖いな」

    フラグの回収が早すぎるよ

  • 143二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:53:47

    「……母様」
     エランは小さく呟き、ライフルを振りあげる。
    「僕、決めたんだ。罪は償わなければならない」
     くちびるを噛む。少しだけ震える手を、「エランさん……」と、スレッタが支えてくれた。母は微笑み、「それで私を殺しますか?」と言う。エランはきゅっと眉間に皺をよせ、それから、涙をこらえて、顔をあげる。
    「うん。ごめんね」
     オリジナルと約束した。
     絶対生きて帰るって。母様を止めるって。……家に帰ったら、チェリーパイを食べるんだ。
     引き金を引く感触は、存外軽かった。
     硝煙のにおいがする。エランが、崩れ落ちる。生温かい血が、膝を濡らした。スレッタはその背を抱きしめて、ゆっくりと、エランの髪を梳る。私も、両親を殺しました。両親だったものを殺しました。それは、変えられない。絶対に。許されないことをした。
    「……いっしょに、背負っていきましょうね」

    「お前は誰だと聞いている」
    「さあ。あなたに教える名はない」
     ミオリネは震える手で、銃を向ける。目の前にいるコレはシャディクではないと、わかっていた。でも、それでも。……それでも。
     ラウダが駆け寄って、グエルを抱え起こす。グエルは腹にうけた銃創から血を流しながら、どこか遠くを見ていた。ラウダは「兄さん」と言って、ゆっくりとその身を、抱きしめる。
    「兄さん……死なないで、兄さん……」
     グエルの青い瞳。その焦点が、定まる。くちびるが緩やかに弧を描く。目の前の彼は、シャディクじゃない。そしてあれも、シャディクではない。ようやく、気付いたのだ。思い出した。シャディクはあんな笑い方をしないし、グエルにとって今、大切なのは__
     グエルは泣きじゃくるラウダの後頭部を引っ掴むと、そのまま自分の方に向けて引き寄せる。柔らかい組織が、ふと、触れ合った。
     ミオリネがそれを、視認する。それからようやく、覚悟が決まった。……違う、多分、決まっていなかった。目の前のこれがシャディクであると、受け容れることができなかった。それでもよかった。ミオリネはこれを選んだ。これでよかったのだ。
     ミオリネがふっと微笑む。そうしてシャディクの心臓に向けていた銃、その引き金に、指をかけて、
    「シャディク」
     __愛をこめて
     銃声が響いた。

  • 144二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:57:26

    これうまく回ってたらシャディクも回収できたんだろうか
    まぁそうはならなかったんだけど…!

  • 145二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 22:59:20

    グエルのダイスはなんとかシナリオを破壊しようとしてるんだ···

  • 146二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:01:50

    これ正気に戻るかどうかは精神分析で成功してて色ボケは演出でいいのかな?どうなるんだろ

  • 147二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:02:04

    悪い出目が的確にグエルに当たるの本当にすごいよね……(遠い目)

  • 148二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:04:17

     ……あとに残されたのは、二つの遺体だけだった。
     立ち尽くすミオリネの手から、拳銃が落ちる。生温い血の感触と、漂う死の気配のなか、あなたたちは呆然と、それを見つめているだろう。
     しかし、心も身体も傷つきながら、これだけは確かに、確信していた。

     たった今、あなたたちは世界を救ったのだ。

     キャリバーン本部に戻れば、チュチュやペトラ、フェルシーとエリクトが、あなたたちを出迎えて、肩を叩いたり、ねぎらいの言葉をかけてくれた。互いに世界の危機を脱したことを、喜び合うのかもしれない。
    「ま、なんだ。無事でよかった」
    「生きてんならやることあんだから、しゃきっとする!」
    「セセリアはロウジが精神病院に連れていくことにしたらしいのだ!……私も、エリクトをつれて、これから一緒に向かいます」
    「僕は大丈夫って言ったんだけど、フェルシーは聞かなくてね」
     ……ミオリネは、事態の収拾に動いていた。まるで何かに追い立てられるように、懸命に。民衆が暴動をおこせば先頭に立って交渉し、軽い事件であっても自ら出動して戦うようになった。グエルが「ミオリネ」と言って、よく眠れるハーブティーを持ち、既に真夜中だというのにデスクに向かうミオリネのもとに向かう。ミオリネは軽く手をあげて感謝すると、ふと、グエルの方を見つめて、言った。
    「私は、何をすべきだったんだろう」
     グエルは何も、応えなかった。
     ミオリネは「間違ったことをしたとは思っていない」とだけ言い、ふっと顔をあげる。そうして、少しだけ、微笑んだ。
    「……助けを求めている人がいる限り、救う。それが私たちの仕事よ」
     救える命と、救えない命。
     業務に当たる中で、果たしてそのどちらが多いのかと問われれば、きっと天秤に掛ける必要も無いほどに、救えない命の方が多いのだろうと、知っている。それでも、ほんの少しでも必死に手繰り寄せた救いの糸は、こうして確かに、「誰か」の命を救う。人々からもらえる「ありがとう」を咀嚼して、今日も、明日も、明後日も、事件解決のために尽力しなくてはいけない。
     なぜならあなたたちは、「キャリバーン」に、市民の平和を願う組織に、所属しているのだから。

    case4『紡がれる道』
    Mission complete!

  • 149二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:12:07

    ミオリネ「ノーマルエンド、望みの果て。シナリオクリアよ、お疲れさま」
    グエル「なんだろうこの」
    スレッタ「とてもふくざつなきぶん」
    エラン「いやまあ僕はかっこいいシーンもらったから許すけど」
    ラウダ「どうすれば」
    シャディク「ここからは感想戦にうつるよ!エンド分岐を出すけど、最後の分岐の「殺すか否かの選択、グエル説得」が、ここでは「ミオリネPOW判定、成功したら『グエルの説得が成功した処理』、失敗したら『殺すことを選択した処理』」になっていたとよみかえてほしいな。それと、今回はさらにもう少しだけエピローグが続くよ!HOの開示などはその後にするから、少し待っていてね」

    クトゥグアが召喚され、
    ぜんめつ→ぜんめつ
    退散呪文が使えるグエルが死亡or発狂した→バッドエンド/終焉(大雨が降ってクトゥグアはなんとか退散される。ただし「クトゥグア適性を持っていたエラン」が確定で死亡する)
    退散に成功→分岐へ進む

    クトゥグアを退散(or呼び出されていない)し、
    味方NPC,PCが一人以上死んでいる→ノーマルエンド/夢を見た
    全員生きている→分岐へ進む

    シャディクと対峙した際のPOW判定にグエル・エラン両名が成功すると、「シャディクを殺すか否か」の決断が取れる。ここで、
    殺すことを選択する→ノーマルエンド/望みの果て
    殺さないことを選択し、グエルが説得に失敗する→トゥルーエンド/どうかもう一度
    説得に成功する→ハッピーエンド/君を想う(どこかのニャルが、シャディクにきまぐれに記憶を与える。シャディク生還)

  • 150二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:15:34

    結構いいところまで行ってたんだなあ

  • 151二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:18:41

    ミオリネのPOW判定…期待値は高かったんだけどなあ

  • 152二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:19:20

    まあ出目が転がって微妙な位置に終わるのもCoCの醍醐味ではある
    全生還できたことを素直に喜ぼう。正直グエルは発狂で死ぬかなと思ってました

  • 153二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:28:39

    case5-4『今夜、教会孤児院にて』

     あれからひと月が経った頃。言われた通りに、かつて育ったそこに向かえば、見慣れた白い花の咲く木がラウダを出迎えた。

    「……久しぶり、ラウダ先輩」

     彼女は__ペトラは、振り返り、顔をほころばせた。

    「ペトラ。今までどうしていたの?結局復職しなかったし、最近フェルシーとも連絡つかないし」

    「今日は、その話をしようと思って」

     ペトラが小さな階段に座る。この場所からは、町全体がよく見えた。星明りに照らされて、ペトラはぼんやりと、言う。

    「復讐だけが生きる道だった。でも、もう……それは、いいと思って。この力を、生かしたいと思った」

     フェルシーやエリクトと一緒に、ミオリネに誘われたんです。

    「神話生物と戦う団体。そこでは私と似たような力を使える人が、頑張ってるんだって。私はそこに属することに決めました」

     ねえ、ラウダ先輩。あなたも来ませんか。

     ペトラが手を差し伸べる。例え手を取っても、ミオリネのバックアップがあるのであれば、ラウダがキャリバーンをやめる必要はない、……と、思う。でも、もし。

     ここでペトラの手を取らなければ、きっと二度と彼女に、会えないような気がした。

    dice1d2=2 (2)

    1:手を取る 2:手を取らない


    case5-3『未来へ続く日を』

     エランはミオリネの家に遊びに行くと、呼び鈴を鳴らす。しばらくすれば、元気よく一人の子供が出てきた。子どもはエランの姿を見ると、嬉しそうに飛びついてくる。

    「エランやっときた!」

    「ごめんね。おじゃましまーす」

     中に入ると、おいしそうな料理のにおいがした。そのどれもが、シャディクの好みのものであると、エランは理解していた。子どもは「いただきまーす!」と言って、食べ始める。ミオリネはそれを見て、エランを見て、頭を下げた。

    「ミオリネ?」

    「ごめん、エラン。どうしても謝りたかった」

     エランにシャディクの影を重ねていたこと。ミオリネは、静かにエランの手を取った。そこには、ミオリネがあの時送った手袋が、嵌められていた。

    「どうか、……謝らせて、ほしい」

     シャディクの好きだった、スパイスの香りがする。

     __エランは、あなたは、あなたの、これからの人生を、生きなければならない。

    dice1d2=1 (1)

    1:謝罪を受け容れる 2:謝罪は不要だという

  • 154二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:36:40

    「……ごめん」
     つかまれなかったてのひらを一瞬みたペトラは、そのままぎゅっと手を握りしめた。
     それから、安心したように目を伏せる。どこか、嬉しそうに見えた。ペトラはそうして、立ち上がる。ラウダに背を向け、歩き出す。階段を降りきったところで、ふと、振り返った。
    「それがあなたの選択なんですね。わかっていました。あなたなら、きっとそうすると」
    「ごめん、ペトラ」
    「ううん。……私は、あなたのことを危険な目に巻き込みたくない。これまでありがとう、ラウダ先輩、あなたがいたから、私はこれまで生きてこられた」
     だからこそ、この先に行かせるわけには、行かない。
     できれば一緒にいたかったけれど、それは叶わぬ願いです。私はあなたに、日の当たる道を歩いてほしいから。
     真っ直ぐに伸びるペトラの影を、ラウダは見つめていた。月が沈む。東の空が明るみ始める。最後に、どこか震えた、声が聞こえてきた。
    「あなたとはこれでお別れです」
     __ペトラの姿が、消える。
     夜明けが訪れつつあった。

     謝罪を受け容れれば、ミオリネは目をおさえて、ありがとう、と小さく呟いた。エランは、結局使わなかったあのペンダントを__シャディクのペンダントを、ぎゅっと掴む。
    「……シャディクはね、あんたのこと、愛していた。いっつもあんたの話をしていた、自慢の弟だって」
    「そっか」
    「もしもあんたさえよければ、これからもコイツと遊んでやってほしい。シャディクの記憶がないこの子に、あんたの目で、彼がどんな人だったか、伝えてあげて欲しい」
     ミオリネが傍らに座る子の頭を撫でるのを、エランは頷きながら見つめていた。きゃっきゃと無邪気に笑うその姿に、一瞬、あの時のシャディクの姿が、見えた気がした。
     エランは手袋を外す。それから手をあわせて、パエリアに手をつけはじめる。
    「もちろんだよ、ミオリネ」

  • 155二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:45:57

    case5-2『幸せを祈る』

     ……あれから一か月がたった。

     喧噪に満ちた町は、すっかり活気を取り戻している。街に残った痛ましい記憶は、やがて誰かの遠い記憶となる。

    「ニカさ~ん!」

     スレッタはニカを見舞うため、病院に訪れていた。なんでも一か月前の大雨で、この病院は崩落し__下半身が、上手く動かなくなってしまった、とのことだった。医師の賢明な治療により多少症状は回復したこともあり、ニカはお見舞いに行くたびに嬉しそうな顔をする。

    「スレッタ、興も来てくれたのね。もう、顔がつかれてる、また無茶したんでしょ」

    「えへへ……ニカさんに会いたくて、頑張っちゃいました」

     二人はしばらく、ふたりきりで話していた。医者はいつの間にか席を外していた。ふと、ニカが、スレッタの手を握り、呟く。

    「ずっと考えてたの。退院したらどうしようって。私ね、出ていこうと思うよ」

    「え」

    「スレッタに迷惑かけたくない。私ね、学校での事件のとき、サビーナさんのお手伝いをした。セドとシーシアを誘拐した、グエルさんとスレッタを誘きだすために、必要だといわれたから。私は、犯罪者なの」

     ニカは、スレッタを、見つめる。

    「……私は、あなたから、離れないといけない」

     ニカを止めるか。それとも、受け容れるか。

     止めればきっと彼女は傍にいてくれる。でも決して、世間的には許されない。受け容れれば、彼女はきっと、スレッタの前には、二度と現れないだろう。

     ……どうしますか?

    dice1d2=1 (1)

    1:ニカを止める 2:ニカの提案を受け容れる


    case5-1『選択』

     シーシアが目覚めた。

     ベッドの上でぼんやりと向いていた彼女は、体中傷だらけで、包帯まみれだった。セドはいつまでも彼女の傍に寄り添い、ぎゅっと抱きしめていた。グエルはそれを見つめ、じっとくちびるを閉じる。

     さて。

     ここに所謂「闇オークション」への招待状がある。

     なんかエリクトがくれた。

     ギャグみたいな展開だが、ようするにこの闇オークションで角膜を競り落とせば、それを使って手術を行うことができるかもしれない。もちろん、この闇オクを摘発するのが、警察としてのグエルの仕事だ。でも、そうすれば、シーシアは永遠に光を失ってしまう。

     ……グエルは__

    dice1d2=1 (1)

    1:行くぜ闇オク 2:摘発するぞ闇オク

  • 156二次元好きの匿名さん23/07/16(日) 23:56:09

    「どうして?」
    「あなたのそばにいたいから」
    「私はこんな足になってしまったし、犯罪者だし、スレッタの傍にいても何もできない」
    「それでも、あなたのそばにいたい」
     スレッタがそう繰り返せば、ニカは泣きそうな顔をした。それからきゅっとスレッタの手を取り、「ごめん」と何度も謝る。その目から涙がこぼれているのを、スレッタは見ないふりをした。
    「ありがとう。ごめんね、私、やっぱり、スレッタの傍に、いたい」
    「ニカさん、私も、ニカさんのこと、すきです」
    「……私も、スレッタのこと__」
     殺人犯の子と、その被害者の子。
     決して相いれない道を、二人はともに歩むと決意した。
     それでもニカの表情は、明るかった。その道が例えどれほど辛くても、構わないというように。窓から差し込む夕焼け空が、二人を照らす。取り合った手、重なった温度が、地獄への片道切符が、あまりにも愛おしくて、スレッタは小さく、微笑んだ。

    「五億」
     __……ざわっ!
     提示された金額に周囲がざわつく気配を察する。
     幸いにもキャリバーンとして危険手当的なアレでもらいまくっていた給料のうち、養育費以外はほとんど手付かずだった。あとちょっとラウダやミオリネに借りた。周囲にいるのは、グエルも今まで何度か見たことあるギャング、マフィア、犯罪者たち、いつもなら逮捕しなければならない人達。
     グエルは無事に角膜を購入すると、医師にそれを手渡した。医師はそれについて、何も聞かなかった。
     すぐに手術が行われて、シーシアは光を取り戻した。退院日、まだふらつくのか、シーシアはセドに支えられて、こちらに向かってくる。そうしておそるおそる、グエルの手を握った。その手はあまりにあたたかくて、グエルの心をいやすには、十分だった。
    「……なあ、大好きだよ」
     シーシアはふと、グエルの胸に、甘えるように顔を摺り寄せる
    「父さん」
     救える命。救えなかった命。
     きっと一生、グエルはこのシーソーゲームを突き付けられ続ける。
     永遠に問われ続ける中で__グエルはいずれ、「警察」としてのルールを破った責任を、背負わねばならない日がくる。
     だけど、今、確かに、グエルの傍には、愛する娘と、息子がいる。
    「……ああ、俺がお前らの、父さんだ」
     それで、十分だった。

  • 157二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:07:59

    ミオリネ「ここからはほんとに裏話の開示に入るわよ」
    シャディク「今回察されてると思うけどかなり長くなっちゃったから、かいつまんでいくよ~!」

    背景
    case1→ツァトゥグア信が無形の落とし子の粉をばらまいてえらいこっちゃになる
    case2→ニャル信がアトゥを目覚めさせようとする
    case3→クトゥ信がクトゥグアを呼び出そうとする
    case4→全勢力が殴り合った結果世界滅びかける
    トランク詰めバラバラ殺人事件:「九年前のもの」の犯人はエルノラ。「現在のもの」の犯人はシャディク。魔術の適性をもった孤児院出身者を狙って殺っていた。
    クエタ一家連続惨殺事件:犯人はスレッタの両親。真実が受け容れられなかったセセリアは、神を降臨させればなかったことにさせられないかな~と思っていた。
    ケレス家爆破事件:エランの爆弾で死んだメイドたちは、実はペイルグレードによりドラッグが与えられていて、そのせいで死んだだけ。
    セド&シーシア誘拐事件:犯人はニカ。スレッタの仲間が傷つけば苦しむはずだと思い、セドとシーシアを誘拐し、グエルを誘き寄せる。
    エアリアル正教会:クトゥグアを信仰する教団。エリクト等が所属しており、後述する教会孤児院を飼っている。
    教会孤児院:エアリアル正教会の庇護下にある孤児院。元締めがアレなので、子供に様々な魔導書を読ませたり、魔力の高い子を養育して生贄として捧げたりしていた。このあたりのことをオリジナルに嗅ぎつけられ、ヴィムはまだ影響の少なそうな子を養子として引き取る任務を受けたのだが、めちゃめちゃ死んだ。特段その辺の説明もなく齢十八にして突然二児の父になったグエルがかわいそうでならない
    ルブリス教団:ニャルラトホテプを信仰する教団。
    ソフィノレ:ニャルラトホテプの依り代。二人合わせて完全体の化身になる。
    ニカ:親の職場が同じで仲良しだった影響で、事件当日、ラウダとはじめましてする予定だった。しかし「クエタ一家連続惨殺事件」が起こり、誘拐される。紆余曲折あってにげだしたところをフォルドの夜明けに拾われ、そこで色々お手伝いしていたが、ヴァナディース抗争に巻き込まれた際に記憶を失い、スレッタに拾われる。

  • 158二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:11:08

    HO2『スレッタ・マーキュリー』
    二十年前、あなたの両親は『クエタ一家連続惨殺事件』の犯人として逮捕された。今は終身刑の判決を受けて収監されており、手紙のやり取り以外は許されていない。この事件は実名報道されていない。
    両親が捕まって三年、あちこちたらいまわしにされまくって心がささくれだってきた頃、あなたのもとに、一人の少女が現れた。セセリア、と名乗る彼女は、自分をドミニコスの指揮官だと名乗り、「私はあなたの両親と知り合いだった」「あなたの両親は罪を犯していない。あれは冤罪なの」と教えてくれた。そのつながりもあり、六年前に当時の職を辞して「キャリバーン」に入隊する。当初は「シャバ上がりのひよっ子がよォ……」みたいな扱いだったが、たまたま射撃のセンスと人殺しに躊躇わない資質があったため、いつしか「天才」だと呼ばれるようになった。とにもかくにも、あなたの目的は『セセリアと共に両親の冤罪を晴らす』ことである。
    『情報ファイル』
    ・「クエタ一家連続惨殺事件」:遺体は鈍器でバラバラにされており、内容が凄惨すぎて規制が入った。あなたもキャリバーンに入ってから調査はしているが、まだ閲覧レベルが足りず確認できない。
    ・グエル:頼れるリーダーで、探索者勢の中では一番の古株である。以前はドミニコスというところと関係があったらしい。基本的に彼が仕事に出るときは自分が護衛につくことが多いため、そこそこ仲がいい。
    ・ラウダ:教会によく通っているらしいことを知っている。また、ペトラとデートしてた、という噂を聞いたことがある。
    ・セセリア:両親が『クエタ一家連続惨殺事件』の冤罪で捕まったことを教えてくれた。片手が義手であるらしい。
    ・チュチュ:どうやら五年前まで、彼女はアース・ギャングに所属していたらしい。とはいっても、現在は足をあらい、人を助けられるような人になりたいと考えているようだ。
    ・ニカ:あなたに好意を寄せる。名前以外の過去の記憶がおぼろげらしい。今はとある学校で教師をしていて、面倒見がよく、心優しい。
    ・思い出:現在ではニカと付き合っているのだが、幼いころに、ちょっとだけ気になっていた人がいる。親戚中たらいまわしにされていた時代に、ほんのちらりと顔を合わせて、話しただけではあるが、くるくると表情を変えるその顔に惹かれて、その時の記憶が胸に刻み込まれている。

  • 159二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:14:10

    HO3『エラン・ケレス』
    あなたは名門ケレス家の子で、幼いころから豪邸で暮らしていた。父はいない。母親は多忙を理由に全くエランに構ってくれなかった。その影響からか、幼いころからスリルが大好きで、芸術は爆発だといわんばかりに自作の爆弾をつくっては爆発させということを繰り返していた。幼い日のあなたは、爆薬や肥料などを組み合わせてつくった手製の爆弾を起動したときの、あの美しい炎の『赤』に魅入られた。まーーそれが高じて九年前ほど前、思いっきり爆弾を誤作動させてしまい、敷地内の半分とメイド約二名を吹き飛ばし、爆発テロの容疑でグエルとミオリネに現行犯逮捕されたのだが、家のものが多額の保釈金を払ってくれたので、事件ごともみけされている。それからミオリネは、あなたの爆発物に関するセンスに目をつけ、監察官としてあなたを矯正__ではなく育て上げ、五年前に「キャリバーン」に着任するに至った。ミオリネは指揮官として、あなたを見張っている。
    『情報ファイル』
    グエル:仕事上の都合とはいえ、ほとんど初めて「エラン・ケレス」というあなた個人を知り、あなた個人を見て、あなた個人を気にしてくれるグエルに、好意を抱いている。
    ラウダ:ペトラと仲がいいみたいだ。エランくんは応援しています!!
    家族:母である「ペイル・グレード」は現役員で、ほとんど家に寄りつかない。父はいない。兄であるオリジナルは寝たきりの生活をしている。皆も基本自分のことばかりで、エランのことは見てくれない。
    ミオリネ:見事に根性を叩き直された ちょっと こわい
    シャディク:異母兄?らしい。たまに顔を合わせれば優しくしてくれた。かつてはドミニコスに所属していたとのことだが、七年前に「アスティカシア自爆テロ事件」で殉職した。
    初恋:現在は完全に折り合いをつけているのだが、あなたは昔、恋をした。相手はおよそ二十年前、まだエランが初等学校に通っていた頃に、ほんの一時期、家にやってきた子だ。何故やってきたのかはしらないが、ひとりぼっちだったあなたに優しくしてくれた。結局数日だったか数週間だったかしたらいなくなってしまったが、その思い出は深く胸に刻み込まれている。
    ・赤:グエルの色。スレッタの髪の色。ラウダの瞳もたまにこの色に見える。あるいは ほ のお の  爆発の    い ロ

  • 160二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:19:31

    HO4『ラウダ・ニール』(未公開分のみ)
    あなたは二十年前の『クエタ一家連続惨殺事件』によって、両親を喪った。犯人は捕まったが、実名報道はなかった。その後教会孤児院で生活することとなったが、お世辞にもいいところとは言えず、なんだかよくわからないことばかりさせられていた。教会孤児院に行ってよかったことなんて、ひとつもなかった!……いや、そんなことはない、かもしれない。いや別にあれはその、なんでもないけども……それと、もうひとつ。仲間。ペトラ・イッタ。彼女も同様に、あの事件で親を殺された。あなたはペトラと共に、復讐を誓った。日曜日にかつて暮らしていた孤児院の手伝い兼ミサに参加するのは、それを隠れ蓑にしてペトラと作戦会議をするためだ。どこに犯人が潜んでいるのかわからないため、このことは周囲には秘匿している。
    あなたはどこかに潜入する際、公式に「役」を借りることができる。たとえば「ギャングの幹部」、「麻薬バイヤー」、「ドミニコスのエース」、「ホテルのオーナー」などだ。
    『情報ファイル』
    ・スレッタ:ちょうどあなたと同じころに、両親を喪ったと聞いたことがある。もしかしたら彼女の両親も、『クエタ一家連続惨殺事件』の被害者だったのかもしれない。
    ・エラン:グエルやスレッタが先輩なのに対して、あなたと同じ頃に入った同期である。そこそこ仲がいい。
    ・フェルシー:同僚で、よく事件現場で一緒になる。信心深く常にロザリオを携帯しており、あなたが参加するミサでも時たま見かける。

    グエル「……シナリオ開始時点で死に過ぎでは?」
    スレッタ「お気づきになられましたか……」
    エラン「オリジナル兄様を救えてよかったとおもった(こなみかん)」
    ラウダ「スレッタが仇の娘なこと、ほんとはもっとあとで開示される予定だったんだろうな ほんとに……」
    ミオリネ「……ここからは、NPCの開示よ。といっても、長くなっちゃうからいくつかに分けるわね」

  • 161二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:23:24

    ……これ、一歩間違えたらスレッタがグエルに襲い掛かる展開もあったな?

  • 162二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:27:04

    『ミオリネ』
    HP14 SAN80
    CON80 POW80 近接戦闘(格闘)70 射撃(ライフル)60 回避50 呪文:治癒
    四号さんや怪盗などが所属している組織に属している。実は周りには内緒でシャディクと付き合っていた……が、シャディクが死んだ!この人でなし!!今回のシナリオでシャディク(?)を殺す羽目になったのはほんとうにかわいそうだとおもう
    『セセリア』
    HP15 SAN5
    CON80 POW60 呪文:ニャルラトホテプの召喚他
    ニャル信。片手はニャルへの供物とした。実は魔導書を握っていた手(case2参照)はセセリアの手だったりする。スレッタの親とは教団経由で知り合った。シナリオ開始時点でSAN値が風前の灯。
    『ロウジ』
    (非戦闘員故ステータス省略) 機械修理100 図書館100
    情報収集のお助けNPC。実は元はハッキングを行うなどの犯罪行為に手を染めていたが、ミオリネに拾われた。ドミニコス的なアレでセセリアにいつもくっついている。
    『チュチュ』
    HP11 SAN60
    CON60 POW60
    射撃(拳銃)70 射撃(ライフル)70 近接戦闘(格闘)70
    元アース・ギャング。ヴァナディース抗争をきっかけに足を洗い、キャリバーンに入隊した。
    『フェルシー』
    HP10 SAN52
    CON50 POW80 呪文:治癒、肉体の保護、ナークティトの障壁の創造、等
    医学60 応急手当70 薬学80
    ラウダと同じ教会孤児院で育ったが、彼等とは違い事件によって親を喪ったわけではなく、ついでにさっさと優しいパパとママに拾われたので、時期的にあったことはない。エリクトの妹分をやっていた。
    『ペトラ』
    HP14 SAN26
    CON70 POW90 呪文:門の創造、門の箱、門の発見、門の観察、等
    射撃(拳銃)70 近接攻撃(格闘)70 応急手当60
    クエタ一家連続惨殺事件の犯人に復讐を誓う。ラウダと同時期に教会孤児院で育ち、そこで呪文などについて教えられた。シナリオ開始時点だとギリ正気は保っているが、アトゥを目撃すると問答無世で消し飛ぶ。

  • 163二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:34:45

    NPC1-1『サビーナ・ファルディン』 CON70 射撃(拳銃)70 近接戦闘(格闘)50 『フォルドの夜明け』のボス。今回の抗争で敵対する人物を一掃しようとしていた。
    NPC1-2『レネ・コスタ』 CON70 射撃(拳銃)50 近接戦闘(格闘)70 マフィア『フォルドの夜明け』の副官。リリッケ拉致を提案した張本人。
    NPC1-3『マルタン・アップモント』 『アース・ギャング』のボスにして、チュチュの親友。戦争をする気はなかったものの、向こうがその気なら致し方あるまい……
    NPC1-4『リリッケ・カドカ・リパティ』 マルタンの関係者でチュチュと同級生の親友。最悪死ぬ。助けてほしい
    NPC2-1『ソフィ・プロネ』 SIZ50 CON60 SAN値:0 桃色の髪の美少女。年の割にはどこかこどもっぽいところがある。
    NPC2-2『ノレア・デュノク』 SIZ50 CON60 SAN値:60 紺色の髪の美少女。年の割には少し大人びている気がする。
    NPC3-1『オルコット』 SIZ70 CON80 近接戦闘(刀剣)90 医学80 応急手当70 グエルのふるくからの知り合い。マジのお助けNPC。……てかほんとにただの賑やかし。
    NPC3-2『メイジー・メイ』 近接戦闘(格闘)70 エランの爆発事件によって恋人であるイリーシャを吹き飛ばされた。エランのことを恨んでいる。
    NPC3-3『エナオ・ジャズ』 ミオリネ、四号、怪盗などが参加する組織で参謀をたっている。
    NPC3-4『ケナンジ・アベリー』 SIZ90 CON60 射撃(拳銃)70 医学80 応急手当70 ドミニコスの捜査官であり、グエルやミオリネの上官にあたる。『トランク詰めバラバラ事件』の操作を担当している。お助けNPC兼賑やかしその2。
    NPC3-5『エリクト・サマヤ』 SIZ60 CON70 SAN値:0 呪文:肉体の保護等 エアリアル正教会のシスター。クトゥグア信。
    NPC4-1『ペイルグレード』 エランの母にして、ペイル・テクノロジーを裏から牛耳る真の社長。つよい
    NPC4-2『シャディク・ゼネリ』 SIZ80 『ゾンビの創造』の呪文で「よみがえった」、感情をそぎ落としたかのような青年。グエルが見れば(誰……?)ってなるレベルで豹変している。

  • 164二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:43:51

    ミオリネ「ここからは質問タイムよ。なんか長くなっちゃったけど、まだまだ書き足りないことあるし、あと結構愛着湧いちゃったから後日談書きたいしで、もしかしたらこれとは別に感想戦用のスレ立てるかも……とりあえず今来ている分は……あ、取りこぼしがあったら教えてね」

    グエル「……ところで、『HO1とHO2、HO3とHO4がシナリオ開始時点である程度仲良し』『HO1とHO3、HO2とHO4に因果とか因縁があり、敵対する可能性がある』『HO1とHO4、HO2とHO3は自覚こそないが実は初恋の人』という構図に聞き覚えがあるんだが」

    シャディク「参照元:『Red:Bruise』」

    ミオリネ「スレッタが文通取ったら微笑ましいなって思ってた。グエルとラウダで2と3取ったら何らかをこねくりまわして設定買えて兄弟にしてた 年齢設定が悪さして十三年も文通してることになった」


    >>146

    ラウダ「内部処理的には『ラウダの精神分析成功で補正+20(グエルがしょうきにもどるので)』『色ボケでグエルが勝ってたら補正-20(グエルが新たな人間関係を作ってるなら自分も未練を捨てなきゃとなる)』だったらしいね」

    グエル「差し引きゼロになってたんだな。まあ失敗してるんだが……」


    >>161

    スレッタ「そうですね、例えばcase1でラウダさんじゃなくて私が真実を知っていたら、もしかしたら『両親の仇~!』ってグエルさんを撃つ展開があったかも」

    グエル「俺戦闘能力ないんだが?助けてくれ」

  • 165二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:45:22

    ミオリネさんつっよ
    メイジーちゃんはそうだったのか
    でもなんでエランがあれで発火したんだろ?

  • 166二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 00:48:46

    今回ソフィの変貌した姿からは逃げたけど
    戦うを選んでたらどうなってたんですか?

  • 167二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 01:09:06

    この後グエルは産むんですかね????

  • 168二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 01:18:56

    もしHO1にグエル以外がなっていたら養子枠は誰だったのか教えてください

  • 169二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 01:19:17

    エピローグのラウダが図らずもグエルと同じ選択をしたのが
    二人とも見知らぬ世界の危機よりも地に足を付けて周りの大切な人達を守っていくことを選んだのかなという感じがして
    なんかいいなとおもいました(小並感)
    アルカソフォスの書で覚えられる呪文は2つあって片方は失敗してましたがもう1つは何だったんでしょうか?

  • 170二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 01:26:57
    未回収要素(覚えている分だけ)case1

    【NPCのデスク】(二日目)

    ・ミオリネのデスク

    カレンダーにびっしりと予定が積まれていて、彼女がかなり忙しい人であることがわかる。ただし、数日後、「記念日」というところだけ、金色のペンで囲まれていた。また、青年が優し気な笑みでピースをしている写真が飾ってある。グエルとエラン:シャディクの写真だ。

    ・セセリアのデスク

    きれいに整頓されている。ノートパソコンの電源はついているが、パスワードが要求されている。引き出しをあけてみれば、スケジュール帳に一枚のメモが破砕待っていた。メモには「クエタ一家連続惨殺事件」と書かれており、その下には膨大な量のメモ書きがある。ラウダ:あなたがかつて住んでいた住所が記載されている。

    ・チュチュのデスク

    一番散らかっている。パソコンは開きっぱなしで、そのそばに大量の書類がつまれている。書類を見てみれば、アース・ギャングについて調べているらしいことがわかる。また、「オジェロ不動産」というところに黄色いマーカーが惹かれていることがわかる。

    ・ロウジ

    シンプルなデスク周りだ。白いノートパソコンをかたかたと叩いている。「あ、……えっと、知りたいこと……が、あるん、ですか」「時間…
    telegra.ph

    ミオリネ「未回収要素で、みんなが気になってそうで、ついでに私が覚えているぶんだけ挙げてみたわ。>>166>>169も乗ってるわよ」

    シャディク「一応抜き出しておくね。

    追いついていたなら「ソフィノレ」追いつけていなかったら「ソフィ」との戦闘。ソフィとの戦闘なら、ステータスはHPを半分にした以外基本何も変わっていないと考えてよい

    ソフィノレ

    HP70 CON100 触手702d6 装甲:炎や薬品によるダメージが二倍になる。

    3ターン以内にソフィを殺すことができれば、ノレアだけは助けることができる。ただしソフィは現在3m上空にあるため、近接攻撃はできそうにない。射撃するにしても、スレッタ以外はハードで振らなければならなくなる。

    __スレッタ以外は。

    ソフィを殺すなら、この距離で正確に額を撃ち抜けるのはあなただけだ。躊躇している時間はない。この勝利を以て「ソフィを救った」とする。

    倒すとニャル(ソフィ)とお話しできる

    って感じかな。ラウダが覚えてたのは例の「悪しき種の退散」、覚えられなかったのは「ニャルラトホテプの召喚」だよ」

    >>165

    シャディク「エリクトが使うだけで『炎の吸血鬼の召喚』が行えるライター(AF)を渡していた設定だよ!呼び出された炎の精はすごくよわい(火の玉)けど、人を燃やすには十分だからね」

    >>167

    グエル「黙秘権の行使」

    ラウダ「既視感のある発言だ」

    スレッタ「Slash your delusion……ですかね」

    エラン「シュレディンガーの後日談」

    >>168

    グエル「……どうだろう?」

    スレッタ「私ならエリィ、エランさんなら四号さん、ラウダさんならフェルペトさん……でしょうか?」

    エラン「正直グエルがはまり役過ぎて考えてなかったよね」

    ラウダ「二児の父(18)」

  • 171二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 02:13:08

    エランが結局確かめなかったシャディクのロッカーの中身が遺書だったということかな?

  • 172二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 02:57:29

    今回わりと長丁場だったから読み返すと忘れてることも多いな…
    エルノラとプロスペラは別人として存在してるんですかね?

  • 173二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 07:23:51

    >>171

    シャディク「そうだね。他には一応体術や心理学の教科書、育児書の類が入っているよ」

    >>172

    スレッタ「べつじん、です!エリクトの母がエルノラで、スレッタの母がプロスペラ……てことにした、みたいです?NPCを無作為に増やしたせいで扱いに難儀していた形跡ですね」


    「ペトラ・イッタ、特技は門の魔術、よろしくおねがいします!」

    「フェルシー・ロロッス!治癒とか使えます!!あと今はいないけどエリィは火を扱うのが得意です!!!!」

     二人はそう言って、綺麗に敬礼した。その前に立っていた長身の男、四号は、手に持っていた電気銃をしばらく撫でると、「よろしく」と言って立ち上がる。

     ちなみに某怪盗はわしゃわしゃと二人の頭を撫でくりまわしていた。ここに来て初めてできた後輩だし、何かこう、この二人には、魂の繋がりというか__ずっと後輩として可愛がっていたような気がする。初対面のはずなのに。

    「……二人とも警察辞めてしまったんだね、そのままでもよかったのに」

    「いられませんよ、あんなこと起こしちゃったから。あでも一応病院事務に再就職しました」

    「私はエリィを支えたいので!最近は元気そうにしてて嬉しいッス」

    「よかったなあ、偉いなあ、二人とも!よしよし、俺のことは先輩と呼ぶんだぞ」

     もちろんッス先輩!と揃って目を輝かせた二人に呼ばれ、グエルは状況も忘れてしみじみと感動した。

     四方の壁に扉が見える。

     衣服がなんか白いローブになってる。

     部屋の中にあるのは見慣れない机と裸電球を除けば、その上にある__なんかこう、どろりと赤い無臭のスープくらいである。

    「じゃ、さっさと倒すか。奇襲したいからペトラは門開いて、例のアレの背後をとって」

    「直通で帰らなくてもいいんですか?」

    「駆り立てる恐怖だけぶちのめしてから帰りたい」

    「もはや趣味じゃないですか!もう~、怪我したら言ってくださいね」

     言いながらも、しかし__どこか狂犬じみた表情で、四人は扉に向き直る。ペトラが何かを唱えると、電気銃が、バチリと音を立てた。


     __勇敢なる者よ!お前らはもう来るな!!

  • 174二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 08:50:11

    「……えっと、改めて、はじめましてラウダくん?」

    「はじめまして、ニカさん?」

    「なんでそんな緊張してるんですか、二人とも!」

    「何故俺たちは連れてこられたんだ?」

    「さあ」

     ラウダとニカが緊張して固まるのを、スレッタがきらきらと目を輝かせながら見ていた。グエルとエランは「確実に場違いだよな」「ね」と顔を見合せている。

     __本来ならあの惨劇の夜に、友達になるはずだった二人。

     何の因果かこうなってしまったけれど、結局およその初対面がアレ(case3参照)だったのは気がかりだった。そこでスレッタが取り計らって、こうして揃って食事会するに至ったのだ。ちなみにグエルやらエランやらを連行しついでに自分もいるのは間違ってもラウダとニカのデートにみえないようにするためというちょっとした独占欲である。だってその、スレッタとニカは恋人!なので!!

    「えっと……ラウダ・ニール、だよ。チョコチップクッキーと、紅茶が好き」

    「は?待てラウダそれは初耳だ、お前コーヒー党じゃなかったのか」

    「ニカ・ナナウラです。セドやシーシアの学校で教師をやっていて、モビルスーツのぬいぐるみがすきです」

    「モビルスーツのぬいぐるみ!デミトレさんはニカさんの自作なんですよ」

    「ちょっと一旦茶々入れるのやめて黙ろうかグエルもスレッタも!!」

     エランが二人のくちびるを塞ぐ。二人は不満気な顔でこっちを見ていた。僕はツッコミ要員じゃないんだけど?ふざけないでほしい。エランは切に思った。

     ラウダは、ニカは、「私もチョコチップクッキーがすきです」「僕もモビルスーツがすき」と共通点を探し、微笑み合う。不意にニカが頬杖をつき、少しだけ俯いた。

    「私たち、ほんとにおともだちに、なれたのかもしれない」

     ラウダがふと、ぱちくりとめをまたたかせて、ふにゃりと笑った。

    「何を言っているの。もうおともだち、でしょう」

     なんだか感動的な雰囲気を守るため、エランは「そういやアイツ『不思議ちゃん』だったな。俺といる時もそのほわほわでいろ」「は?私は認めてないんですけど……ふざけないでほしいんですけど」と口々に文句を言う二人の口をそっと塞いでいた。ほんとうにふざけないでほしい。エランは切に思った。

    ねくすと→dice1d3=3 (3)

    1:文通コンビ(産むかも)

    2:初恋コンビ(おしごと)

    3:グエとミオ(お墓参り)

  • 175二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 09:03:19

    また毒入りスープやってた 前回も戦闘慣れした異常者を招集してたし、そのときにも「もう来るな!」って言ってたし、ここのチャウグナー・フォーンはうっかりさんなのかな?

    折角ダイスのお導きでラウダが残ってくれたんだから『もう一度』が叶ってるといいなと思う… 個人的には弟か妹か両方かが増えてるとなお嬉しい

  • 176二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 09:19:04

     手を合わせる。

     ふたつぶんの__二人を庇って亡くなったシャディクと、あの時ミオリネが撃ったシャディクの遺体が納められた墓の前で、グエルとミオリネは静かに祈りを捧げていた。

     今日はこの後、揃ってエランの家にお呼ばれしている。オリジナルがチェリーパイを焼いて待ってくれているらしい。グエルは行きずりに花屋で買った花束を捧げながら、ミオリネを見下ろした。

    「しゃがみこまないほうがいい。服が汚れる」

    「……」

     ミオリネは黙り込んだままだった。

     グエルはしかし、立ち去ることを促しはしない。ただ、ミオリネの頭をぐしゃぐしゃと撫でるだけだった。

     ふと、立ち上がる。雨がポツリと降ってきて、グエルは慌てて傘をさした。ミオリネはしばらく小雨に打たれた末に、本降りの気配を察して自分も折りたたみを取り出す。進む。進む。それからグエルとしばらく距離を開けたところで、こちらに背を向けたまま立ち尽くした。

    「私は間違っていた?」

    「さあな」

    「あいつは誰より世界のことを愛していたから。私の役目は、世界を守ること」

    「ああ」

    「……ごめん、感傷的になってた。私は__」

     雨がうるさくて、その先は聞き取れない。

     聞き取れないということにして、グエルはミオリネの背を支え、歩き出した。しばらくもすれば、ケレス家に辿り着く。インターホンを押せば、中からエランが出てきて、「わっ」と悲鳴じみた声をあげる。

    「ちょっと、なんでミオリネ濡れてるの!?シャワー浴びてきなよ!服はうちのメイドの貸してあげるし、兄様には僕から言っとくからさ」

    「ありがとう」

     ミオリネの声がかすかに掠れて、上擦っている。

     グエルは「助かる」とだけ言って、温かなその中に足を踏み入れた。最初は後込みしていた豪邸も、何度も来ていればそりゃ慣れる。チェリーパイの甘い香りの中、エランはくるりと振り返り、無邪気に笑った。

    「ようこそ、ケレス家へ!」


    dice1d3=3 (3)

    1:文通コンビ

    2:初恋コンビ

    3:何らかのあまり頭が良くないもの(予定:スレッタとニカによるパーフェクトデート講座)

    (こういうのみたい、この組み合わせ気になる、等あれば、言ってくだされば今日の夜頃から書けるものから可能な範囲で書くつもりだよ!とりあえず次のシナリオの構想ができるまでは続ける予定です。愛着湧きすぎ!!)

  • 177二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 09:27:06

    (産むかも)がシンプルかつド直球で笑っちゃった

  • 178二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 09:46:33

    4号さんがいる毒入りスープRTAみたいな短い感じでいいので、ケナンジさんとオルコットとミオリネとグエルが過去にどんな感じで事件を解決してたのか見てみたいです

  • 179二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 10:53:05

    (産むかも)が気になりすぎます…!

  • 180二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 11:23:17

    次のご構想なるべくごゆっくりでお願いします
    …というのは冗談ですが、今回のシナリオもハラハラドキドキ楽しかったです
    後日談あれば何でも読んでみたい
    いつもありがとうございます

  • 181二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 15:37:40

    part1からざっと読み返したのでちょっと追加の質問を…

    part1 >>182

    part2 >>17 >>146

    part3 >>112 >>113の秘匿ダイスはどういう内容ですか?

    あとペトラとエリクトの約束とは何だったんでしょうか?

  • 182二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 16:17:31

    後日談めちゃくちゃ気になります……!!広義の文通コンビではあるんですが、ジェターク家とラウダのお話とかも見てみたいです

  • 183二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 16:25:45

    今シナリオが過去最長だったと思いますし愛着も湧きますよね


    >>182と被るかもしれませんが、シーシア・セドがラウダをどう思っているかとか知りたいです

  • 184二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 16:39:55

    >>181

    スレッタ「part1の182は私の精神分析判定です。ここで失敗していたら、出目次第ですが『大声をあげながらカチコミする』などでリリッケさんの死亡フラグになったり、『サビーナやレネを問答無用で殺しにかかる』などしていたみたいです。あぶないところでした」

    エラン「part2の17は僕の幸運判定だね。ここで失敗していればオリジナルは死亡していた。成功していたから、救出するチャンスが生まれたんだね」

    スレッタ「part2 146は、それぞれ私たちのアイデアロールですね。二つとも別世界ではありますが『スレッタとエランが良い感じになる』みたいな話なので、それを見てオカルト的なアレで初恋の記憶と目の前の存在が結び付けられる__エランさんはこれでクリティカルを出したので、ほぼ確信的に『あの時の初恋の人はスレッタだったんじゃないか』と勘付いた、みたいな感じです!ついでにpart3の112も私のアイデアです、これでニカさんの異常に気付いた(元気がないくだり。ただしレギュラーなので発狂してることまでは気付けない)という感じです」

    ラウダ「part3 113は順に僕のPOW判定、兄さんの色ボケ判定、ペトラの復讐判定。ちょっと後……134でやってた点数稼ぎと同じ感覚かな。兄さんが勝てば復讐を止める寄りになるって感じ。どっちかに振り切れてくれればよかったんだけど……このあたりかなり拮抗してて、どちら寄りにするか最後まで悩んだらしいよ。結局『許す』を引いたからそっち寄りにした、とのこと。ちなみにあそこでペトラの手を取ってもその後の展開的にペトラが一人で向かうことには変わりない。ただし演出として、『お別れです』じゃなくて『きっとまた、あいましょうね』って感じになっていたらしいよ」

    ペトラ「ラウダ先輩とフェルシーには何があっても手を出さない、って約束してました。結局私の方に来たのでアレですが、もしラウダ先輩がvsエリクトに参加していた場合、モブ教団員はラウダ先輩に対して攻撃を仕掛けませんでしたよ。……治癒の魔法を使っているところを見て、フェルシーは、私と同じだって、わかったから。守りたかったんでしょう」

  • 185二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 16:41:29

    >>182 >>183

    ミオリネ「思った以上に長くなりすぎちゃった。ま、またぼちぼち次のを考えながら、しばらくコイツらで何か書こうかなって感じ。もし次スレ立てるなら別にコイツらに限った話じゃなくて、今までのを思い出しながら『あのシナリオのコイツは今!』とかもやりたいかも。あとショートシナリオをどこかからお借りして継続で回してみるとかもアリね」

    グエル「……case1で人質になったシーシアを助けに行った時ラウダも一緒だったから、悪感情は抱いていないと思うぞ。というか実は文通相手やシャディクと俺の恋路できゃっきゃしてたという裏設定があるので、割と好意的だと思う」

    ラウダ「まあ『グエルがとられちゃう!』みたいな危機感も一定数あるんじゃないかな。特にシーシアは、目のことでかなり恩義を感じているだろうからね」


    なんか産むかもしれないやつがめちゃめちゃツッコミ入っており、せっかくなので:dice1d3=1 (1)

    1:問答無用で係数dice1d6=6 (6) 2:ラウダがセド&シーシアとお話する 3:何らかのダイスをいっぱいふる

    (展開を考えるので先に珍道中withオルコット&ケナンジだよ!)

  • 186二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 16:42:08

     __グエルが入隊して、およそ半年。
     本日の任務は、とある豪華客船で行われる。目的は、ここに潜伏し、頃合いを見て別で用意してある船に乗り高飛びする予定だというマフィアのボスを、その犯罪の証拠をゲットしつつひっとらえることだ。グエルは変装用として初めて着るビジネススーツに「おああ……」と感動の声をあげた。ちなみに十八の子供が着たところでスーツに着られている印象がぬぐえていない。可哀想
     扉が開く音がして顔をあげる。やってきたのは、ドレスに身を包んだミオリネと、護衛兼お手伝いとして引っ張ってきたケナンジやオルコット、そして__見事に正装をしたシャディクだ。「今回も頼りにしてる」と微笑んだ彼に、グエルは一瞬見惚れるが、すぐに意識を現実に引き戻し、ミオリネを見つめる。彼女は咳ばらいをして、「作戦の概要を確認するわよ」と言った。
    「私は船内のカメラをハッキング。ケナンジさんは私の補佐。グエルは実際にこのマフィアに近づいて証拠を探って、オルコットはグエルの傍について。んでもってシャディクは」
    「高飛び用の船を抑える、でしょ。わかっているよ」
     与えられた任務に、グエルはしばし、苦い顔をする。コミュニケーションや交渉事は得意だが、そんな、潜入捜査のようなことは慣れていない。何より、
    「……俺だけなんか危険じゃないか?」
    「そのために俺が来たんだろうが」
     オルコットは壁に寄りかかる。スーツの奥で、キイ、と義手が鳴る音がした。グエルはそれでも少し不満げだが、すぐに気を取り直す。相手の気を逸らし隙を作るうえで、確かにこの見るからにオーラがすごい面々の中では、一番こう、チョロそうというか、見た目からしてまだあどけないグエルが一番適任であることは間違いない。グエルはオルコットの手を取ると、これもまあ役得だしな、と言って、ニイと笑った。
    「パーティーってことは旨い飯がいっぱいあるんだよな。俺ハンバーグ取るからお前は唐揚げとれよ!」
    「グエル」
    「もう……任務のこと忘れないでくださいよ、グエルさん」
    「あはは。いっぱい食べてきなよ、グエル!」
     咎めるように言うミオリネ、注意しながらも微笑ましいような調子が混じるケナンジ、楽しそうに笑うシャディク、嘆息したオルコット。
     __グエルが盛大にやらかし警察が来ていることがバレて、デカめのドンパチが始まる三十分前の話であった。

  • 187二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 16:54:50

    これは末っ子グエル……この時すでに二児の父頑張ってると思うと余計にほほえましい

  • 188二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 17:02:44

    問答無用の係数最大値で大草原

    お話も見てみたいけど…

    謎ダイスの回答ありがとうございます

    ただ多分ちょっとずれててエランの幸運判定はpart2の>>48の銃声の後じゃないでしょうか?

  • 189二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 17:39:45

    >>188

    ミオリネ「……普通に見るところ間違っていたわね!!ぽんこつ!!!!」

    スレッタ「ひ、低い方、私の幸運に+20で判定して、失敗したら気づかれてリリッケさんが殺されていたみたいです!!よかった……生きてた……」


     シーシア・ジェタークはこの日酷く苛々していた。

     理由の一割は朝っぱらから「ちょっくらエランとミオリネ連れて墓参りしてくる!帰りは夜になるからヨロシク!」と爽やかに出かけて行ったグエル、一割はそれをからっと見送って「夕飯までには帰ってこいよ!」と笑ったセド、そして残り八割が目の前にいるこの男、ラウダ・ニールである。

     留守番を頼まれたという彼は、勝手知ったるという調子で冷蔵庫をあけ、手慣れた様子でオムライスやらなんやらの昼食の準備を整えると、モビルスーツ?がどうとかでサクッとセドとも打ち解けてしまった。先程からしきりに「ディランザグリーンを推すなんて『わかってる』ヤツだ……!」と目を輝かせているセドを見てシーシアは心底思った。チョロい。チョロすぎるぞセド・ジェターク。

    「どう、美味しい?シーシア」

     ラウダはほわほわした笑みを浮かべてシーシアを見る。グエルの作るものはもう少し卵が硬い。味も濃い。だがこれはこれで普通に美味しいのが非常にむかつく。シーシアが「うまい!」と怒気を混ぜて逆ギレするように叫べば、ラウダは「よかった」と言って食後のコーヒーを準備しはじめた。

     シーシアが手早く皿を空にすると、ラウダはサクッとそれを回収して、洗い物までする。本当になんなんだよお前。シーシアが舌打ちすると、ふと、ラウダが振り返った。

    「……この世界はTRPG。あらゆる事柄は処理で決まる」

    「なんだ突然。そういうのはPL発言でしろ」

    「それが本来確率によるものであっても、達成値が100を越えていれば、余程面白い目が出ない限り成功となる、あるいは言い換えれば」

    「何が言いたい」

    「『できるまでやればいい』」

     シーシアの瞼が、ピクリと震えた。セドは首を傾げたままだ。ラウダが振り返り、無邪気な__しかしどこか薄ら寒い、復讐者(アヴェンジャー)時の面影が残る笑顔を向けた。

    「二人とも、弟と妹ならどちらがほしい?」

    「は?」

    「どちらもがいいかな」

    「へ???」

    ????:dice1d100=41 (41) (20*6=120)

  • 190二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 17:43:07

    120は草

  • 191二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 17:48:42

    ダイス振るまでもなく必中ですわね…

  • 192二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 17:52:23

    出るまで回せば100%のガチャ理論…
    この元復讐者強い

  • 193二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 18:06:57

    赤飯炊かなきゃな(?)

  • 194二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 18:11:00

    >>189

    20につき1人なら“どちらも”いけるね!やったね!

  • 195二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 19:42:26

    ラウダもシーシアちゃんもごく自然に第四の壁ブチ破ってて笑う

  • 196二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 19:52:26
  • 197二次元好きの匿名さん23/07/17(月) 20:08:28

    >>196

    スレ立て乙です

    後日談も過去シナリオのあの人は今も楽しみです!


    改めて見るとエランは誰に矢印向けててもわりと詰んでたくさくてかわいそう…

    グエルはワンチャンあったかもだけどピタゴラとダイス神の謎の寵愛でラウダに惚れてしまったし…

  • 198二次元好きの匿名さん23/07/18(火) 00:55:51

    いやー、おもしれー…
    後日談ありがとうございます!!!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています