- 1§23/07/19(水) 22:50:56
皿の上の肉を食べている。
目の前へと出された肉を、ナイフで裂き、フォークで突き刺し、口へと運ぶ。
一連の動作はまるで芸術品のようで、しかしどこか本能的だ。
鉄とガラスがぶつかる音だけが、何も無い部屋に響く。
しばらくすると、皿の上に乗っていた肉は、汚れとなった脂だけを残して無くなった。
彼女が食べた肉は、はたしてこれで何皿目だろうか。
様々な肉が出てきた。
そのどれもを知っていた訳ではないが、そのどれもを覚えている。
その全てを、食べた。
ひとつひとつ丁寧に、何かを憂うような目で、しかし確実に、その口で、歯で、咀嚼し、その身体へと流し込んでいった。
おいしかった。
とてもとても、おいしかった。
また食べたいと思った。
何度でも、それこそ永遠に食べていたいと思った。
けれど、耳鳴りは止まなかった。
だからこそ、食べた。
どれだけの時間が経っても、味覚はへばりついたまま、落ちなかった。
食べて、食べて、食べて、食べ続けて。
彼女は、 となった。
目の前には、肉がある。
目の前には、 た が って た。
また、食べる。
また、 女 す。 - 2二次元好きの匿名さん23/07/19(水) 22:51:35
- 3二次元好きの匿名さん23/07/19(水) 22:52:48
でたわね